JPH10114373A - 衣類カバー - Google Patents

衣類カバー

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JPH10114373A
JPH10114373A JP8264810A JP26481096A JPH10114373A JP H10114373 A JPH10114373 A JP H10114373A JP 8264810 A JP8264810 A JP 8264810A JP 26481096 A JP26481096 A JP 26481096A JP H10114373 A JPH10114373 A JP H10114373A
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JP
Japan
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cover
clothing
clothes
garment
light
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JP8264810A
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English (en)
Inventor
Akira Fujishima
昭 藤嶋
Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Teruo Fukita
輝雄 吹田
Koji Ueno
幸治 上野
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DAIKO DENKI KK
DAIKO ELECTRIC
Original Assignee
DAIKO DENKI KK
DAIKO ELECTRIC
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衣類に付着した悪臭成分を取り除くことがで
きるとともに、害虫や雑菌等の有害生物の繁殖を確実に
抑制し、しかも脱臭や防虫・抗菌機能を有する衣類カバ
ーを交換することなく恒久的に使用することができるよ
うにする。 【解決手段】 ハンガーHのフックH1を外部に突出さ
せた状態でハンガーHに懸けられた衣類Cを被覆し得る
ように構成し、上記衣類カバー1内に装填された衣類C
を清浄化する衣類清浄化用構造体3であって、上記ハン
ガーHのフックH1を懸けることによって衣類Cの内装
された衣類カバー1を吊持する吊持ポール43と、この
吊持ポール43を支持する衣類支持体4と、上記吊持ポ
ール43に吊持された衣類カバー1に光を照射する照明
器具53とを備えて形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣類を単に収納す
ることによって、衣類に付着した悪臭物質を取り除くこ
とができるとともに、害虫や雑菌等の有害生物の繁殖を
抑制する衣類カバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、収納された衣類の防虫のために、
箪笥や衣類箱等の収納容器内に防虫剤を装填することが
知られている。通常、防虫剤としてナフタリンやピレス
ロイド等の防虫性能の他に昇華性を有する物質が用いら
れ、収納容器内に防虫剤の昇華ガスを充満させることに
よって衣類に防虫処理を施すようにしている。また、収
納容器内に活性炭等の吸着剤が装填されることもあり、
これによって衣類に付着した悪臭物質から発散される悪
臭物質を吸着するようにしている場合もある。
【0003】また、近年、防虫剤や抗菌剤の混入された
不織布を合成樹脂性のフィルムで覆った二層構造のウェ
ブで衣類を包み込む衣類袋をつくり、この衣類袋に衣類
を収納することによって衣類に害虫が付いたり、黴が生
じたりするのを防止するようにしたものが出回ってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の箪笥
等の収納容器内に防虫剤を装填する防虫方式にあって
は、防虫剤は昇華によって消滅するため、常に収納容器
内での防虫剤の存在を確認しなければならず、管理が煩
雑であるという問題点を有している。さらに、防虫剤が
消滅すると、新たに購入して補給しなければならず、経
済的に不利である。また、防虫剤のみでは悪臭は除去さ
れないため、通常吸着剤と併用される場合が多いが、吸
着剤も破過すれば取り換えなければならず、経済的な負
担が大きい。
【0005】このことは、上記二層構造の衣類袋につい
ても当てはまり、不織布に担持させた防虫成分等が時間
の経過に伴って揮散してしまうため、ほぼ定期的に取り
換える必要があり、経済的に不利であるという問題点は
解決されない。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたものであり、衣類に付着した悪臭物質を
確実に取り除くことができるとともに、害虫や雑菌等の
有害生物の繁殖を確実に抑制することが可能であり、し
かも脱臭や防虫・抗菌機能を有する部材を交換すること
なく恒久的に使用することができる衣類カバーを提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
衣類カバーは、光の照射を受けることにより悪臭物質を
分解するとともに防虫・抗菌力を発揮する光触媒、およ
び悪臭物質を吸着する吸着剤の内、少なくとも光触媒を
担持した通気性を有するシート体が形成され、このシー
ト体によって衣類を被覆し得る袋状のカバー本体が形成
されていることを特徴とするものである。
【0008】請求項1記載の衣類カバーによれば、衣類
をカバー本体内に収納した状態で、カバー本体に人工光
や太陽光を照射することにより、カバー本体を構成する
シート体に担持された光触媒が活性化して衣類に付着し
ている悪臭物質を分解し、これによって衣類の悪臭が消
去されるとともに、光を照射された光触媒の防虫・抗菌
力により衣類に付着している害虫や雑菌の繁殖が抑制さ
れ、これらによって衣類は清浄化処理される。
【0009】また、シート体に吸着材を担持させること
により、衣類に付着している悪臭物質の揮発物が吸着剤
に吸着され、衣類からの悪臭の拡散が防止される。
【0010】さらに、光触媒は光を照射することによっ
て悪臭物質を分解する機能を有しているとともに、光触
媒自身は悪臭物質を取り込んで分解性能が低下するとい
うものではないため、吸着剤のみを用いた場合は、吸着
剤が破過に達すると脱臭性能が消滅するのに対し、光触
媒は半永久的な寿命を有し、光の照射で常に脱臭および
防虫・抗菌効果を発揮することができる。そして、シー
ト体そのものや吸着剤に吸着された煙草の煙成分等の悪
臭物質は、シート体に光を当てることで光触媒の作用に
より分解されるため、吸着剤を含めたシート体そのもの
が再生処理される。従って、適宜カバー本体は天日乾し
したり、人工光を照射することで繰り返し使用が可能に
なる。
【0011】本発明の請求項2記載の衣類カバーは、請
求項1記載の衣類カバーにおいて、上記光触媒は、0.
5〜5eVの禁止帯幅を有する酸化亜鉛、酸化タングス
テン、酸化チタン、および酸化セリウムの内の一種であ
るか、または二種以上を組み合わせたものであることを
特徴とするものである。
【0012】このような禁止帯幅を有する酸化亜鉛、酸
化タングステン、酸化チタン、あるいは酸化セリウムを
光触媒として用いることにより、光を照射した状態での
悪臭物質の分解が確実に行われる。
【0013】本発明の請求項3記載の衣類カバーは、請
求項1または2記載の衣類カバーにおいて、上記吸着剤
は、活性炭、活性白土、ゼオライト、セピオライト、シ
リカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、シリカ酸化亜鉛複合
物、シリカ−酸化マグネシウム複合物、複合フィロケイ
酸塩、および酸化マグネシウム−酸化亜鉛複合物の内の
一種であるか、または二種以上を組み合わせたものであ
ることを特徴とするものである。
【0014】請求項3記載の衣類カバーによれば、吸着
剤として使用される活性炭、活性白土、ゼオライト、セ
ピオライト、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、シリ
カ酸化亜鉛複合物、シリカ−酸化マグネシウム複合物、
複合フィロケイ酸塩、または酸化マグネシウム−酸化亜
