JPH10119691A - エアバッグドア部を一体に有するインストルメントパ ネル - Google Patents

エアバッグドア部を一体に有するインストルメントパ ネル

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JPH10119691A
JPH10119691A JP8276693A JP27669396A JPH10119691A JP H10119691 A JPH10119691 A JP H10119691A JP 8276693 A JP8276693 A JP 8276693A JP 27669396 A JP27669396 A JP 27669396A JP H10119691 A JPH10119691 A JP H10119691A
Authority
JP
Japan
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skin
epidermis
instrument panel
along
slit
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Application number
JP8276693A
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English (en)
Inventor
Kazuo Kobayashi
一夫 小林
Kisozou Sasaki
喜十三 佐々木
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な外観品質を維持しつつ、表皮を開裂部
に沿って迅速に開裂させる。 【解決手段】 インストルメントパネル10のエアバッ
グドア部26の表皮14の裏面側には、無数の針穴48
による表皮開裂部28が形成されている。このため、表
皮開裂部28の剛性は低く、表皮14を表皮開裂部28
に沿って迅速に開裂させることができる。また、針穴4
8は無数に形成されているので、熱老化後の収縮によっ
て針穴48に作用する引張力を隣接する針穴48に分散
させることができる。従って、表皮14の表面に凹部や
亀裂が発生するのを防止することができ、これによりイ
ンストルメントパネル10の外観品質を良好に維持する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表皮、基材、及び
発泡層を含んだ積層構造とされることにより構成された
エアバッグドア部を一体に有するインストルメントパネ
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】助手席用エアバッグ装置の標準装備の促
進に伴って、エアバッグドア部を一体に有するインスト
ルメントパネルの開発が盛んに行われている。この種の
インストルメントパネルを開発するにあたって特に問題
となるのは、外観品質を良好に維持しつつ、どのような
構成によってエアバッグドア部における表皮をティアラ
イン(破断部)に沿って迅速に破断させるかという点に
ある。以下、この観点から、従来の開示例について検討
することにする。
【0003】特開平8−58512号公報に開示された
構成では、図12に示されるように、インストルメント
パネル100は、樹脂製の基材102と、この基材10
2に対して離間して配置された表皮104と、基材10
2と表皮104との間にウレタン発泡成形により充填さ
れた発泡層106と、によって構成されている。このイ
ンストルメントパネル100における助手席側の所定部
位に、同一構造から成る片開きのエアバッグドア部10
8が配設されている。なお、エアバッグドア部108の
裏面側にはエアバッグケース110がボルト112及び
ナット114によって基材102に固定されており、更
にエアバッグケース110内には衝突時に作動してガス
を噴出するインフレータ116及びインフレータ116
から噴出されたガスによって膨張するバッグ118が収
容されている。
【0004】ここで、上述した構成では、図13に示さ
れるように、エアバッグドア部108を開裂線Tから開
裂させて片開きさせるために、表皮104における開裂
線Tの延長線上にハーフカット部120が形成されてい
る。より具体的には、図14に拡大して示されるよう
に、ハーフカット部120は、直線状の刃であるトリム
刃(図示省略)を表皮104の裏面側から押し付けるこ
とにより形成されている。また、ハーフカット部120
