JP2004267752A - 脱臭器、脱臭器の再生方法、脱臭器の設計方法 - Google Patents

脱臭器、脱臭器の再生方法、脱臭器の設計方法 Download PDF

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慎良 遠藤
Keisuke Hisada
啓介 久田
Noboru Niihara
登 新原
Yoshinori Tsunoda
好徳 角田
Kaori Morihara
森原かおり
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Abstract

【課題】簡便に再生可能であって長期に渡り高い脱臭速度を安定して有し、使用に際しても安全かつ操作が容易であり、日光等の微弱な紫外線量であっても短時間で再生可能であり、さらに、家庭内で使用する際場所を取ることなく設置できるスリムで軽い本体を持った家庭用途として最適な脱臭器、脱臭器の再生方法および設計方法を提供する。
【解決手段】細孔を有した繊維状の吸着体に光触媒を担持固定させシート状に形成された第一吸着シート及び/または、前記第二吸着シート及び第三吸着シートのような少なくとも1つ以上の吸着シートを収納する容器とからなり、該容器には被吸着分子の拡散を行わせ前記第一吸着シートに吸着させる開口部を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は脱臭器、脱臭器の再生方法、脱臭器の設計方法に関するものである。
従来、チタン系セラミックスの微粒子から成る微粉末層を、通気性と光透過性を有する内外二重の袋体内に収納した消臭材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。チタン系セラミックスの微粒子から成る微粉末層では紫外線を照射することで光触媒の作用により臭い等を分解させることができる。
また、細孔を有する吸着媒体としての活性炭素繊維と、この活性炭素繊維に担持されたコバルトフタロシアニンテトラカルボン酸とを含有してなる消臭性構造体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。活性炭素繊維を利用することで外表面積を確保することができ非常に高速で臭い分子の吸着を行うことができる。一方、コバルトフタロシアニンテトラカルボン酸は化学的作用により臭い成分の分解を行う化学消臭材であり、同時に活性炭素繊維に吸着された臭い成分を分解し活性炭素繊維の物理吸着能力を回復させ長時間の使用を可能とする。
特開平9−299462号公報 特開2001−9019号公報
チタン系セラミックスの微粒子から成る微粉末層を通気性と光透過性を有する内外二重の袋体内に収納した消臭材においては、微粉末層により形成された固体層が厚みを有するので紫外線が固体層内に到達し難く外表面近傍の光触媒にしか作用せずに表面で発生した活性酸素も固体層内には拡散せずに消失する。消臭材に紫外線を照射すると外表面近傍で活性酸素が発生し吸着された物質が分解されたあと、濃度勾配によって固体層内から吸着物質が徐々に脱着し外表面近傍に拡散してから分解されるために分解速度が非常に小さく紫外線照射効率が悪いので、消臭材内部にまで吸着された分子を分解するためには、一般的な家庭でも利用可能な日光や紫外線照射灯では紫外線強度が小さく、安定した非常に強い紫外線を長時間照射させる必要があった。ところがこのような紫外線を得るためには、特別な紫外線照射装置や強い紫外線から安全を確保するための紫外線遮蔽装置を必要とするなど、再生のための装置が大型化したり操作上の危険を伴っていた。同様に脱臭速度の点でも、固体層が厚みを有することにより臭い分子の拡散が阻害されるので、吸着が進行し固体層内部に吸着面が後退すると脱臭速度は著しく減少する。また、固体層に厚みを有する消臭材を長期間利用すると固体層内で細菌等が繁殖し易く、さらには紫外線が到達しにくいことと細菌が分子に比べて非常に拡散しにくいことから、紫外線照射を行っても菌数を減少させることが困難であり十分な衛生性を確保できない。
さらに、微粒子から成る微粉末層を通気性と光透過性を有する内外二重の袋体内に収納しているので、袋体の形状が変形し易く初期の構造を維持するのが困難である。微粒子の粒径、比重、形状等の性状分布により、とりわけ複数の材料の混合物とした場合には、製品の輸送あるいは長期の使用の間に受けた重力や振動によって袋体内での微粒子の分布状況や性状分布が大きく変化し、粉落ちを発生させたり、構造の変形と合わせて脱臭や再生の機能再現性を得ることができない。これはとくに操作や使用に不慣れな使用者にとっては取扱いを困難にし、なおかつ安全衛生上の問題も有していた。
活性炭素繊維にコバルトフタロシアニンテトラカルボン酸等の化学反応により消臭を行うための化学消臭材を担持させた消臭性構造体(以後、活性炭素繊維&コバルトフタロシアニンテトラカルボン酸等消臭性構造体と称する。)においては、化学消臭材が化学反応により臭いを分解する速度が非常に小さく、さらには化学消臭材が炭素繊維の細孔内にも浸潤するので、活性炭素繊維が元来有する高速な物理吸着速度を阻害し全体の脱臭速度を著しく低下させる。また化学消臭材が水分や溶媒に溶出し易いために、周辺環境を汚染したり性能安定性の低下を引き起こすなど、使用場所、目的や用途等が限定されていた。
活性炭素繊維に化学消臭材を担持させた場合の臭い分子の分解メカニズムは、気体である臭い分子と、固体もしくは液体である化学消臭材とで発現する表面反応である。表面反応の場合には接触機会も小さいために物理吸着と比較してはるかに反応速度は小さく、活性炭素繊維に物理吸着された臭い分子が一旦脱着し化学消臭材と化学反応を起こした後、濃度勾配に従って系外に拡散し排出される。この際に分解された分子の表面濃度は高まり一旦活性炭素繊維に再吸着されるので、臭い分子の物理吸着を阻害し物理吸着速度をも低下させる。また、化学消臭材による化学反応を用いた分解であるために化学種による選択性が強く、当然のことながら菌や有機物の分解能力は有さない。
見かけ上は、臭い分子を活性炭素繊維に吸着させる過程と、吸着された臭い分子を化学消臭材により分解させる過程とが常時同時に進行するために分解速度は小さくとも所定の処理量を確保できる。しかし例えば臭い分子の濃度が過渡的に高まった等で急速に活性炭素繊維に多量の吸着があった場合には、化学反応速度が小さいために再生のために多大な時間を有するとともにその間の脱臭速度は著しく減少する。なお、当然のことながら担持された化学消臭材に相当する化学量論量を分解、再生により消費した場合にはそれ以降の再生が不可能であることは言うまでも無く、臭いの濃度、時間変動、総発生量等により脱臭能力や使用可能期間に大きな影響を受けてしまう。
家庭内のトイレ、冷蔵庫、生ゴミまたは、おむつのごみ箱等の各臭気発生ゾーンから発生する臭気の主成分は、メチルメルカプタンであるが、該活性炭素繊維&コバルトフタロシアニンテトラカルボン酸等消臭性構造体においては、このメチルメルカプタンの脱臭に効果を発揮する特徴がある。その上、この脱臭器はシート状に設計できるため、スリムで設置容量が少なく、冷蔵庫であれば、保存する食品と冷蔵庫の壁との間の隙間に設置が可能であり、場所を取らずに脱臭器を臭気発生ゾーンに設置できる特徴を持つ。
しかし、該活性炭素繊維&コバルトフタロシアニンテトラカルボン酸等消臭性構造体のような化学消臭材の場合、化学反応による脱臭のため、臭いを分解する速度が非常に小さく、上記家庭内臭気発生ゾーンに発生する臭気ガスを、すばやく脱臭することに対してはそれほど期待できない面を持つ。
また、自動車等の車内の脱臭器に対する需要も現在高まっており、各種脱臭器が上市されている。このような車内の臭気除去を目的とする脱臭器は、除去すべき対象臭気ガス成分としてアセトアルデヒドを主成分とするたばこ臭を想定して入る。このアセトアルデヒドに対しては、該活性炭素繊維&コバルトフタロシアニンテトラカルボン酸等消臭性構造体による脱臭は難しく、車内の脱臭器として適していない。そのため、車内の脱臭器としては、アセトアルデヒドの除去性能を備えた化学吸着材と粒状活性炭を組み合わせた脱臭器の方が効果的である。
しかし、このような脱臭器は、粒状活性炭が主要な構成成分であり、臭いの分解・吸着速度(以後、脱臭速度と称する。)が活性炭繊維より小さく、それと同等の脱臭速度にするには、脱臭器容量の増大が必要となり、脱臭器のスリム化は難しく、しかも重いため、設置場所を選定する必要が生じる。
本発明の目的は、簡便に再生可能であって長期に渡り高い脱臭速度を安定して有し、使用に際しても安全かつ操作が容易であり、日光等の微弱な紫外線量であっても短時間で再生可能であり、さらに、家庭内で使用する際場所を取ることなく設置できるスリムで軽い本体を持った家庭用途として最適な脱臭器、脱臭器の再生方法および設計方法を提供することにある。
本発明においては、細孔を有した繊維状の吸着体に光触媒を担持固定させシート状に形成された第一吸着シートと、該第一吸着シートを収納する容器とから基本的に構成され、該容器には被吸着分子の拡散を行わせ前記第一吸着シートに吸着させる開口部を有し、脱臭する対象臭気ガスによっては、前記第一吸着シートに加えて、第二吸着シート、さらに好ましくは少なくとも1つ以上の吸着シートを備えたことを特徴とする。
