JP2017112901A - 高分子ヒアルロン酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高分子ヒアルロン酸の製造方法を提供する。【解決手段】ヒアルロン酸生産能を有する微生物を、塩濃度2w/v%以上5w/v%以下または0.2mol/L以上0.9mol/L以下の培地で培養する工程を含む、ヒアルロン酸の製造方法を提供する。【選択図】なし
Description
本発明は、高分子ヒアルロン酸の製造方法ならびにそのような製造方法で得られる高分子ヒアルロン酸、高分子ヒアルロン酸を含有する医薬品、飲食品および組成物に関する。
ヒアルロン酸は、N−アセチル−D−グルコサミンおよびD−グルクロン酸の2糖による繰り返し構造からなる直鎖の多糖であり、高保湿性、高粘弾性、高潤滑性等を示す素材である。それらの特徴を生かして、保湿剤として化粧品に配合するのみならず、関節症治療剤や眼科手術補助剤等の医療分野への利用も広がっている。また、近年は、ヒアルロン酸の機能への関心の高まりから、ヒアルロン酸が配合されたサプリメントや嗜好食品が多数販売されている。ヒアルロン酸は、分子量に違いにより異なる生理作用を有することが知られているため、各用途に応じて様々な平均分子量のヒアルロン酸が求められている。
食品や化粧品に利用されるヒアルロン酸として、鶏冠からの抽出物や、ストレプトコッカス属等のヒアルロン酸を生産する微生物を培地で培養し、精製して得たものが一般的に用いられている。特定の分子量のヒアルロン酸の生産方法としては、例えば、ストレプトコッカス・エキの変異株を培養して6x106Daを超える分子量のヒアルロン酸を生産する方法等が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明の主な目的は、高分子量のヒアルロン酸を得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ヒアルロン酸を生産する微生物を培養する際の培地の塩濃度を制御することにより上記課題を達成することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下に関する。
[1]
ヒアルロン酸生産能を有する微生物を、塩濃度2w/v%以上5w/v%以下の培地で培養する工程を含む、ヒアルロン酸の製造方法。
[2]
培地の塩濃度が2%以上4%以下である、[1]に記載の方法。
[3]
ヒアルロン酸生産能を有する微生物を、塩濃度0.2mol/L以上0.9mol/L以下の培地で培養する工程を含む、ヒアルロン酸の製造方法。
[4]
ヒアルロン酸生産能を有する微生物が、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・エキおよびストレプトコッカス・ピオゲネスから成る群から選択される、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
ヒアルロン酸生産能を有する微生物が、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカスである、[4]に記載の方法。
[6]
塩が、塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムから選択される、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
製造されるヒアルロン酸の分子量が700万以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[1]
ヒアルロン酸生産能を有する微生物を、塩濃度2w/v%以上5w/v%以下の培地で培養する工程を含む、ヒアルロン酸の製造方法。
[2]
培地の塩濃度が2%以上4%以下である、[1]に記載の方法。
[3]
ヒアルロン酸生産能を有する微生物を、塩濃度0.2mol/L以上0.9mol/L以下の培地で培養する工程を含む、ヒアルロン酸の製造方法。
[4]
ヒアルロン酸生産能を有する微生物が、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・エキおよびストレプトコッカス・ピオゲネスから成る群から選択される、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]
ヒアルロン酸生産能を有する微生物が、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカスである、[4]に記載の方法。
[6]
塩が、塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムから選択される、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]
製造されるヒアルロン酸の分子量が700万以上である、[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、簡便に高分子量のヒアルロン酸を得ることができる。
(1)ヒアルロン酸生産能を有する微生物
本発明において、ヒアルロン酸生産能を有する微生物としては、ヒアルロン酸を生産する微生物である限り特に限定されず、天然に存在する微生物のみならず、ヒアルロン酸生産能を有するよう遺伝子改変された微生物を用いることもできる。
