JP3497939B2 - 効果装置 - Google Patents

効果装置

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JP3497939B2
JP3497939B2 JP02802896A JP2802896A JP3497939B2 JP 3497939 B2 JP3497939 B2 JP 3497939B2 JP 02802896 A JP02802896 A JP 02802896A JP 2802896 A JP2802896 A JP 2802896A JP 3497939 B2 JP3497939 B2 JP 3497939B2
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10HELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
    • G10H2250/131Mathematical functions for musical analysis, processing, synthesis or composition
    • G10H2250/261Window, i.e. apodization function or tapering function amounting to the selection and appropriate weighting of a group of samples in a digital signal within some chosen time interval, outside of which it is zero valued
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    • G10H2250/00Aspects of algorithms or signal processing methods without intrinsic musical character, yet specifically adapted for or used in electrophonic musical processing
    • G10H2250/471General musical sound synthesis principles, i.e. sound category-independent synthesis methods
    • G10H2250/481Formant synthesis, i.e. simulating the human speech production mechanism by exciting formant resonators, e.g. mimicking vocal tract filtering as in LPC synthesis vocoders, wherein musical instruments may be used as excitation signal to the time-varying filter estimated from a singer's speech
    • G10H2250/501Formant frequency shifting, sliding formants

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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオ信号の
ピッチシフトを行う効果装置(エフェクタ)に関する。
オーディオ信号のピッチシフトを行う装置として従来か
らピッチシフタが知られている。ピッチシフタは入力さ
れたオーディオ信号の周波数を高域側または低域側にシ
フトする処理を行うものであるが、単に周波数シフトを
行うだけであると、例えば人の声をピッチシフトした場
合、そのホルマント(スペクトル分布)も周波数シフト
され、その結果、普通の声を高域側にシフトすると子供
っぽい高い声になり、低域側にシフトすると大男のよう
な低き声になるといった問題がある。
【0002】本出願人はこの問題を解決するピッチ変換
装置を、先の出願(特願平7−257071号)にて提
案した。このピッチ変換装置は、入力音声信号から音素
片を切り出し、その音素片のホルマントの特徴をほぼ保
ったまま、所望の再生音高に対応した周期でその音素片
を再生することによって、入力音声信号のホルマント特
性を保ったままピッチを変換するものである。このピッ
チ変換装置では入力音声信号のホルマント特性を保つこ
とで従来よりも自然なピッチ変換を行うことができるよ
うになったが、ピッチの変化に対してホルマント特性の
変化が余りにもないことが却って原因となって、やはり
少し不自然な感じに聞こえる。本発明はこのピッチ変換
装置の改良に関するものである。
【0003】以下に、本出願人が先に提案したピッチ変
換装置を説明する。図1(a)にはピッチ変換装置の全
体構成が示される。図示するように、アナログの楽音信
号または音声信号等の可聴周波数信号が入力される入力
端子2を有し、この入力端子2に供給された可聴周波数
信号が、A/D変換器4によってディジタル可聴周波数
信号(サンプリングデータ)に変換される。A/D変換
器4と入力端子2との間に設けられた低域フィルタ6
は、可聴周波数信号をA/D変換器4におけるサンプリ
ング周波数の1/2以下の周波数に制限して、エイリア
シングの発生を防止する。A/D変換器4からのサンプ
リングデータは、DSP(ディジタル信号プロセッサ)
8に供給され、このDSP8からRAM12に供給され
る。RAM12は、入力されたサンプリングデータを順
次に記憶するリングメモリとして使用されている。
【0004】CPU(中央処理装置)22は装置の全体
的な制御を司るものであり、操作子20から入力された
パラメータとピッチ変換情報入力端子3から入力された
ピッチ変換情報を検出する。操作子20はユーザが操作
して設定したホルマント変更係数"FORMANT-VR"やピッチ
変更係数"PITCH-VR"等のパラメータの入力に使用され
る。ピッチ変換情報はピッチシフトして発音しようとす
る音高データ(再生指示ピッチ"SPITCH")などが入力さ
れる。これらホルマント変更係数"FORMANT-VR"やピッチ
変更係数"PITCH-VR"、ピッチ変換情報はDSP8におけ
るピッチ変換処理に用いられ、CPU22によって検出
され、DSP8に供給される。CPU22は、この他に
DSP8の制御も行う。
【0005】ここで、上述のホルマント変更係数"FORMA
NT-VR"とピッチ変更係数"PITCH-VR"について説明する。
まず、ピッチ変更係数"PITCH-VR"は、1に設定された時
には再生指示ピッチ"SPITCH"で指示された音高からピッ
チの変更をしない状態、1より大きく設定された時には
低域側にピッチシフト、1より小さく設定された時には
高域側にピッチシフトした状態となる。ホルマント変更
係数"FORMANT-VR"は、1の場合にはホルマントは元の音
声信号からシフトせず、1より大きい場合には高い方に
ホルマントがシフトし、1より小さい場合には低い方に
ホルマントがシフトする。
【0006】DSP8は、ピッチ変換情報入力端子3な
どから入力されるピッチ変換情報に従ってリングメモリ
12からサンプリングデータを読み出してピッチ変換処
理を行い、D/A変換器14に供給する。D/A変換器
14は、DSP8でピッチ変換処理されたサンプリング
データをアナログの可聴周波数信号に変換し、低域フィ
ルタ16を通して不要な信号成分を除去した後、出力端
子18に供給する。
【0007】図1(b)は、DSP8が実行する機能を
機能ブロック図で示したものである。なお、DSP8は
入力端子23に入力されるサンプリングデータをRAM
12のリングメモリに順次に記憶する機能ブロックを有
しているが、これらの図面では、説明を容易にするため
その機能ブロックを省略している。
【0008】図1(b)に示すように、入力端子23
と、ピッチ変換部24と、ピッチ検出部26と、制御部
28と、出力端子29とが設けられている。入力端子2
3にはサンプリングデータが入力され、図示していない
機能ブロックによってRAM12にそのサンプリングデ
ータが順次記憶されると共に、ピッチ変換部24とピッ
