JPH10120039A - 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに抗菌剤 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに抗菌剤

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JPH10120039A
JPH10120039A JP29819296A JP29819296A JPH10120039A JP H10120039 A JPH10120039 A JP H10120039A JP 29819296 A JP29819296 A JP 29819296A JP 29819296 A JP29819296 A JP 29819296A JP H10120039 A JPH10120039 A JP H10120039A
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thermoplastic resin
acid ester
antibacterial
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fatty acid
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Kimio Yoshikawa
公夫 吉川
Koji Kanehara
康治 金原
Kazuyuki Sashita
和幸 指田
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Riken Vitamin Co Ltd
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Riken Vitamin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、光変色性が改善されており、
防曇性、帯電防止性、安全性に優れた抗菌性を有する熱
可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに抗菌剤を提供
することにある。 【解決手段】モノ脂肪酸エステル純度が50重量%以上
であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有すること
を特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂組成物
及びその製造方法並びに抗菌剤に関し、詳しくは人体及
び食品に触れた場合でも安全性の高い抗菌性を有する熱
可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに抗菌剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、抗菌性樹脂組成物として、抗
菌剤を熱可塑性樹脂組成物に分散含有させ、フィルム・
成型品に抗菌性を付与させることが知られている。抗菌
剤としては、有機系化合物が使用されることが多く、該
有機系化合物としては、有機砒素系化合物のバイナジ
ン、有機塩素系化合物のPCP、アニリンの誘導体のチ
アベンゾール等がある。これらのものは樹脂から溶出性
を有し、抗菌性を発現する作用機構となっている。この
ため、食品包装材料等に使用した場合、抗菌剤が直接食
品に接触することになり、食品衛生上、安全性の点で問
題があるといわれている。
【0003】近年、開発された無機系の抗菌剤として、
ゼオライト中の金属イオンを銀イオンで置換した抗菌性
銀ゼオライトがあるが、無機系であるが故に持続性、溶
出性、臭気、耐熱性に優れており、安定した状態での使
用が可能である。しかしながら、熱可塑性樹脂中に抗菌
性銀ゼオライトのような銀化合物を添加し、フィルム・
シート・成型品を作成した場合、これら成型物が光によ
り著しく変色をきたしてしまうので、商品価値が著しく
低下するという欠点を有している。
【0004】この銀ゼオライトよりなる抗菌剤の変色を
改良する目的で、特定のリン酸塩系化合物が開発された
(特開平4−275370号)が、従来の銀ゼオライト
に比べれば改善はされているが、未だ十分ではない。
【0005】また、食品に触れた場合でも、安全性の高
い抗菌性、防曇性、帯電防止性を有するシート・フィル
ムに関して、抗菌剤として炭素数8〜12の高級脂肪酸
モノグリセライドを含有する方法がある(特開平4−2
0571号)。しかし、当該化合物の抗菌性、防曇性及
び帯電防止性に関して、その効果は十分とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題
は、光変色性が改善されており、防曇性、帯電防止性、
安全性に優れた抗菌性を有する熱可塑性樹脂組成物及び
その製造方法並びに抗菌剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、 1.モノ脂肪酸エステル純度が50重量%以上であるジ
グリセリンモノ脂肪酸エステルを含有することを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物、
【0008】2.前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステル
の脂肪酸炭素数が8〜16の範囲であることを特徴とす
る前記1記載の熱可塑性樹脂組成物、
【0009】3.ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを、
熱可塑性樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部含
有することを特徴とする前記1又は2記載の熱可塑性樹
脂組成物、
【0010】4.熱可塑性樹脂組成物がシート、フィル
ムその他の成形品又は成形品材料であることを特徴とす
る前記1、2又は3記載の熱可塑性樹脂組成物、
