JPH10116687A - 有機el発光装置 - Google Patents

有機el発光装置

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JPH10116687A
JPH10116687A JP8291054A JP29105496A JPH10116687A JP H10116687 A JPH10116687 A JP H10116687A JP 8291054 A JP8291054 A JP 8291054A JP 29105496 A JP29105496 A JP 29105496A JP H10116687 A JPH10116687 A JP H10116687A
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organic
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color filter
light emitting
electrode
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラーフィルタにより有機EL素子が劣化す
るのを抑制するとともに、色純度やコントラストに優れ
た有機EL発光装置を提供する。 【解決手段】 基板1上に、その少なくとも一つが透明
な二つの電極2,3間に発光層を含む有機物層4を挟持
した有機EL素子10を平面状に複数分離配置してなる
有機EL発光装置において、基板1と透明電極2との間
であって、有機EL素子10の配置に対応した位置に、
保護層6で被覆した無機カラーフィルタ5を配設してな
ることを特徴とする有機EL発光装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL発光装置
に関する。さらに詳しくは、各種情報用ディスプレーに
好適に用いられる有機EL発光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機エレクトロルミネッセンス(EL)
素子を用いた有機EL装置において、色純度を上げるた
め発光の取り出し方向にカラーフィルタを配置する技術
は知られている。高精細ディスプレイにおいては、二つ
の電極のうち光取り出し方向に設けられる電極は透明ま
たは半透明が好ましく、その透明電極の直下又はそれに
非常に近してカラーフィルタを配置する必要があるが、
従来用いられてきた有機顔料を用いたカラーフィルタの
場合、有機顔料又はそれを分散した透明レジンが吸湿し
ており、有機EL素子の対向電極を水分が浸食して素子
を劣化させるという問題があった。なお、透明電極の直
下にカラーフィルタを配置し、赤色光等を取り出す素子
が開示されている(特開平7−142169号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この場合、カ
ラーフィルタには有機顔料を分散した透明レジン等が用
いられおり、この有機質である透明レジンは、吸湿して
おり、これにより生じる水分が有機EL素子の陰極を容
易に酸化するという問題があった。また、吸湿した水分
を完全に除くためには、カラーフィルタを200℃以
上、好ましくは250℃として焼き出す必要があるが、
有機カラーフィルタの耐熱性は200℃以下であり、焼
き出しにより熱劣化するのを避けることができないの
で、完全に脱水することは極めて困難であった。本発明
は、上述の問題に鑑みなされたものであり、カラーフィ
ルタにより有機EL素子が劣化するのを抑制するととも
に、色純度やコントラストに優れた有機EL発光装置を
提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、基板上に、その少なくとも一つが
透明な二つの電極間に発光層を含む有機物層を挟持した
有機EL素子を平面状に複数分離配置してなる有機EL
発光装置において、基板と透明電極との間であって、有
機EL素子の配置に対応した位置に、無機カラーフィル
タを配設してなることを特徴とする有機EL発光装置が
提供される。
【0005】また、その好ましい態様として、前記無機
カラーフィルタが、平面状に複数分離配置され、かつ保
護層で被覆されてなることを特徴とする有機EL発光装
置が提供される。
【0006】また、その好ましい態様として、前記保護
層の表面の凹凸の差が、0.5μm以下であることを特
徴とする有機EL発光装置が提供される。
【0007】また、その好ましい態様として、前記無機
カラーフィルタが、250℃以上の耐熱性を有すること
を特徴とする有機EL発光装置が提供される。
【0008】また、その好ましい態様として、前記無機
カラーフィルタが、無機顔料を含有するものであること
を特徴とする有機EL発光装置が提供される。
【0009】さらに、その好ましい態様として、前記無
機顔料が、有色の酸化物であることを特徴とする有機E
L発光装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の有機EL発光装置
の実施の形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の有機EL発光装置の一実施形態を模式
的に示す断面図である。また、図2は、本発明に用いら
れる保護層の配設状況を模式的に示す断面図である。
【0011】図1に示すように、本発明の有機EL発光
装置は、基板1上に、少なくとも一つが透明な二つの電
極2,3間に発光層を含む有機物層4を挟持した有機E
L素子10を平面状に複数分離配置してなり、基板1と
透明電極2との間であって、有機EL素子10の配置に
対応した位置に、好ましくは保護層6を被覆した、無機
カラーフィルタ5を配設してなる。以下、本発明の有機
EL発光装置の各構成要素およびその作製方法をさらに
具体的に説明する。
【0012】1.基板 本発明に用いられる基板1としては、透明で平坦かつ耐
熱性(400℃以上)を有するものであれば、特に制限
はない。たとえば、ガラス,石英,セラミックスを好適
例として挙げることができる。
【0013】2.有機EL素子 本発明においては、基板上1に、発光層を含む有機物層
4を基板電極2と対向電極3との間に挟持した有機EL
素子10を平面状に複数分離配置している。本発明に用
いられる有機EL素子10においては、有機物層4とし
て、再結合領域および発光領域を少なくとも有するもの
