JPH10113482A - 編目検出方法 - Google Patents

編目検出方法

Info

Publication number
JPH10113482A
JPH10113482A JP8291196A JP29119696A JPH10113482A JP H10113482 A JPH10113482 A JP H10113482A JP 8291196 A JP8291196 A JP 8291196A JP 29119696 A JP29119696 A JP 29119696A JP H10113482 A JPH10113482 A JP H10113482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stitch
knitted fabric
needle
detection area
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8291196A
Other languages
English (en)
Inventor
Morikazu Yamazaki
守一 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tsudakoma Corp
Original Assignee
Tsudakoma Corp
Tsudakoma Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tsudakoma Corp, Tsudakoma Industrial Co Ltd filed Critical Tsudakoma Corp
Priority to JP8291196A priority Critical patent/JPH10113482A/ja
Publication of JPH10113482A publication Critical patent/JPH10113482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 編地がリンキングの進行にともなって伸
縮しても、必要以上の時間をかけることなく、縫合すべ
き編目を確実に検出することにある。 【解決手段】 編目検出方法は、編地の編目配列状態を
テレビカメラで撮像するとともに、その出力画像信号に
検出領域を設定してその検出領域内の画像信号を基に縫
合すべき目標編目の位置を求め、その目標編目を針刺し
位置に案内する。検出領域は、求めた目標編目の位置に
基づいて決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標とする編目を
針刺し位置へ案内する編地案内装置における編目検出方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】多数の編目を含む2枚の編地を自動的に
縫製する自動リンキング装置の1つとして、特公平3−
49477号公報に記載された装置がある。この自動リ
ンキング装置は、針列毎の編地案内装置により編地の位
置を修正しつつリンキングライン上の編目を針刺し位置
に順次案内し、複数のポイント針を針列毎に針刺し位置
において編目に順次刺し通し、各編地をポイント針とと
もにさらに移動させるとともに両針列のポイント針を順
次接近させて一方の針列の編地の編目を目移し位置にお
いて他方の針列のポイント針に移し、同じポイント針が
刺し通された2枚の編地をさらに移動させて両編地を縫
合位置においてミシンにより縫い合わせる。
【0003】編地案内装置は、ポイント針による針刺し
すなわち目拾いのための針刺し位置近傍の編目の配列状
態をテレビカメラにより撮像するとともに、その出力画
像信号に検出領域を設定し、その検出領域内の画像信号
を基に目標とする編目の位置を編目検出装置すなわち画
像処理装置により求め、求めた位置情報を基に編地を編
地押えにより押えながら前進させるとともに前進方向と
直角の方向へ移動させることにより編目の位置を修正
し、もって編目を針刺し位置へ案内する。
【0004】上記の自動リンキング装置において、画像
処理装置は、検出領域内の編目のうち、重心位置が針刺
し位置から所定の許容角度範囲θ0 内にありかつ針刺し
位置に最も近い編目を検出してその編目を次に針刺しす
べき編目(目標編目)と決定し、その編目の位置(座標
値)を記憶する。編地押えは、検出された編目の位置を
基に、その編目が針刺し位置に到達するように、すなわ
ち目拾いをされるように、編地を案内する。
【0005】自動リンキング装置においては、一般に、
編地がそのリンキングの進行にともなって送り方向へ徐
々に伸長または縮小することがある。しかし、従来の画
像処理装置では、検出領域が固定であるから、すなわ
ち、検出領域の形状、大きさおよび設定される位置(座
標値)が一定であるから、次に検出すべき編目が編地の
伸縮に起因して検出領域からはみ出すおそれがあり、そ
の結果編目の検出が不正確になる。これを防止するため
に、予め拾い検出領域を設定しておくと、検出量生きな
いのより多くの編目の中から目標編目を特定するため
に、それだけ画像処理時間が長くなり、検出に要する時
間が長くなる。
【0006】
【解決しようとする課題】本発明の目的は、編地がリン
キングの進行にともなって伸縮しても、必要以上の時間
をかけることなく、縫合すべき編目を確実に検出するこ
とにある。
【0007】
【解決手段、作用、効果】本発明の編目検出方法は、編
地の編目配列状態をテレビカメラで撮像するとともに、
その出力画像信号に検出領域を設定してその検出領域内
の画像信号を基に縫合すべき目標編目の位置を求め、そ
の目標編目を針刺し位置に案内する編地案内装置に適用
される。本発明の編目検出方法は、求めた目標編目の位
置に基づいて検出領域を決定することを含む。
【0008】縫合すべき目標編目の位置は送り方向への
編地の伸縮量に比例して大きくまたは小さく変化する。
編目検出のための領域は、たとえば、送り方向への編地
の伸縮量に応じて大きくまたは小さくなるように修正さ
れ、決定される。このため、大きな検出領域を設定しな
くても、検出すべき編目が編地の伸縮により検出領域か
らはみ出すおそれがない。
【0009】本発明によれば、過去に求めた位置データ
に基づいて編目検出のための領域を決定するから、編地
が伸縮しても、必要以上の時間をかけることなく、縫合
すべき編目を確実に検出することができる。
【0010】基準位置を基に目標編目の位置を求め、ま
た前回の基準位置と、前回求めた編目の位置の位置関係
と、今回の基準位置とを基に検出領域を決定することが
できる。この場合、前回の基準位置と、前回求めた編目
の位置との差に対応する値を今回の基準位置に加算する
ことにより、検出領域を決定してもよい。
【0011】検出領域を矩形とし、検出領域の対角頂点
の座標位置を変更することにより検出領域を決定するこ
とができる。また、検出領域は、編地の送り方向および
これと直角の方向における検出領域の座標位置を変更す
ることにより、決定することができる。しかし、送り方
向における検出領域の座標位置だけを変更し、送り方向
と直角の方向における検出領域の座標位置を変更するこ
