JPH10116997A - 複合デバイス - Google Patents

複合デバイス

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JPH10116997A
JPH10116997A JP29107796A JP29107796A JPH10116997A JP H10116997 A JPH10116997 A JP H10116997A JP 29107796 A JP29107796 A JP 29107796A JP 29107796 A JP29107796 A JP 29107796A JP H10116997 A JPH10116997 A JP H10116997A
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JP
Japan
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layer
structural layer
micromachine
circuit
composite device
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JP29107796A
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Yoichi Okumura
陽一 奥村
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Texas Instruments Japan Ltd
Original Assignee
Texas Instruments Japan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な工程で同一基板上に形成して電気的接
続を行える複合デバイスを提供する。 【解決手段】 可動体11を固定体10で支持して構成
したセンサー部4と、構造層54中に電気素子を設けた
回路部3とを同じ基板53上に設けて複合デバイス2を
形成する際、電気素子が形成された構造層54をセンサ
ー部3の構造層54と一体に構成する。センサー部4内
の構造層54と回路部内の電気素子とを構造層54上に
形成した金属薄膜配線62や拡散層によって電気的に接
続するので、同一基板中に回路部3とセンサー部4とを
容易に形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロマシンと
電気回路素子を有する複合デバイスにかかり、特に、加
速度センサー等のマイクロマシンと半導体集積回路とが
同一半導体基板上に形成された複合デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、シリコンマイクロマシーニン
グ技術が広く用いられており、例えば加速度センサーや
角速度センサーに適用され、微細なセンサー素子がシリ
コン半導体基板上に形成されている。
【0003】そのようなシリコンマイクロマシンの一例
として、図8の符号100に加速度センサーを示す。こ
の加速度センサー100は、シリコン基板103上に形
成された、マス部122と、アーム1211〜121
4と、固定体1201〜1204とを有している。マス部
122は矩形形状に成形されており、その四隅には、ア
ーム1211〜1214の一端が接続され、各アーム12
1〜1214の他端は各固定体1201〜1204に接続
されている。
【0004】固定体1201〜1204はシリコン基板1
03上に固定されており、他方、マス部122とアーム
1221〜1224は、基板103と接触しないように移
動自在に構成されており、加速度センサー100が上下
方向に加速度移動をし、マス部122に力が加わったと
きに固定体1201〜1204を支点として、アーム12
1〜1214が上下に撓み、マス部122と基板103
とで構成される平行平板コンデンサの容量が変化するよ
うに構成されている。
【0005】このような加速度センサー100の製造工
程を、図9(a)〜(e)、図10(f)〜(j)に簡略化して
示し、以下に説明する。
【0006】図9(a)〜(e)を参照し、先ず、表面にシ
リコン熱酸化膜が形成された2枚のシリコン単結晶基板
を用意し、そのシリコン熱酸化膜同士を密着させて直接
