JPH10110193A - エポキシ樹脂の剥離剤組成物 - Google Patents

エポキシ樹脂の剥離剤組成物

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JPH10110193A
JPH10110193A JP28757396A JP28757396A JPH10110193A JP H10110193 A JPH10110193 A JP H10110193A JP 28757396 A JP28757396 A JP 28757396A JP 28757396 A JP28757396 A JP 28757396A JP H10110193 A JPH10110193 A JP H10110193A
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純二 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の剥離剤および剥離方法の持つ欠点を改良
し、剥離性に優れ、剥離時間を短縮でき、生産性を向上
できる、さらには、作業環境の改善ができ、安全性の高
い剥離剤組成物を提供すること。 【解決手段】分子構造の中に、(1)環状構造を持ち、
且つ、(2)窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からな
る群より選ばれる1種以上の原子を有する有機溶剤を含
有することを特徴とするエポキシ樹脂の剥離剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエポキシ樹脂の剥離
剤組成物に関し、更に詳細には、エポキシ樹脂接着剤や
固着剤を用いて加工用の治具に固定した半導体・結晶材
料、電子部品関連材料、磁性・磁気材料、圧電材料など
の金属、セラミックス材料などの切断、研削、研磨等の
加工を行った後、治具からの剥離を行う際に用いられ、
エポキシ樹脂接着剤や固着剤の剥離性に優れ、しかも安
全性に優れた剥離剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂接着剤は、種々の用途にお
ける要求特性、塗布特性、硬化条件などにより、エポキ
シ樹脂と硬化剤を必須成分とし、必要に応じて、充填剤
や変性材などの添加剤が適宜配合されたものである。主
成分であるエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA系
エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポ
キシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エ
ポキシ樹脂などのグリシジルエーテル系エポキシ樹脂;
環式脂肪族エポキシ樹脂;グリシジルエステル樹脂;グ
リシジルアミン樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂、ト
リグリシジルイソシアヌレートなどの複素環式エポキシ
樹脂;低粘度エポキシ樹脂などが使用される。また、硬
化剤としては、脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族ア
ミンなどの第一アミン硬化剤、第二アミン、第三アミ
ン、ポリアミド、イミダゾール、酸無水物、メルカプタ
ン系などの室温硬化型硬化剤;ジシアンジアミド、有機
酸ヒドラジド、ルイス酸アミン錯体などの潜在性硬化剤
などが使用される。
【0003】エポキシ樹脂接着剤は、二液分離型室温硬
化接着剤、一液潜在硬化型ペースト状接着剤、一液潜在
硬化型フィルム状接着剤、一液潜在硬化型粉体状接着剤
など、いくつかのタイプに分けることができる。これら
のうち、二液型は比較的汎用的に使われ、主剤のエポキ
シ樹脂と硬化剤が混合により架橋反応を開始するもので
ある。エポキシ樹脂接着剤は、容易に高度の架橋構造が
得られるため、高い接着強さが得られる。さらに、耐水
性、耐熱性、耐溶剤性、電気絶縁性などに優れている。
また非常に多様な配合が可能なため、特定の特性を強調
したり、特定の作業条件、硬化条件に合致した仕様の接
着剤を容易に配合できるなどの特長を持つ。これらの特
長を有することにより、エポキシ樹脂接着剤は、航空
機、自動車、各種の輸送機、また電子・電気工業、土木
・建築分野などで広く使用されている。
【0004】特に、電子・電気工業分野では、シリコ
ン、ガリウム・砒素、ガリウム・燐等の半導体・結晶材
料、水晶、石英、ガラス等の電子部品関連材料、フェラ
イト、サマリウム・コバルト等の磁性材料、磁気ヘッド
等の磁気材料、圧電材料などの金属、セラミックス材料
などの加工工程において、近年、歩留まり向上のため
に、加工対象物が大型化したり、部品の小型化により、
加工精度が急激に上がってきたために、エポキシ樹脂接
着剤の使用が増加し、それらへの要求も厳しくなってき
ている。なかでも、シリコンを始めとした各種半導体イ
ンゴットでは、大口径化が進み、ウエハー又は板状物へ
のスライシングの際の仮止め用接着剤には、益々強い接
着力が求められるようになってきた。
【0005】シリコンなどの半導体インゴットは、所定
の長さの円柱状に切断後、丸目加工、グラインディン
グ、インゴット外形研削、オリフラ研削などの外形成型
加工された後、カーボンなどからなるスライスベースに
エポキシ樹脂系接着剤で固定される。その後、内周刃式
やバンドソー式、最近増加してきたワイヤソー式の切断
装置(スライサー)にて、ウエハー又は板状物に切断さ
れる。その後、スライスベース及びエポキシ樹脂系接着
剤を除去して、次のアニール、ラッピングなどの工程へ
送られる。従来、スライスされたウエハー又は板状物
は、90℃以上、殆ど沸騰状態まで加熱された5〜20
%の酢酸水溶液に浸漬して、スライスベース及びエポキ
シ樹脂接着剤を剥離していたため、作業環境が非常に悪
く、安全性の面でも問題があった。また最近、沸騰状態
に近い熱水で剥離できるエポキシ樹脂接着剤も一部で使
われてきたが、剥離に長い時間がかかると言う欠点があ
る。即ち、従来の剥離方法では、酢酸の使用による作業