が用いられる。この再結合領域および発光領域は、通常
発光層に存在するため、本発明においては、有機物層4
として発光層のみを用いてもよいが、必要に応じ、発光
層以外に、たとえば正孔注入層,電子注入層,有機半導
体層,電子障壁層,付着改善層なども用いることができ
る。
【0014】次に本発明に用いられる有機EL素子の代
表的な構成例を示す。もちろん、これに限定されるもの
ではない。 透明電極(陽極)/発光層/電極(陰極) 透明電極(陽極)/正孔注入層/発光層/電極(陰
極) 透明電極(陽極)/発光層/電子注入層/電極(陰
極) 透明電極(陽極)/正孔注入層/発光層/電子注入層
/電極(陰極) 陽極/有機半導体層/発光層/陰極 陽極/有機半導体層/電子障壁層/発光層/陰極 陽極/正孔注入層/発光層/付着改善層/陰極 などの構造を挙げることができる。これらの中で、通常
の構成が好ましく用いられる。
【0015】(1)陽極 陽極(基板電極2,または対向電極3)としては、仕事
関数の大きい(4eV以上)金属,合金,電気伝導性化
合物またはこれらの混合 を電極物質とするものが好ま
しく用いられる。このような電極物質の具体例として
は、Au等の金属、CuI,ITO,SnO2 ,Zn
O,InZnO等の導電性透明材料が挙げられる。陽極
は、これらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の
方法で、薄膜を形成させることにより作製することがで
きる。このように発光層からの発光を陽極から取り出す
場合、陽極の発光に対する透過率が10%より大きくす
ることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω
/□以下が好ましい。陽極の膜厚は材料にもよるが、通
常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範
囲で選択される。なお、光の取り出し側に配設される電
極、たとえば基板電極2は、透明または半透明であるこ
とが好ましい。また、前述のように、本発明において
は、陽極として用いる電極は、その形成位置から、基板
電極2または対向電極3のいずれであってもよい。
【0016】(2)有機物層 本発明における有機物層4は、たとえば、赤系統色,緑
系統色および青系統色の発光層等を含む。 発光層 有機物層4に含まれる発光層の発光材料(ホスト材料)
としては、一般式(I)
【0017】
【化1】
【0018】で表わされるジスチリルアリレーン系化合
物が好ましく用いられる。この化合物は、特開平2−2
47278号公報に開示されている。
【0019】上記一般式において、Y1 〜Y4 はそれぞ
れ水素分子、炭素数1〜6のアルキル基,炭素数1〜6
のアルコキシ基,炭素数7〜8のアラルキル基,置換あ
るいは無置換の炭素数6〜18のアリール基,置換ある
いは無置換のシクロヘキシル基,あるいは無置換の炭素
数6〜18のアリールオキシ基,炭素数1〜6のアルコ
キシ基を示す。ここで置換基は、炭素数1〜6のアルキ
ル基,炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素数7〜8のア
ラルキル基,炭素数6〜18のアリールオキシ基,炭素
数1〜6のアシル基,炭素数1〜6のアシルオキシ基,
カルボキシル基,スチリル基,炭素数6〜20のアリー
ルカルボニル基,炭素数6〜20のアリールオキシカル
ボニル基,炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基,ビ
ニル基,アニリノカルボニル基,カルバモイル基,フェ
ニル基,ニトロ基,水酸基あるいはハロゲンを示す。こ
れらの置換基は単一でも複数でもよい。また、Y1 〜Y
4は同一でも、また互いに異なってもよく、Y1 とY2
およびY3 とY4 は互いに置換している基と結合して、
置換あるいは無置換の飽和五員環または置換あるいは無
置換の飽和六員環を形成してもよい。Arは置換あるい
は無置換の炭素数6〜20のアリレーン基を表わし、単
一置換されていても、複数置換されていてもよく、また
結合部分は、オルト,パラ,メタいずれでもよい。但
し、Arが無置換フェニレン基の場合、Y1 〜Y4 はそ
れぞれ炭素数1〜6のアルコキシ基,炭素数7〜8のア
ラルキル基,置換あるいは無置換のナフチル基,ビフェ
ニル基,シクロヘキシル基,アリールオキシ基より選ば
れたものである。このようなジスチルアリーレン系化合
物としては、たとえば、下記のものを挙げることができ
る。
【0020】
【化2】
【0021】
【化3】
【0022】また、別の好ましい発光材料(ホスト材
料)として、8−ヒドロキシキノリン、またはその誘導
体の金属錯体を挙げることができる。具体的には、オキ
シン(一般に8−キノリノールまたは8−ヒドロキシキ
ノリン)のキレートを含む金属キレートオキサノイド化
合物である。このような化合物は高水準の性能を示し、
容易に薄膜形態に成形される。このオキサノイド化合物
の例は、下記構造式を満たすものである。
【0023】
【化4】
【0024】(式中、Mtは金属を表わし、nは1〜3
の整数であり、Zはそのそれぞれの位置が独立であっ
て、少なくとも2以上の縮合芳香族環を完成させるため
に必要な原子を示す。) ここで、Mtで表わされる金属は、一価,二価または三
価の金属とすることができるものであり、たとえばリチ
ウム,ナトリウム,カリウムなどのアルカリ金属、マグ
ネシウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属、あるい
はホウ素またはアルミニウムなどの土類金属である。一
般に、有用なキレート化合物であると知られている一
価,二価,または三価の金属はいずれも使用することが
できる。
【0025】また、Zは、少なくとも2以上の縮合芳香
族環の一方がアゾールまたはアジンからなる複素環を形
成させる原子を示す。ここで、もし必要であれば、上記
縮合芳香族環に他の異なる環を付加することが可能であ
る。また、機能上の改善がないまま嵩ばった分子を回避
するため、Zで示される原子の数は18以下に維持する
ことが好ましい。さらに、具体的にキレート化オキサノ
イド化合物を例示すると、トリス(8−キノリノール)
アルミニウム(以下、Alqと略記する),ビス(8−
キノリノール)マグネシウム,ビス(ベンゾ−8−キノ
リノール)亜鉛,ビス(2−メチル−8−キノリノラー
