JP2000086846A - シンジオタクチックポリスチレン/液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

シンジオタクチックポリスチレン/液晶ポリエステル樹脂組成物

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JP2000086846A
JP2000086846A JP10256301A JP25630198A JP2000086846A JP 2000086846 A JP2000086846 A JP 2000086846A JP 10256301 A JP10256301 A JP 10256301A JP 25630198 A JP25630198 A JP 25630198A JP 2000086846 A JP2000086846 A JP 2000086846A
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crystal polyester
polyester resin
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resin composition
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Akiyoshi Inubushi
昭嘉 犬伏
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Otsuka Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シンジオタクチックポリスチレン系重合体と
液晶ポリエステル樹脂の相溶性を改良し、耐衝撃性、強
度、剛性を向上させるとともに、耐熱性を向上させる。 【解決手段】 (A)シンジオタクチックポリスチレン
系重合体を5〜95重量部、(B)液晶ポリエステル樹
脂を95〜5重量部、(C)ポリエーテル・エステル共
重合エラストマー及び/またはポリエステル・エステル
共重合エラストマーを、上記(A)と(B)の合計10
0重量部に対して2〜20重量部配合したことを特徴と
している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形や押し出
し成形等により成形することができ、電気・電子部品等
に用いることができるシンジオタクチックポリスチレン
系重合体/液晶ポリエステル樹脂組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気・電子部品等に用いられる樹脂組成
物は、誘電率、誘電損失、耐電圧等の電気的特性が優れ
ていることはもちろん、近年の軽薄化に対応するための
薄肉成形性や高強度・高剛性、はんだ付けに対応するた
めの耐熱性等の要求を満たさなければならない。このた
め、この目的に最も合致した樹脂として、液晶ポリエス
テル樹脂が多く使用されている。
【0003】液晶ポリエステル樹脂は分子が剛直で溶融
状態でも絡み合いを起こさず、低剪断速度においても流
れ方向に著しい配向をすると言われている。そしてこの
特異な性質のため溶融流動性が極めて優れ、薄肉成形が
容易で、しかも得られた成形品は高強度、高剛性を示す
という特徴を持っている。しかし、同時にこの特異な性
質のゆえに、成形品の異方性が極めて大きく、特にウエ
ルド強度が低いなどの問題点があった。そのため特開昭
56−115357号公報、特開平2−97555号公
報、特開平7−292362号公報に開示されているよ
うに液晶ポリエステル樹脂に他の熱可塑性樹脂を配合し
てこれらの問題点を改良する試みがなされてきたが、い
ずれも未だ不十分であった。また、最近の通信機器の高
周波化・軽量化等によって、低誘電率・低誘電正接等の
電気的特性、および軽量化においてもさらなる改良が要
望されていた。
【0004】一方、シンジオタクチックポリスチレン
(以下「SPS」ということがある)系重合体は、軽
量、低誘電率、低誘電正接、優れた耐湿・耐薬品性等に
より電気・電子部品や機械部品等に応用が期待されてい
る。しかし、耐衝撃性が低く、また耐熱性においても不
十分であったため、適用範囲に限界があった。そこで特
開平1−182344号公報、特開平1−146944
号公報、特開平1−279944号公報、特開平7−6
2176号公報、特開平7−138433号公報に開示
されているように、熱可塑性エラストマー等を配合する
ことにより耐衝撃性の改良が行われてきた。しかしなが
らSPS系重合体に熱可塑性エラストマー等を少量配合
するだけでは耐衝撃性を十分に改良することができず、
また、耐衝撃性を十分に改善させることができる程度に
エラストマー等を多量に配合すると耐熱性が低下し、電
気・電子部品等の用途に使用できなくなるという問題点
があった。
【0005】特開平7−2923625号公報において
は、SPS系重合体と液晶ポリエステル樹脂とをブレン
ドした樹脂組成物が提案されている。このようなブレン
ド組成物においては、SPS系重合体の軽量性、耐湿性
及び優れた電気特性と、液晶ポリエステル樹脂の高強度
・高剛性、薄肉成形性、耐熱性とが共に発揮されること
が期待される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、SPS
系重合体と液晶ポリエステル樹脂は互いに相溶性が悪
く、そのため十分な機械的強度及び耐熱性を得ることが
できないという問題があった。
