JPH10116996A - 複合デバイス製造方法、及び複合デバイス - Google Patents

複合デバイス製造方法、及び複合デバイス

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JPH10116996A
JPH10116996A JP29107696A JP29107696A JPH10116996A JP H10116996 A JPH10116996 A JP H10116996A JP 29107696 A JP29107696 A JP 29107696A JP 29107696 A JP29107696 A JP 29107696A JP H10116996 A JPH10116996 A JP H10116996A
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JP
Japan
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film
composite device
substrate
layer
thin film
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JP29107696A
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Yoichi Okumura
陽一 奥村
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Texas Instruments Japan Ltd
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Texas Instruments Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リフトオフ法を用いずに複合デバイスの電極を
形成できる技術を提供する。 【解決手段】 犠牲層51を有するウェハー50を用
い、パターニングしたマスク膜66を形成して構造層5
4をパターニングし、露出したところから犠牲層51を
エッチングし、その犠牲層51を除去した部分で可動体
11を形成し、犠牲層51を残した部分で固定体10を
形成して複合デバイス2を製造する際、マスク膜66を
形成する前に金属薄膜60を形成してパターニングし、
外部との電気的接続用の電極37を形成しておく。その
金属薄膜60表面に保護膜(チタン・タングステン薄膜)
64を形成しておき、犠牲層51のエッチングの際に金
属薄膜60を保護する。リフトオフ法を用いなくても済
み、また、薄膜配線38と電極37とを同じ金属薄膜6
0で形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合デバイスとそ
の製造方法にかかり、特に、マイクロマシーンと回路素
子とを備えた複合デバイスにおいて、そのマイクロマシ
ーンを形成するときの犠牲層のエッチングの際、回路素
子における金属薄膜が保護膜で保護された複合デバイス
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、シリコンマイクロマシーニン
グ技術が広く用いられており、例えば加速度センサーや
角速度センサーに適用され、微細なセンサー素子がシリ
コン半導体基板上に作成されている。
【0003】そのようなシリコンマイクロマシンの一例
として、図5の符号100に加速度センサーを示す。
【0004】この加速度センサー100は、シリコン基
板103上に形成された、マス部122と、アーム12
1〜1214と、固定体1201〜1204とを有してい
る。マス部122は矩形形状に成形されており、その四
隅には、アーム1211〜1214の一端が接続され、各
アーム1211〜1214の他端は各固定体1201〜1
204に接続されている。
【0005】固定体1201〜1204はシリコン基板1
03上に固定され、他方、マス部122とアーム121
1〜1214は、基板103と接触しないように移動自在
構成されており、加速度センサー100が上下方向に加
速度移動をし、マス部122に力が加わったときに、固
定体1201〜1204を支点としてアーム1211〜1
214が上下に撓み、マス部122と基板103とで構
成される平行平板コンデンサの容量が変化するように構
成されている。
【0006】このような加速度センサー100の製造工
程を、図6(a)〜(e)、図7(f)〜(j)に簡略化して示
し、以下に説明する。
【0007】図6(a)〜(e)を参照し、先ず、表面にシ
リコン酸化膜が形成された2枚のシリコン単結晶基板を
用意し、そのシリコン酸化膜同士を密着させて直接接合
法によって接合し、一枚のシリコンウェハーを形成す
る。次いで、一方のシリコン単結晶の熱酸化膜が形成さ
