JP2002093317A - 交流駆動型プラズマディス表示装置の製造方法およびそれにより得られた交流駆動型プラズマ表示装置 - Google Patents

交流駆動型プラズマディス表示装置の製造方法およびそれにより得られた交流駆動型プラズマ表示装置

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JP2002093317A
JP2002093317A JP2000283974A JP2000283974A JP2002093317A JP 2002093317 A JP2002093317 A JP 2002093317A JP 2000283974 A JP2000283974 A JP 2000283974A JP 2000283974 A JP2000283974 A JP 2000283974A JP 2002093317 A JP2002093317 A JP 2002093317A
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Hiroshi Mori
啓 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 MgO膜からの不純物ガスの放散を防いで安
定的に駆動することができると共に長寿命化が可能な交
流駆動型プラズマ表示装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 前面ガラス基板11の上に維持電極1
2、バス電極13を配置し、更にその上に誘電体層1
4、MgO層15およびMg層16aを順に設ける。よ
って、MgO層15の表面にある柱状の間隙が塞がれ、
間隙内部への不純物の吸着、或いは間隙に吸着した不純
物がMgO層15から放散することが防止される。次い
でこの基板11に酸素雰囲気中にて300℃以上の温度
に30分以上保持する熱処理を施す。これにより、Mg
層16aが酸化されMgO層16bとなり、同時に活性
化され、MgO層15とMgO層16bが保護膜として
機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電維持電極に対
する保護層としての酸化マグネシウム(MgO)層を備
えた交流駆動型プラズマディス表示装置の製造方法およ
びそれにより得られた交流駆動型プラズマ表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量化および薄型化の流れを受け
て、パーソナルコンピュータなどのディスプレイにも、
省スペース化,携帯性向上が求められており、これまで
主流であった陰極線管(CRT)に代わって、LCD
(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、FE
D(Field Emission Display:電界放出型ディスプレ
イ)、有機EL(Electroluminescence:電界発光)ディ
スプレイ、PDP(Plasma Display Panel:プラズマ表
示装置) などの種々のFPD(Flat Panel Display:薄
型ディスプレイ)が開発、製品化されている。
【0003】なかでも、PDPには、大画面化や広視野
角化が比較的容易であること、温度、磁界、振動等の環
境要因に対する耐性に優れること、長寿命であることな
どの特徴があり、家庭用壁掛けテレビの他、公共用の大
型情報端末への応用が期待されている。
【0004】このPDPは、フロント基板およびリア基
板と呼ばれる対向した2枚のガラス基板の間を放電空間
とし、この放電空間を隔壁により区画することにより各
々の放電セルが形成されている。各放電セルは、内部に
放電ガスとして不活性ガスが封入され、内壁に蛍光体が
設けられている。この放電セルに所定の電圧を印加する
と、放電ガス中のグロー放電によって紫外線が発生し、
更に、紫外線が放電セル内の蛍光体層を励起して発光す
る。通常、このような放電セルが数十万個単位で集まっ
て1つの表示画面が構成される。なお、放電セルに対す
る電圧の印加方式によって、PDPは直流駆動(DC)
型と交流駆動(AC)型に大別される。
【0005】このうちAC型のPDPはメモリ機能を持
ち、DC型よりも薄型化、大画面化に適している。ま
た、AC型のPDPは放電電極の配向により対向放電型
と面放電型に分別されるが、いずれの方式においても放
電電極の表面は酸化マグネシウム(MgO)からなる保
護層に覆われており、電極が磨耗し難くく長寿命化に適
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようなPDPの寿
命は主に輝度によって決まり、その輝度低下は放電ガス
純度の低下に起因している。しかしながら、AC型PD