接合法によって接合し、一枚のシリコンウェハーを形成
する。次いで、一方のシリコン単結晶の熱酸化膜が形成
された側と反対側の面を研磨して構造層104とし、他
方のシリコン単結晶層はそのままにして基板103とす
る。その基板103と構造層104との間には、直接接
合に用いたシリコン熱酸化膜が犠牲層101として残さ
れている(図9(a))。
【0007】次いで、構造層104表面に、酸化膜10
5を全面成膜し(同図(b))、所定領域をエッチングする
ことによりパターニングして開口部107を形成する
(同図(c))。
【0008】この開口部107底面にはシリコン構造層
104表面が露出しており、エッチングされずに残され
た酸化膜105をマスクとし、RIE法によって異方性
ドライエッチングを行うことにより、前記開口部107
底面に露出した構造層104がエッチングされ、構造層
104が残った酸化膜105のパターンと同じパターン
にパターニングされる(同図(d))。
【0009】構造層104のパターニングが終了したと
きは、開口部107底面には犠牲層101が露出してお
り、その状態からマスクに用いた酸化膜105と開口部
107底面に露出した犠牲層101とをウェットエッチ
ングにより除去する(同図(e))。
【0010】このとき、開口部107底面には基板10
3表面が露出するが、マスクに用いられた構造層104
との間に挟まれた犠牲層101はエッチングされない。
【0011】その状態で、イオンインプランテーション
を行うと、表面に露出した部分に不純物が注入され、熱
拡散を行うと、基板103表面と構造層104表面と
に、オーミック層113、114がそれぞれ形成される
(図10(f))。
【0012】次いで、全面にレジスト膜115を形成し
(同図(g))、オーミック層113、114上の所定部分
を窓開けした後、クロム・白金の蒸着を行うと、レジス
ト膜115上とオーミック層113、114上に、クロ
ム・白金薄膜116、117、118がそれぞれ形成さ
れる(同図(h))。
【0013】この状態からレジスト膜115の剥離を行
うと、レジスト膜115上に形成されたクロム・白金薄
膜116がレジスト膜115と一緒に除去される(リフ
トオフ法)。他方、オーミック層113、114上に形
成されたクロム・白金薄膜117、118は除去されず
に残り、それぞれ金属電極が形成される(同図(i))。
【0014】さらに、全体をフッ酸緩衝液(BHF)に浸
漬すると、犠牲層101の側面は露出していることか
ら、犠牲層101はその側面からエッチングされる。こ
のエッチングにより、面積が大きいか、又は幅の広い構
造層104の底面下にある犠牲層101は残るので、そ
の部分の構造層104は犠牲層101によって基板10
3に固定され、固定体1201〜1204が構成される。
【0015】他方、面積が小さいか、幅の狭い構造層1
04の底面下では、犠牲層101は完全に除去されてし
まうので、その部分の構造層54を固定体に接続し、支
持されるようにしておけば、基板103と接触しない状
態となり、可動体が構成される。アーム1211〜12
4とマス部122はそのような可動体によって構成さ
れている。
【0016】このように、マス部122とアーム121
1〜1214とは、基板103と接触しない状態で固定体
1201〜1204によって支持されており、アーム12
1〜1224は撓むように構成されているので、加速度
センサー100に加速度が加わった場合には、マス部1
22がその重量により上下に移動し、マス部122と基
板103とで形成される平行平板コンデンサの容量が変
化する。
【0017】従って、基板103と固定体1204に設
けられた電極117、118に金属細線をワイヤーボン
ディング接続し、マス部122と基板103とを図示せ
ぬ外部の測定回路に接続しておけば、マス部122と基
板103との間の容量変化を検出できるので、アーム1
211〜1214のバネ定数等に基いて加速度の大きさを
算出することが可能となっている。
【0018】しかしながら上述のようなシリコンマイク
ロマシンを製造する工程は、測定回路や演算回路等の回
路素子を製造する工程とは全く別の工程で行っており、
また、同一基板上に形成しようとしても、両者の構造の
違いからマイクロマシン部と回路部とでは段差が大きく
なってしまい、両者を金属配線で接続するのは難しく、
ワイヤーボンディングによって互いに電気的に接続する