該第一吸着シートである活性炭等の吸着体と光触媒とを薄いシート状に担持形成させたので、活性炭の外表面積が非常に大きく固体層内拡散の影響を受けずに少ない吸着体量であっても高速に吸着を行うことができる。同時に光触媒の暴露表面積も非常に大きく取れ、吸着体と光触媒とを近接させてさらに各々を均一に配置させることができるので分解効率や紫外線照射効率も非常に高い。紫外線照射により光触媒から発生する活性酸素も高効率でシート内部や周辺に作用することができるので、分解効率も非常に高く、紫外線照射の方向、位置や強度によって再生速度や効率に影響を受けにくく日光等の微弱な紫外線であっても分解再生を行うことができる。さらに、家屋、日当り、太陽の位置、日光強度、季節や時間等の日射条件にもあまり影響されずに不慣れな人であっても安全かつ簡便に操作可能である。例えば家庭等で大掃除をする際にタンスや押入れ等に収納された衣服類等と同じように、数時間から半日程度の天日干しを数ヶ月から一年に一度程度行うことで脱臭器の性能は初期性能近くにまで回復するとともに付着した細菌や雑菌等も分解し、繰り返し使用することができ経済的である。再生のための特別な装置や煩雑な手間をかけることなく利用可能であり衛生性も保持される。日当りが悪い場合や、日光が得られない環境下、あるいは夜間等では小型の紫外線照射灯を用いることでも同様の効果を得る。
細い繊維状に形成された吸着体を薄いシート状に形成させたことで柔軟性に富み、加工や組立が容易であると共に、衝撃や振動にも強く耐久性にも優れ長期間に渡り安定した効果を発揮する。軽量小型で持ち運びも容易なため、日光等の紫外線を照射可能な場所に脱臭器を移動させて吸着成分を分解させることで、簡便に脱臭器の再生を行うことができる。持ち運ぶ際や再生中に落下させたり衝撃を受けても損傷や変形を受けにくく取り扱い性にも優れる。繊維状に形成されているために吸着体の間に適度の空隙を有しており紫外線を透過させることができるので、シート片面に微弱な紫外線を照射した場合であっても効率よく光触媒に紫外線を照射させることができるとともに、拡散性に優れるために脱臭速度、分解された分子の排出速度や光触媒に紫外線を照射したことで発生する活性酸素の拡散速度を大きくできる。
再生後には再度、脱臭器を所望の場所に移動させ脱臭を繰り返し行うことができ、再生を短周期で行えば常に初期の高い性能を長期間維持可能であるので、吸着体量を大幅に低減させても高速でかつ長期にわたって利用可能な脱臭器を提供可能である。さらには、長期の利用によって細孔内に細菌等が繁殖するような場合にも、微弱な紫外線を短時間照射することで細孔内の細菌や有機物等も分解可能であり、脱臭能力の再生だけで無く脱臭器の衛生性をも同時に確保することができ、食品庫、冷蔵庫、冷凍庫や寝室、居室内等のとくに衛生性を必要とする用途や、多湿等で細菌の繁殖し易い環境、家庭用途であっても安全に使用することができる。
また、光触媒を用いた分解メカニズムは、紫外線を光触媒に照射することにより空気中の水蒸気や酸素等を光触媒が酸化還元し種々の活性酸素を発生させることで、これら活性酸素が吸着物質を酸化もしくは還元分解し再生するというものである。分解に必要な化学種は空気中から無尽蔵に得られ、さらに分解反応は気体である臭い分子と同じく気体である活性酸素とで行われる気気反応であるため、接触機会も大きく反応速度も非常に大きく、必要に応じて適宜再生操作を行うことで常に高い脱臭性能を非常に長い期間に渡って維持可能である。簡便に繰り返し利用が可能であるので、脱臭器が急激に破過して能力が低下した場合であっても迅速に回復再利用が可能であり、使用目的、場所あるいは用途を限定せずに幅広く利用可能である。
本発明の好ましい態様においては、光触媒は、吸着体に近接して分散配置させる。紫外線照射効率を高め、紫外線による分解効率を高めるためには光触媒の担持量を増加させることが望ましい。ところが光触媒担持量を増加させると光触媒が吸着材表面や細孔を覆ってしまい物理吸着速度を低下させたり飽和吸着量を低下させてしまい、ひいては脱臭速度の低下や吸着量の低下を引き起こす。さらには担持強度が低下することがあるので、機能再現性が低下し長期の使用には不向きとなる。紫外線照射により光触媒は活性酸素を放出し拡散させることができるので、光触媒を拡散範囲内で分散配置させることで、光触媒担持量を少なくし、なおかつ分解効率を高めることができる。さらには吸着体に近接して配置させることで、発生した活性酸素を吸着体に有効に作用させることができ、小さな紫外線強度を短時間照射させるだけであっても十分な分解能力を発揮させることができる。
本発明の好ましい態様においては、光触媒は吸着体の細孔外に配置させる。細孔内に配置させると拡散速度を低下させ物理吸着速度を低下させると共に、吸着サイトを遮蔽するので飽和吸着量も低下する。さらに細孔内には紫外線が到達し難いので紫外線照射効率を低下させ、吸着速度、飽和吸着量、分解効率を低下させてしまう。光触媒を細孔外に配置するとこれら諸問題を回避することができ、さらに発生した活性酸素の拡散効率を高めるので、周囲の吸着体に有効に活性酸素を作用させることができる。吸着速度が大きく、再生効率が高く、小さな紫外線量であっても短時間で再生可能な脱臭器を構成可能である。
本発明の好ましい態様においては、光触媒を、第一吸着シートに担持固定させるバインダーを備える。バインダーを用いることにより担持固定の信頼性を高めることができるのは言うまでも無く、とくに吸着体と光触媒の近接距離、光触媒の分布密度を長期にわたって一定に保持することができるので、機能再現性が高く長期の使用に好適である。
本発明の好ましい態様においては、光触媒の粒子は、吸着体により構成される空隙よりも小とする。光触媒は吸着体により構成される空隙内にトラップされ易くなり、空隙を構成する吸着体の繊維に沿って離散的に隣接して配置され易い。こうすることにより簡便な構成でありながら、光触媒と吸着体とを近接して配設可能で、少ない光触媒量であっても効果的に配置することができる。
本発明の好ましい態様においては、開口部の少なくとも一部は、第一吸着シートの配置方向に相対して備えられるとともに、紫外線の入射口である。第一吸着シートの配置方向に紫外線入射口を備えることにより、第一吸着シートへの紫外線照射効率を高めることができる。さらには入射口と拡散を行う開口とを兼ね備えることで無駄な開口を設ける必要が無く、軽量でありながら容器や脱臭器の機械的強度を高めることができ、持ち運び易く、落下させたり、衝撃を与えても損傷や変形を受け難い。
本発明の好ましい態様においては、開口部は、第一吸着シートの配置方向に対して略均一に分布させる。まんべんなく紫外線を第一吸着シートに照射させることができるので、小さな紫外線強度であっても有効に利用できる。また照射の角度や方向の影響を受け難い。
本発明の好ましい態様においては、開口部は、第一吸着シートの配置方向に相対した両面に備える。いずれの面から紫外線を照射しても同様に作用するので簡便である。紫外線は吸着体間を透過して裏面にも透過しやすいので、いずれかの面に紫外線を照射させるだけで全面に作用させることができる。
本発明の好ましい態様においては、脱臭器は、第一吸着シートを容器に位置決めする位置決め手段を備える。第一吸着シートは薄いシート状に形成されているので軽量で柔軟性があり加工や組立が容易である一方で、衝撃や振動により容易に変形する。これは美観を損ねるのは言うまでも無く、さらに変形により他部位と接触しやすくなり、油分、水分や有機物等の汚れが付着したり損傷しやすくなる。これらは機能再現性に影響を与え長期信頼性を損ねる恐れがあるため、第一吸着シートを容器に位置決めする位置決め手段を備えることにより、変形、露出や不用意な損傷を効果的に防止でき、美観にも優れる。
本発明の好ましい態様においては、第一吸着シートは、前記容器から着脱可能に構成する。脱臭器の設置場所によっては操作が困難で、再生のために脱臭器を容器ごと着脱することが困難な場合がある。そのため、第一吸着シートを着脱可能な構成とすることで、設置場所を選ばず操作に不慣れな使用者であっても簡単に再生操作を行うことができる。第一吸着シート全体に紫外線照射ができるので、より小さな紫外線強度であっても短時間で再生可能とすることができる。
本発明の好ましい態様においては、脱臭器は、第一吸着シートに加えて第二吸着シート、さらに好ましくは他に少なくとも1つ以上の吸着シートを備える。容量、飽和吸着量、吸着速度、ガス種、構造等に応じて第一吸着シートに加えて第二吸着シート及び他少なくとも1つ以上の吸着シートを利用することができるので、目的や用途により小型で最適な脱臭器を提供可能である。とくに、各種吸着材の組合せを利用することで、共通の容器、材料や部材を用いて様々な特性を有する脱臭器を効率的に提供可能である。
本発明の好ましい態様においては、第二吸着シート及び他の少なくとも1つ以上の吸着シートは、第一吸着シートと異なる吸着特性を有することを特徴とする。被吸着物質には様々なものがあり、各々の物理的および化学的性質は異なり最適な吸着方法も異なる。対象に応じて最適な吸着特性を有する吸着材を用いることで、目的や用途に応じて小型で最適な脱臭器を提供可能である。とくに該第二吸着シート及び他の吸着シートのように、異なる特性の組合せを利用することで、共通の容器、材料や部材を用いて様々な特性を有する脱臭器を効率的に提供可能である。
本発明では、シート状の吸着材を用いる。シート状に形成することで外表面積を十分確保でき高速な吸着が可能となり、2枚以上重ねて使うことができるので、容器の容積効率を高めるとともに共通の容器、材料や部材を用いて脱臭器を構成可能である。シート状に形成することで固定や加工も簡便であり、シートの面積や密度を調整することで容易に吸着特性を最適なものとすることができる。