【0007】本発明の目的は、低誘電率、低誘電損失、
耐電圧などの電気的特性に優れ、かつ、軽量、高強度、
高剛性であり、耐熱性及び成形加工性に優れたSPS系
重合体と液晶ポリエステル樹脂の樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂組成物は、
(A)シンジオタクチックポリスチレン系重合体を5〜
95重量部、(B)液晶ポリエステル樹脂を95〜5重
量部、(C)ポリエーテル・エステル共重合体エラスト
マー及び/またはポリエステル・エステル共重合体エラ
ストマーを、上記(A)と(B)の合計100重量部に
対して2〜20重量部配合したことを特徴としている。
【0009】本発明によれば、ポリエーテル・エステル
共重合エラストマー及び/またはポリエステル・エステ
ル共重合エラストマー(C)を添加することにより、S
PS系重合体(A)と液晶ポリエステル樹脂(B)の相
溶性を改良することができ、これら両者の優れた特性を
樹脂組成物において発揮させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂組成物につい
てさらに詳細に説明する。本発明において用いられるシ
ンジオタクチックポリスチレン系重合体(A)は、その
立体規則性が主としてシンジオタクチック構造であるポ
リスチレン系重合体であり、通常、ダイアッドで75%
以上、好ましくは85%以上、もしくはペンタッド(ラ
セミペンタッド)で30%以上、好ましくは50%以上
のシンジオタクティシティを有するポリスチレンをはじ
め、ポリアルキルスチレン、ポリハロゲン化スチレンな
どの様々な核置換ポリスチレンを含む。ポリアルキルス
チレンの具体例としては、ポリ(メチルスチレン)、ポ
リ(エチルスチレン)、ポリ(tertブチルスチレ
ン)、ポリ(フェニルスチレン)などがあり、ポリハロ
ゲン化スチレンの具体例としては、ポリ(クロロスチレ
ン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレ
ン)等がある。またポリ(メトキシスチレン)、ポリ
(エトキシスチレン)、ポリ(カルボキシメチルスチレ
ン)なども核置換ポリスチレンの例として挙げることが
できる。
【0011】これらのうち特に好ましいものとしては、
ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m
−メチルスチレン)、ポリ(p−tertブチルスチレ
ン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロ
スチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)などが挙げ
られる。なお上記のシンジオタクチックポリスチレン系
重合体の例としては1種類の構造単位からなる例を挙げ
たが、2種以上の構造単位からなる共重合体も利用でき
る。
【0012】これらポリスチレン系重合体の分子量につ
いては特に制限はないが、重量平均分子量で10000
以上、より好ましくは50000以上が望ましい。あま
りにも低分子量のものは機械的強度が劣り好ましくな
い。
【0013】本発明のシンジオタクチックポリスチレン
系重合体は、例えば特開昭62−187708号公報、
特開昭63−191811号公報等に記載の方法にした
がい製造される。例えば、不活性炭化水素溶媒中、また
は溶媒の不存在下に、チタン化合物および水とトリアル
キルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、上記シン
ジオタクチックポリスチレン系重合体に対応するスチレ
ン系モノマーを重合することにより製造することができ
る。
【0014】一方、本発明に用いられる液晶ポリエステ
ル樹脂(B)は、従来公知のものを広く使用でき、例え
ば全芳香族(コ)ポリエステル、全芳香族(コ)ポリエ
ステルアミド、芳香族−脂肪族コポリエステル等が挙げ
られ、これらは1種単独で、または2種以上混合して使
用されうる。
【0015】全芳香族(コ)ポリエステルおよび全芳香
族(コ)ポリエステルアミドとは、ポリマー鎖を構成す
るいずれのモノマー成分にも少なくとも1個の芳香環を
有することから、名付けられたもので、このようなモノ
マー成分としては、ハイドロキノン、レゾルシン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルメタン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,6−ジヒ
ドロキシナフトイル等の芳香族ジオール、p−フェニレ
ンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシリレン
ジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミ
ノジフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−
ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
等の芳香族ジアミン、テレフタル酸、イソフタル酸、
4,4’−ジカルボキシジフェニル、4,4’−ジカル
ボキシジフェニルエーテル、2,6−ジカルボキシナフ
トイル等の芳香族ジカルボン酸、p−ヒドロキシ安息香
酸、m−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナ
フトエ酸、4−ヒドロキシ桂皮酸等の芳香族ヒドロキシ
カルボン酸、p−アミノ安息香酸、6−アミノ−2−ナ
フトエ酸等の芳香族アミノカルボン酸等を例示できる
が、これらに限定されるものではない。
【0016】全芳香族(コ)ポリエステルは、例えば特
開昭56−104932号公報や特開昭57−4462
2号公報に開示されている方法により、また全芳香族
(コ)ポリエステルアミドは、例えば米国特許第418
2842号明細書に開示されている方法に従い、それぞ
れ製造される。
【0017】芳香族−脂肪族(コ)ポリエステルの具体
例としてはポリエチレンテレフタレートとp−ヒドロキ
シ安息香酸との共重合体を例示できる。本発明で用いら
れる液晶ポリエステル樹脂は、重量平均分子量で500
0〜200000、特に10000〜50000である
のが好適である。重量平均分子量が小さ過ぎると、得ら
れる樹脂組成物の機械物性が低下する傾向となり、逆に
大きすぎると、かかるポリマーの製造が困難である上
に、溶融粘度が高くなり、そのために得られる樹脂組成
物の成形加工が困難になるため、いずれも好ましくな
い。
【0018】本発明において用いられるポリエーテル・
エステル共重合エラストマー及びポリエステル・エステ
ル共重合エラストマー(C)は、結晶性ポリエステルハ
ードセグメントと、非晶性ソフトセグメントからなる
(XY)n型の共重合体である。結晶性ポリエステルハ
ードセグメントとしては、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタ
レート、ポリエチレンナフタレートを挙げることができ
る。ポリエーテル・エステル共重合エラストマーの非晶
性ソフトセグメントとしては、ポリアルキレングリコー
ル(特にポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール)、ポリテトラメチレングリコールとテレフ
タル酸の縮合物、ポリエチレングリコールとテレフタル
酸の縮合物、ポリプロピレングリコールとテレフタル酸
の縮合物等が挙げられる。また、ポリエステル・エステ
ル共重合エラストマーのソフトセグメントとしては、ポ
リカプロラクトン等が挙げられる。これらは、ハードセ
グメントとソフトセグメントの比率によって硬さが異な
るが、表面硬度D(ASTM D2240)で30〜8
0程度のものが適当である。しかしながら、この範囲に
限定されるものではない。また、重合度と相関するメル
トフローレイトは230℃で3〜50程度のものが好適
に用いられるが、これに限定されるものではない。好ま
しいポリエーテル・エステル共重合エラストマー、ポリ
エステル・エステル共重合エラストマーとして、デュポ
ン社製のハイトレル(登録商標)、東洋紡績社製のペル
プレン(登録商標)、帝人社製のヌーベラン(登録商
標)などを挙げることができる。
【0019】本発明のポリマー組成物においてシンジオ
タクチックポリスチレン系重合体(A)と液晶ポリエス
テル樹脂(B)の混合比率は、成分(A)5〜95重量
部、成分(B)95〜5重量部が適当である。成分
(A)が5重量部より少ない場合は、軽量化、低誘電率
化、耐湿性、強度の異方性等に対する改良効果が不十分
であり、成分(B)が5重量部より少ない場合は、耐衝
撃性、耐熱性に対する改良効果が不十分である。これら
2者の混合比率は、その目的によって随時選択される。
すなわち、軽量化、優れた電気特性および低価格を重視
する場合は、シンジオタクチックポリスチレン系重合体
(A)の割合を高くし、薄肉成形性、機械的高強度、耐
熱性を重視する場合は、液晶ポリエステル樹脂(B)の
割合を高くすれば良い。ポリエーテル・エステル共重合
エラストマー及び/またはポリエステル・エステル共重
合エラストマー(C)の添加比率は、(A)+(B)1
00重量部に対して2〜20重量部が適当である。2重
量部より少ない場合は相溶化の効果が少なく不十分であ
る。20重量部を超えて使用すると耐熱性に劣り、はん
だ付けなどに支障をきたす。
【0020】本発明の樹脂組成物には、上記(A)〜
(C)に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、各
種添加剤を配合することができる。例えば、酸化防止
剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、顔料等の
着色剤、難燃剤、帯電防止剤、ケッチェンブラック等の
導電性付与材、機械的・熱的強化材等を挙げることがで
きる。強化材について更に詳しく述べると、ガラス繊
維、カーボン繊維、アルミナ繊維、高弾性ポリアミド繊
維、ホウ酸アルミニウム繊維、チタン酸カリウム繊維、
各種鉱物繊維等の繊維状充填材、タルク、シリカ、炭酸
カルシウム、マイカ、カオリン等の粒状・鱗片状の充填
材を挙げることができる。そしてこれらの強化材は公知
のごとく、シランカップリング剤などの表面処理剤で表
面処理してもよい。
【0021】本発明の樹脂組成物を製造する方法は特に
限定されるものではないが、工業的見地からみて溶融混
練する方法が有利である。溶融混練には一軸または二軸
の押し出し機、各種のニーダー等が用いうる。混練に際
して、各樹脂成分を予めヘンシェルミキサー、タンブラ
ーミキサー等を用いて均一に混合しても良いが、混練装
置にそれぞれ別個に定量的に供給する方法も用いること
ができる。
【0022】
【実施例】以下、具体的な実施例により本発明をさらに
詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0023】実施例1〜4 二軸押出機(製品名;TEX44,日本製鋼所製)を用
い、シンジオタクチックポリスチレン(商品名;ザレッ
ク130A,出光石油化学社製)とポリエーテル・エス
テル共重合エラストマー(商品名;ペルプレンP150
B,東洋紡績社製)またはポリエステル・エステル共重
合エラストマー(商品名;ペルプレンS3001,東洋
紡績社製)を表1の割合で配合し溶融した後、サイドフ
ィード方式にて液晶ポリエステル樹脂(商品名;ベクト
ラA950,ポリプラスチックス社製)を同じく表1の
割合で供給して、シリンダー温度300℃、スクリュー
回転数100rpmで混練した。径3.5mmのダイか
ら押し出し、冷却後、ストランドカットを行い本発明の
樹脂組成物ペレットを得た。
【0024】得られたペレットを射出成形機(製品名;
FS−150N,日精樹脂工業社製)を用い、シリンダ
ー温度290℃、金型温度150℃にてJISに準拠し
た各試験片を得た。
【0025】これらの試験片を用いて、曲げ強さ(JI
SK7203)、荷重たわみ温度(JISK7207,
荷重4.6Kgf/cm2 )、IZOD耐衝撃強度(J
ISK7110,ノッチ付き)をJISに準拠して測定
した。
【0026】比較例1〜4 比較例1ではSPSのみ混練し、比較例2〜4ではポリ
エーテル・エステル共重合エラストマーまたはポリエス
テル・エステル共重合エラストマーを配合しない表1に
示した条件で樹脂組成物を得、上記実施例と同条件で射
出成形して試験片を作製し、物性を測定した。測定結果
を表1に併せて示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示す通り、ポリエーテル・エステル
共重合エラストマーまたはポリエステル・エステル共重
合エラストマーを配合した本発明に従う実施例1〜4の
樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃特性、曲げ強さのいずれ
においても優れており、SPS系重合体の欠点が明らか
に改良されている。
【0029】実施例5〜7 ポリエーテル・エステル共重合エラストマーとして帝人
社製「ヌーベランL4310AN」(商品名)、ポリエ
ステル・エステル共重合エラストマーとして同じく帝人
社製「ヌーベランP4165AKN」(商品名)、液晶
ポリエステル樹脂としてポリプラスチックス社製「ベク
トラC950」(商品名)を用いた以外は実施例1〜4
と同様にして、表2に示した配合で本発明の樹脂組成物
を得た。これらのペレットを使用し、実施例1〜4と同
様な条件で射出成形し、各試験片を作製した。各試験に
用いた試験片の形状と試験の方法は次のようにした。
【0030】〔試験片形状〕比重、誘電特性、耐湿試験
用試験片;厚さ1.27mm、直径50mmの円板曲げ
弾性率の異方性試験片;厚さ2mm、120mm角の平
板(サイドゲート)
【0031】〔評価方法〕 比重の測定法;アルキメデス法によった。 誘電特性;3GHzの空洞共振法で測定した。 耐湿試験;試験片をオートクレーブに入れ、121℃,
2気圧の熱水中に72時間保持後、240℃のはんだ浴
に15秒間浸し、試験片のふくれ等を目視で観察し、以
下の基準で評価した。
【0032】 ○:ふくれなし △:ふくれが3箇所以下 ×:ふくれが4箇所以上 曲げ弾性率の異方性試験;120mm角の平板から幅1
5mmの試験片を流れ方向と流れに直角方向になるよう
に切り出し、それぞれについてJISK7203に準拠
した曲げ試験を行った。
【0033】比較例5〜8 比較例5では液晶ポリエステルのみ混練し、比較例6〜
8ではポリエーテル・エステル共重合エラストマーまた
はポリエステル・エステル共重合エラストマーを配合し
ない表2に示した条件で樹脂組成物を得、上記実施例と
同条件で射出成形して試験片を作製し、物性を測定し
た。測定結果を表2に併せて示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2から明らかなように、液晶ポリエステ
ルの欠点である機械的強度の異方性、耐湿性の改善が本
発明に従う実施例5〜7の樹脂組成物において顕著なこ
とがわかる。
【0036】
【発明の効果】本発明のシンジオタクチックポリスチレ
ン/液晶ポリエステル樹脂組成物は、誘電特性、耐電圧
などの電気特性に優れ、軽量かつ高強度・高剛性であ
り、さらに耐熱性・成形加工性にも優れている。従っ
て、本発明のシンジオタクチックポリスチレン/液晶ポ
リエステル樹脂組成物は、このような特性を生かし、射
出成形や押し出し成形等により成形することができ、電
気・電子部品等の用途に有益に用いることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)シンジオタクチックポリスチレン
    系重合体を5〜95重量部、(B)液晶ポリエステル樹
    脂を95〜5重量部、(C)ポリエーテル・エステル共
    重合体エラストマー及び/またはポリエステル・エステ
    ル共重合体エラストマーを、上記(A)と(B)の合計
    100重量部に対して2〜20重量部配合したことを特
    徴とするシンジオタクチックポリスチレン/液晶ポリエ
    ステル樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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