必要があり、その解決が望まれていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたもので、その目的
は、マイクロマシン部と回路部とをワイヤーボンディン
グを用いずに電気的に接続できる技術を提供することに
ある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、基板上に犠牲層を介して構
造層が形成されたウェハーを用い、前記構造層をパター
ニングして前記犠牲層を露出させ、その犠牲層のエッチ
ングを行い、底面下の犠牲層が除去された構造層で可動
体が形成され、底面下に犠牲層を有する構造層で固定体
が形成された複合デバイスであって、前記可動体と前記
固定体を有し、前記可動体が前記固定体で支持され、変
位できるように構成されたマイクロマシン部と、前記構
造層中に電気素子が設けられた回路部とを有し、前記マ
イクロマシン部の構造層と前記回路部の構造層とは分離
されていないことを特徴とする。
【0021】その場合、請求項2記載の発明のように、
前記マイクロマシン部内の構造層と前記回路部内の電気
素子とを、前記構造層上に形成された金属薄膜配線によ
って電気的に接続させるとよい。
【0022】また、請求項3記載の発明のように、前記
マイクロマシン部内の構造層と前記回路部内の電気素子
とを、前記構造層内に設けられた拡散層によって電気的
に接続させることもできる。
【0023】このような請求項1乃至請求項3のいずれ
か1項記載の複合デバイスの前記構造層のパターニング
については、請求項4記載の発明のように、前記回路部
内の電気的素子間が、前記構造層上に形成された金属薄
膜配線によって電気的に接続された後で行われるように
するとよい。
【0024】その場合、請求項5記載の発明のように、
前記構造層のパターンニングの前に、前記金属配線を保
護するパッシベーション膜を形成し、前記金属膜配線の
うちの電極部分を窓開けしておくと、なお効果的であ
る。
【0025】上述した本発明の構成によれば、基板上に
犠牲層と構造層とがこの順で形成されたウェハーを用
い、前記構造層をパターニングして前記犠牲層を露出さ
せると、パターニングした構造層をマスクとしてウェッ
トエッチングを行うことができ、そのエッチングは露出
した犠牲層表面から進行するが、大面積、又は幅広に形
成された構造層では、底面下の犠牲層が残り、固定体が
形成される。
【0026】他方、小面積、又は幅狭に形成された構造
層の底面下ではサイドエッチングが進行して犠牲層が全
て除去され、空隙が生じる。その部分の構造層を固定体
で支持し、可動体を構成しておけば、構造層の弾性によ
って可動体が変位できるので、マイクロマシンを構成す
ることができる。そのような可動体と基板の間に形成さ
れるコンデンサーや、可動体と固定体の間に形成される
コンデンサーの容量は、電極間距離の変化によって増減
するので、可動体に加わる力でコンデンサーの容量が変
化し、例えばマイクロマシンを加速度センサーとして用
いた場合、その容量変化から可動体に加わった力を求め
ることが可能となる。
【0027】他方、固定体の構造層中には、集積回路を
製造する際の半導体プロセスと同様の半導体プロセスに
よって、多数の電気素子を設けることができるので、各
電気素子間を接続し回路を構成させると、例えば前述の
コンデンサーの容量変化を検出する測定回路等が得られ
る。
【0028】このようなマイクロマシン部と回路部とを
同じ基板上に形成して複合デバイスを構成する際、電気
素子が形成された回路部の構造層と、マイクロマシン部
の構造層とを分離させずに一体に構成させておくと、構
造層上に形成した金属薄膜配線や、構造層中に形成した
拡散層によって、マイクロマシン部の構造層と回路部内
の電気素子とを、電気的に接続させることができるの
で、マイクロマシン部と回路部とを接続させるワイヤー
ボンディングが不要となる。
【0029】そのように、マイクロマシン部内の構造層
と回路部の構造層とを分離させないようにするために
は、構造層のパターニングを行う前に、構造層上に金属
薄膜配線を形成し、少なくとも、その金属薄膜配線によ
って回路部内の電気的素子間を電気的に接続しておく
と、構造層のパターニング後には、回路部を形成するた
めのフォトリソグラフ工程を行う必要がなくなるので、
都合がよい。この場合、望ましくは回路部上にパッシベ