鉛複合物は、いずれも比表面積が大きいミクロポアーを
有しており、衣類から発散される臭気成分を吸着除去す
るのに適している。そしてこのような吸着材を光触媒と
併用することによって、それらの相乗作用でより良好な
衣類の清浄化が達成される。
【0015】本発明の請求項4記載の衣類カバーは、請
求項1乃至3のいずれかに記載の衣類カバーにおいて、
上記シート体は、織製品であることを特徴とするもので
ある。
【0016】請求項4記載の衣類カバーによれば、織製
品は安価であるとともに、袋状のカバー本体への加工も
容易であり、しかも、繊維と繊維との間の微細な隙間空
間に光触媒や吸着剤を容易に担持させることが可能であ
り、さらに繊維間の隙間を通して光がカバー本体の内側
にも照射され、加えて空気の流通が良好に行われる等、
カバー本体の材料として優れている。なお、織製品に
は、織製品の他に紙製品や不織布等も含まれる。
【0017】本発明の請求項5記載の衣類カバーは、請
求項1乃至4のいずれかに記載の衣類カバーにおいて、
上記カバー本体は、1着の衣類を被覆し得る大きさに寸
法設定されていることを特徴とするものである。
【0018】請求項5記載の衣類カバーによれば、衣類
をカバー本体内に1着ずつ収納した状態で各カバー本体
に光を照射することにより各衣類はそれぞれのカバー本
体内で清浄化される。
【0019】本発明の請求項6記載の衣類カバーは、請
求項5記載の衣類カバーにおいて、上記カバー本体は、
上記シート体の裁断によって得た、衣類の形状に合致し
た展開シートを下部が開放状態になるように袋状に折り
畳み、上方の当接縁部を接合することによって形成され
ていることを特徴とするものである。
【0020】本発明の請求項7記載の衣類カバーは、請
求項5記載の衣類カバーにおいて、上記カバー本体は、
上記シート体の裁断によって得た、衣類の形状に合致し
た展開シートを袋状に折り畳み、互いに当接した上縁部
および下縁部を接合することによって形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0021】請求項6および7記載の衣類カバーによれ
ば、衣類の形状に合致した展開シートを折り畳んで所定
の縁部を接合することによりカバー本体が得られ、カバ
ー本体の製造が容易である。また、接合されていない開
口からカバー本体内に容易に衣類を装填することがで
き、衣類が装填された状態で、衣類の全面がカバー本体
の内面に接触して覆われた状態になり、衣類に付着して
いる悪臭物質の光触媒による分解が容易にかつ均一に行
われる。
【0022】本発明の請求項8記載の衣類カバーは、請
求項1乃至4のいずれかに記載の衣類カバーにおいて、
上記カバー本体は、複数着の衣類を被覆し得る大きさに
寸法設定されていることを特徴とするものである。
【0023】請求項8記載の衣類カバーによれば、複数
の衣類を一つのカバー本体に収納した状態で、カバー本
体に光を照射することにより、カバー本体内の複数の衣
類が一括して清浄化される。
【0024】本発明の請求項9記載の衣類カバーは、請
求項6または7記載の衣類カバーにおいて、上記カバー
本体は、ハンガーのフックを外部に突出させた状態でハ
ンガーに懸けられた衣類を被覆し得るように形成され、
衣類を被覆したカバー本体が、支持体に支持された衣類
吊持体に上記フックを介して吊持された状態で光照射手
段からの光の照射を受け得るように構成されていること
を特徴とするものである。
【0025】請求項9記載の衣類カバーによれば、衣類
をハンガーに装着してカバー本体によって被覆し、ハン
ガーを衣類吊持体に懸けることにより、カバー本体に包
まれた衣類が衣類吊持体に吊持された状態になる。この
状態で光照射手段からの光をカバー本体に照射すること
により、カバー本体を構成しているシート体に担持され
た光触媒が励起して触媒機能を発揮し、これによって衣
類に付着している煙草の臭い成分や体臭の成分等の悪臭
物質が分解され、衣類から発散する悪臭が取り除かれ
る。また、シート体に吸着剤が担持されている場合に
は、上記悪臭物質自体が吸着剤に吸着されて脱臭される
とともに、上記光触媒によって悪臭物質からの分解物質
も吸着される。また、光を照射することによる光触媒の
活性化によって衣類に付着した雑菌等の微生物や害虫が
光触媒を忌避するため、優れた防虫・抗菌効果が得ら
れ、これによって衣類を清浄に復元することが可能にな
る。
【0026】本発明の請求項10記載の衣類カバーは、
請求項9記載の衣類カバーにおいて、上記支持体は、平
面視で矩形状の基礎枠体と、この基礎枠体の互いに対向
する縁部に立設された一対の支柱とを備えて形成され、
上記衣類吊持体は、上記一対の支柱の頂部間に架橋され
た棒状の吊持ポールによって形成され、上記光照射手段
は、装着片を介して上記吊持ポールに着脱自在に装着さ
れる中心軸と、基端側がこの中心軸回りの回動自在に軸
支されたU字形状の照明器具固定アームと、この照明器
具固定アームの先端側に姿勢変更可能に取り付けられた
照明器具とを備えて形成されていることを特徴とするも
のである。
【0027】請求項10記載の衣類カバーによれば、衣
類を内包したカバー本体を、ハンガーのフックを介して
吊持ポールに吊り懸けた状態で、照明器具を点灯するこ
とにより、光源からの光がカバー本体の表面に満遍なく
当るようになるため、カバー本体を介した衣類に対する
均一な清浄化処理が実現する。
【0028】本発明の請求項11記載の衣類カバーは、
請求項10記載の衣類カバーにおいて、上記支柱は高さ
寸法が調節可能に構成され、上記照明器具固定アーム
は、中心軸の軸心を中心とした径方向の長さ寸法が調節
可能に構成されていることを特徴とするものである。
【0029】請求項11記載の衣類カバーによれば、支
柱の高さを調節することによって吊持されたカバー本体
の上下寸法に対応することができるとともに、アームの
長さ寸法を調節することによって吊持されたカバー本体
の水平寸法に対応することが可能になる。
【0030】本発明の請求項12記載の衣類カバーは、
請求項8記載の衣類カバーにおいて、カバー本体は、衣
類を吊持して収納する衣類ラックのフレームを取り囲む
ように形成され、上記衣類ラックの内側には吊持された
カバー本体に光を照射する光照射手段が設けられている
ことを特徴とするものである。
【0031】請求項12記載の衣類カバーによれば、衣
類を内包したカバー本体を、衣類ラックに収納した状態
で、光照射手段を点灯することにより、光源からの光が
カバー本体の表面に満遍なく当るようになるため、カバ
ー本体を介した衣類に対する均一な清浄化処理が実現す
る。また衣類ラック内に請求項5乃至7に記載のカバー
本体に被覆された衣類を収納することにより、衣類の清
浄化効果はさらに向上する。
【0032】本発明の請求項13記載の衣類カバーは、
請求項12記載の衣類カバーにおいて、上記光照射手段
は、少なくとも上記衣類吊持体に吊持された衣類吊持列
に沿うように衣類ラック内の上部と底部とに設けられて
いることを特徴とするものである。
【0033】請求項13記載の衣類カバーによれば、光
照射手段からの光は、衣類ラック内の上部と、衣類ラッ
ク内の底部とから衣類カバーに照射されるため、衣類カ
バーは死角が生じない状態で満遍なく光を受ける。
【0034】本発明の請求項14記載の衣類カバーは、
請求項9乃至11のいずれかに記載の衣類カバーにおい
て、上記光照射手段は、光の照射方向を変更し得るよう
に構成されていることを特徴とするものである。
【0035】請求項14記載の衣類カバーによれば、光
照射手段の光照射方向を調節することによってカバー本
体により効果的に、かつ、均一に光を照射し得るように
なる。
【0036】本発明の請求項15記載の衣類カバーは、
請求項9乃至11のいずれかに記載の衣類カバーにおい
て、上記光照射手段は、紫外線を照射する光源を有して
いることを特徴とするものである。
【0037】請求項15記載の衣類カバーによれば、紫
外線の照射によって光触媒の光反応がより顕著に行われ
る。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る第1実施形
態の衣類カバーを示す説明図であり、(イ)は展開図、
(ロ)は組立図である。衣類カバー(カバー本体)1
は、繊維材料からなるシート体2によって形成されてい
る。このシート体2を、図1の(イ)に示すように、背
広等の衣類Cの寸法に合わせて裁断することによって展
開シート21が形成され、この展開シート21を組み立