ト)アルミニウムオキシド,トリス(8−キノリノー
ル)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノー
ル)アルミニウム,8−キノリノールリチウム,トリス
(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム,ビス(5
−クロロ−8−キノリノール)カルシウム,5,7−ジ
クロル−8−キノリノールアルミニウム、トリス(5,
7−ジプロモ−8−ヒドロキシキノリノール)アルミニ
ウムなどがある。
【0026】さらに、特開平5−198378号公報に
記載されているフェノラート置換8−ヒドロキシキノリ
ンの金属錯体は、青色発光材料として、好ましい物であ
る。このフェノラート置換8−ヒドロキシキノリンの金
属錯体の具体例としては、ビス(2−メチル−8−キノ
リノラート)(フェノラート)アルミニウム(III),
ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(ο−クレゾ
ラート)アルミニウム(III) ,ビス(2−メチル−8
−キノリノラート)(m−クレゾラート)アルミニウム
(III) ,ビス(2−メチル−8−キノリノラート)
(p−クレゾラート)アルミニウム(III) ,ビス(2
−メチル−8−キノリノラート)(ο−フェニルフェノ
ラート)アルミニウム(III) ,ビス(2−メチル−8
−キノリノラート)(m−フェニルフェノラート)アル
ミニウム(III) ,ビス(2−メチル−8−キノリノラ
ート)(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(II
I),ビス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,
3−ジメチルフェノラート)アルミニウム(III) ,ビ
ス(2−メチル−8−キノリノラート)(2,6ジメチ
ルフェノラート)アルミニウム(III) ,ビス(2−メ
チル−8−キノリノラート)(3,4−ジメチルフェノ
ラート)アルミニウム(III) ,ビス(2−メチル−8
−キノリノラート)(3,5−ジメチルフェノラート)
アルミニウム(III) ,ビス(2−メチル−8−キノリ
ノラート)(3,5−ジ−t−ブチルフェノラート)ア
ルミニウム(III) ,ビス(2−メチル−8−キノリノ
ラート)(2,6−ジフェニルフェノラート)アルミニ
ウム(III) ,ビス(2−メチル−8−キノリノラー
ト)(2,4,6−トリフェニルフェノラート)アルミ
ニウム(III) などが挙げられる。これらの発光材料
は、一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0027】以下、さらに具体的に説明する。本発明に
用いられる発光層としては、各種公知の発光材料が用い
ることができるが、好ましい発光層としては、上記オキ
サノイド化合物に緑色蛍光色素を0.2〜3重量%微量
添加したものを挙げることができる。ここで添加される
緑色蛍光色素としては、クマリン系、キナクリドン系で
ある。これらを添加することにより発光層を保有する素
子は、5〜20(lm/w)の高効率の緑色発光を実現
することができる。一方、発光層から高効率にて黄色ま
たは橙色を取り出したい場合には、オキシノイド化合物
にルブレンおよびその誘導体、ジシアノピラン誘導体、
ペリレン誘導体を0.2〜3重量%添加したものを用い
る。これらの素子は3〜10(lm/w)の高効率で発
光出力をすることが可能である。また、緑色蛍光色素と
赤色蛍光色素を同時に添加しても橙色が可能である。た
とえば、好ましくはクマリンとジシアノピラン系色素、
キナクリドンとペリレン色素、クマリンとペリレン色素
を同時に用いてもよい。他の特に好ましい発光層はポリ
アリーレンビニレン誘導体である。これは緑色または橙
色を高効率に出力することが可能である。また、本発明
に用いられる発光層としては各種公知の青色発光材料を
用いることができる。たとえばジスチリルアリレーン誘
導体,トリススチリルアリーレン誘導体,アリルオキシ
化キノリラート金属錯体が高水準な青色発光材料であ
る。また、ポリマーとしては、ポリパラフェニリン誘導
体を挙げることができる。
【0028】本発明に用いられる素子における発光層の
形成方法としては、たとば、蒸着法、スピンコート法,
キャスト法,LB法などの公知の方法により薄膜化する
ことで形成することができるが、特に分子堆積膜である
ことが好ましい。ここで、分子堆積膜とは、該化合物の
気相状態から沈着され形成された薄膜や、該化合物の溶
融状態または液相状態から固体化され形成された膜のこ
とである。通常、この分子堆積膜は、、LB法により形
成された薄膜(分子累積膜)と凝集構造,高次構造の相
違や、それに起因する機能的な相違により区別すること
ができる。また、この発光層は、樹脂などの結着材と共
に溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法
などにより薄膜化して形成することができる。このよう
にして形成された発光層の膜厚については、特に制限は
なく、適宜状況に応じて選ぶことができるが、好ましく
は1nm〜10μm、特に好ましくは5nm〜5μmの
範囲がよい。
【0029】正孔注入層 次に、有機物層4には正孔注入層を含んでいてもよい。
すなわち、正孔注入層は、必ずしも本発明に用いられる
素子に必要なものではないが、発光性能の向上のために
用いた方が好ましいものである。この正孔注入層は 発
光層への正孔注入を助ける層であって、正孔移動度が大
きく、イオン化エネルギーが、通常5.5eV以下と小
さい。このような正孔注入層としては、より低い電界で
正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、さらに正孔の
移動度が、たとえば104 〜106 V/cmの電界印加
時に、少なくとも10-6cm2 /V・秒以上であればな
お好ましい。このような正孔注入材料については、前記
の好ましい性質を有するものであれば特に制限はなく、
従来、光導伝材料において、正孔の電荷輸送材として慣
用されているものや、EL素子の正孔注入層に使用され
る公知のものの中から任意のものを選択して用いること
ができる。
【0030】具体例としては、例えばトリアゾール誘導