【0011】5.ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化
反応生成物から未反応ジグリセリンを除去する方法、溶
剤分別する方法、分子蒸留による方法によって、モノ脂
肪酸エステル純度が50重量%以上であるジグリセリン
モノ脂肪酸エステルを得、これを熱可塑性樹脂100重
量部に対し、0.1〜5重量部含有せしめることを特徴
とする熱可塑性樹脂組成物の製造方法、
【0012】6.モノ脂肪酸エステル純度が50重量%
以上であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルから成るこ
とを特徴とする抗菌剤、により達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の詳細について説明
する。本発明に係るモノ脂肪酸エステル純度が50重量
%以上であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルから成る
抗菌剤は、抗菌性の要求される物質、物品(不織布、
糸、繊維もしくはこれらの製品、セルロース、紙もしく
はこれらの製品、合成樹脂組成物もしくはこれらの製
品、又は染料、ペイント、接着剤、粘着剤等)のいずれ
に添加、含有せしめてもよく、例えば、合成樹脂組成
物、特に熱可塑性樹脂組成物に適用することができる。
尚、本発明に係る抗菌剤は、他の抗菌剤(無機系抗菌
剤、他の有機系抗菌剤等)の1又は2以上と併用しても
よい。
【0014】グリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセ
リン脂肪酸エステルは、食品添加物として、使用食品、
使用量に規制が設けられていない安全な化合物である。
これら化合物の中でグリセリン脂肪酸エステル、トリグ
リセリン脂肪酸エステル、ヘキサグリセリン脂肪酸エス
テル及びデカグリセリン脂肪酸エステルに抗菌性がある
ことは知られている(Antimicrobial A
gents andChemotherapy,No
v.1973、第501〜506頁)。
【0015】一方、本発明に用いるジグリセリンモノ脂
肪酸エステルの抗菌特性については未だ知られておら
ず、しかも熱可塑性樹脂に溶融混合した場合の抗菌性に
ついても全く知られていなかった。
【0016】本発明に用いられるジグリセリンモノ脂肪
酸エステルは、モノ脂肪酸エステルを50重量%以上含
むものである。一般的にジグリセリン脂肪酸エステル
は、ジグリセリンと脂肪酸とを無触媒又は触媒存在下1
80〜240℃で加熱混合して得られる。エステル化反
応は、無差別分布に沿って進行し、反応生成物として未
反応ジグリセリン、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの
他に、同ジエステル、同トリエステル、同テトラエステ
ルが存在する。これらの存在比率は、ジグリセリンと脂
肪酸の反応モル比により決定される。具体的に、ジグリ
セリンとパルミチン酸とを混合し、未反応脂肪酸がなく
なるまで反応した場合、反応生成物はほぼ下記表1のよ
うになる。
【0017】
【表1】
【0018】ジグリセリンと脂肪酸の反応生成物は、反
応モル比を変えてもモノエステル含量が50重量%を超
えることがない。本発明に用いられるモノ脂肪酸エステ
ルを50重量%以上含有するジグリセリンモノ脂肪酸エ
ステルは、通常の反応生成物から未反応ジグリセリンを
除去する方法(この方法ではモノ脂肪酸エステル含量は
最大で55重量%にできる)、溶剤分別する方法、分子
蒸留による方法などにより得ることができる。これら未
反応物除去法、溶剤分別法、分子蒸留法は公知の技術を
採用できる。
【0019】使用量は、熱可塑性樹脂に対して該化合物
を0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部であ
る。配合量が下限値未満では、抗菌効果が不十分であ
る。また、上限値を超えて加えることは、実用上の抗菌
効果として必要十分以上である上、べたつきが大きくな
り、熱可塑性樹脂の物性変化が大きくなる等好ましくな
い。
【0020】本発明に適用される熱可塑性樹脂は、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、エチレン−αオレフィン共重合体のいずれか、単
独又はこれらの混合物からなるポリオレフィン樹脂(こ
こでエチレン−αオレフィン共重合体のαオレフィンと
しては、炭素数4〜10でブテン−1、ペンテン−1、
オクテン−1、デセン−1等が挙げられる)、ナイロン
−6、ナイロン−12等のポリアミド樹脂、ポリスチレ
ン、ABS等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリル酸メチル等のビニル系
樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート、
ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド等のポリエー
テル樹脂、ポリウレタン樹脂等を使用できるが、これら
に限定されない。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物を、シート、
フィルム、その他の成型物に成形加工する方法として
は、公知の方法が利用できる。予め、バンバリー型ミキ
サー、一軸或いは多軸混練機等で前記熱可塑性樹脂を均
一に混練後、各種成形法により目的の成型品を得ること
ができる。フィルム、シート化の方法としては、Tダイ
法、インフレーション法、カレンダー法等の常法が利用
できる。また、フィルムに強度やその他の機能を付与す
るために共押出し法や、他のフィルム等のラミネーショ
ンによる多層化もできる。更に、チューブラー二軸延
伸、テンダー二軸延伸を施すこともできる。成型品で
は、通常の押出し法、射出成型法、ブロー成型法等が利
用できる。
【0022】尚、熱可塑性樹脂に通常添加される可塑