本発明の好ましい態様においては、第一吸着シートと該第二吸着シート及び第三吸着シート他少なくとも1つ以上の吸着シートの少なくとも一部を重ね合わせて配置させることを特徴とする。容積効率を高めることができるので小型化が図れ、振動や衝撃を与えても両者のずり応力により変形が抑制され、長期の信頼性に優れる。
本発明の好ましい態様においては、用途、目的、使用場所、使用開始時、使用終了予定時、再生回数、再生周期、再生条件の目安等の使用状況を表示、記載、識別するための表示部を有する。脱臭器が日光などで天日干しすることにより再生可能であり繰り返し再生を行うことで長い期間での使用が可能となる一方で、吸着ガスによっては吸着材の被毒、活性酸素による吸着基材の疲弊、温湿度等の影響により材料劣化が発生し一定の製品寿命を有する。従来の設計手法においては、脱臭器の主機能であり使用者も認識し易い脱臭能力の機能低下をもって製品寿命としていたが、本発明においては脱臭器の最も主たる機能である脱臭効果の再生を可能としたので、吸着により一時的機能低下はあるが再生可能である脱臭効果とそれ以外の付随機能の低下により製品寿命を迎える場合が考えられる。これらは外部から容易に判別することができないので、使用状況を表示、記載、識別するための表示部を備えることにより、使用者が正しく判別し適切に利用することができる。また、前記第一吸着シートに加えて、該第二吸着シート、他少なくとも1つ以上の吸着シートを異なる目的、用途や場所で利用している場合には一層効果的である。脱臭器の再生周期は数ヵ月毎程度で良いので、大掃除などの機会を利用して一度にまとめて行うことがある。そのような場合には該脱臭器の再生を一度に行うので、使用者が各々を識別できず混乱する恐れがある。
本発明の好ましい態様においては、脱臭器は紫外線を検出する紫外線検出手段を有する。紫外線は不可視領域であるため、とくに不慣れな使用者にあっては紫外線の有無を認識し難い。脱臭器が紫外線検知手段を有することで、再生の際に紫外線の有無、強度や照射時間の目安を知ることができ、最適な位置、角度、時間、強度で再生を行うことができるので簡便で効果的である。とくに夏季にあっては曇天で直射日光が無くとも十分な紫外線強度を有する場合があるし、冬季にあっては直射日光があっても紫外線強度が小さい場合があるし、季節的変動に加えて成層圏の状況によっても左右される。このように、季節だけでなく地域、日当り、家屋の状況、時間帯、方角によらず最適な状況を容易に確認でき、不慣れな使用者であっても再生操作の間違いが少なく確実に再生可能である。
本発明では、細孔を有した繊維状の吸着体に光触媒を担持固定させシート状に形成された第一吸着シートと、該第一吸着シートを収納する容器とから基本的に構成され、該容器には被吸着分子の拡散を行わせ前記第一吸着シートに吸着させる開口部を有する脱臭器の再生方法であって、紫外線量が微少かもしくは再生のための光源を有さない空間において物理吸着を行ない、吸着後の前記吸着材または脱臭器を日光およびまたは所定の紫外線下に移動させた後に紫外線を照射し、光触媒で吸着材に吸着された被吸着物質を分解することにより、吸着材の吸着能力を再生させる。特別な光源や装置を用いることなく、暗所での吸着を目的としたものであっても簡便な操作で脱臭器の再生操作を行うことができる。吸着体の少なくとも表面には光触媒が担持されているので光触媒の暴露面積が大きく、紫外線強度が小さくても分解に必要な活性酸素を発生させることができる。吸着と再生の場所を異ならせることで、紫外線が無い場所でも吸着操作を行うことができ、これを紫外線照射が可能な場所に移動させて回復操作を行うことで、日光等の微弱な紫外線量であっても、天日干し等を行うことで簡便に分解再生可能である。吸着と再生の場所を変えることにより、紫外線照射源に必要な電源、保護装置、排気装置や設置空間も必要とせず、如何なる場所、目的や用途であっても吸着あるいは脱臭操作を行うことができる。吸着あるいは脱臭操作を行う場所が、紫外線照射源から発生する不快なオゾン臭の影響を受けることも無い。臭いの発生速度は微少であり、臭い強度は濃度の対数に比例するため、再生のために短時間脱臭器を取り外しておいても臭い強度が大幅に向上することも無く合理的でもある。日当りが悪い場合や、日光が得られない環境下、あるいは夜間等では小型の紫外線照射灯を用いることでも同様の効果を得るのは言うまでも無い。
本発明では、前記第一吸着シートと、少なくとも前記第一吸着シートを収納する容器とから構成され、該容器には被吸着分子の拡散を行わせ前記第一吸着シートに吸着させる開口部を有する脱臭器の再生方法であって、前記のように光触媒で吸着材に吸着された被吸着物質を分解することにより、吸着材の吸着能力を再生させる。
第一吸着シートと、第二吸着シート及び他の吸着シートとの該容器内での配置については、特に限定されるものではないが、該吸着材の各々少なくとも一部を重ね合せて配置させることが望ましく、前記光触媒を担持固定させシート状に形成された第一吸着シートが、該容器の開口部に密着した形で配置するとともに、その他の吸着材の各々少なくとも一部を重ね合せて配置させることが望ましく、さらに、開口部が2個所以上ある場合は、各々の開口部に該第一吸着シートを密着させ、その他該第二吸着シート及び他の吸着シートを該容器と該第一吸着シートに挟むかもしくは、それらに囲まれた空間内に配置することが望ましい。
該開口部に該第一吸着シートを密着させることは、紫外線量が微少かもしくは再生のための光源を有さない空間において物理吸着を行ない、吸着後の該吸着材または脱臭器を日光およびまたは所定の紫外線下に移動させた後に紫外線を照射し、光触媒で吸着材に吸着された被吸着物質を分解する際、該第一吸着シートに照射される必要な紫外線量を最大限確保するために好ましい方法である。
本発明の好ましい態様においては、容器には着脱可能な固定部を備え、吸着時においては固定部により脱臭器を固定し、再生時においては脱臭器を固定部において脱離させる。容器に着脱可能な固定部を備えるので、操作に不慣れな使用者であっても簡便な操作で繰り返し操作が可能である。またどのような場所にも設置可能なので邪魔にならずに好適である。
本発明の好ましい態様においては、脱臭器は紫外線を検出する紫外線検出手段を有し、紫外線検出手段の出力に応じて再生時の紫外線強度、位置、角度、時間等の再生条件を調整する。紫外線は不可視領域であるため、とくに不慣れな使用者にあっては紫外線の有無を認識し難い。脱臭器が紫外線検知手段を有し、紫外線検出手段の出力に応じて再生時の紫外線強度、位置、角度、時間等の再生条件を調整するので、特別な測定装置や技能を必要とすることなく誰でも簡便にかつ確実に再生操作を行うことができる。
本発明の好ましい態様においては、あらかじめ定められた所定の使用条件を満たしたときに再生を行う。再生を行う際の使用条件を予め定めておくので、特別の技能や測定装置を用いることなく誰でも簡便に再生操作を行うことができ、家庭用途には好適である。
本発明では、細孔を有し物理吸着を行う吸着体と、細孔を有した繊維状の吸着体に光触媒を担持固定させシート状に形成された第一吸着シートと、該第一吸着シートまたは、該第二吸着シート及び第三吸着シート他少なくとも1つ以上の吸着シートを収納する容器とからなり、該容器には被吸着分子の拡散を行わせ前記第一吸着シートに吸着させる開口部を有する再生利用可能な脱臭器において、吸着材の飽和もしくは吸着速度の低下により定められその少なくとも一部が紫外線照射により再生可能である吸着能力の再生周期:ζと、脱臭器の使用期間:ζとで、χ・ζ≦ζとなるように脱臭器の諸元を定める。(ただしχは1以上の任意の設計値)
本発明では、該第二吸着シート及び他の吸着シートは、細孔を有した繊維状の吸着体に、各々異なる化学吸着材を担持させ、シート状に形成したものであることが望ましい。この構成にすることにより、該繊維状の吸着体の特徴である吸着速度が速いという特徴を持つだけでなく、化学吸着材が持つ特徴である吸着量が高いという特徴も同時に兼ね備えることができる。該繊維状の吸着体は、それ自体比表面積が高いので、臭気ガスを吸収するスピードが高いという特徴がある。しかし、吸着材周辺の臭気ガス濃度の低下とともに吸着量が減少し、吸着材への吸着速度と吸着材からの放出速度が均一になる平衡濃度に達した場合、それ以上に吸着材周辺の臭気ガス濃度を低下することが困難となる。そのため、目的の臭気ガス濃度にしようとする場合、それだけ吸着材量を多くする必要が出てくる。ところが、化学吸着材を担持させた場合、臭気ガスの反応が化学反応であり、吸着材からの放出のない不可逆的な吸着挙動を示すため、吸着材周辺の臭気ガス濃度に関係なく吸着することが可能となり、目的の臭気ガス濃度にしようとする場合でも、該繊維状の吸着体のように吸着材量を多くする必要がないという特徴がある。
本発明では、前記第一吸着シートと該第二吸着シートおよび他少なくとも1つ以上の吸着シートは、各々少なくとも一部を重ね合せて配置させることが望ましい。例えば、上記のように容器表面から、該第一吸着シートとして光触媒を吸着体の細孔外に配置させた光触媒含有した吸着シート(以後、光触媒シートと称する)と該第二吸着シート及び他少なくとも1つ以上の吸着シートとして各々異なる化学吸着材を担持させてシート状に形成した化学吸着材付き吸着シート(以後、化学吸着シートと称する)を重ね合せた場合、該光触媒シートのみまたは、該化学吸着シートのみで重ね合せた場合に比べて、吸着速度と吸着量の両吸着性能が両方とも向上した脱臭器を構成することができる。