ーション膜を形成し、金属薄膜配線のうち、ワイヤーボ
ンディングを行うための電極部分の窓開けを行った後で
構造層のパターニングを行うと、複合素子の信頼性が高
まって都合がよい。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。図1に、本発明の一例の複合デバイス2の
平面図と、そのA−A線断面図を示す。
【0031】この複合デバイス2は、シリコン半導体か
ら成る基板53を有しており、該基板53上には回路部
3とマイクロマシン部4とが形成されている。
【0032】マイクロマシン部4は、図8に示したセン
サー100と同様の構造の加速度センサーであり、マス
部32と、アーム311〜314と、固定体35とを有し
ている。
【0033】固定体35は、基板53に固定されてお
り、アーム311〜314と基板53間、及びマス部32
と基板53間には空隙72が形成されており、マス部3
2は、アーム311〜314を介して固定体35によって
支持されており、マス部32と基板53とは接触してい
ない。加速度によってマス部32に力が加わり、各アー
ム311〜314が撓むとマス部32が上下方向に移動し
て、マス部32と基板53とで構成される平行平板型コ
ンデンサの容量値が変化するように構成されている。
【0034】尚、マス部32には、後述する製造工程に
おいて、下層の犠牲層がこのマス部32の下では全て除
去されるように、多数の透孔33が設けられている。
【0035】他方、回路部3は、不純物の拡散によって
形成された多数の電気素子を有しており、それら電気素
子で構成された測定回路が前述の平行平板型コンデンサ
と電気的に接続され、その容量変化を検出できるように
構成されている。
【0036】このような複合デバイス2の構造を、図2
(a)〜(d)、図3(e)〜(h)、図4(i)〜(l)を参照
し、その製造方法と共に説明する。尚、その断面構造に
おいては、図1に示した回路部3’及びマイクロマシン
部4’のそれぞれ要部の一部分のみを示す。
【0037】先ず、表面にシリコン熱酸化膜が形成され
た2枚のシリコン単結晶ウェハーを用意し、そのシリコ
ン熱酸化膜同士を密着させ、直接接合法によって1枚に
した後、一方のシリコン単結晶の熱酸化膜が形成された
側と反対側の面を研磨して所定厚みまで薄くし、構造層
54を形成して表面とする。他方はそのままの状態で基
板53を構成させる。また、直接接合の際に密着させた
シリコン熱酸化膜を犠牲層51とし、基板53と構造層
54と共にウェハー50を構成させる。
【0038】研磨される側のシリコン単結晶には、予
め、そのシリコン単結晶の導電型とは反対の導電型の拡
散層52が所定領域に形成されており、直接接合に用い
たシリコン熱酸化膜は、その拡散層52上に形成されて
いる。
【0039】このウェハー50に対し、集積回路製造に
用いる通常のバイポーラ半導体プロセスを適用し、バイ
ポーラ・トランジスタを含む電気回路素子郡を形成す
る。その一部を図中に示すと、回路部3'内の構造層5
4中に複数の拡散層44を設け(拡散層44は、異なる
導電型のものも含む)、各拡散層44によって多数の電
気素子41を形成する(同図(b))。このとき、マイクロ
マシン部4'内にも、構造層54と同じ導電型の拡散層
45を設けておく。また、電気素子41の間と、回路部
3'とマイクロマシン部4'の境界とに、拡散層52の導
電型と同じ分離層47を、拡散層52と接触するように
設け、各電気素子41同士と、回路部3'とマイクロマ
シン部4'との間とをpn接合によって分離しておく。
【0040】回路部3'とマイクロマシン部4'との表面
に、シリコン熱酸化膜56を形成した後、そのシリコン
熱酸化膜56をパターニングし、回路部3'とマイクロ
マシン部4'の所定位置に開口部(スルーホール)5
7、58をそれぞれ形成する(同図(c))。この開口部5
7の底面には、回路部3'内の拡散層44の一部の表面
が露出され、また、開口部58の底面には、マイクロマ
シン部4'内の拡散層45の一部の表面が露出されるよ
うにしておく。
【0041】その状態で、スパッタリング蒸着法によっ
てアルミニウム薄膜60を全面成膜し、熱処理を行う
と、該アルミニウム薄膜60と各拡散層44、45とが
オーミック接続される(同図(d))。
【0042】次いで、アルミニウム薄膜60をパターニ
ングし、回路部3'内の電気素子の拡散層44とマイク