環境の悪化や、熱水使用では、剥離に長い時間がかかる
と言う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ようにこれまでに解決されたことのない課題を解決する
ことにある。即ち、従来の剥離剤および剥離方法の持つ
欠点を改良し、剥離性に優れ、剥離時間を短縮でき、生
産性を向上できる、さらには、作業環境の改善ができ、
安全性の高い剥離剤組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意研究を行った結果、分子構造の中に環
状構造を持ち、且つ、特定の構造を有する有機溶剤、さ
らには、このものと特定のアルキレンオキサイド化合
物、界面活性剤を組み合わせることによって、剥離性に
優れ、剥離時間を短縮でき、生産性を向上できることを
見いだし、さらには、作業環境の改善ができ、高い安全
性が達成され得ることを見いだし、本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、 〔1〕 分子構造の中に、(1)環状構造を持ち、且
つ、(2)窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる
群より選ばれる1種以上の原子を有する有機溶剤を含有
することを特徴とするエポキシ樹脂の剥離剤組成物、 〔2〕 有機溶剤の溶解性パラメーターが17. 7〜3
0. 3J1/2 ・ cm-3/2である前記〔1〕記載の剥離剤
組成物、 〔3〕 有機溶剤が一般式(1)
【0009】
【化4】
【0010】(式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1
〜4の炭化水素基を示し、WはC=O、O、又はCH2
Oを示し、XはH、OH、OCH3 、CH3 、又は(R
2 O)k Hを示し、R2 は炭素原子数2〜3のアルキレ
ン基を示し、k は1〜3の整数を示す。)で示される芳
香族化合物である前記〔1〕又は〔2〕記載の剥離剤組
成物、 〔4〕 有機溶剤が一般式(2)
【0011】
【化5】
【0012】(式中、YはO、C=O、又はO=S=O
を示し、ZはCH2 、O、NH、NCH3 、又はCHC
2 OHを示す。)で示される複素環式化合物である前
記〔1〕又は〔2〕記載の剥離剤組成物、 〔5〕 次の一般式(3)、(4)及び(5)
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R3 は水素原子又は炭素原子数1
〜8の炭化水素基を示し、R4 及びR5 はそれぞれ炭素
原子数2〜4のアルキレン基を示す。R6 は水素原子又
は炭素原子数1〜4のアルキル基又はアシル基を示す。
mは1〜7、nは0〜7、pは0〜5、qは0〜5の整
数を示す。)で示される化合物からなる群より選ばれる
1種類以上のアルキレンオキサイド化合物をさらに含有
する前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の剥離剤組成物、 〔6〕 1種類以上の界面活性剤をさらに含有する前記
〔1〕〜〔5〕いずれか記載の剥離剤組成物、 〔7〕 エポキシ樹脂が、半導体・結晶材料、電子部品
関連材料、磁性材料、磁気材料、圧電材料、及びセラミ
ックス材料からなる群より選ばれる1種以上の材料の加
工工程で用いられるエポキシ樹脂接着剤又はエポキシ樹
脂付着物である前記〔1〕〜〔6〕いずれか記載の剥離
剤組成物、に関するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のエポキシ樹脂の剥離剤組
成物は、分子構造の中に、(1)環状構造を持ち、且
つ、(2)窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子からなる
群より選ばれる1種以上の原子を有する有機溶剤を含有
することを特徴とする。本発明の剥離剤組成物におい
て、かかる有機溶剤は単独で用いても良く、2種以上を
併用して用いても良い。(1)の環状構造としては、脂
環式環、芳香環、複素環、多環式環等のいずれであって
も良く、特に限定されるものではない。また、(2)の
窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子は(1)の環状構造
を構成していても良く、構成していなくても良い。
(2)の窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子が(1)の
環状構造を構成していない場合、かかる原子は極性基を
構成する場合がある。
【0016】かかる極性基としては、例えば水酸基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニル基、カルボ
キシル基、アセチル基、アルカノイル基、アセトキシ
基、グリコールエーテル基、アミノ基、置換アミノ基、
ヒドラジノ基、イミノ基、カルバモイル基、メルカプト
基、スルフィド基、アルキルチオ基、アリールチオ基、
スルフィニル基、スルホニル基、アルキルスルホニル
基、チオホルミル基、チオキソ基などが挙げられる。
【0017】上記の(1)、(2)の条件を満たす有機
溶剤の具体例としては、以下に示す化合物が挙げられ
る。 (a)アルコール類として、シクロペンタノール、シク
ロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、テトラヒ
ドロフルフリルアルコール、フルフリルアルコール、ベ
ンジルアルコール、p−エチルベンジルアルコール、β
−フェニルエチルアルコール、シクロヘキサンジオール
等。 (b)エーテル類として、フラン、2−メチルフラン、
2,5−ジメチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラ
ヒドロピラン、4−メチルテトラヒドロピラン、1,4
−ジオキサン、2,6−ジメチル−1,4−ジオキサ
ン、トリオキサン、1,3−ジオキソラン、シクロヘキ
サノンジメチルアセタール、アニソール、フェネトー
ル、イソプロピルフェニルエーテル、ブチルフェニルエ
ーテル、ベンジルメチルエーテル、エチルベンジルエー
