JPH10115992A - 加熱定着ローラ - Google Patents

加熱定着ローラ

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JPH10115992A
JPH10115992A JP28920996A JP28920996A JPH10115992A JP H10115992 A JPH10115992 A JP H10115992A JP 28920996 A JP28920996 A JP 28920996A JP 28920996 A JP28920996 A JP 28920996A JP H10115992 A JPH10115992 A JP H10115992A
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JP
Japan
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fluororesin
fixing roller
heat fixing
layer
carbon fiber
Prior art date
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Pending
Application number
JP28920996A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Katabami
浩 方波見
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱定着ローラの離型性樹脂層の導電性、密
着性を保有しつつ、トナーが固着することなく、良好な
非粘着性が得られる、加熱定着ローラを提供することに
ある。 【解決手段】 電子写真式画像形成装置の定着装置に用
いる加熱定着ローラにおいて、アルミニウム又はアルミ
ニウム合金からなる芯金1表面に陽極酸化皮膜2を生成
した後、該陽極酸化被膜表面に炭素繊維粉末5を混入し
たフッ素樹脂を主成分とする接着層3を積層し、次に、
導電性カーボン6を混入したフッ素樹脂塗料を吹き吹
け、360〜420℃にて20〜40分間焼成すること
によりフッ素樹脂被膜4を形成した後で、該フッ素樹脂
皮膜の表面を円筒状のコロで押圧することにより製造し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱定着ローラに関
し、さらに詳しくは、複写機、プリンタ、ファクシミリ
等のように、電子写真方式等により記録シートに転写さ
れたトナー画像などを熱定着する画像形成装置に組み込
まれる加熱定着ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式を用いる装置、例えば、レ
ーザプリンタは、回転する感光体ドラムを有し、この感
光体ドラムの感光層を一様に帯電させた後でレーザ走査
ユニットからのレーザビームによって露光して静電潜像
を形成し、その静電潜像をトナーによって現像してトナ
ー像とし、そのトナー像を記録シート上に転写させ、さ
らにその記録シートを熱定着装置に通過させてトナー像
を熱定着するように構成されている。従来のこのような
熱定着装置においては、例えば、アルミニウムなどの中
空円筒体からなる芯金の外周面にトナーの粘着を防止す
るためのフッ素樹脂層などからなる粘着防止層を設けた
加熱定着ローラが使用されているが、このような加熱定
着ローラは芯金の中空部に回転中心線に沿ってハロゲン
ランプなどのヒータを配置し、その輻射熱によって加熱
定着ローラを内側から加熱するようになっている。そし
て加熱定着ローラと平行にこれに圧接する加圧ローラを
設けて、加圧ローラと加熱定着ローラとの間に記録シー
トを通過させることにより記録シート上に付着している
トナーを加熱定着ローラの熱により軟化させつつ、加圧
により記録シート上に定着させている。このように、複
写機等の画像形成装置の定着装置に用いられる加熱定着
ローラの外周面には、トナーを溶融、離型させるため
に、10〜30μmの厚さのフッ素樹脂被膜が形成され
ている。
【0003】また、アルミニウムや鉄等の金属製パイプ
から成る円筒状の芯金にフッ素樹脂被膜を形成した加熱
定着ローラに転写紙を搬送すると、転写紙にシワが形成
され易いので、加熱定着ローラの製造工程においては、
これを防止するため、切削や研削加工にて、芯金の軸方
向両端部の外径を中央部より大きくするツヅミ形状に加
工した後で、芯金表面をサンドブラストで粗面化するこ
とによりフッ素樹脂層との密着性を得るようにしてい
る。また、芯金をアルミニウムとする場合は、サンドブ