チ検出部26に入力される。。ピッチ検出部26は入力
端子23から入力されたサンプリングデータのピッチを
公知の手法で検出し、検出ピッチ"PITCH" として制御部
28に供給する。制御部28はピッチ検出部26で検出
された検出ピッチ"PITCH" や、CPU22を介して操作
子20の操作によって設定されたホルマント変更係数"F
ORMANT-VR"やピッチ変更係数"PITCH-VR"等のパラメータ
およびピッチ変換情報入力端子3から入力されるピッチ
変換情報を用いて、RAM12に記憶されているサンプ
リングデータをピッチ変換部24に処理させる。
【0009】ピッチ変換部24、ピッチ検出部26及び
制御部28が行う処理は、概略的に説明すると、リング
メモリに記憶されているサンプリングデータから所望の
区間を音素片として時間経過に従って順次に切り出し
て、その切り出した音素片を、入力時のサンプリングデ
ータとは異なるピッチおよびホルマントで再生するもの
である。その際、この音素片の再生を二つの処理経路で
並行して行い、それぞれの処理経路では再生しようとす
るピッチ周期の2倍の周期でかつ互いが半周期ずれるよ
うにして音素片を再生し、これらを合成して元のピッチ
周期にするようにしている。
【0010】図2〜図6はこのピッチ変換処理を説明す
る図である。図中のピッチ変更係数"PITCH-VR"は、入力
端子3から入力された再生指示ピッチ"SPITCH"をどの程
度変更するかを決める係数であり、ピッチ変更係数"PIT
CH-VR"が1であれば変更なし、1より小さければ高域側
へのピッチシフト、1より大きければ低域側へのピッチ
シフトを行う。なお、再生指示ピッチ"SPITCH"はMID
I信号により音高データの形で指示されるが、この図2
〜図6の説明では、説明を分かりやすくするため、再生
指示ピッチ"SPITCH"=検出ピッチ"PITCH" として説明を
する。
【0011】また、ホルマント変更係数"FORMANT-VR"は
サンプリングデータのホルマントがピッチシフト後も全
く変わらないとやや不自然な感じがあるので、これを若
干変更する場合のものであり、ホルマント変更係数"FOR
MANT-VR"が1であれば変更なし、1以外であればホルマ
ントを若干変更する。
【0012】まず、図2を参照して、ピッチ変更係数"P
ITCH-VR"=1、ホルマント変更係数"FORMANT-VR"=1の
場合(すなわちピッチシフトとホルマント特性変更を行
わない場合)を例にして、このピッチ変換装置の基本的
な動作を説明する。
【0013】図2の(a)はサンプリングデータであ
り、ピッチ検出手段26により入力音声のピッチP0、
P1・・・が検出され、この検出ピッチ"PITCH" で音素
片が順次に切り出される。再生指示ピッチ"SPITCH"をピ
ッチ変更係数"PITCH-VR"で修正して再生しようとするピ
ッチ(すなわちシフト後のピッチ)を再生ピッチ"WIDT
H" とすれば、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" で求まる。この再生ピッチ"WIDTH" を周期長とする再生
位相"PHASE" を図2 (b) のように作成し、このフェー
ズ"PHASE" から2つの処理経路の位相、すなわち図2
(d) に示す第1の処理経路の第1位相"PH 1"、図2
(e) に示す第2の処理経路の第2位相"PH 2"を作成す
る。なお、これら第1、第2の位相"PH 1"、"PH 2"はサ
ンプリング周期毎にインクリメントされて増加するもの
で、アナログ入力信号をサンプリングしそのディジタル
データを前記リングメモリに記憶する書込みの速さと同
じ速さで変化するものである。
【0014】そして、第1の処理経路は、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" の読出し速度で、また、第2の処理経路は、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" の読出し速度で、それぞれの音素片を順次に読み出す。
この読出し速度がホルマント特性の変更に関係する。
【0015】さらに、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"
にそれぞれ同期して、ホルマント処理のためにサンプリ
ングデータを切り取るためのエンベロープ"ENV 1", "EN
V 2"を第1、第2の処理経路について作成する。第1の
処理経路は図2 (f) に示すエンベロープ“ENV 1" の
波形を持ち、第2の処理経路は図2 (g) に示すエンベ
ロープ“ENV 2" の波形を持つ。エンベロープ"ENV 1"
、"ENV 2" は0〜1の範囲の値であり、エンベロープ
長"LENGTH"を半周期とし、前半の周期では0から逐次に
増加して1になり、後半の周期では1から逐次に減少し
て0になる山形をしている。エンベロープ長"LENGTH"
は エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" で求める。
【0016】第1の処理経路では、入力されたサンプリ
ングデータの2ピッチ分の音素片に、エンベロープ"ENV
1" を乗算し、図2 (h) に示す波形を得る。同様に、
第2の処理経路では、入力されたサンプリングデータの
2ピッチ分の音素片 (第1の処理経路より1ピッチずれ
た2ピッチ分の音素片) に、エンベロープ"ENV 2" を乗
算し、図2 (i) に示す波形を得る。このような処理の
仕方によれば、これらの波形は元のサンプリングデータ
の音素片のホルマント特性をそのまま保持したものとな
る。この図2 (h) 、 (i) の波形は再生ピッチ"WIDT
H" の周期長の2倍の長さであるが、両者の波形を足し
合わせると再生ピッチ"WIDTH" の周期長となる。
【0017】図3はピッチ変更係数"PITCH-VR"を1より
大きくした場合、すなわち元のサンプリングデータを低
域側にピッチシフトする場合のものである。ここでは、
ホルマント変更係数"FORMANT-VR"=1すなわちホルマン
ト特性変更なしとしている。図示するように、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" であるから、再生ピッチ"WIDTH" は再生指示ピッチ"SPI
TCH"よりも長くなる。すなわち、元のサンプリングデー
タは低域側にピッチシフトされる。
【0018】また、音素片の読出し速度は、第1の処理
経路が、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" 第2の処理経路が、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" であるから、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"の変化と
等しく、リングメモリへの書込み速度と等しくなり、結
果的にホルマント特性には変更が付与されないことにな
る。
【0019】なお、エンベロープ"ENV 1", "ENV 2"の
エンプロープ長"LENGTH"は、 エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" であるから、検出ピッチ"PITCH" と一致する。従って、
元のサンプリングデータを低域側にピッチシフトしつ
つ、そのホルマント特性はそのまま維持できる。
【0020】図4はピッチ変更係数"PITCH-VR"を1より
小さくした場合、すなわち元のサンプリングデータを高
域側にピッチシフトする場合のものである。ここでは、
ホルマント変更係数"FORMANT-VR"=1としている。図示
するように、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" であるから、再生ピッチ"WIDTH" は再生指示ピッチ"SPI
TCH"よりも短くなる。すなわち、元のサンプリングデー
タは高域側にピッチシフトされる。
【0021】前述の図3の場合と同様に、音素片の読出
し速度は、第1の処理経路が、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" 第2の処理経路が、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" であるから、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"の変化と