体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オ
キサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号
明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−1
6096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体
(米国特許3,615,402号明細書、同第3,82
0,989号明細書、同第3,542,544号明細
書、特公昭45−555号公報、同51−10983号
公報、特開昭51−93224号公報、同55−171
05号公報、同56−4148号公報、同55−108
667号公報、同55−156953号公報、同56−
36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体およびピ
ラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細
書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−8
8064号公報、同55−88065号公報、同49−
105537号公報、同55−51086号公報、同5
6−80051号公報、同56−88141号公報、同
57−45545号公報、同54−112637号公
報、同55−74546号公報等参照)、フェニレンジ
アミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細
書、特公昭51−10105号公報、同46−3712
号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53
435号公報、同54−110536号公報、同54−
119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体
(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,1
80,703号明細書、同第3,240,597号明細
書、同第3,658,520号明細書、同第4,23
2,103号明細書、同第4,175,961号明細
書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−3
5702号公報、同39−27577号公報、特開昭5
5−144250号公報、同56−119132号公
報、同56−22437号公報、西独特許第1,11
0,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導
体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、
オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号
明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体
(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノ
ン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、
ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明
細書、特開昭54−59143号公報、同55−520
63号公報、同55−52064号公報、同55−46
760号公報、同55−85495号公報、同57−1
1350号公報、同57−148749号公報、特開平
2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体
(特開昭61−210363号公報、同61−2284
51号公報、同61−14642号公報、同61−72
255号公報、同62−47646号公報、同62−3
6674号公報、同62−10652号公報、同62−
30255号公報、同60−93445号公報、同60
−94462号公報、同60−174749号公報、同
60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体
(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラ
ン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共
重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−
211399号公報に開示されている導電性高分子オリ
ゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることが
できる。正孔注入層の材料としては上記のものを使用す
ることができるが、ポルフィリン化合物(特開昭63−
2956965号公報等に開示のもの)、芳香族第三級
アミン化合物およびスチリルアミン化合物(米国特許第
4,127,412号明細書、特開昭53−27033
号公報、同54−58445号公報、同54−1496
34号公報、同54−64299号公報、同55−79
450号公報、同55−144250号公報、同56−
119132号公報、同61−295558号公報、同
61−98353号公報、同63−295695号公報
等参照)、特に芳香族第三級アミン化合物を用いること
が好ましい。
【0031】上記ポルフィリン化合物の代表例として
は、ポルフィン、1,10,15,20−テトラフェニ
ル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、1,10,
15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフ
ィン亜鉛(II)、5,10,15,20−テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフ
ィン、シリコンフタロシアニンオキシド、アルミニウム
フタロシアニンクロリド、フタロシアニン(無金属)、
ジリチウムフタロシアニン、銅テトラメチルフタロシア
ニン、銅フタロシアニン、クロムフタロシアニン、亜鉛
フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニウムフタロ
シアニンオキシド、Mgフタロシアニン、銅オクタメチ
ルフタロシアニン等を挙げることができる。
【0032】また、前記芳香族第三級アミン化合物およ
びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,
N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェ
ニル、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス−(3−
メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,
4’−ジアミン(以下TPDと略記する)、4,4’−
ビス[N,N−ジ−(3−トリル)アミノ]−4”−フ
ェニル−トリフェニルアミン(以下、TPD74と略記
する)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェ
ニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルア
ミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−
テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノフェニル、
1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−
4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミ
ノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−
ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,
N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニ
ル)−4,4’−ジアミノビフェニル、N,N,N’,
N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニルエ
ーテル、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオード
リフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、
4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−[4(ジ−p−
トリルアミノ)スチリル]スチルベン、4−N,N−ジ
フェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、
3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチル
ベンゼン、N−フェニルカルバゾール、米国特許第5,
061,569号に記載されている2個の縮合芳香族環
を分子内に有する、例えば、4,4’−ビス[N−(1
−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下
NPDと略記する)、また、特開平4−308688号
公報で記載されているトリフェニルアミンユニットが3
つスターバースト型に連結された4,4’,4''−トリ
ス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ]トリフェニルアミン(以下MTDATAと略記す
る)等を挙げることができる。また、発光層の材料とし
て示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物の他、p
型−Si,p型SiC等の無機化合物も正孔注入層の材
料として使用することができる。
【0033】正孔注入層は、上述した化合物を、例えば
真空蒸着法,スピンコート法,キャスト法,LB法等の
公知の方法により薄膜化することにより形成することが
できる。正孔注入層としての膜厚は、特に制限はない
が、通常は5nm〜5μmである。この正孔注入層は、
上述した材料の一種または二種以上からなる一層で構成
されていてもよいし、または、前記正孔注入層とは別種
の化合物からなる正孔注入層を積層したものであっても
よい。また、有機半導体層は、発光層への正孔注入また
は電子注入を助ける層であって、10-10 S/cm以上
の導電率を有するものが好適である。このような有機半
導体層の材料としては、含チオフェンオリゴマーや含ア
リールアミンオリゴマーなどの導電性オリゴマー、含ア
リールアミンデンドリマーなどの導電性デンドリマーな
どを用いることができる。
【0034】電子注入層 有機物層4には、電子注入層を含んでもよい。電子注入
層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子
移動度が大きく、また付着改善層は、この電子注入層の
中で、特に陰極との付着が良い材料からなる層である。
電子注入層に用いられる材料としては、たとえば8−ヒ
ドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体、あるい
はオキサジアゾール誘導体が好ましく挙げられる。ま
た、付着改善層に用いられる材料としては、特に8−ヒ
ドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体が好適で
ある。上記8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の
金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノ
リノールまたは8−ヒドロキシキノリン)のキレートを
含む金属キレートオキサノイド化合物が挙げられる。一
方、オキサジアゾール誘導体としては、一般式(II),
(III) および(IV)
【0035】
【化5】
【0036】(式中Ar10〜Ar13はそれぞれ置換また
は無置換のアリール基を示し、Ar10とAr11およびA
12とAr13はそれぞれにおいて互いに同一であっても
異なっていてもよく、Ar14置換または無置換のアリレ
ーン基を示す。)で表わされる電子伝達化合物が挙げら