ラストで粗面化する他、陽極酸化被膜(アルマイト)を
生成する手法が用いられており、陽極酸化被膜を形成し
た場合には、サンドブラストだけの場合と比較してフッ
素樹脂層表面の粗さを良好にできるメリットがある。次
に、水溶性若しくは、粉末のフッ素樹脂塗料をスプレー
ガンでアルミニウム芯金上に吹付け、乾燥及び、焼成に
よってフッ素樹脂被膜を形成する。粉末のフッ素樹脂塗
料であれば、リサイクルでの使用が可能で、材料費を低
減できる。従来、焼成によって芯金上に形成したフッ素
樹脂被膜の表面は、サンドペーパーやバフ研磨によって
仕上げており、トナーに対する離型性を高めるために仕
上げ加工の後で再焼成を行っている。また、仕上げた加
熱定着ローラの表面に静電気によりトナーが付着するこ
とを防ぐ方法として、離型性樹脂層中に低抵抗物質を混
入させ、電気的に接地させる技術が特公昭58−236
26号公報に開示され、また、接着層(プライマー層)
に導電性物質を添加させて、接着層を表面に露出させる
技術が特開昭59−83181号公報に開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電子写真式
複写機には現像材料として使用するトナーとしてプラス
帯電させたものを用いるタイプがあり、このトナーはマ
イナス帯電している加熱定着ローラの表面に静電気力で
付着しやすい性質を有する。また、一般に加熱定着ロー
ラの離型性樹脂層にはフッ素樹脂を用いているが、フッ
素樹脂の被膜は1017オーム以上という高い電気抵抗を
有するため、フッ素樹脂にカーボン、金属酸化物等の無
機粉末を混入させて導電性を付与させることにより電気
抵抗を低減させて帯電を防止する方法は公知の技術とし
て用いられているが、フッ素樹脂のような高分子材料に
無機粉末を多量に混入させると、熱流動性が低下し、平
滑な離型性樹脂層表面が得られず、その結果、研磨によ
る表面加工工程の追加が必要となり、生産性の低下、コ
ストアップをもたらしている。また、近年の高画質化の
要請を満たすために、現像材料として微細トナーが多く
用いられるようになっているが、加熱定着ローラの離型
性樹脂層に金属酸化物や、グラファイト等の充填材を混
入させると、混入された充填材の表面に微細トナーが付
着し、ここに転写紙より発生する紙粉が介在すること
で、トナーが離型性樹脂層表面に固着して、オフセッ
ト、ひいては転写紙が巻き付くといった不具合が生じ
る。
【0005】上記特開昭59−83181号公報では、
芯金外周面上に接着層(プライマー層)を介してフッ素
樹脂層(離型性樹脂層)を積層して成る加熱定着ローラ
において、導電性物質を接着層に混入させた上で、この
接着層をフッ素樹脂層表面に析出させ、静電気的に付着
するオフセットを防止する方法が採られている。そし
て、接着層にはフッ素樹脂以外にも、接着性が良くフッ
素樹脂と同様の耐熱性を有したポリフェニレンサルファ
イド樹脂(PPS)や、ポリイミド樹脂(PI)をフッ
素樹脂と一緒に混入させているのが一般であり、これら
の樹脂を多く入れると接着性は向上するものの、これら
の樹脂をフッ素樹脂表面に析出させた場合にはフッ素樹
脂ほど良好な離型性が望めないため、離型性の点で問題
があり、オフセットが発生するといった問題がある。本
発明は上記に鑑みてなされたものであり、その課題は、
加熱定着ローラの離型性樹脂層の導電性、芯金に対する
密着性を保有しつつ、その表面にトナーが固着すること
なく、良好な非粘着性が得られる加熱定着ローラを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上記課題を解決する為、請
求項1の発明は、電子写真式画像形成装置の定着装置に
用いる加熱定着ローラにおいて、アルミニウム又はアル
ミニウム合金からなる芯金表面に陽極酸化皮膜を生成し
た後、該陽極酸化被膜表面に炭素繊維粉末を混入したフ
ッ素樹脂を主成分とする接着層を積層し、次に、導電性
カーボンを混入したフッ素樹脂塗料を吹付け、360〜
420℃にて20〜40分間焼成することによりフッ素
樹脂被膜を形成した後で、該フッ素樹脂皮膜の表面を円
筒状のコロで押圧することにより製造したことを特徴と
する。請求項2の発明は、上記陽極酸化皮膜の膜厚が1
5〜25μmであることを特徴とする。請求項3の発明
は、上記フッ素樹脂がPFAであることを特徴とする。
請求項4の発明は、上記接着層中における上記炭素繊維
粉末の混入量が、フッ素樹脂に対し、2〜5重量%であ
ることを特徴とする。請求項5の発明は、上記炭素繊維
粉末の長さが10〜30μmであることを特徴とする。
請求項6の発明は、上記フッ素樹脂被膜における上記導
電性カーボンの混入量が、フッ素樹脂に対し、1〜2重