テル、ベンジルシクロヘキシルエーテル、クレジルメチ
ルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテ
ル、ジ(α−メチルベンジル)エーテル、γ−ピロン、
2−エトキシ−3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、
1,8−シオネール、シクロヘキシルフェニルエーテ
ル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジルブチルエ
ーテル、ベンジルフェニルエーテル等。
【0018】(c)アルデヒド類として、フルフラー
ル、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド等。 (d)ケトン類として、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘキシルメチ
ルケトン、p−メチルアセトフェノン、アセトフェノ
ン、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、エチルフェ
ニルケトン、イソプロピルフェニルケトン、ブチルフェ
ニルケトン、シクロヘキシルフェニルケトン、ベンジル
メチルケトン、ベンジルエチルケトン、ベンジルイソプ
ロピルケトン、ベンジルブチルケトン、ベンジルシクロ
ヘキシルケトン、ベンジルフェニルケトン、ジフェニル
ケトン、ジベンジルケトン、ジ(α−メチルベンジル)
ケトン等。 (e)有機酸類として、安息香酸、1,2,3,6−テ
トラヒドロ安息香酸等。 (f)フェノール類として、ノニルフェノール等。
【0019】(g)エステル類として、酢酸シクロヘキ
シル、酢酸メチルシクロヘキシル、フェニル酢酸エチ
ル、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メ
チル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イ
ソプロピル、安息香酸ブチル、サリチル酸メチル、サリ
チル酸イソアミル、サリチル酸ベンジル、フタル酸ジメ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル
酸ジブチル、フタル酸ジアミル、フタル酸ジ−n−ヘキ
シル、ギ酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、ケイ皮酸
エチル、2,5−エンドメチレン−3−シクロヘキセニ
ルアセテート、2,5−エンドメチレン−3−シクロヘ
キシルアセテート、エチル−2,5−エンドメチレン−
3−シクロヘキセンカルボキシレート、β−プロピオラ
クトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ
−ウンデカラクトン、γ−ノナラクトン、エチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、ε−カプロラクト
ン、メチルカプロラクトン等。 (h)グリコールエーテル化合物類として、(POE)
13 モノフェニルエーテル、(POE)13 モノベ
ンジルエーテル、(POP)13 モノフェニルエーテ
ル、(POP)13 モノベンジルエーテル、(PO
E)13 モノフェニルエーテルアセテート等。
【0020】(i)含窒素化合物類として、モルホリ
ン、N−エチルモルホリン、N−アセチルモルホリン、
N−ホルミルモルホリン、N−(3−アミノプロピル)
モルホリン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−
ピペコリン、4−ピペコリン、ピペリジン、N−アセチ
ルピペリジン、N−ホルミルピペリジン、ピロリジン、
N−アセチルピロリジン、ピペラジン、1−(2−アミ
ノエチル)ピペラジン、N,N−ジアセチルピペラジ
ン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、(ヒドロキシ
エチル)ピペラジン、γ−ブチロラクタム、δ−バレロ
ラクタム、α−アミノ−ε−カプロラクタム、シクロヘ
キシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミ
ン、ジエチルベンジルアミン、ジベンジルアミン、ルチ
ジン等。 (j)含硫黄化合物類として、テトラメチレンスルホ
ン、メチルテトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメ
チレンスルホン、チオフェン、2,5−ジメチルチオフ
ェン、テトラヒドロチオフェン等。
【0021】本発明における有機溶剤は、対象とするエ
ポキシ樹脂の種類にかかわらず、その溶解性パラメータ
ーが17. 7〜30. 3J1/2 ・ cm-3/2のものが好ま
しく、18. 9〜29. 3J1/2 ・ cm-3/2のものがさ
らに好ましく、19. 7〜28. 5J1/2 ・ cm-3/2
ものがさらに好ましく、21. 4〜27. 1J1/2 ・c
-3/2のものが特に好ましい。エポキシ樹脂の極性部分
への親和性の観点から溶解性パラメーターが17. 7J
1/2 ・ cm-3/2以上のものが好ましく、非極性部分への
親和性の観点から30. 3J1/2 ・ cm-3/2以下のもの
が好ましい。
【0022】本明細書における「溶解性パラメーター」
とは、「似たもの同士は溶け合う」という尺度を数値化
したものであり、25℃における当該化合物1mLの分
子間の結合エネルギーの平方根で定義される。種々の化
合物についての具体的な数値としては、例えば(社)高
分子学会編、「高分子データ・ハンドブック(基礎
編)」、595(1986)、培風館やK.L.Ho
y:J.Paint Technology、42、7
6(1970)などの多くの文献に記載されている。
【0023】有機溶剤としては、一般式(1)
【0024】
【化7】
【0025】(式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1
〜4の炭化水素基を示し、WはC=O、O、又はCH2
Oを示し、XはH、OH、OCH3 、CH3 、又は(R