Pにおいては、排気処理ののち封止した放電セル内に、
隔壁等が含有する有機物や保護層内部に吸着した不純物
が放出され、放電ガス純度が低下するという問題があっ
た。
【0007】保護層には、これまで専らMgO層が用い
られてきている。MgОは、化学的に安定で耐スパッタ
性が高く保護機能に優れる他、放電に必要な2次電子を
放出する機能を有すること、蛍光体の発光波長における
光透過率が高いこと、仕事関数が小さく放電開始電圧が
低いことなどの利点から、保護層として好適な材料であ
る。MgO層は、主として電子ビーム蒸着法、スパッタ
リング法、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学気
相成長)法などにより形成され、垂直に細かく裂いたよ
うな貝柱様の柱状結晶が林立した構造となる。このた
め、成膜したのちにMgO層を大気暴露すると、柱状結
晶の間隙に水蒸気、炭酸ガス、酸素、窒素等のガスが吸
着することがあり、これらの吸着ガスが排気処理におい
て容易に排気されずに放電ガスの純度を低下させる要因
となっていた。
【0008】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、MgO層からの不純物ガスの放散を
防いで安定的に駆動することができると共に長寿命化が
可能な交流駆動型プラズマ表示装置の製造方法およびそ
れにより得られた交流駆動型プラズマ表示装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による交流駆動型
プラズマ表示装置の製造方法は、基板上に酸化マグネシ
ウム(MgO)層を形成した後、酸化マグネシウム層の
上にマグネシウム(Mg)層を形成する工程と、マグネ
シウム層を酸素雰囲気中で熱処理する工程とを含むもの
である。
【0010】本発明による交流駆動型プラズマ表示装置
は、酸化マグネシウム層が、酸化マグネシウムを用いて
形成された第1の層と、マグネシウム層を酸素雰囲気中
にて熱処理することにより第1の層の上に形成された第
2の層とを含むものである。
【0011】本発明による交流駆動型プラズマ表示装置
の製造方法では、酸化マグネシウム層の上のマグネシウ
ム層を酸素雰囲気中で熱処理することにより、表面に空
隙の少ない酸化マグネシウム層が形成される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の一実施の形態に係るプラ
ズマ表示装置の概略構成を表すものである。このプラズ
マ表示装置はAC型のうちの面放電型と呼ばれるもので
あって、第1パネル10と第2パネル20とを対向配置
した構造を有し、第1パネル10と第2パネル20との
間はその周縁部において気密封止されている。
【0014】第1パネルは、前面ガラス基板11と、こ
の前面ガラス基板11の上に設けられた各種構成要素と
により構成されている。すなわち、前面ガラス基板11
の直上には、面放電のために2つで1組の維持電極12
(12a,12b)が設けられ、これらの片面にはイン
ピーダンス低減のためのバス電極13(13a,13
b)が一体的に設けられている。更に、維持電極12お
よびバス電極13の上には、誘電体層14と酸化マグネ
シウム(MgO)層15,16bが順に設けられてい
る。
【0015】前面ガラス基板11としては、例えば、高
歪点ガラスが用いられ、その他にもソーダガラス(Na
2 O・CaO・SiO2 )、硼珪酸ガラス(Na2 O・
23 ・SiO2 )、フォルステライト(2MgO・
SiO2 )、鉛ガラス(Na 2 O・PbO・SiO2
などが用いられる。また、維持電極12としては、透明
な導電性材料が用いられる。ここでいう透明とは、蛍光
体材料に固有の発光波長(可視光域)における光透過性
に基づいたものである。具体的には、例えば、ITO
(Indium Tin Oxide; In2 3 ・SnO2 )、SnO
2 などを挙げることができる。バス電極13としては、
維持電極12よりも電気抵抗率が低い導電性材料、例え
ば、クロム(Cr)や銅(Cu)、これらの積層膜が用
いられる。その他、銀(Ag),アルミニウム(A
l),ニッケル(Ni)なども用いることができる。更
に、誘電体層14は、アドレス期間中に発生する壁電荷
を蓄積する機能、過剰な放電電流を制限する抵抗体とし
ての機能、および放電状態を維持するメモリ機能を有し
ており、例えば、低融点ガラスや二酸化珪素(Si
2 )などにより形成されている。
【0016】MgO層15,16bのうち、下層のMg
O層15は、従来の方法で形成された層であり、上層の
MgO層16bは、後述するように、MgO層15の上
に予め形成されたMg層16aを酸化させることにより
形成された層である。これらMgO層15,16bは、