量%であることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示した形態
例により詳細に説明する。本発明の特徴的な構成は、加
熱定着ローラにおいて、アルミニウム及び、アルミニウ
ム合金からなる芯金の表面に陽極酸化被膜を生成した
後、炭素繊維粉末を混入したフッ素樹脂を主成分とする
接着層を設け、次に該接着層上に導電性カーボンを混入
したフッ素樹脂塗料を吹き付けた上で、360〜420
℃にて20〜40分間、焼成を行った後、フッ素樹脂被
膜の表面に円筒状のコロを押し当てて、フッ素樹脂被膜
層を形成した点にある。以下、図1に示した本発明に係
る加熱定着ローラの断面構成に基づいて説明する。
【0008】本発明の形態例では、アルミニウム合金か
らなる芯金1の表面に、導電性カーボン6を混入した陽
極酸化被膜2を生成し、該陽極酸化被膜2の表面にPF
A(パーフルオロアルコキシ樹脂)を主成分とするプラ
イマー塗料をスプレーガンで吹付けてプライマー層3を
形成した後、このプライマー層3上に、PFAから成る
フッ素樹脂塗料をプライマー塗料の場合と同様にスプレ
ーガンで吹付けてフッ素樹脂層4を形成し、360〜4
20℃の雰囲気中に20〜40分、放置させた後、円筒
状のコロを外周面に押し当ててフッ素樹脂層4を完成さ
せた。該プライマー層3には、図示した如き形状の炭素
繊維粉末5が混入させてある。アルミニウム合金から成
る芯金1の表面に生成した陽極酸化被膜2は、芯金表面
に被覆しようとする被膜3、4(プライマー層3とフッ
素樹脂層4を含めた離型層)の下地処理手段として形成
されるものであり、特に被膜3、4の密着性を得る目的
で用いられている。ここで、陽極酸化被膜2が芯金と他
の被膜との密着性を保有することができる理由は、表面
に多数の微細な孔を有する陽極酸化被膜とアルミニウム
合金との熱膨張係数の違いにより、陽極酸化被膜に生じ
るクラックや上記孔2a内にプライマー塗料が入り込ん
で硬化することにより密着性が良くなることにある。
【0009】特に、本形態例では、プライマー層3中に
添加した炭素繊維粉末5を、陽極酸化被膜表面の孔やク
ラック2a内に、積極的に入り込ませて固定力を高めて
いる。即ち、本形態例では、フッ素樹脂層4の表面全体
を図示しない円筒状のコロ等の押圧手段により万遍なく
押圧することにより、この棒状の炭素繊維粉末が孔やク
ラック内に楔状に入り込み、陽極酸化被膜との密着をよ
り強固にして、アルミニウム合金の芯金1への導通によ
り接地による除電を行う効果がある。尚、陽極酸化被膜
層2の膜厚が厚ければ厚いほど、クラックの深さが膜厚
に応じて深くなり、更にクラックの幅、及び量も膜厚に
応じて多くなるため、楔状に入り込むプライマー樹脂量
が多くなり、その結果、密着力もより強固になる。ま
た、陽極酸化被膜層2の膜厚は、陽極酸化被膜の生成ま
での時間によって決まり、膜厚としては15〜25μm
の範囲が望ましいとされている。膜厚が15μm未満で
はクラックの量、及びクラックの幅も狭く、充分にプラ
イマー樹脂が入り込まず、十分な強度の密着が得られな
い。
【0010】次に、プライマー層3とフッ素樹脂層4を
含めた離型層全体の膜厚が厚くなり過ぎると、トナーへ
の熱伝導が押さえられるので、一般にプライマー層3の
膜厚は、芯金とフッ素樹脂層との密着を得るのに必要十
分な3〜8μmに設定されている。また、炭素繊維粉末
5が陽極酸化被膜2のクラック2a内に入り込むと、プ
ライマー層3を介してフッ素樹脂層4との間の導電効果
や、定着ローラにトナーによって接着しようとする転写
紙を分離させるために定着ローラに当接している分離爪
による摩耗を防止する効果も得られるが、炭素繊維粉末
の繊維長が10μm未満であると、プライマー層3とフ
ッ素樹脂層4との導通が不充分となる一方で、繊維長が
30μmを越えると円筒状のコロで押し当てた際に、フ
ッ素樹脂層の表面に炭素繊維粉末が露出してトナーの付
着が発生する不具合がある。従って、プライマー層中に
添加する炭素繊維粉末の大きさとしては、繊維径で8μ
m以下、繊維長10〜30μm程度が望ましい。
【0011】更に、炭素繊維粉末は、陽極酸化被膜のク
ラックに入り込み、プライマー層を介してフッ素樹脂層
と導通させる手段として機能するので、炭素繊維粉末の
混入量が2重量%未満では、クラックに入り込んでの芯
金への除電効果が得られず、5重量%を越えるとプライ
マー層中の樹脂分が減り、プライマー層としての機能で
ある密着性が低下する。このため、2重量%〜5重量%
の範囲が好ましい。導電性カーボン6の混入量は、フッ
素樹脂塗料に対し、1〜2重量%が好ましく、1重量%