ロマシン部4'内の拡散層45とが接続されるように金
属薄膜配線62を形成する(図3(e))。このとき、アル
ミニウム薄膜60のパターニングによって、回路部3'
内に、各電気素子41同士を接続する金属薄膜配線61
と、ワイヤーボンディング用の電極(図示せず)も同時に
形成しておく。
【0043】金属薄膜配線61、62の形成後、スパッ
タリング法によってその表面にチタン・タングステン薄
膜から成る保護膜64を全面成膜し(同図(f))、次い
で、その保護膜64によって、少なくとも金属薄膜配線
61、62の表面及び側面が覆われるようにパターニン
グする(同図(g))。本実施例では、回路部3'上を全て
覆うようにし、マイクロマシン部4'のシリコン熱酸化
膜56が露出するようにしておく。
【0044】その状態から表面にシリコン酸化膜67を
堆積させると、保護膜64がシリコン酸化膜67で覆わ
れる(同図(h))。他方、保護膜64が除去されている部
分では、シリコン熱酸化膜56とシリコン酸化膜67と
が密着した状態になる。
【0045】その状態で、マイクロマシン部4'内のシ
リコン熱酸化膜56とシリコン酸化膜67をパターニン
グし、所定部分に開口部68を形成すると、開口部68
の底面69に構造層54の表面(ここでは拡散層45)が
露出する(図4(i))。
【0046】パターニングされたシリコン酸化膜67を
マスクにして異方性エッチングを行うと、開口部68の
底面69に露出した構造層54からエッチングが進行
し、その部分の構造層54がエッチング除去され、開口
部68の底面70に犠牲層51表面が露出したところで
エッチングは停止する(同図(j))。
【0047】次いで、全体をフッ酸緩衝液(BHF)に浸
漬すると、犠牲層51はその表面からエッチングされ
る。このとき、犠牲層51のサイドエッチングが進行す
ることにより、小面積、又は幅狭に形成された構造層5
4の底面では、犠牲層51が完全に除去される。
【0048】他方、大面積、又は幅広に形成された構造
層54の底面ではサイドエッチングが進行しても、犠牲
層51が残り、その犠牲層51と構造層54とで固定体
10が構成される。この固定体10は犠牲層51によっ
て基板53に固定されていることになる。
【0049】このとき、底面下の犠牲層51が除去さ
れ、空隙72上に位置する構造層54は、固定体10の
構造層54に接続し、その固定体10によって支持させ
ておくとその部分の構造層54によって可動体11が構
成される(同図(k))。
【0050】前述のマス部32には小孔33が多数開け
られており、マス部32を構成する構造層54の幅は狭
く、網目状になっている。また、アーム311〜314
構造層54の幅も狭く形成されているので、マス部32
とアーム311〜314とは可動体11で構成される。マ
ス部32の四隅には、アーム311〜314の一端が接続
され、各アーム311〜314の他端が固定体35に支持
されているので、マス部32に力が加わると上下方向に
撓み、マス部32の垂直方向への変位によって、マス部
32と基板53との距離が変化し、その結果、マス部3
2と基板53とで構成されるコンデンサーの容量値が変
化するように構成されている。
【0051】他方、回路部3内の電気素子同士は金属薄
膜配線61によって接続されているが、アーム311
314のいずれか1本以上(ここではアーム314)と電気
素子とは、金属薄膜配線62によって電気的に接続され
ており、その電気素子とマス部32とは、アーム314
内の拡散層45を介して電気的に接続されており、回路
部3内に構成された測定回路がマス部32と基板53と
で形成される平行平板型コンデンサーの容量変化を検出
できるように構成されている。
【0052】同図(k)の状態では、犠牲層51のエッチ
ングを行う際に、表面に形成されたシリコン酸化膜67
も除去されており、表面にはチタン・タングステン薄膜
64が露出している。全体を過酸化水素水に浸漬する
と、チタン・タングステン薄膜が全て除去される(同図
(l))。このとき、金属薄膜配線62、61と同じ薄膜
で形成されているボンディング用の電極膜(図示せず)の
表面も露出され、複合デバイス2が構成される。
【0053】次に、上述のアルミニウム薄膜60を全面
成膜し、各拡散層44、45とオーミック接続した後、
パターニング前に保護膜64を形成する場合の工程を同
じ部材には同じ符号を付して説明する。