は、表皮104の表面には到達しない深さに設定されて
いる。なお、表皮104におけるハーフカット部120
の裏面には、保護テープ122が貼着されている。
【0005】上記構成によれば、衝突時になると、イン
フレータ116からガスが噴出してバッグ118が膨張
する。このため、エアバッグドア部108に膨張圧が作
用し、低剛性化されたハーフカット部120に応力が集
中して、開裂線Tに沿って発泡層106を破断させると
共に表皮104をハーフカット部120で開裂させる。
これにより、エアバッグドア部108が展開して、バッ
グ118が助手席側へ膨出される。さらに、ハーフカッ
ト部120は表皮104の表面には到達しないように切
り込まれているので、外観品質は良好に維持されるとい
うものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示された構成による場合、拡大して示す図15
(A)に示されるように、表皮104に形成されるハー
フカット部120がティアラインに沿って1本の直線状
に形成(単列配置)されているため、熱老化後の収縮に
より、同図(B)に示される如くハーフカット部120
に矢印R方向への引張力が作用して口開き124が生じ
る。この口開き124の発生に伴い、表皮104におけ
るハーフカット部120との対向面側に凹部126が生
じ、更に老化が進むとハーフカット部120と凹部12
6との間の部分に亀裂128が発生する。その結果、イ
ンストルメントパネル100の外観品質が低下するとい
う問題がある。
【0007】本発明は上記事実を考慮し、良好な外観品
質を維持しつつ、表皮を開裂部に沿って迅速に開裂させ
ることができるエアバッグドア部を一体に有するインス
トルメントパネルを得ることが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、車室内側に配置された表皮と、この表皮の裏面側に
離間して配置された基材と、この基材と表皮との間に配
置された発泡層と、を含んだ積層構造とされることによ
り構成され、助手席側となる所定位置に衝突時にバッグ
の膨張圧で表皮開裂部に沿って開裂して展開するエアバ
ッグドア部を一体に有するインストルメントパネルであ
って、表皮の裏面側から形成されると共に表皮の表面に
は達しない深い針穴を、表皮開裂予定線に沿って密に配
置させることによって、前記表皮開裂部を構成した、こ
とを特徴としている。
【0009】請求項2記載の本発明は、車室内側に配置
された表皮と、この表皮の裏面側に離間して配置された
基材と、この基材と表皮との間に配置された発泡層と、
を含んだ積層構造とされることにより構成され、助手席
側となる所定位置に衝突時にバッグの膨張圧で表皮開裂
部に沿って開裂して展開するエアバッグドア部を一体に
有するインストルメントパネルであって、表皮の裏面側
から形成されると共に表皮の表面には達しない浅いスリ
ットを、表皮開裂予定線に沿って互いに平行に複数列配
置させることによって、前記表皮開裂部を構成した、こ
とを特徴としている。
【0010】請求項1記載の本発明によれば、表皮開裂
予定線に沿って密に配置された深い針穴によって表皮開
裂部を構成したので、当該表皮開裂部は表皮の一般部よ
りも剛性が低くなっている。このため、バッグ膨張圧が
作用すると、表皮は表皮開裂部に沿って迅速に開裂す
る。
【0011】しかも、本発明によれば、表皮の表面には
達しない深い針穴を表皮開裂予定線に沿って密に配置さ
せたので、熱老化後の収縮によって針穴を口開きさせよ
うとする引張力が隣接する針穴を口開きさせようとする
引張力によって相殺される。ここに、単に、表皮の表面
には達しない深い針穴を、表皮開裂予定線に沿って等間
隔で直線状に配置するのではなく、密に配置させた意義
がある。これにより、本発明によれば、針穴に口開きが
生じることがなくなるので、表皮の表面に凹部が生じる
ことも、更には亀裂が生じることもなくなる。
【0012】請求項2記載の本発明によれば、表皮開裂
予定線に沿って互いに平行に複数列配置された浅いスリ
ットによって表皮開裂部を構成したので、当該表皮開裂
部は表皮の一般部よりも剛性が低くなっている。このた
め、バッグ膨張圧が作用すると、表皮は表皮開裂部に沿
って迅速に開裂する。
【0013】しかも、本発明によれば、表皮の表面には
達しない浅いスリットを表皮開裂予定線に沿って互いに
平行に複数列配置させたので、熱老化後の収縮によって
スリットを口開きさせようとする引張力が隣接するスリ
