JPH10116088A - 効果付与装置 - Google Patents

効果付与装置

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JPH10116088A
JPH10116088A JP8271071A JP27107196A JPH10116088A JP H10116088 A JPH10116088 A JP H10116088A JP 8271071 A JP8271071 A JP 8271071A JP 27107196 A JP27107196 A JP 27107196A JP H10116088 A JPH10116088 A JP H10116088A
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JP
Japan
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pitch
effect
signal
lfo
formant
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JP8271071A
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English (en)
Inventor
Takashi Saruhashi
隆 猿橋
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Roland Corp
Original Assignee
Roland Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、入力した音声信号にビブラート等の
効果を付与する効果付与装置に関するものであり、入力
した音声信号に自然な感じのビブラート等の効果を付与
することを目的とする。 【解決手段】入力音声信号に例えばビブラート効果など
の効果を付与して出力する効果付与手段と、該入力音声
信号のピッチを検出するピッチ検出手段と、該ピッチ検
出手段で検出したピッチに基づいて該入力音声信号のピ
ッチの変動が所定値以下の状態が所定時間以上続いたこ
とを検出するピッチ変動検出手段と、該ピッチ変動検出
手段で該入力音声信号のピッチの変動が所定値以下の状
態が所定時間以上続いたことが検出されたら該効果付与
手段で効果を付与するよう制御する制御手段とを含み構
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力した音声信号
にビブラート等の効果を付与する効果付与装置に関する
ものである。
【0002】例えばカラオケ装置等で歌唱する場合、歌
の上手な人は歌にビブラートをかけて一層うまく聴かせ
ることができるが、歌の上手でない人はかかるビブラー
トを歌にかけることができない。そこで、歌の上手でな
い人のために、入力した音声信号にカラオケ装置側でビ
ブラート効果をかけることができる効果付与装置が望ま
れる。
【0003】かかる効果付与装置としては、例えば本出
願人が特願平7−257071号にて提案した効果付与
装置を利用してビブラート効果を付与することが提案さ
れる。この効果付与装置を用いてビブラート効果を付与
する方法としては、演奏情報(MIDI信号)を用いて
ビブラート効果の付与を行うもの、あるいは低周波発振
器を用いて、入力した音声信号をその低周波信号で変調
してビブラート効果を付与するものなどが考えられる。
【0004】前者の演奏情報(MIDI信号)を用いる
効果付与装置の構成は例えば図10に示されるようなも
のとなる。図中、30はピッチシフタであり、上述の特
願平7−257071号にて提案した効果付与装置を用
いる。このピッチシフタ30は入力した音声信号に対し
て、そのピッチを検出し、外部からピッチを指示する再
生指示ピッチやピッチ変更係数、ホルマント変更係数等
に応じて、入力した音声信号のピッチをシフトするもの
である。この効果付与装置の詳細については後述する。
【0005】26は入力した音声信号のピッチを検出す
るピッチ検出器であり、その検出したピッチはピッチシ
フタ30に供給される。37はデコーダであり、演奏情
報(MIDI信号)が入力され、これをデコードしてそ
のうちのキー情報"NOTE"で再生指示ピッチを指定し、ベ
ンダー情報"BENDER"でビブラート付加を指示する(絶対
ピッチモード)。38は変調信号発生器であり、ベンダ
ー情報"BENDER"とLFO変調度"LFO-DEPTH" が入力され
それらに基づいて変調信号"MOD" を発生し、これをピ
ッチシフタ30に対してピッチ変更係数(あるいはホル
マント変更係数)として供給する。ここで、LFO変調
度"LFO-DEPTH" は変調の深さを決定する係数であり、"L
FO-DEPTH" ≧0である。
【0006】図11にはこの効果付与装置の動作フロー
チャートが示される。入力した音声信号のピッチがピッ
チ検出器26で検出されてピッチシフタ30に入力され
る。また演奏情報のベンダー情報"BENDER"がデコーダ3
7で抽出されて変調信号発生器38に供給され、ここで
ベンダー情報"BENDER"に応じた低周波信号"LFO" が発生
され、さらに、 “MOD”=1+(“LFO”דLFO−DEPT
H”) の演算式に従って変調信号"MOD" が発生されて、ピッチ
シフタ30に供給される。なお、この方法では、ベンダ
ー情報"BENDER"はセント・リニアであるため、後述する
本発明の実施例のように変調信号"MOD" の計算において
パワー計算の必要がなく、演算処理を簡素化することが
できる。
【0007】以下に前述の特願平7−257071号で
本出願人が提案した効果付与装置の詳細を説明する。ピ
ッチシフタは従来から種々の方式が知られている。これ
らのピッチシフタは入力されたオーディオ信号の周波数
を高域側または低域側にシフトする処理を行うものであ
るが、単に周波数シフトを行うだけであると、例えば人
の声をピッチシフトした場合、そのホルマント(スペク
トル分布)も周波数シフトされ、その結果、普通の声を
高域側にシフトすると子供っぽい高い声になり、低域側
にシフトすると大男のような低き声になるといった問題
がある。
【0008】本出願人が先に提案したピッチシフタは、
入力音声信号から音素片を切り出し、その音素片のホル
マントの特徴をほぼ保ったまま、所望の再生音高に対応
した周期でその音素片を再生することによって、入力音
声信号のホルマント特性を保ったまま自然な感じでピッ
チを変換するものである。
【0009】図12(a)にはピッチ変換装置の全体構
成が示される。図示するように、アナログの楽音信号ま
たは音声信号等の可聴周波数信号が入力される入力端子
2を有し、この入力端子2に供給された可聴周波数信号
が、A/D変換器4によってディジタル可聴周波数信号
(サンプリングデータ)に変換される。A/D変換器4
と入力端子2との間に設けられた低域フィルタ6は、可
聴周波数信号をA/D変換器4におけるサンプリング周
波数の1/2以下の周波数に制限して、エイリアシング
の発生を防止する。A/D変換器4からのサンプリング
データは、DSP(ディジタル信号プロセッサ)8に供
給され、このDSP8からRAM12に供給される。R
AM12は、入力されたサンプリングデータを順次に記
憶するリングメモリとして使用されている。
【0010】CPU(中央処理装置)22は装置の全体
的な制御を司るものであり、操作子20から入力された
パラメータとピッチ変換情報入力端子3から入力された
ピッチ変換情報を検出する。操作子20はユーザが操作
して設定したホルマント変更係数"FORMANT-VR"やピッチ
変更係数"PITCH-VR"等のパラメータの入力に使用され
る。ピッチ変換情報はピッチシフトして発音しようとす
る音高データ(再生指示ピッチ"SPITCH")などが入力さ
れる。これらホルマント変更係数"FORMANT-VR"やピッチ
変更係数"PITCH-VR"、ピッチ変換情報はDSP8におけ
るピッチ変換処理に用いられ、CPU22によって検出
され、DSP8に供給される。CPU22は、この他に
DSP8の制御も行う。
【0011】ここで、上述のホルマント変更係数"FORMA
NT-VR"とピッチ変更係数"PITCH-VR"について説明する。
まず、ピッチ変更係数"PITCH-VR"は、1に設定された時
には再生指示ピッチ"SPITCH"で指示された音高からピッ
チの変更をしない状態、1より大きく設定された時には
低域側にピッチシフト、1より小さく設定された時には
高域側にピッチシフトした状態となる。ホルマント変更