れた側と反対側の面を研磨して構造層104とし、他方
のシリコン単結晶層はそのままにして基板103とす
る。その基板103と構造層104との間には、直接接
合に用いたシリコン酸化膜が犠牲層101として残され
ている(図9(a))。
【0008】このようなシリコンウェハーの構造層10
4表面に酸化膜105を全面成膜し(同図(b))、所定領
域をエッチングすることによりパターニングして開口部
107を形成する(同図(c))。
【0009】この開口部107底面にはシリコン構造層
104表面が露出しており、エッチングせずに残した酸
化膜105をマスクとし、RIE法によって異方性ドラ
イエッチングを行うことにより、前記開口部107底面
に露出した構造層104がエッチング除去され、構造層
104が残った酸化膜105のパターンと同じパターン
にパターニングされる(同図(d))。
【0010】そのパターニングが終了したときは、開口
部107底面には犠牲層101が露出しており、ウェッ
トエッチングを行うと、構造層104のパターニングに
用いた酸化膜105と開口部107底面に露出した犠牲
層101が除去される(同図(e))。
【0011】その状態で、イオンインプランテーション
と熱拡散とを行うと、基板103と構造層104の表面
に露出した部分にオーミック層113、114がそれぞ
れ形成される(図10(f))。
【0012】次いで、全面にレジスト膜115を形成し
(同図(g))、オーミック層113、114上の所定部分
を窓開けした後、クロム・白金の蒸着を行うと、レジス
ト膜115上とオーミック層113、114上に、クロ
ム・白金薄膜116、117、118がそれぞれ形成さ
れる(同図(h))。
【0013】この状態からレジスト膜115の剥離を行
うと、レジスト膜115上に形成されたクロム・白金薄
膜116はレジスト膜115と一緒に除去される(リフ
トオフ法)。他方、オーミック層113、114上に形
成されたクロム・白金薄膜117、118は除去されず
に残り、基板103と固定体1204にそれぞれ金属電
極が形成される(同図(i))。
【0014】さらに、全体をフッ酸緩衝液(BHF)に浸
漬すると、犠牲層101の側面は露出しているから、犠
牲層101はその側面からエッチングされる。このと
き、構造層104のうち、面積が大きいか、又は幅が広
い部分では、その底面下にある犠牲層101は残され
る。従って、その部分の構造層104は犠牲層101に
よって基板103に固定されており、固定体1201
1204が構成される。
【0015】他方、構造層104のうち、面積が小さい
か、又は幅が狭い部分では、底面下の犠牲層101は完
全に除去されてしまう。従って、その部分の構造層54
を固定体を構成する構造層と接続しておけば、基板10
3との間に空間72が形成され、基板103と非接触な
可動体が構成される。アーム1211〜1214とマス部
122はそのような可動体によって構成されている。
【0016】このように、マス部122とアーム121
1〜1214とは、基板103と接触しない状態で固定体
1201〜1204によって支持されており、加速度が加
わったときにアーム1211〜1224はマス部122の
重量によって撓み、基板103とマス部122との間の
距離が変化する。
【0017】従って、電極117、118に金属細線を
ワイヤーボンディング接続し、マス部122と基板10
3とを図示せぬ外部の測定回路に接続すると、マス部1
22と基板103との間の容量変化を検出し、加速度の
大きさを算出することが可能となる。
【0018】しかしながら上述したように、従来技術で
はクロム、白金薄膜116の形成にリフトオフ法を用い
るため、工程が複雑であり、しかも、そのリフトオフ法
を用いるためには、集積回路中の薄膜配線を構成するア
ルミニウム薄膜では電極117、118を形成できず、
回路素子とマイクロマシンとを同一基板上に形成する際
の障害となっていた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の不都合を解決するために創作されたもので、その目的
は、リフトオフ法を用いずに複合デバイスの電極を形成
できる技術を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明方法は、犠牲層を介して基板上
に形成された構造層上にパターニングされたマスク膜を
形成する工程と、そのマスク膜をマスクに用いて前記構
造層をエッチングして前記犠牲層を露出する工程と、前
記露出した部分から前記構造層下面の犠牲層をサイド・
エッチングを有るエッチングにより除去する工程とを有
し、前記構造層のうち、底面下の犠牲層を完全に除去し
た部分で可動体を形成し、底面下の犠牲層を残した部分
で固定体を形成する複合デバイスの製造方法であって、
前記マスク膜を形成する前に、前記固定体を構成する構
