JPH10114950A - 擁壁盛土の構築工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 地山や土地造成等に構築された擁壁上面部の
盛土を地震時の慣性力による破断亀裂を防ぐ事を目的と
する。 【構成】 地山や土地造成等に構築された擁壁背面側上
面部の盛土内に、一定間隔で層状に網を敷きつめる構築
工法である。該網によって地震時における擁壁背面側上
面部の盛土に生ずる破断亀裂に抵抗し、亀裂を防ぐ事が
可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、土地造成における地
震時の土砂破断亀裂防止をするための擁壁盛土構築工法
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来においては、擁壁の上面部に盛土を
する場合には、図５に示すように傾斜面を設ける場合
と、図６に示すように擁壁上面部に平行に盛土をする場
合がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図５及び図６に示す第
１、第２従来例の各擁壁盛土構築では、それぞれ次のよ
うに欠点があった。図５に示す第１従来例の擁壁盛土構
築においては、地震時に擁壁自体にも地震慣性力が働き
擁壁（１１）背面（１４）側上面（１５）部の盛土（１
２）にも擁壁（１３）と一体となって慣性力が作用す
る。その結果、擁壁（１１）背面（１４）上面（１５）
部の盛土（１２）に破断亀裂（１９）が生じる。図６に
示す第２従来例の擁壁盛土構築においても地震時に擁壁
自体も地震慣性力が働き同様な現象が生じて、擁壁（２
３）背面（２４）側上面（２５）部の盛土（２２）に破
断亀裂（２９）が生じ盛土（２２）が崩壊するという欠
点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本願発明の擁壁盛土構築
工法は、上記目的を達成する為の手段として次の構成上
の特徴を有している。すなわち、本願発明では擁壁背面
側上面部の盛土部内に網を一定間隔で層状に敷く。

【０００５】

【作用】本願発明の擁壁盛土構築工法では、網を擁壁背
面側上面部盛土部内に一定間隔に層状に敷きつめ、土の
せん断抵抗を挙動させる。つまり、地震時の慣性力に依
って生じる盛土の破断亀裂に抵抗する作用がある。

【０００６】

【実施例】図１〜図４を参照して本発明の実施例を説明
すると、図１及び図２には本発明の第１実施例、図３に
は第２実施例の擁壁盛土構築工法、図４には第３実施例
の擁壁盛土構築工法をそれぞれ示している。この実施例
の擁壁盛土構築工法は、それぞれ擁壁上面に盛土を敷設
する。

【０００７】図１及び図２に示す第１実施例の擁壁盛土
構築工法においては、擁壁上面部に盛土が斜面を形成
し、擁壁背面側上面部の盛土内に層状に網を敷きつめ
る。

【０００８】図３に示す実施例の擁壁盛土構築工法は、
基本的には上記第１実施例のものと同様であるが、図３
の擁壁盛土構築工法では次の点で第１実施例のものと異
なっている。図３の第２実施例の擁壁盛土構築工法で
は、盛土前面にコンクリートブロック等を施工し、前面
の急勾配の盛土前面を押さえている。擁壁背面側上面部
の盛土に網を層状に敷きつめて、地震時における地震慣
性力に依る土の破断亀裂に抵抗をする。

【０００９】図４の第３実施例の擁壁構築は、盛土前面
を擁壁の一部前面が垂直に立ち上がった構造で盛土の前
面のくずれを押さえている。該擁壁背面側上面部に盛土
が形成され、該盛土内に層状に網を敷きつめて地震時に
おける地震慣性力によって生じる盛土の破断亀裂に抵抗
する。

【００１０】

【発明の効果】本願発明は、地震時における従来の擁壁
盛土構築工法に比べて擁壁背面側上面部の盛土内に層状
に網を入れる事により盛土の破断亀裂を防ぐ効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の第１実施例に係る擁壁盛土構築工法
の要部斜視図。

【図２】図１の縦断面図

【図３】本願発明の第２実施例に係る擁壁盛土構築工法
の縦断面図。

【図４】本願発明の第３実施例に係る擁壁盛土構築工法
の縦断面図。

【図５】第１従来例の擁壁盛土構築工法の縦断面図。

【図６】第２従来例の擁壁盛土構築工法の縦断面図。

【符号の説明】

１は網、２は盛土、３は擁壁、４は擁壁背面、５は擁壁
上面、６は地山、７はコンクリートブロック。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】重力式擁壁として機能し得る大重量で且つ
   擁壁上面の奥行き厚さが擁壁底面の厚さより厚くなるよ
   うにした逆台形の擁壁（３）の背面（４）側上面（５）
   部の盛土内に網（１）を層状に敷く事を特徴とした擁壁
   構築工法。