係数"FORMANT-VR"は、1の場合にはホルマントは元の音
声信号からシフトせず、1より大きい場合には高い方に
ホルマントがシフトし、1より小さい場合には低い方に
ホルマントがシフトする。
【0012】DSP8は、ピッチ変換情報入力端子3な
どから入力されるピッチ変換情報に従ってリングメモリ
12からサンプリングデータを読み出してピッチ変換処
理を行い、D/A変換器14に供給する。D/A変換器
14は、DSP8でピッチ変換処理されたサンプリング
データをアナログの可聴周波数信号に変換し、低域フィ
ルタ16を通して不要な信号成分を除去した後、出力端
子18に供給する。
【0013】図12(b)は、DSP8が実行する機能
を機能ブロック図で示したものである。なお、DSP8
は入力端子23に入力されるサンプリングデータをRA
M12のリングメモリに順次に記憶する機能ブロックを
有しているが、これらの図面では、説明を容易にするた
めその機能ブロックを省略している。
【0014】図12(b)に示すように、入力端子23
と、ピッチ変換部24と、ピッチ検出部26と、制御部
28と、出力端子29とが設けられている。入力端子2
3にはサンプリングデータが入力され、図示していない
機能ブロックによってRAM12にそのサンプリングデ
ータが順次記憶されると共に、ピッチ変換部24とピッ
チ検出部26に入力される。。ピッチ検出部26は入力
端子23から入力されたサンプリングデータのピッチを
公知の手法で検出し、検出ピッチ"PITCH" として制御部
28に供給する。制御部28はピッチ検出部26で検出
された検出ピッチ"PITCH" や、CPU22を介して操作
子20の操作によって設定されたホルマント変更係数"F
ORMANT-VR"やピッチ変更係数"PITCH-VR"等のパラメータ
およびピッチ変換情報入力端子3から入力されるピッチ
変換情報を用いて、RAM12に記憶されているサンプ
リングデータをピッチ変換部24に処理させる。
【0015】ピッチ変換部24、ピッチ検出部26及び
制御部28が行う処理は、概略的に説明すると、リング
メモリに記憶されているサンプリングデータから所望の
区間を音素片として時間経過に従って順次に切り出し
て、その切り出した音素片を、入力時のサンプリングデ
ータとは異なるピッチおよびホルマントで再生するもの
である。その際、この音素片の再生を二つの処理経路で
並行して行い、それぞれの処理経路では再生しようとす
るピッチ周期の2倍の周期でかつ互いが半周期ずれるよ
うにして音素片を再生し、これらを合成して元のピッチ
周期にするようにしている。
【0016】図13〜図17はこのピッチ変換処理を説
明する図である。図中のピッチ変更係数"PITCH-VR"は、
入力端子3から入力された再生指示ピッチ"SPITCH"をど
の程度変更するかを決める係数であり、ピッチ変更係数
"PITCH-VR"が1であれば変更なし、1より小さければ高
域側へのピッチシフト、1より大きければ低域側へのピ
ッチシフトを行う。なお、再生指示ピッチ"SPITCH"はM
IDI信号により音高データの形で指示されるが、この
図2〜図6の説明では、説明を分かりやすくするため、
再生指示ピッチ"SPITCH"=検出ピッチ"PITCH" として説
明をする。
【0017】また、ホルマント変更係数"FORMANT-VR"は
サンプリングデータのホルマントがピッチシフト後も全
く変わらないとやや不自然な感じがあるので、これを若
干変更する場合のものであり、ホルマント変更係数"FOR
MANT-VR"が1であれば変更なし、1以外であればホルマ
ントを若干変更する。
【0018】まず、図13を参照して、ピッチ変更係数
"PITCH-VR"=1、ホルマント変更係数"FORMANT-VR"=1
の場合(すなわちピッチシフトとホルマント特性変更を
行わない場合)を例にして、このピッチ変換装置の基本
的な動作を説明する。
【0019】図13の(a)はサンプリングデータであ
り、ピッチ検出手段26により入力音声のピッチP0、
P1・・・が検出され、この検出ピッチ"PITCH" で音素
片が順次に切り出される。再生指示ピッチ"SPITCH"をピ
ッチ変更係数"PITCH-VR"で修正して再生しようとするピ
ッチ(すなわちシフト後のピッチ)を再生ピッチ"WIDT
H" とすれば、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" で求まる。この再生ピッチ"WIDTH" を周期長とする再生
位相"PHASE" を図13 (b) のように作成し、このフェ
ーズ"PHASE" から2つの処理経路の位相、すなわち図1
3 (d) に示す第1の処理経路の第1位相"PH 1"、図1
3 (e) に示す第2の処理経路の第2位相"PH 2"を作成
する。なお、これら第1、第2の位相"PH1"、"PH 2"は
サンプリング周期毎にインクリメントされて増加するも
ので、アナログ入力信号をサンプリングしそのディジタ
ルデータを前記リングメモリに記憶する書込みの速さと
同じ速さで変化するものである。
【0020】そして、第1の処理経路は、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" の読出し速度で、また、第2の処理経路は、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" の読出し速度で、それぞれの音素片を順次に読み出す。
この読出し速度がホルマント特性の変更に関係する。
【0021】さらに、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"
にそれぞれ同期して、ホルマント処理のためにサンプリ
ングデータを切り取るためのエンベロープ"ENV 1", "EN
V 2"を第1、第2の処理経路について作成する。第1の
処理経路は図13 (f) に示すエンベロープ“ENV 1"
の波形を持ち、第2の処理経路は図13 (g) に示すエ
ンベロープ“ENV 2" の波形を持つ。エンベロープ"ENV
1" 、"ENV 2" は0〜1の範囲の値であり、エンベロー
プ長"LENGTH"を半周期とし、前半の周期では0から逐次
に増加して1になり、後半の周期では1から逐次に減少
して0になる山形をしている。エンベロープ長"LENGTH"
は エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" で求める。
【0022】第1の処理経路では、入力されたサンプリ
ングデータの2ピッチ分の音素片に、エンベロープ"ENV
1" を乗算し、図13 (h) に示す波形を得る。同様
に、第2の処理経路では、入力されたサンプリングデー
タの2ピッチ分の音素片 (第1の処理経路より1ピッチ
ずれた2ピッチ分の音素片) に、エンベロープ"ENV 2"
を乗算し、図13 (i) に示す波形を得る。このような
処理の仕方によれば、これらの波形は元のサンプリング
データの音素片のホルマント特性をそのまま保持したも
のとなる。この図13 (h) 、 (i) の波形は再生ピッ
チ"WIDTH" の周期長の2倍の長さであるが、両者の波形
を足し合わせると再生ピッチ"WIDTH" の周期長となる。
【0023】図14はピッチ変更係数"PITCH-VR"を1よ
り大きくした場合、すなわち元のサンプリングデータを
低域側にピッチシフトする場合のものである。ここで
は、ホルマント変更係数"FORMANT-VR"=1すなわちホル
マント特性変更なしとしている。図示するように、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" であるから、再生ピッチ"WIDTH" は再生指示ピッチ"SPI
TCH"よりも長くなる。すなわち、元のサンプリングデー
タは低域側にピッチシフトされる。
【0024】また、音素片の読出し速度は、第1の処理
経路が、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" 第2の処理経路が、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" であるから、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"の変化と
等しく、リングメモリへの書込み速度と等しくなり、結
果的にホルマント特性には変更が付与されないことにな
る。
【0025】なお、エンベロープ"ENV 1", "ENV 2"の
エンプロープ長"LENGTH"は、 エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" であるから、検出ピッチ"PITCH" と一致する。従って、