てることによって図1の(ロ)に示すような衣類カバー
1が形成されている。
【0039】上記展開シート21は、中央部に上下方向
に延びる後身ごろ部22が形成されているとともに(図
1の(イ))、この後身ごろ部22の左右両側部に一対
の前身ごろ部23が形成され、これら前身ごろ部23と
上記後身ごろ部22との境界部分を谷折りに折り返すこ
とによって図1の(ロ)に示す衣類カバー1の形状が得
られるように展開シート21は形状設定されている。
【0040】後身ごろ部22の上縁部22aは、中央部
から左右に先下がりに傾斜されているとともに、各前身
ごろ部23の上縁部23aは上記境界部分から先上がり
に傾斜され、これによって展開シート21を折り畳んで
衣類カバー1にした状態で衣類カバー1の上縁部が、図
1の(ロ)に示すように、衣類Cの肩線に合致し得るよ
うにしている。
【0041】そして、後身ごろ部22および前身ごろ部
23の各上縁部22a,23aには後身ごろ部22の中
央上縁部およびそれに対応した部分を外した状態で所定
幅寸法の上部糊代24が設定されているとともに、前身
ごろ部23の上部の側縁部には側部糊代25が設定さ
れ、展開シート21を折り畳んだ状態でこれら糊代2
4,25が互いに接合されることによって衣類カバー1
が形成されている。
【0042】糊代24,25の接合については、シート
体2が熱可塑性樹脂で形成されている場合には、糊代2
4,25同士を積層した状態でウェルダー装置を用いて
熱溶着するヒートシール方式が好適に適用される。ま
た、糊代24,25に所定の接着剤を付与して接着する
ようにしてもよい。さらに、別途用意した粘着テープに
よって糊代24,25を粘着してもよいし、縫製で接合
してもよい。
【0043】衣類カバー1が形成された状態で、衣類カ
バー1の上縁部にはフック孔11が形成されているとと
もに、前身ごろ部23の下部は左右に観音開き状にめく
ることができるようになっており、これによってハンガ
ーHに懸けられた衣類Cを衣類カバー1内に装着し易く
しているとともに、衣類カバー1内に装着されたハンガ
ーHのフックH1をフック孔11から外部に突出させる
ことができるようになっている。
【0044】本実施形態においては、上記シート体2は
空気が良好に流通するように織り目の目寸法が設定され
た酢酸ビニル系の繊維の織製品で形成されている。そし
て、このシート体2には、光の照射で活性化して悪臭物
質を分解するとともに、防虫・抗菌機能を発揮する光触
媒と、悪臭物質を吸着除去する吸着剤とが担持されてい
る。
【0045】上記シート体2は、酢酸ビニル系の繊維の
織製品であることに限定されるものではなく、光触媒や
吸着剤を安定して担持することができ、かつ、良好な通
気性を有する繊維物質であればどのようなものでも適用
可能であり、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等
のオレフィン系の樹脂、ポリエステル系の樹脂、スチレ
ン酢酸ビニル共重合体、ポリアミド系の樹脂、ポリアク
リロニトリル、アクリライン、オーロン、ダイネル、ベ
レン等のアクリル系の樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリスチレン、ポリビニルエーテル、ポリ
ビニルケトン、ポリエーテル、ポリビニルアルコール系
の樹脂、ジエン樹脂、ポリウレタン系の樹脂等からなる
合成繊維を織製した織製品を適用することが可能であ
る。
【0046】また、木材パルプや麻パルプ等を原料にし
たパルプ製品(紙製品)をシート体2に適用することも
可能であり、さらにエスパルト、木綿繊維等の天然繊維
や、レーヨン繊維、アセテート繊維等の合成繊維、再生
繊維、半合成繊維、加えて炭素繊維、ガラス繊維、アル
ミナ繊維等の無機繊維をも適用可能である。また、繊維
形態であればその断面形状に限定はなく、円形の他、楕
円形、三角形、星型、T型、Y型、葉状等、種々の異型
断面形状のものも適用可能である。また、繊維表面に空
隙を有するものや、枝分かれ構造のもの、芯鞘構造のも
の等であってもよい。
【0047】上記光触媒は、0.5〜5eV、好ましく
は1〜4eVの禁止帯幅を有する半導体であって、煙草
の煙成分や各種の悪臭物質を分解し得る光触媒作用を備
えたものが好適に使用される。具体的には、酸化亜鉛、
酸化タングステン、酸化チタン、酸化セリウムを挙げる
ことができる。特に酸化チタンは、構造的な安定性や、
光触媒としての悪臭物質分解能力、さらには取り扱い上
の安全性の面で生活空間内で使用するのに最適であり、
本発明への適用には優れている。
【0048】かかる光触媒は、自然光や人工光が照射さ
れると光励起して活性化し、これによって主に硫黄化合
物からなる悪臭物質の分解能を発揮するとともに、害虫
や微生物に作用して殺虫・殺菌効果を発揮する性質を有
している。本発明においては、このような光触媒は、微
粉状に粉砕された多孔質のものが用いられる。多孔質の
ものが用いられるのは、光触媒の悪臭物質分解性能が比
表面積に比例するからである。この比表面積は、光触媒
の1g当りについて50m2以上であることが好まし
い。
【0049】このような光触媒がシート体2に担持され
る担持量は、通常0.5〜30重量%に設定され、好ま
しくは2〜20重量%に設定される。光触媒の担持量が
上記のように設定されるのは、上記範囲未満であると、
悪臭物質の実質的な分解効果を得ることができず、逆に
上記範囲を越えると、光触媒をシート体2に強固に担持
させることができなくなり、粉落ちするからである。
【0050】上記吸着剤は、本実施形態においては比表
面積が500m2/g以上の粉末活性炭(100メッシ
ュ以下品)が用いられているが、本発明は、吸着剤が活
性炭であることに限定されるものではなく、活性白土、
ゼオライト、セピオライト、シリカ−アルミナ−酸化亜
鉛複合物、シリカ酸化亜鉛複合物、シリカ−酸化マグネ
シウム複合物、複合フィロケイ酸塩、および酸化マグネ
シウム−酸化亜鉛複合物等を用いることも可能である。
またこれらの二種以上の混合物やこれらと活性炭との混
合物を適用してもよい。なお、活性炭以外のこれらの吸
着剤に良好な脱臭機能を果たさせるためには、これらの
吸着剤が少なくとも100m2/gを越える比表面積を
有していることが望まれる。
【0051】また、吸着剤として活性炭を用いた場合、
その粒径は30μm以下で、特に0.05〜19μmの
ものが好適である。吸着剤として活性炭以外のものを用
いた場合には、粒径が0.05〜50μmのものが用い
られ、特に0.1〜10μmのものが好適に使用され
る。
【0052】このような吸着剤は、シート体2に対する
重量割合で通常1〜20重量%であり、かつ、光触媒と
の重量割合での混合比が、光触媒:吸着剤=1:30〜
40:1、好ましくは1:10〜10:1になるように
割合設定されてシート体2に担持されるようにしてい
る。
【0053】そして、上記のような光触媒および吸着剤
は、シート体2の製造時にシート体2に添加され、これ
によってシート体2の微細な繊維の隙間部分に入り込
み、安定した状態で繊維間に保持された状態になってい
る。
【0054】第1実施形態の衣類カバー1によれば、図
1の(ロ)に示す衣類カバー1の裾部をめくってここか
らハンガーHに懸けた衣類Cを衣類カバー1内に装着
し、フックH1を衣類カバー1のフック孔11から外部
に突出させることによって衣類Cは衣類カバー1に被覆
装着された状態になる。この衣類Cが内装された衣類カ
バー1のフックH1を、適所に吊設されたロープやポー
ルに係止した状態で自然光(太陽光)や人工光(白熱
灯、蛍光灯、紫外線灯など)を照射することにより、シ
ート体2に担持された光触媒が光励起で活性化し、これ
によって衣類Cに染み着いた煙草の悪臭物質等の悪臭物
質が分解するため、衣類Cから発する悪臭は消滅する。
そして、上記悪臭物質の分解によって形成された分解ガ
スは、吸着剤によって吸着除去されるため、たとえ光触
媒による悪臭物質の分解で有害ガスあるいは悪臭ガスが
発生しても、これらによって室内が汚染されることはな
い。
【0055】そして、衣類カバー1への光の照射を継続
することにより、一旦吸着剤によって吸着された悪臭物
質が光触媒によって分解されるとともに、最終的には上
記有害ガスも無害なガス成分(酸素、窒素、水素)と固
体成分(炭素、硫黄)とに分解され、ガス成分は揮散す
るとともに、固体成分は吸着剤のミクロポア内にディポ
ジットし、ディポジットする固体成分の量は極めて少量
であることから、吸着剤は再生された状態になる。従っ