該光触媒シートのみで構成された場合、上記繊維状の吸着材と同様に、吸着速度は速いが、平衡濃度に達するとそれ以上周辺の臭気ガス濃度を低下させることが困難である。また、該化学吸着シートのみで構成された場合、上記光触媒シートのみの場合とは逆に、時間さえかければ、周辺の臭気ガス濃度を該光触媒シートよりも低下させることが可能となるが、吸着速度は比較的遅くなる。そこで、上記のように両シートを重ね合せた場合、該光触媒シートによりすばやく吸着させて吸着材周辺の臭気ガス濃度を上げた後、化学吸着シートにより比較的高濃度の状態で臭気ガスを吸着させることが可能となるため、吸着速度と吸着量がともに向上した吸着材となり、少ない吸着材量で目的の臭気ガス濃度まですばやく達成することが可能となる吸着材を構成することができる。
本発明では、少なくとも一部を重ね合せて配置させる該第一吸着シートと該第二吸着シート及び他少なくとも1つ以上の吸着シートとして、光触媒シートに加え、メチルメルカプタン、硫化水素のような酸性ガスを除去するシート(以後、酸性ガス除去シートと称する)、アンモニア、トリメチルアミンのような塩基性ガスを除去するシート、(以後、塩基性ガス除去シートと称する)を同一容器内に収納する形態が望ましい。
家庭内の生ゴミの箱やおむつのごみ箱、冷蔵庫で発生する複合臭除去のためには、該複合臭をすばやくしかも大量に除去することが必要となるが、上記構成の脱臭器を使用することで、該複合臭をすばやくしかも大量に除去することが可能となる。
さらに、上記のように3種類のシートを同一容器内に収納する形態にすると、シート厚みが2mm以下、重量1g以下となり、小型化、軽量化が可能となる脱臭器を構成することができる。このことは、家庭内のあらゆる臭気発生ゾーンにおいても、脱臭器の存在による冷蔵庫等の収納スペースの減少を心配することなく、脱臭することが可能となる。
本発明では、光触媒シート、酸性ガス除去シート、塩基性ガス除去シートの組み合わせで構成された脱臭器を、生ゴミ及び/または、おむつから発生する複合臭の一部または全部を除去することを目的とする脱臭器として使用することが考えられる。例えば、一般家庭の生ゴミから発生する臭気は、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、トリメチルアミンなどの複合臭と考えられる。このため、生ゴミ用脱臭器を想定した場合には、硫化水素やメチルメルカプタンなどの酸性ガスと反応する化学吸着材として酸性ガス除去シートと、アンモニアやトリメチルアミンなどの塩基性ガスと反応する塩基性ガス除去シートを、光触媒シートとともに併用する形態が望ましい。但し、上記した目的で、3枚以上のシートを同一容器内に収納する場合には、その配列についても検討する必要がある。例えば、生ゴミ用脱臭器として、特に魚臭の脱臭を目的とする場合には、魚臭の主成分であるトリメチルアミンに対して最も有効なシート配列とする必要がある。すなわち、塩基性ガス除去シートと、対象臭気の主成分であるトリメチルアミンとの接触率、更には、光触媒シートへの紫外線照射を遮らないといった観点から、表裏に開口部を有する収納容器においては、塩基性ガス除去シートを最背面に配設する形態が望ましい。即ち、収納容器表面から、光触媒シート、酸性ガス除去シート、塩基性ガス除去シートの配列とする。このような配列とすることで、一般家庭の生ゴミから発生する臭気の主成分であるトリメチルアミンはもとより、硫化水素やメチルメルカプタンといった酸性ガス由来の臭気についても脱臭が可能となり、結果的に生ゴミ臭といった複合臭に対する脱臭が可能となる。
また、同じ生ゴミ由来の臭気を脱臭する場合でも、硫化水素を主成分とする肉臭の脱臭を主たる目的とする場合には、上記と全く同じ考え方で、酸性ガス除去シートを最背面に配設し、容器表面から光触媒シート、塩基性ガス除去シート、酸性ガス除去シートとする形態が考えられる。
また、別の目的として、糞便臭や尿臭といった排泄物の複合臭を想定した場合、発生する臭気はメチルメルカプタンや硫化水素といった酸性ガス由来の臭気と、アンモニアに代表される塩基性ガス由来の臭気との複合臭である。この場合も、対象臭気の中から主要臭気成分を特定し、脱臭シートの配列に反映させる必要がある。例えば、乳幼児由来の排泄物を対象とする場合には、糞便臭よりも尿臭が明らかに目立つため、尿臭の主成分であるアンモニアを効率よく脱臭できる構成とすることが考えられる。具体的には、塩基性ガスに対応する塩基性ガス除去シートを最背面に配設するため、容器表面から、光触媒シート、酸性ガス除去シート、塩基性ガス除去シートとする。
光触媒シート、VOCを除去するシート、塩基性ガス除去シートの組み合わせで構成された脱臭器を、車内から発生する複合臭の一部または全部を除去することを目的とする脱臭器として使用することが考えられる。たとえば、自動車等の車の室内で発生する複合臭を想定した場合、発生する臭気はアセトアルデヒドのようなタバコの煙由来の臭気と、アンモニアに代表される塩基性ガス由来の臭気との複合臭である。この場合も、対象臭気の中から主要臭気成分を特定し、脱臭シートの配列に反映させる必要がある。例えば、車内の臭気ガスの原因としては、車内のタバコの煙臭、車内に入れた後残留するペットの臭い、エアコン等から排出される臭い、車の排気ガスの臭い、人の汗の臭いなどが考えられるが、この中で最も臭いがきつく感じられるたばこの煙臭を対象とする場合には、タバコの煙臭の主成分であるアセトアルデヒド、アンモニアを効率よく脱臭できる構成とすることが望ましく、特にアンモニアは、ペット臭等から発生する可能性も高いので、特に脱臭効率の高い配置にするのが望ましい。具体的には、塩基性ガスに対応する塩基性ガス除去シートを最背面に配設し、トルエン等のVOCやホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを除去するシート、(以後、VOC除去シートと称する。)を中にするため、容器表面から、光触媒シートVOC除去シート、塩基性ガス除去シートとすることが考えられる。
光触媒シート、活性炭繊維のみで構成された活性炭繊維シートの組み合わせで構成された脱臭器を、下駄箱内から発生する複合臭の一部または全部を除去することを目的とする脱臭器として使用することが考えられる。たとえば、下駄箱内で発生する複合臭を想定した場合、発生する臭気はイソ吉草酸のような汗由来の臭気と、ジオスミンに代表されるカビ臭い臭気との複合臭である。この場合も、対象臭気の中から主要臭気成分を特定し、脱臭シートの配列に反映させる必要がある。例えば、下駄箱内の臭気ガスの原因としては、人の汗臭・靴のむれた臭い、下駄箱内の雑菌やカビから発生するカビまたは、土の臭い、その他湿気た臭いなどが考えられるが、この中で最も臭いがきつく感じられる汗臭を対象とする場合には、汗臭の主成分であるイソ吉草酸、酢酸を効率よく脱臭できる構成とすることが望ましく、特に脱臭効率の高い配置にするのが望ましい。具体的には、イソ吉草酸除去に有効な光触媒シートよりさらに比表面積の高い活性炭繊維シートを最背面に配設するため、容器表面から、光触媒シート、活性炭繊維シートとすることが考えられる。
本発明によれば、簡便に再生可能であって長期に渡り高い脱臭速度を安定して有し、使用に際しても安全かつ操作が容易であり、日光等の微弱な紫外線量であっても短時間で再生可能であり、さらに、家庭内で使用する際場所を取ることなく設置できるスリムで軽い本体を持った家庭用途として最適な脱臭器、脱臭器の再生方法および設計方法を提供するという効果がある。
図1、2、3、4は、本実施例における脱臭器の外観図である。容器1は表蓋2と裏蓋5とにより構成される。表蓋2および裏蓋5は、ともにプラスティック成型体で構成されており、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS等が利用可能であり、再生中に落下させたり衝撃を与えても変形したり破壊することが無い。耐衝撃性の強いプラスティックを用いるとより好適である。容器1の内部には、主に活性炭素繊維、酸化チタン、その他支持基盤成分およびバインダーよりなる不織布シートを適当な大きさに成型した吸着材3が一枚だけ収納されている。表蓋2および裏蓋5には、系外から臭いを取り込み吸着材3に吸着させるとともに紫外線を透過可能な開孔11が設けられている。なお、開孔11の形状は耐衝撃性や機械的強度を高めるとともに、開孔率を高めるために格子状としている。
表蓋2には、ほぼ全面に、均一に開孔11が設けられており紫外線を吸着材3のほぼ全面に照射可能であるので、小さな紫外線強度であっても効率的かつ偏在無く再生が可能である。開孔11は、周囲の面取加工によって紫外線入射口が広がり、さらに効率的かつ偏在なく再生が可能となる。開孔周囲の面取りによって、使用者の安全性も高まり、外観的にも優れたものとなる。吸着材3は紫外線を透過可能で裏面にも紫外線を透過させることができるし、薄く成型されているため紫外線照射により発生した活性酸素を裏面にも作用させることが可能であり、脱臭器の両面にわざわざ紫外線を照射させることなく片面のみの照射により再生が可能である。なお、表蓋2の開孔率は50%程度であるが、吸着材3への紫外線照射率を高め、なおかつ十分な機械的強度と軽量を得る設定としている。