元のサンプリングデータを低域側にピッチシフトしつ
つ、そのホルマント特性はそのまま維持できる。
【0026】図15はピッチ変更係数"PITCH-VR"を1よ
り小さくした場合、すなわち元のサンプリングデータを
高域側にピッチシフトする場合のものである。ここで
は、ホルマント変更係数"FORMANT-VR"=1としている。
図示するように、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" であるから、再生ピッチ"WIDTH" は再生指示ピッチ"SPI
TCH"よりも短くなる。すなわち、元のサンプリングデー
タは高域側にピッチシフトされる。
【0027】前述の図14の場合と同様に、音素片の読
出し速度は、第1の処理経路が、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" 第2の処理経路が、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" であるから、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"の変化と
等しく、リングメモリへの書込み速度と等しくなり、結
果的にホルマント特性には変更が付与されないことにな
る。
【0028】ただし、エンベロープ"ENV 1", "ENV 2"の
エンプロープ長"LENGTH"は、 エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" であるから、検出ピッチ"PITCH" と一致するよう演算さ
れるが、後述する効果付加処理のステップで、エンベロ
ープ長"LENGTH"が再生ピッチ"WIDTH" よりも大きくなら
ないよう制限しているため、エンベロープ長"LENGTH"は
再生ピッチ"WIDTH" に等しくなる。この結果、元のサン
プリングデータを高域側にピッチシフトしつつ、そのホ
ルマント特性はそのまま維持できる。
【0029】図16はピッチ変更係数"PITCH-VR"=1、
ホルマント変更係数"FORMANT-VR">1、すなわちピッチ
シフトは行わずにホルマント特性変更を行う場合を示し
ている。図示するように、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" であるから、再生ピッチ"WIDTH" は再生指示ピッチ"SPI
TCH"と等しくなる。すなわち、元のサンプリングデータ
はピッチシフトされない。
【0030】音素片の読出し速度は、第1の処理経路
が、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" 第2の処理経路が、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" であるから、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"の変化よ
り速く、リングメモリへの書込み速度より速く読み出す
ことになり、結果的にホルマント特性は高域側にシフト
され、変更が付与されることになる。
【0031】エンベロープ"ENV 1", "ENV 2"の エンプ
ロープ長"LENGTH"は、 エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" であるから、検出ピッチ"PITCH" よりも小さくなる。こ
の結果、元のサンプリングデータにピッチシフトを加え
ずに、そのホルマント特性を変更することができる。
【0032】図17はピッチ変更係数"PITCH-VR"=1、
ホルマント変更係数"FORMANT-VR"<1、すなわちピッチ
シフトは行わずにホルマント特性変更を行う場合を示し
ている。図示するように、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" であるから、再生ピッチ"WIDTH" は再生指示ピッチ"SPI
TCH"と等しくなる。すなわち、元のサンプリングデータ
はピッチシフトされない。
【0033】音素片の読出し速度は、第1の処理経路
が、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" 第2の処理経路が、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" であるから、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"の変化よ
り遅く、リングメモリへの書込み速度より遅く読み出す
ことになり、結果的にホルマント特性は低域側にシフト
され、変更が付与されることになる。
【0034】エンベロープ"ENV 1", "ENV 2"の エンプ
ロープ長"LENGTH"は、 エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" であるから、検出ピッチ"PITCH" よりも大きくなるよう
演算されるが、後述する効果付加処理のステップで、エ
ンベロープ長"LENGTH"が再生ピッチ"WIDTH" よりも大き
くならないよう制限しているため、エンベロープ長"LEN
GTH"は再生ピッチ"WIDTH" に等しくなる。この結果、元
のサンプリングデータにピッチシフトを加えずに、その
ホルマント特性を変更することができる。
【0035】上記の効果付加の動作を図18〜図21の
フローチャートに基づいて説明する。DSP8は、サン
プリングデータの検出ピッチ"PITCH" を記憶する検出ピ
ッチレジスタ(PITCH) 、リングメモリからサンプリング
データを切り出すアドレス(読出しアドレス)"SADRS"
を記憶する切出しアドレスレジスタ(SADRS) を備えてい
る。更に、後述する再生ピッチ周期長"WIDTH" に達した
かをカウントするための再生位相カウンタ"PHASE" 、第
1の波形の位相"PH 1"をカウントするための第1位相カ
ウンタ(PH 1)、第2の波形の位相"PH 2"をカウントする
ための第2位相カウンタ(PH 2)も設けられている。
【0036】また、入力端子3から入力された再生指示
ピッチ"SPITCH"をピッチ変更係数"PITCH-VR"によって変
更した再生ピッチ"WIDTH" (=再生ピッチ周期長)を記
憶するための再生ピッチレジスタ(WIDTH) 、検出した検
出ピッチ"PITCH" とホルマント変更係数"FORMANT-VR"か
ら定めたエンベロープの長さ"LENGTH"を記憶するエンベ
ロープ長レジスタ(LENGTH)、第1の波形のエンベロープ
"ENV 1" を記憶するための第1エンベロープ波形レジス
タ(ENV 1) 、および第2の波形のエンベロープ"ENV 2"
を記憶するための第2エンベロープ波形レジスタ(ENV
2) が設けられている。
【0037】更に、第1の波形のエンベロープの形状を
決定するためのレジスタ(WINDOW 1)、第2の波形のエン
ベロープの形状を決定するためのレジスタ(WINDOW 2)、
エンベロープ長"LENGTH"の値に基づいて定めたレジスタ
(WINDOW 1)、(WINDOW 2)の値の歩進率"W-RATE"を記憶す
る歩進率レジスタ(W-RATE)、第1の波形の切出し開始ア
ドレス"SADRS 1" を記憶する第1切出しアドレスレジス
タ(SADRS 1) 、第2の波形の切出し開始アドレス"SADRS
2" を記憶する第2切出しアドレスレジスタ(SADRS 2)
、第1および第2の波形の切出しの開始位置等の決定
するために使用するフラグ“F”等も設けられている。
【0038】まず、効果付加の全体的な動作を説明する
図18と図19のフローチャートに従って説明する。こ
のフローチャートは図13〜図17の効果付加に対応し
たものである。上述の各レジスタは、電源の投入の際
に、初期化が行われる。即ち、フラグ“F”は1に、他
のものは0に、それぞれ設定される。なお、以下の説明
では、電源投入後少し時間が経過し、前記フローチャー
トの処理によって、各レジスタや各カウンタには、既に
適当な値が記憶されているとして説明する。また、この
フローチャートは、DSP8にA/D変換器4からサン
プリングデータが入力されるごとに実行される。
【0039】サンプリングデータ(ディジタル音声信
号)が入力端子23に供給されると、図示していないR
AMに構成されたリングメモリの書込みアドレス"IBUF-
PTR"にサンプリングデータが書き込まれる(ステップS
1)。但し、書込みアドレス"IBUF-PTR"は、サンプリン