て、衣類カバー1に光を照射し続けることによって衣類
カバー1は再生されて再使用が可能になるため、衣類カ
バー1は半永久的に使用することができる。
【0056】図2は、本発明に係る第2実施形態の衣類
カバー1aを示す説明図であり、(イ)は展開図、
(ロ)は組立図である。第2実施形態においては、シー
ト体2は第1実施形態と同様のものが用いられ、これを
裁断して得る展開シート21aの形状も第1実施形態の
ものと同様であるが、糊代の形成場所が第1実施形態の
ものとは異なっている。すなわち、第2実施形態におい
ては、図2の(イ)に示すように、後身ごろ部22およ
び各前身ごろ部23の上縁部に形成される上部糊代24
については第1実施形態と同様であるが、各前身ごろ部
23の側縁部に側部糊代25を設ける代わりに、後身ご
ろ部22および各前身ごろ部23の下端縁部に下部糊代
26が設けられている。
【0057】従って、展開シート21aを折り畳んで各
糊代24,26を互いに接合することによって衣類カバ
ー(カバー本体)1aを形成させると、図2の(ロ)に
示すように、衣類カバー1aの中央部で上下方向に延び
た衣類出入れ口12が形成された状態になる。従って第
2実施形態の衣類カバー1aにおいては、二点鎖線で示
すように、衣類Cは衣類カバー1aに対してこの衣類出
入れ口12を押し広げることによって出し入れされる。
【0058】第2実施形態の衣類カバー1aによれば、
衣類カバー1aの下端縁部が閉止されているため、衣類
カバー1aに装着された衣類Cは、その下端部が衣類カ
バー1aの内面に接触した状態になり、これによって脱
臭効果が向上する。
【0059】そして、以下説明する衣類清浄化用構造体
は、上記衣類カバー1,1aによって被覆された衣類C
を、より効率的に清浄化するためのものである。
【0060】図3は、第1実施形態の衣類清浄化用構造
体を示す斜視図であり、図4は、図3のA線視図であ
る。これらの図に示すように、衣類清浄化用構造体3
は、衣類カバー1,1aに内装された衣類Cを吊持する
衣類支持体4と、この衣類支持体4に着脱自在に装着さ
れる光照射手段5とを備えて構成されている。
【0061】上記衣類支持体4は、パイプを折り曲げて
平面視で矩形状になるように形状設定した基礎枠体41
と、この基礎枠体41の互いに対向した両側部に立設さ
れた一対の支柱42と、これら一対の支柱42の頂部間
に架橋された水平方向に延びる吊持ポール43とを備え
て形成されている。また、上記支柱42は、基礎枠体4
1に溶接その他で固定されたパイプ状の固定支柱42a
と、この固定支柱42aに摺接状態で上下動可能に嵌装
された可動支柱42bとからなり、可動支柱42bの上
下動で支柱42の高さ寸法を調節し得るようにしてあ
る。
【0062】そして、固定支柱42aの外周面の適所に
は、ねじ込むことによって先端部が可動支柱42bに当
接して可動支柱42bの上下動を阻止するとともに、ね
じ戻すことによって上記上下動の阻止が解除されるねじ
込み式のストッパ42cが螺着されており、このストッ
パ42cの操作によって所望の高さ寸法に設定された可
動支柱42bのずり落ちが規制されるようにしている。
【0063】また、基礎枠体41の四隅部の底部には、
それぞれ移動用のキャスター44が取り付けられ、これ
らキャスター44によって衣類清浄化用構造体3を任意
の場所に移動させ得るようになっている。また、各可動
支柱42bの頂部には、互いに対向した面に吊持ポール
43に外嵌される外嵌孔の設けられたベンド部材42d
が固定され、上記吊持ポール43は、両端部がこれらベ
ンド部材42dの外嵌孔に嵌入されてねじ止めされ、こ
れによって自軸心回りの回動が阻止された状態で支柱4
2間に装着されている。
【0064】上記光照射手段5は、吊持ポール43に対
応した中心軸51と、この中心軸51に取り付けられた
一対の照明器具固定アーム52と、これら一対の照明器
具固定アーム42に支持された照明器具53とからなっ
ている。
【0065】上記中心軸51は、中央部寄りの部分に長
手方向一対の装着片51aを有している。この装着片5
1aは、光照射手段5を上記吊持ポール43に結合する
ための部材であり、板ばね材が中央部で折り曲げられ形
成されている。そして、折り曲げることによって互いに
対向した部分に吊持ポール43の外径寸法に等しい曲率
を有する円弧凹部51bが凹設されているとともに、こ
れら円弧凹部51bの下部に先端側に向かうに従って互
いの距離が離間するように折り曲げられた案内片51c
が延設されている。
【0066】このような装着片51aが、上部から跨い
だ状態で中心軸51に嵌め込まれ、溶接その他で中心軸
51に固定されている。そして案内片51cに案内させ
て左右の円弧凹部51bを押し広げつつ装着片51aを
吊持ポール43に外嵌することによって吊持ポール43
が左右の円弧凹部51bに嵌まり込み、これによって吊
持ポール43が円弧凹部51bに押圧挟持された状態で
光照射手段5が吊持ポール43に取り付けられるように
してある。
【0067】上記各照明器具固定アーム52は、平面視
でU字形状を呈し、両端部が中心軸51に接続された状
態で中心軸51から放射状に突設されている。各照明器
具固定アーム52は、中心軸51に外嵌された一対の筒
体52aと、これら筒体52aの外周面から軸心の延び
る方向に対して直交する方向に突設された一対の固定ア
ーム52bと、この固定アーム52bに摺接状態で出没
自在に嵌入された一対の可動アーム52cと、これら一
対の可動アーム52cの先端部間に架橋されて水平アー
ム52dとを備えて形成されている。
【0068】上記水平アーム52dの両端部には雄ねじ
が螺設されているとともに、各可動アーム52cの先端
部には上記雄ねじが挿通される挿通孔の穿設された水平
アーム支持部52eが設けられ、上記左右の雄ねじを一
対の水平アーム支持部52e挿通孔に挿通した状態でナ
ット52fで締結することにより水平アーム52dが一
対の可動アーム52cに取り付けられるようにしてい
る。
【0069】また、各筒体52aには、外周面から内周
面に貫通したねじ孔が螺設され、このねじ孔に雄ねじか
らなるストッパ52gが螺着され、このストッパ52g
の締結によって照明器具固定アーム52の中心軸51回
りの回動を阻止し得るようにしている。
【0070】上記照明器具53は、上記のような水平ア
ーム52dに着脱可能に装着されている。図5は、照明
器具53の一実施形態を示す一部切欠き斜視図であり、
図6は図5のB−B線断面図である。これらの図に示す
ように、照明器具53は、器具本体54と、この器具本
体54に保持される蛍光灯等の光源55とを備えて形成
されている。上記器具本体54は、円盤状を呈した一対
の光源支持部材54aと、これら光源支持部材54aを
互いに連結する連結管54bと、光源55から照射され
る光を反射する反射板54cとを備えている。上記連結
管54bの内径は、上記水平アーム52dの外径よりも
僅かに大きく寸法設定されている。
【0071】上記各光源支持部材54aには偏心部分に
厚み方向に貫通した貫通孔541aが穿設されている。
これらの貫通孔541aの内径は上記連結管54bが嵌
入され得る寸法に径設定されている。また、上記反射板
54cは、断面視で放物線状に折り曲げられて形成さ
れ、その頂部に上記連結管54bの外径よりも若干大き
な内径を有する装着管541cが固定されている。
【0072】そして、上記装着管541cの外嵌された
連結管54bを一対の光源支持部材54aの各貫通孔5
41aに内嵌し、かつ、両光源支持部材54aの中心を
互いに対向させた状態で、連結管54bと両光源支持部
材54aとを相互に固定することによって器具本体54
が形成されている。上記光源55は、各光源支持部材5
4a間であって、反射板54cの焦点位置より内側に着
脱自在に装着されるように装着位置が設定されている。
【0073】本実施形態においては、上記光源55とし
て紫外線ランプが用いられ、これによって光触媒の光反
応をより顕著に励起させるようにしている。なお、本発
明は光源55が紫外線ランプであることに限定されるも
のではなく、蛍光灯や白熱灯など、通常の光源をも好適
に使用することができる。
【0074】第1実施形態の衣類清浄化用構造体3によ
れば、ハンガーHに懸けた衣類Cを衣類カバー1,1a
に装入した後、衣類カバー1,1aのフック孔11から
外部に突出しているフックH1を吊持ポール43に係止
することにより、図3に二点鎖線で示すように、衣類カ