れる。ここで、アリール基としてはフェニル基,ビフェ
ニル基,アントラニル基,ペリレニル基,ピレニル基な
どが挙げられ、アリレーン基としてはフェニレン基,ナ
フチレン基,ビフェニレン基,アントラセニレン基,ペ
ニレニレン基,ピレニレン基などが挙げられる。また、
置換基としては炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1
〜10のアルコキシ基またはシアノ基などが挙げられ
る。この電子伝達化合物は、薄膜形成性のものが好まし
い。上記電子伝達化合物の具体例としては、下記のもの
を挙げることができる。
【0037】
【化6】
【0038】(3)陰極 陰極(基板電極2,または対向電極3)としては、仕事
関数の小さい(4eV以下)金属,合金,電気伝導性化
合物およびこれらの混合物を電極物質とするものが用い
られる.このような電極物質の具体例としては、ナトリ
ウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチ
ウム、マグネシウム・銀合金、アルミニウム/酸化アル
ミニウム(Al23 )、アルミニウム・リチウム合
金、インジウム、希土類金属などが挙げられる。また、
これらの金属、合金を15nm以下と薄く形成した後
に、透明電極であるZnO:Al,InSnOなどを5
0〜300nmの範囲で形成したものも透明陰極として
用いることができる。陰極は、これらの電極物質を蒸着
やスパッタリングなどの方法により、薄膜を形成させる
ことにより、作製することができる。
【0039】また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/
□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜1μm、50
〜200nmの範囲が好ましい。なお、本発明に用いら
れる有機EL素子においては、光取り出し側に配設され
る、陽極または陰極のいずれか一方は、透明または半透
明であることが、発光を透過するため、発光の取り出し
効率がよいので好ましい。なお、前述のように、本発明
においては、陰極として用いる電極は、その形成位置か
ら、基板電極2または対向電極3のいずれであってもよ
い。
【0040】3.無機カラーフィルタ (1)構成 本発明に用いられる無機カラーフィルタ5は、電場発光
の一部を吸収し、発光の色純度を向上するために配設す
るものであって、光取り出し方向に透明な電極面より数
十μm(たとえば30〜40μm)以下の距離で配設す
ることが好ましい。このようにすることによってカラー
フィルタがパターン化された場合、視野角による色ずれ
を防止することができる。
【0041】好ましい無機質のカラーフィルタとして
は、有色の酸化物、たとえば赤色フィルタとしてαFe
23 ,青色フィルタとしてCoO・Al23 (アル
ミナにCoOを分散したもの)などを挙げることができ
る。緑色フィルタとしてはCoO・Al23 (アルミ
ナCoOを分散したもの)を同様に用いることができ
る。またZnO・CoO・TiO2 ・NiO(ZnO,
CoO,TiO2 ,NiOの混合顔料)も用いることが
できる。
【0042】別の好ましい例としては、可視域にバンド
ギャップの値をもつ半導体、たとえばCdS,CdSS
e(CdSとCdSeとの混晶)、ZnSe,ZnSS
e(ZnSとZnSeとの混晶),GaInN(GaN
とInNとの混晶)などを挙げることができる。また、
ZnCdSSe(ZnS,ZnSe,CdS,CdSe
の混晶)およびZnSeTeなどを用いることができ
る。バンドギャップの値は、たとえば文献:応用物理V
ol.65,No7,1996,688頁などに記載さ
れているので、これらの半導体を層状に設けることによ
ってバンドギャップよりも大きなエネルギーを保有する
光をカットすることができ、フィルタとして好適に用い
ることができる。赤色フィルタとしてCdSSeまたは
CdS,ZnSeTeなどを用いることができる。緑色
と赤色とを透過するフィルタとしては、ZnSe,Zn
SSeなどを用いることができる。CdSxSe1-xを赤
色フィルタとして使うときは好ましくは0.3<x<
0.85とする。
【0043】また、非結晶質SiCも層状または薄膜に
してフィルタとして好適に用いることができる。SiC
の組成によりバンドギャップの値を変えることができ
る。所望のバンドギャップ値を公知の文献等を参考にし
て選ぶことができる。以上の有色の半導体層の好ましい
膜厚は、0.1〜1.5μmである。
【0044】(2)無機カラーフィルタの作製方法 無機顔料層の場合 無機顔料である粒径10〜200nmの酸化物微粒子を
ポリビニルアルコールと重クロム酸塩(例えばアンモニ
ウム塩)との混合水溶液を分散させ、スラリーとする。
これをスピンコートし、ガラス板などの透明基材上に塗
布し、フォトマスクを通して露光する。露光された場所
は水に不溶となり、これを温純水などにより現像する。
以上は一つの無機カラーフィルタのパターンの形成手順
であるが、複数のカラーフィルタ、パターンたとえば青
色,緑色,赤色のパターンが必要なときには、上記の手
順を3回繰り返すことになる。最後に完成したカラーフ
ィルタを好ましくは250℃以上で乾燥し、脱水を完全
に行なう。好ましくは300℃以上で30〜60分間乾
燥し、焼き出す。
【0045】有色の半導体層を形成する場合 CdS,CdSSe,ZnSc,ZnSSe,ZnCd
SSeなどの半導体を電子ビーム蒸着方法またはスパッ
タリングにより所定の膜厚まで透明基材上に成膜する。
表面が平坦で、しかも透明度が高い膜としてはスパッタ
リングで形成するものが好ましい。これらの膜のパター
ニングについては、公知のフォトレジストを用い、露光
後、残存する部分とマスクするエッチング法により簡易
に実施することができる。
【0046】図2に示すように、保護層6は、必要に応
じ無機カラーフィルタ(無機CF)5の凹凸を平坦化す
るために用いられる透明層である。また、この層は、透
明電極2のエッチング工程の際、無機カラーフィルタ5
を保護する機能を有する。本発明においては、250℃
以上の耐熱性を保有する材料で構成し、乾燥し、脱水で
きるようにすることが好ましい。好ましい材料として
は、たとえばSiOx(x=1〜2),TiO2 ,Al2
3 、透明性SiON,ポリイミド,ポリアクリレート
などを挙げることができる。SiOx ,TiO2 はゾル
