JPH10112265A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JPH10112265A
JPH10112265A JP26428196A JP26428196A JPH10112265A JP H10112265 A JPH10112265 A JP H10112265A JP 26428196 A JP26428196 A JP 26428196A JP 26428196 A JP26428196 A JP 26428196A JP H10112265 A JPH10112265 A JP H10112265A
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正樹 青木
Mitsuhiro Otani
光弘 大谷
Hiroyuki Kawamura
浩幸 河村
Yasuhisa Ishikura
靖久 石倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマディスプレイパネルの誘電体ガラス
層およびMgO保護層の高耐圧化、高信頼性化を計るこ
とを目的とする。 【解決手段】 従来用いられてきた、PbO−B23
SiO2系、PbO−B23−SiO2−ZnO系、およ
びPbO−B23−SiO2−Al23系の誘電体ガラ
ス層に、ガラスの粘性を低下させしかも気泡消滅が容易
な金属酸化物を加えることにより欠陥のない誘電体ガラ
ス層13を形成することができる。また好ましくは、M
gO層14をCVD法で製膜することにより欠陥のない
層を形成することができる。従って、信頼性が高く、高
歩留りのプラズマディスプレイパネルを得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表示デバイスなど
に用いるプラズマディスプレイパネルに関するもので、
特にプラズマディスプレイパネルの誘電体ガラス層およ
びMgO層に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、従来の交流型(AC型)のプラ
ズマディスプレイパネルの概略断面図を示したものであ
る。図3において31は、フロート法による硼硅酸ナト
リウム系ガラスより成るフロントカバープレート(前面
ガラス基板)であり、この前面ガラス基板31上にイン
ジウム−スズ系の透明電極32、またその上のバス電極
としての銀電極33から成る表示電極34が存在し、こ
の上をコンデンサの働きをする誘電体ガラス層35と結
晶配向面が(111)面に配向した酸化マグネシウム
(MgO)誘電体保護層36がおおっている。従来この
誘電体ガラス層35には、主に酸化鉛(PbO)、酸化
硼素(B23)、酸化硅素(SiO2)、酸化亜鉛(Z
nO)、酸化アルミニウム(Al23)から成る比較的
低融点(融点500〜600℃)の酸化鉛系のガラスが
用いられてきた(例えば、特開平7−105855公
報)。
【0003】また、上記のMgO誘電体層36は主にM
gOを原料に用いた電子ビーム加熱による真空蒸着法に
より形成されてきた(例えば、特開平5−342991
号公報)。
【0004】尚、37は背面ガラス基板(バックプレー
ト)であり、この背面ガラス基板37上にアドレス電極
(銀電極)38および隔壁39蛍光体層40が設けられ
ており、41が放電ガスを封入する放電空間となってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年ハイビジョンをは
じめとする高品位、大画面テレビへの期待が高まってい
る。CRTは解像度・画質の点でプラズマディスプレイ
や液晶に対して優れているが、奥行きと重量の点で40
インチ以上の大画面には向いていない。一方液晶は、消
費電力が少なく、駆動電圧も低いという優れた性能を有
しているが、画面の大きさや視野角に限界がある。これ
に対して、プラズマディスプレイは、大画面の実現が可
能であり、すでに40インチクラスの製品が開発されて
いる(例えば、機能材料1996年2月号Vol.1
6、No.2 7ページ)。
【0006】しかしながら現行40〜42インチクラス
のプラズマディスプレイの画素レベルは、NTSCレベ
ル(画素数640×480個、セルピッチ0.43mm
×1.29mm、1セルの面積0.55mm2)である
(例えば、機能材料1996年2月号Vol.16、N
o.2 7ページ)。
【0007】近年期待されているフルスペックのハイビ
ジョンテレビの画素レベルは、画素数が1920×11
25となり、セルピッチも42インチクラスで、0.1
5mm×0.48mmで1セルの面積は0.072mm