等しく、リングメモリへの書込み速度と等しくなり、結
果的にホルマント特性には変更が付与されないことにな
る。
【0022】ただし、エンベロープ"ENV 1", "ENV 2"の
エンプロープ長"LENGTH"は、 エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" であるから、検出ピッチ"PITCH" と一致するよう演算さ
れるが、後述する効果付加処理のステップで、エンベロ
ープ長"LENGTH"が再生ピッチ"WIDTH" よりも大きくなら
ないよう制限しているため、エンベロープ長"LENGTH"は
再生ピッチ"WIDTH" に等しくなる。この結果、元のサン
プリングデータを高域側にピッチシフトしつつ、そのホ
ルマント特性はそのまま維持できる。
【0023】図5はピッチ変更係数"PITCH-VR"=1、ホ
ルマント変更係数"FORMANT-VR">1、すなわちピッチシ
フトは行わずにホルマント特性変更を行う場合を示して
いる。図示するように、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" であるから、再生ピッチ"WIDTH" は再生指示ピッチ"SPI
TCH"と等しくなる。すなわち、元のサンプリングデータ
はピッチシフトされない。
【0024】音素片の読出し速度は、第1の処理経路
が、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" 第2の処理経路が、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" であるから、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"の変化よ
り速く、リングメモリへの書込み速度より速く読み出す
ことになり、結果的にホルマント特性は高域側にシフト
され、変更が付与されることになる。
【0025】エンベロープ"ENV 1", "ENV 2"の エンプ
ロープ長"LENGTH"は、 エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" であるから、検出ピッチ"PITCH" よりも小さくなる。こ
の結果、元のサンプリングデータにピッチシフトを加え
ずに、そのホルマント特性を変更することができる。
【0026】図6はピッチ変更係数"PITCH-VR"=1、ホ
ルマント変更係数"FORMANT-VR"<1、すなわちピッチシ
フトは行わずにホルマント特性変更を行う場合を示して
いる。図示するように、 再生ピッチ"WIDTH" =再生指示ピッチ"SPITCH"×ピッチ
変更係数"PITCH-VR" であるから、再生ピッチ"WIDTH" は再生指示ピッチ"SPI
TCH"と等しくなる。すなわち、元のサンプリングデータ
はピッチシフトされない。
【0027】音素片の読出し速度は、第1の処理経路
が、 第1位相"PH 1"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" 第2の処理経路が、 第2位相"PH 2"×ホルマント変更係数"FORMANT-VR" であるから、第1、第2の位相"PH 1", "PH 2"の変化よ
り遅く、リングメモリへの書込み速度より遅く読み出す
ことになり、結果的にホルマント特性は低域側にシフト
され、変更が付与されることになる。
【0028】エンベロープ"ENV 1", "ENV 2"の エンプ
ロープ長"LENGTH"は、 エンプロープ長"LENGTH"=検出ピッチ"PITCH" /ホルマ
ント変更係数"FORMANT-VR" であるから、検出ピッチ"PITCH" よりも大きくなるよう
演算されるが、後述する効果付加処理のステップで、エ
ンベロープ長"LENGTH"が再生ピッチ"WIDTH" よりも大き
くならないよう制限しているため、エンベロープ長"LEN
GTH"は再生ピッチ"WIDTH" に等しくなる。この結果、元
のサンプリングデータにピッチシフトを加えずに、その
ホルマント特性を変更することができる。
【0029】上記の効果付加の動作を図7〜図10のフ
ローチャートに基づいて説明する。DSP8は、サンプ
リングデータの検出ピッチ"PITCH" を記憶する検出ピッ
チレジスタ(PITCH) 、リングメモリからサンプリングデ
ータを切り出すアドレス(読出しアドレス)"SADRS" を
記憶する切出しアドレスレジスタ(SADRS) を備えてい
る。更に、後述する再生ピッチ周期長"WIDTH" に達した
かをカウントするための再生位相カウンタ"PHASE" 、第
1の波形の位相"PH 1"をカウントするための第1位相カ
ウンタ(PH 1)、第2の波形の位相"PH 2"をカウントする
ための第2位相カウンタ(PH 2)も設けられている。
【0030】また、入力端子3から入力された再生指示
ピッチ"SPITCH"をピッチ変更係数"PITCH-VR"によって変
更した再生ピッチ"WIDTH" (=再生ピッチ周期長)を記
憶するための再生ピッチレジスタ(WIDTH) 、検出した検
出ピッチ"PITCH" とホルマント変更係数"FORMANT-VR"か
ら定めたエンベロープの長さ"LENGTH"を記憶するエンベ
ロープ長レジスタ(LENGTH)、第1の波形のエンベロー
プ"ENV 1" を記憶するための第1エンベロープ波形レジ
スタ(ENV 1) 、および第2の波形のエンベロープ"ENV
2" を記憶するための第2エンベロープ波形レジスタ(EN
V 2) が設けられている。
【0031】更に、第1の波形のエンベロープの形状を
決定するためのレジスタ(WINDOW 1)、第2の波形のエン
ベロープの形状を決定するためのレジスタ(WINDOW 2)、
エンベロープ長"LENGTH"の値に基づいて定めたレジスタ
(WINDOW 1)、(WINDOW 2)の値の歩進率"W-RATE"を記憶す
る歩進率レジスタ(W-RATE)、第1の波形の切出し開始ア
ドレス"SADRS 1" を記憶する第1切出しアドレスレジス
タ(SADRS 1) 、第2の波形の切出し開始アドレス"SADRS
2" を記憶する第2切出しアドレスレジスタ(SADRS 2)
、第1および第2の波形の切出しの開始位置等の決定
するために使用するフラグ“F”等も設けられている。
【0032】まず、効果付加の全体的な動作を説明する
図7と図8のフローチャートに従って説明する。このフ
ローチャートは図2〜図6の効果付加に対応したもので
ある。上述の各レジスタは、電源の投入の際に、初期化
が行われる。即ち、フラグ“F”は1に、他のものは0
に、それぞれ設定される。なお、以下の説明では、電源
投入後少し時間が経過し、前記フローチャートの処理に
よって、各レジスタや各カウンタには、既に適当な値が
記憶されているとして説明する。また、このフローチャ
ートは、DSP8にA/D変換器4からサンプリングデ
ータが入力されるごとに実行される。
【0033】サンプリングデータ(ディジタル音声信
号)が入力端子23に供給されると、図示していないR
AMに構成されたリングメモリの書込みアドレス"IBUF-
PTR"にサンプリングデータが書き込まれる(ステップS
1)。但し、書込みアドレス"IBUF-PTR"は、サンプリン
グデータが入力端子23に供給されるごとに、1ずつ歩
進している。
【0034】次に、この入力されたサンプリングデータ
に基づきピッチ検出処理が行われる(ステップS2)。
このピッチ検出の詳しい動作の説明は後述する。入力さ
れたサンプリングデータによってピッチ検出が行えたか
を判定し(ステップS3)、行えた場合には検出結果で
ピッチ情報"PITCH" を更新する(ステップS4)。行え
なかった場合にはピッチ情報"PITCH" の更新は行わな
い。
【0035】ついで、切出しアドレス"SADRS" の更新を
行う (ステップS5) 。この切出しアドレス"SADRS" の
更新は、検出ピッチ"PITCH" に従って、切出しの基準を
更新するもので、詳細は後述する。
【0036】切出しアドレスの更新処理に続いて、再生
位相"PHASE" 、第1位相"PH 1"、第2位相"PH 2"の値を
それぞれ1つ歩進させる(ステップS6)。次に、再生
