JPH10113480A - 表面に樹脂層を有するネット刃の形成方法 - Google Patents

表面に樹脂層を有するネット刃の形成方法

Info

Publication number
JPH10113480A
JPH10113480A JP27042796A JP27042796A JPH10113480A JP H10113480 A JPH10113480 A JP H10113480A JP 27042796 A JP27042796 A JP 27042796A JP 27042796 A JP27042796 A JP 27042796A JP H10113480 A JPH10113480 A JP H10113480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin layer
net
net blade
blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP27042796A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Yamada
修司 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP27042796A priority Critical patent/JPH10113480A/ja
Publication of JPH10113480A publication Critical patent/JPH10113480A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂のコートのコントロールが正確にでき
て、刃先に塗料が付かないで且つ刃先のエッジのすぐ手
前まで正確に樹脂をコートできる。 【解決手段】 多数のネット刃1を形成したネット刃用
フープ材Aの表面にグラビアロール2により樹脂をコー
トする。その後、乾燥してネット刃用フープ材Aに形成
した各ネット刃1の表面から刃先のエッジのすぐ手前ま
で樹脂層を形成する。その後にネット刃用フープ材Aを
切断して表面に樹脂層を有するネット刃1を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気かみそり、玉
取り器、女性用産毛取り器、腋毛カッター等のネット刃
の表面に樹脂層を形成するための技術に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、電気かみそり等のネット刃の
表面に樹脂層を形成して、ネット刃の表面に色付けをす
ることが行われているが、従来にあっては、単にネット
刃の表面に色付けのために樹脂層を形成しているのみで
あり、また、ネット刃の表面に樹脂層を形成するに当た
っても、多孔性のローラを使用して該多孔性のローラに
含浸された樹脂をネット刃の表面にコートしていたの
で、適当な押しつけ圧が必要であり、また、樹脂の膜厚
制御の自由度が少なく、樹脂層の均一性が悪いものであ
り、この結果、ネット刃の表面に樹脂をコートする際
に、ネット刃の刃先のエッジを越えて刃部分に樹脂が回
り込んだりして切れ味が低下するという問題がある。
【0003】また、樹脂を吹き付けてコートする方法に
おいても、上記従来例と同様に樹脂の膜厚制御の自由度
が少なく、樹脂層の均一性が悪いものであり、この結
果、ネット刃の表面に樹脂をコートする際に、ネット刃
の刃先のエッジを越えて刃部分に樹脂が回り込んだりし
て切れ味が低下するという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来例
の問題点に鑑みて発明したものであって、樹脂のコート
のコントロールが正確にできて、刃先に塗料が付かない
で且つ刃先のエッジのすぐ手前まで正確に樹脂をコート
できるようにすることを主たる課題とし、また、使用中
に刃の寿命を知ることができたり、水洗いした場合にお
ける水切りを良くしたり、肌当たりを良くしたり、髭く
ずの臭い等を減少したりすることを別の課題とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来例の課題を解決
するために本発明のネット刃の形成方法は、多数のネッ
ト刃1を形成したネット刃用フープ材Aの表面にグラビ
アロール2により樹脂をコートした後、乾燥してネット
刃用フープ材Aに形成した各ネット刃1の表面から刃先
4のエッジのすぐ手前まで樹脂層3を形成し、その後に