未満ではフッ素樹脂中に充分、分散しきらず導電効果が
得られない。また、2重量%を越えると、逆にフッ素樹
脂の結晶粘度が上り平滑な表面が得られない。以上のよ
うに、アルミニウム芯金1の表面に生成させた陽極酸化
被膜層2上に炭素繊維粉末5を混入したプライマー層3
を積層し、さらにその上に導電性カーボン6を混入した
フッ素樹脂塗料を吹付けて、360〜420℃にて20
〜40分間、焼成を行うことによりフッ素樹脂層4を得
た。
【0012】上記のようにして得られた加熱定着ローラ
によれば、陽極酸化被膜2を生成した芯金2に、炭素繊
維粉末5を混入したプライマー層3を設けた表面に、導
電性カーボン6を微量に押さえたフッ素樹脂層4を被覆
し、円筒状のコロ等の押圧手段によりその表面を押圧す
ることにより完成されるので、芯金の離型層3、4との
密着性、導電性を保有しつつ、転写紙による紙粉、トナ
ーの付着によるオフセットを防止することができる。即
ち、本発明では、炭素繊維粉末5が芯金とフッ素樹脂層
4とを導通させる作用により、フッ素樹脂層4に混入す
る導電性カーボン6等の無機粉末の量を十分に少なく押
えることができたので、熱流動性の低下による平滑性の
低下を防止して、離型性樹脂層4の表面を平滑化するこ
とができるばかりでなく、これらが表面に露出すること
による微細トナーや紙粉の付着、オフセット、転写紙の
巻付きを防止できる。しかも、プライマー層3、フッ素
樹脂層4から成る離型層と芯金表面との密着力は、プラ
イマー層3中に混入した適量の炭素繊維粉末及びプライ
マー塗料が陽極酸化被膜2のクラックや孔に楔状に入り
込む現象を押圧手段による押圧により積極的に助長した
ので、十分に高いものとなる。また、接着層にPPSや
PI等を混入することにより接着性を高める必要がない
ので、PPSやPIが表面に析出した場合に発生する離
型性の低下を防止できる。
【0013】更に、炭素繊維粉末の繊維長が10μm未
満であると、プライマー層3よりフッ素樹脂層4との導
通が不充分となる一方で、繊維長が30μmを越えると
円筒状のコロで押し当てた際に、フッ素樹脂層の表面に
炭素繊維粉末が露出してトナーの付着が発生する不具合
があるが、炭素繊維粉末の個々の粒子の形状、長さを所
定の範囲内(繊維径:8μm以下、繊維長:10〜30
μm)に設定したので、このような不具合が発生するこ
ともない。なお、本発明は、画像形成装置等の事務機器
の定着装置に用いる定着ローラのみならず、熱可塑性樹
脂の製膜方法一般に適用可能である。
【0014】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
電子写真式の画像形成装置等の事務機器の定着装置に用
いる加熱定着ローラにおいて、アルミニウム、或はアル
ミニウム合金からなる芯金表面に陽極酸化被膜を生成し
た後で、炭素繊維粉末を混入したフッ素樹脂を主成分と
する接着層を設け、次に、その表面に導電性カーボンを
混入したフッ素樹脂塗料を吹付け、360〜420℃に
て20〜40分、焼成を行った後、フッ素樹脂被膜の表
面を円筒状のコロ等の押圧手段により芯金に向けて押圧
することで、表面が平滑で、導電性、密着性を保有する
加熱定着ローラを得ることができる。つまり、炭素繊維
粉末が芯金とフッ素樹脂層とを導通させる作用により、
フッ素樹脂層に混入する導電性カーボン等の無機粉末の
量を十分に少なく押えることができたので、熱流動性の
低下による平滑性の低下を防止して、離型性樹脂層の表
面を平滑化することができる。更に、無機粉末が表面に
露出することによる微細トナーや紙粉の付着、オフセッ
ト、転写紙の巻付きを防止できる。しかも、プライマー
層、フッ素樹脂層から成る離型層と芯金表面との密着力
は、プライマー層中に混入した適量の炭素繊維粉末及び
プライマー塗料が陽極酸化被膜のクラックや孔に楔状に
入り込む現象を押圧手段による押圧により積極的に助長
したので、十分に高いものとなる。また、接着層にPP
SやPI等を混入することにより接着性を高める必要が
ないので、PPSやPIが表面に析出した場合に発生す
る離型性の低下を防止できる。
【0015】また、請求項2の発明によれば、陽極酸化
被膜の膜厚を15〜25μmにすることでフッ素樹脂層
に密着性、平滑のある加熱定着ローラが得られる。即
ち、膜厚が15μm未満ではクラックの量、及びクラッ
クの幅も狭く、充分プライマー樹脂が入り込まず、十分
な強度の密着が得られないが、上記の範囲にすることに
より、密着性、平滑のある加熱定着ローラが得られる。
請求項3の発明によれば、フッ素樹脂にPFAを用いる
ことにより、密着性、平滑性のある加熱定着ローラを得
ることができる。請求項4の発明によれば、プライマー
層中における炭素繊維粉末の混入量をフッ素樹脂に対