ットを口開きさせようとする引張力によって相殺され
る。ここに、単に、表皮の表面には達しないスリット
を、表皮開裂予定線に沿って単列に配置するのではな
く、互いに平行に複数列配置させた意義がある。これに
より、本発明によれば、スリットに口開きが生じること
がなくなるので、表皮の表面に凹部が生じることも、更
には亀裂が生じることもなくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕以下、図1〜図4を用いて、第1実施
形態について説明する。なお、この第1実施形態が請求
項1記載の本発明の一実施形態に相当する。
【0015】図3は、インストルメントパネル10の斜
視図が示されている。この図に示されるように、インス
トルメントパネル10の助手席側となる頂部には、助手
席用のエアバッグ装置12が配設されている。
【0016】図1には、インストルメントパネル10に
おけるエアバッグ装置12の配設部位の縦断面構造が示
されている。この図に示されるように、インストルメン
トパネル10は、車室内側に配置された樹脂製の表皮1
4と、この表皮14に対して所定の間隔をあけて配置さ
れた樹脂製の基材16と、これらの表皮14と基材16
との間に充填されたウレタン発泡による発泡層18と、
を積層させることによって構成されている。表皮14は
軟質材で構成されているのに対し、基材16は比較的硬
質な硬質樹脂材で構成されている。
【0017】上述したインストルメントパネル10の基
材16におけるエアバッグ配設位置には、矩形状の開口
20が形成されている。この開口20の裏面側には、基
材16と同様の比較的硬質な硬質樹脂材によって構成さ
れた略矩形平板状のインナドア22が配設されている。
インナドア22は、矩形平板状の一般部22Aと、この
一般部22Aの長辺側から段部を介して互いに離間する
方向へ延出された帯状の取付部22Bと、によって構成
されている。各取付部22Bにはボルト挿通孔が所定の
ピッチで形成されており、これらの取付部22Bが基材
16の開口20の前縁部裏面及び後縁部裏面にそれぞれ
当接状態で配置されている。これにより、未展開状態で
は、インナドア22によって、基材16の開口20が閉
塞されている。インナドア22によって開口20が閉塞
された状態では、インナドア22の一般部22Aの車室
内側の面と基材16の車室内側の面とが面一になってい
る。さらに、インナドア22の一般部22Aの裏面側に
は、後述する表皮開裂部28と対向する位置に当該表皮
開裂部28と平面形状が同一形状のV溝状のノッチ42
が形成されている。
【0018】上述したインナドア22及びその上方に配
置される発泡層18並びに発泡層18の表面を覆う表皮
14によって、四方両開きのエアバッグドア部26が構
成されている。このエアバッグドア部26の表皮14の
裏面側には、エアバッグドア部26を四方開きに展開さ
せるための表皮開裂部28が形成されている。図3に示
されるように、表皮開裂部28は、車両幅方向を長手方
向とする横方向開裂部28Aと、この横方向開裂部28
Aの両端部からV字形に分岐された斜め方向開裂部28
Bと、によって構成されている。
【0019】図1に戻り、エアバッグドア部26の下方
(より具体的には、インナドア22の下方)には、エア
バッグ装置12の本体部30が配設されている。本体部
30は、箱体状のエアバッグケース32を備えている。
エアバッグケース32の開放側の前縁部及び後縁部に
は、互いに離間する方向へ屈曲されることで形成された
フランジ部32Aが一体に形成されている。これらのフ
ランジ部32Aを前述したインナドア22の取付部22
Bの裏面に当接させた状態で、ボルト34及びナット3
6といった固定手段によってエアバッグケース32がイ
ンナドア22と共に基材16に共締めされている。これ
により、ボルト34及びナット36による締結部位が、
エアバッグドア部26が展開する際のヒンジとなる。
【0020】なお、エアバッグケース32は、エアバッ
グドア部26の展開荷重並びにバッグ38の膨張荷重を
車体側に伝達させるべく、車両幅方向を長手方向として
配置された高強度のインパネリインフォース(図示省
略)にステーを介して固定されている。
【0021】上述したエアバッグケース32の内部下方
側には、円柱形状のインフレータ40が配設されてい
る。なお、インフレータ40は衝突状態(車両急減速状
態)を検出する図示しないセンサと接続されており、セ
ンサが車両急減速状態を検出することにより周面に形成