となく、決定してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】図1および図2を参照するに、編
目検出装置すなわち画像処理装置は、編目をポイント針
による針刺しすなわち目拾いのために針刺し位置へ案内
する編地案内装置10に、針刺しすべき編目(目標編
目)を検出するための装置として組み込まれている。編
地案内装置10は、2つの編地を自動的に縫合するリン
キング装置に組み込まれる。
【0013】編地案内装置10は、編地12を矢印A方
向へ前進移動させるローラ14と、針刺し位置Bに配置
された一対の編地押えすなわちハンド16と、針刺し位
置Bの周りにおける編地12の状態を撮像するテレビカ
メラ18と、その出力に得られる画像信号を基に針刺し
すべき編目の位置情報を算出する編目検出装置すなわち
画像処理装置20とを含む。画像処理装置20は編地案
内装置10により制御され、編地案内装置10はリンキ
ング装置により制御される。
【0014】編地12は、編地案内装置10のローラ1
4およびハンド16による移動力を直接受けて連続的ま
たは間欠的に移動される。2以上のローラ14を編地1
2の移動方向に順次配置してもよいし、二対以上のハン
ドを編地12の移動方向に順次配置してもよい。
【0015】ローラ14は、針刺しすべき編目の移動路
すなわちリンキングライン22と直交する方向(Y方
向)へ伸びるように、ハンド16に関して編地12の移
動方向すなわち送り方向(X方向)上流側に配置されて
いる。ハンド16は、針刺し位置Bの側方を前後方向
(X方向)に平行に伸びており、またリンキングライン
22に関して互いに対向されている。
【0016】ローラ14は、編地12の送り方向(矢印
A方向)に回転されつつ、編地12を水平のガイド板の
よな支持手段に押圧しながらローラ14の軸線方向(Y
方向)へ移動されることにより、編地12ひいては針刺
しをすべき編目の位置を調整する。ローラ14の軸線方
向への移動量が制限値に達すると、ローラ14は、上昇
(Z方向)されて編地12の押圧を解除した状態で軸線
方向へ戻された後、再び下降(Z方向)されることによ
り、編地12に対する押圧位置を変更される。このよう
なローラ14は、編地12ひいては針刺しすべき編目の
ための位置調整機構すなわち位置決め機構の一部として
作用する。
【0017】両ハンド16は、X,YおよびZ方向へ同
期して同時に移動される。すなわち、ハンド16は、編
地12を水平のガイド板のよな支持手段に押圧しつつ所
定の方向(X方向およびY方向)へ移動されることによ
り針刺しすべき編目を変位させて、その位置決めをす
る。それゆえに、ハンド16も、また、編地ひいては針
刺しすべき編目のための位置調整機構すなわち位置決め
機構の一部として作用する。
【0018】ハンド16は、編地を押えつつ互いにY方
向へ離されることにより一対のハンド16間に位置する
編目、すなわち針刺し位置B近傍の編目をY方向へ拡張
するとともに、拡張した編目を押えた状態でY方向へ移
動しながらX方向へ前進移動されることにより編地12
をローラ14による送り速度よりやや早い速度で前進さ
せる。ハンド16による編地の前進移動により、編地1
2とローラ14との間に多少の滑りを生じるが、編目が
ローラ14とハンド16とによりX方向に確実に拡張さ
れる。このため、針刺し位置B近傍の編目は、これを容
易に識別することができるように、および、針刺しが確
実かつ容易になるように、ハンド16によりX方向およ
びY方向へ大きく拡張される。
【0019】ハンド16は、針刺しすべき編目を針刺し
位置Bへ案内すると、編地12の押圧を解除した状態
で、所定位置に後退され、次いで上記の位置調整動作す
なわち位置決め動作を実行する。一対のハンド16の代
わりに、それらハンドと同様に動作する一対のローラを
用いてもよい。針刺しすべき編目毎にハンド16をX方
向に往復移動させてもよいし、針刺しすべき複数の編目
毎にハンド16をX方向に往復移動させてもよい。
【0020】テレビカメラ18は、針刺し位置Bとその
近傍の編地であって一対のハンド16間に位置する編地
を撮影し、その画像信号を画像処理装置20に供給す
る。テレビカメラ18の出力に得られる画像信号の電圧
レベルは、明度のような光学的特性が編目の部位とその
編目を形成している編糸の部位とで異なるから、編目の
ような空間とその周りとで大きく異なる。画像処理装置
20は、そのような光学的特性の差により生じるテレビ
カメラ18の出力信号のレベルの差を利用して編目を検
出する。
【0021】画像処理装置20は、テレビカメラ18か
ら供給される画像信号に検出領域を設定し、その検出領
域内の画像信号を基に、針刺しすべき編目の位置と編地
12のX方向に関する傾き量(傾き角度)とを算出し、
それらの情報を制御装置24に供給する。制御装置24
は、画像処理装置20から供給される位置情報および傾
き量を基に、ローラ14の移動および回転とハンド16
の移動とを制御するための制御信号を駆動回路26に出
力する。
【0022】編地案内装置10は、編地の両側に平行な
リンキングラインを有する衿編地のような編地において
各リンキングライン上の編目をリンキングライン毎に設
けられた2つの針刺し位置に案内するための装置として
も用いることができるし、1つのリンキングラインを有
する身頃編地のような編地においてそのリンキングライ
ン上の編目を針刺し位置に案内する装置としても用いる
ことができる。また、編地案内装置10の動作は、これ
をいずれのリンキングライン用として用いる場合でも、
同じである。なお、リンキングラインとは、編地の縫合
すべき部分をいう。
【0023】図2を参照するに、画像処理装置20は、
テレビカメラ18から出力される画像信号を2値化する
2値化手段30と、2値化手段30により得られた2値
化信号を利用して、所定の編目を検出し、その編目の位
置を決定し、編地12の傾き量を算出する編目検出手段
すなわち編目決定手段32と、編目決定手段32により
得た編目位置と傾き量とを制御装置24に出力する出力
手段34とを含む。
【0024】2値化手段30は、テレビカメラ18から
出力される画像信号を基に、検出ウインドウすなわち検
出領域38(図3および4参照)を設定し、設定した検
出領域38内の画像信号を2値化する。検出領域38
は、たとえば、テレビカメラ18の出力信号から検出領
域38に対応する信号を抽出し、他の領域に対応する信
号に電気的なマスキングをすることにより、設定するこ
とができる。テレビカメラ18の出力信号は、たとえ
ば、その電圧レベルが、所定の基準値(2値化レベル)
以上であれば真理値”1”とし、基準値に達していなけ
れば真理値”0”とする処理を各素画について実行する
ことにより、2値化することができる。
【0025】検出領域38は、図3に示すように編地1
2の前進方向(X方向)に関して編目401 (基準編
目)から右後方(左下方すなわち斜め下)の箇所と、図
4に示すように編地12の前進方向に関して編目421
から左後方(左上方すなわち斜め上)の箇所とに設定さ
れる。検出領域38は、適宜なXおよびY方向長さを有
する矩形の領域であり、また基準編目の重心位置(図に
おいて+印で示す位置)からX方向およびY方向にそれ
ぞれ適宜な距離だけ離れている。検出領域38の大きさ