造層中に電気素子を構成する工程と、前記構造層上に少
なくとも外部接続用の電極を含む金属薄膜を形成する工
程と、該金属薄膜をパターニングする工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0021】この場合、請求項2記載の発明方法のよう
に、前記金属薄膜を形成した後、前記マスク膜を形成す
る前に、前記電極表面に保護膜を形成しておき、前記犠
牲層をエッチングする際に前記電極がエッチングされな
いようにするとよい。
【0022】その請求項2記載の複合デバイスの製造方
法では、請求項3記載の発明方法のように、前記保護膜
を形成した後、前記マスク膜を形成する前に、前記保護
膜上にパターニングしたパッシベーション膜を形成して
おくことができる。
【0023】更に、その請求項3記載の複合デバイスの
製造方法では、請求項4記載の発明方法のように、前記
パターニングしたパッシベーション膜をマスクとし、前
記電極上の前記保護膜を除去するとよい。
【0024】このような、請求項1乃至請求項4のいず
れか1項記載の複合デバイスの製造方法では、請求項5
記載の発明方法のように、前記金属薄膜をパターニング
する際に、その金属薄膜によって前記電気素子を互いに
接続する金属配線を形成するとよい。
【0025】また、請求項1乃至請求項5のいずれか1
項記載の複合デバイスの製造方法では、請求項6記載の
発明のように、前記基板を導電性基体上に固定し、前記
基板の裏面から前記導電性基体への電気的接続を行える
ようにするとよい。
【0026】さらにまた、請求項1乃至請求項6のいず
れか1項記載の複合デバイスの製造方法では、請求項7
記載の発明方法のように、前記構造層及び前記基板はシ
リコン基板であり、前記犠牲層はシリコン酸化膜である
と都合がよい。
【0027】なお、請求項4乃至請求項7のいずれか1
項記載の複合デバイスの製造方法については、請求項8
記載の発明方法のように、前記パッシベーション膜は窒
化シリコン膜であると都合がよい。
【0028】他方、請求項9記載の発明装置は、犠牲層
が基板と構造層との間に位置するウェハーの、前記構造
層がパターニングされた後、前記犠牲層がエッチングさ
れ、前記構造層の内、底面下の犠牲層が完全に除去され
た部分で可動体が形成され、底面下の犠牲層が残された
部分で固定体が形成された複合デバイスであって、前記
構造層上に形成されたパターニングされた金属薄膜によ
って薄膜配線及び外部接続用電極とが設けられ、前記金
属薄膜上に保護膜が形成されるが、前記犠牲層のエッチ
ング後、少なくとも前記電極上の前記保護膜が除去され
ることを特徴とする。
【0029】この請求項9記載の複合デバイスでは、請
求項10記載の発明装置のように、前記固定体を構成す
る構造層中に電気素子を設け、前記薄膜配線によって互
いに電気的に接続しておくとよい。
【0030】また、請求項9又は請求項10のいずれか
1項記載の複合デバイスが導電性基体を有し、前記基板
が前記導電性基体に固定されている場合には、請求項1
1記載の発明装置のように、前記基板の裏面から前記導
電性基体への電気的接続を行えるように構成しておくと
都合がよい。
【0031】上述した本発明の構成によれば、犠牲層を
介して基板上に形成された構造層上にマスク膜を形成
し、そのマスク膜をマスクに用い、構造層をエッチング
して犠牲層を露出させ、その露出した部分から構造層底
面下の犠牲層をサイド・エッチングによって除去し、構
造層のうち、底面下の犠牲層を完全に除去した部分で可
動体を形成させ、底面下の犠牲層を残した部分で固定体
を形成させるので、可動体と固定体とでマイクロマシン
を構成させることができるが、前述のマスク膜を形成す
る前に、固定体を構成する構造層中に電気素子を構成さ
せ、構造層上に少なくとも外部接続用の電極を含む金属
薄膜を形成し、その金属薄膜をパターニングすると回路
を構成することができるので、リフトオフ法を用いなく
ても同一基板中にマイクロマシンと回路とを形成させる
ことができる。
【0032】その際、金属薄膜を形成した後、マスク膜
を形成する前に、電極表面に保護膜を形成しておき、犠
牲層をエッチングする際に電極がエッチングされないよ
うにしておくと、外部との電気的接続用の電極表面が荒
らされることがなくなり、品質の良い電極が形成でき
る。
【0033】また、保護膜を形成した後マスク膜を形成
する前に、保護膜上にパターニングしたパッシベーショ
ン膜を形成しておくと複合デバイスの信頼性が向上して
好ましい。そのパッシベーション膜は犠牲層を除去する
際にエッチングされないものがよく、その場合には、パ
ターニングされたパッシベーション膜をマスクとして保
護膜を除去することが可能である。
【0034】さらにまた、金属薄膜をパターニングする
際に、その金属薄膜によって電気素子を互いに接続する
金属配線を形成しておくと、構造層のパターニングと犠