本発明の一態様において、ヒアルロン酸生産能を有する微生物としては、ストレプトコッカス(Streptococcus)属に属する微生物が好ましい。ストレプトコッカス属に属する微生物としては、例えば、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp. zooepidemicus)、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・エキ(Streptococcus equi subsp. equi)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)等が挙げられる。その中でも、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカスがより好ましい。
本発明において、ヒアルロン酸生産能を有する微生物としては、ヒアルロン酸を生産する微生物である限り特に限定されず、天然に存在する微生物のみならず、ヒアルロン酸生産能を有するよう遺伝子改変された微生物を用いることもできる。
本発明の一態様において、ヒアルロン酸生産能を有する微生物としては、ストレプトコッカス(Streptococcus)属に属する微生物が好ましい。ストレプトコッカス属に属する微生物としては、例えば、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp. zooepidemicus)、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・エキ(Streptococcus equi subsp. equi)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)等が挙げられる。その中でも、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカスがより好ましい。
(2)培地の塩濃度
本発明では、上記のヒアルロン酸生産能を有する微生物を培養してヒアルロン酸を製造する際に、培地の塩濃度を調整する。
本発明では、上記のヒアルロン酸生産能を有する微生物を培養してヒアルロン酸を製造する際に、培地の塩濃度を調整する。
本発明の一態様において、培地の塩濃度は、微生物の種類にもよるが、高分子ヒアルロン酸の生産能の観点から、1w/v%超であり、2w/v%以上が好ましく、3w/v%以上がより好ましい。また、微生物の生育のし易さの観点から、6w/v%以下であり、5w/v%以下が好ましく、4w/v%以下がより好ましい。例えば、1w/v%超6w/v%以下、好ましくは2w/v%以上5w/v%以下、より好ましくは2w/v%以上4w/v%以下、特に好ましくは3w/v%以上4w/v%以下の塩濃度の培地で微生物を培養することができる。
また、本発明の一態様において、培地の塩濃度は、微生物の種類にもよるが、高分子ヒアルロン酸の生産能の観点から、0.2mol/L以上であり、0.3mol/L以上が好ましく、0.4mol/L以上がより好ましく、0.5mol/L以上がさらに好ましい。また、微生物の生育のし易さの観点から、1.0mol/L以下であり、0.9mol/L以下が好ましく、0.8mol/L以下がより好ましく、0.7mol/L以下が特に好ましい。例えば、0.2mol/L以上1.0mol/L以下、好ましくは0.2mol/L以上0.9mol/L以下、より好ましくは0.3mol/L以上0.8mol/L以下、さらに好ましくは0.4mol/L以上0.8mol/L以下、特に好ましくは0.5mol/L以上0.7mol/L以下の塩濃度の培地で微生物を培養することができる。
上記の塩濃度で微生物を培養することにより、より高分子量のヒアルロン酸を得ることができる。これは、理論に束縛されるものではないが、高塩濃度下での塩ストレス応答として、微生物が、より高分子量のヒアルロン酸を生産するようになることに起因すると考えられる。
塩濃度の調整に用いる塩としては、微生物が生育可能な限り特に限定されず、例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられ、好ましくは塩化ナトリウムである。
(3)培地
塩濃度以外の点については、培地は、微生物の種類に応じた公知の培地を用いることができる。例えば:炭素源として、グルコース、フルクトース等の単糖類、乳糖、スクロース、マルトース等の二糖類、オリゴ糖類等;窒素源としてポリペプトン、酵母エキス等の有機窒素源を添加した培地を使用することができる。必要に応じて、アルギニン、グルタミン酸、グルタミン等の遊離アミノ酸;ビタミン等を添加してもよい。培地のpHも、微生物の種類に応じて適宜設定すればよく、例えばpH5.0〜8.5、好ましくはpH6.5〜7.5の範囲とすることができる。
塩濃度以外の点については、培地は、微生物の種類に応じた公知の培地を用いることができる。例えば:炭素源として、グルコース、フルクトース等の単糖類、乳糖、スクロース、マルトース等の二糖類、オリゴ糖類等;窒素源としてポリペプトン、酵母エキス等の有機窒素源を添加した培地を使用することができる。必要に応じて、アルギニン、グルタミン酸、グルタミン等の遊離アミノ酸;ビタミン等を添加してもよい。培地のpHも、微生物の種類に応じて適宜設定すればよく、例えばpH5.0〜8.5、好ましくはpH6.5〜7.5の範囲とすることができる。
(4)培養条件
培養条件は、微生物の種類に応じて適宜選択することができ、振盪培養、通気撹拌培養等、公知の手法を用いて行うことができる。培地の温度は、25〜42℃程度、好ましくは30〜40℃程度、より好ましくは32〜38℃程度に制御すればよい。また、必要に応じて、好気的に培養することも可能である。培養時間も限定されず、培地の量、所望のヒアルロン酸の量に応じて適宜選択することができる。