および位置は、縫合すべき編地12に応じて予め2値化
手段30に設定しておき、検出した編目の位置に応じて
修正することができる。
【0026】編目決定手段32は、図3に示す斜め下の
検出領域38内の画像信号に対応する2値化信号を基
に、斜め下の方向について構造上基準編目401 に最も
近くに隣接する斜め下の編目421 を検出し、その編目
を新たな基準編目とする第1の処理工程と、図4に示す
斜め上の検出領域38内の画像信号に対応する2値化信
号を基に、斜め上の方向について基準編目421 に最も
近くに隣接する斜め上の編目402 を検出し、その編目
をさらに新たな基準編目とする第2の処理工程とを順次
実行し、第2の処理工程で検出した基準編目402 を針
刺しすべき編目(目標編目)とする決定工程を実行す
る。
【0027】前記第1および第2の処理工程を順次実行
し、次いで前記決定工程を実行する工程を、本発明にお
いては「目標編目検出工程」という。画像処理装置20
は、針刺しすべき全ての編目の検出が終了するまで、目
標編目検出工程を繰り返し実行する。以下の説明では、
第1および第2の処理工程を1回実行するたびに決定工
程を実行するものとする。
【0028】基準編目は、前回の第1および第2の処理
工程で検出した各編目である。したがって、リンキング
開始時の基準編目は、リンキングの開始に先だって作業
者により最初に針刺しされた編目であり、それ以後は第
1および第2の処理工程により検出された編目である。
図3および図4において、400 は前々回の第2の処理
工程により検出された編目であり、401 は前回の第2
の処理工程により検出された編目であり、420 は前回
の第1の処理工程により検出された編目である。
【0029】編目401 は、前回の目標編目検出工程に
より最後に得られた目標編目であり、また今回の目標編
目検出工程における第1の処理工程において最初の基準
編目として用いられる。第2の処理工程により得られた
基準編目422 は、次回の第1の処理工程において今回
の第1の処理工程における目標編目401 と同様の基準
編目として用いられる。第2の処理工程により得られた
基準編目402 は、斜め上の検出領域38内の編目のう
ち、基準編目421 に最も近い編目であり、前回の針刺
しすべき編目401 の次に針刺しすべき編目(目標編
目)とされる。
【0030】基準編目に最も近くに隣接する編目は、検
出領域38内の編目の重心位置を完全な閉領域を形成す
る編目毎に求め、その中から基準編目の重心位置に最も
近い重心位置を有する編目を求めることにより検出する
ことができる。編目の重心位置は、たとえば、図3にお
いて楕円形の輪郭線で囲まれる閉領域の総面積またはそ
の閉領域内の全画素の座標位置を求め、次いで求めた総
面積または座標位置を数学的に処理する公知の手法によ
り得ることができる。重心位置は、編地案内装置10ま
たは画像処理装置20上の座標位置として表すことがで
きる。
【0031】第1または第2の処理工程において、検出
領域38内に目的とする編目を検出することができない
場合、前回の第1または第2の処理工程により得られた
基準編目と新たな基準編目との重心位置の差に対応する
値を今回の基準編目の重心位置に加算して得た値を新た
な基準編目の重心位置として用いることができる。たと
えば、図3に示すように、今回の第1の処理工程におい
て基準編目421 を検出することができなかった場合、
前回の第1の処理工程において得られた基準編目400
の重心位置と新たな基準編目420 との差Xm1 ,Ym
1 を今回の基準編目401 に加算した値を新たな基準編
目421 の重心位置として用いることができる。
【0032】上記のようにして得られた編目およびその
重心位置は、それぞれ、編目決定手段32において新た
な基準編目およびその座標位置として記憶される。ま
た、上記のようにして得られた目標編目およびその重心
位置は、それぞれ、目標編目検出工程毎に編目決定手段
32において新たな目標編目およびその座標位置として
記憶され、出力手段34を介して制御装置24に出力さ
れる。
【0033】編目決定手段32は、目標編目検出工程毎
に、検出した基準編目および目標編目ならびにそれらの
座標位置を基に、編地案内装置10上の仮想的な基準線
に対する編地12の傾き量θを算出し、その傾き量θを
記憶するとともに出力手段34を介して制御装置24に
供給する。
【0034】編地12の傾き量θは、複数回の目標編目
検出工程における最初の基準編目の座標位置X1 ,Y1
と、複数回目の目標編目検出工程により得られた目標編
目の座標位置Xn ,Yn とを用いた次の演算をすること
により得ることができる。しかし、目標編目を検出する
たびに、傾き量θを算出してもよいし、基準編目を検出
するたびに、傾き量θを算出してもよい。
【0035】 tanθ=(Yn −Y1 )/(Xn −X1 )・・・・(1)
【0036】制御装置24は、画像処理装置20から供
給される傾き量が基準範囲を超えたときに、編地の傾き
をゼロにするような制御信号を駆動回路26に出力す
る。ローラ14は、駆動回路26により駆動されて、編
地12を押えながらY方向へ移動されて編地12の傾き
を修正する。このとき、一対のハンド16は、上昇して
編地を解放している。そして、画像処理装置20は、再
度同じ編地部分について目標編目検出をし直す。
【0037】編地12の傾き量θが許容範囲内であれ
ば、制御装置24は編地12の傾きをゼロにするような
制御信号を出力せず、目標編目を針刺し位置Bへ案内す
るための制御信号を駆動回路26へ出力する。駆動回路
26は、ハンド16をX方向およびY方向へ移動させる
とともに、ローラ14を回転させながらY方向へ移動さ
せることにより、目標編目を針刺し位置へ案内する。
【0038】一対のハンド16が初期位置において編地
を押圧し、互いにY方向へ離間して編地を拡張する。こ
のとき、一対のハンド16間に位置する編地が撮像さ
れ、その1つの画像信号を基にn回の目標編目検出工程
が実行され、n個の針刺しすべき編目の位置が求められ
る。
【0039】検出された目標編目401 〜40n がハン
ド16により針刺し位置Bに順次案内される。ハンド1
6は、最後に検出した目標編目40n を針刺し位置Bへ
案内すると、編地12から離された状態で初期位置に後
退される。
【0040】編地は、そのリンキングの進行にともなっ
て送り方向へ徐々に伸長または縮小する。このため、検
出領域38が基準編目に対し固定であると、次に検出す
べき編目が編地の伸縮に起因して検出領域38からはみ
出すおそれがあり、その結果編目の検出が不正確にな
る。これを防止するために、予め広い検出領域38を画
像処理槽値20に設定すると、それだけ画像処理に要す
る時間が長くなるから、それだけ検出に要する時間が長
くなる。
【0041】このため、2値化手段30は、求めた編目
の位置データに応じて検出領域38を修正する検出領域
修正工程を実行する。画像処理装置20による検出領域
修正工程の一実施例を以下図3および図4を参照して説
明する。
【0042】図3に示すように基準編目401 に対し斜
め下の編目421 を検出する場合、画像処理装置20
は、以下の式(2)〜(5)を演算することにより、検
出領域38の始点(左上角)の座標XS1 ,YS1 と、