【0054】アルミニウム薄膜60を全面成膜した段階
(図2(d))で、アルミニウム薄膜60をパターニングせ
ず、その表面にチタン・タングステン薄膜から成る保護
膜64を全面成膜し(図5(e))、次いで、フォトリソグ
ラフ工程を経て、保護膜64とアルミニウム薄膜60と
を一緒にパターニングすると、アルミニウム薄膜60で
構成される金属薄膜配線61、62表面に、同じパター
ンの保護膜64が残る(同図(f))。
【0055】その表面に、シリコン窒化膜から成るパッ
シベーション膜71を全面成膜し(同図(g))、次いで、
回路部3'表面はパッシベーション膜71で保護した状
態で、マイクロマシン部4'上のパッシベーション膜7
1のみをパターニングして除去し、その表面にはシリコ
ン熱酸化膜56が露出するようにしておく(同図(h))。
このとき、金属配線61とその表面の保護膜64によっ
て構成される回路部3'内のボンディング用の電極膜(図
示せず)上も窓開けを施し、表面に保護膜64を露出さ
せておく。
【0056】その状態で、表面にシリコン酸化膜67を
全面成膜すると、マイクロマシン部4'上ではシリコン
酸化膜56、67が密着するので、そのシリコン酸化膜
56、67に、構造層54をパターニングするための開
口部68を形成する(図6(i))。
【0057】その開口部68の底面69には、構造層5
4の表面が露出しているので、パッシベーション膜71
をマスクにして異方性エッチングを行うと、開口部68
内の構造層54が除去される。そのエッチングは、開口
部68の底面70に犠牲層51の表面が露出したところ
で停止する(同図(j))。
【0058】次いで、全体をフッ酸緩衝液に浸漬する
と、犠牲層51はその表面からエッチングが進行し、大
面積、又は幅広に形成さた構造層54の底面には犠牲層
51が残り固定体10が構成され、小面積、又は幅狭に
形成された構造層54の底面では犠牲層51が完全に除
去され、固定体10に接続された可動体11が形成され
る。このとき、犠牲層51と一緒にシリコン酸化膜6
7、56がこの順に除去され、マイクロマシン部4'内
のシリコン構造層54と、回路部3'上のパッシベーシ
ョン膜71とが露出する(同図(k))。
【0059】シリコン酸化膜56がエッチング除去され
た時点で、回路部3'内のボンディング用電極膜表面に
は保護膜64が露出するが、その保護膜64はフッ酸緩
衝液ではエッチングされず、残っている。そこで、最後
に全体を過酸化水素水に浸漬し、ボンディング用電極表
面にだけ露出している保護膜64を除去すると、アルミ
ニウム薄膜(金属配線薄膜)が露出され、そのボンディン
グ用の電極膜に対してワイヤーボンディングを行える状
態になり、複合デバイス2が構成される。
【0060】以上は、金属薄膜配線62によってマイク
ロマシン部4と回路部3とを電気的に接続した場合を説
明したが、図7に示すように、金属薄膜配線62ではな
く、電気素子41を構成する拡散層のうちの1つと同じ
導電型の拡散層によってマイクロマシン部4の構造層5
4を電気素子41と接続してもよい。この図7では、マ
イクロマシン部4内の構造層54に、その厚みと同じ深
さのp型層を拡散し、p型のベース層を構成する拡散層
48によって、電気素子41のベース層と接続されてい
るが、マイクロマシン部4内にn型層を拡散させ、電気
素子41のn型コレクタ層と接続されるようにしてもよ
い。
【0061】また、回路部3内の電気素子41間の分離
は、pn接合ではなく、図7に示すような誘電体49に
よって分離させてもよい。
【0062】上記実施例は、金属薄膜配線62や拡散層
48によって、マイクロマシン部4の構造層54を回路
部3内の最も近い位置にある電気素子41と接続した
が、他の位置にある電気素子41と接続することができ
る。
【0063】なお、本発明に用いるマイクロマシンは、
可動体と基板との間で形成されるコンデンサーの容量変
化を検出する加速度センサーに限定されるものではな
い。例えば、可動体と固定体間で形成されるコンデンサ
ーの容量変化を測定するセンサーや、その他センサー以
外のマイクロマシンも広く含まれる。回路部に形成する
電気素子は、バイポーラトランジスタやMOSトランジ
スタ等の半導体素子が広く含まれる。素子分離について
は、上述したpn接合による分離の他、誘電体による分
離やCMOS技術等によるものも本発明に含まれる。