バー1,1aによって被覆された衣類Cが衣類清浄化用
構造体3に装着された状態になる。この状態で図略のス
イッチを操作して照明器具53の光源55を点灯すれ
ば、光源55からの光が衣類カバー1,1aの表面に照
射され、これによって衣類カバー1,1aが担持してい
る光触媒が光励起されて活性化し、衣類Cに付着してい
る煙草の煙成分等の悪臭物質を分解するとともに、悪臭
物質の揮散によって生じた悪臭ガスは衣類カバー1,1
aが担持している吸着剤によって吸着除去される。ま
た、衣類Cに付着している害虫や雑菌は、光触媒の防虫
・抗菌作用によって死滅する。
【0075】従って、煙草の煙等によって汚染した衣類
Cを衣類カバー1,1aに入れて衣類清浄化用構造体3
に装着し、光源55を点灯するという簡単な操作を行う
だけで、衣類Cに付着した悪臭物質が光触媒の作用で分
解除去され、しかも分解過程で揮散した悪臭物質は吸着
剤によって吸着除去されるため、悪臭が周囲に広がるこ
とがない。また、衣類Cに付着した害虫や雑菌も死滅す
るため、快適な生活空間を確保した上で衣類Cに清浄化
処理を施すことが可能になり、衣類Cを常に清潔な状態
に保持する上で極めて有用である。
【0076】また、衣類Cの清浄化が完了した後も、衣
類Cを包んだ衣類カバー1,1aに対して光源55から
の光の照射を継続することにより、吸着剤に吸着された
り、衣類カバー1,1aを構成しているシート体2その
ものに付着した悪臭物質が光触媒によって分解されるた
め、衣類カバー1,1aそのものが再生される。従っ
て、衣類カバー1,1aは悪臭物質分解性能や防虫・抗
菌力が劣化することはなく、半永久的に使用可能にな
る。
【0077】また、第1実施形態の衣類清浄化用構造体
3は、可動支柱42bを固定支柱42aに対して上下動
させることによって、支柱42の高さ寸法を自在に調節
することが可能にしてあるため、衣類Cの上下寸法に応
じて支柱42の高さ寸法を設定することが可能であり、
衣類の大小に容易に対応することができる。
【0078】また、上記光照射手段5は、中心軸51回
りに回動可能に構成され、これによって吊持ポール43
に吊持されている衣類カバー1,1aに対する光源55
からの光照射角度を調節し得るようにしているため、衣
類Cの大きさや吊持状況に応じて最適の光源55の角度
位置を設定することが可能になり、これによって衣類カ
バー1,1aの表面に満遍なく光を照射することができ
るようになる。
【0079】さらに、可動アーム52cを固定アーム5
2bに対して出没自在にしてあるため、照明器具53の
衣類カバー1,1aからの距離を調節することが可能で
あり、これによっても光源55の設定位置を最適の状態
にすることができる。
【0080】なお、図4に点描で示す部分が、上記吊持
ポール43の影を避けた状態で衣類カバー1,1aに光
を照射し得る光源の位置範囲であり、さらに斜線部分が
衣類カバー1,1aの側部をも照射し得る光源の位置範
囲である。従って、斜線部分に光源55を位置させるこ
とによって、衣類カバー1,1aはより均一に光に曝さ
れることになる。なお、斜線範囲を吊持ポール43より
も上位に設定しているのは、照明器具53がこれより下
位になると、衣類カバー1,1aの吊持ポール43に対
する着脱操作が困難になるからであり、つまり操作性を
考慮してのことである。
【0081】図7は、第2実施形態の衣類清浄化用構造
体3aを示す斜視図である。第2実施形態においては、
第1実施形態の基礎枠体41において、一方の固定支柱
42aの基端部と、他方の固定支柱42aの基端部との
間に、下部水平アーム520dが差し渡され、この下部
水平アーム520dに第1実施形態と同様の照明器具5
30が装着されている。そして、この照明器具530の
光源55からの光が、吊持ポール43に吊持された衣類
カバー1,1aに対して下から照射されるようにしてい
る。衣類清浄化用構造体3aのその他の構成は第1実施
形態のものと同様である。
【0082】第2実施形態の衣類清浄化用構造体3aに
よれば、照明器具530を設けたことで、吊持ポール4
3に吊持されている衣類カバー1,1aには、上方の照
明器具53からの光に加えて下方の照明器具530から
の光が照射されるため、衣類カバー1,1aには光照射
の死角が全く存在しない状態になり、衣類カバー1,1
aに担持された全ての光触媒を均等に機能させる上で好
都合である。
【0083】図8は、光照射手段5の他の使用形態を示
す側面図である。この使用形態は、吊り棚Rの底面に吊
持ポール430が設けられているような場合に適用する
ことができるものである。すなわち、家屋や店舗におい
ては、屋内の上部空間の有効利用のために壁面上部に吊
り棚Rが設置されている場合がある。このような吊り棚
Rの下部をさらに有効利用するために、吊り棚Rの底面
に吊持ポール430を取り付け、この吊持ポール430
に、ハンガーHに懸けた衣類Cを吊持させることが行わ
れることも多いが、本使用形態は、このような衣類Cの
保管形態に適用されるものである。
【0084】具体的には、先の実施形態において使用し
た光照射手段5を上下逆転させ、これによって中心軸5
1から上方に吐出した装着片51aを吊持ポール430
に装着するのである。こうすることによって光照射手段
5が吊持ポール430に吊持された状態になるため、吊
持ポール43あるいは中心軸51に衣類Cを包んだ衣類
カバー1,1aを懸けることで、衣類カバー1,1aに
照明器具53からの光を照射することが可能になる。
【0085】なお、光照射手段5を吊持ポール430に
吊持させることに限定されるものではなく、別途用意し
た紐や鎖で光照射手段5を吊下げてもよい。また、光照
射手段5の吊下げ位置は、吊り棚Rの底面に限定される
ものではなく、天井から吊り下げてもよい。
【0086】図9は、第3実施形態の衣類清浄化用構造
体3bを示す斜視図である。第3実施形態の衣類清浄化
用構造体3bは、衣類カバー1,1aに装着された衣類
Cを収納する衣類ラック6と、この衣類ラック6内に配
設された光照射手段5aとを備えて構成されている。
【0087】上記衣類ラック6は、本実施形態において
は、簡易式のものが採用されている。この衣類ラック6
は、底板61と天板62との間を、前後方向一対の角形
の環状フレーム63で接続してラック枠体60を形成
し、このラック枠体60を外部から布体64で覆うこと
により形成されている。この布体64は、前面部の上部
が水平方向に裁断されているとともに、中央部が上縁部
から下縁部にかけて裁断され、これによって布体64の
前面部に観音開きで開閉可能な一対の扉部64aが形成
されている。
【0088】各扉部64aは、上下方向に延びる縁部に
ファスナー64bを有しているとともに、左右のファス
ナー64bの当接部分に止め金具64cが設けられ、こ
の止め金具64cの上下動で左右のファスナー64bの
係着および係着解除が行われるようになっている。
【0089】このような衣類ラック6の天板62の下面
部には、幅方向の両側部に一対のブラケット431がね
じ止めで固定され、これら一対のブラケット431間に
吊持ポール430が支持され、この吊持ポール430
に、衣類カバー1,1aで被覆された衣類Cを懸けたハ
ンガーHが吊持されるようになっている。
【0090】上記光照射手段5aは、本実施形態におい
ては蛍光灯または紫外線灯が採用されている。この光照
射手段5aが、天板62の下面部の入口側および奥側に
おいて幅方向に延びるように取り付けられているととも
に、底板61の上面中央部に幅方向に延びるように取り
付けられ、これによって吊持された衣類カバー1,1a
の表面が満遍なく光照射手段5aの光源からの光に曝さ
れ得るようにしている。
【0091】第3実施形態の衣類清浄化用構造体3bに
よれば、衣類CをハンガーHに懸けた状態で衣類カバー
1,1aに装填し、この衣類Cの装填された衣類カバー
1,1aをフックH1を介して光照射手段5aの点灯さ
れた衣類ラック6内の吊持ポール430に吊下げること
により、衣類カバー1,1aは、光照射手段5aからの
光の照射を受けて悪臭物質分解性能、悪臭物質吸着性能
および防虫・抗菌性能を発揮するため、衣類カバー1,
1a内に装填された衣類Cに清浄化処理が施される。
【0092】
【実施例】
1.脱臭試験 シート体2の脱臭性能を確認するために脱臭試験を実施
した。検体としては、本発明に係る光触媒および吸着剤
をそれぞれ所定量ずつ担持した、ポリ酢酸ビニル系繊維
の織製品からなるシート体2を、20cm平方に裁断し
たものを採用した。
【0093】また、光触媒によって分解すべき悪臭物質