終点(右下角)の座標XE1 ,YE1 とを求め、求めた
値により形成される矩形領域を新たな検出領域38と決
定する。他の基準編目に対し他の斜め下の編目を検出す
る場合も、同様に決定することができる。
【0043】 XS1 =X11−Xm1 ×α1 (但し、α1 >1)・・・・(2)
【0044】 YS1 =Y11−Ym1 ×β1 (但し、0<β1 <1)・・(3)
【0045】 XE1 =X11−Xm1 ×α2 (但し、0<α2 <1)・・(4)
【0046】 YE1 =Y11−Ym1 ×β2 (但し、β2 >1)・・・・(5)
【0047】上記式において、X11およびY11は、それ
ぞれ、今回の斜め下の編目の検出に用いる基準編目40
1 すなわち基準位置のXおよびY座標値である。また、
Xm1 およびYm1 は、それぞれ、前回の斜め下の編目
の検出に用いた基準編目400 すなわち基準位置のX,
Y座標値(X10,Y10)と、前回求めた斜め下の編目4
0 のX,Y座標値(X20,Y20)との差(X10−X20
およびY10−Y20)である。さらに、α1 ,α2 ,β
1 ,β2 は、斜め下検出領域算出用の係数であり、画像
処理装置20に予め設定されている。
【0048】図4に示すように基準編目421 に対し斜
め上の編目402 を検出する場合、画像処理装置20
は、以下の式(6)〜(9)を演算することにより、検
出領域38の始点(左上角)の座標XS2 ,YS2 と、
終点(右下角)の座標XE2 ,YE2 とを求め、求めた
値により形成される領域を新たな検出領域38と決定す
る。他の基準編目に対し他の斜め上の編目を検出する場
合も、同様に決定することができる。
【0049】 XS2 =X21−Xm2 ×α3 (但し、α3 >1)・・・・(6)
【0050】 YS2 =Y21−Ym2 ×β3 (但し、β3 >1)・・・・(7)
【0051】 XS2 =X121Xm2 ×α4 (但し、0<α4 <1)・・(8)
【0052】 YS2 =Y21−Ym2 ×β4 (但し、0<β4 <1)・・(9)
【0053】上記式において、X21およびY21は、それ
ぞれ、今回の斜め上の編目の検出に用いる基準編目42
1 すなわち基準位置のXおよびY座標値である。また、
Xm2 およびYm2 は、それぞれ、前回の斜め上の編目
の検出に用いた基準編目420 すなわち基準位置のX,
Y座標値(X20,Y20)と、前回求めた斜め上の編目4
1 のX,Y座標値(X11,Y11)との差(X20−X11
およびY20−Y11)である。さらに、α3 ,α4 ,β
4 ,β4 は、斜め上検出領域算出用の係数であり、予め
設定されている。
【0054】上記のように過去に求めた位置データに基
づいて編目検出のための領域を決定するならば、予め検
出領域を広く設定しなくても、検出すべき編目が編地の
伸縮により検出領域からはみ出すおそれがなく、その結
果必要以上の時間をかけることなく、縫合すべき編目を
確実に検出することができる。
【0055】編地は、一般に、その送り方向であるX方
向へ伸縮する傾向にあり、Y方向へ伸縮する傾向が小さ
いから、Y方向における検出領域の座標位置を変更する
ことなく、X方向における検出領域の座標位置だけを変
更することにより、検出領域を決定してもよい。たとえ
ば、図3において、検出領域の始点および終点である対
角頂点の座標値(XS1 ,YS1 およびXE1 ,YE
1 )のうち、Y座標値(YS1 およびYE1 )を一定と
し、X座標値(XS1 およびXE1 )だけを変更しても
よい。
【0056】また、上記のように検出領域の大きさと位
置とを変更してもよいし、検出領域の大きさおよび位置
のいずれか一方のみを変更してもよい。検出領域の大き
さに身変更する場合としては、たとえば、検出領域を円
形として、円の中心位置が基準位置から常に一定の位置
関係にあるように設定するとともに、検出領域の半径の
大きさをXm1 ×K(ただし、K>1である)と設定す
るようにすればよい。なお、図5は、検出領域の形状と
大きさとを変更することなく、検出領域の位置を変更す
る一実施例である。
【0057】図5において、前回の斜め下の編目の検出
に用いた基準編目400 の座標値(X10,Y10)と、前
回求めた斜め下の編目420 の座標値(X20,Y20)と
の差を、今回の斜め下の編目の検出に用いる基準編目4
1 の座標値(X11,Y11)に加算し、それにより得た
座標値が設定領域の対角線の交点(Xc,Yc)となる
ように、設定領域38を定めることができる。すなわ
ち、以下の演算を行って設定領域を決定することができ
る。
【0058】 Xc=X11+(X20−X10)・・・・(10)
【0059】 Yc=Y11+(Y20−Y10)・・・・(11)
【0060】斜め上の編目の検出に用いる検出領域も、
上記と同様にして設定することができる。なお、この実
施例においても、検出領域の対角線の交点の座標値(X
c,Yc)のうち、Y座標値を一定とし、X座標値のみ
を変更するようにしてもよい。
【0061】検出領域38を補正する値は、前回の編目
検出の位置データのみならず、過去の複数回の編目検出
の位置データの平均値を用いてもよい。たとえば、図6
に示すように、斜め下の編目423 を検出する場合、編
目401 ,421 の位置関係および編目402 ,422
の位置関係との平均値、または、編目400 ,420
位置関係、編目401 ,421 の位置関係および編目4
2 ,422 の位置関係の平均値を用いることができ
る。斜め上の編目を検出する場合も、同様に複数回の編
目検出の位置データの平均値を用いることができる。
【0062】次に、編地案内装置10の動作の一実施例
を、図7および図8を参照して以下により詳細に説明す
る。以下の実施例は、一回の目標編目検出工程で第1お
よび第2の処理工程を一回実行するとともに、一回の編
地画像の取り込みで3回の目標編目検出工程を実行する
例である。
【0063】編地案内装置10は、作業者が所定のポイ
ント針に先頭の編目(基準編目)を刺し通し、スイッチ
を操作することにより、動作を開始する。針刺しされた
先頭編目は最初の基準編目として用いられ、その座標位
置は最初の基準編目の重心位置(最初の基準位置)とし
て用いられる。
【0064】編地案内装置10は、先ず、検出範囲すな
わち検出領域算出用(検出領域決定用)フラグを0”に
し(ステップ101)、テレビカメラ18による針刺し
位置B近傍の画像信号を画像処理装置20に取り込み
(ステップ102)、その画像信号を所定の2値化レベ
ルで2値化し(ステップ103)、連続編目検出回数を
計数するカウンタをゼロにし(ステップ104)、検出
領域算出用フラグが”1”であるか否かを判定する(ス
テップ105)。
【0065】次いで、編地案内装置10は、検出領域算
出用フラグが”1”であるか否かを判定する(ステップ
105)。フラグが”1”でないと、編地案内装置10
は、画像装置20に予め設定されている斜め下編目用検
出領域を今回用いる斜め下用の検出領域と決定し(ステ
ップ106)、フラグが”1”であると、編地案内装置
10は、前回の第1の処理工程で用いた斜め下用の検出
領域を既に述べた手法により修正し、修正した範囲を今
回用いる斜め下用の検出領域と決定する(ステップ10