誘電体層14と同様の機能に加えて、イオンまたは電子
と維持電極12の接触を防止して維持電極12の磨耗を
防ぐ保護層としての役割を果たすものである。
【0017】第2パネル20は、いわば従来と同様の構
成であり、背面ガラス基板21と、この背面ガラス基板
21の上に設けられた各種構成要素とにより構成されて
いる。すなわち、背面ガラス基板21の上に、互いに平
行に配列された複数のアドレス電極22が設けられ、こ
れらアドレス電極22を覆うように誘電体層23が設け
られている。誘電体層23の上には、各アドレス電極2
2の間のそれぞれにストライプ状の隔壁24が設けられ
ている。更に、隣り合う隔壁24の間には、隔壁24の
側面から誘電体層23にかけて、赤,緑および青の3原
色の蛍光体25が3色を周期的に配列するように設けら
れている。
【0018】背面ガラス基板21は、前面ガラス基板1
1と同様な材料により構成することができる。アドレス
電極22としては、例えば、銀(Ag)や、アルミニウ
ム(Al)などが用いられ、その他に金(Au),N
i,Cr,Cu,タンタル(Ta),バナジウム(B
a),鉛(Pd)とAgの積層膜、或いはLaB6 ,C
0.2 La0.8 CrO3 等を適宜組み合わせて用いるこ
とも可能である。また、誘電体層23は、第1パネル1
0側の誘電体層14と同じ材料により形成することがで
きる。
【0019】隔壁24としては、絶縁材料、例えば、低
融点ガラスにアルミナ等の金属酸化物を混合した材料を
用いることができる。なお、黒く着色されたカラーレジ
スト材料により隔壁24を形成し、所謂ブラック・マト
リクスとすると、表示画像の高コントラスト化を図るこ
とができる。
【0020】更に、蛍光体25としては、公知の蛍光体
材料の中から量子効率(発光効率)が高いものを適宜選
択して使用することができる。蛍光体材料は母体と発光
センタにより構成されており、[母体:発光センタ]の
ように表示される。例えば、[(Y,Gd)BO3 :E
u]は、ユーロピウム(Eu)を発光センタとしたイッ
トリウム(Y),ガドリニウム(Gd)の硼酸塩であ
る。赤色の蛍光体材料としては、例えば、[Y2 3
Eu],[YBO3 :Eu],[YVO4 :Eu],
[Y0.960.600.404 :Eu0.04],[(Y,G
d)BO3 :Eu],[GdBO3 :Eu],[ScB
3 :Eu],[3.5MgO・0.5MgF 2 ・Ge
2 :Mn]などが用いられる。緑色の蛍光体材料とし
ては、例えば、[ZnSiO2 :Mn],[BaAl12
19:Mn],[BaMg2 Al1627:Mn],[M
gGa2 4 :Mn],[YBO3 :Tb],[LuB
3 :Tb],[Sr4 Si3 8 14:Eu]などが
用いられる。青色の蛍光体材料としては、[Y2 SiO
5 :Ce],[CaWO4 :Pb],[BaMgAl14
23:Eu],[Sr2 2 7 :Eu],[Sr2
2 7 :Sn]などが用いられる。
【0021】このプラズマ表示装置においては、第1パ
ネル10の維持電極12a,12bと第2パネルのアド
レス電極22とが直交してマトリックス状になるように
配列されている。また、隔壁24によってアドレス電極
22の延長方向に放電空間が区画され、放電空間には放
電ガスとしてネオン,キセノン等の混合ガスあるいは単
独ガスが封入される。なお、このようにマトリックス状
に配置された一対の維持電極12a,12bとアドレス
電極22との各交点がドット(最小発光単位)に対応し
ており、赤,緑,青の蛍光体25がそれぞれ設けられた
3つの最小発光単位により1単位画素(ピクセル)が構
成されている。
【0022】次に、このようなプラズマ表示装置の作製
方法について説明する。
【0023】まず、第1パネル10を作製する。
【0024】例えば、高歪点ガラスやソーダライムガラ
スの前面ガラス基板11の上に、スパッタリング法およ
びフォトリソグラフィ技術を用いてITOよりなる維持
電極12a,12bをストライプ状に形成する。このと
き維持電極12aと維持電極12bとの間隔(放電ギャ
ップ)は、例えば10〜20μm程度とする。次いで、
例えば、スパッタリング法または蒸着法、およびフォト
リソグラフィ技術を用いてクロム(Cr)膜の成膜およ
びパターニングを施し、バス電極13a,13bを所定
形状に形成する。
【0025】次に、維持電極12およびバス電極13が
形成された前面ガラス基板11の上に誘電体層14を形
成する。例えば、SiO2 からなる誘電体層14をスパ
ッタリング法、CVD法および蒸着法などにより5μm
程度の厚みで形成する。但し、形成方法としては、前2
者のいずれかである場合に良好な特性を持つSiO2
成膜できるために、これらの方法が好適である。なお、
誘電体層14の厚みを、例えば放電ギャップ寸法より小
さい値に設定するなど、できるだけ薄くすると放電開始
