JP2003522315A - 射出成形されたねじ付きロータおよびその製造方法 - Google Patents

射出成形されたねじ付きロータおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 好ましい実施態様においては、全体に筒状の金属製シェル／インサート（２０）と、全体に筒状のねじ付き熱可塑性部材（７２）とを含み、ねじ溝付き熱可塑性部材（７２）はシェル／インサート（２０）の壁に配置され、かつ、内面に形成されたねじを有し、該ねじはシェル／インサート（２０）に挿入されるシャフトの外面に形成された相補的なねじと係合可能である、リニアアクチュエータ用ねじ付きロータである。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータに関し、より具体的には、リニアアクチュエータ用の新規な
射出成形されたねじ付きロータに関する。
【０００２】
【従来の技術】
１つのタイプのリニアアクチュエータは、ねじ付きロータを電気モータの内部
に設けることにより構成される。相補的にねじが切られた親ねじが前記ロータを
貫いて挿入され、ロータの回転により、該ロータの回転方向に応じて前記親ねじ
を一方向か逆方向か選択的に直線的に前進させる。かかる用途に用いられる電気
モータの一群は、ステップモータ、あるいはより具体的には、ハイブリッドステ
ップモータである。
【０００３】 ねじ付きロータの従来の製造方法は、青銅のような軸受タイプの材料から前記
モータのねじが切られたロータ部分を機械加工することである。これは、以下の
とおりのいくつかの理由から、非常に労働集約的で、かつ費用のかかる作業であ
る。 （１）原材料が一般に高価で、かなりの量の屑がでる。 （２）多くの場合、用いられるねじの形式はアクメねじで、このねじの適切な機
械加工にはいくつかの工程が必要である。 （３）軸受材料として良い素材が必ずしも加工しやすいとはかぎらないが、その
よい例が青銅である。
【０００４】 さらに、切られたねじの表面仕上げが一般に悪いことが理由で、これらの構成
部材の前記機械加工の方法では効率的に動作しない部品が製造される。
【０００５】 他の用途では、効率の向上のためにＰＴＦＥまたはシリコーンのような固体の
潤滑剤を取り込んだ熱可塑性材料をロータに用いることはよくある。しばしば、
これらの部品は射出成形により形成されたねじを用いる。これにより、表面仕上
げがましになるために、より効率的なねじが形成される。残念ながら、１または
２以上の軸受面となる前記ねじ部の伸張部は、熱可塑性樹脂で形成される場合に
は安定ではない。
【０００６】 その結果、熱可塑性樹脂の低い摩擦係数のような熱可塑性ねじ付きロータの有
利な性質と、非常に重要なジャーナル軸受領域における金属の安定性とを併せ持
つ複合ロータを有することが望ましい。
【０００７】 したがって、本発明の主要な目的は、射出成形された熱可塑性のねじ部と、金
属製の１または２以上のジャーナル軸受領域とを有するリニアアクチュエータ用
の複合ロータを提供することである。
【０００８】 本発明の他の目的は、容易に、かつ、経済的に製造可能な複合ロータを提供す
ることである。
【０００９】 本発明のさらに他の目的は、ねじを回して取り外す金型で部分的に製造するこ
とができる複合ロータを提供することである。
【００１０】 本発明のその他の目的並びに具体的な特長、要素および利点は、以下の説明及
び添付図面に説明され、あるいは以下の説明及び添付図面から明らかになるであ
ろう。
【００１１】 発明の開示 本発明は、とりわけ、全体に筒状の金属製シェル／インサートと、該シェル／
インサートの壁に配置され、内面に形成されたねじ部を有し、該ねじ部は前記シ
ェル／インサートに挿入されるシャフトの外面に形成される相補的なねじと係合
可能である、全体に筒状のねじ付き熱可塑性部材とを含むリニアアクチュエータ
用ねじ付きロータを好ましい実施態様において提供することにより、前記の目的
を達成する。
【００１２】 本発明の最良の実施態様 同一または類似の要素には異なる図面で一貫した符号が付され、説明される要
素が他の図面に示されている場合であっても、該要素が最も良く示される図面の
番号がかっこ内に記されている図面が参照される。