7)。
【0066】次いで、編地案内装置10は、基準位置か
ら斜め下の編目を探索して基準位置に対する斜め下の編
目を求め、求めた編目を斜め下の編目としてその位置と
ともにメモりに記憶する(ステップ108)。斜め下の
編目は、既に述べた手法により検出される。
【0067】次いで、編地案内装置10は、検出領域算
出用フラグが”1”であるか否かを判定する(ステップ
109)。フラグが”1”でないと、編地案内装置10
は、画像装置20に予め設定されている斜め上編目用検
出領域を今回用いる斜め上用の検出領域と決定し(ステ
ップ110)、フラグが”1”であると、編地案内装置
10は、前回の第2の処理工程で用いた斜め上用の検出
領域を既に述べた手法により修正し、修正した範囲を今
回用いる斜め上用の検出領域と決定する(ステップ11
1)。
【0068】次いで、編地案内装置10は、基準位置か
ら斜め上の編目を探索して基準位置に対する斜め上の編
目を求め、求めた編目を斜め上の編目(目標編目)とし
てその位置とともにメモりに記憶する(ステップ11
2)。斜め上の編目も、既に述べた手法により検出され
る。
【0069】次いで、編地案内装置10は、連続編目検
出回数用カウンタに1を加え(ステップ1113)、検
出領域算出用フラグに−1を加え(ステップ114)、
連続して検出した編目数(カウンタの計数値)が最大連
続検出回数(3回)になったか否かを判定する(ステッ
プ115)。連続して検出した編目数が最大連続検出回
数に達していないと、編地案内装置10はステップ10
5に戻る。
【0070】しかし、連続して検出した編目数が最大連
続検出回数に達していると、編地案内装置10は、検出
した目標編目の位置から編地の傾き量θを算出し、算出
した傾き量θと検出した目標編目の位置とを制御装置2
4に出力する(ステップ116)。これにより、すでに
説明したように、ローラ14およびハンド16が駆動さ
れて編地の姿勢が必要に応じて修正され、また目標編目
が針刺し位置Bに順次案内されて順次針刺しされる。
【0071】次いで、編目案内装置10は、縫合すべき
全ての編目の検出が完了したか否かを判定する(ステッ
プ104)。この判定の結果、編目案内装置10は、位
置決めが完了していないとステップ102に戻り、位置
決めが完了していると動作を終了する。
【0072】編地12は、上記した編目検出により、漸
次リンキング機構の側へ移動され、検出した目標編目に
針刺し位置でポイント針を刺し通され、それらのポイン
ト針とともに移動される。編地12に縫合される他の編
地も、同様の編地案内装置により上記のようにして順次
針刺し位置に位置決められ、漸次リンキング機構の側へ
移動され、検出した目標編目にポイント針を刺し通さ
れ、それらのポイント針とともに移動される。
【0073】なお、基準位置を基に針刺しすべき編目の
位置を求める方法は、先に説明したような、編目を斜め
下および斜め上のようにジグザグ状に検出する代わり
に、編地の送り方向後方の編目401 ,402 ,403
・・・40n を順次検出してもよい。具体的には、最初
の基準編目の位置からX方向に存在する上流側の編目の
中かで最も基準編目に近い編目を次に針刺しすべき編目
とし、さらに、その編目に対して同様の条件を満たす編
目を針刺しすべき編目、としていくようにしてもよい。
【0074】また、検出領域内の編目の重心位置を基準
位置と直接的に比較することにより編目を検出する代わ
りに、検出領域内の各編目の位置を基準位置を通ってX
方向へ伸びる編地の傾き線と比較することにより編目を
検出するようにしてもよい。後者の編目検出法の一実施
例を図9および図10を参照して説明する。
【0075】先ず、前々回および前回求めた目標編目6
0および62の重心位置64および66を通る仮想的な
傾き線68を求める。次いで、今回の基準編目62の位
置から傾き線68の方向へ前回の検出により求められた
編目ピッチPだけ離れた位置を中心とする、X方向の許
容値+R1 ,−R2 の範囲および一定のY方向許容値+
3 ,−R4 の範囲により形成される矩形の検出領域7
0を決定する。次いで、検出領域70内にある1以上の
編目の重心位置を求め、そのうち傾き線68に最も近い
重心位置72を有する編目74を検出して次の基準編目
とする。
【0076】図9および図10に示す実施例において、
1 およびR2 はそれぞれαPおよびβP、αおよびβ
はともに1未満の適宜な値、Pは傾き線64の方向にお
ける重心位置64,66の距離、ならびに、L1 ,L2
およびL3 はそれぞれ編目と傾き線64との距離であ
る。また、+R3および−R4は、ともに適宜な一定の
値である。検出領域70のX方向の幅は、詳細には、編
地の傾き量θと、R1 およびR2 とから、次の式(1
2)を満足する値とすることができる。
【0077】X方向の幅=(R1 +R2 )cosθ
【0078】図9および図11に示す実施例において、
検出領域70は、X方向への編地の伸縮に起因してピッ
チPが変化することにより修正される。
【0079】上記の実施例は、いずれも、編目の重心位
置から基準編目および目標編目を検出するが、編目の外
側に接するいわゆる外接矩形、編目の内側に接するいわ
ゆる内接矩形から基準編目および目標編目を検出する
等、他の手法により編目の位置を検出してもよい。ま
た、重心位置を編目の位置とする代わりに、他の部位の
座標値を編目の位置としてもよい。さらに、検出領域を
矩形とする代わりに、六角形、八角形のような多角形、
円形、楕円形等の他の他の形状としてもよい。
【0080】編地の傾き量θが許容範囲内にあれば、求
めた目標編目を針刺し位置へ順次案内し、許容範囲外で
あれば、ハンド16を編地から離し、ローラ14により
編地の姿勢を修正し、編地をハンド16により押えた
後、編目の検出をし直すようにしてもよい。
【0081】編地12の傾き量θは、複数回の目標編目
検出工程における最初の基準編目の座標位置X1 ,Y1
と、複数回目の目標編目検出工程により得られた目標編
目の座標位置Xn ,Yn とを用いた次式の演算をするこ
とにより得ることができる。しかし、目標編目を検出す
るたびに、傾き量θを算出してもよいし、基準編目を検
出するたびに、傾き量θを算出してもよい。
【0082】次に、上記のような編地案内装置10を用
いたリンキング装置の一実施例を図11〜図16を用い
て説明する。
【0083】図11〜図16に示すリンキング装置20
0は、編地202の環状の縫合部すなわち第1の編地部
分を帯状または環状の編地204により挟み付けて縫合
する装置として用いられる。それゆえに、編地204
は、一方の縁部と他方の縁部とにおいて編地202に縫
合される。たとえば、編地202は前身頃と後身頃とを
縫合した身頃編地とし、編地204は衿編地のような付
属編地とすることができ、また編地202の縫合部を衿
ぐり部分とし、編地204の縫合部を衿編地とすること
ができる。衿編地は、その両端を編地の幅の半分に渡っ
て予め縫い合わせておくことにより環状とする。
【0084】リンキング装置200は、それぞれが互い
に縫合すべき編目を拾いかつその編目にポイント針を刺
し通す一対の目拾い針刺し装置206,208と、第
1、第2および第3の編地案内装置と、両編地202,
204を移動させる共通の編地移動装置とを含む。