されたガス噴出孔からガスを噴出するようになってい
る。
【0022】また、エアバッグケース32の内部上方側
には、折り畳み状態のバッグ38が配設されている。従
って、バッグ38は、インフレータ40とインナドア2
2との間に格納されている。なお、バッグ38の端末部
38Aは、エアバッグケース32の前壁32B及び後壁
32Cにボルト44及びナット46といった固定手段に
よって固定されている。
【0023】ここで、図2に拡大して示されるように、
本実施形態では、上記の如くエアバッグドア部26の表
皮14の裏面側に形成した表皮開裂部28が無数の針穴
48によって構成されている。これにより、表皮開裂部
28は、表皮一般部50よりも低剛性化されている。
【0024】上述した針穴48は、以下の如くして形成
される。まず、図4(A)に示される如く、定盤52上
に表皮14が表裏反転された状態でセットされる。次い
で、表皮開裂予定線を跨ぐようにして、表皮14の裏面
上に加工用押え板54が載置される。その後、図4
(B)に示される如く、加工用押え板54にスライド可
能に支持されかつ無数のニードル56を備えた剣山状の
ブロック58を所定量下降させる。これにより、無数の
ニードル56が表皮14の裏面側から刺し込まれて無数
の針穴48が形成される。
【0025】なお、上述した針穴48は、表皮14の表
面には達しないものの深く刺し込まれており、未貫通部
60の板厚t(図4(B)参照)が0.3±0.05
〔mm〕となるように設定されている。また、針穴48
の形成個数は100〔本/cm 2 〕程度に設定されてい
る。これにより、無数の針穴48が表皮開裂予定線に沿
って密に配置され、これにより表皮開裂部28が構成さ
れている。なお、ここにいう「表皮開裂予定線」とはニ
ードル56が表皮14の裏面側に刺し込まれる前の状態
における表皮開裂部28の仮想的な中心線を意味する。
【0026】次に、本実施形態の作用並びに効果につい
て説明する。衝突時、即ち車両急減速時になると、この
状態が図示しないセンサによって検出され、インフレー
タ40のガス噴出孔からガスが噴出される。このため、
バッグ38内にガスが流入され、バッグ38が膨張し始
める。従って、インナドア22の裏面側に初期膨張圧が
作用する。これにより、インナドア22がノッチ42に
沿って開裂して、発泡層18を圧縮しつつ、表皮14の
裏面に押圧力を作用させる。
【0027】ここで、本実施形態では、表皮14の裏面
側から形成されると共に表皮14の表面には達しない深
い無数の針穴48を、開裂予定線に沿って密に配置させ
ることによって表皮開裂部28を構成したので、表皮開
裂部28は表皮一般部50よりも剛性が低くなってい
る。このため、初期膨張圧が発泡層18を介して表皮1
4の裏面側に作用すると、表皮開裂部28に応力が集中
する。その結果、本実施形態によれば、表皮14を表皮
開裂部28から迅速に開裂させて展開させることができ
る。従って、バッグ38も助手席側へ向けて迅速に膨出
させることができる。
【0028】しかも、本実施形態によれば、表皮14の
表面には達しない深い針穴48を表皮開裂予定線に沿っ
て密に配置させたので、熱老化後の収縮によって針穴4
8を口開きさせようとする引張力が、隣接する針穴48
を口開きさせようとする引張力によって相殺される。こ
のため、本実施形態によれば、針穴48に口開きが生じ
るのを防止することができる。従って、表皮14の表面
に口開きに起因した凹部が生じることも、更には亀裂が
生じることもない。その結果、本実施形態によれば、イ
ンストルメントパネル10の外観品質を良好に維持する
ことができる。
【0029】さらに、本実施形態によれば、加工用押え
板54にスライド可能に支持されかつ無数のニードル5
6を備えた剣山状のブロック58を所定量下降させるだ
けで、無数の針穴48による表皮開裂部28を形成する
ことができるので、加工の容易化を図ることができる。 〔第2実施形態〕次に、図5〜図11を用いて、第2実
施形態について説明する。なお、この第2実施形態が請
求項2記載の本発明の一実施形態に相当する。また、前
述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番
号を付してその説明を省略する。
【0030】図5にはエアバッグドア部70を一体に有
するインストルメントパネル10の斜視図が示されてお
り、又図6にはエアバッグ装置12の配設部位の縦断面
構造が示されており、更に図7には表皮14の裏面側に
形成された表皮開裂部72が示されている。特には、図