牲層の除去の他は、通常の集積回路製造の工程で複合デ
バイスを製造することができる。
【0035】また、基板をリードフレーム等の導電性基
体に固定する際、基板の裏面からその導電性基体との電
気的接続を行えるようにしておくと、基板表面に電極を
形成しなくても、可動体と基板とで構成されるコンデン
サの電気的接続を行うことが可能となる。
【0036】なお、上述の構造層及び基板がシリコン基
板で構成され、犠牲層がシリコン酸化膜で構成されるよ
うにしておけば、製造が容易であり、コストが低くて済
む。また、パッシベーションマクを窒化シリコン膜にし
ておくと、製造が容易になる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を用い
て説明する。図1に、本発明の一例の複合デバイス2の
平面図と、そのA−A線断面図を示す。
【0038】この複合デバイス2は、シリコン半導体で
ある基板53を有しており、その基板53上に、回路部
3とマイクロマシン部4とが設けられている。
【0039】マイクロマシン部4は、図5に示したセン
サー100と同様の構造の加速度センサーであり、基板
53に対して移動可能な可動体11と、固定された固定
体10とを有している。
【0040】この加速度センサーは、幅の狭いアーム3
1〜314と、大面積で小孔33がマトリックス状に形
成されたマス部32とを有しており、アーム311〜3
4の一端は固定体10に接続され、他端は可動体11
で構成されたマス部32に接続され、各アーム311
314と固定体10とによってマス部32を支持するよ
うに構成されている。
【0041】アーム311〜314の底面とマス部32の
底面には、空隙72が形成されており、従って、マス部
32と基板53とは非接触の状態にあり、加速度が加わ
るとマス部32の重量によって各アーム311〜314
撓み、マス部32が上下方向に移動できるように構成さ
れている。
【0042】従って、アーム311〜314とマス部32
とは可動体11によって構成されており、マス部32と
基板53とによって構成される平行平板型のコンデンサ
は、マス部32が上下移動すると容量値が変化するよう
にされている。
【0043】他方、回路部3は固定体36を構成する構
造層中に形成された多数の電気素子を有しており、それ
らの電気素子によって測定回路が形成されている。
【0044】また、回路部3内には、金属薄膜のパター
ニングにより形成された多数の外部接続用の電極である
電極パッド37と、電気素子間の電気的接続や、電気素
子と電極パッド37との間の電気的接続を行う薄膜配線
38が設けられており、マス部32はその薄膜配線38
を介して前述の測定回路に接続され、その測定回路がマ
ス部32と基板53とで形成されるコンデンサの容量変
化を検出できるように構成されている。
【0045】このような複合デバイス2の構造を、図2
(a)〜(e)、図3(f)〜(i)、図4(j)〜(m)を参照
し、その製造方法と共に説明する。尚、その断面構造に
おいては、図1に示した回路部3’及びマイクロマシン
部4’のそれぞれの要部の一部分のみを示す。
【0046】先ず、表面にシリコン酸化膜が形成された
2枚のシリコン単結晶ウェハーを用意する。一方のシリ
コン単結晶ウェハー内には、そのウェハーとは反対の導
電型の拡散層52が所定領域に形成されており、シリコ
ン酸化膜は、その拡散層52が形成されている側の表面
に形成されている。
【0047】そのような2枚のシリコン単結晶ウェハー
のシリコン酸化膜同士を密着させ、直接接合法によって
1枚のウェハー50を形成する。
【0048】その後、拡散層52が形成された方のシリ
コン単結晶層を研磨して所定厚みまで薄くし、表面の構
造層54とする。他方はそのままの状態で基板53を構
成させる。また、直接接合の際に用いたシリコン酸化膜
は犠牲層51とする。
【0049】このウェハー50に対し、集積回路製造に
用いる通常の半導体プロセスを適用し、バイポーラ・ト
ランジスタを含む電子回路素子群を形成する。その一部
を図中に示すと、構造層56上に薄いシリコン熱酸化膜
56を形成した後、回路部となる構造層54(符号3'で
示す領域)の中に複数の拡散層44を設け(拡散層44
は、異なる導電型のものも含む)、多数の電気素子41
を形成しておく(同図(b))。
【0050】このとき、マイクロマシン部となる構造層
54(符号4'で示す領域)の中には、構造層54と同じ
導電型の拡散層45を、構造層54の厚みと同程度の深
さに拡散させておく。また、回路部となる構造層54中
には分離層47を設け、拡散層52と共に各電気素子4
1を電気的に分離させておく。
【0051】その状態では、構造層54表面にはシリコ
ン酸化膜から成る絶縁膜56が形成されており、その絶
縁膜56をパターニングし、電気素子41上とマイクロ
マシン部となる構造層54上の所定位置に開口部57、