として、アンモニア(NH3)、硫化水素(H2S)、メ
チルメルカプタン(CH3SH)、トリメチルアミン
((CH)3N)を採用した。
【0094】そして、上記検体を4体用意するととも
に、合成樹脂製の透明シートからなるにおい袋(25c
m×35cm)を4袋用意し、各におい袋に上記検体を
一つずつ装入した後、ヒートシールで密封し、引き続き
第1のにおい袋には約150ppmのアンモニアを、第
2のにおい袋には約50ppmの硫化水素を、第3のに
おい袋には50ppmのメチルメルカプタンを、第4の
におい袋には100ppmのトリメチルアミンをそれぞ
れ3リットルずつ注入した。上記各悪臭物質を混入した
ベースになる気体として窒素ガスを採用した。
【0095】ついで、上記悪臭物質の封入された各にお
い袋に、検体からの距離が10cmになるように紫外線
ランプ(松下電器産業株式会社製の商品名「ブラックラ
イトブルーFL10BL−B」を使用)の設置位置を設
定して外部から紫外線を照射した。そして、ガス検知管
により時間の経過に伴って複数点のサンプリングを行
い、におい袋内に残留している各悪臭物質の濃度を測定
した。また、対照試験(空試験)として、検体を装入し
ない以外は上記同様に調製したにおい袋について上記と
同様の操作を行った。試験結果は、表1の通りである。
また、この表をグラフ化したものが図10である。
【0096】
【表1】
【0097】表1および図10から判る通り、各悪臭物
質ともに短時間(数分)で急激に悪臭物質の濃度が低下
し、60分を経過した時点では、ほとんど「0」ppm
になった。このことから、本発明に係るシート体2は、
脱臭効果が非常に優れたものであることを確認すること
ができた。
【0098】2.抗菌力試験 シート体2の抗菌力を確認するために抗菌力試験を実施
した。検体としては、本発明に係る光触媒および吸着剤
をそれぞれ所定量ずつ担持した、ポリ酢酸ビニル系繊維
の織製品からなるシート体2を、5cm平方に裁断した
ものを用いた。
【0099】試験菌として、メチシリン耐性黄色ブドウ
球菌(Staphyllococcus aureus IIT1677)を用い、この
試験菌を普通ブイヨン培地に供給して35℃で16〜2
0時間振盪し、試験菌の培養液を得た。この培養液を滅
菌リン酸緩衝液で20000倍に稀釈して菌液を得た。
【0100】ついで、上記5cm平方に裁断した検体を
ガラスシャーレに装入し、ガラスシャーレ内の検体に上
記菌液の1mlを滴下して試料とした後、試料が装入さ
れたシャーレを点灯した15Wの蛍光灯下に置き、25
℃を維持した状態で放置した。そして、6時間経過後お
よび26時間経過後に試料の生菌数を測定した。
【0101】生菌数の測定は、試料を日本製薬株式会社
製のSCDLP培地で洗い出し、この洗い出し液につい
て標準寒天培地を用いた混釈平板培養法(35℃、48
時間培養)により生菌数を測定し、常法により試料当り
の生菌数に換算した。また、検体を装填することなく菌
液1mlをガラスシャーレに滴下したもので上記同様の
操作を行う対照試験を実施した。試験結果を表2に示
す。
【0102】
【表2】
【0103】表2から判る通り、試験開始時に1.1×
105であった生菌数が、6時間経過後にはすでに検出
されず、本発明に係るシート体2の抗菌力が優れたもの
であることを確認することができた。
【0104】3.活性度再生試験 シート体2の活性度の再生力を確認するために活性度再
生試験を実施した。この試験は、煙草の煙を検体に染み
込ませて黄変させ、この黄変した検体を太陽の直射日光
に曝して脱色状態(黄変度の減少の度合い)を測定し、
これによってシート体2の活性度の再生力を調べるもの
である。
【0105】検体としては、本発明に係る光触媒および
吸着剤をそれぞれ所定量ずつ担持した、ポリ酢酸ビニル
系繊維の織製品からなるシート体2を、5cm平方に裁
断したものを用いた。また、対照検体として、通常の不
織布を5cm平方に裁断したものを用いた。これらの初
期の黄変度(JIS K 7103(プラスチックの黄変
度および黄色度試験方法)に基づいて測定した値)は、
検体が6.5、対照検体が6.0であった。
【0106】そして、上記検体および対照検体を、35
リットルのガラス容器内に装填し、このガラス容器内で
シガレットを1本燃焼させて容器内を煙で充満させ、密
封してから1時間放置した。
【0107】1時間経過後、ガラス容器を開封して検体
および対照検体を容器から取り出し、上記の測定方法で
黄変度を測定した。ついで、黄変度測定後の検体および
対照検体をガラス容器に戻し、密封してから晴天時の日
中の太陽光に曝し、2時間おきに2度取り出してその都
度黄変度を測定した。測定結果を表3に示す。
【0108】
【表3】
【0109】表3から判る通り、ガラス容器内で煙草の
煙を吸着した状態で対照検体の黄変度が10.1であっ
たのに対し、本発明に係る検体は27.2と黄変度が略
3倍も高く、これによって本発明のシート体2の悪臭物
質吸着能力が非常に大きいことが判る。
【0110】そして、直射日光に4時間暴露した状態で
は、対照検体は黄変度が10.1から7.5に低下し、
その低下率が略26%であるのに対し、検体の場合黄変
度は27.2から8.0にまで低下し、その低下率は略
71%と非常に大きく、一旦吸着された煙草の悪臭物質
の大部分が分解されたことが判った。これによって本発
明に係るシート体2は、悪臭物質の除去効果が大きく、
しかも一旦取り除いた悪臭物質が光の照射で分解するこ
とを確認することができた。
【0111】本発明は、上記の実施形態に限定されるも
のではなく、以下の内容をも包含するものである。
【0112】(1)上記の実施形態においては、衣類カ
バー1,1aは、1着の衣類Cのみを収容し得る大きさ
に寸法設定されているが、本発明は衣類カバー1,1a
が1着分用であることに限定されるものではなく、複数
着を収容し得る大きさのものを用いてもよい。こうする
ことによって、衣類カバー1,1aによって被覆された
複数着の衣類Cを同時に清浄化処理し得るようになる。
【0113】(2)上記の第3実施形態の衣類清浄化用
構造体3b(図9)においては、ラック枠体60の外周
面に通常の布体64が張設されているが、布体64とし
て通常の布体64に代えて、光触媒および吸着剤の内、
少なくとも光触媒を担持したシート体2を採用してもよ
い。こうすることによって、光照射手段5aからの光の
照射で布体64が脱臭作用および防虫・抗菌作用を発揮
し得るようになり、衣類ラック6内が衣類清浄化の雰囲
気になる。また、このような衣類ラック6内に衣類カバ
ー1,1aによって被覆された衣類Cを収納することに
より、衣類Cには衣類カバー1,1aおよび布体64に
よって二重の清浄化処理が施され、衣類Cの清浄化がよ
り効果的に行われる。
【0114】(3)上記の第1実施形態の衣類清浄化用
構造体3(図3)および第2実施形態の衣類清浄化用構
造体3aにおいては、中心軸51が装着片51aを介し
て吊持ポール43に結合されるようにしているが、こう
する代わりに、照明器具固定アーム52を直接吊持ポー
ル43に回動自在に連結するようにしてもよい。また、
連結方法については特に限定はないが、着脱自在に連結
するのが便利である。こうすることによって装着片51
aを用いない分光照射手段5のコストを低減することが
可能になる。
【0115】(4)上記の図8に示す光照射手段5の使
用例においては、中心軸51が装着片51aを介して吊
持ポール430に接続されているが、こうする代わりに
照明器具固定アーム52を吊持ポール43に着脱自在
で、かつ、回動自在に吊持ポール430に直接接続する
ようにしてもよい。こうすることで光照射手段5のコス
トの低減化に寄与することができる。
【0116】(5)上記の第3実施形態の衣類清浄化用
構造体3b(図9)においては、上方の光照射手段5a
は衣類ラック6内の上隅部に設けられているが、本発明
は、上方の光照射手段5aが衣類ラック6内の上隅部に
設けられることに限定されるものではなく、隅部から外
れた部分に設けてもよいし、中央部に設けてもよい。
【0117】(6)上記の第2実施形態の衣類清浄化用
構造体3aにおいては、照明器具530を取り付ける下
部水平アーム520dは基礎枠体41の互いに対向した
パイプ間に着脱し得ない状態で架橋されているが、こう
する代わりに下部水平アーム520dの両端部に所定の
着脱金具を形成させ、この着脱金具の操作で下部水平ア
ーム520dを基礎枠体41または支柱42に対して着