5及び図7に示されるように、本実施形態では、表皮開
裂部72が平面視でH形状に形成されている。
【0031】より具体的には、図7に示されるように、
表皮開裂部72は、H形状の表皮開裂予定線に沿って車
両幅方向を長手方向として形成された四本の横方向スリ
ット72Aと、これらの横方向スリット72Aの両端部
から車両前後方向を長手方向として形成された同じく四
本の縦方向スリット72Bと、によって構成されてい
る。なお、横方向スリット72A及び縦方向スリット7
2Bはいずれもステッチ状かつ千鳥状に形成されてお
り、又隣接する横方向スリット72A及び縦方向スリッ
ト72Bは互いに平行に配置されている。上述した横方
向スリット72A及び縦方向スリット72Bは、いずれ
も高周波誘電加熱された刃(図示省略)を表皮14の裏
面側から押し当てることにより形成されている。
【0032】また、図8に拡大して示されるように、横
方向スリット72Aは、表皮14を切欠効果で破断し易
いように先端が鋭利な楔形状に形成されている。さら
に、図8及び図9に拡大して示されるように、横方向ス
リット72Aのスリット深さは浅く設定されている。な
お、これらの構成は、縦方向スリット72Bについても
同様である。
【0033】上記構成によれば、表皮14の裏面側から
形成されると共に表皮14の表面には達しない浅い横方
向スリット72A及び縦方向スリット72Bを、表皮開
裂予定線に沿って互いに平行に複数列配置させることに
よって表皮開裂部72を構成したので、表皮開裂部72
は表皮一般部50よりも剛性が低くなっている。このた
め、初期膨張圧が発泡層18を介して表皮14の裏面側
に作用すると、表皮開裂部72に応力が集中する。その
結果、本実施形態によれば、表皮14を表皮開裂部72
から迅速に開裂させて展開させることができる。従っ
て、バッグ38も助手席側へ向けて迅速に膨出させるこ
とができる。
【0034】しかも、本実施形態によれば、表皮14の
表面には達しない浅い横方向スリット72A及び縦方向
スリット72Bを表皮開裂予定線に沿って互いに平行に
複数列配置させたので、熱老化後の収縮によって横方向
スリット72A及び縦方向スリット72Bを口開きさせ
ようとする引張力が隣接する横方向スリット72A及び
縦方向スリット72Bを口開きさせようとする引張力に
よって相殺される。このため、本実施形態によれば、横
方向スリット72A及び縦方向スリット72Bに口開き
が生じるのを防止することができる。従って、表皮14
の表面に口開きに起因した凹部が生じることも、更には
亀裂が生じることもない。その結果、本実施形態によれ
ば、インストルメントパネル10の外観品質を良好に維
持することができる。
【0035】さらに、本実施形態によれば、表皮14の
表面には達しない横方向スリット72A及び縦方向スリ
ット72Bを表皮開裂予定線に沿って互いに平行に複数
列配置させる構成としたので、横方向スリット72A及
び縦方向スリット72Bのスリット深さを浅くすること
ができる。つまり、表皮14の表面には達しない横方向
スリット72A及び縦方向スリット72Bを表皮開裂予
定線に沿って単列に配置する場合には、剛性を低下させ
るために横方向スリット72A及び縦方向スリット72
Bを深くしなければならないが、本実施形態によれば、
横方向スリット72A及び縦方向スリット72Bを表皮
開裂予定線に沿って互いに平行に複数列配置させること
としたので、各横方向スリット72A及び縦方向スリッ
ト72Bを浅くしても表皮開裂部72を低剛性化させる
ことができる。なお、前述した如く横方向スリット72
A及び縦方向スリット72Bを楔形状に形成して切欠効
果を利用して表皮14を開裂させることができる点も、
横方向スリット72A及び縦方向スリット72Bのスリ
ット深さを浅くすることができる一因となっている。こ
れらのことから、本実施形態によれば、表皮開裂部72
の寸法管理の容易化を図ることができる。
【0036】また、本実施形態によれば、表皮開裂部7
2を構成する横方向スリット72A及び縦方向スリット
72Bはいずれも薄いため、通常の状態では表皮14の
弾性力によって横方向スリット72A及び縦方向スリッ
ト72Bは押圧されて線状となる。このため、所謂アミ
ンアタックの弊害を受けにくいというメリットもある。
【0037】さらに、本実施形態によれば、高周波誘電
加熱された刃を表皮14の裏面側から押し当てるだけ
で、表皮開裂部72を形成することができるので、加工
の容易化を図ることができる。