位相"PHASE" と再生ピッチ長"WIDTH" の値を比較する
(ステップS7)。この再生ピッチ長"WIDTH" の値が再
生されるピッチに対応する。再生位相"PHASE" の値が再
生ピッチ長"WIDTH" の値に達していなければ、後述する
ステップS19の波形読出し処理へ進む。なお、再生ピ
ッチ長"WIDTH" は後述のステップS10で算出される。
【0037】再生位相"PHASE" の値が再生ピッチ長"WID
TH" の値に達していると、再生位相"PHASE" の値を0と
し(ステップS8)、次いで、制御手段28からのピッ
チ変更係数"PITCH-VR"、ホルマント変更係数"FORMANT-V
R"、および再生指示ピッチ"SPITCH"を入力する(ステッ
プS9)。この入力処理では、操作子20の操作に応じ
て設定されたピッチ変更係数"PITCH-VR"、ホルマント変
更係数"FORMANT-VR"の他に、ピッチ変換情報入力端子3
から入力されたピッチ変換情報、例えばMIDI信号に
基づく再生指示ピッチ"SPITCH"が入力されている。
【0038】そして新たな再生ピッチ長"WIDTH" の値を
決定するために、再生指示ピッチ"SPITCH"とピッチ変更
係数"PITCH-VR"とを乗算し、これを再生ピッチ長"WIDT
H" として レジスタ(WIDTH) に記憶させると共に、第
1の波形のエンベロープ"ENV 1" 、第2の波形のエンベ
ロープ"ENV 2" の周期"LENGTH"を、検出ピッチ"PITCH"
の値をホルマント変更係数"FORMANT-VR"で除算して求
め、レジスタ(LENGTH)に記憶させる(ステップS1
0)。
【0039】次に、図8に示すステップS11〜S14
でエンベロープの周期"LENGTH"の値を制限する。すなわ
ち、エンベロープの周期"LENGTH"を一定値の周期P (例
えば100Hz) と比較する(ステップS11)。エン
ベロープ周期"LENGTH"の値が一定周期Pよりも大きけれ
ば、エンベロープ周期"LENGTH"の値を一定周期Pに変更
する(ステップS12)。これらステップ11、12は
ディジタル音声信号として低い周波数のものが入力され
ても、大きな遅延が付加されないようにするためのもの
である。具体的には、100Hzよりも低い周波数のデ
ィジタル音声信号が入力された場合でも、遅延を100
Hzの遅延時間10m秒に制限するためのものである。
【0040】次いで、エンベロープ周期"LENGTH"の値と
再生ピッチ長"WIDTH" の値とを比較し(ステップS1
3)、エンベロープ周期"LENGTH"の値が再生ピッチ長"W
IDTH"の値よりも大きい場合には、エンベロープ周期"LE
NGTH"の値を再生ピッチ長"WIDTH" の値とする(ステッ
プS14)。一方、エンベロープ周期"LENGTH"の値が再
生ピッチ長"WIDTH" の値以下である場合には、このステ
ップS14の処理は行わない。これにより、エンベロー
プ周期"LENGTH"が再生ピッチ長"WIDTH" より大きくなら
ないように制限をかける。
【0041】次いで、エンベロープ周期"LENGTH"の値の
逆数を求め、これを歩進率"W-RATE"としてレジスタ(W-R
ATE)に記憶させる (ステップS15) 。この歩進率"W-R
ATE"は、レジスタ(WINDOW 1)、(WINDOW 2)の値を歩進さ
せるために使用する。また、フラグ“F”の極性を反転
させる。このステップS15の処理は、ステップS7に
おいて再生位相"PHASE" の値が再生ピッチ長"WIDTH" の
値以上になったときに行われるので、フラグ“F”の反
転も、再生位相"PHASE" の値が再生ピッチ長"WIDTH" の
値以上になったときに行われることになり、例えば図2
〜図6の(c)に示されるように、再生位相"PHASE" の
周期で1と−1に反転する波形が得られる。
【0042】次に、フラグ“F”の値を0と比較し、フ
ラグ“F”が1であるか、−1であるかを判断する(ス
テップS16)。フラグ“F”の値が1であることはフ
ラグ“Fが−1から1に立ち上がったときを意味してお
り、この場合には、第1の処理経路に相当するレジスタ
(PH 1)、(WINDOW 1)の値をそれぞれ0とし、ステップS
5で決定した切出し開始アドレス"SADRS" の値を第1切
出しアドレスレジスタ(SADRS 1) に記憶させる(ステッ
プS17)。
【0043】また、フラグFの値が−1であることはフ
ラグ“F”が1から−1に立ち下がったことを意味して
おり、この場合には、第2の処理経路に相当するレジス
タ(PH 2)、(WINDOW 2)をそれぞれ0とし、ステップS5
で決定した切出し開始アドレス"SADRS" の値を第2切出
しアドレスレジスタ(SADRS 2) に記憶させる(ステップ
S18)。
【0044】このステップS17またはS18の処理に
続いて、あるいはステップS7において再生位相"PHAS
E" の値が再生ピッチ長"WIDTH" の値に達していないと
判断されたときには、波形読出しに処理を行う(ステッ
プS19)。図9はこの波形読出し処理を示すフローチ
ャートであり、その内容は後述する。そして、波形読出
し処理が行われた波形が、送出される(ステップS2
0)。
【0045】以下に、図7と図8のフローチャートで示
す効果付加処理において述べた切出しアドレス更新処理
(ステップS5) 、ピッチ検出処理 (ステップS2) 、
波形読出し処理 (ステップS19) についてその順で詳
細に説明する。
【0046】切出しアドレス更新処理 図10および図11を参照して、ステップS5の切出し
アドレスの更新処理について説明する。ステップS1に
おいて、サンプリングデータが書き込まれているリング
メモリは、アドレス0からFFFhex を有し、書込みア
ドレス"IBUF-PTR"は、図11に実線で示すように鋸歯状
波のように変化する。即ち、アドレスFFFhex まで到
達すると、次のアドレスは0となる。
【0047】この切出しアドレスの更新処理は、波形読
出し処理においてサンプリングデータを切り出す際の基
準となる第1、第2の読出しアドレス"ADRS"1、"ADRS"
2を設定するための前提となるもので、これら読出しア
ドレス"ADRS"1、"ADRS 2"が書込みアドレス"IBUF-PTR"
を追い越さないようにしてある。そのため、まず、現在
の書込みアドレス"IBUF-PTR"を読出しアドレスが追い越
すことがない距離(またはアドレス差)"DELAY" を、現
在の書込みアドレス"IBUF-PTR"から減算し、これと(1
000hex −1)のアンドを取った結果を基準読出しア
ドレス"ADRS"として記憶している(ステップS51) 。
このようにアンドを取るのは、上記の減算値がリングメ
モリのアドレス範囲0からFFFhex 内になるようにす
るためである。なお、このアドレス差"DELAY" は、図8
のステップS11で用いた一定周期Pの値と等しく設定
してある。
【0048】次に、この基準読出しアドレス"ADRS"と現
在の切出しアドレス"SADRS" とを比較し(ステップS5
2)、切出しアドレス"SADRS" が基準読出しアドレス"A
DRS"よりも大きければ、基準読出しアドレス"ADRS"に1
000hex を加算する(ステップS53)。これは、例
えば図11に示すように、基準読出しアドレス"ADRS"が
一時的に切出しアドレス"SADRS" よりも小さくなること
があり、そのままでは以後の処理に不都合な影響を与え
るため、これを補正するためである。
【0049】ステップS53に続いて、あるいはステッ
プS52において基準読出しアドレス"ADRS"が切出しア
ドレス"SADRS" よりも大きいと判断されたとき、基準読
出しアドレス"ADRS"と(切出しアドレス"SADRS" +検出
ピッチ"PITCH" )を比較する(ステップS54)。この
検出ピッチ"PITCH" はステップS4において更新された
ものである。
【0050】比較の結果、 "ADRS"≧("SADRS" +"PITCH" ) であると、即ち、基準読出しアドレス"ADRS"と切出しア
ドレス"SADRS" との間に検出ピッチ"PITCH" 以上の差が
生じたとき、 ("SADRS" +"PITCH" )&(1000hex −1) の演算を行い、この演算結果で切出しアドレス"SADRS"
の値を更新する(ステップS55)。