グデータが入力端子23に供給されるごとに、1ずつ歩
進している。
【0040】次に、この入力されたサンプリングデータ
に基づきピッチ検出処理が行われる(ステップS2)。
このピッチ検出の詳しい動作の説明は後述する。入力さ
れたサンプリングデータによってピッチ検出が行えたか
を判定し(ステップS3)、行えた場合には検出結果で
ピッチ情報"PITCH" を更新する(ステップS4)。行え
なかった場合にはピッチ情報"PITCH" の更新は行わな
い。
【0041】ついで、切出しアドレス"SADRS" の更新を
行う (ステップS5) 。この切出しアドレス"SADRS" の
更新は、検出ピッチ"PITCH" に従って、切出しの基準を
更新するもので、詳細は後述する。
【0042】切出しアドレスの更新処理に続いて、再生
位相"PHASE" 、第1位相"PH 1"、第2位相"PH 2"の値を
それぞれ1つ歩進させる(ステップS6)。次に、再生
位相"PHASE" と再生ピッチ長"WIDTH" の値を比較する
(ステップS7)。この再生ピッチ長"WIDTH" の値が再
生されるピッチに対応する。再生位相"PHASE" の値が再
生ピッチ長"WIDTH" の値に達していなければ、後述する
ステップS19の波形読出し処理へ進む。なお、再生ピ
ッチ長"WIDTH" は後述のステップS10で算出される。
【0043】再生位相"PHASE" の値が再生ピッチ長"WID
TH" の値に達していると、再生位相"PHASE" の値を0と
し(ステップS8)、次いで、制御手段28からのピッ
チ変更係数"PITCH-VR"、ホルマント変更係数"FORMANT-V
R"、および再生指示ピッチ"SPITCH"を入力する(ステッ
プS9)。この入力処理では、操作子20の操作に応じ
て設定されたピッチ変更係数"PITCH-VR"、ホルマント変
更係数"FORMANT-VR"の他に、ピッチ変換情報入力端子3
から入力されたピッチ変換情報、例えばMIDI信号に
基づく再生指示ピッチ"SPITCH"が入力されている。
【0044】そして新たな再生ピッチ長"WIDTH" の値を
決定するために、再生指示ピッチ"SPITCH"とピッチ変更
係数"PITCH-VR"とを乗算し、これを再生ピッチ長"WIDT
H" として レジスタ(WIDTH) に記憶させると共に、第
1の波形のエンベロープ"ENV 1" 、第2の波形のエンベ
ロープ"ENV 2" の周期"LENGTH"を、検出ピッチ"PITCH"
の値をホルマント変更係数"FORMANT-VR"で除算して求
め、レジスタ(LENGTH)に記憶させる(ステップS1
0)。
【0045】次に、図19に示すステップS11〜S1
4でエンベロープの周期"LENGTH"の値を制限する。すな
わち、エンベロープの周期"LENGTH"を一定値の周期P
(例えば100Hz) と比較する(ステップS11)。
エンベロープ周期"LENGTH"の値が一定周期Pよりも大き
ければ、エンベロープ周期"LENGTH"の値を一定周期Pに
変更する(ステップS12)。これらステップ11、1
2はディジタル音声信号として低い周波数のものが入力
されても、大きな遅延が付加されないようにするための
ものである。具体的には、100Hzよりも低い周波数
のディジタル音声信号が入力された場合でも、遅延を1
00Hzの遅延時間10m秒に制限するためのものであ
る。
【0046】次いで、エンベロープ周期"LENGTH"の値と
再生ピッチ長"WIDTH" の値とを比較し(ステップS1
3)、エンベロープ周期"LENGTH"の値が再生ピッチ長"W
IDTH"の値よりも大きい場合には、エンベロープ周期"LE
NGTH"の値を再生ピッチ長"WIDTH" の値とする(ステッ
プS14)。一方、エンベロープ周期"LENGTH"の値が再
生ピッチ長"WIDTH" の値以下である場合には、このステ
ップS14の処理は行わない。これにより、エンベロー
プ周期"LENGTH"が再生ピッチ長"WIDTH" より大きくなら
ないように制限をかける。
【0047】次いで、エンベロープ周期"LENGTH"の値の
逆数を求め、これを歩進率"W-RATE"としてレジスタ(W-R
ATE)に記憶させる (ステップS15) 。この歩進率"W-R
ATE"は、レジスタ(WINDOW 1)、(WINDOW 2)の値を歩進さ
せるために使用する。また、フラグ“F”の極性を反転
させる。このステップS15の処理は、ステップS7に
おいて再生位相"PHASE" の値が再生ピッチ長"WIDTH" の
値以上になったときに行われるので、フラグ“F”の反
転も、再生位相"PHASE" の値が再生ピッチ長"WIDTH" の
値以上になったときに行われることになり、例えば図1
3〜図17の(c)に示されるように、再生位相"PHAS
E" の周期で1と−1に反転する波形が得られる。
【0048】次に、フラグ“F”の値を0と比較し、フ
ラグ“F”が1であるか、−1であるかを判断する(ス
テップS16)。フラグ“F”の値が1であることはフ
ラグ“Fが−1から1に立ち上がったときを意味してお
り、この場合には、第1の処理経路に相当するレジスタ
(PH 1)、(WINDOW 1)の値をそれぞれ0とし、ステップS
5で決定した切出し開始アドレス"SADRS" の値を第1切
出しアドレスレジスタ(SADRS 1) に記憶させる(ステッ
プS17)。
【0049】また、フラグFの値が−1であることはフ
ラグ“F”が1から−1に立ち下がったことを意味して
おり、この場合には、第2の処理経路に相当するレジス
タ(PH 2)、(WINDOW 2)をそれぞれ0とし、ステップS5
で決定した切出し開始アドレス"SADRS" の値を第2切出
しアドレスレジスタ(SADRS 2) に記憶させる(ステップ
S18)。
【0050】このステップS17またはS18の処理に
続いて、あるいはステップS7において再生位相"PHAS
E" の値が再生ピッチ長"WIDTH" の値に達していないと
判断されたときには、波形読出しに処理を行う(ステッ
プS19)。図20はこの波形読出し処理を示すフロー
チャートであり、その内容は後述する。そして、波形読
出し処理が行われた波形が、送出される(ステップS2
0)。
【0051】以下に、図18と図19のフローチャート
で示す効果付加処理において述べた切出しアドレス更新
処理 (ステップS5) 、ピッチ検出処理 (ステップS
2) 、波形読出し処理 (ステップS19) についてその
順で詳細に説明する。
【0052】切出しアドレス更新処理 図21および図22を参照して、ステップS5の切出し
アドレスの更新処理について説明する。ステップS1に
おいて、サンプリングデータが書き込まれているリング
メモリは、アドレス0からFFFhex を有し、書込みア
ドレス"IBUF-PTR"は、図22に実線で示すように鋸歯状
波のように変化する。即ち、アドレスFFFhex まで到
達すると、次のアドレスは0となる。
【0053】この切出しアドレスの更新処理は、波形読
出し処理においてサンプリングデータを切り出す際の基
準となる第1、第2の読出しアドレス"ADRS"1、"ADRS"
2を設定するための前提となるもので、これら読出しア
ドレス"ADRS"1、"ADRS 2"が書込みアドレス"IBUF-PTR"
を追い越さないようにしてある。そのため、まず、現在
の書込みアドレス"IBUF-PTR"を読出しアドレスが追い越
すことがない距離(またはアドレス差)"DELAY" を、現
在の書込みアドレス"IBUF-PTR"から減算し、これと(1
000hex −1)のアンドを取った結果を基準読出しア
ドレス"ADRS"として記憶している(ステップS51) 。
このようにアンドを取るのは、上記の減算値がリングメ
モリのアドレス範囲0からFFFhex 内になるようにす
るためである。なお、このアドレス差"DELAY" は、図1
9のステップS11で用いた一定周期Pの値と等しく設
定してある。
【0054】次に、この基準読出しアドレス"ADRS"と現
在の切出しアドレス"SADRS" とを比較し(ステップS5
2)、切出しアドレス"SADRS" が基準読出しアドレス"A
DRS"よりも大きければ、基準読出しアドレス"ADRS"に1
000hex を加算する(ステップS53)。これは、例
えば図22に示すように、基準読出しアドレス"ADRS"が
一時的に切出しアドレス"SADRS" よりも小さくなること
があり、そのままでは以後の処理に不都合な影響を与え
るため、これを補正するためである。
【0055】ステップS53に続いて、あるいはステッ
プS52において基準読出しアドレス"ADRS"が切出しア