2 O)k Hを示し、R2 は炭素原子数2〜3のアルキレ
ン基を示し、k は1〜3の整数を示す。)で示される芳
香族化合物、又は一般式(2)
【0026】
【化8】
【0027】(式中、YはO、C=O、又はO=S=O
を示し、ZはCH2 、O、NH、NCH3 、又はCHC
2 OHを示す。)で示される複素環式化合物が、剥離
性の観点からより好ましい。
【0028】一般式(1)で示される芳香族化合物の具
体例としては、ベンジルアルコール、p−エチルベンジ
ルアルコール、アニソール、ベンジルメチルエーテル、
ベンズアルデヒド、アセトフェノン、安息香酸、安息香
酸メチル、(POE)13モノフェニルエーテル、
(POE)13 モノベンジルエーテル、(POP)1
3 モノフェニルエーテル、(POP)13 モノベン
ジルエーテルが挙げられる。また、一般式(2)で示さ
れる複素環式化合物の具体例としては、テトラヒドロフ
ルフリルアルコール、テトラヒドロフラン、シクロペン
タノン、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリ
ドン、γ−ブチロラクタム、テトラメチレンスルホンが
挙げられる。
【0029】又、上記の有機溶剤の引火点は特に限定さ
れるものではないが、安全性を確保するために、通常使
用温度より高いことが好ましい。具体的には、80℃以
上が好ましく、より好ましくは90℃以上、特に好まし
くは100℃以上である。
【0030】本発明の剥離剤組成物では、更に一般式
(3)、(4)及び(5)で示される化合物からなる群
より選ばれる1種類以上のアルキレンオキサイド化合物
をさらに併用することにより、剥離性や剥離後のすすぎ
性、水などの他の成分を配合する際の相溶性を向上させ
ることができる。
【0031】
【化9】
【0032】(式中、R3 は水素原子又は炭素原子数1
〜8の炭化水素基を示し、R4 及びR5 はそれぞれ炭素
原子数2〜4のアルキレン基を示す。R6 は水素原子又
は炭素原子数1〜4のアルキル基又はアシル基を示す。
mは1〜7、nは0〜7、pは0〜5、qは0〜5の整
数を示す。)
【0033】一般式(3)、(4)及び(5)中、R3
は水素原子又は炭素原子数1〜8の炭化水素基である
が、リンス時の水に対する溶解性の点から炭素原子数2
〜6の炭化水素基であることが好ましい。R3 が水素原
子又は炭化水素基でない場合、水などの他の成分を配合
する際の相溶性が低下する場合がある。R4 、R5 は製
造上の容易性の点から炭素原子数2〜4のアルキレン基
であることが好ましい。炭素原子数が2未満のものは製
造が非常に困難である。また炭素原子数が4を越えるも
のは剥離後のリンス性が低下する場合があるばかりでは
なく、非常に高価で入手が困難でもある。R6 は水素原
子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又は炭素原子数1
〜4のアシル基を示すが、炭素原子数が4を越えるもの
は、剥離後のリンス性が低下する場合がある。また、m
は1〜7、nは0〜7、pは0〜5、qは0〜5の整数
である。ここで、m+nは1〜14の範囲であり、p+
qは0〜10の範囲となるが、水に対する溶解性の点、
他の成分との相溶性の点からm+nは2〜4の範囲が好
ましく、p+qは0〜4の範囲が好ましい。かかるアル
キレンオキサイド化合物は1種を単独で用いても良く、
2種類以上を併用してもよい。
【0034】かかるアルキレンオキサイド化合物の具体
例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノ
ール等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルコー
ル類;フェノール、クレゾール等のフェノール類;シク
ロヘキサノール等の脂環族のアルコール類;酢酸、プロ
ピオン酸、ヘキサン酸、イソオクチル酸等の直鎖又は分
岐鎖のアルキル基を有する脂肪酸;メタクリル酸、安息
香酸等の有機カルボン酸;エチルアミン、ジエチルアミ
ン、ヘキシルアミン、ジブチルアミン、オクチルアミ
ン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン等の直鎖、
分岐鎖、芳香族又は脂環族の炭化水素基を有するアミン
系化合物などに、アルキレン(エチレン、プロピレン、
ブチレン)オキサイドを単独又は配合付加させたものが
挙げられ、更に、これらのアルキレンオキサイド付加物
の末端水酸基をアルキルクロライド等によりメチル化、
エチル化又はブチル化したり、酢酸やプロピオン酸等で
エステル化した化合物が挙げられる。
【0035】一般式(3)で表されるアルキレンオキサ
イド化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げ
られる。エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノメチル
エーテル、ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテ
ル(上記の化合物をそれぞれ(POE)1 モノメチルエ
ーテル、(POE)2 モノメチルエーテル、(POE)
3 モノメチルエーテル、(POE)4 モノメチルエーテ
ル、(POE)5 モノメチルエーテル、(POE)6
ノメチルエーテル、(POE)7 モノメチルエーテル、
と略記する場合がある。また、これらの化合物をまとめ
て(POE)17 モノメチルエーテルと略記する場合
がある。なお、同様の化合物等はそれに対応した表現で
上記と同様に略記する場合がある。)。
【0036】(POE)17 モノエチルエーテル、
(POE)17 モノプロピルエーテル、(POE)1
7 モノブチルエーテル、(POE)17 モノイソブ
チルエーテル、(POE)17 モノアリルエーテル、
(POE)17 モノヘキシルエーテル、(POE)1
7 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(POE)1
7 モノオクチルエーテル、(POE)17 モノフェニ
ルエーテル、(POE)17 モノベンジルエーテル等