【0064】また、上述の保護膜64には、チタン・タ
ングステン薄膜を用いたが、それに限定されるものでは
ない。犠牲層51を除去する際に、そのエッチング溶液
(本例ではフッ酸緩衝溶液)によって除去されない薄膜で
あればよい。
【0065】上記実施例はSOI基板の場合について説
明したが、構造層がシリコン単結晶ではなく、ポリシリ
コンで構成したものも本発明に含まれる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、リフトオフ法を用いな
くても済むので、一つの基板で複合センサを構成するこ
とができる。また、マイクロマシン部と回路部とをワイ
ヤーボンディングを用いなくても電気的に接続すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合デバイスの一例を示す図
【図2】(a)〜(d):その製造工程の前半を説明するた
めの図
【図3】(e)〜(h):その中半を説明するための図
【図4】(i)〜(l):その後半を説明するための図
【図5】(e)〜(h):他の製造工程の中半を説明するた
めの図
【図6】(i)〜(k):その後半を説明するための図
【図7】本発明の他の複合デバイスの構造を説明するた
めの断面図
【図8】加速度センサーの一例を示す図
【図9】(a)〜(e):その従来技術の製造工程の前半を
説明するための図
【図10】(f)〜(j):その後半を説明するための図
【符号の説明】
2……複合デバイス 3……回路部 4……マ
イクロマシン部 10……固定体 11……可動
体 50……ウェハー 51……犠牲層 53……基板 54……構造層 62……金属
薄膜配線 71……パッシベーション膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に犠牲層を介して構造層が形成さ
    れたウェハーを用い、 前記構造層をパターニングして前記犠牲層を露出させ、
    その犠牲層のエッチングを行い、 底面下の犠牲層が除去された構造層で可動体が形成さ
    れ、 底面下に犠牲層を有する構造層で固定体が形成された複
    合デバイスであって、 前記可動体と前記固定体を有し、前記可動体が前記固定
    体で支持され、変位できるように構成されたマイクロマ
    シン部と、 前記構造層中に電気素子が設けられた回路部とを有し、 前記マイクロマシン部の構造層と前記回路部の構造層と
    は分離されていないことを特徴とする複合デバイス。
  2. 【請求項2】 前記マイクロマシン部内の構造層と前記
    回路部内の電気素子とは、前記構造層上に形成された金
    属薄膜配線によって電気的に接続されていることを特徴
    とする請求項1記載の複合デバイス。
  3. 【請求項3】 前記マイクロマシン部内の構造層と前記
    回路部内の電気素子とは、前記構造層内に設けられた拡
    散層によって電気的に接続されていることを特徴とする
    請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の複合デバイ
    ス。
  4. 【請求項4】 前記構造層のパターニングは、前記回路
    部内の電気的素子間が前記構造層上に形成された金属薄
    膜配線によって電気的に接続された後に行われたことを
    特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の
    複合デバイス。
  5. 【請求項5】 前記構造層のパターンニングの前に、前
    記金属配線を保護するパッシベーション膜が形成されて
    いることを特徴とする請求項4記載の複合デバイス。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007322297A (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Dainippon Printing Co Ltd 加速度センサおよびその製造方法
JP2008531297A (ja) * 2004-12-06 2008-08-14 アナログ ディヴァイスィズ インク 直流的に絶縁された信号条件付けシステム

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