【0038】なお、本実施形態では、図9に示される如
く横方向スリット72Aのスリット深さをすべて均一に
設定したが、図10に示される如く横方向スリット72
Aの中央部に配置されるスリット中央部72A’のスリ
ット深さのみを深く設定するようにしてもよい。このよ
うに構成することにより、横方向スリット72Aのスリ
ット中央部72A’がより一層脆弱化されるので、当該
スリット中央部72A’を表皮14の開裂起点として設
定することが可能になるというメリットがある。
【0039】また、本実施形態では、図7に示される如
く横方向スリット72A及び縦方向スリット72Bをい
ずれもステッチ状かつ千鳥状に形成したが、表皮14の
裏面側から形成されると共に表皮14の表面には達しな
い浅いスリットが、表皮開裂予定線に沿って互いに平行
に複数列配置される構成であればすべて適用可能であ
る。従って、例えば、図11に示されるように、各々直
線状とされた横方向スリット80A及び縦方向スリット
80Bを互いに平行に複数列配置させることによって、
表皮開裂部80を構成してもよい。
【0040】さらに、本実施形態では、高周波誘電加熱
された刃を表皮14の裏面側から押し当てることにより
表皮開裂部72、80を形成したが、これに限らず、レ
ーザー又は超音波等を利用した加工法によってスリット
による表皮開裂部72、80を形成するようにしてもよ
い。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の本
発明に係るエアバッグドア部を一体に有するインストル
メントパネルは、表皮の裏面側から形成されると共に表
皮の表面には達しない深い針穴を、表皮開裂予定線に沿
って密に配置させることによって、表皮開裂部を構成し
たので、表皮開裂部を表皮の一般部よりも低剛性化させ
ることができ、その結果表皮を表皮開裂部に沿って迅速
に開裂させることができるという優れた効果を有する。
【0042】しかも、本発明によれば、表皮の表面には
達しない深い針穴を表皮開裂予定線に沿って密に配置さ
せたので、凹部や亀裂発生の原因となる針穴を口開きさ
せようとする引張力を隣接する針穴を口開きさせようと
する引張力によって相殺することができ、その結果良好
な外観品質を維持することができるという優れた効果を
有する。
【0043】請求項2に記載の本発明に係るエアバッグ
ドア部を一体に有するインストルメントパネルは、表皮
の裏面側から形成されると共に表皮の表面には達しない
浅いスリットを、表皮開裂予定線に沿って互いに平行に
複数列配置させることによって、表皮開裂部を構成した
ので、表皮開裂部を表皮の一般部よりも低剛性化させる
ことができ、その結果表皮を表皮開裂部に沿って迅速に
開裂させることができるという優れた効果を有する。
【0044】しかも、本発明によれば、表皮の表面には
達しない浅いスリットを表皮開裂予定線に沿って互いに
平行に複数列配置させたので、凹部や亀裂発生の原因と
なるスリットを口開きさせようとする引張力を隣接する
スリットを口開きさせようとする引張力によって相殺す
ることができ、その結果良好な外観品質を維持すること
ができるという優れた効果を有する。
【0045】さらに、本発明によれば、表皮の表面には
達しないスリットを表皮開裂予定線に沿って互いに平行
に複数列配置させる構成としたので、スリットを浅くす
ることができる。つまり、表皮の表面には達しないスリ
ットを表皮開裂予定線に沿って単列に配置する場合に
は、剛性を低下させるためにスリットを深くしなければ
ならないが、本発明によれば、スリットを表皮開裂予定
線に沿って互いに平行に複数列配置させることとしたの
で、各スリットを浅くしても表皮開裂部を低剛性化させ
ることができる。このため、本発明によれば、寸法管理
の容易化を図ることができるという優れた効果も得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るエアバッグドア部を一体に
有するインストルメントパネルの縦断面構造を示す図3
の1−1線断面図である。
【図2】図1に示される表皮開裂部における横方向開裂
部(図1の2線矢視部)を拡大して示す要部拡大断面図
である。
【図3】第1実施形態に係るエアバッグドア部を一体に
有するインストルメントパネルの斜視図である。
【図4】図2に示される表皮開裂部の加工方法を説明す
るための説明図である。
【図5】第2実施形態に係るエアバッグドア部を一体に
有するインストルメントパネルの斜視図である。
【図6】第1実施形態に係るエアバッグドア部を一体に