のエチレングリコールモノエーテル類。
【0037】(POE)17 ジメチルエーテル、(P
OE)17 ジエチルエーテル、(POE)17 ジプ
ロピルエーテル、(POE)17 ジブチルエーテル、
(POE)17 ジイソブチルエーテル、(POE)1
7 ジアリルエーテル、(POE)17 ジヘキシルエ
ーテル、(POE)17 ジ2−エチルヘキシルエーテ
ル、(POE)17 ジオクチルエーテル、(POE)
17 ジフェニルエーテル、(POE)17 ジベンジ
ルエーテル、(POE)17 エチルメチルエーテル、
(POE)17 ブチルメチルエーテル、(POE)1
7 2−エチルヘキシルメチルエーテル、(POE)1
7 イソプロピルメチルエーテル、(POE)17
ソプロピルエチルエーテル等のエチレングリコールジエ
ーテル類。
【0038】(POP)17 モノメチルエーテル、
(POP)17 モノエチルエーテル、(POP)1
7 モノプロピルエーテル、(POP)17 モノブチル
エーテル、(POP)17 モノイソブチルエーテル、
(POP)17 モノアリルエーテル、(POP)1
7 モノヘキシルエーテル、(POP)17 モノ2−エ
チルヘキシルエーテル、(POP)17 モノオクチル
エーテル、(POP)17 モノフェニルエーテル、
(POP)17 モノベンジルエーテル等のプロピレン
グリコールモノエーテル類。なお、(POP)とは、エ
チレンをプロピレンとする以外は、(POE)と同様の
略号である。
【0039】(POP)17 ジメチルエーテル、(P
OP)17 ジエチルエーテル、(POP)17 ジプ
ロピルエーテル、(POP)17 ジブチルエーテル、
(POP)17 ジイソブチルエーテル、(POP)1
7 ジアリルエーテル、(POP)17 ジヘキシルエ
ーテル、(POP)17 ジ2−エチルヘキシルエーテ
ル、(POP)17 ジオクチルエーテル、(POP)
17 ジフェニルエーテル、(POP)17 ジベンジ
ルエーテル、(POP)17 エチルメチルエーテル、
(POP)17 ブチルメチルエーテル、(POP)1
7 2−エチルヘキシルメチルエーテル、(POP)1
7 イソプロピルメチルエーテル、(POP)17
ソプロピルエチルエーテル等のプロピレングリコールジ
エーテル類。
【0040】(POE)17 モノメチルエーテルアセ
テート、(POE)17 モノエチルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノプロピルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノブチルエーテルアセテート、
(POE)17 モノイソブチルエーテルアセテート、
(POE)17 モノアリルエーテルアセテート、(P
OE)17 モノヘキシルエーテルアセテート、(PO
E)17 モノ2−エチルヘキシルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノオクチルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノフェニルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノベンジルエーテルアセテート
等のエチレングリコールモノエーテルアセテート類。
【0041】(POP)17 モノメチルエーテルアセ
テート、(POP)17 モノエチルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノプロピルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノブチルエーテルアセテート、
(POP)17 モノイソブチルエーテルアセテート、
(POP)17 モノアリルエーテルアセテート、(P
OP)17 モノヘキシルエーテルアセテート、(PO
P)17 モノ2−エチルヘキシルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノオクチルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノフェニルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノベンジルエーテルアセテート
等のプロピレングリコールモノエーテルアセテート類。
【0042】プロピレングリコールジアセテート等のモ
ノプロピレングリコールジアセテート類。上記の炭化水
素基の原料である直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有する
アルコール類、脂環式のアルコール類にエチレンオキサ
イドとプロピレンオキサイドをブロック及びランダムに
付加させた化合物、即ち、(POE)17 (POP)
17 モノエーテル類;(POE)17 (POP)1
7 ジエーテル類。
【0043】一般式(4)で表されるアルキレンオキサ
イド化合物の具体例としては、上記の炭化水素基の原料
である直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルコール
類、脂環式のアルコール類の代わりに酢酸、プロピオン
酸、ヘキサン酸、イソオクチル酸等の直鎖又は分岐鎖の
アルキル基を有する脂肪酸、メタクリル酸、安息香酸等
の有機カルボン酸を用いた化合物が挙げられる。例え
ば、(POE)17 モノメチルエステル、(POE)
17 モノエチルエステル、メタクリル酸の(POE)
17 付加物、安息香酸の(POE)17 付加物等の
グリコールモノエステル類;(POE)17 ジメチル
エステル、(POE)17 ジエチルエステル等のグリ
コールジエステル類などが挙げられる。
【0044】一般式(5)で表されるアルキレンオキサ
イド化合物の具体例としては、上記の炭化水素基の原料
である直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルコール
類、脂環式のアルコール類、の代わりにエチルアミン、
ジエチルアミン、ヘキシルアミン、ブチルアミン、オク
チルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン等
の直鎖、分岐鎖、芳香族又は脂環式の炭化水素基を有す
るアミン類を等を用いた化合物が挙げられる。例えば、
(POE)17 エチルアミン、(POE)17 ジエ
チルアミン、(POE)17 ヘキシルアミン、(PO
E)17 ブチルアミン、(POE)17 オクチルア
ミン、(POE)17 ベンジルアミン、(POE)1
7 シクロヘキシルアミン等のグリコールモノアミン類
などが挙げられる。
【0045】上記化合物の中でも、一般式(3)で表さ
れるアルキレンオキサイド化合物が入手のし易さの観点
から好ましい。さらに、以下に列挙するものが剥離性や
剥離後のすすぎ性、水などの他の成分を配合する際の相
溶性の観点から好ましく用いられる。(POE)15
モノメチルエーテル、(POE)15 モノエチルエー
テル、(POE)15 モノプロピルエーテル、(PO
E)15 モノブチルエーテル、(POE)12 モノ
イソブチルエーテル、(POE)12 モノアリルエー
テル、(POE)12 モノヘキシルエーテル、(PO
E)12 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(PO
E)15 モノフェニルエーテル、(POE)15
ノベンジルエーテル;(POE)14 ジメチルエーテ
ル、(POE)12 ジエチルエーテル、(POE)1
2 ジプロピルエーテル、(POE)12 ジブチルエ
ーテル、(POE)2 エチルメチルエーテル、(PO
E)2 ブチルメチルエーテル、(POE)2 2−エチル
ヘキシルメチルエーテル;(POP)13 モノメチル
エーテル、(POP)13 モノエチルエーテル、(P
OP)13 モノプロピルエーテル、(POP)13
モノブチルエーテル、(POP)13 モノフェニルエ
ーテル、(POP)13 モノベンジルエーテル;(P
OP)13 ジメチルエーテル、(POP)12 ジエ
チルエーテル、(POP)12 ジプロピルエーテル、
(POP)12 ジブチルエーテル、(POP)2 イソ
プロピルメチルエーテル、(POP)2 イソプロピルエ
チルエーテル;(POE)12 モノメチルエーテルア
セテート、(POE)12 モノエチルエーテルアセテ
ート、(POE)12 モノプロピルエーテルアセテー
ト、(POE)12 モノブチルエーテルアセテート;
(POP)1 モノメチルエーテルアセテート、(PO
P)1 モノエチルエーテルアセテート、(POP)1
アセテート。
【0046】これらのアルキレンオキサイド化合物は、
例えば炭素原子数1〜8の炭化水素基を有するアルコー
ル、フェノール、脂肪酸、有機カルボン酸、アミン系化
合物に苛性ソーダ等の触媒の存在下、加熱しながら炭素
原子数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)
を液状又は気体状で加えて反応させることにより得られ
る。また、更にこれらのアルキレンオキシド付加物の末
端水酸基を、アルキルクロライド等を用いてアルキル化
したものや、有機酸等を用いてエステル化したものを用
いることができる。アルキレンオキサイドを付加させる
場合には、2種類以上のアルキレンオキサイドを混合し
て反応させるランダム付加重合又はアルキレンオキサイ
ドを順次付加させるブロック付加重合を行ってもよい。
【0047】本発明の剥離剤組成物では、更に界面活性
剤を併用することにより、剥離性や剥離後のすすぎ性、
水などの他の成分を配合する際の相溶性を向上させるこ
とができる。この界面活性剤としては、アニオン性界面
活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性
剤、両イオン性界面活性剤のいずれも使用することがで
きる。より具体的には、アニオン性界面活性剤として、
脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂
肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミン及び脂肪族アマイ
ドの硫酸塩類、脂肪アルコールリン酸エステル塩類、二
塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪酸アミド
スルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホル
マリン縮合のナフタリンスルホン酸塩類など;カチオン
性界面活性剤として、脂肪族アミン塩類、第4級アンモ
ニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類など;非イオン
性界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエ
ーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエ
ーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルアミン類、ポ
リオキシアルキレンアルキルエステル類、ソルビタンア
ルキルエステル類、ポリオキシアルキレンソルビタンア
ルキルエステル類など;両イオン性界面活性剤として、
アルキルベタイン、アルキルジメチルアミンオキサイ
ド、アルキルアラニンなど;が主だった物として挙げら
れる。
【0048】なお、ここでポリオキシアルキレンとはエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド又はブチレン
オキサイドの重合体を示す。これらの界面活性剤の中で
も、特に平均HLBが4〜18の非イオン性界面活性剤
が優れた効果を発現する。具体的には、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類として、(POE)140オク
チルエーテル、1量体〜40量体のエチレンオキサイド
と炭素原子数が12〜14の合成アルコールのエーテル
((POE)1 401214合成アルコールエーテルと
略記する。)、(POE)1 47ラウリルエーテル、
(POE)220セチルエーテル、(POE)2 30