2の細かさになる。同じ42インチの大きさでハイビジ
ョンテレビを作成した時、1画素の面積でNTSCと比
較すると、1/7〜1/8の細かさとなる。したがっ
て、放電電極(表示電極)間距離が短かくなるばかりで
なく放電空間もせまくなるため、従来のNTSCと同じ
放電電圧でパネルを駆動させ、輝度と信頼性を確保する
ためには誘電体ガラス層およびMgO保護層の高耐圧
化、高信頼の確保、および高容量化が必要となる。
【0008】特に誘電体ガラス層およびMgO保護層の
高耐圧化、高信頼性化に対しては、これら層中の気泡や
欠陥の抑制が必要であり、また、高容量化(セル面積が
減少するため、コンデンサとしての同一容量を保障する
ためには、誘電体ガラスMgO膜厚を薄くする必要があ
る)に対しては、誘電体ガラス層およびMgO層の膜厚
を薄くする必要がある。
【0009】従来のPbO系誘電体ガラスや真空蒸着法
によるMgO膜を用いて誘電体ガラス層やMgO膜を従
来より薄く形成し、ハイビジョン用のプラズマディスプ
レイパネルに適応すると、膜中の気泡や欠陥のためにパ
ネルをエージングする工程での不良率が高くなるという
課題があった。
【0010】また、フロントパネル上の銀電極中の銀が
誘電体ガラス焼成時に、ガラス基板側に拡散し、ガラス
中のスズイオン(Snイオン)に還元されて、銀のコロ
イドを発生し、黄色に変色するという課題があったが、
特にハイビジョンのような電極ピッチがせまくなると、
パネルに黄色のフィルターがかかった状態となり画質上
の大きな課題となる。
【0011】そこで本発明は、誘電体ガラス層やMgO
膜の信頼性が高く、画質上の問題もないプラズマディス
プレイパネルを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するため従来用いられてきた、PbO−B23−SiO
2系、PbO−B23−SiO2−ZnO系またはPbO
−B23−SiO2−Al23系の誘電体ガラスにガラ
スの粘性を低下させ、しかも気泡消滅が容易な金属酸化
物を加えることにより誘電体ガラス層が薄くてもピンホ
ールや欠陥が少ないガラス層が形成できるため高耐圧化
と高容量化が可能である。またMgO層を従来の真空蒸
着法からCVD法に変えることによってMgO層も欠陥
が少なくち密な膜が形成されるため、同じく高耐圧化が
可能である。上記の手段を取ることによってハイビジョ
ンのようにセルピッチやセル面積が小さいパネルにおい
ても信頼性の高いパネルが得られる。
【0013】また、PbO−B23−SiO2系ガラス
に遷移金属の酸化物であるCu2O、CoO、Cr
23、Fe23、NiO等を小量ガラスに添加すること
でガラスの粘度を低下させると同時にガラスを青あるい
は緑色に着色させAgコロイドの黄色を画質上キャンセ
ルさせることが出来画質の向上が計れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下本発明の実施の形態1におけるプ
ラズマディスプレイパネルについて、図面を参照しなが
ら説明する。図1は、本発明の一実施の形態における交
流面放電型プラズマディスプレイパネルの概略断面図を
示したものである。図1において、前面ガラス基板11
上にスクリーン印刷後焼成することによって得られた第
1の電極としての銀電極12を形成し、この上に80重
量%の酸化鉛(PbO)、10重量%の酸化硼素(B2
3)、8重量%の酸化硅素(SiO2)、1重量%の酸
化亜鉛(ZnO)、1重量%の酸化カリウム(K2O)
から成る誘電体ガラス層13をスクリーン印刷後焼成し
て、約15μmの膜厚に形成した。
【0015】次に上記の誘電体ガラス層13上に酸化マ
グネシウム(MgO)をCVD法(化学蒸着法)にて成
膜する方法を図2を参照しながら説明する。尚、誘電体
ガラス層13上の保護膜に使用される酸化マグネシウム
(MgO)から成る保護層を、CVD法(化学蒸着法)
を用いることによって酸化マグネシウムの(100)面
に配向させた(100)配向面誘電体保護層14とする
ことができる。
【0016】図2は、プラズマディスプレイパネルの保
護層を形成する際に用いるCVD装置(本実施の形態で
は特に熱CVD法を用いる)の概略図を示したものであ
る。
【0017】図2において、21はアルカリ土類の金属
キレートあるいは、シクロペンタジエニル化合物をCV
D装置内に輸送するためのアルゴン(Ar)ガスボン
ベ、22はアルカリ土類の酸化物(MgO)の原料とな
る金属キレートを加熱して蒸発させる気化器(バブラ
ー)、23はアルカリ土類の酸化物(MgO)の原料と
なるシクロペンタジエニル化合物を加熱して蒸発させる