58をそれぞれ形成する(同図(c))。
【0052】その状態で、スパッタリング法によってア
ルミニウム薄膜から成る金属薄膜60を全面成膜し(同
図(d))、その金属薄膜60の表面にチタン・タングス
テン薄膜から成る保護膜64を続けて全面成膜する(同
図(e))。
【0053】次に、保護膜64と金属薄膜60とを一緒
にパターニングし、面積が大きい矩形形状の電極パッド
37と幅の狭い薄膜配線38とを形成する。このとき、
可動体11となる構造層54上の保護膜64と金属薄膜
60は除去しておく。
【0054】薄膜配線38は、開口部57、58を介し
て、拡散層45や拡散層44に電気的に接続させると、
薄膜配線38によって、電気素子41同士の間や、電気
素子41と電極パッド37との間が電気的に接続され
る。また、その薄膜配線38によって、マイクロマシン
部の可動体11を電気素子41や電極パッド37に電気
的に接続させることができる(図3(f))。
【0055】その状態から、表面にシリコン窒化膜から
成るパッシベーション膜67を堆積し(同図(g))、次い
で、マイクロマシン部上と電極パッド37上のパッシベ
ーション膜67を除去すると、マイクロマシン部上では
絶縁膜56が露出し、電極パッド37上では保護膜64
が露出する(同図(h))。
【0056】その表面にシリコン酸化膜から成るマスク
膜66を堆積させると、マイクロマシン部内の構造層5
4上では、そのマスク膜66は、同じくシリコン酸化膜
から成る絶縁膜56上に形成される。また、マスク膜6
6は、回路部内の電極パッド37上ではチタン・タング
ステン薄膜から成る保護膜64上に形成され、他方、他
の回路部内の部分では窒化シリコン膜から成るパッシベ
ーション膜65上に形成される(同図(i))。
【0057】次に、マスク膜66と絶縁膜56とのパタ
ーニングを一緒に行い、マイクロマシン部内に開口部7
0を形成すると、その開口部70底面にはシリコン構造
層54表面(拡散層45)が露出する(同図(j))。
【0058】開口部70以外の領域の表面はマスク膜6
6が位置しており、そのマスク膜66をマスクに用いて
異方性エッチングを行うと、開口部70底面に露出して
いる構造層54がエッチングされる。その異方性エッチ
ングは、開口部70の底面に犠牲層51表面が露出した
ところで停止する(同図(k))。このような開口部70か
らの構造層54のエッチングにより、アーム311〜3
4やマス部32を構成する構造層54が成形される。
【0059】次いで、全体をフッ酸緩衝液(BHF)に浸
漬すると、開口部70の底面から犠牲層51のエッチン
グが開始される。そのエッチングは犠牲層51の横方向
にも進行し(サイドエッチング)、構造層54の底面にあ
る犠牲層51は側面から浸食される。
【0060】このとき、構造層54のうち、小面積、又
は幅狭に形成された部分では、その底面下の犠牲層51
が完全に除去されるが、大面積、又は幅広に形成された
部分では、構造層54の底面下に犠牲層51が残り、そ
の部分の構造層54は犠牲層51によって基板53に固
定される。このような大面積、又は幅広に形成された構
造層54とその底面の犠牲層51によって固定体10が
構成される。
【0061】小面積、又は幅狭に形成された構造層54
を、固定体10を構成する構造層54に接続しておく
と、底面下の犠牲層51が除去されたところでは、構造
層54と基板53との間で空隙72が形成され、その部
分の構造層54によって可動体11が構成される(同図
(l))。
【0062】前述のアーム311〜314の構造層54は
幅が狭く、その一端は、固定体10を構成する構造層5
4に接続されているので、アーム311〜314は犠牲層
51が除去されており、可動体11によって構成されて
いる。
【0063】前述したように、アーム311〜314の他
端はマス部32の四隅に接続されており、マス部32の
構造層54には、小孔33となる開口部70がマトリッ
クス状に配置され、構造層54自体の幅は狭くされ、底
面下の犠牲層51は除去されるので、マス部32は可動
体11によって構成される。
【0064】このように、犠牲層51のエッチングによ
って固定体10と可動体11とを形成する際、犠牲層5
1と同じくシリコン酸化膜で構成されたマスク膜66も
一緒に除去されるので、回路部の薄膜配線38上では、
表面にパッシベーション膜65が露出し、電極パッド3
7上では保護膜64が露出する。マイクロマシン部で
は、マスク膜66の除去により、絶縁膜56が露出する
が、その絶縁膜56はシリコン酸化膜で構成されている
ので、絶縁膜56も除去されてしまい、構造層54の表
面(拡散層45)が露出する。
【0065】犠牲層51をエッチングした後、全体を過
酸化水素水に浸漬すると電極パッド37表面に露出した
保護膜64が除去され、金属薄膜60が表面に露出する
(同図(m))。
【0066】その後、基板80を、基板53の裏面との
