JP5678506B2 - ポリマーアロイとその製造方法および成形品 - Google Patents
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Description
C=4πS/L2 (1)
で定義される分散相のコンパクトネス(C)が、0.05≦(C)≦0.8であり、熱可塑性樹脂の少なくとも1成分は非晶性樹脂であり、カオス混合の混練温度を、使用する樹脂の中で最もガラス転移温度の高い樹脂を基準として、そのガラス転移温度より、1〜70℃、高く設定して得られるポリマーアロイである。
C=4πS/L2 (1)
で定義される分散相のコンパクトネス(C)が、0.05≦(C)≦0.8であるポリマーアロイである。
C=4πS/L2 (1)
で定義される分散相のコンパクトネス(C)が、0.05≦(C)≦0.8の構造を指す。
0.05≦(C)≦0.6
であることがより好ましく、さらには
0.1≦(C)≦0.5
であることがより好ましい。コンパクトネス(C)が小さくなると、分散相と連続相の接触界面積が大きくなることから、分散相の持つ優れた特性を最大限に発揮し、ポリマーアロイとして、著しく優れた特性を得ることが可能となる。
ウルトラミクロトームを用いて超薄切片を切り出したサンプルについて、日立製作所製H−7100型透過型電子顕微鏡を用いて12万倍に拡大して相構造の観察を行った。
カバーガラスは使用せず、カプトンのフィルムに挟んで、加熱プレスで、サンプルを厚さ0.1mmのシートを作製し、得られた薄膜状試料をカプトンフィルムから外して、薄膜状試料を直接測定した。小角X線散乱は、理学電気社製RA−micro7を用いて、イメージングプレートに30分間露出して得られた2次元データを円環平均により、1次元の散乱プロファイルに変換し、このようにして得られた散乱プロファイルを元に、波数に対し、散乱強度の逆数としたDebyeプロットを行い、Debyeプロットにおいて、その傾きを切片で割った平方根から相関長を求めた。
厚さ0.1mmのカバーガラスにポリマーアロイを挟み込み、加熱プレスすることで、薄膜状試料を作製し、カバーガラスに挟んだ状態で光散乱測定を行った。光散乱は、大塚電子社製DYNA−300を用いて、CCDカメラに1分間露出して得られた2次元データを円環平均により、1次元の散乱プロファイルに変換し、このようにして得られた散乱プロファイルを元に、波数に対し、散乱強度の逆数としたDebyeプロットを行い、Debyeプロットにおいて、その傾きを切片で割った平方根から相関長を求めた。
分散相を任意に100箇所選択し、画像解析ソフトScionImageを用いて、分散相の面積(S)及び分散相の周囲長(L)から各々のコンパクトネス(C)を求めた。表には、コンパクトネス(C)の平均値から求めた値を記載した。図3に、相構造の形状の模式図を記載した。表には、実施例、比較例で観察された相構造の形状を、図3の(a)、(b)で示した。例えば、実施例1では、図3(a)の相構造であったことを示す。
実施例1〜7、比較例1〜3に、記載した。
ASTM D648に準拠し、安田精機製作所製148−HDD−6Sを用いて昇温速度120℃/hr、荷重1.82MPaにおける荷重たわみ温度の測定を行った。
バンバリ型ミキサで混練後、氷水中に急冷し構造を固定したサンプルについて、10s、1.5MPaで加熱プレスを行い、シート(厚み0.8mm)を作製した。シートから、長さ×幅×厚み=50mm×10mm×0.8mmのサンプルを切り出し、オリエンテック社製UTA−2.5Tを用いて、チャック間距離20mm、引張速度10mm/分で測定した。
ASTM D638に準拠し、1号ダンベルサンプルを、オリエンテック社製UTA−2.5Tを用いて、試料標点間距離114mm、引張速度10mm/minで測定を行った。
バンバリ型ミキサで混練後、氷水中に急冷し構造を固定したサンプルについて、10s、1.5MPaで加熱プレスを行い、シート(厚み0.8mm)を作製した。シートから、長さ×幅×厚み=50mm×10mm×0.8mmのサンプルを切り出し、島津製作所製 分光光度計MPC3100を用いて、波長240〜2600nmの全光線透過率を測定した。
PC(1):ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、“ユーピロン”H4000、 ガラス転移温度155℃)
PMMA:ポリメタクリル酸メチル(住友化学(株)製 “スミペックス”MHF、ガラス転移温度105℃)