気化器(バブラー)、24は反応ガスである酸素ボン
ベ、25はCVD装置本体、26は基板を加熱するヒー
タ、27は誘電体ガラス層が形成されたガラス基板、2
8はプラズマCVDを行う時に使う高周波電源、29は
排気装置である。
【0018】先ず、スクリーン印刷後焼成することによ
って作成された、銀電極上に有機バインダー(10%の
エチルセルローズを含むメーターピネオール)を含む、
80重量%のPbO、10重量%のB23、8重量%の
SiO2、1重量%のZnO、1重量%のK2Oからなる
鉛系の誘電体ガラス層をスクリーン印刷法で形成後55
0℃で10分間焼成して得られたガラス基板27をCV
D装置25の350℃に加熱されたヒーター部26上に
置き、次にArボンベ21から毎分1lのArガスを1
25℃に加熱された、アルカリ土類の金属キレートであ
るマグネシウムジピバブロイルメタン[Mg(C1119
22]が入った気化器22を通してガラス基板27上
に1分間流し同時にボンベ24から反応ガスである酸素
(O2)を毎分2lの割合で同じく20秒間ガラス基板
27上に流して熱CVDを行い、0.3μmの酸化マグ
ネシウム(MgO)の保護層を形成した(膜形成速度
1.0μm/分)。
【0019】このMgO膜のX線解析を行なった結果、
この膜は、(100)面に配向していることがわかっ
た。次に図1を用いて、保護層付き前面パネルと背パネ
ルを張り合せて、プラズマディスプレイパネルを作成す
る方法を述べる。
【0020】図1において、スクリーン印刷後焼成する
ことによって得られた第2の電極としての銀電極(アド
レス電極)16と高さ0.15mmのガラス製の隔壁1
7(隔壁の間隔0.15mm)およびその隔壁内に蛍光
体層18[蛍光体は、赤色;(YXGd1-X)BO3:E
3+、緑色;Zn2SiO4:Mn、青色;BaMgAl
1017:Eu2+がそれぞれ隔壁で分離されているが、図
1には、一色のみを図示している]が設けられた背ガラ
ス基板15を封着用ガラスを用いて前記前面パネルと張
り合せ、放電ガス封入の前に、放電空間部19を8×1
-7Torr真空度に排気し、放電空間部内に10%キ
セノン(Xe)ガスを含むヘリウム(He)ガスを放電
ガスとして500Torr封入し、交流面放電型プラズ
マディスプレイとした。
【0021】次にこれと同じ製造方法でパネルを20枚
作成し、パネルのエージングのため放電維持電圧250
V、周波数50KHzで4時間放電させた後、パネルの
欠陥(エージング中の誘電体のブレイクダウンによる欠
陥)を調べた結果、21枚のパネルで、3枚のパネルで
欠陥があった。この結果を下記の表の試料番号1に示
す。
【0022】
【表1】
【0023】(実施の形態2)次に以下では、本発明の
実施の形態2におけるプラズマディスプレイパネルにつ
いて、図面を参照しながら説明する。本実施の形態は、
熱CVD法の代わりにプラズマCVD法によってパネル
を形成している点が上記の実施の形態1とは異なる。
【0024】図1は、本実施の形態を説明するために用
いた交流面放電型プラズマディスプレイパネルの概略断
面図である。前面ガラス基板11上にスクリーン印刷後
焼成することによって得られた銀電極12を形成し、こ
の上に70重量%の酸化鉛(PbO)、13重量%の酸
化硼素(B23)、10重量%の酸化硅素(Si
2)、5重量%の酸化亜鉛(ZnO)、2重量%の酸
化リチウム(Li2O)から成る鉛系の誘電体ガラス層
13をスクリーン印刷後焼却して、約20μmの膜厚に
形成した。
【0025】次にこの誘電体ガラス層上にMgOをプラ
ズマCVD法(プラズマ化学蒸着法)にて成膜する方法
を図2を用いて述べる。
【0026】図2は、プラズマディスプレイパネルの保
護層を形成する際に用いるCVD装置の概略図である。
図2において、21は、アルカリ土類の金属キレートあ
るいは、シクロペンタジエニル化合物をCVD装置内に
輸送するためのアルゴン(Ar)ガスボンベ、22は、
アルカリ土類の酸化物(MgO)の原料となる金属キレ
ートを加熱して蒸発させる気化器(バブラー)、23
は、アルカリ土類の酸化物(MgO)の原料となるシク
ロペンタジエニル化合物を加熱して蒸発させる気化器
(バブラー)、24は、反応ガスである酸素ボンベ、2
5は、CVD装置本体、26は、基板を加熱するヒー
タ、27は、誘電体ガラス層が形成されたガラス基板、
28は、プラズマCVDを行う時に使う高周波電源、2
9は、排気装置である。
【0027】先ず、スクリーン印刷後焼成によって得ら
れた銀電極上に、有機バインダー(10%のエチルセル
ローズを含むメーターピネオール)を含む、70重量%