ネット刃用フープ材Aを切断して表面に樹脂層3を有す
るネット刃1を形成することを特徴とするものである。
そして、グラビアロール2の溝が100〜200メッシ
ュであることが好ましい。このような方法を採用するこ
とで、樹脂のコートのコントロール2が正確にできて、
ネット刃1の表面に樹脂層3を形成するに当たって、刃
先4に樹脂が付かないで且つ刃先4のエッジのすぐ手前
まで正確に樹脂をコートして樹脂層3を形成することが
できるものである。
【0006】また、樹脂層3を2層に形成し、上層樹脂
層3aと下層樹脂層3bとの色を異ならせることが好ま
しい。このことにより、長期間の使用により上層樹脂層
3aが肌との接触で磨耗して穴があいて下層樹脂層3b
の色が現れることで、刃の寿命がきたことを知ることが
できるものである。また、樹脂層3をはっ水性樹脂によ
り形成することが好ましい。このことにより、水洗いし
た場合における水切りが良好に行えるものである。
【0007】また、樹脂層3を吸水性樹脂により形成す
るのが好ましい。このことにより、石鹸をつけてのウエ
ット剃りの場合、樹脂層3が水を吸水して厚みが厚くな
って刃の厚みが増加し、このことにより、水や湯により
柔らかくなった肌に対する最適の刃厚とできて、肌を傷
つけることなく肌当たり良く髭剃りできることになる。
【0008】また、樹脂層3を抗菌材料を含む樹脂によ
り形成することが好ましい。このことにより、髭屑など
臭いを減少させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施形態に基づいて
説明図する。ステンレスのようなネット刃用フープ材A
には多数のネット刃1が例えばプレス等により形成して
ある。このネット刃1は図2に示すように、ネット状を
していて、桟5に囲まれた部分に刃孔6が形成してあ
る。桟5の断面形状は略台形状に屈曲した形状をしてい
る。
【0010】上記のようなネット刃1を多数形成したネ
ット刃用フープ材Aを図1の矢印のように塗布装置7に
連続して供給してネット刃用フープ材Aの表面側(図1
において表面側が下面側となるように供給する)に樹脂
をコートすることで、ネット刃用フープ材Aに多数形成
したネット刃1の表面に連続して樹脂層3をコートする
のである。
【0011】ここで、本発明においては塗布装置7に設
けた塗布ローラが外面に溝のついたグラビアロール2に
より構成してある。図中8は樹脂10の入った槽で、該
槽8にグラビアロール2の略下部が漬けてある。また、
図中9はネット刃用フープ材Aを搬送するための搬送ロ
ールである。図6にはグラビアロールの一例が示してあ
り、溝が網目状をしている。もちろんこの図6に示すよ
うなもののみに限定されず、図7に示すようなグラビア
ロールであってもよいものである。
【0012】グラビアロール2の溝の大きさは100〜
200メッシュが適当であり、100メッシュ以下では
樹脂が付着しすぎてネット刃1の刃先4まで樹脂がつい
てしまうという問題があり、また、200メッシュより
大きくなると樹脂が少なく、かすれてしまい、また樹脂
層3が薄過ぎるという問題がある。また、グラビアロー
ル2の回転数は10〜30rpmが適当であり、10r
pm以下では均一な膜厚が着かずに斑になり、30rp
m以上では樹脂量が多くなって不均一になる。最適な条
件としては、150メッシュの場合に15〜30rp
m、120メッシュの場合に10〜15rpmが好まし
い。
【0013】しかして、多数のネット刃1を形成したネ
ット刃用フープ材Aを搬送ロール9により送り、グラビ
アロール2により樹脂10をネット刃用フープ材Aの表
面にコートし(つまり、ネット刃用フープ材Aに多数形
成した各ネット刃1の表面にコートし)、その後乾燥す
ることで、ネット刃用フープ材Aに多数形成した各ネッ
ト刃1の表面に樹脂層3を形成するものであり、その
後、ネット刃用フープ材Aから表面に樹脂層3を形成し
た各ネット刃1を任意の切り取り手段により切断して表
面に樹脂層3を形成したネット刃1を得るものである。
【0014】このようにグラビアロール2により樹脂1
0をネット刃用フープ材Aに多数形成した各ネット刃1
の表面にコートして各ネット刃1の表面に樹脂層3を形
成するから、樹脂のコートのコントロールが正確にで
き、ネット刃1の表面に樹脂をコートするに当たって、
図4に示すように、刃先4のエッジに樹脂が着かないよ
うにして刃先4のエッジの手前まで樹脂層3を形成する
ことができるものである。
【0015】上記のようにして樹脂層3を有するネット