PPO:ポリフェニレンオキシド(三菱エンジニアリングプラスチック(株)製、PX−100F ガラス転移温度205℃)
N66:ポリアミド66樹脂(融点265℃、末端アミノ基濃度11.5×10−5mol/g、98%硫酸1g/dlでの相対粘度2.65であるポリアミド66樹脂、ガラス転移温度49℃)
HPPO:((三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製:“ユピエース” PX−100F)100重量部と無水マレイン酸1.2重量部とラジカル発生剤(“パーヘキシン”25B:日油(株)製)0.1重量部をドライブレンドし、シリンダー温度320℃で溶融混練して得た変性PPO樹脂、ガラス転移温度205℃)
SMA:無水マレイン酸変性ポリスチレン樹脂(ノバ・ケミカル・ジャパン(株)製、“ダイラーク”D332、無水マレイン酸含有量15重量%、ガラス転移温度131℃)
実施例8〜9、比較例4、6において、カオス混合ゾーンとは、ニーディングディスクよりなり、かかるニーディングディスクのディスク先端側の頂部とその後面側の頂部との角度である螺旋角度θが、スクリューの半回転方向に0°<θ<90°の範囲内にあるツイストニーディングディスクと、フライトスクリューからなり、かかるフライトスクリューのフライト部にスクリュー先端側から後端側に向けて樹脂通路が形成されているバックミキシングスクリューとを交互に組み合わせたゾーンである。
原料を、バンバリ型ミキサに供給し、表1記載のバレル設定温度(混練温度)で、2分間混練後、取り出し、氷水中に急冷し、構造を固定した。表1記載のバレル設定温度は、混練温度と同じである。バンバリ型ミキサは、ラボプラストミル50C150型(東洋精機製作所製)に、左右共、バンバリ型スクリューを装着したミキサであり、スクリュー回転数を10rpmとした。原料の組成は表1に記載した。
表2記載の組成の原料を、スクリュー回転数200rpmとした二軸スクリュー押出機(JSW社製TEX30XSSST)(L/D=45.5(尚ここでのLは原料供給口から吐出口までの長さである。))に供給し、ポリマー溶融部以降のバレル温度を表2記載の温度で調整した。ダイから吐出後のガットをすぐに氷水中に急冷し、構造を固定した後ストランドカッターでペレタイズしペレットを得た。
表3記載の組成の原料を、スクリュー回転数100rpmとした二軸スクリュー押出機(JSW社製TEX30XSSST)(L/D=45.5(尚ここでのLは原料供給口から吐出口までの長さである。))に供給し、ポリマー溶融部以降のバレル温度を表3記載の温度で調整した。ダイから吐出後のガットをすぐに氷水中に急冷し、構造を固定した後ストランドカッターでペレタイズしペレットを得た。
Claims (6)
- 少なくとも2成分以上の熱可塑性樹脂をカオス混合による溶融混練するポリマーアロイの製造方法であって、カオス混合が、粒子追跡法において、線長さ(L)、初期線長さ(L0)とするとき、仮想的な線の伸びの対数(lnL/L0)が、2以上となるカオス混合であり、熱可塑性樹脂の少なくとも1成分は非晶性樹脂であり、カオス混合の混練温度を、使用する樹脂の中で最もガラス転移温度の高い樹脂を基準として、そのガラス転移温度より、1〜70℃、高く設定するポリマーアロイの製造方法。
- 二軸スクリュー押出機により、カオス混合による溶融混練を行う請求項1記載のポリマーアロイの製造方法。
- 少なくとも2成分以上の熱可塑性樹脂をカオス混合により溶融混練して得られるポリマーアロイであり、かつ該ポリマーアロイ中の分散相の相関長が0.001μm〜0.5μmの非周期構造であり、さらに分散相の面積(S)、分散相の周囲長(L)とするとき、下記式(1)
C=4πS/L2 (1)
で定義される分散相のコンパクトネス(C)が、0.05≦(C)≦0.8であり、熱可塑性樹脂の少なくとも1成分は非晶性樹脂であり、カオス混合の混練温度を、使用する樹脂の中で最もガラス転移温度の高い樹脂を基準として、そのガラス転移温度より、1〜70℃、高く設定して得られるポリマーアロイ。
- カオス混合が、粒子追跡法において、線長さ(L)、初期線長さ(L 0 )とするとき、仮想的な線の伸びの対数(lnL/L 0 )が、2以上となるカオス混合である請求項3記載のポリマーアロイ。
- 請求項3または4に記載のポリマーアロイからなる成形品。
- 成形品が、射出成形品、フィルムまたはシートである請求項5に記載の成形品。
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