電圧を下げることができる。
【0026】次に、誘電体層14の上に、MgO層15
を例えば600nmの厚みで形成する。ここで、MgO
層15の厚みは400〜600nm程度とすることがで
き、その形成方法には、例えば、電子ビーム蒸着法、ス
パッタリング法、CVD法などを用いることができる。
なお、このようにして形成されたMgO層15は、従来
のMgO層と同様、垂直に並ぶ柱状結晶であり、結晶間
には垂直に延びる間隙が存在している。
【0027】次に、MgO層15の上に、例えば、電子
ビーム蒸着法によりMg層16aを100nmの厚みで
形成する。これにより、緻密なMg層16aがMgO層
15の間隙を上から塞ぐようになる。ここで、Mg層1
6aの厚みは10nm以上300nm以下の範囲内であ
ることが好ましい。厚みが10nm未満では、MgO層
15の表面を充分にコーティングすることができない可
能性があり、一方、300nmより厚くなると、のちに
Mg層16aを熱処理によりMgO層16bとする際に
層内を充分に酸化させることができない虞があり、厚み
の増加に従って熱処理時間が長くなるからである。従っ
て、製造の容易さやコストを考慮すると、Mg層16a
の厚みを50nm以上100nm以下の範囲内とするこ
とが更に好ましい。また、金属Mgの成膜は、抵抗加熱
法やスパッタリング法などのその他の方法で行なうよう
にしてもよい。
【0028】次に、Mg層16aに熱処理を行う。図2
は、本実施の形態のMg層16aの熱処理に用いられる
炉30の概略構成を表したものである。炉30は、内壁
に沿ってヒータ33が固定され、更にその上をマッフル
34が覆っている横向きの管状炉である。ヒータ33
は、例えば抵抗式の電気炉であって、トランスを介して
交流電源に接続されている(ともに図示せず)。また、
炉30の内部は、仕切壁32によって昇温帯A,保持帯
B,冷却帯Cに区分され、この順にハースローラ35が
基板を搬送するようになっている。各帯域にはヒータ3
3に対し図示しない温度コントローラおよび温度モニタ
がそれぞれ接続され、連続した帯域A〜Cは例えば台形
状のヒートパターンを保つようになっている。ここで、
昇温および冷却の速度は適宜選択することができるが、
後述するMg層16aの酸化および活性化のために、保
持帯Bにおいては300℃以上の熱処理温度を30分以
上保持することが好ましい。Mg層16aの酸化は、温
度が100℃程度であっても長時間熱処理することによ
り達成することが可能であるが、その場合に形成される
MgO層16bは活性が低く2次電子を放出する機能を
充分に果たすことができない。従って、活性なMgOを
形成するには、熱処理の温度および時間を上記の条件と
することが適当なためである。更に、ガス供給口36か
ら炉30の内部にクリーンエアもしくは酸素を含んだガ
スが供給され、これが排気口37から排出されるように
なっている。
【0029】この炉30を用いたMg層16aの熱処理
は、前面ガラス基板11をハースローラ35により炉3
0の中を搬送することにより行われる。この熱処理の前
後における前面ガラス基板11の断面構造を、それぞれ
図3(A),(B)に示す。なお、これらの図は共に図
1のI−I線に沿った断面に対応したものである。
【0030】まず、炉30の昇温帯A,焼成帯B,冷却
帯Cの各部は、それぞれ所定のヒートパターンに従った
温度分布となるように調整される。同時に、通気口36
からクリーンエアもしくは酸素を含有したガスの供給が
開始される。このようにして、炉30の内部を酸素雰囲
気とする。なお、ガスの流量は適宜設定してよい。
【0031】次に、前面ガラス基板11(図3(A)参
照)をハースローラ35により昇温帯A,保持帯B,冷
却帯Cの各部に搬送する。前面ガラス基板11は、搬送
されてゆく間に所定の条件下で昇温、熱処理、冷却の過
程を経ることになる。これにより、Mg層16aは、次
式で表される酸化反応によってMgO層16bとなる
(図3(B)参照)。 Mg+1/2O2 →MgO このようにして形成されたMgO層16bは、MgO層
15のような柱状結晶ではなく、より緻密な結晶で構成
されていると共に、十分な高温に曝されて活性化してい
る。
【0032】最後に前面ガラス基板11を搬出する。以
上が、Mg層16aの熱処理工程の一例である。
【0033】このようにして作製された第1パネル10
では、MgO層15の上にMgO層16bが設けられて
いるので、MgO層15に空いた柱状の間隙はMgO層
16bにより塞がれる。よって、この間隙へ不純物が侵
入したり、逆に不純物が間隙から外部へ放散されること
がなくなる。
【0034】次に、第2パネル20を作製する。
【0035】例えば、高歪点ガラスやソーダライムガラ
スの背面ガラス基板21の上に、スクリーン印刷法によ