【0085】針移動装置すなわち目拾い針刺し装置20
6および208は、ポイント針210,212の往復移
動の方向がほぼ直交するように、それぞれ針210およ
び212を円形に配列すなわち並設している。目拾い針
刺し装置206および208の針列は、それぞれ、針回
転移動装置のドラム214および216に保持されてお
り、また針の並設方向Aへドラム214および216と
ともに回転可能である。ドラム214は、ドラム216
の前面に一体的に形成されている。目拾い針刺し装置2
06の針210の移動経路上には、第1の針刺し位置B
1と第3の針刺し位置B3とが設定されている。目拾い
針刺し装置208の針212の移動経路上には、第2の
針刺し位置B2が設定されている。
【0086】針210は、針往復移動装置としての固定
ガイド218と、針刺しのための針駆動装置としての針
駆動部材220とにより、第1の針刺し位置B1と第3
の針刺し位置B3との2箇所に分けて2段階に突出さ
れ、縫合位置Dを通過した後、元の位置に復帰する。
【0087】ドラム214は、図14に示すように、固
定フレーム222に中空軸224においてベアリング2
26および溝カム228を介して回転可能に支持されて
おり、またモータ230および歯車232,234によ
り所定の速度でA方向へ回転移動される。ドラム214
には、これの半径方向に延在する複数の溝236(図1
5,16参照)が円周方向に等ピッチで形成されてい
る。各針210は、ドラム214の内部においてドラム
214の半径方向に摺動自在に溝236に受けられてお
り、ドラム214の回転にともなって固定ガイド218
によりドラム214の半径方向すなわち針の進退方向に
駆動すなわち往復移動される。
【0088】固定ガイド218は、第1の針刺し位置B
1において突出された針210を第3の針刺し位置B3
でさらに突出させ、縫合位置Dを通過した後、針210
を後退させる。針駆動装置の長尺の針駆動部材220
は、針210を第1の針刺し位置B1において突出させ
るために、定位置の支点ピン238に揺動自在に支持さ
れており、またクランクロッド240によりクランクピ
ン242に連結されている。
【0089】駆動軸244は、中空軸224に回転可能
に支持されており、またモータ246および歯車24
8,250により回転される。後退されている針210
がドラム216の回転にともなって第1の針刺し位置B
1に到達すると、針駆動部材220は、その位置B1に
到達した針210を突き上げるように移動され、それに
よりその針210は第1の針刺し位置B1に案内された
編地204の編目に刺し通される。編地204に刺し通
された針210は、ドラム216の回転により針駆動部
材220との係合から解放される代わりに、固定ガイド
218と係合し、以後ドラム216の回転にともなって
固定ガイド218によりその突出量を制御される。
【0090】目拾い針刺し装置208の針212は、図
14に示すように、ドラム216に形成された複数の孔
に各々挿通されてドラム216の軸線方向へ進退自在に
ドラム216に保持されており、またフレーム222に
固定された溝カム228に回転自在に受けられており、
さらにモータ230および歯車232,234によりド
ラム214,214とともに所定の速度で送り方向Aへ
回転移動される。針212も図示しない針駆動部材によ
り針刺し位置B2に達したことにより突出すなわち前進
され、それによりその針212は針刺し位置B2へ案内
された編地204の編目に刺し通される。溝カム228
は、針刺し位置B2に達した針212がドラム216の
半径方向(軸線方向)へ移動することを許すように構成
されている。
【0091】リンキング装置200は、編目の位置を修
正すべく編地を案内するように3箇所の針刺し位置B
1,B2,B3毎に設けられた第1、第2および第3の
編地案内装置を含む自動リンキング装置である。第1の
編地案内装置は編地204の縫合すべき2つの縁部の一
方を第1の針刺し位置B1へ案内し、第2の編地案内装
置は編地204の縫合すべき2つの縁部の他方を第2の
針刺し位置B2へ案内し、第3の編地案内装置は編地2
02を第3の針刺し位置B3へ案内する。
【0092】第1の編地案内装置は、図11,図13に
示すように、編地204の一方の縁部を第1の針刺し位
置B1の上流側において第1の針刺し位置B1に向けて
前進させるローラ254と、第1の針刺し位置B1に配
置された一対のハンド256と、第1の針刺し位置B1
近傍における編地の状態を撮像するテレビカメラ258
とを含む。なお、一対のハンド256は、図18にのみ
示されている。
【0093】ローラ254、ハンド256およびテレビ
カメラ258は、それぞれ、図1におけるローラ14、
ハンド16およびテレビカメラ18に対応し、また対応
するそれらと同様に動作する。それゆえに、テレビカメ
ラ258は第2の編地案内装置と共通の図2に示す画像
処理装置に接続されており、またローラ254およびハ
ンド256は第2の編地案内装置と共通の図2に示す駆
動回路26により駆動される。
【0094】この第1の編地案内装置は、編地位置調整
機構であるローラ254が編地204の一方の縁部を押
圧しつつ軸線方向へ移動することにより、編地204の
一方の縁部の傾きを修正する。ローラ254は、回転し
つつおよび編地204の一方の縁部を押圧しつつ軸線方
向へ移動することにより、ハンド16とともに編地20
4の縁部の編目を第1の針刺し位置B1へ案内する。
【0095】第2の編地案内装置は、図11〜図13に
示すように、編地204の他方の縁部を第2の針刺し位
置B2の上流側において第1の針刺し位置B1に向けて
前進させるローラ264と、第2の針刺し位置B1に配
置された一対のハンド266と、第2の針刺し位置B2
近傍における編地の状態を撮像する図示しないテレビカ
メラとを含む。なお、図17では、第1および第2の編
地案内装置が省略されている。
【0096】ローラ264、ハンド266およびテレビ
カメラは、それぞれ、図1におけるローラ14、ハンド
16およびテレビカメラ18に対応し、また対応するそ
れらと同様に動作する。それゆえに、第2の編地案内装
置のテレビカメラは第1の編地案内装置と共通の図2に
示す画像処理装置に接続されており、またローラ264
およびハンド266は第1の編地案内装置と共通の図2
に示す駆動回路26により駆動される。
【0097】この第2の編地案内装置は、編地位置調整
機構であるローラ264が編地204の他方の縁部を押
圧しつつ軸線方向へ移動することにより、編地204の
他方の縁部の傾きを修正する。ローラ264は、回転し
つつおよび編地204の他方の縁部を押圧しつつ軸線方
向へ移動することにより、ハンド16とともに編地20
4の他方の縁部の編目を第2の針刺し位置B2へ案内す
る。
【0098】第3の編地案内装置は、図11〜図13に
示すように、第3の針刺し位置B3の上流側において編
地202の端を検出する一対の編地端センサ270と、
編地202の縁部の位置を調整するローラ272とを備
える。この第3の編地案内装置は、ローラ272が両編
地センサ270による編地端の検出に基づき、回転しつ
つおよび編地202の縁部を押圧しつつ軸線方向へ移動
することにより、編地202の縫合部分の位置を調整し