【0051】またステップS54での比較の結果、 "ADRS"<("SADRS" +"PITCH" ) であると判断されると、ステップS55は実行しない。
この結果、検出ピッチ"PITCH" に従って、切出しの基準
である切出しアドレス"SADRS" が更新され、この切出し
アドレス"SADRS" は図11に階段状に示す実線のように
検出ピッチ"PITCH" ずつ変化する。この切出しアドレ
ス"SADRS" の変化は、時間経過に従って切り出す音素片
を変化させるためのもので、入力信号のホルマントの時
間的変化をそのまま出力信号に反映させるための働きが
ある。換言すると、入力信号が音声信号の場合、入力さ
れた言葉がそのまま出力音声信号として出力されること
になる。
【0052】ピッチ検出処理 ピッチ検出処理は、例えば隣接するゼロクロス間の時間
間隔を順次比較するものである。例えば、図2(a)に
おいて、入力信号のゼロクロス間の時間間隔がa0 、b
0 、c0 、d0 、a1 、b1 、c1 、d1 であるとす
る。最初のゼロクロス間の時間間隔a0 と次のゼロクロ
ス間の時間間隔b0 とを比較し、両者が異なると、次に
それらを加算した時間間隔(a0 +b0 )と隣接する時
間間隔(c0 +d0 )とを比較する。この比較において
も両者が異なると、時間間隔(a0+b0 +c0 )と隣
接する時間間隔(d0 +a1 +b1 )とを比較する。や
はり両者が異なると、時間間隔(a0 +b0 +c0 +d
0 )と隣接する時間間隔(a1 +b1 +c1 +d1 )と
を比較する。この比較で両者がほぼ一致すると、時間間
隔(a1 +b1 +c1 +d1 )をピッチとして出力す
る。
【0053】その他、例えば特開平3−288200号
公報に開示されているように、サンプリングデータのゼ
ロクロス位置と、波形信号のピーク位置とを検出し、こ
れらゼロクロス位置とピーク位置との時間間隔を、以前
に検出したゼロクロス位置との時間間隔と比較すること
によって、ピッチを検出するものも使用することができ
る。
【0054】波形読出し処理 図9は波形読出し処理のフローチャートであり、同図中
のステップS901〜S907は第1の処理経路のため
の処理、ステップS908〜S914は第2の処理経路
のための処理であり、この二つの処理は時系列に行われ
るが、処理の内容は実質的に同様な内容となっている。
【0055】図9に示すように、波形読出し処理では、
まずカウンタ(WINDOW 1)の値を歩進率"W-RATE"の値だけ
歩進させる(ステップS901)。そして、歩進させた
カウンタ(WINDOW 1)の値が1より小さいか、1以上であ
って2より小さいか、あるいは2以上であるかを判定す
る(ステップS902)。1より小さい場合には、カウ
ンタ(WINDOW 1)の値を第1エンベロープ"ENV 1" として
レジスタ(ENV 1) に記憶させ(ステップS903)、1
以上であって2より小さい場合には、2からカウンタ(W
INDOW 1)の値を減算した値を第1エンベロープ"ENV 1"
としてレジスタ(ENV 1) に記憶させ(ステップS90
4)、2以上のとき、第1エンベロープ"ENV 1" の値を
0とする(ステップS905)。
【0056】ステップS901〜S904は、例えば図
2 (f) に示されるように、歩進率"W-RATE"の値ずつ値
が増加する鋸歯状波を作成し、これの値を1で折り返す
ことによって、第1エンベロープ"ENV 1" を作成してい
る。但し、カウンタ"WINDOW1"の値が2を越えた場合に
は、ステップS905によって第1エンベロープ"ENV1"
の値を0としている。即ち、ホルマント変更係数"FORM
ANT-VR"と検出ピッチ"PITCH" とに基づいて定めたエン
ベロープ長"LENGTH"の値の逆数である歩進率"W-RATE"ず
つ1まで増加し、その後、歩進率"W-RATE"ずつ0まで減
少する三角波を第1のエンベロープ"ENV 1" の波形とし
て作成している。
【0057】また、ステップS903、S904または
S905に続いて、第1位相カウンタ(PH 1)の値(切出
しアドレスの歩進値)にホルマント変更係数"FORMANT-V
R"を乗算した値を、第1の波形の切出し開始アドレス"S
ADRS 1" を記憶しているレジスタ(SADRS 1) の値と加算
して、第1の波形の切出しアドレスを記憶するレジスタ
(ADRS 1)に記憶させる(ステップS906)。これに続
いて、リングメモリから切出しアドレス"ADRS 1"で第1
の波形の波形データ"DATA 1"を読み出す(ステップS9
07)。このように読出しアドレスはホルマント変更係
数"FORMANT-VR"によって変更されているので、結果的に
は波形データ"DATA 1"の読出し速度が、ホルマント変更
係数"FORMANT-VR"によって変更されている。
【0058】これに続いて、カウンタ(WINDOW 2)の値を
歩進率"W-RATE"だけ歩進させる(ステップS908)。
歩進させたカウンタ(WINDOW 2)の値が1より小さいか、
1以上で2未満であるか、または2以上であるか判断す
る(ステップS909)。そして、カウンタ"WINDOW 2"
の値が1より小さい場合には、カウンタ(WINDOW 2)の値
を第2エンベロープ"ENV 2" としてレジスタ(ENV 2) に
記憶させ(ステップS910)、カウンタ(WINDOW 2)の
値が1以上で2未満である場合には、2からカウンタ(W
INDOW 2)の値を減算した値を第2エンベロープ"ENV 2"
としてレジスタ(ENV 2) に記憶させ(ステップS91
1)、カウンタ(WINDOW 2)の値が2以上であると、第2
エンベロープ"ENV 2" の値を0とする(ステップS91
2)。このようにして、第2の波形のエンベロープを準
備する。
【0059】ステップS910、S911またはS91
2に続いて、第2位相レジスタ(PH2)の値にホルマント
変更係数"FORMANT-VR"を乗算した値と第2の波形データ
用の切出し開始アドレス"SADRS 2" の値とを加算した値
を、第2の波形データ用の切出しアドレス用のレジスタ
(ADRS 2)に記憶させる(ステップS913)。そして、
リングメモリからアドレス"ADRS 2"で第2の波形デー
タ"DATA 2"を読み出す(ステップS914)。
【0060】このようにして読み出されたデータ"DATA
1"に第1エンベロープ"ENV 1" の値を乗算したものと、
データ"DATA 2"に第2エンベロープ"ENV 2" の値を乗算
したものとを、加算したものを出力OUTとする(ステ
ップS915)。
【0061】以上のように、本出願人が先に提案したピ
ッチ変換装置は、入力音声信号から音素片を切出し、所
望の再生音高に対応した周期でその音素片を再生するこ
とによって、入力音声信号のホルマント特性をほぼ保っ
たままピッチを変換するものであり、これにより入力音
声信号のホルマント特性をほぼ保つことで従来よりもは
かるに自然な感じでピッチ変換を行えるようになった
が、ピッチ変化に対してホルマント特性の変化が余りに
ないことが却って原因となって、やはりまだ少し不自然
な感じがする。
【0062】したがって、本発明はより自然な感じのピ
ッチ変換を行えるようにすることを目的とする。
【0063】
【0064】
【0065】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明においては、第1の形態として、オーディ
オ信号を入力する入力手段と、前記入力オーディオ信号
を分析して主要な複数のホルマントを検出するホルマン
ト検出手段と、前記ホルマント検出手段の検出結果に基
づいて前記入力オーディオ信号の前記複数のホルマント
を独立に抽出するように通過周波数帯域を各々設定し、
前記入力オーディオ信号を前記複数の周波数帯域に分割
して出力する帯域分割手段と、前記入力オーディオ信号
のピッチを検出するピッチ検出手段と、ピッチシフト情
報(音高情報やピッチ変更量情報など)を入力するピッ
チシフト情報入力手段と、ホルマントの変更の状態を設
定するホルマント変更情報を前記帯域分割手段により分
割された前記複数の周波数帯域毎に独立して入力するホ
ルマント変更情報入力手段と、前記帯域分割手段の複数
の周波数帯域それぞれに対応して設けられ、前記検出さ
れたピッチに基づいて音素片を抽出し、前記音素片を前