刃1を形成するに当たって、例えば、樹脂のコートを2
回行って図5に示すように上層樹脂層3aと下層樹脂層
3bからなる樹脂層3を形成するようにしてもよいもの
である。ここで、下層樹脂層3bと上層樹脂層3aとは
色を異ならせておき、また、上層樹脂層3aは使用中に
ネット刃1の表面と接触する肌のような被接触物との摩
擦により磨耗しやすい樹脂を使用し、長期間の使用によ
り上層樹脂層3aが肌のような被接触物との摩擦により
磨耗して穴があき、上層樹脂層3aとは異なる色の下層
樹脂層3bが露出するようにしておくものであり、この
場合、ネット刃1の刃先4の磨耗時間(刃の寿命)と、
上層樹脂層3aの磨耗時間が等しくなるように、樹脂の
種類、厚みを設定しておいて、上層樹脂層3aが磨耗し
て異なる色の下層樹脂層3bが露出することで、ネット
刃1の寿命を使用者が判るようにするものである。
【0016】次に、他の実施形態につき述べる。この実
施形態においては、樹脂層3を形成する樹脂としてはっ
水性樹脂を用いてある。はっ水性樹脂としては、疎水基
を有するもの、すなわちパーフルオロアルキル基をもつ
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などを用い
る。本実施形態においては、水洗いした場合にネット刃
1表面がはっ水性を有するために水切りがよくなるもの
である。
【0017】次に、更に他の実施形態につき述べる。こ
の実施形態においては、樹脂層3を形成する樹脂として
吸水性樹脂を用いてある。吸水性樹脂としては、水酸
基、アミノ基、アミド基、セルロース誘導体などの親水
基を有する吸水性樹脂、例えば、ヒドロキシエチルメタ
アクリレート、ポリエチレングリコールに架橋剤、界面
活性剤を加えたものが用いられる。本実施形態において
は、石鹸をつけてのウエット剃りの場合、樹脂層3が水
を吸水して厚みが厚くなって刃の厚みが増加するもので
ある。しかして、石鹸をつけてのウエット剃りの場合、
肌が水や湯により柔らかくなり、このため、本実施形態
のようにウエット剃りの場合、樹脂層3が吸水して刃の
厚みが厚くなることで肌を傷つけることなく肌当たり良
く髭剃りできることになる。
【0018】次に、本発明の更に他の実施形態につき述
べる。この実施形態においては、樹脂層3を銀、銅、酸
化チタン(チタニア)等の抗菌材料を含む樹脂を用いて
ある。ここで、Ag系抗菌剤は銀を無機担体に担持させ
たものが主流である。担体としてはゼオライト、リン酸
ジルコニュームなどがあり、この担体を樹脂に練り込ん
で使用する。また、有機系抗菌塗料を使用することもで
きる。ここで有機系抗菌塗料としては、有機系抗菌剤
(イミダゾール系化合物、フタールイミド系化合物、ス
ルファミド系化合物)をアクリル樹脂、アルキッド樹
脂、ポリウレタンなどの樹脂に混ぜて抗菌塗料としたも
のである。そして、本実施形態においては、樹脂層3を
抗菌材料を含む樹脂により形成することで、髭屑などに
菌が繁殖するのを防ぎ、髭屑などの臭いを減少させるこ
とができるものである。
【0019】以下、本発明の実施例につき具体的に説明
する。
【0020】
【実施例】
(実施例1)巾50mm、厚さ0.05mmのステンレ
スのネット刃用フープ材Aに多数のネット刃1を形成す
る。ここで、ネット刃用フープ材Aに形成したネット刃
1の桟5は図3に示すような断面形状をしており、その
寸法はa=170μm、b=130μm、c=50μ
m、d=55μmである。上記のように多数のネット刃
1を有するネット刃用フープ材Aを超音波洗浄を行い、
その後、150メッシュのグラビアロール2により赤褐
色に着色したアクリル樹脂(日立化成工業(株)製のT
Fー1141T)を15rpmの速さでコートし、塗布
後常温で24時間乾燥した。この時、ネット刃1の刃先
4のエッジ部分には樹脂が着かなかった。上記使用した
樹脂の粘度は25℃で20Poisであり、塗布厚は5
μmであった。次に、その上から150メッシュのグラ
ビアロール2により白色の粘度が20Poisのアクリ
ル樹脂(日立化成工業(株)製のTFー1141H)を
15rpmの速さでコートし、塗布後常温で24時間乾
燥した。塗膜厚は10μmであった。このようにしてネ
ット刃用フープ材Aに形成した各ネット刃1の表面に図
5のように2層の樹脂層3を形成した。なお、図5のe
=40μmで本実施例においては樹脂が刃先4のエッジ
に着かなかった。その後、ネット刃用フープ材Aからネ
ット刃1を切断して表面に樹脂層3を有するネット刃1
を得た。このようにして得たネット刃1に3kg荷重で