し、2〜5重量%にすることで導電性と平滑性のある加
熱定着ローラが得られる。即ち、炭素繊維粉末は、陽極
酸化被膜のクラックに入り込み、プライマー層を介して
フッ素樹脂層と導通させる手段として機能するので、炭
素繊維粉末の混入量が2重量%未満では、クラックに入
り込んでの芯金への除電効果が得られず、5重量%を越
えるとプライマー層中の樹脂分が減り、プライマー層と
しての機能である密着性が低下する。
【0016】請求項5の発明によれば、炭素繊維粉末の
長さを10〜30μmにすることで転写紙による紙粉
や、トナーの付着しない加熱定着ローラが得られる。つ
まり、炭素繊維粉末の繊維長が10μm未満であると、
プライマー層とフッ素樹脂層との導通が不充分となる一
方で、繊維長が30μmを越えると円筒状のコロで押し
当てた際に、フッ素樹脂層の表面に炭素繊維粉末が露出
してトナーの付着が発生する不具合がある。このため、
上記の範囲が適正である。請求項6の発明によれば、導
電性カーボンの混入量をフッ素樹脂に対し、1〜2重量
%にすることで平滑なフッ素樹脂層が得られる。1重量
%未満ではフッ素樹脂中に充分に分散しきらず導電効果
が得られず、また、2重量%を越えると、逆にフッ素樹
脂の結晶粘度が上り平滑な表面性が得られないからであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一形態例に係る加熱定着ローラの断面
構成を示す拡大図。
【符号の説明】
1 芯金、2 陽極酸化被膜、2a クラック、3 プ
ライマー層、4 フッ素樹脂層、5 炭素繊維粉末、6
導電性カーボン。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真式画像形成装置の定着装置に用
    いる加熱定着ローラにおいて、アルミニウム又はアルミ
    ニウム合金からなる芯金表面に陽極酸化皮膜を生成した
    後、該陽極酸化被膜表面に炭素繊維粉末を混入したフッ
    素樹脂を主成分とする接着層を積層し、次に、導電性カ
    ーボンを混入したフッ素樹脂塗料を吹き付けて360〜
    420℃にて20〜40分間焼成することによりフッ素
    樹脂被膜を形成した後で、該フッ素樹脂皮膜の表面を円
    筒状のコロで押圧することにより製造したことを特徴と
    する加熱定着ローラ。
  2. 【請求項2】 上記陽極酸化皮膜の膜厚が15〜25μ
    mであることを特徴とする請求項1に記載の加熱定着ロ
    ーラ。
  3. 【請求項3】 上記フッ素樹脂がPFAであることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の加熱定着ローラ。
  4. 【請求項4】 上記接着層中における上記炭素繊維粉末
    の混入量が、フッ素樹脂に対し、2〜5重量%であるこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3に記載の加熱定着ロ
    ーラ。
  5. 【請求項5】 上記炭素繊維粉末の長さが10〜30μ
    mであることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記
    載の加熱定着ローラ。
  6. 【請求項6】 上記フッ素樹脂被膜における上記導電性
    カーボンの混入量が、フッ素樹脂に対し、1〜2重量%
    であることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5
    に記載の加熱定着ローラ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0981075A2 (en) * 1998-08-20 2000-02-23 Canon Kabushiki Kaisha Fixing roller and fixing apparatus

Cited By (2)

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EP0981075A2 (en) * 1998-08-20 2000-02-23 Canon Kabushiki Kaisha Fixing roller and fixing apparatus
EP0981075A3 (en) * 1998-08-20 2001-07-18 Canon Kabushiki Kaisha Fixing roller and fixing apparatus

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