電気的接続を有する状態でリードフレーム等の導電性基
体80上に固定し、導電性基体80のリードと電極パッ
ド37とをワイヤーボンディングによって接続すると、
基板53とマス部32とで構成されるコンデンサが、同
じ基板53上に形成された回路部3内の測定回路に接続
された複合デバイス2を得ることができる。
【0067】この場合、導電性基体80と電極パッド3
7とをワイヤーボンディングをせず、導電性基体80と
リード等をワイヤーボンディングしてもよい。
【0068】前述の薄膜配線38は回路部3内に形成し
たが、図1の符号39で示すように、マイクロマシン部
4内に形成してもよい。そのマイクロマシン部4内の電
極39は、薄膜配線38を介して拡散層45と電気的に
接続させ、又は拡散層45に直接接続させてマス部32
と電気的に接続してもよいし、薄膜配線38によって回
路部3内の測定回路に接続し、その電極として用いても
よい。
【0069】以上は、電気素子41をpn接合で分離さ
せたが、誘電体分離等の種々の分離方法によるものも本
発明に含まれる。また、回路部3内に形成する電気素子
41は、バイポーラトランジスタ、MOSトランジス
タ、抵抗素子、コンデンサ等の電気素子が広く含まれ
る。
【0070】また、以上は、可動体と基板との間で形成
されるコンデンサーの容量変化を検出する加速度センサ
ーの複合デバイスについて説明したが、本発明はそれに
限定されるものではない。例えば、可動体と固定体との
間で形成されるコンデンサーの容量変化を測定する複合
デバイスや、その他センサー以外のマイクロマシンを有
する複合デバイスを広く含む。
【0071】上記実施例は、薄膜配線38を介して可動
体11の構造層54と電気素子41とを接続したが、構
造層54中の拡散層によって接続させてもよい。
【0072】上述の保護膜64にはチタン・タングステ
ン薄膜を用い、マスク膜66にはシリコン酸化膜を用い
たが、それに限定されるものではない。保護膜64は、
犠牲層51を除去する際に、そのエッチング溶液(本例
ではフッ酸緩衝溶液)によって除去されない薄膜であれ
ばよいが、チタン・タングステン薄膜を保護膜64とし
た場合には、そのエッチング溶液である過酸化水素水
は、シリコン窒化膜等の通常のパッシベーション膜をエ
ッチングしないので都合がよい。
【0073】マスク膜66については、シリコン構造層
54をエッチングする際に選択比が高い材料であればよ
い。但し、シリコン酸化膜を用いた場合には、犠牲層5
1を除去する際に一緒に除去されるので都合がよい。
【0074】更にまた、上述のパッシベーション膜67
は窒化シリコン膜で構成したが、それに限定されるもの
ではない。但し、上述のように、マスク膜66をシリコ
ン酸化膜で構成した場合には、犠牲層51の除去の際に
パッシベーション膜が露出してしまうので、フッ酸緩衝
溶液によってエッチングされない材料が望ましい。
【0075】なお、上記実施例はSOI基板の場合につ
いて説明したが、構造層がシリコン単結晶ではなく、ポ
リシリコンで構成されたウェハーを用いて製造されたも
のも本発明に含まれる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、薄膜配線を構成する材
料で電極を形成することができる。また、リフトオフ法
を用いずにマイクロマシンを製造することができる。マ
スク膜を形成する前に電気素子、薄膜配線、又は電極を
形成しておくので、構造層をエッチングした後はフォト
リソグラフ工程を行わなくても済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複合デバイスの一例を示す図
【図2】(a)〜(e):その製造工程の前半を説明するた
めの図
【図3】(f)〜(i):その中半を説明するための図
【図4】(j)〜(m):その後半を説明するための図
【図5】従来技術のセンサーの斜視図
【図6】(a)〜(e):その製造工程の前半を説明するた
めの図
【図7】(f)〜(j):その後半を説明するための図
【符号の説明】
2……複合デバイス 3……回路部 4……マイク
ロマシン部 10……固定体 11……可動体
37……電極 38……薄膜配線 41……電気素
子 50……ウェハー 51……犠牲層 53…
…基板 54……構造層 60……金属薄膜 6
4……保護膜 65……パッシベーション膜 66
……マスク膜 80……導電性基体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 犠牲層を介して基板上に形成された構造
    層上にパターニングされたマスク膜を形成する工程と、 そのマスク膜をマスクに用いて前記構造層をエッチング
    して前記犠牲層を露出する工程と、 前記露出した部分から前記構造層下面の犠牲層をサイド
    ・エッチングを有るエッチングにより除去する工程とを