吸着材3は、細孔を有した繊維状の吸着体のみで構成されてもよいが、吸着材の形状を保持し、機械的強度を持たせることを目的として、該吸着体を支持する支持基盤成分を備えることが望ましい。支持基盤成分の含有量は、10〜90重量部、特に40〜70重量部が好ましい。前記含有量が10重量部未満だとシートの機械的強度が低下し、90重量部以上だと、他の吸着体の吸着能力を阻害する。
支持基盤成分としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルケトン樹脂、ポリエーテル樹脂、ジエン系樹脂などの合成樹脂、ガラス繊維、金属繊維、アルミナ繊維などの無機繊維、木材パルプ、麻パルプ、コットンリンターパルプなどの天然繊維などが挙げられ、これらを単独または、複数を適宜選択し、使用することができる。
細孔を有した繊維状の吸着体としては、上記活性炭繊維シートに主に使用され、その他VOCを除去するシート、塩基性ガス除去シート、酸性ガス除去シートにも使用される活性炭素繊維が望ましい。活性炭素繊維は、マクロポアの奥にミクロポアが存在する粒状活性炭と比べて、繊維表面に直接ミクロポアが露呈する構造となっているため、臭い成分の吸脱着スピードが速いからである。活性炭繊維としては、ピッチ系、レーヨン系、PAN系、フェノール系等挙げられるが、比表面積が大きく、価格的にも安価なピッチ系が好ましい。尚、前記シートにおける活性炭繊維の含有量は、15〜70重量部が好ましく、さらには30〜60重量部がより好ましい。前記含有量が15重量部未満だとシートの吸着能力を阻害し、90重量部以上だと、シートの機械的強度が低下するからである。
前記支持基盤成分および/または、前記繊維状の吸着体の一部又は全部を特殊な方法を用いてフィブリル化した繊維にすることが望ましい。フィブリル化することにより、該成分の比表面積を極めて大きくすることができ、その表面に光触媒を保持することが可能となり、さらに該繊維状の成分同士が絡み合うために、該成分を含有してなる前記第一吸着シートの機械的強度を大きくすることができる。フィブリル化する方法としては、例えば、ポリエステル系高分子にアルカリ可溶成分をブレンドし、減量後叩解し、繊維状にフィブリル化する方法(特公昭56−315号公報)や、該繊維状成分を適当な長さに切断後、水中に分散させ、ホモジナイザー、叩解機などを用いてフィブリル化する方法(特開昭56−100801号公報)が挙げられる。
本発明の光触媒としては、チタニア(TiO2)が最も好ましい。チタニアは、無害であり、化学的に安定であり、かつ、安価に入手可能である。チタニアとしてはアナターゼとルチルのいずれも使用することができる。アナターゼ型チタニアの利点は、非常に細かな微粒子を分散させたゾルを市場で容易に入手することができる。本発明に使用可能な他の光触媒としては、ZnO、SnO2、SrTiO3、WO3、Bi2O3、Fe2O3のような金属酸化物がある。光触媒の配合量は、前記第一吸着シートの総量100重量部に対して、2〜50重量部が好ましく、さらに好ましくは10〜30重量部である。5重量部未満では、光触媒による前記吸着材に吸着された秘吸着物質を分解する能力が低下し、該第一吸着シートの吸着能力を再生させることができにくくなる。一方、50重量部を超えると、前記支持基盤成分および/または、前記繊維状吸着体の一部又は全部の表面に光触媒を保持することが難しくなり、光触媒の脱落が生じる可能性があり、好ましくない。
光触媒を支持基盤成分により強固に保持させるため、さらにバインダーを用いることもできる。バインダーとしては、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリオレフィン重合体等の熱溶融製繊維、エポキシ、ポリビニルアルコール、アクリル、ウレタン、酢酸ビニル樹脂、ゴム系接着材、ポリエステル系接着材、シリコン系接着材、ポリサルファイド系接着材、シアノシリケート系接着材、メラミン系接着材、フェノール系接着材、澱粉、天然ガム類、キトサン、アルギン酸塩、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリN−ビニルピロリドン、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニルエマルション及びポリ塩化ビニリデンエマルション等の合成樹脂エマルション、NBR及びSBR等の各種ラテックス等のうち少なくとも1種、あるいは2種以上の成分を混合したものが、適宜選択可能である。
上記光触媒シートにあたる第一吸着シートのシートの形成方法としては、例えば次の方法が挙げられる。
まず、光触媒と前記吸着体を水中に添加混合する。前記支持基盤成分を用いる場合には、同じくこの段階で水中に添加する。次いで、適当な凝集材を用いて光触媒、吸着体(並びに支持基盤成分)の凝集複合体を形成する。
凝集材としては、カチオン性高分子凝集材、例えばカチオン性ポリアクリルアマイド、ポリ塩化アルミニウムの他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ性水酸化物、さらに、アニオン性高分子凝集材、例えばアニオン性ポリアクリルアマイドなど、あるいはアニオン性無機微粒子、例えばベントナイト水分散物、アルミナ、シリカ及びジルコニア等の水溶性無機酸化物等が挙げられる。
凝集材は、該第一吸着シートと光触媒の総量100重量部に対して0.01〜10重量部添加するのが適当である。
使用目的に応じて、前記の凝集複合体のまま脱臭シートとして使用しても構わないし、あるいは濾過や遠心脱水などの方法で該水分散物から凝集複合体を分離、次いで乾燥した後、必要に応じて粉砕して使用しても構わない。
裏蓋5の中央部には、脱臭器の使用期間、再生周期、再生操作方法が示された表示部6が備えられている。さらに表示部6には、使用開始年月、使用終了予定、あるいは再生回数等の使用条件を使用者自身が書き込み表示する部位も設けられており、この表示部6の記載内容に基づいて再生操作あるいは脱臭器の交換を実施可能である。表示部6の周辺には、開孔11が設けられており、臭いの拡散を促進し脱臭速度を高めるとともに紫外線を透過可能な構成となっている。
表蓋2には紫外線を検出し、紫外線強度に応じて色調が異なる紫外線検知手段4が設けられている。天日干しを行ったり紫外線灯等から紫外線の照射を受けた場合には紫外線検知手段4の色が変化し、使用者が容易に紫外線の存在や強度を認識できる。ここでは所定の強度以上になった場合には白色から青色に変化するようにしているので、変色の閾値を再生効率の高い紫外線強度に設定しておけば、紫外線検知手段4の色調を確認することで効果的に再生を行うことができる。使用者は紫外線検知手段4が所定の状態になるように、再生を行う場所、角度、再生時間、方角、季節、天候、時間帯、日照条件等の諸条件を適宜選択あるいは調整することで、簡便に、短時間でなおかつ効率的に再生操作を行うことができる。紫外線検知手段4は、粘着層を有する基材に、紫外線に反応する顔料が塗布されているものであり、これを白色無地面に印刷することで、色調の変化を認識し易い。紫外線検知手段4は糊、シールあるいは両面接着テープ等で表蓋2に貼り付け固定している。
紫外線に反応する顔料は、主として波長が340〜350nmの紫外線照射によって色が可逆的に変化する光互変化合物を主成分とし、紫外線照射量が多い程濃くなるという特徴を備えている。光互変化合物としては、Hg2、S2、I2 、ZnS等の無機化合物や、アゾベンゼン、サリチリデンアニリン、アントラセン、トリフェニルメタン、フリキド、スチルベン、サリチルアルデヒド等の有機化合物があげられる。
なお、これらの光互変化合物は、そのまま用いてもよいが、例えば、フォトクロミックカプセルインキ(日本カプセルプロダクツ社製)等のように微粒子状の光互変化合物を透明な樹脂皮膜で被覆しカプセル化してもよい。このようにすると、塗布面から光互変化合物が脱落しにくく、長期にわたって鮮明な変色特性を示し、好適である。また、カプセル内に少量の有機溶材を含有させると、光互変化合物の耐光性が向上し、より好ましいものとなる。
表蓋2と裏蓋5の各々裏面には機械的強度を高める補強リブ12が備えられている。補強リブ12は、空気の流通や紫外線照射効率を阻害することのないよう、表面の格子部よりも細く形成した。補強リブ12は開孔11の間に略均等の間隔で設置されている。表蓋2の外周部には凸部A13が設けられ、裏蓋5の外周部には凸部B14がほぼ全周に渡って設けられ補強リブ12との間に凹部17が形成されている。表蓋2と裏蓋5とを勘合させた際には、凸部A13、凹部17が嵌め合いを形成し容器1の強度を保ち、不用意にずれたり外れることを防止するとともに組立時の位置決めも簡便である。
図6には、表蓋2と裏蓋5との勘合の様子を示している。両者を勘合した状態では、凸部A13と凹部17とが嵌め合いを構成し、表蓋2と裏蓋5とに各々設けられた補強リブ12が対面に位置するように構成され、補強リブ12間で構成された隙間部で吸着材3a、3bを保持固定するとともに位置決めを行う。このような構成をとることで、薄く変形し易いシート状の吸着材3a、3bも取り扱いが容易となり、表蓋2と裏蓋5を嵌めあうだけで、容器1の構成、複数の吸着材3a、3bの位置決めおよび保持固定が同時に成されるので組立性に優れ、耐久性も高めることができる。