剤、熱安定剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、着
色剤、改質剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤及び他の抗菌
剤(無機系抗菌剤、他の有機系抗菌剤等)、難燃剤等の
各種添加剤ないし副原料は必要に応じて任意に配合され
ていてもよい。
【0023】
【実施例】以下、実験例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実験例に限定されるものではない。 実験例1 [試料1の作成]ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対
し、下記するようにそれぞれの配合剤を所定量配合し、
スーパーミキサーでドライアップ後、押出機により厚さ
0.015mmのフィルムに押出し、試料1とし、抗菌
性及び防曇性について評価した。
【0024】 ポリ塩化ビニル樹脂 100重量部 ジイソノニルアジペート(DINA) 28重量部 ジ(n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル)アジペート(610A) 4重量部 エポキシ化大豆油 10重量部 安定剤(Ca−Zn系液状安定剤) 2重量部 抗菌剤{ジグリセリンモノラウリン酸エステル(DGML)(モノエステル含 量85重量%)} 1.5重量部
【0025】[試料2の作成]上記試料1中の抗菌剤を
ジグリセリンモノミリスチン酸エステル(DGMM)
(モノエステル含量83重量%)に代えた以外は試料1
と同じにして試料2を作成し、抗菌性及び防曇性につい
て評価した。
【0026】[試料3の作成]上記試料1中の抗菌剤を
ジグリセリンモノパルミチン酸エステル(DGMP)
(モノエステル含量85重量%)に代えた以外は試料1
と同じにして試料3を作成し、抗菌性及び防曇性につい
て評価した。
【0027】[比較の試料4の作成]上記試料1中の抗
菌剤をグリセリンモノカプリル酸エステル(GMC)
(モノエステル含量85重量%)に代えた以外は試料1
と同じにして比較の試料4を作成し、抗菌性及び防曇性
について評価した。
【0028】[比較の試料5の作成]上記試料1中の抗
菌剤をジグリセリンモノラウリン酸エステル(DGL)
(モノエステル含量42重量%)に代えた以外は試料1
と同じにして比較の試料5を作成し、抗菌性及び防曇性
について評価した。
【0029】[比較の試料6の作成]上記試料1中の抗
菌剤を銀ゼオライト(無機系抗菌剤)に代えた以外は試
料1と同じにして比較の試料6を作成し、抗菌性及び防
曇性について評価した。
【0030】[試料7の作成]上記試料1中の抗菌剤を
除いた以外は試料1と同じにして比較の試料7を作成
し、抗菌性及び防曇性について評価した。
【0031】<抗菌性の評価>得られた試料1〜7を用
いて、下記方法で抗菌性について評価した。 Staphylococcus aureus(黄色ブ
ドウ球菌) Escherichia coli(大腸菌) を共試して、AATCC−90改法による抗菌性試験を
実施した。即ち、各細菌を直径85mmのプラスチック
製シャーレ中に菌数が約2〜4×10個となるように
調製して5mlの普通寒天培地で均一に分散、固化させ
た。本寒天培地の表面に各試料30×30mm栽片を貼
付して、37℃で24時間培養後、阻止円の有無を観察
した。結果を表2に示す。
【0032】<防曇性の評価>得られた試料1〜7を用
いて、下記方法で防曇性について評価した。高温試験に
ついては、カップに40℃の温水を入れ、この上に試料
を覆い密封し、25℃の環境下に放置した際の各経過時
間毎の各試料の防曇性を観察し、下記評価基準に基づき
評価した。低温試験については、トレイに20℃の水を
入れ、この上に試料を覆い密封し、5℃の環境下に放置
した際の各経過時間毎の各試料の防曇性を観察し、下記
評価基準に基づき評価した。結果を表2に示す。 (評価基準) 5:全く曇りなし 4:一部に水滴あり 3:半面に水滴あり 2:大部分に水滴あり 1:全面に水滴あり 0:全面曇り
【0033】
【表2】
【0034】表2の結果から抗菌性について、本発明は
格段に効果があることが判る。またフィルム接触面だけ
でなく、非接触面についても効果の及ぶことが判る。さ
らに、本発明は防曇性付与効果をも有することが判る。
【0035】実験例2 低密度ポリエチレン(MI=3)のペレット粉砕品に、
前記実験例1の試料1〜3で使用した抗菌剤{ジグリセ
リンモノ脂肪酸エステル(DGML、DGMM、DGM
P)}及び前記実験例1の比較の試料4〜7に用いた抗
菌剤(GMC、DGL、銀ゼオライト、試料7は無し)
を3重量%混合し、二軸押出機を用いて溶融混練し、3
重量%マスターバッチを作成した。このマスターバッチ
を使用して、最終濃度1重量%含有まで希釈し、厚さ
0.025mmのフィルムをTダイ押出し法にて作成
し、試料8〜14とした。各試料を50℃、20時間エ
ージング処理後、抗菌性及び防曇性について評価した。
【0036】<抗菌性の評価>得られた試料8〜14を
用いて、下記方法で抗菌性について評価した。菌株とし
て、Staphylococcus aureus(黄
色ブドウ球菌)を用い、生菌数104〜106CFU/
mlになるように生菌数測定用SCD培地(日本製薬社
製)で希釈し、希釈菌液とした。この希釈菌液をプラス
チック製滅菌シャーレに0.2ml分注する。各試料5
0×50mm栽片を、希釈菌液の上に載せ、試料と菌液
を密着させる。この試料の入ったシャーレを、37℃、
20時間培養した。所定時間培養後、試料に密着した菌
液を生理食塩水10mlで洗い流し、洗液0.1mlを
標準寒天培地を用い、混釈平板培養法(37℃、24時
間培養)により生菌数を測定し、試料片1枚当たりに換
算した。結果を表3に示す。尚、試料15として、検体
に滴下した菌液と同量の菌液をシャーレに保存した対照
についても評価した。
【0037】<防曇性の評価>前記した通り。結果を表