記ピッチシフト情報に対応した周期で、かつ前記ホルマ
ント検出手段に基づいて設定された前記複数の周波数帯
域毎の前記ホルマント変更情報に従って複数の帯域毎に
独立に読出し速度を変化させホルマントを変化させる処
理を施して再生する複数のピッチ変換手段と、前記複数
のピッチ変換手段の出力信号を合成する合成手段とで構
成された効果装置が提供される。
【0066】この効果装置は、入力手段から入力された
オーディオ信号をホルマント検出手段で分析して主要な
複数のホルマントを検出し、その検出結果に基づいて帯
域分割手段の通過周波数帯域を設定して入力オーディオ
信号の複数のホルマントを別々に抽出する。複数のピッ
チ変換手段はそれぞれ、帯域分割手段の各周波数帯域の
オーディオ信号からピッチ検出手段で検出されたピッチ
に基づいて音素片を抽出し、この音素片をピッシシフト
情報入力手段から得たピッチシフト情報に対応した周期
で、かつホルマント変更情報入力手段で入力されたホル
マント変更情報に従って複数の帯域毎に独立に読出し速
度を変化させホルマントを変化させる処理を施して再生
する。再生された複数のピッチ変換手段の出力信号は合
成手段によって合成する。
【0067】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を説明する。図12には本発明の一実施例としての
効果装置(エフェクタ)が示される。図12において、
23は音声信号が入力される入力端子であり、入力端子
23から入力された音声信号はホルマント分析部30、
ピッチ検出部26、帯域分割部32に入力される。ピッ
チ検出部26は前述の図1で説明したものと同じもので
ある。
【0068】ホルマント分析部30は入力音声信号のホ
ルマントを分析してその音声信号の主要な複数のホルマ
ントを抽出し、その抽出結果を帯域分割部32に供給す
る。具体的にはこの実施例では入力音声信号をフーリエ
変換して第1、第2、第3ホルマントの三つのホルマン
トを抽出しているが、ホルマントを抽出する方法はその
他にもあり、それらを適宜使用することができる。
【0069】帯域分割部32は入力音声信号を複数の異
なる帯域に分割するものであり、ホルマント分析部30
の分析により得られた三つのホルマントの周波数帯に対
応して分割帯域が設定され、入力音声信号を各分割帯域
に分割して、分割されたそれぞれの帯域の信号を出力す
る。
【0070】241 〜243 はピッチ変換部であって、
RAM12にそれぞれ独立して記憶領域を有してリング
メモリを備え、ピッチ変換部24と同様の構成を有して
入力信号のピッチ変換を行う。このピッチ変換部241
〜243 には帯域分割部32で分割された入力音声信号
の各帯域信号がそれぞれ入力されている。
【0071】乗算部251 〜253 はそれぞれピッチ変
換部241 〜243 からの出力信号にレベル係数を乗算
することで、各ホルマント毎のレベルを制御するもので
あり、乗算部251 〜253 の各出力信号は加算部34
で加算合成されて出力端子29から出力される。
【0072】制御部28はピッチ変換部241 〜243
のホルマント変更係数やピッチ変更係数、および乗算部
251 〜253 のレベル係数をそれぞれ個々に制御する
手段である。操作子20は各分割された帯域のピッチ変
換部241 〜243 毎に供給するパラメータ等を設定す
る。この設定状態は表示器36で表示されるので、確認
しながら設定することができる。
【0073】なお、上述のホルマント分析部30、ピッ
チ検出部26、帯域分割部32、ピッチ変換部241
243 、乗算部251 〜253 、加算部34は、本発明
ではDSP(ディジタル信号プロセッサ)で構成され
る。
【0074】図13には各ホルマントの係数を設定する
操作子20と表示器36の詳細な内容が示される。図中
の左側の数字1、2、3はそれぞれ第1ホルマント、第
2ホルマント、第3ホルマントを表しており、各ホルマ
ント毎に係数をそれぞれ設定することができる。ここ
で、300〜302は各係数を表示する表示器、31
0、311、320、321、330、331は表示器
に表示されている値をアップ/ダウンして設定するため
の操作子であり、それぞれの添字は第1、第2、第3ホ
ルマントを表示・操作することを表している。
【0075】すなわち、3101 〜3103 はそれぞれ
ピッチ変更係数をアップする操作子、3111 〜311
3 はそれぞれピッチ変更係数をダウンする操作子、32
1〜3203 はそれぞれホルマント変更係数をアップ
する操作子、3211 〜3213 はそれぞれホルマント
変更係数をダウンする操作子、3301 〜3303 はそ
れぞれレベル係数をアップする操作子、3311 〜33
3 はそれぞれレベル係数をダウンする操作子である。
また、3001 〜3003 は操作子3101 〜31
3 、3111 〜3113 で設定されたピッチ変更係数
を表示する表示器、3011 〜3013 は操作子320
1 〜3203 、3211 〜3213 で設定されたホルマ
ント変更係数を表示する表示器、3021 〜3023
操作子330 1 〜3303 、3311 〜3313 で設定
されたレベル係数を表示する表示器である。
【0076】この実施例装置の処理概要を説明する。入
力音声信号が入力端子23から入力されると、その音声
信号のホルマントがホルマント分析部30で分析され、
その分析結果に従って帯域分割部32の分割帯域が設定
され、それにより入力音声信号の主要なホルマントが帯
域分割部32でそれぞれ分割して抽出される。この実施
例では第1、第2、第3の三つのホルマントを主要なホ
ルマントとして分割している。
【0077】帯域分割部32で分割された音声信号の帯
域成分信号(第1、第2、第3ホルマント成分)はそれ
ぞれピッチ変換部241 〜243 に入力される。このピ
ッチ変換部241 〜243 では、操作子20によって第
1、第2、第3ホルマント毎にそれぞれ別々に設定され
たピッチ変更係数とホルマント変更係数およびピッチ変
換情報入力端子3から入力されたMIDI信号の音高情
報に従って、入力された帯域成分信号のピッチ変換を行
う。したがって、各ホルマント成分毎にピッチシフト量
とホルマントのシフト量が変えられてピッチ変換される
ことになる。
【0078】各ピッチ変換部241 〜243 からの出力
信号はそれぞれ乗算部251 〜25 3 に入力され、それ
ぞれ別々のレベル係数が乗算されて帯域成分信号の振幅
レベルが変えられる。このレベル係数はピッチ変換情報
入力端子3から入力されたMIDI信号のベロシティに
応じて設定される。よって、各ホルマント成分毎にピッ
チシフト量とホルマントのシフト量に加えて、その振幅
レベルも別々に調整される。
【0079】これらの乗算部251 〜253 の各出力信
号は加算部34によって加算される。したがって、第
1、第2、第3ホルマントの各帯域成分が再び一つの音
声信号に合成されて出力端子29から送出される。よっ
て、この合成され出力された音声信号は、単にホルマン
トを高域側または低域側にシフトさせたものに比べて複
雑なスペクトル分布になり、その結果、ピッチシフトを
行った場合にもピッチシフト後の音声信号が自然な感じ
に聞こえる。
【0080】以下、上述の動作を実現するための各処理
を詳細に説明する。図14にはCPU21で使用する各
レジスタ、すなわち操作子レジスタ、MIDIレジス
タ、制御部レジスタ、再生ピッチ情報レジスタが示され
る。このうち、操作子レジスタは後述の操作子検出処理
のフローチャート中で使用され、MIDIレジスタは後
述のMIDI割込み処理のフローチャート中で使用され
る。操作子レジスタと制御部レジスタはピッチ変更係
数、ホルマント変更係数、レベル係数毎に、それぞれ第
1、第2、第3ホルマントに対応して設けられてる。M
IDIレジスタはノート番号レジスタとベロシティ値レ
ジスタからなる。
【0081】図15はピッチ変換情報入力端子3からM
IDI信号が入力されたときのCPU22で行うMID
I割込み処理を示すフローチャートである。このMID
I割込み処理はピッチ変化情報入力端子3にMIDI信
号が入力される毎に割込みがかかり実行される。本実施
例の効果装置では、ノートオン/ノートオフ情報に含ま
れるノート番号でピッチの変換量(ピッチ変換後に再生
する音高)を指定し、ベロシティで音量を設定するよう
にしており、この設定を行うためにMIDI割込み処理
が実行される。