テアリルエーテル、(POE)2 35オレイルエーテ
ル、(POE)2 40オクチルフェニルエーテル、(P
OE)245ノニルフェニルエーテルなど;
【0049】ソルビタンモノアルキルエステル類とし
て、ソルビタンモノラウリルエステル、ソルビタンモノ
パルミチルエステル、ソルビタンモノステアリルエステ
ル、ソルビタンモノオレイルエステルなど;ポリオキシ
エチレンソルビタンモノアルキルエステル類として、
(POE)125ソルビタンモノラウリルエステル、
(POE)1 25ソルビタンモノパルミチルエステル、
(POE)1 30ソルビタンモノステアリルエステル、
(POE)1 30ソルビタンモノオレイルエステルな
ど;ポリオキシエチレンソルビタントリアルキルエステ
ル類として、(POE)1040ソルビタントリステアリ
ルエステル、(POE)1040ソルビタントリオレイル
エステルなど;が挙げられる。
【0050】上記の化合物のうち、(POE)5 9
1214合成アルコールエーテル、(POE)4 10ラウ
リルエーテル、(POE)5 8 セチルエーテル、(P
OE)1015ステアリルエーテル、(POE)5 15
レイルエーテル、(POE)6 10オクチルフェニルエ
ーテル、(POE)5 13ノニルフェニルエーテル、ソ
ルビタンモノラウリルエステル、ソルビタンモノパルミ
チルエステル、ソルビタンモノステアリルエステル、ソ
ルビタンモノオレイルエステル、(POE)520ソル
ビタンモノラウリルエステル、(POE)5 20ソルビ
タンモノパルミチルエステル、(POE)5 20ソルビ
タンモノステアリルエステル、(POE)5 20ソルビ
タンモノオレイルエステル、(POE)1530ソルビタ
ントリステアリルエステル、(POE)1530ソルビタ
ントリオレイルエステルが剥離後のリンス性の点から好
ましく用いることができる。
【0051】また、本発明の剥離剤組成物は非水系で用
いても良く、水で適当な濃度に希釈して用いても良い。
水で希釈して用いる場合、水の添加量としては特に限定
されるものではないが、安全性及び剥離性の観点から、
好ましくは剥離剤組成物100重量部に対して3〜19
00重量部であり、より好ましくは10〜900重量部
である。希釈に用いられる水は、本発明の剥離剤組成物
の効果を損なわないものであれば特に限定されるもので
はなく、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、通常の
水道水等が用いられる。
【0052】本発明の剥離剤組成物においては、本発明
の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常剥離剤
や洗浄剤に用いられる、ヒドロキシエチルアミノ酢酸、
ヒドロキシエチルイミノ2酢酸、エチレンジアミンテト
ラ酢酸などのアミノカルボン酸塩などのキレート力を持
つ化合物、防腐剤、防錆剤、シリコーンなどの消泡剤、
酸化防止剤、窒素原子数が1〜5であって分子量が50
〜300の範囲のアミン系化合物;アルカノールアミン
類、モルホリン類、環式アミン類、ポリアミン類、直
鎖、分岐鎖アルキルアミン類などのアミン系化合物、ヤ
シ脂肪酸メチルや酢酸ベンジルなどのエステル、炭化水
素系溶剤あるいはアルコール類などを適宜併用すること
ができる。
【0053】本発明の剥離剤組成物は、前記成分及び任
意成分などを常法により混合することにより製造するこ
とができる。
【0054】本発明の剥離剤組成物を用いてエポキシ樹
脂の剥離する方法としては特に限定されるものではな
く、通常用いられる公知の方法が使用できる。シリコン
などの半導体インゴットのウエハー又は板状物へのスラ
イス後のスライスベース及び仮止め用エポキシ樹脂接着
剤の剥離方法としては、特に限定されることはなく、従
来の90℃以上の酢酸水溶液又は熱水に浸漬するなどの
通常行われる公知の方法に準じて、即ち、酢酸水溶液や
熱水の代わりに本発明の剥離剤組成物を用いて行うこと
ができる。
【0055】例えば、本発明の剥離剤組成物をそのまま
利用する方法としては、内周刃式やバンドソー式の切断
装置にてスライスされたウエハー又は板状物を洗浄治具
(カセット)に入れ、本発明の剥離剤組成物に浸漬し、
好ましくは60℃以上に、より好ましくは70℃以上に
加熱することによって、短時間に剥離することができ
る。なお、ワイヤソー式の切断装置にて切断した場合に
は、全てのウエハーがスライスベースに保持された状態
のままで浸漬して剥離することが可能である。一方、本
発明の剥離剤組成物の5〜20重量%の水溶液を、好ま
しくは80℃以上、より好ましくは85℃以上に加熱し
て、エポキシ樹脂接着剤の熱による軟化効果を併用すれ
ば、より短時間での剥離が可能であるばかりでなく、剥
離剤組成物の持ち出し量が少なくて済み、より経済的で
もある。なお、剥離工程で物理力は特に必要ではない
が、例えば、バブリング、超音波、揺動、液中噴流など
の各種の物理力を単独又は組み合わせて行うこともでき
る。
【0056】本発明の剥離剤組成物はエポキシ樹脂の剥
離に適用されるものである。かかるエポキシ樹脂として
は、シリコン、ガリウム・砒素、ガリウム・燐などの半
導体・結晶材料;水晶、石英、ガラスなどの電子部品関
連材料;フェライト、サマリウム・コバルトなどの磁性
材料;磁気ヘッドなどの磁気材料;チタン酸バリウム、
PZT(PbTiO3とPbZrO3の固溶体)などの圧電材料、及
びセラミックス材料からなる群より選ばれる1種以上の
材料の加工工程で用いられるエポキシ樹脂接着剤又はエ
ポキシ樹脂付着物が例示される。また、加工工程として
は、例えばかかる材料の切断、研削、研磨などの加工工
程が例示される。とりわけ、シリコンなどの半導体イン
ゴットのウエハー又は板状物へのスライシング後のスラ
イスベース、及び仮止め用エポキシ樹脂接着剤の剥離に
対して特に好ましく適用される。
【0057】なお、本発明の剥離剤組成物において、上
記の各成分の配合比は特に限定されないが、好ましくは
以下のとおりである。 1)有機溶剤とアルキレンオキサイド化合物を併用する
場合、これらの配合比は重量比で、有機溶剤:アルキレ
ンオキサイド化合物=100:1〜100が好ましく、
100:3〜55がより好ましく、100:5〜25が
