JP4273723B2 - 磁気ヘッド支持体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ヘッド支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ノートパソコン等においては、耐衝撃性を付与して信頼性を高めるために、磁気ディスク停止時には磁気ヘッドを磁気ディスク外に退避させるロード・アンロード機構が採用されている。
ロード・アンロード機構(第1図参照)においては、磁気ディスク停止時に磁気ヘッドを、磁気ディスク外に設置した磁気ヘッド支持体に載せることにより固定している。
磁気ヘッドを退避させる際には、磁気ヘッド等が磁気ヘッド支持体と摺動するため、磁気ヘッド支持体が磨耗して磨耗粉が発生し、この磨耗粉が磁気ディスクの故障の主な原因の1つになっている。
現在、磁気ヘッド支持体には溶融時に液晶性を示すいわゆる液晶性ポリエステル樹脂とフッ素樹脂との樹脂組成物からなるものが使用されているが、液晶性ポリエステル樹脂は表面硬度が低く、摺動により表面から繊維状物の剥離を起こしやすいという問題があった。
よって、表面硬度が高く、しかも摺動性に優れた磁気ヘッド支持体の開発が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、表面硬度が高く、しかも摺動性に優れた磁気ヘッド支持体を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記したような問題がない磁気ヘッド支持体を見出すべく、鋭意検討を重ねた結果、フッ素樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂とを含有する樹脂組成物からなる磁気ヘッド支持体が、表面硬度が高く、しかも摺動性に優れていることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
即ち、本発明は、フッ素樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂とを含有する樹脂組成物からなることを特徴とする磁気ヘッド支持体を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の磁気ヘッド支持体は、フッ素樹脂と芳香族ポリサルホン樹脂とを含有する樹脂組成物からなる。
【0007】
本発明で使用されるフッ素樹脂は、分子中にフッ素原子を含有する樹脂であり、例えば、四フッ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合樹脂、三フッ化塩化エチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂などが挙げられる。
これらの中で、四フッ化エチレン樹脂は、溶融粘度が高く融点以上でも流動しにくく、該組成物中で均一に分散しやすく、かつ分散状態が成型加工条件によっても変化しにくく、得られる成形品の機械強度や摺動特性が変化しにくいため好ましい。
四フッ化エチレン樹脂の中でも、平均粒径20μm未満の四フッ化エチレン樹脂粉末がより好ましく、市販品の例としては、例えば、フルオン(登録商標)L169J(旭硝子株式会社製)などが挙げられる。
【0008】
本発明で使用される芳香族ポリサルホン樹脂は、アリーレン単位、エーテル結合およびサルホン結合を必須の繰り返し構造単位として有する樹脂であり、アリーレン単位、エーテル結合およびサルホン結合が、ともに無秩序にまたは秩序正しく結合してなるポリアリーレン化合物である。
【0009】
該芳香族ポリサルホン樹脂としては、例えば、下記式(I)で示される構造単位を有するもの、式(I)及び式(II)で示される構造単位を有するもの、式(I)及び式(III)で示される構造単位を有するもの、または式(I)式(II)及び式(III)で示される構造単位を有するものなどが挙げられる。
【0010】
式(I)中、R1、R2は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、p、qは、それぞれ0〜4の整数を表す。R1が複数ある場合、各R1は互いに異なっていてもよく、R2が複数ある場合、各R2は互いに異なっていてもよい。
【0011】
式(II)中、R3、R4は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、r、sは、それぞれ0〜4の整数を表す。R3が複数ある場合、各R3は互いに異なっていてもよく、R4が複数ある場合、各R4は互いに異なっていてもよい。
【0012】
式(III)中、R5は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のアルケニル基、フェニル基またはハロゲン原子を表し、tは0〜4の整数を表す。R5が複数ある場合、各R5は互いに異なっていてもよい。uは1〜3の整数を表す。
【0013】
芳香族ポリサルホン樹脂が、上記構造単位(I)のみからなる場合、pおよびqは0であることが好ましい。
また、上記構造単位(I)及び(II)からなる場合、(I)/(II)のモル比は、0.1〜9.0が好ましく、より好ましくは1.0〜4.0である。
また、上記構造単位(I)及び(III)からなる場合、式(III)中のuは1であることが好ましく、(I)/(III)のモル比は、0.1〜9.0が好ましく、より好ましくは1.0〜4.0である。
【0014】
また、芳香族ポリサルホン樹脂は、上記の式(I)〜(III)で示される構造単位に加えて、さらに下記式で示される構造単位を含有していてもよい。
上記の構造単位中、Xは、酸素原子、イオウ原子、または炭素数1〜6のアルキレン基を表す。炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基またはエチレン基などが挙げられる。