【００１３】 図１および２は、本発明に従って構成され、全体が参照番号２０により示され
る全体に筒状のシェル／インサートを示す。シェル／インサート２０は、第１お
よび第２の軸受領域３０および３２を含み、第１および第２の軸受領域は、前記
シェル／インサートがその一部となるモータのジャーナル軸受で支持されている
と理解される。軸受領域３０および３２のうちいずれかだけが提供されてもよく
、したがって本発明が軸受構造を１つしか有しないモータにおいて使用されても
よいものと理解される。シェル／インサートは、中央部４０と、中間軸受３０お
よび３２とを含み、その壁を貫いて画定され、軸方向に伸び、等間隔で放射状に
配置された４つのスロット４２（図１には１つのみが示され、図２には２つが示
されている）を有する。図３および４を参照して示されるように、スロット４２
は、射出成形されたねじ部について保持および位置決めの特長を提供する。本発
明の企図の範囲内で、より少数または多数のスロットが提供されてもよい。
【００１４】 シェル／インサートは、真鍮のような、従来の機械加工技術を用いて容易に加
工できる材料から加工される。
【００１５】 図３を参照して、全体が参照番号５０で示され、第１および第２の金型セクシ
ョン５２および５４を有する金型が示されている。シェル／インサート２０は金
型５０の中に配置される。ロック式コアピン６０がシェル／インサート２０の一
方の端に挿入されており、外面の一部にねじが切られているねじ付きコアピン６
２がシェル／インサート２０の他方の端に挿入されている。スロット４０と連絡
するランナー／ゲート６０（図２）が、熱可塑性樹脂をシェル／インサート２０
の周囲および内部に射出して前記シェル／インサートの中にねじ付き熱可塑性部
材７２を形成するのに用いられるが、ねじ付き熱可塑性部材７２の内面に形成さ
れたねじ部は、ねじ付きコアピン６２の外面に形成されたねじ部と相補的である
。
【００１６】 図４は完成したロータを示す。図４に明示されているように、スロット４０は
ねじ付き熱可塑性部材７２とシェル／インサート２０との間での回転を阻止する
ための保持部の役割を果たす。
【００１７】 製造の手順では、シェル／インサート２０は機械加工される（図１および２）
。そして、ねじ付きコアピン６２およびロック式コアピン６０がシェル／インサ
ート２０に挿入される（図３）。つぎに、コアピン６２および６０が内部に配置
されたシェル／インサートが金型５０の第２の金型セクション５４に挿入され、
第２の金型セクション５４と第１の金型セクション５２とが閉じられる。そして
、熱可塑性材料がランナー／ゲート７０を通して金型５０に射出されてねじ付き
熱可塑性部材７２が形成される。つぎに、金型５０が開けられ、シェル／インサ
ート２０が取り外され、ロック式コアピン６０が取り外され、ねじ付きコアピン
６２が手動または自動でシェル／インサート２０からねじを回して取り外される
。
【００１８】 ロック式コアピン６０は、ねじ付きコアピン６２の端部から熱可塑性材料が漏
出するのを阻止するために提供される。ロック式コアピン６０およびねじ付きコ
アピン６２は、適切な位置関係を確保するために相互に適合する（ｉｎｔｅｒｆ
ｉｔ）。示された相互に適合する配置は、ねじ付きコアピン６２の近位の端部に
形成され、先端が断ち切られた先細のピンが、ロック式コアピン６０の近位の端
部に形成された相補的な形状の通路に挿入された状態であるが、その他の適当な
配置が提供されてもよい。
【００１９】 本発明の前記実施態様においては、個々の要素および／または特長は必ずしも
特定の実施態様に限定されず、適用可能な場合には置換することができ、特に示
されていないとしても、いかなる選択的な実施態様において使用されてもかまわ
ないことが認識されるべきである。
【００２０】 ここで用いられる、「上」、「下」、「内」、「外」、「内向き」、「外向き
」、「垂直」、「水平」等の用語は、添付された図面に示されたそれぞれの要素
の位置を参照するものであり、本発明は必ずしもかかる位置に限定されない。
【００２１】 したがって、上の説明において説明され、あるいは上の説明から明らかとなっ
た前述の物は効率よく達成されることが理解されるべきであり、本発明の範囲か