りAgペーストをストライプ状に塗布形成し、その後焼
成することによって、アドレス電極22を形成する。
【0036】次に、例えば、粉末の低融点ガラスと樹脂
バインダ等を合わせて混練して作製されるガラスペース
トをスクリーン印刷法により塗布形成することにより、
厚さ10〜20μmの誘電体層23を形成する。
【0037】次に、誘電体層23の上の、更にアドレス
電極22の間の領域において、隔壁24を形成する。例
えば、ペースト状の低融点ガラスをスクリーン印刷法に
より塗布形成した後、サンドブラスト法によりストライ
プ状に整形することにより隔壁24が形成される。な
お、隔壁24の高さは例えば20μm程度であり、頂部
を研磨することにより調整することができる。
【0038】次に、隣り合う隔壁24の間に、蛍光体2
5を形成する。隣り合う隔壁24の側面からその間の誘
電体層23にかけて、例えば、3原色のスラリーを周期
的に配列するように順次印刷する。
【0039】次に、第1パネル10と第2パネル20を
組み立てる。まず、例えば、スクリーン印刷により第2
パネル20の周縁部に低融点ガラスからなるシール層を
形成する。次いで、維持電極12とアドレス電極22の
向きが直交するように(図1参照)、第1パネル10と
第2パネル20を貼り合わせ、例えば430℃の温度で
焼成してシール層を硬化させる。更に、2つのパネル1
0,20の間に設けられ、隔壁24によって区切られた
放電空間26に対し、排気、混合ガスの封入を行う。混
合ガスは、例えばネオン(Ne),キセノン(Xe)等
の不活性ガスを混合したものであり、これらの単独ガス
もまた使用可能である。ここで、第1パネル10の対向
面はMgO層16bとなっており、ここにはMgO層1
5のような垂直方向の間隙がなく、排気されにくい不純
物分子の吸着もないために、放電セル内の排気を容易に
し、真空度を向上することができる。同時に、MgO層
15に空いた垂直方向の間隙に吸着した水蒸気、酸素、
窒素、炭酸ガス等の不純物の放散がMgO層16bによ
り阻止される。
【0040】最後に、MgO層15およびMgO層16
bに対し枯化(エージング)を行なう。枯化は、例え
ば、組み立てられたPDPを380℃、2時間の条件で
熱処理することにより行なわれる。なお、熱処理条件は
350℃、1時間程度でもよく、適宜設定可能である。
【0041】本実施の形態では、金属のMg層16aを
酸素雰囲気中で熱処理して形成されたMgO層16bを
MgO層15の上に設けることにより、MgO層15の
柱状の間隙に不純物が吸着したり、逆に間隙に吸着した
不純物が外部に放散されたりすることが防止されて放電
空間内のガス純度が向上する。これにより、交流駆動型
プラズマ表示装置の寿命を延ばすことができる。
【0042】更に、本実施の形態では、保護層をMgO
層15およびMgO層16bの同じ材料を用いた2層構
造としたので、MgO層15とMgO層16bの接合面
のなじみがよい。また、結晶状態以外には2層間に特性
上の差異はないので寸法設計が単純である。
【0043】以上実施の形態を挙げて説明したが、本発
明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変
形可能である。例えば、上記実施の形態では、Mg層1
6aの熱処理を、クリーンエアもしくは酸素を含有した
ガスをフローさせた炉30において行なうようにした
が、炉内に酸化性ガスを封入してもよく、逆に大気中と
してもよい。また、熱処理温度は単一であるとは限ら
ず、熱処理温度を、例えば階段状のヒートパターンとな
るように設定することも可能である。
【0044】また、上記実施の形態では、Mg層16a
の形成工程のすぐ後にその熱処理を行なうようにした
が、Mg層16aの熱処理工程は第1のパネルおよび第
2のパネルの組み立て後に行なうようにしてもよい。ま
た、パネル封止時の焼成もしくは枯化においてMg層1
6a熱処理が同時に達成されるようにしてもよい。
【0045】更に、上記実施の形態では、面放電型のP
DPについて説明したが、MgO層を含んで構成される
PDPであればよく、対向放電型にも勿論適用できる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明の交流駆動型
プラズマ表示装置の製造方法によれば、基板上に酸化マ
グネシウム層を形成した後、この酸化マグネシウム層の
上にマグネシウム層を形成し、続いて、マグネシウム層
を酸素雰囲気中で熱処理して酸化マグネシウム層とする
ようにしたので、基板側の酸化マグネシウム層の柱状の
間隙をマグネシウム層が塞ぎ、この間隙に不純物が吸着
したり、吸着した不純物が酸化マグネシウム層の外へ放
散されることが防止される。よって、放電セル内の放電
ガスの純度が保たれ、寿命の長いPDPが得られる。更