吸着材3aと吸着材3bとは異なる特性を有しており、吸着材3bは吸着材3bを挟み込むように重ね合わせた状態で収納されている。ここでは吸着材3aには活性炭素繊維、酸化チタン、その他支持基盤成分およびバインダーよりなる不織布シートより構成され光触媒を担持させた第一吸着シートを、吸着材3bには活性炭素繊維、その他支持基盤成分およびバインダーよりなる不織布シートより構成され光触媒を担持させない第二吸着シートを配置している。吸着材3aは紫外線を透過可能であり紫外線照射により発生する活性酸素が拡散し近接部位に作用するため、このように隣接させて配置させることで吸着材3bは光触媒を担持させなくとも再生可能となる。
目的や用途によっては、第一吸着シートに加えて前記第二吸着シートを始めとした少なくとも1つ以上の吸着シートを併用することが望ましい。第一吸着シートだけで対応しようとすれば、吸着材を大量に使用する必要があり、脱臭器は大型化し、高価なものとなってしまう。そこで、その場所特有の臭いに対して効果的な該第二吸着シートを始めとした少なくとも1つ以上の吸着シートを選定し、併用すれば、吸着材の使用量も効率が良くなり、小型で最適な脱臭器を提供することが可能となる。
該第二吸着シートを始めとした少なくとも1つ以上の吸着シートには様々なものを用いることが可能である。第一吸着シートが有する物理吸着とは異なる特性、例えば、化学吸着による吸着材も使用可能であり、化学吸着材、活性炭繊維、その他支持基盤成分およびバインダーよりなる不織布シート等を用いることもできるし、紙等の薄いシートに化学吸着材を含浸させただけのものでも利用可能である。
化学吸着材としては、例えば、上記酸性ガス除去シートや塩基性ガス除去シート、VOC除去シートに使用されるとみられる水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸、りん酸、ミョウバン、塩酸、有機酸、イオン交換樹脂のような酸塩基他の中和反応で除去するタイプ、ホルムアルデヒド、グリオキサザール、グルタルアルデヒド、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド等、主にホルミル基―CHOとの縮合型反応で、臭気ガスと縮合反応させて除去するタイプ、逆に除去対象臭気がアセトアルデヒドのようなアルデヒド基を持つタイプであれば、ホルミル基―CHOとの縮合型反応で、臭気ガスと縮合反応させて除去するタイプを始め、アミド結合、エステル結合のような縮合型反応で、臭気ガスと縮合反応させて除去するタイプ、ラウリルメタクリレートのようなメタクリル酸エステル、マレイン酸ジメチルのようなマレイン酸エステル、フマル酸エステルのように、炭素―炭素二重結合とアンモニアのような臭気ガスとの反応により脱臭する付加反応型タイプ、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、二酸化マンガン、鉄系化合物、過炭酸ナトリウム、オゾン、有機過酸化物、二酸化塩素、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、パラジウム、白金、ロジウムの金属塩のような酸化材タイプ、水素、水素過ホウ素化合物、水素化アルミニウム化合物、亜硫酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、よう化水素、ヒドラジンのような還元材タイプが挙げられる。
化学吸着材の種類は目的とする吸着物質により適宜選択可能であり、エチレンガスにはバナジウム触媒、酸性ガスには塩基性吸着材、塩基性ガスには酸性吸着材を用いることで効果的に吸着、脱臭が可能となる。
吸着材3bに化学吸着材を含む第二吸着シートを、吸着材3aに第一吸着シートを重ね合せて配置すれば、吸着材3aで吸着されずに残存したものが吸着材3bに拡散し吸着される構成となるので、吸着材3bの化学量論以上の吸着が可能であるとともに化学吸着でありながら非常に高速に脱臭可能である。当然のことながら第一吸着シートは再生可能であり、繰り返し使用することができるので、第二吸着シートも再生することができ、この構成においても繰返し使用が可能となる。
なお勘合部の一部を図7に示すように構成することもできる。凸部A13の一部には切り欠きA15が、凸部B14の一部には切り欠きB16が設けられている。切り欠きA15と切り欠きB16とを嵌め殺しとすることで、落下させたり衝撃を与えても不用意に表蓋2と裏蓋5とが脱離しないような脱離抑止手段を構成するので、長期信頼性に優れ耐久性のある脱臭器を提供可能である。表蓋と裏蓋とは接着材で接着したり、熱や溶材で溶着したりすることも可能であるが、組立時の簡便性を考えると、切り欠き部を嵌め合う構成が好ましいといえる。
図7には、本実施例における吸着材3の概観図の一例を示す。厚みは0.35mm程度であり、柔軟性に富み、切断等の加工を行うことで所望の形状や大きさに成型可能である。坪量は70±5g/mに設定し、大きさは標準サイズとしてA=95mm、B=83mm、大型サイズとしてA=143mm、B=83mmとした。本実施例における脱臭器は、フィルターのように強制的に通気するものではなく、静置使用するものであるので、吸着材の圧力損失を気にする必要がないため、大きさ以外にも使用する枚数、坪量を適宜変えることができる。大きさ、使用枚数、坪量を変えることで脱臭速度や飽和吸着量を容易に変更可能であるので、目的や用途あるいは所望の寿命により同一の材料を用いても様々な特性を有する脱臭器を構成することが可能である。
図8、9、10は、本実施例における脱臭器の他の構成を表す模式図である。容器1には、スライド式で吸着ユニット21が着脱自在に装着されており、再生時には吸着ユニットのみ取り外すことでさらに簡便に再生操作を行うことができる。吸着ユニット21はフレーム18を二枚重ね合わせた構成となっており、引き出し操作を簡便にするためにつまみ19が設けられている。吸着材3を二つのフレーム18で挟み込み、フレーム外周部に設けられた6つの位置決め手段20を重ね合わせることで、吸着材3は位置決め固定され吸着ユニット21が構成される。表蓋2には通気性と外部から水の侵入や汚れ防止を両立させるため校倉状の開孔11が、裏蓋5には円形の開孔11が備えられている。このような構成では、紫外線照射効率を容器1の開孔率に左右されずに脱臭器を設計可能なので、美観や強度に優れた脱臭器を提供可能である。また吸着ユニットのみ交換することも可能なので経済的であり、用途や目的により適切な吸着ユニットを使用者が交換して用いることもできる。脱臭器の着脱が困難な場所に設置しても容易に再生操作が可能となる。また、脱臭器は左右対称に形成されているので、空間内の左右いずれの方向に設置しても問題なく脱着が可能となる。
図11には、本実施例における脱臭器の固定方法の一例を示す。固定部21はフック22とループ23とからなり、フック22とループ23は、いずれもその裏面に粘着材が塗布されている。フック22とループ23のいずれか一方の粘着材塗布面を容器背面部に貼付け、もう一方の粘着材塗布面を使用場所の任意の面に貼付け、フック21面とループ23面とを勘合させて固定するのである。フック面とループ面を貼り合せた時の固定具21の厚みは、3mm程度になるため、当該固定具で容器を固定する方法によれば、容器背面は設置面から3mm程度間隙が形成され、背面部からの通気も可能となり脱臭速度が向上し好適である。フック22とループ23とは、通常使用時にはフックとループを貼り合せて設置し、再生時に紫外線下に移動させる場合には取り外すなど、意のままに脱着を繰り返すことができる。固定部21として着脱可能な面ファスナーを用いれば、一面を壁面等に貼り付け固定し、一面を脱臭器に貼り付け固定することで、脱臭器の設置場所を固定可能である。薄型かつ軽量に構成されているので、特別な固定装置を必要とせず使用者の邪魔にもならない。
図12には、本実施例における脱臭器の再生方法の一例を示す。脱臭器は、洗濯用固定具での固定し再生することを考慮し、洗濯バサミの最大固定厚さ10mm程度に容易に納まるよう8mmの厚みとした。このように小型であり薄型軽量なので洗濯バサミ等の洗濯用固定具で固定しで簡単に保持することができ、太陽光の紫外線下に吊り下げることで容易に天日干しが可能である。不慣れな使用者であっても、再生の為の特別な装置や操作を必要としないので違和感無く簡便に再生操作を行うことができる。さらには、紫外線検知手段4の出力結果により再生条件を適宜調整することで最適な条件で天日干しを行うことができる。
図13には、吸着材3の電子反射像の一例を示す。光触媒粒子径は7nmとし、活性炭素繊維径は30μmを用いている。活性炭素繊維径は小さいほど外表面積を大きく設定でき物理吸着速度も高めることができる。光触媒粒子はできるだけ活性炭素繊維に隣接して配置させたほうが効果的である。活性炭素繊維が構成する空隙の直径もしくは代表長さよりも光触媒粒子径を小さく設定することで、活性炭素繊維に隣接して光触媒を配置可能となる。さらには活性炭素繊維径よりも光触媒粒子径を小さく設定することで、活性炭素繊維に沿って均一に光触媒を配置可能となるので、光触媒担持量を少なく設定可能であり光触媒の外表面積を大きくできるので活性酸素量も増大させることができ好適である。光触媒粒子径は小さくするほど効果的であるが、製造が困難であったり所定径以下に設定しても一次もしくは二次凝集により見かけの粒子径が大きくなるので3nm以上に設定することが望ましい。活性炭素繊維は他の粒状活性炭等とは異なりマクロ孔を有さないので、光触媒を適度な粒子径に設定することで細孔外に配置することができ、担持による物理吸着速度の低下を抑止できる。