ドレス"SADRS" よりも大きいと判断されたとき、基準読
出しアドレス"ADRS"と(切出しアドレス"SADRS" +検出
ピッチ"PITCH" )を比較する(ステップS54)。この
検出ピッチ"PITCH" はステップS4において更新された
ものである。
【0056】比較の結果、 "ADRS"≧("SADRS" +"PITCH" ) であると、即ち、基準読出しアドレス"ADRS"と切出しア
ドレス"SADRS" との間に検出ピッチ"PITCH" 以上の差が
生じたとき、 ("SADRS" +"PITCH" )&(1000hex −1) の演算を行い、この演算結果で切出しアドレス"SADRS"
の値を更新する(ステップS55)。
【0057】またステップS54での比較の結果、 "ADRS"<("SADRS" +"PITCH" ) であると判断されると、ステップS55は実行しない。
この結果、検出ピッチ"PITCH" に従って、切出しの基準
である切出しアドレス"SADRS" が更新され、この切出し
アドレス"SADRS" は図22に階段状に示す実線のように
検出ピッチ"PITCH" ずつ変化する。この切出しアドレス
"SADRS" の変化は、時間経過に従って切り出す音素片を
変化させるためのもので、入力信号のホルマントの時間
的変化をそのまま出力信号に反映させるための働きがあ
る。換言すると、入力信号が音声信号の場合、入力され
た言葉がそのまま出力音声信号として出力されることに
なる。
【0058】ピッチ検出処理 ピッチ検出処理は、例えば隣接するゼロクロス間の時間
間隔を順次比較するものである。例えば、図13(a)
において、入力信号のゼロクロス間の時間間隔がa0 、
b0 、c0 、d0 、a1 、b1 、c1 、d1 であるとす
る。最初のゼロクロス間の時間間隔a0 と次のゼロクロ
ス間の時間間隔b0 とを比較し、両者が異なると、次に
それらを加算した時間間隔(a0 +b0 )と隣接する時
間間隔(c0 +d0 )とを比較する。この比較において
も両者が異なると、時間間隔(a0 +b0 +c0 )と隣
接する時間間隔(d0 +a1 +b1 )とを比較する。や
はり両者が異なると、時間間隔(a0 +b0 +c0 +d
0 )と隣接する時間間隔(a1 +b1 +c1 +d1 )と
を比較する。この比較で両者がほぼ一致すると、時間間
隔(a1 +b1 +c1 +d1 )をピッチとして出力す
る。
【0059】その他、例えば特開平3−288200号
公報に開示されているように、サンプリングデータのゼ
ロクロス位置と、波形信号のピーク位置とを検出し、こ
れらゼロクロス位置とピーク位置との時間間隔を、以前
に検出したゼロクロス位置との時間間隔と比較すること
によって、ピッチを検出するものも使用することができ
る。
【0060】波形読出し処理 図20は波形読出し処理のフローチャートであり、同図
中のステップS901〜S907は第1の処理経路のた
めの処理、ステップS908〜S914は第2の処理経
路のための処理であり、この二つの処理は時系列に行わ
れるが、処理の内容は実質的に同様な内容となってい
る。
【0061】図20に示すように、波形読出し処理で
は、まずカウンタ(WINDOW 1)の値を歩進率"W-RATE"の値
だけ歩進させる(ステップS901)。そして、歩進さ
せたカウンタ(WINDOW 1)の値が1より小さいか、1以上
であって2より小さいか、あるいは2以上であるかを判
定する(ステップS902)。1より小さい場合には、
カウンタ(WINDOW 1)の値を第1エンベロープ"ENV 1" と
してレジスタ(ENV 1) に記憶させ(ステップS90
3)、1以上であって2より小さい場合には、2からカ
ウンタ(WINDOW 1)の値を減算した値を第1エンベロープ
"ENV 1" としてレジスタ(ENV 1) に記憶させ(ステップ
S904)、2以上のとき、第1エンベロープ"ENV 1"
の値を0とする(ステップS905)。
【0062】ステップS901〜S904は、例えば図
13 (f) に示されるように、歩進率"W-RATE"の値ずつ
値が増加する鋸歯状波を作成し、これの値を1で折り返
すことによって、第1エンベロープ"ENV 1" を作成して
いる。但し、カウンタ"WINDOW 1"の値が2を越えた場合
には、ステップS905によって第1エンベロープ"ENV
1" の値を0としている。即ち、ホルマント変更係数"F
ORMANT-VR"と検出ピッチ"PITCH" とに基づいて定めたエ
ンベロープ長"LENGTH"の値の逆数である歩進率"W-RATE"
ずつ1まで増加し、その後、歩進率"W-RATE"ずつ0まで
減少する三角波を第1のエンベロープ"ENV 1" の波形と
して作成している。
【0063】また、ステップS903、S904または
S905に続いて、第1位相カウンタ(PH 1)の値(切出
しアドレスの歩進値)にホルマント変更係数"FORMANT-V
R"を乗算した値を、第1の波形の切出し開始アドレス"S
ADRS 1" を記憶しているレジスタ(SADRS 1) の値と加算
して、第1の波形の切出しアドレスを記憶するレジスタ
(ADRS 1)に記憶させる(ステップS906)。これに続
いて、リングメモリから切出しアドレス"ADRS 1"で第1
の波形の波形データ"DATA 1"を読み出す(ステップS9
07)。このように読出しアドレスはホルマント変更係
数"FORMANT-VR"によって変更されているので、結果的に
は波形データ"DATA 1"の読出し速度が、ホルマント変更
係数"FORMANT-VR"によって変更されている。
【0064】これに続いて、カウンタ(WINDOW 2)の値を
歩進率"W-RATE"だけ歩進させる(ステップS908)。
歩進させたカウンタ(WINDOW 2)の値が1より小さいか、
1以上で2未満であるか、または2以上であるか判断す
る(ステップS909)。そして、カウンタ"WINDOW 2"
の値が1より小さい場合には、カウンタ(WINDOW 2)の値
を第2エンベロープ"ENV 2" としてレジスタ(ENV 2) に
記憶させ(ステップS910)、カウンタ(WINDOW 2)の
値が1以上で2未満である場合には、2からカウンタ(W
INDOW 2)の値を減算した値を第2エンベロープ"ENV 2"
としてレジスタ(ENV 2) に記憶させ(ステップS91
1)、カウンタ(WINDOW 2)の値が2以上であると、第2
エンベロープ"ENV 2" の値を0とする(ステップS91
2)。このようにして、第2の波形のエンベロープを準
備する。
【0065】ステップS910、S911またはS91
2に続いて、第2位相レジスタ(PH2)の値にホルマント
変更係数"FORMANT-VR"を乗算した値と第2の波形データ
用の切出し開始アドレス"SADRS 2" の値とを加算した値
を、第2の波形データ用の切出しアドレス用のレジスタ
(ADRS 2)に記憶させる(ステップS913)。そして、
リングメモリからアドレス"ADRS 2"で第2の波形データ
"DATA 2"を読み出す(ステップS914)。
【0066】このようにして読み出されたデータ"DATA
1"に第1エンベロープ"ENV 1" の値を乗算したものと、
データ"DATA 2"に第2エンベロープ"ENV 2" の値を乗算
したものとを、加算したものを出力OUTとする(ステ
ップS915)。
【0067】
【発明が解決しようとする課題】前述の図10に示す構
成の効果付与装置では、予め演奏情報としてベンダー情
報"BENDER"(=ビブラート制御信号)を記憶しておける
ので、かなり変化に富んだビブラート効果を付与するこ
とができる。
【0068】一方、後者の低周波信号"LFO" の変調によ
りビブラート効果を付与する場合には、低周波発振器で
発生させた低周波信号"LFO" を、ピッチシフタ30にピ
ッチ変更係数として供給することで、ビブラート効果付
与を行うものであり、入力した音声信号にビブラート効
果をかけるか否かはビブラート効果付与用の操作スイッ
チを操作して設定する。
【0069】したがって、操作スイッチがオンになって
いれば、歌い手が歌が上手か下手かにかかわりなく入力
音声信号にビブラート効果付与がされることになってし
まい、自分でビブラートを付けて歌っている歌の上手な
人の歌唱にもビブラート効果を付与してしまうことにな
る。また、自然な歌唱ではビブラートは歌詞の発音を開
始してから少し遅れて歌声が伸びている時にかけるのが
普通であるが、上記操作スイッチのオン/オフでビブラ
ートをかける場合には、操作スイッチがオンになってい
ると、歌の発音開始から直ちにビブラート効果が付与さ
れてしまい、ビブラート付与が単調になって自然な歌唱