培養条件は、微生物の種類に応じて適宜選択することができ、振盪培養、通気撹拌培養等、公知の手法を用いて行うことができる。培地の温度は、25〜42℃程度、好ましくは30〜40℃程度、より好ましくは32〜38℃程度に制御すればよい。また、必要に応じて、好気的に培養することも可能である。培養時間も限定されず、培地の量、所望のヒアルロン酸の量に応じて適宜選択することができる。
(5)ヒアルロン酸の単離・精製
微生物が生産した培地中のヒアルロン酸は、用途に応じて公知の方法により単離・精製することができる。例えば、加熱殺菌、各種ろ過処理、遠心分離等を実施して、菌体や培地由来の不溶性成分を除去してヒアルロン酸の粗精製物を得て、これを飲食品に添加したり化粧品等に配合したりすることもできる。また、エタノール等を用いた溶媒沈殿等、ヒアルロン酸の精製法として一般的に行われる処理によって、純度を高めたヒアルロン酸を得て、飲食品、化粧品、医薬品等に用いることもできる。公知の手法により、ナトリウム塩等のヒアルロン酸の塩として単離・精製することもできる。
微生物が生産した培地中のヒアルロン酸は、用途に応じて公知の方法により単離・精製することができる。例えば、加熱殺菌、各種ろ過処理、遠心分離等を実施して、菌体や培地由来の不溶性成分を除去してヒアルロン酸の粗精製物を得て、これを飲食品に添加したり化粧品等に配合したりすることもできる。また、エタノール等を用いた溶媒沈殿等、ヒアルロン酸の精製法として一般的に行われる処理によって、純度を高めたヒアルロン酸を得て、飲食品、化粧品、医薬品等に用いることもできる。公知の手法により、ナトリウム塩等のヒアルロン酸の塩として単離・精製することもできる。
本発明の方法で製造されるヒアルロン酸は、同一の微生物から、本発明の方法を用いずに得られるヒアルロン酸と比較して、平均分子量が大きく、例えば、650万以上、好ましくは、700万以上の平均分子量を有する。平均分子量は、極限粘度法、SEC−MALS法等、当業者に公知の手法を用いて測定することができ、例えば、後述の実施例に記載の方法を参照して測定することができる。
[ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカスATCC43079の培養]
グルコース1.0%、酵母エキス1.5%および大豆ペプトン0.5%を含む培地に、塩化ナトリウムをそれぞれ0、1、2、3または4%(すなわち、0、0.17、0.34、0.51または0.68mol/L)となるように加えた。なお、特筆しない限り、実施例および比較例における「%」は「w/v%」を意味する。3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液でpH6.9〜7.0に調整したのち、それぞれの培養液50mLを、炭酸カルシウム0.25gを秤取った200mLバッフル付き三角フラスコに入れ、オートクレーブ滅菌した。ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp. zooepidemicus)ATCC43079を植菌し、33℃、120RPMで振盪培養した。培養時間は表1に示す。塩濃度が高くなるにつれて、微生物の増殖速度が低下することを加味して、培養時間を設定した。
グルコース1.0%、酵母エキス1.5%および大豆ペプトン0.5%を含む培地に、塩化ナトリウムをそれぞれ0、1、2、3または4%(すなわち、0、0.17、0.34、0.51または0.68mol/L)となるように加えた。なお、特筆しない限り、実施例および比較例における「%」は「w/v%」を意味する。3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液でpH6.9〜7.0に調整したのち、それぞれの培養液50mLを、炭酸カルシウム0.25gを秤取った200mLバッフル付き三角フラスコに入れ、オートクレーブ滅菌した。ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp. zooepidemicus)ATCC43079を植菌し、33℃、120RPMで振盪培養した。培養時間は表1に示す。塩濃度が高くなるにつれて、微生物の増殖速度が低下することを加味して、培養時間を設定した。
[ヒアルロン酸の平均分子量および濃度の測定]
培養液中に生産されたヒアルロン酸の分子量および濃度の測定は以下のように行った。
培養液をヒアルロン酸濃度が0.02%以下となるように、0.2mol/L硝酸ナトリウム水溶液で適宜希釈し、孔径0.2μmのフィルターでろ過して検液とした。
この液を以下の条件でSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)とMALS(多角度光散乱)を組み合わせたシステムで分析した。尚、解析ソフトは、ASTRA V(Wyatt Technology Corporation)を使用した。結果を表1に示す。培養液中の塩濃度が高くなるにつれて、より高分子量のヒアルロン酸が得られた。
培養液中に生産されたヒアルロン酸の分子量および濃度の測定は以下のように行った。
培養液をヒアルロン酸濃度が0.02%以下となるように、0.2mol/L硝酸ナトリウム水溶液で適宜希釈し、孔径0.2μmのフィルターでろ過して検液とした。
この液を以下の条件でSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)とMALS(多角度光散乱)を組み合わせたシステムで分析した。尚、解析ソフトは、ASTRA V(Wyatt Technology Corporation)を使用した。結果を表1に示す。培養液中の塩濃度が高くなるにつれて、より高分子量のヒアルロン酸が得られた。
(i)使用機器
SECシステム:Shodex GPC−101(昭和電工社製)
(ii)分析条件
カラム:Shodex OHpak SB−807HQ
カラム槽温度:40℃