つつ、その縫合部分を第3の針刺し位置B3へ案内す
る。両編地端センサ270の出力信号は図2に示す制御
装置24に供給され、ローラ272は図2に示す駆動回
路26により駆動される。
【0099】制御装置24は、画像処理装置20から供
給される信号を基にローラ254,264およびハンド
256,266を制御する制御信号を発生するのみなら
ず、量センサ270から供給される信号を用いてローラ
272を制御する制御信号を発生する。
【0100】編地移動装置は、送りローラ274と、編
地202,204を送りローラ274と共同して挟む従
動ローラ276と、送りローラ274を編地案内装置の
ローラ254,264,272の回転またはドラム21
4,216の回転と同期して回転させる駆動機構(図示
せず)とを備える。
【0101】編地202は、縫合部を送りローラ274
と円筒状のカバー278とにかけられる。これに対し、
編地204は、送りローラ274と、目拾い針刺し装置
206および208の両ドラム214,216とにかけ
られている。両編地202,204は、送りローラ27
4と両ドラム214,216とが同期して回転されるこ
とにより、移動される。
【0102】編地202,204のセット時、環状の編
地204の一方の縁部は、目拾い針刺し装置206の側
の突出している全ての針を刺し通される。また、編地2
04の他方の縁部は、目拾い針刺し装置208の側の突
出している全ての針を刺し通される。編地202は、目
拾い針刺し装置206の側の突出している針のうち、第
3の針刺し位置B3より下流側の全ての針を刺し通され
る。
【0103】編地204は、L字状に曲げられたガイド
280によりL字状に曲げられ、その状態で、針回転移
動装置の回転にともなって、一方の縁部を第1の編地案
内装置により第1の針刺し位置B1に案内されるととも
に他方の縁部を第2の編地案内装置により第2の針刺し
位置B2に案内される。これにより、両縁部の編目は、
第1または第2の針刺し位置B1またはB2に正しく案
内される。
【0104】ガイド280の垂直な壁部分は、図11お
よび図12に示すように第2の針刺し位置B2まで伸び
ている。ガイド280の水平な板部分は、図12に示す
ように、第1の針刺し位置B1から狭い幅となってお
り、ドラム216の側の針列とドラム214との間に位
置し、第1の針刺し位置B1からさらにドラム214の
円周方向に半周以上延在している。
【0105】編地204は、第1の針刺し位置B1にお
いて針210を一方の縁部の編目に刺し通され、第2の
針刺し位置B2において針212を他方の縁部の編目に
刺し通された後、さらに刺し通された針210,212
とともに第3の針刺し位置B3へ向けて移動される。針
210は、編地204の一方の縁部の編目に刺し通され
た後、第3の針刺し位置B3の直前まで移動される間に
編地204の一方の縁部とともに弧状のガイド282の
内側を通過する。
【0106】ガイド282は、カバー278に取り付け
られている。第3の編地案内装置のセンサ270および
ローラ272は、カバー278の外側に配置されてい
る。
【0107】編地202は、縫合すべき縁部を第3の編
地案内装置により第1および第3の針刺し位置B1,B
3間においてガイド282の外側に重ねられつつ、第3
の針刺し位置B3に案内される。ガイド282は、第3
の針刺し位置B3の直前で終了している。このため、編
地202は、第3の針刺し位置B3において、編地20
4の一方の縁部に漸次重ねられ、ここで針210がさら
に突出されて編地202の編目に刺し通される。これに
より、針210は、編地202の編目と編地204の一
方の縁部の編目とに刺し通される。
【0108】針210のさらなる突出により、針21
0,212は、先端部を突き合わされるすなわち接触さ
れる。図11には正確には示されていないが、針210
は、図16に示す固定ガイド218の形状からも明らか
なように、第3の針刺し位置B3の直前からドラム21
4の半径方向外方へ移動し始め、第3の針刺し位置B3
において針210の先端がガイド282の外側面よりも
突出することにより編地202に刺し通され、さらに第
3の針刺し位置B3を通過した直後に完全な突出状態と
なる。
【0109】ガイド282は、針210の突出および突
出状態での移動を許容するように、一端が開放されたス
リットをドラム214の円周方向に形成している。リン
キング装置200の動作の開始にあたり、第1,第2お
よび第3の針刺し位置B1,B2およびB3において行
う最初の針刺しは、人手により行ってもよいし、自動的
に行ってもよい。
【0110】編地204は、針212を刺し通された編
目が第3の針刺し位置B3から目移し位置Cへ移動する
間に、針212を刺し通された縁部を編地ガイド284
により図12に示すように目拾い針刺し装置206の側
に漸次曲げられる。針212を刺し通された編目は、ま
た、針回転移動装置の回転にともなって、目移し位置C
において針210に目移しをされる。
【0111】詳細には、編地204は、針212を刺し
通された編目が第3の針刺し位置B3から、第3の針刺
し位置B3の下流側の目移し位置Cへ移動する間に、漸
次U字状に曲げられて、針212を刺し通された縁部を
ガイド284により針212の先端へ向けて変位させら
れる。これにより、針212を刺し通された編目は、ド
ラム214,216の回転にともなって、目移し位置C
においてガイド284により針210に目移しをされ
る。なお、ガイド284は、ドラム216の針212の
並設方向すなわち配列方向に延在し、かつ、針の移動方
向に沿って徐々に針212の後端から先端に向かう傾斜
した案内面を有している。
【0112】編地14は、ドラム214,216の回転
にともなって、ガイド286により針210の後端側へ
変位されて、他方の縁部を編地202の外側に重ねら
れ、その状態で編地202とともに縫合位置Dに移動さ
れる。ガイド286は、ドラム214側の針210の並
設方向に延在し、かつ、針210の移動方向に沿って針
210の先端から後端に向かう傾斜した案内面を有して
いる。ガイド286の案内面は、ガイド284の案内面
と連続するように設けられている。
【0113】針210に目移しされた編地204は、針
回転移動装置の回転にともなって、ガイド286により
さらに曲げられて、他方の縁部を編地202の外側に重
ねられ、その状態で縫合位置Dに移動され、縫合位置D
に配置されたミシンのような縫合装置290により縫合
される。縫合装置290は、縫い針292と、ルーバー
294と、縫糸296とにより、2枚の編地202,2
04のかがり縫いをする。
【0114】縫合位置Dにおいて実際に縫合する編目
は、針210が刺し通された編目であることが好ましい
が、他の編目、たとえば針210が刺し通された編目に
最も近い編目であってもよい。縫合装置290は、セッ
ト時に針刺し位置B1において人手により針刺しされた
編目が縫合位置Dに到達した後に動作を開始し、編地2
02,204を縫合する。
【0115】針210は、針回転移動装置の回転にとも
なって、縫合位置Dを通過した後、漸次後退される。縫
合された編地202,204は、ドラム214およびロ
ーラ274の回転により、ローラ274の側に引き寄せ