3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】表3の結果から、本発明は抗菌性に有効で
あることが判る。また、本発明は同様に防曇性付与効果
をも有することが判る。
【0040】実験例3 ポリプロピレン(ホモポリマー、MI=25)のペレッ
ト粉砕品に、前記実験例1の試料1〜3及び実験例2の
試料8〜10で使用した抗菌剤{ジグリセリンモノ脂肪
酸エステル(DGML、DGMM、DGMP)}、並び
に前記実験例1の比較の試料4〜7及び実験例2の比較
の試料11〜14に用いた抗菌剤(GMC、DGL、銀
ゼオライト、試料7及び14は無し)を5重量%混合
し、二軸押出機を用いて溶融混練し、5重量%マスター
バッチを作成した。このマスターバッチを使用して、濃
度1重量%含有まで希釈し、射出成形機により厚さ2m
mの平板を作成し、試料16〜22とした。抗菌性及び
帯電防止性について評価した。
【0041】<抗菌性の評価>前記実験例2と同様の方
法で評価した。結果を表4に示す。尚、試料23とし
て、検体に滴下した菌液と同量の菌液をシャーレに保存
した対照についても評価した。
【0042】<帯電防止性の評価>得られた試料16〜
22を用いて、25℃、50%RHの環境下で表面固有
抵抗を測定した。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】表4の結果から、本発明は抗菌性に有効で
あることが判る。また、本発明は帯電防止性付与効果を
も有することが判る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、人体や食品に接触して
も極めて安全で優れた抗菌性を有する熱可塑性樹脂組成
物が得られた。しかも本発明は、抗菌性と共に優れた帯
電防止性及び防曇性を有している。本発明による抗菌性
を有する熱可塑性樹脂組成物によって食品包装用フィル
ムや容器を形成し、該フィルムや容器を用いて食品を包
装した場合、フィルム又は容器表面に付着した微生物の
生育を抑制ないしは殺菌できる。更に防曇性を有してい
るため内面に曇りが生じることがない。また、本発明に
よる抗菌性を有する熱可塑性樹脂組成物によって成型品
(文具、玩具、雑貨品等)を形成した場合、優れた抗菌
性を有していると共に、帯電防止性をも有しているた
め、埃等の付着が少ない。更に、本発明に係る熱可塑性
樹脂組成物を農業用フィルム(ハウス用、展張用等)と
して用いた場合、表面に付着した微生物の生育を抑制な
いしは殺菌できる。更に防曇性を有しているため内面に
曇りが生じることがない。そして帯電防止性をも有して
いるため、埃等の付着が少ない。本発明に係る抗菌剤
は、食品添加物であるポリグリセリン脂肪酸エステルで
あるので食品衛生上極めて安全である。本発明に係る熱
可塑性樹脂組成物は、シート、フィルムその他の成形品
であってもよいし、ペレット、コンパウンドその他の成
形用材料であってもよい。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】モノ脂肪酸エステル純度が50重量%以上
    であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有すること
    を特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの脂
    肪酸炭素数が8〜16の範囲であることを特徴とする請
    求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを、熱可
    塑性樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量部含有す
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】熱可塑性樹脂組成物がシート、フィルムそ
    の他の成形品又は成形品材料であることを特徴とする請
    求項1、2又は3記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応
    生成物から未反応ジグリセリンを除去する方法、溶剤分
    別する方法、分子蒸留による方法によって、モノ脂肪酸
    エステル純度が50重量%以上であるジグリセリンモノ
    脂肪酸エステルを得、これを熱可塑性樹脂100重量部
    に対し、0.1〜5重量部含有せしめることを特徴とす
    る熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】モノ脂肪酸エステル純度が50重量%以上
    であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルから成ることを
    特徴とする抗菌剤。
JP29819296A 1996-10-22 1996-10-22 熱可塑性樹脂組成物及びその製造方法並びに抗菌剤 Withdrawn JPH10120039A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000027195A1 (fr) * 1998-03-13 2000-05-18 Meiji Milk Products Co., Ltd. Agent insecticide, acaricide et antibacterien pour plante

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000027195A1 (fr) * 1998-03-13 2000-05-18 Meiji Milk Products Co., Ltd. Agent insecticide, acaricide et antibacterien pour plante

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