ゲル溶液によりスピンコートし、250〜300℃で焼
成後、形成できるものが市販されている。また透明性ポ
リイミド,ポリアクリレートなども市販され容易に入手
することができる。これらポリマーはスピンコートにて
所定の膜厚になるように配設し、形成することができ
る。また、プラズマCVDによるSiO2 ,Si34
膜などを用いることもできる。
【0047】保護層の厚さとしては、平坦化できるよう
に無機CF5の膜厚よりも厚くし、また透明電極2と無
機CF5の距離が離れないように50μm以下の厚さに
することが好ましい。
【0048】4.本発明の有機EL発光装置の作製方法 本発明の有機EL発光装置を作製する工程は、たとえば
下記〜の工程とすることができる。 透明基板1の洗浄工程 無機カラーフィルタ5の成膜工程 無機カラーフィルタ5のパターニング工程 保護層6の成膜工程 透明電極2の成膜およびパターニング工程 有機層4の成膜工程 対向電極3成膜工程
【0049】に関しては、特に制限はなく、たとえば
イソプロピルアルコール等の溶媒中で超音波洗浄した
後、UV照射により、基板上の有機物の灰化処理をすれ
ば十分である。に関しては、前述のように各種成膜方
法を用い、成膜を行なうことができる。に関しては、
フォトマスクを通して露光後、所定のパターンで膜が残
存するようにすればよい。また、別の方法では、成膜
後、その上よりフォトレジストを成膜し、フォトマスク
を通して露光後、フォトレジストパターンが残存するよ
うにする。さらにフォトレジストが残存していない箇所
を無機カラーフィルタ5が可溶な溶媒でエッチング除去
することにより、上記のパターニングを行なうことがで
きる。に関しては、上記(3)で説明したように、ゾ
ルゲル溶液からスピンコート後、焼成し、SiO2 など
の酸化物保護層を形成する方法の他、スパッタリング,
プラズマCVD,熱CVD,ECR−CVDなど各種酸
化物または窒化物の膜を形成する方法を好適例として挙
げることができる。
【0050】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 [実施例1] 無機カラーフィルタおよび保護層の形成 水10g中にポリビニルアルコール0.5g、重クロム
酸アンモニウム塩0.01g、CoO・Al23 無機
顔料(化成オプトロニクス社製)0.1gを混合し、ス
リラー とした。このスリラーを毎分1000回転にて
75mm×75mm厚さ1mmのガラス基板上にスピン
コートし、さらにフォトマスクを通し、紫外線を照射し
露光処理した。これを温純水に浸漬させ、現像を行な
い、ピッチ100μm、ギャップ20μmの短冊状パタ
ーンを得た。これを無機カラーフィルタ層とした。次
に、このガラス基板を空気中350℃にて焼成し、乾燥
した。乾燥後、SiO2 形成用塗布液OCDtype7
(東京応化社製)を毎分1000回転でスピンコート
し、450℃で焼成し、膜厚1μmの保護層を形成し
た。
【0051】有機EL素子の形成による有機EL発光
装置の作製 次に、上記の無機カラーフィルタを設けたガラス基板の
全面に、インジウム(In)の原子比In/(In+Z
n)が、0.83であるIn−Zn−O系酸化物の焼結
体を、スパッタリングターゲットとして用いたDCマグ
ネトロンスパッタリング法により膜厚200nmのIn
−Zn−O系非晶質導電性酸化物膜を成膜した。このと
きのスパッタリングは、アルコンガスと酸素ガスとの混
合ガス(体積比がAr:O2 =1000:2.8)を雰
囲気として真空度を0.2Pa、スパッタリング出力は
2W/cm2 として行なった。次に、12%HBr水溶
液をエッチャントとして、さらに露光したフォトレジス
トをマスクとしエッチング加工し、100μmピッチ、
ギャップ30μmのストライプ状非晶質透明導電膜を
得、透明電極を形成した。次に、透明電極を形成した後
のガラス基板について、イソプロピルアルコール中で超
音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分
間行なった。洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を
真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラ
インが形成されている側の面上に、前記透明電極を覆う
ようにして膜厚80nmの4,4’−ビス[N,N−ジ
(3−メチルフェニル)アミノ]−4”−フェニル−ト
リフェニルアミン膜(以下「TPD74膜」と略記す
る。)を成膜した。このTPD74膜は、第一の正孔注
入層(正孔輸送層)として機能する。TPD74膜の成
膜に続けて、このTPD74膜上に膜厚20nmの4,
4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニル膜(以下「NPD膜」」と略記する。)
を成膜した。このNPD膜は、第2の正孔注入層(正孔
輸送層))として機能する。さらに、NPD膜の成膜に
続けて、このNPD膜上に膜厚40nmの4,4’−ビ
ス[2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル膜(以下
「DPVBi膜」と略記する。)を成膜した。このDP
VBi膜は、青色発光層として機能する。そして、DP
VBi膜の成膜に続けて、このDPVBi膜上に膜厚2
0nmのトリス(8−キノリノール)アルミニウム膜
(以下「Alq膜」と略記する。)を成膜した。このA
lq膜は、電子注入層として機能する。この後、上記の
Alq膜まで成膜した透明電極ライン付ガラス基板の下
方(蒸着源側)に、開口200μmの開口ラインを30
0μmピッチで所定本数所有しているマスクを装着し、
マグネシウム(Mg)と銀(Ag)とを二元蒸着させ
て、短冊状を呈する膜厚200nmのMg:Ag合金膜
を前述した透明電極ラインと平面視状直交するようにし
て、前記のAlq膜上の所定本数成膜した。このとき、
Mgの蒸着レートは2nm/秒とし、Agの蒸着レート
は0.1nm/秒とした。各Mg:Ag合金膜は、陰極
(対向電極)として機能する。上記の陰極(対向電極)
ラインまで形成することにより有機EL発光装置(A
1)を得た。この有機EL発光装置は、有機EL素子か
らなる画素がX−Yマトリックス状に二次元配置されて
いるものである。透明電極の10ライン分をまとめて+
極に、MgAg電極の10ライン分をまとめて一極とし
た。