【0015】
本発明で使用される芳香族ポリサルホン樹脂としては、上記構造単位(I)のみからなる芳香族ポリサルホン樹脂、上記構造単位(I)及び(II)からなる芳香族ポリサルホン樹脂が好ましく、上記構造単位(I)のみからなる芳香族ポリサルホン樹脂がより好ましい。
【0016】
本発明で使用される芳香族ポリサルホン樹脂は、例えば、特公昭42−7799、特公昭45−21318、特公平3−23570などに記載の公知の方法により製造することができるが、市販の芳香族ポリサルホン樹脂を使用してもよい。市販の芳香族ポリサルホン樹脂としては、例えば、上記構造単位(I)からなる住友化学工業株式会社製のスミカエクセルPES3600P(商品名)、上記構造単位(I)及び(II)からなるAMOCO社のUDEL P−1700(商品名)などが挙げられる。
【0017】
本発明で使用される芳香族ポリサルホン樹脂の末端構造は、樹脂の製法に従って決まるものであり、例えば、−Cl、−OH、または−OR(Rはアルキル基)などが挙げられる。
【0018】
本発明に使用される樹脂組成物は、芳香族ポリサルホン樹脂100重量部に対して、フッ素樹脂を好ましくは1〜100重量部、より好ましくは10〜50重量部、さらに好ましくは10〜35重量部含有してなる。該樹脂組成物を成形品とした場合、フッ素樹脂が1重量部未満では摺動性が不十分となる傾向があり、100重量部を超えると表面硬度の低下する傾向がある。
【0019】
該樹脂組成物には、本発明の目的を損ねない範囲で、機械物性を向上させるなどの目的で、無機充填材を含有させてもよい。無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維、ウォラストナイト、チタン酸カリウムウィスカー等の繊維状または針状の補強材、炭酸カルシウム、ドロマイト、タルク、マイカ、クレイ、ガラスビーズなどが挙げられ、これらは単独でも2種以上混合して用いてもよい。
【0020】
また、該樹脂組成物には、本発明の目的を損ねない範囲で、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、液晶ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂などを少なくとも一種含有させてもよい。
【0021】
さらに、該樹脂組成物には、本発明の目的を損ねない範囲で、染料、顔料などの着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、界面活性剤などの通常の添加剤の少なくとも一種を含有されてもよい。
【0022】
該樹脂組成物は、フッ素樹脂、芳香族ポリサルホン樹脂、必要に応じて、無機充填材、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂類、添加剤等を、ヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて混合した後、押出機を用いて溶融混練することなどにより得ることができる。
【0023】
本発明の磁気ヘッド支持体は、該樹脂組成物を、例えば、射出成形法、圧縮成形法、押出し成形法、中空成形法などの成形方法によって成形することにより得ることができる。
このようにして得られる磁気ヘッド支持体は、表面硬度が高く、しかも摺動性に優れたものである。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基いて説明するが、本発明が実施例により限定されるものではないことは言うまでもない。なお、実施例中の物性は以下の方法により測定した。
摩擦係数:下記方法で得た厚み1mm平板状試験片をCenter For Tribology社製Universal Micro Tribotesterを使用し、回転速度100rpm、回転半径5mm、直径1.6mmの球状の圧子を使用して荷重0.03N(3gf)で測定した。
表面硬度:下記方法で得た表面硬度試験片を東洋精機株式会社製自動ロックウェル硬度計を使用し、JIS K7202に準拠しMスケールで測定した。
【0025】
実施例1〜3、比較例1
以下の各成分を表1に示す組成でヘンシェルミキサーを用いて混合後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製PCM−30型)を用いて、シリンダー温度340℃で造粒し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を射出成型機(住友重機工業(株)製、ネオマットN110/45)、フィルムゲート式の64mm×64mm、1mm厚の平板金型を用いて360℃で成型して平板状試験片を得た。また、サイドゲート式の長さ127mm、幅12.7mm、厚さ6.4mmの曲げ強度試験片金型を用いて表面硬度試験片を得た。得られた試験片は上記した方法により物性評価を行った。結果を表1に示す。
(1)芳香族ポリサルホン樹脂: 住友化学工業株式会社製、商品名:スミカエクセル(登録商標)PES3600P
(2)フッ素樹脂:旭硝子株式会社製商品名:フルオン(登録商標)L169J
(3)液晶性ポリエステル樹脂: 住友化学工業株式会社製、商品名:スミカスーパー(登録商標)E6000
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、表面硬度が高く、しかも摺動性に優れた磁気ヘッド支持体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロード・アンロード機構を示す模式図である。
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