の感じが損なわれる。
【0070】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、入力した音声信号に自然な感じのビブラート
等の効果を付与することを目的とする。
【0071】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、本発明に係る効果付与装置は、入力音声信号に例
えばビブラート効果などの効果を付与して出力する効果
付与手段と、該入力音声信号のピッチを検出するピッチ
検出手段と、該ピッチ検出手段で検出したピッチに基づ
いて該入力音声信号のピッチの変動が所定値以下の状態
が所定時間以上続いたことを検出するピッチ変動検出手
段と、該ピッチ変動検出手段で該入力音声信号のピッチ
の変動が所定値以下の状態が所定時間以上続いたことが
検出されたら該効果付与手段で効果を付与するよう制御
する制御手段とを含み構成される。このように構成する
と、入力音声信号にピッチ変動が少ないとき(例えば歌
唱者の歌声にビブラート等の効果が付いていないとき)
には、それをピッチ変動検出手段で検出して効果付与手
段により自動的にビブラート等の効果を入力音声信号に
付与できる。この効果は発声が始まってから所定時間経
過した後に付与されるので、伸ばしている歌声の部分に
効果がかかるなど、自然な感じで効果付与できる。
【0072】上述の効果付与装置における制御手段は、
該ピッチ変動検出手段の検出結果に基づいて該効果付与
手段で効果を付与するよう制御した後に、該入力音声信
号にピッチ変動が付けられたことを検出したら該効果付
与手段で行っている効果の付与を停止するように構成し
てもよい。このように構成すると、入力音声信号に効果
付与手段で効果付与をした後であっても、声を発してい
る人自身によりその入力音声信号にある効果が付与され
たときには、効果付与手段による効果付与は自動的に停
止されるので、発声者自身が付けた効果と効果付与手段
により付与した効果が重複することを防止でき、自然な
感じにすることができる。
【0073】また上述の効果付与装置においては、該入
力音声信号が該効果付与手段を迂回する迂回経路を設
け、該制御手段の制御により該効果付与手段で入力音声
信号に効果付与がされている時には該効果付与手段の出
力信号を、効果付与がされていない時には該迂回経路の
出力信号を選択して出力するように構成してもよい。こ
のように構成すると、入力音声信号が効果付与手段で処
理される際に処理遅延を生じるような場合でも、効果付
与手段で効果付与されない場合には入力音声信号を迂回
経路を介して直ちに出力することができるので、発声者
に違和感を与えることを防止でき、自然な感じにするこ
とができる。
【0074】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の一実施例としての
効果付与装置を示すブロック図である。図1において、
音声信号はA/D変換によりサンプリングされてディジ
タル信号に変換された後にこの実施例装置に入力され
る。30は入力した音声信号のピッチをシフトするピッ
チシフタであり、ここでは本出願人が先に提案した前述
の特願平7−257071号の効果付与装置を用いてい
る。26はピッチ検出器であり、入力した音声信号のピ
ッチを検出する装置であり、検出したピッチを検出ピッ
チ"PITCH" としてピッチシフタ30に供給するととも
に、LFO発生器32にも供給する。33はトリガ検出
器であり、入力した音声信号の発音開始を検出してトリ
ガ信号をLFO発生器32に出力する装置である。この
トリガ検出器33における発音開始の検出方法として
は、レベルの変化、ピッチの乱れ等から検出する方法や
それらを組み合わせた方法などが採用可能である。
【0075】LFO発生器32は低周波信号"LFO" を内
部で生成し、更にこの低周波信号"LFO" に変調をかけた
変調信号"MOD" を発生して、これをピッチシフタ30に
そのピッチ変更係数"PITCH-VR"として供給する回路であ
る。このLFO発生器32には、遅延時間"DELAY-TIM
E"、LFO変調度"LFO-DEPTH" 、LFO周波数"LFO-RAT
E"も入力されており、これらと前述のピッチ"PITCH" お
よびトリガ"TRIGGER" に基づいて変調信号"MOD" を生成
する。ここで、遅延時間"DELAY-TIME"は入力した音声信
号のピッチが殆ど無変化のままである持続時間であり、
ユーザにより設定されるパラメータである。本発明では
この遅延時間"DELAY-TIME"を超過して音声信号のピッチ
が無変化である場合にピッチシフト処理が行われる。L
FO周波数"LFO-RATE"は変調信号"MOD" の周波数を指定
するパラメータであり、LFO変調度"LFO-DEPTH" は変
調信号"MOD" にかける変調の深さを指定するパラメータ
である。
【0076】以下、この実施例装置の動作を図2の信号
波形図と図3の動作フローチャートを参照して説明す
る。図2において、(a)はLFO発生器32の内部で
発生される低周波信号"LFO" 、(b)はLFO発生器3
2の内部で発生されるLFOゲート信号"LFO-GATE"、
(c)はLFO発生器32の内部で発生されるLFOエ
ンベロープ信号"LFO-ENV" 、(d)はLFO発生器32
から出力される変調信号"MOD" である。
【0077】また、図3はLFO発生器32の内部での
処理手順を示すフローチャートである。この処理フロー
は入力した音声信号(ディジタル信号)の1サンプリン
グ周期毎、あるいは2サンプリング周期毎などの一定の
実行周期で定期的に実行するものであるが、この実施例
では1サンプリング周期毎に実行するものとする。
【0078】音声信号が入力されると、そのピッチがピ
ッチ検出器26で検出される。LFO発生器32はこの
ピッチ"PITCH" を常時取り込んでいる(ステップS
1)。トリガ検出器33では音声の発音開始を監視して
おり、発音開始が検出されるとパルス波形からなるトリ
ガ"TRIGGER" をLFO発生器32に出力する。LFO発
生器32ではこのトリガ"TRIGGER" により音声が発音開
始したか否かを監視している(ステップS2)。LFO
発生器32では、発音開始が一度検出された場合、その
発音開始の検出状態は発音中フラグ(図示しない)に音
声が発音停止されるまで保持され、音声が発音停止され
た時点で発音中フラグもリセットされる。したがって、
いずれかのサンプリング・サイクルで発音開始が一度検
出されると、以降のサンプリング・サイクルでは次に音
声が発音停止されるまでステップS2で発音中と判定さ
れてステップS3をジャンプしてステップS4を実行す
ることになる。
【0079】音声信号の発音開始が検出された場合、遅
延時間カウンタ値"DELAY-COUNT" を「0」にリセットし
てピッチ変化無しの持続時間をカウント開始できるよう
にするとともに、次サイクルでのピッチ変化有無判定の
ために現在のピッチ"PITCH"を前ピッチ"PITCH-OLD" の
値に設定する(ステップS4)。
【0080】また、発音開始が検出された以降の本フロ
ーの実行サイクルでは、ステップS2で発音中と判定さ
れることになり、その場合、その音声信号にピッチ変化
があるか否かを検出する(ステップS3)。この検出方
法は、 |ピッチ"PITCH" −前ピッチ"PITCH-OLD" |≦50cent
s を判定することによる。ここで、ピッチ"PITCH" は現在
検出されているピッチ、前ピッチ"PITCH-OLD" は前回検
出されたピッチであり、その差が50cents 以下であれば
ピッチ変化無し、50cents を超えていればピッチ変化
有りと判定される。なおセント(cent) は音程の表示法
で全音は200cents 、半音は100cents 、オクター
ブは1200cents となる。
【0081】このピッチ変化有無判定によりピッチ変化
が無いと判定された場合には、遅延時間カウンタ値"DEL
AY-COUNT" を一つインクリメントし(ステップS5)、
ピッチ変化無しの持続時間のカウントを行う。一方、ピ
ッチ変化有りと判定された場合には、遅延時間カウンタ
値"DELAY-COUNT" を「0」にリセットするとともに、次
サイクルでのピッチ変化判定のために現在のピッチ"PIT
CH" を前ピッチ"PITCH-OLD" の値に設定する(ステップ
S4)。
【0082】次いで、遅延時間カウンタ値"DELAY-COUN
T" が遅延時間"DELAY-TIME"を超えているか否かを判定
する(ステップS6)。遅延時間カウンタ値"DELAY-COU