    有し、 前記構造層のうち、底面下の犠牲層を完全に除去した部
    分で可動体を形成し、底面下の犠牲層を残した部分で固
    定体を形成する複合デバイスの製造方法であって、 前記マスク膜を形成する前に、 前記固定体を構成する構造層中に電気素子を構成する工
    程と、 前記構造層上に少なくとも外部接続用の電極を含む金属
    薄膜を形成する工程と、 該金属薄膜をパターニングする工程とを有することを特
    徴とする複合デバイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属薄膜を形成した後、前記マスク
    膜を形成する前に、前記電極表面に保護膜を形成してお
    き、前記犠牲層をエッチングする際に前記電極がエッチ
    ングされないようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の複合デバイスの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記保護膜を形成した後、前記マスク膜
    を形成する前に、前記保護膜上にパターニングしたパッ
    シベーション膜を形成しておくことを特徴とする請求項
    2記載の複合デバイスの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記パターニングしたパッシベーション
    膜をマスクとし、前記電極上の前記保護膜を除去するこ
    とを特徴とする請求項3記載の複合デバイスの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記金属薄膜をパターニングする際に、
    その金属薄膜によって前記電気素子を互いに接続する金
    属配線を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれか1項記載の複合デバイスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板を導電性基体上に固定し、前記
    基板の裏面から前記導電性基体への電気的接続を行える
    ようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
    ずれか1項記載の複合デバイスの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記構造層及び前記基板はシリコン基板
    であり、前記犠牲層はシリコン酸化膜であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の複合
    デバイスの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記パッシベーション膜は窒化シリコン
    膜であることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいず
    れか1項記載の複合デバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 犠牲層が基板と構造層との間に位置する
    ウェハーの、前記構造層がパターニングされた後、前記
    犠牲層がエッチングされ、 前記構造層の内、底面下の犠牲層が完全に除去された部
    分で可動体が形成され、底面下の犠牲層が残された部分
    で固定体が形成された複合デバイスであって、 前記構造層上に形成されたパターニングされた金属薄膜
    によって薄膜配線及び外部接続用の電極とが設けられ、 前記金属薄膜上に保護膜が形成されるが、前記犠牲層の
    エッチング後、少なくとも前記電極上の前記保護膜が除
    去されることを特徴とする複合デバイス。
  10. 【請求項10】 前記固定体を構成する構造層中には電
    気素子が設けられ、前記薄膜配線によって互いに電気的
    に接続されていることを特徴とする請求項9記載の複合
    デバイス。
  11. 【請求項11】 導電性基体を有し、前記基板が前記導
    電性基体に固定された複合デバイスであって、 前記基板の裏面から前記導電性基体への電気的接続を行
    えるように構成されたことを特徴とする請求項9又は請
    求項10のいずれか1項記載の複合デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005078067A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Prime View Internatl Co Ltd 干渉式変調ピクセル及びその製造法

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