ら逸脱することなく上記の構成に一定の変更を行うことは許されるため、上の説
明に含まれ、あるいは添付図面に示される全ての事項は、例示としてのみ解釈さ
れるべきであり、限定的な意味ではないことが意図されている。
【００２２】 特許請求の範囲はここに説明された本発明の一般的および具体的な特長の全て
を覆うことが意図されており、本発明の範囲の全ての言明は、言葉の問題として
、これらの間に当たるものといえるかもしれないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
本発明およびそのさまざまな局面の理解は、例示の目的のみのために提供され
、本発明の範囲を画定することは意図されていない添付図面を参照することによ
り容易となる。
【図１】 本発明のシェル／インサートの正面断面図。
【図２】 図１のシェル／インサートの部分断面斜視図。
【図３】 本発明のロータが完成した状態で収容された金型の正面断面図。
【図４】 本発明のロータの完成状態の正面断面図。
【符号の説明】
２０ シェル／インサート ３０ 第１の軸受領域 ３２ 第２の軸受領域 ４０ 中央部 ４２ スロット ５０ 金型 ５２ 第１の金型セクション ５４ 第２の金型セクション ６０ ロック式コアピン ６２ ねじ付きコアピン ７０ ランナー／ゲート ７２ ねじ付き熱可塑性部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ Ｆターム(参考） 3J103 AA02 AA41 AA63 AA90 FA15 FA18 GA12 HA31 4F206 AD03 AD12 AG03 AG07 AH04 JA07 JB12 5H615 AA01 BB01 BB05 BB08 BB14 PP02 SS03 SS13 SS24 SS44 TT11 TT32

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 （ａ）全体に筒状の金属製シェル／インサートと、（ｂ）該
    シェル／インサートの壁に配置された全体に筒状のねじ付き熱可塑性部材とを含
    み、該熱可塑性部材はその内面に形成されたねじ部を有し、該ねじ部は前記シェ
    ル／インサートに挿入されるシャフトの外面に形成された相補的なねじと係合可
    能である、リニアアクチュエータ用ねじ付きロータ。
  2. 【請求項２】 前記シェル／インサートの壁に形成された少なくとも１つの
    スロットを含み、前記シェル／インサート中での前記ねじ付き熱可塑性部材の回
    転を阻止するために前記ねじ付き熱可塑性部材の一部が前記スロット中に伸びて
    いる、請求項１に記載のリニアアクチュエータ用ねじ付きロータ。
  3. 【請求項３】 前記シェル／インサートの外面にある少なくとも１つの軸受
    領域を含む、請求項１に記載のリニアアクチュエータ用ねじ付きロータ。
  4. 【請求項４】 （ａ）全体に筒状のシェル／インサートを機械加工するステ
    ップと、（ｂ）該シェル／インサートを金型に入れるステップと、（ｃ）前記シ
    ェル／インサートの壁に配置されるねじ付き熱可塑性部材を形成するために、熱
    可塑性材料を前記金型に射出するステップとを含み、前記ねじ付き熱可塑性部材
    は内面に形成されたねじ部を有し、該ねじ部は前記シェル／インサートに挿入さ
    れるシャフトの外面に形成された相補的なねじと係合可能である、リニアアクチ
    ュエータ用ねじ付きロータの製造方法。
  5. 【請求項５】 前記射出するステップは、前記シェル／インサート中での前
    記ねじ付き熱可塑性部材の回転を阻止するために、前記シェル／インサートに形
    成された少なくとも１つのスロットに前記熱可塑性材料を射出することを含む、
    請求項４に記載のリニアアクチュエータ用ねじ付きロータの製造方法。
  6. 【請求項６】 前記シェル／インサートを前記金型に入れる前に、ロック式
    コアピンとねじ付きコアピンとを前記シェル／インサートに挿入するステップを
    含む、請求項５に記載のリニアアクチュエータ用ねじ付きロータの製造方法。
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