本発明の脱臭器の脱臭能力と再生方法及び、その再生能力について具体的に説明する。
ここで言う脱臭器の脱臭能力とは、例えば、メチルメルカプタンのような臭い成分がある一定量存在する雰囲気中に前記脱臭器を置いた場合、自然または、強制的に該臭い分子が除去されることで臭い成分濃度が低下し、吸着平衡に達した時の吸着量である平衡吸着量を言う。また、ここで言う再生とは、その平衡吸着量分だけ脱臭器に吸着された脱臭器中の臭い分子を、光触媒による酸化還元反応により分解することで、脱臭器から取り除き、その取り除いて空いた吸着サイトに新たに臭い分子を吸着させ、飽和して吸着能力のなくなった脱臭器の吸着能力を回復させることを言う。そして、ここで言う再生能力とは、再生を行なう前の平衡吸着量に対する再生後新たに吸着される臭い分子の吸着量の割合を表し、その割合を再生率とする。その割合が大きいものほど再生能力が高い脱臭器となる。
(実施例1)
臭い成分平衡吸着量測定装置の準備
縦10mm横17mm厚み0.3mmの光触媒複合活性炭繊維シート(NMP-B035HS;ユニチカ製)と同じサイズの網状シート(開口部の大きさ1mm×1mm)を用意する。前記網状シートは、図1の容器の開口部と光触媒複合活性炭繊維シートとの大きさの比率において、同じ比率のまま縮小された開口部を持った網状のシートである。これを前記シート表面に取り付けることにより、図1の脱臭器と同じ吸着表面を備えることが出来、吸着の仕方も、光照射による紫外線の当たり方もともに、図1の脱臭器に近い状況を実現しうる。また、湘南科学製でセパラブルフラスコ改作品という名称のある直径150mm高さ60mmの円筒状で3つのタケノコ状の管部(長さ30mm、内径4mm、外径:6mm)のついたガラス容器を用意し、その中の一つの管部において、ガラス容器の内側の穴を覆う形で前記光触媒複合活性炭繊維シートを張り付け、さらに網状シートをその上から貼り付ける。該シートとガラス容器との間は、隙間ができないようにアルミテープで密着させる。(図14参照)その後、柴田科学製Oリング(0595−120)をガラス容器の円筒上部に沿っておき、さらに岩城硝子製7440(厚さ5mm、直径150mm)を置き、それらを柴田科学製セパラブルフラスコ用取り付けバンド(0593−120)で締め付けて、ガラス容器内を密封する。このガラス容器が臭い成分平衡吸着量測定装置となる。
臭い成分(メチルメルカプタン)流通装置の準備
443ppmの臭い成分(メチルメルカプタン)ガス7m3ガスボンベ(高千穂化学工業製)と純度100%空気7m3ガスボンベ純空気G1(ジャパンファインプロダクツ製)を用意し、それぞれに減圧弁(SR-1H;ヤマト産業製)(太陽東洋酸素製)とフッ素樹脂製チューブをつないで、その先にマスフローコントローラーをつなぎ、各々のガスの流通速度をコントロールできるようにする。(図15参照)さらに、それぞれのマスフローコントローラーの先を三方弁につないで、両ガスが合流できるようにして、その合流した混合ガスが、前記ガラス容器の前記シートが取り付けられていない管部を通るようにフッ素樹脂製チューブでつなぐ。
臭い成分(メチルメルカプタン)濃度、ガス流入速度の調製
前記臭い成分平衡吸着量測定装置に流入させる臭い成分ガスのイン側(流入口)濃度を18ppm、ガス流入速度4.2L/minに調節するため、前記臭い成分ガスボンベに取り付けたマスフローコントローラーを200cc/minに、純空気ガスボンベに取り付けたマスフローコントローラーを4L/minにそれぞれ調節する。
臭い成分平衡吸着量測定方法
前記イン側濃度、ガス流入速度に調節したガスを前記臭い成分平衡吸着量測定装置に流入させ、臭い成分平衡吸着量測定をスタートさせる。その後、前記シートが取り付けられた側の管部から流出するアウト側(流出口)ガスを1Lテドラーバッグで2分ごとに採取し、採取したガス濃度をそれぞれメチルメルカプタンの検知管(NO.71、ガステック製)でガス濃度測定する。この操作は、イン側濃度とアウト側濃度が同一量になるまで行なう。
臭い成分平衡吸着量測定結果から臭い成分の平衡吸着量を求める方法
臭い成分のアウト側濃度の時間変化から臭い成分の平衡吸着量を次のようにして求める。前記平衡吸着量は、臭い成分のイン側濃度からアウト側濃度を引いた値の時間変化の積分値(図16参照)をもとに数1を用いて臭い成分平衡吸着量測定方法を求める。そして、ここで求めた紫外線照射する前の平衡吸着量の測定値が初期平衡吸着量となる。
Figure 2004267752
紫外線照射による再生方法
前記臭い成分平衡吸着量測定装置の中の前記シートに対して、UVラジオメーター(トプコン製UVR−2)の測定において0.5mW/cm2となるように、ブラックライトブルーランプ(三共電気製FL20SBLB)で紫外線を3時間照射する。
再生率の求め方
平衡吸着量を測定済みの装置を2つ用意し、一方を前記要領で紫外線照射し(UVあり)、もう一方を紫外線照射しない(UV無し)で、3時間放置した。その後、それぞれの装置内シートの平衡吸着量を再度測定した。この時、UVありで求めた平衡吸着量がUV照射後平衡吸着量となり、UV無しで求めた平衡吸着量がUV無し放置後平衡吸着量にそれぞれなる。それらの値を用いて、UVありまたは、UV無し各々の場合の回復率(数2、数3)を求める。それらの差が紫外線照射による再生率(数4)となる。
Figure 2004267752
Figure 2004267752
Figure 2004267752
図17には、吸着材3の再生率のグラフをあらわす。吸着材3に18ppmのメチルメルカプタンを接触させ平衡吸着に達した後、0.5mw/cm2の紫外線強度を3時間照射した際の再生率をあらわしている。ちなみに、0.5mw/cm2の紫外線強度は東京近郊ならば冬季で屋外日中の薄曇条件で得られる紫外線強度に相当する。再生回数を増加させた場合に再生率の低下が見られるが、これはメチルメルカプタンが分解された際に発生する硫黄成分による活性炭の被毒と考えられるので、この条件における再生可能回数は5回以下とすべきである。再生周期を6ヶ月とすると使用可能期間は3年間、安全率を加味すると耐用期間は2年間、再生回数3回と設定できる。活性炭の被毒以外にも耐用期間を左右するものとして、バインダーの劣化、紫外線による変質、物理的破壊等が考えられ、これらにより定まる耐用期間と再生周期との関係は、吸着材の飽和もしくは吸着速度の低下により定められその少なくとも一部が紫外線照射により再生可能である吸着能力の再生周期:ζ1と、脱臭器の使用期間:ζ2とで、χ・ζ1≦ζ2となるように諸元を定めることにより、簡便かつ経済的に再生可能な脱臭器の設計を行うことができる。
(実施例2)容器による再生阻害の確認
吸着材を容器に収納した状態を想定した実験1と比較するため、容器に収納しない状態を想定し、同様の方法で網状のシートを装着せず実験を行なった。
前記要領により、紫外線照射による再生率を求めた。結果を表1に示す。
Figure 2004267752
この結果より、吸着材を容器に収納した場合、容器によって紫外線照射を阻害することなく、容器に収納しない吸着材だけで使用した場合と同等の再生性能が得られることが示唆される。
(実施例3) 吸着材選定の確認
家庭内で発生する主な臭気成分、硫化水素、メチルメルカプタン、アンモニア、トリメチルアミンに対して、化学吸着材2種と物理吸着材で脱臭性能を評価した。
化学吸着材を有する第二吸着シート及び/または、第三吸着シートとしてはユニチカ株式会社製・デキシーシートSS(FMS−C012SS)と、デキシーシートN(FMS−B012N)とを、物理吸着材としてユニチカ株式会社製・光触媒複合シート(NMP−B035HS)をそれぞれ選定した。それぞれ2cm角にカットし、光触媒シートだけのもの、光触媒シートとデキシーシートSSの組合せ、光触媒シートとデキシーシートNの組合せの3種類試料を準備した。
実験は、5Lテトラバックに試料を封入し、純空気を入れてテドラーバッグを満杯状態にした後、臭気を挿入した。臭気の初期濃度は、硫化水素35ppm、メチルメルカプタン7ppm、アンモニア32ppm、トリメチルアミン78ppmである。試料挿入60分後の残存臭気濃度を測定し、数5よりシート1g当りの臭気脱臭量を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 2004267752
Figure 2004267752
上記結果より、硫化水素、アンモニア、トリメチルアミンを多く発生する場所においては物理吸着材に加えて、化学吸着材を併用することが最適であることが示された。
とりわけ、硫化水素が多く発生する場所においては、酸性ガス用化学吸着材を、アンモニアやトリメチルアミンが多く発生する場所においては塩基性ガス用化学吸着材を組合せることによって効率的で最適な脱臭器の提供が可能となる。
(実施例4)他の形式の吸着材との比較
家庭内で発生する主な臭気成分の内アセトアルデヒドに対して、化学吸着シートと活性炭繊維である物理吸着材に光触媒が含有した光触媒シートの組み合わせ、化学吸着シートと粒状活性炭である物理吸着材の組み合わせ、化学吸着シートのみの組み合わせ、光触媒シートのみの組み合わせそれぞれ4つの組み合わせごとに、脱臭性能を評価した。