擬似肌に擦り合わせたところ、約15時間で赤褐色の色
が現れた。
【0021】(実施例2)巾50mm、厚さ0.05m
mのステンレスのネット刃用フープ材Aに多数のネット
刃1を形成する。ここで、ネット刃用フープ材Aに形成
したネット刃1の桟5は図3に示すような断面形状をし
ており、その寸法はa=170μm、b=130μm、
c=50μm、d=55μmである。上記のように多数
のネット刃1を有するネット刃用フープ材Aを超音波洗
浄を行い、その後、150メッシュのグラビアロール2
により赤褐色に着色したウレタン樹脂(日立化成工業
(株)製のKUー7000)を15rpmの速さでコー
トし、塗布後80℃で4時間乾燥した。この時、ネット
刃1の刃先4のエッジ部分には樹脂が着かなかった。上
記使用した樹脂の粘度は25℃で20Poisであり、
塗布厚は5μmであった。次に、その上から150メッ
シュのグラビアロール2により白色の粘度が15Poi
sのウレタン樹脂(日立化成工業(株)製のTFー71
00)を15rpmの速さでコートし、塗布後80℃で
2時間乾燥した。塗膜厚は20μmであった。このよう
にして各ネット刃1の表面に図5のように2層の樹脂層
3を形成した。なお、本実施例においても樹脂のコート
状態は実施例1とほぼ同じであり、図5のe=40μm
であった。その後、ネット刃用フープ材Aからネット刃
1を切断して表面に樹脂層3を有するネット刃1を得
た。このようにして得たネット刃1に3kg荷重で擬似
肌に擦り合わせたところ、約30時間で赤褐色の色が現
れた。
【0022】(実施例3)巾50mm、厚さ0.05m
mのステンレスのネット刃用フープ材Aに多数のネット
刃1を形成する。ここで、ネット刃用フープ材Aに形成
したネット刃1の桟5は図3に示すような断面形状をし
ており、その寸法はa=170μm、b=130μm、
c=50μm、d=55μmである。上記のように多数
のネット刃1を有するネット刃用フープ材Aを超音波洗
浄を行い、その後、100メッシュのグラビアロール2
により樹脂を10rpmの速さでコートした。ここでグ
ラビアロール2によりコートする樹脂としては、パーフ
ルオロアルキル基をもつシリコン樹脂(セントラル硝子
(株)製のセラフルコート)のワニス100部、シンナ
ー100部、硬化剤3部を混合し、粘度25℃で25P
oisに調整したものを用いた。上記のようにして樹脂
をコートした後、120〜150℃で約30分乾燥し、
図4のようにネット刃1の表面に樹脂層3を形成した。
ここで、樹脂層3の厚みは15μmであった。なお、図
4のe=40μmで本実施例においても樹脂が刃先4の
エッジに着かなかった。その後、ネット刃用フープ材A
からネット刃1を切断して表面に樹脂層3を有するネッ
ト刃1を得た。このようにして得たネット刃1は、高い
はっ水性を示し、水洗いタイプのシェーバに使用すると
水切りが良くて有効であることが判明した。
【0023】(実施例4)巾50mm、厚さ0.05m
mのステンレスのネット刃用フープ材Aに多数のネット
刃1を形成する。ここで、ネット刃用フープ材Aに形成
したネット刃1の桟5は図3に示すような断面形状をし
ており、その寸法はa=170μm、b=130μm、
c=50μm、d=55μmである。上記のように多数
のネット刃1を有するネット刃用フープ材Aを超音波洗
浄を行い、その後、200メッシュのグラビアロール2
により樹脂を20rpmの速さでコートした。ここでグ
ラビアロール2によりコートする樹脂としては、ヒドロ
キシエチルメタアクリレートを用い、具体的には変成ア
クリル樹脂(ハニー化成(株)製のハニタン638を1
00部とハニタン1100を6部を混合したもの)を粘
度1.2Poisに調整したものを用いた。上記のよう
にして樹脂をコートした後、常温で乾燥した後、80℃
で1時間加熱して図4のようにネット刃1の表面に樹脂
層3を形成した。ここで、樹脂層3の厚みは8μmであ
った。なお、本実施例においても図4のe=40μmで
樹脂が刃先4のエッジに着かなかった。その後、ネット
刃用フープ材Aからネット刃1を切断して表面に樹脂層
3を有するネット刃1を得た。このようにして得たネッ
ト刃1は、水に浸けるとその厚みが0.10mmとな
り、刃の厚みが増加し、肌当たりのよいネット刃が得ら
れた。
【0024】(実施例5)巾50mm、厚さ0.05m
mのステンレスのネット刃用フープ材Aに多数のネット
刃1を形成する。ここで、ネット刃用フープ材Aに形成
したネット刃1の桟5は図3に示すような断面形状をし
ており、その寸法はa=170μm、b=130μm、
c=50μm、d=55μmである。上記のように多数
のネット刃1を有するネット刃用フープ材Aを超音波洗
浄を行い、その後、150メッシュのグラビアロール2
により樹脂を30rpmの速さでコートした。ここでグ
ラビアロール2によりコートする樹脂としては、銀系無
機抗菌剤(東亜合成化学工業(株)製のノバロン)をウ
レタン樹脂(日立化成工業(株)製のTFー7100)
に3重量%混合し、粘度を10Poisに調整したもの
を用いた。上記のようにして樹脂をコートした後、80
℃で2時間乾燥して図4のようにネット刃1の表面に抗
菌剤を含む樹脂層3を形成した。なお、本実施例におい
ても図4のe=40μmで樹脂が刃先4のエッジに着か
なかった。その後、ネット刃用フープ材Aからネット刃
1を切断して表面に樹脂層3を有するネット刃1を得
た。このようにして得たネット刃1は、ウエット剃り
(顎に石鹸をつけた状態で髭を剃り、その後、水洗いし
て髭屑を洗い流す)で使用した時、髭屑の臭いが減少し
た。
【0025】(実施例6)巾50mm、厚さ0.05m
mのステンレスのネット刃用フープ材Aに多数のネット
刃1を形成する。ここで、ネット刃用フープ材Aに形成
したネット刃1の桟5は図3に示すような断面形状をし
ており、その寸法はa=170μm、b=130μm、
c=50μm、d=55μmである。上記のように多数
のネット刃1を有するネット刃用フープ材Aを超音波洗
浄を行い、その後、100メッシュのグラビアロール2
により樹脂を10rpmの速さでコートした。ここでグ
ラビアロール2によりコートする樹脂としては、アクリ
ル系抗菌樹脂塗料(日本化工塗料(株)製のカビストッ
プU)をシンナーにより20℃で2.4Poisの粘度
に調整したものを用いた。上記のようにして樹脂をコー
トした後、20℃で2時間乾燥して図4のようなネット
刃1の表面に抗菌剤を含む樹脂層3を形成した。なお、
本実施例においても図4のe=40μmで樹脂が刃先4
のエッジに着かなかった。その後、ネット刃用フープ材
Aからネット刃1を切断して表面に樹脂層3を有するネ
ット刃1を得た。このようにして得たネット刃1は、ウ
エット剃り(顎に石鹸をつけた状態で髭を剃り、その
後、水洗いして髭屑を洗い流す)で使用した時、髭屑の
臭いが減少した。
【0026】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の発明にあって
は、上述のように、多数のネット刃を形成したネット刃
用フープ材の表面にグラビアロールにより樹脂をコート
した後、乾燥してネット刃用フープ材に形成した各ネッ
ト刃の表面から刃先のエッジのすぐ手前まで樹脂層を形
成し、その後にネット刃用フープ材を切断して表面に樹
脂層を有するネット刃を形成するので、グラビアロール
により樹脂のコートを正確にコントロールでき、ネット
刃の刃先のエッジに樹脂が着かないように正確にコート
でき、表面に樹脂層を形成し且つ所定の切れ味のネット
刃を提供することができるものである。
【0027】また、請求項2記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、グラビアロール
の溝が100〜200メッシュであるので、適量の樹脂
をネット刃の表面に刃先のエッジに樹脂がつかず表面に
のみコートされるように正確に塗布できるものである。
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1又
は請求項2記載の発明の効果に加えて、樹脂層を2層に
形成し、上層樹脂層と下層樹脂層との色を異ならせるの
で、ネット刃を長期間使用した際に、上層樹脂層が肌と
の接触で磨耗して穴があいて下層樹脂層の色が現れるこ
とで、刃の寿命がきたことを知ることができるものであ
る。
【0028】また、請求項4記載の発明にあっては、上
記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、樹
脂層をはっ水性樹脂により形成するので、水洗いした場
合における水切りが良好に行えるものである。また、請
求項5記載の発明にあっては、上記請求項1又は請求項
2記載の発明の効果に加えて、樹脂層を吸水性樹脂によ
り形成するので、石鹸をつけてのウエット剃りの場合、
樹脂層が水を吸水して厚みが厚くなって刃の厚みが増加
し、このことにより、水や湯により柔らかくなった肌に
対する最適の刃厚とできて、肌を傷つけることなく肌当
たり良く髭剃りできるものであって、ウエット剃りが快
適に行えるものである。
【0029】また、請求項6記載の発明にあっては、上
記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、樹
脂層を抗菌材料を含む樹脂により形成するので、抗菌材
料を含む樹脂層の存在により髭屑など臭いを減少させる
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を示す説明図である。
【図2】ネット刃の樹脂をコートする前の斜視図であ
る。
【図3】同上の樹脂をコートする前の状態のネット刃の
断面図である。
【図4】同上の樹脂層を形成した状態のネット刃の断面
図である。
【図5】同上の2層に樹脂層を形成した実施形態のネッ
ト刃の断面図である。
【図6】本発明に用いるグラビアロールの一実施形態の
正面図である。
【図7】同上のグラビアロールの他の実施形態の正面図
である。
【符号の説明】
1 ネット刃 2 グラビアロール 3 樹脂層 3a 上層樹脂層 3b 下層樹脂層 4 刃先 A ネット刃用フープ材
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気かみそり、
取り器、女性用産毛取り器、腋毛カッター等のネット
刃の表面に樹脂層を形成するための技術に関するもので
ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数のネット刃を形成したネット刃用フ
    ープ材の表面にグラビアロールにより樹脂をコートした
    後、乾燥してネット刃用フープ材に形成した各ネット刃
    の表面から刃先のエッジのすぐ手前まで樹脂層を形成
    し、その後にネット刃用フープ材を切断して表面に樹脂
    層を有するネット刃を形成することを特徴とする表面に
    樹脂層を有するネット刃の形成方法。
  2. 【請求項2】 グラビアロールの溝が100〜200メ
    ッシュであることを特徴とする請求項1記載の表面に樹
    脂層を有するネット刃の形成方法。
  3. 【請求項3】 樹脂層を2層に形成し、上層樹脂層と下
    層樹脂層との色を異ならせることを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の表面に樹脂層を有するネット刃の形
    成方法。
  4. 【請求項4】 樹脂層をはっ水性樹脂により形成するこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表面に樹脂
    層を有するネット刃の形成方法。
  5. 【請求項5】 樹脂層を吸水性樹脂により形成すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の表面に樹脂層
    を有するネット刃の形成方法。
  6. 【請求項6】 樹脂層を抗菌材料を含む樹脂により形成
    することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の表面
    に樹脂層を有するネット刃の形成方法。
JP27042796A 1996-10-14 1996-10-14 表面に樹脂層を有するネット刃の形成方法 Withdrawn JPH10113480A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27042796A JPH10113480A (ja) 1996-10-14 1996-10-14 表面に樹脂層を有するネット刃の形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27042796A JPH10113480A (ja) 1996-10-14 1996-10-14 表面に樹脂層を有するネット刃の形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10113480A true JPH10113480A (ja) 1998-05-06

Family

ID=17486133

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27042796A Withdrawn JPH10113480A (ja) 1996-10-14 1996-10-14 表面に樹脂層を有するネット刃の形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10113480A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006230568A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Kyushu Hitachi Maxell Ltd 電気かみそり
JP2013208389A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Hitachi Maxell Ltd 電気かみそり
JP2013208388A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Hitachi Maxell Ltd 切断装置、および切断装置のクリーニング装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006230568A (ja) * 2005-02-23 2006-09-07 Kyushu Hitachi Maxell Ltd 電気かみそり
JP2013208389A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Hitachi Maxell Ltd 電気かみそり
JP2013208388A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Hitachi Maxell Ltd 切断装置、および切断装置のクリーニング装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7867571B2 (en) Textile surface
US11318633B2 (en) Thinning of razor blade coatings
FR2889544A1 (fr) Procede de decoration par le biais d'un traitement de film d'oxydation anodique
WO2011087124A1 (ja) 化粧用チップ
JPH10113480A (ja) 表面に樹脂層を有するネット刃の形成方法
US20110005079A1 (en) Washable Personal Grooming Device, in Particular Hair Removal Device, and Method for the Production of Components of Such a Device
US20150128982A1 (en) Stubble softening device
WO2005002387A1 (en) Template system for hair removal
JP2000152817A (ja) 化粧用塗布具およびその製造方法
KR101789751B1 (ko) 생산성 및 내오염성이 향상된 에어쿠션용 다공성 폴리우레탄 필름의 제조방법 및 이에 따라 제조된 에어쿠션용 다공성 폴리우레탄 필름
JPH01271343A (ja) ウエットティシュ等の製造装置
JP2005034685A (ja) 銀系酸化チタンのコーティング方法及び銀系酸化チタンのコーティング物
KR100792636B1 (ko) 스웨이드 인조피혁의 제조방법
JPH0194983A (ja) 多孔スクリーン状金属材の表面に樹脂塗膜を形成する方法
KR102047646B1 (ko) 알루미늄 호일이 합지된 하이드로겔 코팅 마스크팩용 부직포의 제조 방법
JP3820282B2 (ja) パーマネント処理法
JPH1156741A (ja) 抗菌剤入りスポンジ体
AU2004253188B2 (en) Template system for hair removal
JPS642697Y2 (ja)
JP2000139666A (ja) 常温ガラスコーティング紙トレイ
KR200375478Y1 (ko) 립글로스 롤
JPH0386272A (ja) 接着剤の塗布方法
JP2018175812A (ja) 剃刀
JP2001015256A (ja) 曲面状発熱体の製造方法及び曲面状発熱体
RU2619416C1 (ru) Способ импрегнирования режущей поверхности абразивного круга

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040106