【0052】[実施例2]実施例1において、無機カラ
ーフィルタおよび保護層の形成を下記に変えたこと以外
は、実施例1と同様にし、有機EL発光装置(A2)を
得た。すなわち、CdS0.63Se0.37の焼結体をスパッ
タリングターゲットとしてDCマグネトロンスパッタリ
ング法により、ガラス基板上にCdSxSe1-xの半導体
層を0.8μm成膜した(x=0.63)。この場合の
スパッタリング条件は、真空度0.2Pa、スパッタ出
力2.5w/cm2 、スパッタ雰囲気アルゴンガスとし
た。この半導体層は赤色フィルタとして稼動する。次
に、SiO2 の保護層とIn−Zn−Oの透明電極を設
けた。なお、発光層の蒸着時には、青色発光用のドーパ
ントである[化7]に示すPAVBiを3mol%、電
子注入層の蒸着時には赤色発光用のドーパントである
[化8]に示すDCMを8mol%混入するようにドー
パントを蒸着した。
【0053】
【化7】
【0054】
【化8】
【0055】[実施例3]実施例2において、保護層の
表面の凹凸の差を0.41μm以下で平均0.29μm
としたこと以外は実施例2と同様にし、有機EL発光装
置(A3)を得た。
【0056】[比較例1]実施例1において、無機カラ
ーフィルタおよび保護層の形成を下記に変えたこと以外
は実施例1と同様にし、有機EL発光装置(B1)を得
た。すなわち、有機青色顔料を透明性レジン溶液に分散
してある感光性カラーレジスト(富士ハント社製)を毎
分1000回転にて75mm×75mm厚さ1mmのガ
ラス基板上にスピンコートし、フォトマスクを通して露
光後現像し、有機カラーフィルタとし、次に、ポリウレ
タン系コーティング剤(保土谷化学社製)をスピンコー
トし、100℃でベークした。なお、この有機カラーフ
ィルタは、ピッチ100μm、ギャップ20μmの短冊
状のパターンを有するものであった。
【0057】[比較例2]実施例1において、無機カラ
ーフィルタおよび保護層を形成しなかったこと以外は実
施例1と同様にし、有機EL発光装置(B2)を得た。
【0058】[比較例3]実施例2において、無機カラ
ーフィルタを形成しなかったこと以外は実施例2と同様
にし、有機EL発光装置(B3)を得た。
【0059】[比較例4]実施例1において、保護層を
形成しなかったこと以外は実施例3と同様にし、有機E
L発光装置(B4)を得た。
【0060】(有機EL発光装置の評価)実施例1〜3
および比較例1〜4で得られた有機EL発光装置(A
1)〜(A3)および(B1)〜(B4)について、下
記の評価を実施した。
【0061】(1)輝度,色度,色純度 (A1)および(B2)に直流8V、(A2)および
(B3)に直流9Vをそれぞれ印加した。その結果を表
1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1から、(A1)は(B2)に比べ、輝
度は小さいものの色純度を向上させること、また、(A
2)は(B3)に比べ、輝度は小さいものの、白色発光
から色純度の良い赤色を得ることができることがわかっ
た。
【0064】(2)一定期間保存後の無発光部分面積割
合 (A1),(A2),および(B1)を窒素ガス気流下
で2週間または4週間室温で保存し、その後直流8Vを
印加し、無発光部分の全体に占める面積の割合を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】表2から、(A1)および(A2)は、
(B1)に比べ、2週間保存および4週間保存後のいず
れの場合であっても、無機カラーフィルタを用いること
により格段に無発光面積を減少させることができること
がわかった。
【0067】(3)保護層表面の凹凸の影響 (A1),(A3)および(B4)に直流8Vの印加
を、10,20,30回繰り返し、非発光箇所の増加具
合を観察し、対向電極であるMg:Agの断線状況を把
握した。その結果を表3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】(A1)および(A3)は、(B4)に比
べ、対向電極の断線を有効に防止することがわかった。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
色純度が高く、かつ有機EL素子の劣化や電極の断線が
なく長寿命な有機EL発光装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機EL発光装置の一実施形態を模式
的に示す断面図である。
【図2】本発明に用いられる保護層の配設状況を模式的
に示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 基板(透明)電極 3 対向電極 4 発光層を含む有機物層 5 無機カラーフィルタ 6 保護層 10 有機EL素子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、その少なくとも一つが透明な
    二つの電極間に発光層を含む有機物層を挟持した有機E
    L素子を平面状に複数分離配置してなる有機EL発光装
    置において、基板と透明電極との間であって、有機EL
    素子の配置に対応した位置に、無機カラーフィルタを配
    設してなることを特徴とする有機EL発光装置。
  2. 【請求項2】 前記無機カラーフィルタが、平面状に複
    数分離配置され、かつ保護層で被覆されてなることを特
    徴とする請求項1記載の有機EL発光装置。
  3. 【請求項3】 前記保護層の表面の凹凸の差が、0.5
    μm以下であることを特徴とする請求項2記載の有機E
    L発光装置。
  4. 【請求項4】 前記無機カラーフィルタが、250℃以
    上の耐熱性を有することを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の有機EL発光装置。
  5. 【請求項5】 前記無機カラーフィルタが、無機顔料を
    含有するものであることを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項記載の有機EL発光装置。
  6. 【請求項6】 前記無機顔料が、有色の酸化物であるこ
    とを特徴とする請求項5記載の有機EL発光装置。
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