脱可能に構成してもよい。こうすることで、照明器具5
30の取換え操作が容易になる。
【0118】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の衣類カバーによ
れば、カバー本体は、光の照射を受けることにより悪臭
物質を分解するとともに防虫・防菌力を発揮する光触
媒、および悪臭物質を吸着する吸着剤の内、少なくとも
光触媒を担持した通気性を有するシート体を、衣類を被
覆し得るように袋状にして形成されているため、衣類を
カバー本体内に収納した状態で、カバー本体に人工光や
太陽光を照射することにより、シート体に担持された光
触媒が活性化して衣類に付着している悪臭物質を分解
し、これによって衣類の悪臭が消去されるとともに、光
を照射された光触媒の防虫・防菌力により衣類に付着し
ている害虫や雑菌の繁殖が抑制され、これらによって衣
類を清浄化処理することができる。
【0119】また、シート体に吸着材を担持させること
により、衣類に付着している悪臭物質の揮発物が吸着剤
に吸着されるため、衣類からの悪臭の拡散を確実に防止
することができる。
【0120】さらに、光触媒は光を照射することによっ
て悪臭成分を分解する機能を有しているが、光触媒自身
は悪臭成分を取り込んで分解性能が低下するというもの
ではないため、吸着剤のみを用いた場合、吸着剤が破過
に達すると脱臭性能が消滅するのに対し、光触媒は半永
久的な寿命を有し、光の照射で常に脱臭および防虫・防
菌効果を発揮することができる。そして、シート体その
ものや吸着剤に吸着された煙草の煙成分等の悪臭物質
は、シート体に光を当てることで光触媒の作用により分
解されるため、吸着剤を含めたシート体そのものを再生
処理することができる。従って、適宜カバー本体は、天
日乾ししたり、人工光を照射することで繰り返し使用す
ることができる。
【0121】本発明の請求項2記載の衣類カバーによれ
ば、光触媒は、0.5〜5eVの禁止帯幅を有する酸化
亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、および酸化セリ
ウムの内の一種、または二種以上を組み合わせて形成さ
れているため、このような禁止帯幅を有する酸化亜鉛、
酸化タングステン、酸化チタン、あるいは酸化セリウム
を光触媒として用いることにより、光を照射した状態で
の悪臭成分の分解を確実に行うことができる。
【0122】本発明の請求項3記載の衣類カバーによれ
ば、吸着剤は、活性炭、活性白土、ゼオライト、セピオ
ライト、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複合物、シリカ酸
化亜鉛複合物、シリカ−酸化マグネシウム複合物、複合
フィロケイ酸塩、および酸化マグネシウム−酸化亜鉛複
合物の内の一種、または二種以上を組み合わせたもので
形成されているため、吸着剤として使用される活性炭、
活性白土、ゼオライト、セピオライト、シリカ−アルミ
ナ−酸化亜鉛複合物、シリカ酸化亜鉛複合物、シリカ−
酸化マグネシウム複合物、複合フィロケイ酸塩、または
酸化マグネシウム−酸化亜鉛複合物は、いずれも比表面
積が大きいミクロポアーを有しており、衣類から発散さ
れる臭気成分を吸着除去するのに適しており、このよう
な吸着材を光触媒と併用することによって、それらの相
乗作用でより良好な衣類の清浄化処理を行うことができ
る。
【0123】本発明の請求項4記載の衣類カバーによれ
ば、シート体として織製品を用いたため、織製品は安価
であるとともに、袋状のカバー本体への加工も容易であ
り、しかも、繊維と繊維との間の微細な隙間空間に光触
媒や吸着剤を容易に担持させることが可能であり、さら
に繊維間の隙間を通して光がカバー本体の内側にも照射
され、加えて空気の流通を良好に行わせることができ
る。
【0124】本発明の請求項5記載の衣類カバーによれ
ば、カバー本体は、1着の衣類を被覆し得る大きさに寸
法設定されているため、衣類をカバー本体内に1着ずつ
収納した状態で各衣類カバーに光を照射することにより
各衣類をそれぞれのカバー本体内で清浄化することがで
きる。
【0125】本発明の請求項6および7記載の衣類カバ
ーによれば、衣類の形状に合致した展開シートを折り畳
んで所定の縁部を接合することによりカバー本体が得ら
れるため、カバー本体を容易に製造することができる。
また、接合されていない開口からカバー本体内に容易に
衣類を装填することができ、衣類が装填された状態で、
衣類の全面がカバー本体の内面に接触して覆われた状態
になり、衣類に付着している悪臭成分の光触媒による分
解を容易にかつ均一に行うことができる。
【0126】本発明の請求項8記載の衣類カバーによれ
ば、カバー本体は、複数着の衣類を被覆し得る大きさに
寸法設定されているため、複数の衣類を一つのカバー本
体に収納した状態で、カバー本体に光を照射することに
より、カバー本体内の複数の衣類を一括して清浄化する
ことができる。
【0127】本発明の請求項9記載の衣類カバーによれ
ば、カバー本体は、ハンガーのフックを外部に突出させ
た状態でハンガーに懸けられた衣類を被覆し得るように
形成され、衣類を被覆したカバー本体が、支持体に支持
された衣類吊持体に上記フックを介して吊持された状態
で光照射手段からの光の照射を受け得るように構成され
ているため、衣類をハンガーに装着してカバー本体によ
って被覆し、ハンガーを衣類吊持体に懸けることによ
り、カバー本体に包まれた衣類が衣類吊持体に吊持され
た状態になり、この状態で光照射手段からの光をカバー
本体に照射することにより、カバー本体を構成している
シート体に担持された光触媒が励起して触媒機能を発揮
し、これによって衣類に付着している煙草の臭い成分や
体臭の成分等の悪臭成分が分解され、衣類から発散する
悪臭を取り除くことができる。
【0128】また、シート体に吸着剤が担持されている
場合には、悪臭成分自体が吸着剤に吸着されて脱臭され
るとともに、光触媒によって悪臭物質からの分解物質も
吸着される。また、光を照射することによる光触媒の活
性化によって衣類に付着した雑菌等の微生物や害虫が光
触媒を忌避するため、優れた防虫・防菌効果が得られ、
これによって衣類の清浄化処理を確実に行うことができ
る。
【0129】本発明の請求項10記載の衣類カバーによ
れば、支持体を、平面視で矩形状の基礎枠体と、この基
礎枠体の互いに対向する縁部に立設された一対の支柱と
を備えて形成し、衣類吊持体を、一対の支柱の頂部間に
架橋された棒状の吊持ポールによって形成し、光照射手
段を、装着片を介して吊持ポールに着脱自在に装着され
る中心軸と、基端側がこの中心軸回りの回動自在に軸支
されたU字形状の照明器具固定アームと、この照明器具
固定アームの先端側に姿勢変更可能に取り付けられた照
明器具とで形成し、照明器具固定アームは、吊持ポール
に吊持されたカバー本体の外側に照明器具が位置するよ
うに寸法設定したため、衣類を内包したカバー本体を、
ハンガーのフックを介して吊持ポールに吊り懸けた状態
で、照明器具を点灯することにより、光源からの光がカ
バー本体の表面に満遍なく当るようになり、カバー本体
を介した衣類に対する均一な清浄化処理を確実に行うこ
とができる。
【0130】本発明の請求項11記載の衣類カバーによ
れば、支柱は高さ寸法が調節可能に構成し、照明器具固
定アームは、中心軸の軸心を中心とした径方向の長さ寸
法が調節可能に構成したため、支柱の高さを調節するこ
とによって吊持されたカバー本体の上下寸法に対応させ
ることができるとともに、アームの長さ寸法を調節する
ことによって吊持されたカバー本体の水平寸法に対応さ
せることができる。
【0131】本発明の請求項12記載の衣類カバーによ
れば、カバー本体は、衣類を吊持して収納する衣類ラッ
クのフレームを取り囲むように形成され、上記衣類ラッ
クの内側には吊持されたカバー本体に光を照射する光照
射手段が設けられているため、衣類を内包したカバー本
体を、衣類ラックに収納した状態で、光照射手段を点灯
することにより、光源からの光がカバー本体の表面に満
遍なく当るようになり、カバー本体を介した衣類に対す
る均一な清浄化処理を行うことができる。また、衣類ラ
ック内に、請求項5乃至7に記載のカバー本体に被覆さ
れた衣類を収納することにより、衣類の清浄化効果をさ
らに向上させることができる。
【0132】本発明の請求項13記載の衣類カバーによ
れば、光照射手段を、少なくとも上記衣類吊持体に吊持
された衣類吊持列に沿う衣類ラック内の上部と、衣類ラ