のPbO、13重量%のB23、10重量%のSi
2、5重量%の酸化亜鉛(ZnO)、2重量%の酸化
リチウム(Li2O)から成る鉛系の誘電体ガラス層を
スクリーン印刷法で形成後550℃で10分間焼成して
得られたガラス基板27をCVD装置25の250℃に
加熱されたヒーター部26上に置き、次にArボンベ2
1から毎分1リットル(l)のArガスを125℃に加
熱された、マグネシウムのシクロペンタジエニル化合物
であるMg(C552が入った気化器21を通してガ
ラス基板27上に1分間流し同時にボンベ24から反応
ガスである酸素(O2)を毎分2リットルの割合で同じ
く1分間ガラス基板27上に流し、次にプラズマを発生
させるために反応容器内を排気装置29を使用して、1
0Torrに減圧し、高周波電源28から13.56M
Hzの高周波電界を300ワット(300W)で20秒
間印加し、プラズマCVDを行い0.3μmの酸化マグ
ネシウム(MgO)の保護層を形成した(膜形成速度
0.9μm/分)。
【0028】このMgO膜のX線解析を行なった結果、
この膜は、(100)面に配向していることがわかっ
た。次に図1を用いて保護層付き前面パネルと背パネル
を張り合せて、プラズマディスプレイパネルを作成する
方法を述べる。
【0029】図1においてスクリーン印刷後焼成するこ
とによって得られた銀電極16と高さ0.15mmのガ
ラス製の隔壁17(隔壁の間隔0.15mm)およびそ
の隔壁内に蛍光体層18[蛍光体は、赤色;(YXGd
1-X)BO3:Eu3+、緑色;Zn2SiO4:Mn、青
色;BaMgAl1423:Eu2+がそれぞれ隔壁で分離
されているが、図1には、一色のみを図示している]が
設けられた背ガラス基板15を封着用ガラスを用いて前
記前面パネルと張り合せ、放電ガス封入の前に、放電空
間部19を8×10-7Torrの真空度に排気し、放電
空間部内に20%キセノン(Xe)ガスを含むヘリウム
(He)ガスを放電ガスとして600Torr封入し、
交流面放電型プラズマディスプレイパネルとした。
【0030】次にこれと同じ製造方法でパネルを20枚
作成し、パネルのエージングのため放電維持電圧250
V、周波数50KHzで4時間放電させた後、パネルの
欠陥(エージング中の誘電体のブレイクダウンによる欠
陥)を調べた結果、21枚のパネルで、2枚のパネルで
欠陥が発生していた。この結果を(表1)の試料番号2
に示す。
【0031】以下同様にして、誘電体ガラスの組成、M
gOの成膜条件等を変えて、前面ガラスパネル(フロン
トパネル)を作成し、背面パネル(バックパネル)を張
り合せて、プラズマディスプレイパネルを21枚作成
し、維持電圧250V、周波数50KHzで4時間エー
ジングした後の欠陥パネルの枚数を(表1)及び下記の
表の試料番号3〜27に示す。だだし、試料番号24〜
27は本願発明外の比較例の試料である。
【0032】
【表2】
【0033】上記した(表1)及び(表2)の結果から
も明らかなように、誘電体ガラス層の組成を制御するこ
とにより、欠陥のない誘電体ガラス層を形成することが
できる。また、好ましくはMgO層の形成を熱CVD法
またはプラズマCVD法とすることにより、欠陥のない
MgO膜を形成することができる。そして結果的にはプ
ラズマディスプレイパネルそのものの信頼性を著しく高
めることが可能となる。
【0034】具体的には、PbO−B23−SiO2
の誘電体ガラス層に対しては、金属酸化物1重量%〜1
0重量%(ただし、金属酸化物は、酸化カリウム(K2
O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(N
2O)、酸化銅(Cu2O)、酸化銀(Ag2O)、酸
化タリウム(Tl23)、酸化バナジウム(V25)の
うちのいずれか一種)を添加する、PbO−B23−S
iO2−ZnO系またはPbO−B23−SiO2−Al
23系の誘電体ガラスに対しては、金属酸化物1重量%
〜10重量%(ただし、金属酸化物は、酸化カリウム
(K2O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム
(Na2O)、酸化銅(Cu2O)、酸化銀(Ag
2O)、酸化タリウム(Tl23)、酸化バナジウム
(V25)のうちのいずれか一種)を添加することによ
りガラスの粘性を低下させ、しかも気泡消滅が容易とな
り、結果として誘電体ガラス層が薄くてもピンホールや
欠陥が少ないガラス層が形成できるため高耐圧化と高容
量化が可能となる。またMgO層を従来の真空蒸着法か
らCVD法に変えることによってMgO層も欠陥が少な
くち密な膜が形成されるため、同じく高耐圧化が可能で