【0082】MIDI信号が入力されると、そのMID
I信号がノートオン/ノートオフ情報かを判定する(ス
テップS501)。ノートオン/ノートオフ情報でない
場合には、そのMIDI信号では上述のピッチ変換量と
音量の設定を行わないので、MIDI割込み処理を終了
する。
【0083】ノートオン/ノートオフ情報であった場合
には、入力されたMIDI信号に応じてノートオン/ノ
ートオフ情報のノート番号とベロシティ値を更新する
(ステップS502)。この更新は図14に示したMI
DIレジスタを更新することになる。さらにこの入力さ
れたMIDI信号(ノートオン/ノートオフ情報)がノ
ートオン情報かノートオフ情報かを判定し(ステップS
503)、ノートオン情報であれば、ノートオン情報の
ノート番号を再生指示用の再生指示ピッチ"SPITCH"に変
換し、制御部28に再生指示ピッチ"SPITCH"として出力
し(ステップS504)、制御部28でSPITCHレジスタ
に記憶される。なお、図示していないが、CPU22で
はノート番号を再生用のピッチ情報に変換するテーブル
を有しており、そのテーブルを使用してノート番号を再
生用のピッチ情報に変換している。
【0084】一方、入力されたMIDI信号がノートオ
フ情報であれば、このノート番号によるピッチ情報変換
処理(ステップS504)は行わず、次のステップS5
05の処理にジャンプする。これは、ノートオフ情報は
ノートオン情報の後で送られるものであるので、ノート
オフ情報が受信されたときにはそれと対をなすノートオ
ン情報の処理のときに既にピッチ情報変換処理を済まし
ているためである。
【0085】次に、カウンタnに1をセットする(ステ
ップS505)。このカウンタnは入力音声信号の主要
なホルマント成分毎に音量設定を行う処理(ステップS
506の処理)を行うためのもので、本実施例では主要
なホルマントを第1、第2、第3ホルマントの三つに分
けて処理しているから、n=3が最大値となる。この最
大値n=3になるまで、第nホルマントの音量設定処理
(ステップS506)を行うたびにnを一つずつインク
リメントし(ステップS508)、最大値n=3のとき
の音量設定処理が終了したと判定されたら(ステップS
507)、MIDI割込み処理を終了する。
【0086】音量設定処理(ステップS506)は、M
IDIレジスタのベロシティ値と操作子レジスタのレベ
ル設定値〔L(n) 〕を乗算し、その値を制御部28にL
(n)’として出力する。制御部28ではこの値はレベル
レジスタL(n) ’に記憶される。
【0087】次に、操作子検出処理を図16のフローチ
ャートを参照して説明する。この操作子検出処理は、所
定の周期で定期的に実行され、CPU22において操作
子20の設定状態を検出し、前回検出時から変化のあっ
た設定状態のみ、その結果を制御部28に転送して制御
部レジスタに設定する処理である。なお、上記所定の周
期とは、操作子の操作に対して実際の現象(ピッチ変換
信号のレベル変化等)が遅れたと感じない程度の周期で
ある。
【0088】まず、カウンタnに1を設定する(ステッ
プS601)。このカウンタnは前述同様に主要なホル
マントに対応してその数だけこの操作子検出処理(ステ
ップS602〜S610)を逐次に行うためのもので、
本実施例では第1、第2、第3ホルマントに対応してn
=3が最大値となる。このカウンタnは一つのホルマン
トの操作子検出処理が終了すると一つインクリメントさ
れ(ステップS612)、最大値n=3に対応する第3
ホルマントの操作子検出処理が終了したと判定されたら
処理を終了する(ステップS611)。以下、特にこと
わらない時にはnの値は最初は1で、一つのホルマント
の操作子検出処理が終了するたびに一つずつインクリメ
ントされるものとして説明を行う。
【0089】まず、第nホルマントのピッチ変更係数の
操作子310n 、311n の設定値p(表示器300n
に表示される値)を検出する(ステップS602)。す
なわち、最初のn=1のときには、第1ホルマントのピ
ッチ変更係数の操作子310 1 、3111 の設定値p
(表示器3001 に表示される値)を検出し、n=2、
3とインクリメントされると、第2ホルマントのピッチ
変更係数の操作子310 2 、3112 、第3ホルマント
のピッチ変更係数の操作子3103 、3113 の設定値
pを検出する。
【0090】次に、上記で検出した設定値pと操作子レ
ジスタp(n) の値を比較して、等しくなければ操作子3
10n 、311n が操作されたものと判断する(ステッ
プS603)。これは操作子レジスタp(n) には前回の
検索までの操作子310n 、311n の設定状態が設定
されているので、それと今回の検出値を比較して操作さ
れたかどうかを判断できる。
【0091】操作子310n 、311n が操作されたと
判断されると、今回の検出値pを操作子レジスタのp
(n) に記憶すると同時に、制御部28に転送して制御部
レジスタP-VR(n) に記憶する(ステップS604)。一
方、操作子310n 、311nが操作されていないと判
断されたときには、このステップS604の処理は行わ
ない。
【0092】次に、第nホルマントのホルマント変更係
数の操作子320n 、321n の設定値f(表示器30
n に表示される値)を検出する(ステップS60
5)。このnは前述のように、n=1から始まり、一つ
のホルマントの操作子検出処理が終わると、n=2、3
と逐次にインクリメントされる。
【0093】次に、上記で検出した設定値fと操作子レ
ジスタf(n) の値を比較して(ステップS606)、等
しくなければ操作子320n 、321n が操作されたも
のと判断する。前述同様、これは操作子レジスタf(n)
には前回の検索までの操作子320n 、321n の設定
状態が設定されているので、それと今回の検出値を比較
して操作されたかどうかを判断できる。
【0094】操作子320n 、321n が操作されたと
判断されると、今回の検出値fを操作子レジスタのf
(n) に記憶すると同時に、制御部28に転送して制御部
レジスタF-VR(n) に記憶する(ステップS607)。一
方、操作子320n 、321nが操作されていないと判
断されたときには、このステップS607の処理は行わ
ない。
【0095】次に、第nホルマントのレベル係数の操作
子330n 、331n の設定値L(表示器302n に表
示される値)を検出する(ステップS608)。このn
は前述のように、n=1から始まり、一つのホルマント
の操作子検出処理が終わると、n=2、3と逐次にイン
クリメントされる。
【0096】次に、上記で検出した設定値Lと操作子レ
ジスタL(n) の値を比較して(ステップS609)、等
しくなければ操作子330n 、331n が操作されたも
のと判断する。前述同様、これは操作子レジスタL(n)
には前回の検索までの操作子330n 、331n の設定
状態が設定されているので、それと今回の検出値を比較
して操作されたかどうかを判断できる。
【0097】操作子330n 、331n が操作されたと
判断されると、今回の検出値Lを操作子レジスタのL
(n) に記憶すると同時に、(ベロシティvelocity×設定
値L)の値を演算してその結果値を制御部28に転送し
て制御部レジスタL(n) ’に記憶する(ステップS61
0)。一方、操作子330n 、331n が操作されてい
ないと判断されたときには、このステップS610の処
理は行わない。
【0098】以上の処理(ステップS602〜610)
をカウンタnを一つずつインクリメントしつつ行い、n
=3での処理が終了したら本操作子検出処理を終了す
る。
【0099】図17、図18は本実施例の各ピッチ検出
部241 〜243 でそれぞれ行われる効果付加処理をD
SPのソフトウェアで行う場合のフローチャートであ
る。この図17、図18のフローチャートは前述の図
7、図8のフローチャートに対応するもので、同じ内容
の処理には同じステップ番号が付与されている。図1
7、図18のフローチャート中の括弧付き文字(n) は第
nホルマントの処理を行うピッチ検出部24n での処理
であることを示している。このnは1、2、3と逐次に
更新され、帯域分割数(ホルマント数)だけ効果付加処
理が繰り返される。このため、初めにn=1に設定し
(ステップS201)、第1ホルマントについての効果
付加処理が終了するとnを一つインクリメントして(ス