特に好ましい。 2)有機溶剤と上記に記載の界面活性剤を併用する場
合、これらの配合比は重量比で、有機溶剤:界面活性剤
=100:0.5〜55が好ましく、100:3〜35
がより好ましく、100:5〜20が特に好ましい。 3)有機溶剤、アルキレンオキサイド化合物及び界面活
性剤を併用する場合、これらの配合比は重量比で、有機
溶剤:アルキレンオキサイド化合物:界面活性剤=10
0:1〜100:0.5〜55が好ましく、100:3
〜55:3〜35がより好ましく、100:5〜25:
5〜20が特に好ましい。また、本発明の剥離剤組成物
における、上記の有機溶剤、アルキレンオキサイド化合
物及び界面活性剤の含有量の総量は、2.5〜100重
量%が好ましく5〜97重量%がより好ましく、10〜
90重量%が特に好ましい。
【0058】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例をもって詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら制限
されるものではない。
【0059】実施例1〜15及び比較例1〜10 表1〜表5に示す組成(組成比単位は重量%)の各種剥
離剤組成物を調製し、これらの剥離剤組成物を用いて、
エポキシ樹脂接着剤の剥離性を評価した。
【0060】[エポキシ樹脂接着剤の剥離性]1cm×
6cm×15cmのガラス板に、エポキシ樹脂接着剤
(W−BOND:NC−15K、又はQ−BOND:1
5SR/15SH(共に日化精工(株)製))にて、8
インチシリコンウエハー3枚を、1cm間隔で、オリフ
ラ部分を接着し、このものを剥離試験のテストピースと
した。
【0061】1)エポキシ樹脂接着剤の硬化条件: W−BONDのNC−15Kの主剤:硬化剤を、2:1
(重量比)で混合し、90℃で1時間硬化後、常温で3
時間放置した。 Q−BONDの15SR/15SHの主剤:硬化剤を、
1:1(重量比)で混合し、90℃で1時間硬化後、常
温で3時間放置した。
【0062】2)超音波条件:39kHz、200W、
8. 6L(SILENTSONIC UT-204、シャープ(株)製)
【0063】各種剥離剤組成物の中に上記テストピース
を浸漬して、表1〜表5に記載の剥離条件(温度、浸漬
条件)下で、3枚のウエハーそれぞれが剥離落下するま
での時間を測定し、それらの平均値を取って剥離時間
(分)とした。この場合、剥離時間の数値が小さいもの
ほど、短い時間でエポキシ樹脂接着剤が剥離したこと、
即ち、剥離性能が良好なことを表す。なお、表1〜表5
に、剥離剤組成物の組成、剥離条件、及び剥離時間を示
す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】表1〜表5より、本発明の剥離剤組成物を
用いた場合、従来の酢酸水溶液を用いた場合(比較例
2、比較例4)よりも良好な剥離性を示した(実施例1
〜実施例15)。一方、有機溶剤として一般に用いられ
る化合物であっても、特定の構造を有さないものは剥離
性に劣っていた(比較例3、比較例5〜比較例10)。
さらに、本発明の剥離剤組成物は、酢酸を用いないため
作業環境がより安全なものであった。
【0070】
【発明の効果】本発明の剥離剤組成物は、剥離性に優
れ、剥離時間を短縮でき、生産性を向上できるものであ
る。また、酢酸を用いないため、作業環境の改善がで
き、高い安全性が達成され得る。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子構造の中に、(1)環状構造を持
    ち、且つ、(2)窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子か
    らなる群より選ばれる1種以上の原子を有する有機溶剤
    を含有することを特徴とするエポキシ樹脂の剥離剤組成
    物。
  2. 【請求項2】 有機溶剤の溶解性パラメーターが17.
    7〜30. 3J1/2・ cm-3/2である請求項1記載の剥
    離剤組成物。
  3. 【請求項3】 有機溶剤が一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子又は炭素原子数1〜4の炭化水
    素基を示し、WはC=O、O、又はCH2 Oを示し、X
    はH、OH、OCH3 、CH3 、又は(R2 O)k Hを
    示し、R2 は炭素原子数2〜3のアルキレン基を示し、
    k は1〜3の整数を示す。)で示される芳香族化合物で
    ある請求項1又は2記載の剥離剤組成物。
  4. 【請求項4】 有機溶剤が一般式(2) 【化2】 (式中、YはO、C=O、又はO=S=Oを示し、Zは
    CH2 、O、NH、NCH3 、又はCHCH2 OHを示
    す。)で示される複素環式化合物である請求項1又は2
    記載の剥離剤組成物。
  5. 【請求項5】 次の一般式(3)、(4)及び(5) 【化3】 (式中、R3 は水素原子又は炭素原子数1〜8の炭化水
    素基を示し、R4 及びR 5 はそれぞれ炭素原子数2〜4
    のアルキレン基を示す。R6 は水素原子又は炭素原子数
    1〜4のアルキル基又はアシル基を示す。mは1〜7、
    nは0〜7、pは0〜5、qは0〜5の整数を示す。)
    で示される化合物からなる群より選ばれる1種類以上の
    アルキレンオキサイド化合物をさらに含有する請求項1
    〜4いずれか記載の剥離剤組成物。
  6. 【請求項6】 1種類以上の界面活性剤をさらに含有す
    る請求項1〜5いずれか記載の剥離剤組成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂が、半導体・結晶材料、電
    子部品関連材料、磁性材料、磁気材料、圧電材料、及び
    セラミックス材料からなる群より選ばれる1種以上の材
    料の加工工程で用いられるエポキシ樹脂接着剤又はエポ
    キシ樹脂付着物である請求項1〜6いずれか記載の剥離
    剤組成物。
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