溶離液:0.2mol/L硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.4mL/分
試料注入量:100μL
光散乱計:DAWN HELEOS−II(Wyatt Technology Corporation)
分析時間:40分
SECシステム:Shodex GPC−101(昭和電工社製)
(ii)分析条件
カラム:Shodex OHpak SB−807HQ
カラム槽温度:40℃
溶離液:0.2mol/L硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.4mL/分
試料注入量:100μL
光散乱計:DAWN HELEOS−II(Wyatt Technology Corporation)
分析時間:40分
<比較例>
グルコース1.0%、酵母エキス1.5%、大豆ペプトン0.5%および塩化ナトリウム0.2%(すなわち、0.034mol/L)を含む培地を、3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液でpH6.9〜7.0に調整した。この培養液50mLを、炭酸カルシウム0.25gを秤取った200mLバッフル付き三角フラスコに入れ、オートクレーブ滅菌した。ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp. zooepidemicus)ATCC43079を植菌し、33℃、120RPMで振盪培養した。培養液中に生産されたヒアルロン酸の分子量測定および濃度測定は実施例と同様に行った。培養時間および測定結果を表2に示す。培養液の塩濃度が低い場合、培養を継続しても高分子量のヒアルロン酸は得られなかった。
グルコース1.0%、酵母エキス1.5%、大豆ペプトン0.5%および塩化ナトリウム0.2%(すなわち、0.034mol/L)を含む培地を、3mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液でpH6.9〜7.0に調整した。この培養液50mLを、炭酸カルシウム0.25gを秤取った200mLバッフル付き三角フラスコに入れ、オートクレーブ滅菌した。ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp. zooepidemicus)ATCC43079を植菌し、33℃、120RPMで振盪培養した。培養液中に生産されたヒアルロン酸の分子量測定および濃度測定は実施例と同様に行った。培養時間および測定結果を表2に示す。培養液の塩濃度が低い場合、培養を継続しても高分子量のヒアルロン酸は得られなかった。
本発明は、簡便に高分子量のヒアルロン酸を製造する方法を提供するという産業上の利用可能性を有する。本発明は、医療、化粧品、食品等の分野において有用である。
Claims (7)
- ヒアルロン酸生産能を有する微生物を、塩濃度2w/v%以上5w/v%以下の培地で培養する工程を含む、ヒアルロン酸の製造方法。
- 培地の塩濃度が2w/v%以上4w/v%以下である、請求項1に記載の方法。
- ヒアルロン酸生産能を有する微生物を、塩濃度0.2mol/L以上0.9mol/L以下の培地で培養する工程を含む、ヒアルロン酸の製造方法。
- ヒアルロン酸生産能を有する微生物が、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカス、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・エキおよびストレプトコッカス・ピオゲネスから成る群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- ヒアルロン酸生産能を有する微生物が、ストレプトコッカス・エキ・サブスピーシズ・ズーエピデミカスである、請求項4に記載の方法。
- 塩が、塩化ナトリウムおよび硫酸ナトリウムから選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 製造されるヒアルロン酸の分子量が700万以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
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EP16878314.0A EP3395953A4 (en) | 2015-12-24 | 2016-12-02 | PROCESS FOR PRODUCING MACROMOLECULAR HYALURONIC ACID |
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Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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WO (1) | WO2017110421A1 (ja) |
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- 2015-12-24 JP JP2015251588A patent/JP2017112901A/ja active Pending
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- 2016-12-02 EP EP16878314.0A patent/EP3395953A4/en not_active Withdrawn
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