該化学吸着シートと該光触媒シートの組み合わせとしては、該化学吸着シートの一つであるVOC除去シートのユニチカ株式会社製・デキシーシートA(FMS−C030T2)と、ユニチカ株式会社製・光触媒複合活性炭繊維シート(NMP−B035HS)を選定し、光触媒シートだけのもの、化学吸着シートのみの組み合わせとして上記デキシーシートAシートだけのもの、化学吸着材と粒状活性炭である物理吸着材の組み合わせとしてはクラレ製高度吸着ガス用造粒炭GM-GAと、クラレ製一般ガス吸着用造粒炭GM-GBの組み合わせの4種類試料を準備し、それぞれ容量として0.8cm2になるように調製した。
(実施例5)他の形式の吸着材との比較
該化学吸着シートとして、ユニチカ株式会社製・デキシーシートA(FMS−C030T2)を、上記光触媒シートとしてユニチカ株式会社製・光触媒複合活性炭繊維シート(NMP−B035HS)をそれぞれ選定し、それぞれ容量として0.4cm2になるように調製した。
次に上記各シートを重ね合せて脱臭器評価サンプルを作成し、上記セパラブルフラスコ改作品内に封入した。そして、その後、アセトアルデヒド40ppmの臭気を挿入し、試料封入後60分間の残存臭気濃度の時間変化を2分間隔でマルチガスモニター(松下インタトレーディング製)により測定した。
測定後、該脱臭器評価サンプルのアセトアルデヒドの飽和吸着量と初期吸着速度を測定した。
該飽和吸着量と初期吸着速度の導出方法は、それぞれ数6と数7の方法で行なった。
Figure 2004267752
Figure 2004267752
(実施例6)
実施例5の化学吸着シートとしてユニチカ株式会社製・デキシーシートA(FMS−C030T2)の代わりにユニチカ株式会社製・光触媒複合活性炭繊維シート(NMP−B035HS)を選定すること以外、実施例5と同じ。
(実施例7)
実施例5の光触媒シートとしてユニチカ株式会社製・光触媒複合活性炭繊維シート(NMP−B035HS)の代わりにユニチカ株式会社製・デキシーシートA(FMS−C030T2)を選定すること以外、実施例5と同じ。
(比較例1)
実施例5のユニチカ株式会社製・デキシーシートA(FMS−C030T2)とユニチカ株式会社製・光触媒複合活性炭繊維シート(NMP−B035HS)の代わりにクラレ製高度吸着ガス用造粒炭GM-GAと、クラレ製一般ガス吸着用造粒炭GM-GBのそれぞれが 0.4cm2になり、合計0.8cm2になるように調製すること以外、実施例5と同じ。
Figure 2004267752
上記結果より、アセトアルデヒドを多く発生する車内のような場所においては化学吸着材と活性炭繊維である物理吸着材の組み合わせは、化学吸着材と粒状活性炭である物理吸着材の組み合わせに比べて、吸着速度、吸着量ともに上回っていること。化学吸着材のみの組み合わせに比べて、吸着速度が上回っていること。物理吸着材のみの組み合わせと比べて、吸着量が上回っていることがわかる。
本実施例における脱臭器の正面図 同上の裏面図 同上表蓋の裏面図 同上裏蓋の裏面図 同上勘合部の断面図 同上勘合部の断面図 本実施例における吸着材の概観図 本実施例における脱臭器の正面図 同上の裏面図 同上吸着ユニットの概観図 本実施例における脱臭器の固定方法をあらわす概念図 本実施例における脱臭器の再生方法をあらわす概念図 本実施例における第一吸着シートの電子反射像 臭い成分平衡吸着量測定装置図 臭い成分(メチルメルカプタン)流通装置図 臭い成分のイン側濃度からアウト側濃度を引いた値の時間変化の積分値 本実施例における再生率と再生回数をあらわすグラフ 従来技術における消臭材の外観図 従来技術における消臭材の外観図
符号の説明
1 容器、 2 表蓋、 3・3a・3b 吸着材、
4 紫外線検知手段、 5 裏蓋、 6 表示部、 11 開孔、
12 補強リブ、 13 凸部A、 14 凸部B、 15 切り欠きA、
16 切り欠きB、 17 凹部、 18 フレーム、 19 つまみ、
20 位置決め手段、 21 固定部、 22 フック、 23 ループ

Claims (23)

  1. 細孔を有した繊維状の吸着体に光触媒を担持固定させシート状に形成された第一吸着シートと、該第一吸着シートを収納する容器とからなり、該容器には被吸着分子の拡散を行わせ前記第一吸着シートに吸着させる開口部を有することを特徴とする脱臭器
  2. 前記光触媒は、前記吸着体に近接して分散配置させたことを特徴とする請求項1に記載の脱臭器
  3. 前記光触媒は、前記吸着体の細孔外に配置させたことを特徴とする請求項1乃至2のいずれか一項に記載の脱臭器
  4. 前記光触媒を、前記第一吸着シートに担持固定させるバインダーを備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の脱臭器
  5. 前記光触媒の粒子は、前記吸着体により構成される空隙よりも小としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の脱臭器
  6. 前記開口部の少なくとも一部は、前記第一吸着シートの配置方向に相対して備えられるとともに、紫外線の入射口であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の脱臭器
  7. 前記開口部は、前記第一吸着シートの配置方向に対して略均一に分布させたことを特徴とする請求項6に記載の脱臭器
  8. 前記開口部は、前記第一吸着シートの配置方向に相対した両面に備えられたことを特徴とする請求項6乃至7のいずれか一項に記載の脱臭器
  9. 前記脱臭器は、前記第一吸着シートを前記容器に位置決めする位置決め手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の脱臭器
  10. 前記第一吸着シートは、前記容器から着脱可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の脱臭器
  11. 前記脱臭器は、前記第一吸着シートに加えて第二吸着シートを備えたことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の脱臭器
  12. 前記第二吸着シートは、前記第一吸着シートと異なる吸着特性を有することを特徴とする請求項11に記載の脱臭器
  13. 前記第一吸着シートと前記第二吸着シートの少なくとも一部を重ね合わせて配置させたことを特徴とする請求項13に記載の脱臭器
  14. 前記脱臭器は、前記第一吸着シートおよび該第二吸着シートに加えて、少なくとも1枚以上の他の吸着シートを備えたことを特徴とする請求項11乃至13のいずれか一項に記載の脱臭器
  15. 前記吸着シートのうち第二吸着シートおよび他の吸着シートは、細孔を有した繊維状の吸着体に、各々異なる化学吸着材を担持させたシートであることを特徴とする請求項14に記載の脱臭器
  16. 前記第一吸着シートと前記第二吸着シート及び他の吸着シートは、各々少なくとも一部を重ね合せて配置させたことを特徴とする請求項14または15に記載の脱臭器
  17. 前記脱臭器には、用途、目的、使用場所、使用開始時、使用終了予定時、再生回数等の使用状況を表示、記載、識別するための表示部を有することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の脱臭器
  18. 前記脱臭器は紫外線を検出する紫外線検出手段を有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の脱臭器
  19. 細孔を有した繊維状の吸着体に光触媒を担持固定させシート状に形成された第一吸着シートと、少なくとも前記第一吸着シートを収納する容器とからなり、該容器には被吸着分子の拡散を行わせ前記第一吸着シートに吸着させる開口部を有する脱臭器の再生方法であって、紫外線量が微少かもしくは再生のための光源を有さない空間において物理吸着を行ない、吸着後の前記吸着材または前記脱臭器を日光およびまたは所定の紫外線下に移動させた後に紫外線を照射し、前記光触媒で前記吸着材に吸着された被吸着物質を分解することにより、前記吸着材の吸着能力を再生させることを特徴とする脱臭器の再生方法
  20. 前記容器には着脱可能な固定部を備え、吸着時においては前記固定部により前記脱臭器を固定し、再生時においては前記脱臭器を前記固定部において脱離させることを特徴とする請求項19に記載の脱臭器の再生方法
  21. 前記脱臭器は紫外線を検出する紫外線検出手段を有し、該紫外線検出手段の出力に応じて再生時の紫外線強度、位置、角度、時間等の再生条件を調整することを特徴とする請求項19乃至20のいずれか一項に記載の脱臭器の再生方法
  22. あらかじめ定められた所定の使用条件を満たしたときに再生を行うことを特徴とする請求項19乃至21のいずれか一項に記載の脱臭器の再生方法
  23. 細孔を有した繊維状の吸着体に光触媒を担持固定させシート状に形成された第一吸着シートと、該第一吸着シート及び/または、前記第二吸着シート及び第三吸着シート他少なくとも1つ以上の吸着シートを収納する容器とからなり、該容器には被吸着分子の拡散を行わせ前記第一吸着シートに吸着させる開口部を有する再生利用可能な脱臭器の設計方法であって、前記吸着材の飽和もしくは吸着速度の低下により定められその少なくとも一部が紫外線照射により再生可能である吸着能力の再生周期:ζ1と、脱臭器の使用期間:ζ2とで、χ・ζ1≦ζ2となるように脱臭器の諸元を定めたことを特徴とする脱臭器の設計方法。(ただしχは1以上の任意の設計値)
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