ある。そして上記の手段を取ることによってハイビジョ
ンのようにセルピッチやセル面積が小さいパネルにおい
ても信頼性の高いパネルが得られる。
【0035】また、PbO−B23−SiO2系ガラス
に遷移金属の酸化物であるCu2O、CoO、Cr
23、Fe23、NiO等を小量ガラスに添加すること
でガラスの粘度を低下させると同時にガラスを青あるい
は緑色に着色させAgコロイドの黄色を画質上キャンセ
ルさせることが出来画質の向上を計ることができる。
【0036】なお、誘電体ガラス組成においてPbOの
範囲を60重量%〜80重量%に限定したのは60重量
%以下では、ガラスの融点が高くなり、気泡や欠陥をな
くすためには、基板ガラス(フロートガラス)の軟化点
以上の温度で誘電体ガラスを焼成しなくてはならず、基
板ガラスが変形してしまうため好ましくないためであ
り、また80重量%以上になると、融点は下るが、誘電
体ガラスの熱膨張係数が100×10-7/℃以上になる
ため、焼成後の冷却時に基板ガラス(熱膨張係数83〜
90×10-7/℃)が割れるという問題が発生するため
好ましくないためである。
【0037】また酸化硼素(B23)の範囲を10重量
%〜30重量%に限定したのは、10重量%以下ではガ
ラスの流動性が悪く結晶化しやすくなるため好ましくな
いためであり、また30重量%以上になると融点が高く
なり、ガラスの流動温度(気泡がぬける温度)が基板ガ
ラスの軟化点付近になるため好ましくないためである。
【0038】さらに酸化硅素(SiO2)の範囲を5重
量%〜20重量%に限定したのは、5重量%以下では、
誘電体ガラスの耐圧が低下するため好ましくなく、20
重量%以上では、ガラスの融点が高くなりすぎて好まし
くないためである。
【0039】また酸化亜鉛(ZnO)または酸化アルミ
ニウム(Al23)は、ガラスを安定化させるための添
加物で1〜10重量%が適しており、1%以下あるいは
10%以上では効果が発揮されない。
【0040】さらに金属酸化物は、ガラスの流動性を良
くし、気泡や欠陥をなくすための添加物であり、1〜1
0重量%が適している。1%以下では、その効果が発揮
されず、10%以上になると耐圧が悪化したり、着色が
激しくなったりして好ましくないためである。
【0041】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によるP
bO−B23−SiO2−MO(金属酸化物)系、Pb
O−B23−SiO2−ZnO−MO(金属酸化物)
系、およびPbO−B23−SiO2−Al23−MO
(金属酸化物)系の誘電体ガラス層、および、CVD法
によるMgO層を使用した誘電体保護層を用いることに
より、信頼性が高く、不良率の少ないプラズマディスプ
レイパネルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるプラズマディスプ
レイパネルの断面図
【図2】本発明の実施の形態におけるプラズマディスプ
レイパネルを製造する際に用いるCVD装置の概略図
【図3】従来の交流型のプラズマディスプレイパネルの
断面図
【符号の説明】 11 前面ガラス基板(フロントカバープレート) 12 銀電極(表示電極) 13 誘電体ガラス層 14 (100)配向面誘電体保護層 15 背面ガラス基板(バックプレート) 16 アドレス電極 17 隔壁 18 蛍光体 19 放電空間 21 アルゴンガスボンベ 22 アルカリ土類(MgO)の金属キレートの気化器 23 アルカリ土類(MgO)のシクロペンタジエニル
化合物の気化器 24 酸素ガスボンベ 25 CVD装置 26 基板加熱ヒータ 27 誘電体ガラス層が形成されたガラス基板 28 プラズマを発生させるための高周波電源 29 排気装置 31 前面ガラス基板(フロントカバープレート) 32 透明電極 33 銀電極 34 表示電極 35 誘電体ガラス層 36 (111)配向面誘電体保護層(MgO層) 37 背面ガラス基板(バックプレート) 38 アドレス電極(銀電極) 39 隔壁 40 蛍光体層 41 放電空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石倉 靖久 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電極及び誘電体ガラス層が形成され
    たフロントカバープレートと、第2の電極及び蛍光体層
    が形成されたバックプレートとを有し、前記第1の電極
    と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよう
    前記フロントカバープレートと前記バックプレートとを
    配置するとともに、前記フロントカバープレートと前記
    バックプレートとの間に隔壁を設置し、前記フロントカ
    バープレート、前記バックプレート及び前記隔壁により
    形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して成るプ
    ラズマディスプレイパネルであって、前記誘電体ガラス
    層の組成が、酸化鉛(PbO)60重量%〜80重量
    %、酸化硼素(B23)10重量%〜30重量%、酸化
    硅素(SiO2)5重量%〜20重量%、酸化亜鉛(Z
    nO)1重量%〜5重量%、金属酸化物1重量%〜10
    重量%(ただし、金属酸化物は、酸化カリウム(K
    2O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリウム(N
    2O)、酸化銅(Cu2O)、酸化銀(Ag2O)、酸
    化タリウム(Tl2 3)、酸化バナジウム(V25)の
    うちのいずれか一種)であることを特徴とするプラズマ
    ディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】第1の電極及び誘電体ガラス層が形成され
    たフロントカバープレートと、第2の電極及び蛍光体層
    が形成されたバックプレートとを有し、前記第1の電極
    と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよう
    前記フロントカバープレートと前記バックプレートとを
    配置するとともに、前記フロントカバープレートと前記
    バックプレートとの間に隔壁を設置し、前記フロントカ
    バープレート、前記バックプレート及び前記隔壁により
    形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して成るプ
    ラズマディスプレイパネルであって、前記誘電体ガラス
    層の組成が、酸化鉛(PbO)60重量%〜80重量
    %、酸化硼素(B23)10重量%〜30重量%、酸化
    硅素(SiO2)5重量%〜20重量%、酸化アルミニ
    ウム(Al23)1重量%〜10重量%、金属酸化物1
    重量%〜10重量%(ただし、金属酸化物は、酸化カリ
    ウム(K2O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化ナトリ
    ウム(Na2O)、酸化銅(Cu2O)、酸化銀(Ag2
    O)、酸化タリウム(Tl23)、酸化バナジウム(V
    25)のうちのいずれか一種)であることを特徴とする
    プラズマディスプレイパネル。
  3. 【請求項3】第1の電極及び誘電体ガラス層が形成され
    たフロントカバープレートと、第2の電極及び蛍光体層
    が形成されたバックプレートとを有し、前記第1の電極
    と前記第2の電極とが所定の距離離間して対向するよう
    前記フロントカバープレートと前記バックプレートとを
    配置するとともに、前記フロントカバープレートと前記
    バックプレートとの間に隔壁を設置し、前記フロントカ
    バープレート、前記バックプレート及び前記隔壁により
    形成された空間に放電可能なガス媒体を封入して成るプ
    ラズマディスプレイパネルであって、前記誘電体ガラス
    層の組成が、酸化鉛(PbO)60重量%〜80重量
    %、酸化硼素(B23)10重量%〜30重量%、酸化
    硅素(SiO2)5重量%〜20重量%、金属酸化物1
    重量%〜10重量%(ただし、金属酸化物は、酸化銅
    (Cu2O)、酸化バナジウム(V25)、酸化クロム
    (Cr23)、酸化コバルト(Co23)、酸化鉄(F
    23)、酸化ニッケル(NiO)のうちのいずれか一
    種)であることを特徴とするプラズマディスプレイパネ
    ル。
  4. 【請求項4】誘電体ガラス上に形成されたMgO層がマ
    グネシウムの金属レート化合物と酸素とを有する混合ガ
    スによる熱化学蒸着法あるいはプラズマ化学蒸着法によ
    って形成された(100)面配向したMgO層であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のプラズマ
    ディスプレイパネル。
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