NT" が遅延時間"DELAY-TIME"以内である場合、LFOゲ
ート信号"LFO-GATE"を「0」に設定するとともに、傾き
係数"SLOPE" として立下り傾き係数"SLOPE-DOWN"を設定
する(ステップS8)。このLFOゲート信号"LFO-GAT
E"を「0」に設定することにより、ステップS9以下で
説明するように、以降、入力音声へのビブラート効果付
与は立下り傾き係数"SLOPE-DOWN"の傾きで立ち下がりつ
つ停止される。
【0083】一方、遅延時間カウンタ値"DELAY-COUNT"
が遅延時間"DELAY-TIME"を超えた場合、すなわち入力音
声のピッチ変化が無い状態が遅延時間"DELAY-TIME"を超
えて持続した場合、LFOゲート信号"LFO-GATE"を
「1」に設定するとともに、傾き係数"SLOPE" として立
上り傾き係数"SLOPE-UP"を設定する(ステップS7)。
このLFOゲート信号"LFO-GATE"を「1」に設定するこ
とにより、ステップS9以下で説明するように、以降、
入力音声にビブラート効果付与が立上り傾き係数"SLOPE
-UP"の傾きで立ち上がりつつ行われる。
【0084】次のステップS9では、LFOエンベロー
プ信号"LFO-ENV" 、低周波信号"LFO" を演算によって生
成するとともに、LFOカウント値"LFO-COUNT" の更新
をする。
【0085】まず、LFOエンベロープ信号"LFO-ENV"
は、 "LFO-ENV" ="LFO-ENV" +("LFO-GATE"−"LFO-ENV" )
×"SLOPE" を演算して作成する。ここで、"LFO-ENV" はLFOエン
ベロープ信号、"LFO-GATE"はLFOゲート信号、"SLOP
E" は傾き係数である。この式によれば、図2(c)に
示すように、LFOゲート信号"LFO-GATE"が「0」の期
間は「0」であり、LFOゲート信号"LFO-GATE"が
「1」に立ち上がった後は立上り傾き係数"SLOPE-UP"で
立ち上がって「1」となり、LFOゲート信号"LFO-GAT
E"が「0」に立ち下がると立下り傾き係数"SLOPE-DOWN"
で立ち下がって「0」となるエンペローブ波形のLFO
エンベロープ信号"LFO-ENV" を得ることができる。
【0086】このLFOエンベロープ信号"LFO-ENV" の
波形においては、その立上りと立下りとで傾きが変えら
れており、立下りを立上りに比べて急にして、効果付与
を停止するときには直ちに効果付与されない状態になる
ようにしている。すなわち 1≧立下り傾き係数"SLOPE-DOWN">立上り傾き係数"SLO
PE-UP">0 に設定されており、係数が1に近いほど立上り、立下り
が急になる。このようにしたのは、立上りの傾きが立下
りの傾きと同程度に緩やかであると、音声が連続して発
音されたときに、次のような不都合な場合が生じるから
である。例えば、前の発音が終了した後すぐに次の音声
が発音されるような場合、前の発音の終了に伴いLFO
エンベロープ信号"LFO-ENV" が立ち下がるが、それが下
がり終わる前に次の音声の発音が開始される。そのと
き、次の音声の発音の開始部分はビブラートを付与して
欲しくない部分であるにもかかわらず、その部分にもビ
ブラート効果が付与されてしまう。そこで、上述のよう
に立下りの傾きを急にすることで、この不都合を防止す
ることができる。
【0087】低周波信号"LFO" は、 "LFO" =SIN(2×3.14×"LFO-RATE"/3200
0×"LFO-COUNT" ) で算出される正弦波となる。ここで、"LFO" は低周波信
号、"LFO-RATE"はLFO周波数(Hz )、"LFO-COUNT"
はLFOカウンタ値である。LFOカウンタ値"LFO-COU
NT" は上記演算を行った後、次サイクルでの演算のため
に一つインクリメントされる。
【0088】低周波信号"LFO" とLFOエンベロープ信
号"LFO-ENV" が求められたら、これらに基づいて変調信
号"MOD" が次のパワー演算式により算出される(ステッ
プS10)。すなわち、 "MOD" =0.5K 但し、K="LFO" ×"LFO-ENV" ×"LFO-DEPTH" /120
0 となる。この演算式は、図4(a)に示されるように、
ピッチシフト量(周波数Hz )と低周波信号"LFO" の振
幅値との関係はそのままでは非直線的となるので、図4
(b)に示されるように、ピッチシフト量(cent) と変
調信号"MOD" との関係を直線的(すなわちセント・リニ
ア)に変換するためのものである。
【0089】このようにして得た変調信号"MOD" をピッ
チシフタ30に転送して(ステップS11)、今サイク
ルの処理フローを終了する。この変調信号"MOD" の値は
ピッチシフタ30においてピッチ変更係数"PITCH-VR"と
して設定され、このピッチ変更係数"PITCH-VR"が変化す
ることにより、ピッチシフタ30に入力した音声信号に
ビブラート効果を付与して出力することができる。そし
て、この処理は、前述図13ののフローチャートのステ
ップS9において、ピッチ変更係数"PITCH-VR"を変調信
号"MOD" に置き換えることで実現できる。
【0090】以上のように、本実施例装置では、音声が
発音開始されると、その音声が所定の遅延時間"DELAY-T
IME"にわたりピッチ変化が有るか否かがチェックされ、
音声にピッチ変化が有れば(すなわち歌唱者自身により
音声にビブラートが付けられていれば)、ビブラート効
果の付与を行わずに入力音声信号はそのまま出力され、
一方、ピッチ変化が無ければ(すなわち歌唱者自身によ
り音声にビブラートが付けられていなければ)、本実施
例装置により入力音声信号に自動的にビブラート効果が
付与され、以降、ピッチ変化無しが継続している間、ピ
ブラート効果が付与され続け、そして、この間にピッチ
変化が検出されたときには(すなわち歌唱者自身により
音声にビブラートが付けられ始めたときには)、本実施
例装置によるビブラート効果付与は停止されて、ビブラ
ートが付けた歌唱者の音声信号がそのまま出力される。
【0091】したがって、歌唱者自身が歌にビブラート
をかけた場合にはそのままの歌声を出力し、歌唱者自身
がビブラートをかけれない場合には自動的にビブラーラ
効果付与された歌声を出力することができ、さらにビブ
ラート効果付与を行う場合でも音声の発音開始からある
時間(遅延時間"DELAY-TIME")たってから効果付与が行
われるため、伸ばした歌声にビブラート効果が付与され
るようになって自然が感じの効果付与が行える。また、
発音開始から遅れてビブラート効果が付与されることも
自然な感じの効果付与となる。
【0092】なお、この実施例装置では、入力した音声
の発音開始をトリガ検出器33で検出し、以降、音声が
ある間は発音中と判定するようにしているが、これに代
えて、トリガ検出器33を入力した音声のシラブル(音
韻)の発音開始を各シラブル毎に検出するように構成
し、各シラブル毎にビブラート効果を付与するか否かを
制御するようにしてもよい。
【0093】また、上述の実施例では、LFO発生器3
2からの変調信号"MOD" をピッチシフタ30に対してピ
ッチ変更係数"PITCH-VR"として供給するようにしたが、
本発明はこれに限られるものではなく、ピッチシフタ3
0に対して変調信号"MOD" をピッチ変更係数"PITCH-VR"
に代えてホルマント変更係数"HORMAMT-VR"として供給す
るものであってもよい。この処理は前述の図13のフロ
ーチャートのステップS9において、ホルマント変更係
数"HORMAMT-VR"を変調信号"MOD" に置き換えることで実
現できる。
【0094】図5には本発明の他の実施例としての効果
付与装置が示される。前述の実施例装置との相違点は、
演奏情報(SMF等のMIDI信号)のキー情報により
ピッチシフタ30の出力側における再生ピッチ"WIDTH"
を指定してビブラートを付与できるようにした点であ
る。すなわち、演奏情報が入力されてその内容を解析す
るデコーダ34を備えており、このデコーダ34で解析
されたキー情"NOTE"をピッチシフタ30に再生指示ピッ
チ"SPITCH"として入力するようにする。これにより、入
力した音声信号はピッチシフタ30においてその入力側
のピッチ"PITCH"がキー情報"NOTE"で指定した再生指示
ピッチ"SPITCH"に対応した再生ピッチ"WIDTH" に変換さ
れ、このピッチ変換後の音声信号にビブラート効果が付
与されて出力されるようになる。この処理は、前述の図
13のフローチャートのステップS9において、再生指
示ピッチ"SPITCH"をキー情報"NOTE"に置き換えることで