有するインストルメントパネルの縦断面構造を示す図5
の6−6線断面図である。
【図7】表皮開裂部を表皮の裏面側から見た状態を示す
構成図である。
【図8】図6に示される表皮開裂部における横方向スリ
ット(図6の8線矢視部)を拡大して示す要部拡大断面
図である。
【図9】図8に示される横方向スリットを同図の9線矢
視方向から見て示す要部拡大断面図である。
【図10】図9に示される横方向スリットのスリット中
央部のみを深くした実施形態を示す図9に対応する要部
拡大断面図である。
【図11】直線状のスリットを複数列配置させることに
より表皮開裂部を構成した実施形態を示す図7に対応す
る構成図である。
【図12】従来例に係るエアバッグドア部を一体に有す
るインストルメントパネルの縦断面図である。
【図13】エアバッグドア部の開裂部位を拡大して示す
図12の13線矢視部の拡大図である。
【図14】表皮に形成されたハーフカット部を拡大して
示す要部拡大断面図である。
【図15】図14に示される従来例の問題点を説明する
ための要部拡大断面図である。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル 14 表皮 16 基材 18 発泡層 26 エアバッグドア部 28 表皮開裂部 38 バッグ 48 針穴 70 エアバッグドア部 72 表皮開裂部 72A 横方向スリット 72B 縦方向スリット 80 表皮開裂部 80A 横方向スリット 80B 縦方向スリット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車室内側に配置された表皮と、この表皮
    の裏面側に離間して配置された基材と、この基材と表皮
    との間に配置された発泡層と、を含んだ積層構造とされ
    ることにより構成され、助手席側となる所定位置に衝突
    時にバッグの膨張圧で表皮開裂部に沿って開裂して展開
    するエアバッグドア部を一体に有するインストルメント
    パネルであって、 表皮の裏面側から形成されると共に表皮の表面には達し
    ない深い針穴を、表皮開裂予定線に沿って密に配置させ
    ることによって、前記表皮開裂部を構成した、ことを特
    徴とするエアバッグドア部を一体に有するインストルメ
    ントパネル。
  2. 【請求項2】 車室内側に配置された表皮と、この表皮
    の裏面側に離間して配置された基材と、この基材と表皮
    との間に配置された発泡層と、を含んだ積層構造とされ
    ることにより構成され、助手席側となる所定位置に衝突
    時にバッグの膨張圧で表皮開裂部に沿って開裂して展開
    するエアバッグドア部を一体に有するインストルメント
    パネルであって、 表皮の裏面側から形成されると共に表皮の表面には達し
    ない浅いスリットを、表皮開裂予定線に沿って互いに平
    行に複数列配置させることによって、前記表皮開裂部を
    構成した、 ことを特徴とするエアバッグドア部を一体に有するイン
    ストルメントパネル。
JP8276693A 1996-10-18 1996-10-18 エアバッグドア部を一体に有するインストルメントパ ネル Pending JPH10119691A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002098713A1 (de) * 2001-06-01 2002-12-12 Intier Automotive Eybl Interiors Gmbh Vorrichtung zur abdeckung eines airbags und verfahren zu deren herstellung
JP2014141160A (ja) * 2013-01-23 2014-08-07 Toyota Motor Corp 車両の内装部材

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WO2002098713A1 (de) * 2001-06-01 2002-12-12 Intier Automotive Eybl Interiors Gmbh Vorrichtung zur abdeckung eines airbags und verfahren zu deren herstellung
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