テップS204)、第2ホルマントについて同じ効果付
加処理を繰り返し、これをn=3まで行ったと判定した
ら(ステップS203)、処理を終了する。
【0100】図17、図18におけるステップS202
は図12の実施例における加算部34の処理に対応する
もので、波形読出し処理(ステップS19)での出力O
UT(n) をn=1〜3まで累計して累計出力Wとする。
この累計出力Wは効果付加処理の開始時に0にクリアさ
れる(ステップS201)。また、図17、図18のフ
ローチャートでは、ピッチ検出関係の処理(ステップS
2〜S4)は一度行えばよいので、n=1〜3を繰り返
すループの外側に配置している。図17におけるステッ
プS9’でピッチ変更係数P-VR(n) 等を入力する処理
は、制御部レジスタから入力する。また、このステップ
S9’ではレベル係数L(n) ’を入力する処理も追加さ
れている。
【0101】図19には波形読出し処理のフローチャー
トが示される。この図19のフローチャートは前述の図
9の波形読出し処理のフローチャートに対応するもの
で、同じ内容の処理には同じステップ番号が付与されて
いる。図中の括弧付き文字(n)は第nホルマントの処理
を行うことを示している。このフローチャートでは、レ
ベル係数を乗算するステップS916が新たに追加され
ている。このステップS916は図12の実施例装置に
おける乗算部251 〜253 に対応するものである。
【0102】図20には切出しアドレス更新処理のフロ
ーチャートが示される。この図20のフローチャートは
前述の図10の切出しアドレス更新処理のフローチャー
トに対応するもので、同じ内容の処理には同じステップ
番号が付与されている。図中の括弧付き文字(n) は第n
ホルマントの処理を行うことを示している。
【0103】図21には本発明の他の実施例が示され
る。この実施例は、上述の実施例を簡易構成にしたもの
である。相違点は、帯域分割部33が分割帯域が固定的
に設定されており、従って、この実施例ではホルマント
分析部30は備えられていない。固定設定された分割帯
域は、音声信号の平均的な第1、第2、第3ホルマント
の値になるようにしてある。他の構成・動作は前述の実
施例と同様である。この実施例は、ホルマント分析をし
ていないため、第1、第2、第3等のホルマントの位置
があまり移動しない場合に有効である。
【0104】なお、上述の各実施例におけるホルマント
の変化は、操作子20で設定したホルマント係数"F-VR"
によって変化するのみであるが、再生ピッチに対応して
変化するようにしてもよい。例えば、図17のステップ
S10の演算 LENGTH(n)← PITCH/F-VR(n) を LENGTH(n)← PITCH/〔 F-VR(n)× (α×SPITCH+β)
〕 にし、そして、図19のステップS906の演算 ADRS1 ←SADRS1(n) +PH1(n)×F-VR(n) と、ステップS913の演算 ADRS2 ←SADRS2(n) +PH2(n)×F-VR(n) とを、 ADRS1 ←SADRS1(n) +PH1(n)×〔F-VR(n) × (α×SPIT
CH+β)〕 ADRS2 ←SADRS2(n) +PH2(n)×〔F-VR(n) × (α×SPIT
CH+β)〕 としてもよい。ただし、α、βは予め決定しておく定数
であるが、操作子によって任意に設定できるようにして
もよい。また、以下のようにα、βをホルマント毎に異
ならせるようにすれば、より細かな制御が可能になり、
自然なピッチ変換した音声信号を得ることができる。 ADRS1←SADRS1(n) +PH1(n)×〔F-VR(n) × (α(n) ×S
PITCH+β(n) )〕 ADRS2←SADRS2(n) +PH2(n)×〔F-VR(n) × (α(n) ×S
PITCH+β(n) )〕
【0105】また、本願発明において、ホルマントの変
更を大きくすると、入力された音声信号に含まれていな
い周波数成分に変化することができ、入力音声信号とは
異なる音声信号に変化させることができ、他人の音声の
ようにもすることができる。
【0106】
【発明の効果】本発明によれば、オーディオ信号のピッ
チ変換に際してそのオーディオ信号のホルマントを元の
ものに近いものに保ちつつも複雑な変化を与えることが
できるので、より自然な感じのピッチ変換を行えるよう
になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】先に提案されたピッチ変換装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図2】ピッチ変換装置でのピッチ変換の一例を説明す
る波形図である。
【図3】ピッチ変換装置でのピッチ変換の他の例を説明
する波形図である。
【図4】ピッチ変換装置でのピッチ変換の他の例を説明
する波形図である。
【図5】ピッチ変換装置でのピッチ変換の他の例を説明
する波形図である。
【図6】ピッチ変換装置でのピッチ変換の他の例を説明
する波形図である。
【図7】ピッチ変換装置での効果付加処理(1/2)を
説明するフローチャートである。
【図8】ピッチ変換装置での効果付加処理(2/2)を
説明するフローチャートである。
【図9】ピッチ変換装置での波形読出し処理を説明する
フローチャートである。
【図10】ピッチ変換装置での切出しアドレス更新処理
を説明するフローチャートである。
【図11】ピッチ変換装置での切出しアドレス更新処理
を説明する波形図である。
【図12】本発明の一実施例としての効果装置を示すブ
ロック図である。
【図13】実施例装置の操作部の詳細構成を示す図であ
る。
【図14】実施例装置で用いる各種レジスタを示す図で
ある。
【図15】実施例装置でのMIDI割込み処理を説明す
るフローチャートである。
【図16】実施例装置での操作子検出処理を説明するフ
ローチャートである。
【図17】実施例装置での効果付加処理(1/2)を説
明するフローチャートである。
【図18】実施例装置での効果付加処理(2/2)を説
明するフローチャートである。
【図19】実施例装置での波形読出し処理を説明するフ
ローチャートである。
【図20】実施例装置での切出しアドレス更新処理を説
明するフローチャートである。
【図21】本発明の他の実施例としての効果装置を示す
ブロック図である。
【符号の説明】
20 操作子 22 CPU 26 ピッチ検出部 28 制御部 241 〜243 ピッチ変化部 251 〜253 乗算部 30 ホルマント分析部 32 帯域分割部 34 加算部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーディオ信号を入力する入力手段と、 前記入力オーディオ信号を分析して主要な複数のホルマ
    ントを検出するホルマント検出手段と、 前記ホルマント検出手段の検出結果に基づいて前記入力
    オーディオ信号の前記複数のホルマントを独立に抽出す
    るように通過周波数帯域を各々設定し、前記入力オーデ
    ィオ信号を前記複数の周波数帯域に分割して出力する帯
    域分割手段と、 前記入力オーディオ信号のピッチを検出するピッチ検出
    手段と、 ピッチシフト情報を入力するピッチシフト情報入力手段
    と、 ホルマントの変更の状態を設定するホルマント変更情報
    を前記帯域分割手段により分割された前記複数の周波数
    帯域毎に独立して入力するホルマント変更情報入力手段
    と、 前記帯域分割手段の複数の周波数帯域それぞれに対応し
    て設けられ、前記検出されたピッチに基づいて音素片を
    抽出し、前記音素片を前記ピッチシフト情報に対応した
    周期で、かつ前記ホルマント検出手段に基づいて設定さ
    れた前記複数の周波数帯域毎の前記ホルマント変更情報
    に従って複数の帯域毎に独立に読出し速度を変化させホ
    ルマントを変化させる処理を施して再生する複数のピッ
    チ変換手段と、 前記複数のピッチ変換手段の出力信号を合成する合成手
    段とで構成された効果装置。
  2. 【請求項2】前記帯域分割手段で分割された各帯域のオ
    ーディオ信号に対して振幅レベルの調整をそれぞれ独立
    に行う振幅レベル調整手段を更に備えた請求項1記載の
    効果装置。
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