ック内の底部に設けたため、光照射手段からの光は、衣
類ラック内の上部と、衣類ラック内の底部とからカバー
本体に照射され、これによってカバー本体は死角が生じ
ない状態で満遍なく光を受けることができる。
【0133】本発明の請求項14記載の衣類カバーによ
れば、光照射手段を、光の照射方向を変更し得るように
構成したため、光照射手段の光照射方向を調節すること
によってカバー本体により効果的に、かつ、均一に光を
照射することができる。
【0134】本発明の請求項15記載の衣類カバーによ
れば、光照射手段は、紫外線を照射する光源を有してい
るため、シート体に上記光源からの紫外線を照射するこ
とによって、シート体に担持された光触媒に光反応をよ
り顕著に行わせることができ、これによって衣類の清浄
化処理効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の衣類カバーを示す
説明図であり、(イ)は展開図、(ロ)は組立図であ
る。
【図2】本発明に係る第2実施形態の衣類カバーを示す
説明図であり、(イ)は展開図、(ロ)は組立図であ
る。
【図3】第1実施形態の衣類清浄化用構造体を示す斜視
図である。
【図4】図3のA線視図である。
【図5】照明器具の一実施形態を示す一部切欠き斜視図
である。
【図6】図5のB−B線断面図である。
【図7】第2実施形態の衣類清浄化用構造体を示す斜視
図である。
【図8】光照射手段の他の使用形態を示す側面図であ
る。
【図9】第3実施形態の衣類清浄化用構造体を示す斜視
図である。
【図10】脱臭試験の試験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1a 衣類カバー(カバー本体) 11 フック孔 2 シート体 21 展開シート 22 後身ごろ部 23 前身ごろ部 24 上部糊代 25 側部糊代 26 下部糊代 3,3a,3b 衣類清浄化用構造体 4 衣類支持体 41 基礎枠体 42 支柱 42a 固定支柱 42b 可動支柱 42c ストッパ 42d ベンド部材 43,430 吊持ポール 44 キャスター 5,5a 光照射手段 51 中心軸 51a 装着片 51b 円弧凹部 51c 案内片 52 照明器具固定アーム 52a 筒体 52b 固定アーム 52c 可動アーム 52d 水平アーム 52e 水平アーム支持部 53,530 照明器具 54 器具本体 55 光源 6 衣類ラック 61 底板 62 天板 63 環状フレーム 64 布体 64a 扉部 C 衣類 H ハンガー H1 フック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 35/02 B01J 35/02 J B65D 65/04 B65D 65/04 A 85/18 85/18 C (72)発明者 上野 幸治 大阪府東大阪市川田4−1−23 大光電機 株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光の照射を受けることにより悪臭物質を
    分解するとともに防虫・抗菌力を発揮する光触媒、およ
    び悪臭物質を吸着する吸着剤の内、少なくとも光触媒を
    担持した通気性を有するシート体が形成され、このシー
    ト体によって衣類を被覆し得る袋状のカバー本体が形成
    されていることを特徴とする衣類カバー。
  2. 【請求項2】 上記光触媒は、0.5〜5eVの禁止帯
    幅を有する酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化チタン、
    および酸化セリウムの内の一種であるか、または二種以
    上を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1
    記載の衣類カバー。
  3. 【請求項3】 上記吸着剤は、活性炭、活性白土、ゼオ
    ライト、セピオライト、シリカ−アルミナ−酸化亜鉛複
    合物、シリカ酸化亜鉛複合物、シリカ−酸化マグネシウ
    ム複合物、複合フィロケイ酸塩、および酸化マグネシウ
    ム−酸化亜鉛複合物の内の一種であるか、または二種以
    上を組み合わせたものであることを特徴とする請求項1
    または2記載の衣類カバー。
  4. 【請求項4】 上記シート体は、織製品であることを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の衣類カバ
    ー。
  5. 【請求項5】 上記カバー本体は、1着の衣類を被覆し
    得る大きさに寸法設定されていることを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれかに記載の衣類カバー。
  6. 【請求項6】 上記カバー本体は、上記シート体の裁断
    によって得た、衣類の形状に合致した展開シートを下部
    が開放状態になるように袋状に折り畳み、上方の当接縁
    部を接合することによって形成されていることを特徴と
    する請求項5記載の衣類カバー。
  7. 【請求項7】 上記カバー本体は、上記シート体の裁断
    によって得た、衣類の形状に合致した展開シートを袋状
    に折り畳み、互いに当接した上縁部および下縁部を接合
    することによって形成されていることを特徴とする請求
    項5記載の衣類カバー。
  8. 【請求項8】 上記カバー本体は、複数着の衣類を被覆
    し得る大きさに寸法設定されていることを特徴とする請
    求項1乃至4のいずれかに記載の衣類カバー。
  9. 【請求項9】 請求項6または7記載の衣類カバーにお
    いて、上記カバー本体は、ハンガーのフックを外部に突
    出させた状態でハンガーに懸けられた衣類を被覆し得る
    ように形成され、衣類を被覆したカバー本体が、支持体
    に支持された衣類吊持体に上記フックを介して吊持され
    た状態で光照射手段からの光の照射を受け得るように構
    成されていることを特徴とする衣類カバー。
  10. 【請求項10】 上記支持体は、平面視で矩形状の基礎
    枠体と、この基礎枠体の互いに対向する縁部に立設され
    た一対の支柱とを備えて形成され、上記衣類吊持体は、
    上記一対の支柱の頂部間に架橋された棒状の吊持ポール
    によって形成され、上記光照射手段は、装着片を介して
    上記吊持ポールに着脱自在に装着される中心軸と、基端
    側がこの中心軸回りの回動自在に軸支されたU字形状の
    照明器具固定アームと、この照明器具固定アームの先端
    側に姿勢変更可能に取り付けられた照明器具とを備えて
    形成されていることを特徴とする請求項9記載の衣類カ
    バー。
  11. 【請求項11】 上記支柱は高さ寸法が調節可能に構成
    され、上記照明器具固定アームは、中心軸の軸心を中心
    とした径方向の長さ寸法が調節可能に構成されているこ
    とを特徴とする請求項10記載の衣類カバー。
  12. 【請求項12】 請求項8記載の衣類カバーにおいて、
    カバー本体は、衣類を吊持して収納する衣類ラックのフ
    レームを取り囲むように形成され、上記衣類ラックの内
    側には吊持されたカバー本体に光を照射する光照射手段
    が設けられていることを特徴とする衣類カバー。
  13. 【請求項13】 上記光照射手段は、少なくとも上記衣
    類吊持体に吊持された衣類吊持列に沿うように衣類ラッ
    ク内の上部と底部とに設けられていることを特徴とする
    請求項12記載の衣類カバー。
  14. 【請求項14】 上記光照射手段は、光の照射方向を変
    更し得るように構成されていることを特徴とする請求項
    9乃至11のいずれかに記載の衣類カバー。
  15. 【請求項15】 上記光照射手段は、紫外線を照射する
    光源を有していることを特徴とする請求項9乃至11の
    いずれかに記載の衣類カバー。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101418945B1 (ko) * 2012-04-04 2014-07-16 미미라이팅주식회사 살균기능이 구비된 옷걸이

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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