に、酸素雰囲気中の熱処理により、マグネシウム層が活
性化された酸化マグネシウム層となるので、PDPの特
性を低下させることなく寿命を延ばすことができる。ま
た、装置も既存の焼成炉を用いることができるので、簡
便な作製方法とすることができ、パネル封止時の焼成も
しくは枯化と同時に行うようにすれば、工程の簡略化を
図ることも可能になる。
【0047】また、本発明の交流駆動型プラズマ表示装
置によれば、本発明の製造方法を適用して作製するよう
にしたので、本来的な特性を保ったまま長寿命化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る交流駆動型プラズ
マ表示装置の概略構成を表す斜視図である。
【図2】図1に示したプラズマ表示装置におけるMg層
の熱処理に用いる焼成炉の断面図である。
【図3】図1に示したMg層の熱処理工程を説明するた
めのI−I線に沿った断面図である。
【符号の説明】
10…第1パネル、11…前面ガラス基板、12a,1
2b…維持電極、13a,13b…バス電極、14…誘
電体層、15…保護層、20…第2パネル、21…背面
ガラス基板、22…アドレス電極、23…誘電体層、2
4…隔壁、25…蛍光体、26…放電空間、30…炉、
32…仕切壁、33…ヒータ、34…マッフル、35…
ハースローラ、36…ガス供給口、37…排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C027 AA07 5C040 FA01 FA04 GB03 GB14 GE02 GE09 JA07 JA21 KA04 KB19 LA11 MA10 5C094 AA37 AA43 AA53 AA55 BA31 CA19 FB02 FB15 GA10 GB01 JA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに対向して配置された第1の基板お
    よび第2の基板を備えた交流駆動型プラズマ表示装置の
    製造方法において、 前記第1の基板および第2の基板の少なくとも一方の基
    板上に酸化マグネシウム(MgO)層を形成した後、前
    記酸化マグネシウム層の上にマグネシウム(Mg)層を
    形成する工程と、 前記マグネシウム層を酸素雰囲気中で熱処理する工程と
    を含むことを特徴とする交流駆動型プラズマ表示装置の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記マグネシウム層の熱処理を300℃
    以上の温度で30分以上行うことを特徴とする請求項1
    記載の交流駆動型プラズマ表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記マグネシウム層の熱処理を枯化工程
    において行うことを特徴とする請求項2記載の交流駆動
    型プラズマ表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記マグネシウム層を10nm以上30
    0nm以下の範囲内の厚みで形成することを特徴とする
    請求項1記載の交流駆動型プラズマ表示装置の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記酸化マグネシウム層は、前記第1の
    基板上に配設された放電維持電極上に設けられたもので
    あることを特徴とする請求項1記載の交流駆動型プラズ
    マ表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 対向して配置された第1の基板と第2の
    基板の少なくとも一方に対して酸化マグネシウム層が付
    設された交流駆動型プラズマ表示装置において、 前記酸化マグネシウム層が、酸化マグネシウムを用いて
    形成された第1の層と、マグネシウム層を酸素雰囲気中
    にて熱処理することにより前記第1の層の上に形成され
    た第2の層とを含むことを特徴とする交流駆動型プラズ
    マ表示装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の層は、厚みが10nm以上3
    00nm以下の範囲内であることを特徴とする請求項6
    記載の交流駆動型プラズマ表示装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の基板には放電維持電極が配さ
    れ、前記酸化マグネシウム層が前記放電維持電極を介し
    て前記第1の基板に設けられていることを特徴とする請
    求項6記載の交流駆動型プラズマ表示装置。
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