られ、その途中において編目を針210から完全に外さ
れる。
【0116】本発明は、編目を完全なジグザグ状に検出
する代わりに、編目を鋸歯状、L字状、N字状、M字
状、W字状に検出してもよい。本発明は、また、上記の
リンキング装置200のように2組の針列の針をそれら
に角度をもって突き合わせる装置のみならず、2組の針
列の針をそれらに角度を与えることなくほぼ平行の状態
で突き合わせる装置、たとえば特公平3−49477号
公報、特開平7−125341号公報等、他のリンキン
グ装置にも適用することができる。さらに、本発明は、
図1に示すハンド16または該ハンドと同様の動作をす
るローラ等の駆動のためのみならず、ハンド16を備え
ない場合ローラ14を制御するために用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する編地案内装置の一実施例を示
す概略的な斜視図である。
【図2】編地案内装置の電気回路の一実施例を示すブロ
ック図である。
【図3】本発明の第1の実施例における一つの工程を説
明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施例における図3に続く工程
を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施例を説明するための図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施例を説明するための図であ
る。
【図7】本発明を実施する編地案内装置の動作を説明す
るためのフローチャートの一実施例を示す図である。
【図8】図7のフローチャートに続くフローチャートの
一実施例を示す図である。
【図9】本発明の第4の実施例を説明するための図であ
る。
【図10】図9に示す第4の実施例における編目検出法
を説明するための図である。
【図11】本発明を用いるリンキング装置の概略的な正
面図である。
【図12】図11のリンキング装置の概略的な平面図で
ある。
【図13】図11のリンキング装置の概略的な側面図で
ある。
【図14】図11のリンキング装置における一方の針の
駆動部分の断面図である。
【図15】図11のリンキング装置における他方の針の
駆動部分の断面図である。
【図16】図11のリンキング装置における一方の針を
移動させるカム部分の正面図である。
【符号の説明】
10 編地案内装置 12,202,204 編地 14,254,264 ローラ 16,256,266 ハンド 40,42,74 編目 38,70 検出領域 18,258 テレビカメラ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 編地の編目配列状態をテレビカメラで撮
    像するとともに、検出領域を設定してその検出領域内の
    画像信号を基に縫合すべき目標編目の位置を求め、その
    目標編目を針刺し位置に案内する編地案内装置における
    編目検出方法であって、求めた目標編目の位置に基づい
    て前記検出領域を決定することを含む、編目検出方法。
  2. 【請求項2】 基準位置を基に前記目標編目の位置を求
    め、また前回の基準位置および前回求めた編目の位置の
    位置関係と、今回の基準位置とを基に前記検出領域を決
    定する、請求項1に記載の編目検出方法。
  3. 【請求項3】 前記検出領域は矩形であり、また前記検
    出領域の対角頂点の座標位置を変更することにより前記
    検出領域を決定する、請求項1または2に記載の編目検
    出方法。
  4. 【請求項4】 前記編地の送り方向における前記検出領
    域の座標位置を変更することにより、前記検出領域を決
    定する、請求項1,2または3に記載の編目検出方法。
JP8291196A 1996-10-15 1996-10-15 編目検出方法 Pending JPH10113482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8291196A JPH10113482A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 編目検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8291196A JPH10113482A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 編目検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10113482A true JPH10113482A (ja) 1998-05-06

Family

ID=17765709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8291196A Pending JPH10113482A (ja) 1996-10-15 1996-10-15 編目検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10113482A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2017196333A (ja) 縫製データ生成装置、縫製データ生成方法、プログラムおよび縫製システム
CN106400326A (zh) 缝纫机
JPH04504962A (ja) 模様に即して布を縫合するための方法及びミシン
JP7093217B2 (ja) 縫製システム
JPH0999187A (ja) 編目の検出方法および装置
JP3637287B2 (ja) 平編地のリンキング方法および平編地リンキング装置
JPH10113482A (ja) 編目検出方法
JPH10118364A (ja) 編地位置修正方法
JP2850222B2 (ja) キルティング方法
US11680347B2 (en) Sewing machine
JPH10113481A (ja) 編目検出方法
US11885054B2 (en) Sewing system and sewing machine
WO2016129491A1 (ja) 切断装置及びアップリケ縫製方法
US5730075A (en) Automatic linking method
JPH10116342A (ja) 画像処理方法
JP3792567B2 (ja) リンキング方法およびリンキング装置
JP2865948B2 (ja) 編物の高速リンキング方法
JP6904674B2 (ja) ミシン、刺繍枠判定方法およびプログラム
JPH08206377A (ja) リンキング方法
JPH10127966A (ja) 衿編地
JP3637329B2 (ja) リンキング方法およびリンキング装置
JPS63154192A (ja) 編物のリンキング方法
JPH0999185A (ja) リンキング装置の編地案内装置
JPH09103588A (ja) 編地のリンキング方法
JP2929742B2 (ja) 柄等の認識装置及びミシン

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees