JPH10113197A - 高分子量ヒアルロン酸もしくはその塩の製造法 - Google Patents
高分子量ヒアルロン酸もしくはその塩の製造法Info
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Abstract
分子量ヒアルロン酸もしくはその塩を取得できる製造法
を提供すること。 【解決手段】微生物を用いてヒアルロン酸もしくはその
塩を生産する際にアミノ態窒素を0.05%(%は重量
(g)/容量(dl)%)以下含有する培地で培養し、
培養液中に高分子量ヒアルロン酸もしくはその塩を蓄積
させ、該培養液を10℃以下の温度で分離精製処理する
ことを特徴とする高分子量の、好ましくは分子量300
万以上の高分子量ヒアルロン酸もしくはその塩の製造法
である。
Description
範囲に利用される高分子量ヒアルロン酸もしくはその塩
を微生物による発酵法で製造する方法に関する。
量により特有の生理作用を有する。このため化粧品、医
薬品等の分野でその目的にあった分子量のヒアルロン酸
もしくはその塩が使用されている。近年、特に医薬向け
のヒアルロン酸もしくはその塩には平均分子量250万
以上、好ましくは300万以上のものが使用されるよう
になってきている。ヒアルロン酸もしくはその塩の工業
的規模での製造法は、抽出法と発酵法とに大きく分けら
れる。前者すなわち抽出法では高分子量ヒアルロン酸も
しくはその塩が得られるもののその操作が煩雑であり、
一方後者の発酵法は前者に比べ操作は簡単であるものの
高分子量のものが得られにくいという欠点がある。
ン酸もしくはその塩の製造法はヒアルロン酸生産株を変
異処理してヒアルロニダーゼ非生産性にした微生物を培
地に培養する方法(特開昭60−133894号公報,
特開昭62−257393号公報、特開平6−3195
80号公報)、培養時のpHをアルカリ側に調整して高
分子量ヒアルロン酸もしくはその塩を製造する方法(特
開昭63−28398号公報)、培地の炭素源としてグ
ルコースのほかにフルクトースを添加して培養する方法
(特開平6−319579号公報)やウリジンを添加し
て培養する方法(特開平6−319580号公報)が提
案されている。
法に比べて容易にかつ安定して高分子量ヒアルロン酸も
しくはその塩を取得できる製造法を提供することを目的
とする。
の本発明の手段は、ヒアルロン酸生産菌を培養する際
に、窒素源として使用するアミノ態窒素の濃度を低濃度
に維持することによりその菌が有するヒアルロニダーゼ
様活性を抑制し、それにより培養段階で高分子量のヒア
ルロン酸もしくはその塩を製造し、ついで該培養液を1
0℃以下の温度で精製処理して、分子量250万以上、
好ましくは300万以上の高分子量ヒアルロン酸もしく
はその塩を製造するものであり、本発明でいう高分子量
とは、分子量250万以上、好ましくは300万以上を
いう。
ては、ヒアルロン酸生産能を有する微生物であればとく
に制限はなく、ストレプトコッカス属、例えばストレプ
トコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ス
トレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equ
isimilis)、ストレプトコッカス・エクイ(Streptococcu
s equi)、ストレプトコッカス・デイスガラクテイエ(St
reptococcus dysgalactiae)、ストレプトコッカス・ズ
ーエピデミカス(Streptococcus zooepidemicus)等を挙
げることができる。
通常、微生物培養に使われる有機体窒素源、例えば酵母
エキス、肉エキス、ポリペプトン、大豆ペプトン等であ
れば特に制限はない。また、添加される窒素源の濃度
は、アミノ態窒素換算で0.05%(以下、%はことわ
りのない限りすべて重量(g)/容量(dl)%を表
す)以下、好ましくは0.01%〜0.04%である。
成分はヒアルロン酸生産菌を培養するのに通常用いられ
る培地を用いればよく、例えばグルコース3.0%、リ
ン酸1カリウム0.3%、リン酸2カリウム0.2%、
チオ硫酸ナトリウム0.01%、硫酸マグネシウム7水
塩0.01%、亜硫酸ナトリウム0.002%、塩化コ
バルト0.001%、塩化マンガン0.001%を含む
成分でpH6.0〜8.5に調整されたものを用いるこ
とができる。
のいずれを用いてもよく、また、培養温度は20℃〜4
0℃、好ましくは30℃〜38℃である。
養液の粘度上昇がみられなくなった時点で培養を停止
し、得られた培養液を10℃以下の温度で分離精製処理
することにより、目的の高分子量のヒアルロン酸もしく
はその塩が得られる。該塩としては、ナトリウム塩、カ
リウム塩が一般的である。なお、本発明で分離精製処理
とは、得られた培養液を遠心分離等により菌体を除去し
たのち、その上澄み液にエタノール等の貧溶媒を添加し
てヒアルロン酸もしくはその塩を析出、沈殿させる処理
のことをいい、該分離精製処理を10℃以下の温度で行
うものである。
くはその塩の分子量は極限粘度を薬局方粘度測定法また
は粧原基粘度測定法第1法によって測定し、その数値を
用いて下記の式より算出した値である。 [η]=0.000403 x M 0.775 [η]: 極限粘度(dl/g) M : 分子量(ダルトン)
量として酵母エキスを、その他の塩類として、リン酸1
カリウム0.3%、リン酸2カリウム0.2%、チオ硫
酸ナトリウム0.01%、硫酸マグネシウム7水塩0.
01%、亜硫酸ナトリウム0.002%、塩化コバルト
0.001%、塩化マンガン0.001%および消泡剤
として大豆油0.02%を添加した培地に、ストレプト
コッカス・ズーエピデミカス FERMBP878(微
工研条寄 第878号)を接種し、pHを6.0〜8.
5になるように調製しながら、温度37℃で培養した。
培養終了後、該培養液を10℃以下に冷却し、遠心分離
により菌体を除去したのち、その上澄みを10℃以下に
冷却したエタノールで2回沈殿処理するという精製処理
を行い、最後に沈殿を20℃で真空乾燥して、表1記載
の分子量を有する精製ヒアルロン酸のナトリウム塩を得
た。また、比較例1〜3として、比較例1は精製処理の
温度を25℃とする以外は実施例1に準拠して、比較例
2はアミノ態窒素の添加量を0.105%とし、精製処
理温度を25℃とする以外は実施例1に準拠して、比較
例3はアミノ態窒素の添加量を0.175%とし、精製
処理温度を25℃とする以外は実施例1に準拠して、表
1に記載の分子量を有する精製ヒアルロン酸のナトリウ
ム塩のそれぞれを得た。
発酵時に低濃度のアミノ態窒素を添加して培養し、つい
で該培養液を10℃以下の温度で精製処理することによ
り、高分子量のヒアルロン酸もしくはその塩を容易にか
つ安定して製造することができる。
Claims (4)
- 【請求項1】微生物を用いてヒアルロン酸もしくはその
塩を生産する際にアミノ態窒素を0.05%(%は重量
(g)/容量(dl)%)以下含有する培地で培養し、
培養液中に高分子量ヒアルロン酸もしくはその塩を蓄積
させ、ついで該培養液を10℃以下の温度で分離精製処
理することを特徴とする高分子量ヒアルロン酸もしくは
その塩の製造法。 - 【請求項2】得られるヒアルロン酸もしくはその塩の分
子量が300万以上である請求項1記載のヒアルロン酸
もしくはその塩の製造法。 - 【請求項3】微生物がストレプトコッカス・ピオゲネス
(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・エク
イシミリス(Streptococcus equisimilis)、ストレプト
コッカス・エクイ(Streptococcus equi)、ストレプトコ
ッカス・デイスガラクテイエ(Streptococcus dysgalact
iae)、ストレプトコッカス・ズーエピデミカス(Strepto
coccus zooepidemicus)のなかから選ばれた1種以上で
ある請求項1記載の高分子量ヒアルロン酸もしくはその
塩の製造法。 - 【請求項4】アミノ態窒素が微生物、植物もしくは動物
由来の物質である請求項1記載の高分子量ヒアルロン酸
もしくはその塩の製造法。
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-
1996
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