実現できる。
【0095】図6には本発明のまた他の実施例としての
効果付与装置が示される。この実施例は前述の実施例
に、入力音声信号がピッチシフタ30をバイパスする経
路を設け、この経路の音声信号とピッチシフタ30の出
力音声信号とをクロスフェードする機能を追加したもの
である。
【0096】すなわち、この実施例で用いているピッチ
シフタ30は、入力信号を一度、メモリ(具体例ではリ
ングメモリ)に記憶して処理する構成になっていること
から、入力信号に遅延を生じさせてしまい、この遅延が
音声を発している人(例えば歌唱者)に認識されると違
和感を感じさせることになる。この実施例はこの違和感
をできるだけ感じさせないように構成したものである。
【0097】図6において、ピッチシフタ30の出力側
に乗算器35を設けるとともに入力した音声信号を出力
側にバイパスする経路にも乗算器36を設け、これらの
乗算器35、36の出力信号を加算器37で加算して出
力信号として出力する。すなわちクロスフェード回路と
する。この構成では、ピッチシフタ30の出力信号とピ
ッチシフタ30をバイパスした出力信号とをクロスフェ
ードで切り換え、ビブラート効果を付与するときだけピ
ッチシフタ30の出力信号が出力されるように構成し、
ビブラート効果を付与しない場合は入力音声信号をピッ
チシフタ30をバイパスして直接に出力するようにして
おり、これによりビブラート効果付与されていない入力
音声信号には遅延が付加されず、違和感をなくせる。
【0098】ピッチシフタ30側経路とバイパス側経路
の切換えは乗算器35、36の係数を切り換えることで
行っており、この切換えはLFO発生器32からクロス
フェード制御信号"CROS"、"XCROS" で行う。図7にはこ
のクロスフェード制御信号"CROS"、"XCROS" の信号波形
が示される。図示するように、一方が「1」の場合には
他方は「0」となる信号であり、これにより経路の切換
えができる。この信号の切換えの立上り、立下りは傾斜
を付けることでクロスフェードが行われるようにしてい
る。
【0099】図8と図9にはこのクロスフェード制御信
号"CROS"、"XCROS" を生成するフローを含むLFO発生
器32における処理手順が示される。ここで、ステップ
S1〜S8およびステップS9〜S11の処理内容は前
述の図3のフローチャートと全く同じである。相違点と
して、ステップS9の前にステップS12、S13が新
たに追加されている点である。まず、ステップS12で
は、クロスフェード制御信号"CROS"、"XCROS" の更新を
行う。クロスフェード制御信号"CROS"の更新式は、 "CROS"="CROS"+("LFO-GATE"−"CROS")דXTIME" である。但し、“XTIME"はクロスフェードの傾きを設定
する係数であり、 1>“XTIME"≒立下り傾き係数"SLOPE-DOWN">立上り傾
き係数"SLOPE-UP" の条件を満たす。また"LFO-GATE"はLFOゲート信号で
ある。クロスフェード制御信号"XCROS" は上記により求
めたクロスフェード制御信号"CROS"に対して、 "XCROS" =1−"CROS" とすることで、0と1が対称的に反転した波形をつくり
出している。このようにして生成したクロスフェード制
御信号"CROS"は乗算器35に、クロスフェード制御信号
"XCROS" は乗算器36にそれぞれ供給する。
【0100】以上の実施例においては、ピッチシフタ3
0として本出願人が先に提案した効果付与装置を用いた
が、もちろん本発明はこれに限られるものではなく、入
力した音声信号をピッチシフトできる他の種々の構成の
ピッチシフタが利用可能であることは明らかである。
【0101】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、歌唱者自身が歌にビブラートをかけた場合にはその
ままの歌声を出力し、歌唱者自身がビブラートをかけれ
ない場合には自動的にビブラーラ効果付与された歌声を
出力することができ、さらにビブラート効果付与を行う
場合でも音声の発音開始からある時間たってから効果付
与が行われるため、伸ばした歌声にビブラート効果が付
与されるようになって自然が感じの効果付与が行える。
また、発音開始から遅れてビブラート効果が付与される
ことも自然な感じの効果付与となる。
【0102】また、クロスフェード回路を追加すること
で、入力した音声信号に遅延を生じさせないようにし
て、発声者の違和感を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての効果付与装置のブロ
ック構成を示す図である。
【図2】実施例装置におけるLFO発生器内での各信号
の波形図である。
【図3】実施例装置におけるLFO発生器での処理フロ
ーを示すフローチャートである。
【図4】変調信号とピッチシフト量(セント)との関係
を説明するための図である。
【図5】本発明の他の実施例としての効果付与装置のブ
ロック構成を示す図である。
【図6】本発明のまた他の実施例としての効果付与装置
のブロック構成を示す図である。
【図7】上記また他の実施例におけるLFO発生器内の
各信号の信号波形を示す図である。
【図8】上記また他の実施例におけるLFO発生器32
での処理フロー(1/2)を示すフローチャートであ
る。
【図9】上記また他の実施例におけるLFO発生器32
での処理フロー(2/2)を示すフローチャートであ
る。
【図10】入力音声信号に効果付与を行う効果付与装置
の1構成例を示す図である。
【図11】図10の効果付与装置の処理フローを示すフ
ローチャートである。
【図12】先に提案されたピッチ変換装置のブロック構
成を示す図である。
【図13】先に提案されたピッチ変換装置でのピッチ変
換の一例を説明する波形図である。
【図14】先に提案されたピッチ変換装置でのピッチ変
換の他の例を説明する波形図である。
【図15】先に提案されたピッチ変換装置でのピッチ変
換の他の例を説明する波形図である。
【図16】先に提案されたピッチ変換装置でのピッチ変
換の他の例を説明する波形図である。
【図17】先に提案されたピッチ変換装置でのピッチ変
換の他の例を説明する波形図である。
【図18】先に提案されたピッチ変換装置での効果付与
処理(1/2)を説明するフローチャートである。
【図19】先に提案されたピッチ変換装置での効果付与
処理(2/2)を説明するフローチャートである。
【図20】先に提案されたピッチ変換装置での波形読出
し処理を説明するフローチャートである。
【図21】先に提案されたピッチ変換装置での切出しア
ドレス更新処理を説明するフローチャートである。
【図22】先に提案されたピッチ変換装置での切出しア
ドレス更新処理を説明する波形図である。
【符号の説明】
26 ピッチシフタ 30 ピッチシフタ 32 LFO発生器 33 トリガ検出器 34 デコーダ 35、36 乗算器 37 加算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力音声信号に効果を付与して出力する
    効果付与手段と、 該入力音声信号のピッチを検出するピッチ検出手段と、 該ピッチ検出手段で検出したピッチに基づいて該入力音
    声信号のピッチの変動が所定値以下の状態が所定時間以
    上続いたことを検出するピッチ変動検出手段と、 該ピッチ変動検出手段で該入力音声信号のピッチの変動
    が所定値以下の状態が所定時間以上続いたことが検出さ
    れたら該効果付与手段で効果を付与するよう制御する制
    御手段とを含み構成される効果付与装置。
  2. 【請求項2】該制御手段は、該ピッチ変動検出手段の検
    出結果に基づいて該効果付与手段で効果を付与するよう
    制御した後に、該入力音声信号にピッチ変動が付けられ
    たことを検出したら該効果付与手段で行っている効果の
    付与を停止するように構成される請求項1記載の効果付
    与装置。
  3. 【請求項3】該入力音声信号が該効果付与手段を迂回す
    る迂回経路を設け、該制御手段の制御により該効果付与
    手段で入力音声信号に効果付与がされている時には該効
    果付与手段の出力信号を、効果付与がされていない時に
    は該迂回経路の出力信号を選択して出力するように構成
    した請求項1または2記載の効果付与装置。
  4. 【請求項4】該効果付与手段で付与する効果はビブラー
    ト効果である請求項1〜3のいずれかに記載の効果付与
    装置。
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