JP5936095B2 - 電解コンデンサ用電解液 - Google Patents

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Description

本発明は、電解コンデンサ用電解液に関する。
アルミ電解コンデンサは、高純度のアルミニウム箔からなる陽極に形成する酸化被膜を誘電体として利用するものであり、−40℃程度から100℃を超える温度までの幅広い温度領域において安定に使用できることが必須となる。近年のデジタル家電の普及や自動車の電装化にともないデジタル機器や車載機器用途での需要が拡がっているが、高電圧下で使用した場合にショート等の不具合を発生することがあり、火花発生電圧の向上が要求されている。
アルミ電解コンデンサ用電解液としては、エチレングリコールやγ−ブチロラクトン等を主成分とする極性溶媒に、ホウ酸等の無機酸やアジピン酸、マレイン酸、フタル酸、安息香酸等の二塩基酸及びその塩を溶質とした駆動用電解液が知られている。しかしながら、溶質としてこれらのカルボン酸を使用した電解液は、電導性は高いものの火花発生電圧が低いことが問題となっていた。
この問題を解決するため、添加剤の添加により火花発生電圧を向上させる種々の検討がなされており、ポリエチレングリコールを添加する方法、オキシエチレンオキシプロピレンランダム共重合体を添加する方法(例えば特許文献1)、グリセリンのオキシプロピレンオキシエチレンランダム共重合体を添加する方法(例えば特許文献2)が報告されている。このような化合物を添加した電解液は火花発生電圧の向上に効果を有するが、車載用コンデンサに要望される−40℃付近の低温領域では、経時的に凝固して結晶が析出することがあり、酸化皮膜の化成性が低下して火花発生電圧の向上に十分な効果を発現しないことがあった。
また、エチレンオキシド及び他のアルキレンオキシドのランダム共重合体を添加する方法(例えば特許文献3)が報告されており、具体例としてエチレンオキシドブチレンオキシドランダム共重合体が記載されている。このようなエチレンオキシドとブチレンオキシドをランダム状に付加した化合物は、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドからなる化合物と比べて火花発生電圧の向上効果は高いが、分子量中のブチレンオキシドの含有率が高くなると溶媒への溶解性が低下して電解液中で分離してしまうことがあった。したがって、親水基であるオキシエチレン基の含有率を高める必要があるが、この場合は低温で凝固して電解液に結晶が析出し、火花発生電圧の向上に十分な効果を発現しないことがあった。
このように、火花発生電圧の向上に十分な効果を有するとともに、電解液の分離及び低温での結晶の析出を抑制することのできる電解コンデンサ用電解液は未だ得られていない。
特開昭63−268224号公報 特開平5−144679号公報 特開平10−106892号公報
本発明が解決しようとする課題は、火花発生電圧の向上に十分な効果を有するとともに、比抵抗の上昇度に比べて火花発生電圧の向上度が高く、さらに電解液の分離及び低温での結晶の析出を抑制することのできる電解コンデンサ用電解液を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究の結果、多価アルコールのブチレンオキシド−アルキレンオキシドブロック付加物、又はアルキレンオキシド−ブチレンオキシド−アルキレンオキシドブロック付加物、又はそれらの末端アルキルエーテル化物を、電解コンデンサ用電解液の火花発生電圧向上剤として使用すれば、電解液の分離が生じず、低温での結晶の析出も回避されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
次の(a)、(b)、及び(c)成分を含有する、電解コンデンサ用電解液。
(a)式(1)で示される化合物
(b)極性溶媒
(c)有機酸、無機酸又はそれらの塩からなる群から選択される1種以上の電解質
X−[O−(EO)/(PO)−(BO)−(EO)/(PO)−R] (1)
(式中、Xは2〜6価アルコールの水酸基を除いた残基である。EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、BOはオキシブチレン基である。Rは水素原子である。a及びdはオキシエチレン基の平均付加モル数であって0〜30を示し、(a+d)は30である。b及びeはオキシプロピレン基の平均付加モル数であって0〜10を示し、(b+e)は10である。cはオキシブチレン基の平均付加モル数であって1〜を示す。(a+d)/(a+b+d+e)は0.6〜0.9である。c/(a+b+c+d+e)は0.1〜0.3である。kは2〜6であり、(EO)/(PO)及び(EO)/(PO)は、EOとPOのランダム状付加を表す。)
本発明に係る式(1)で示される化合物は、ポリエーテル系化合物でありながら、電解コンデンサ用電解液に添加しても電解液の分離を生じにくく、火花発生電圧を向上させ、低温における結晶の析出も抑制することができるため、耐電圧向上剤として有用である。当該化合物を含有する本発明に係る電解コンデンサ用電解液は、火花発生電圧の向上効果に優れるとともに、比抵抗の上昇度に比べて火花発生電圧の向上度が高く、さらに電解液の分離が生じにくく、低温における結晶の析出をも回避することができ、幅広い温度域における安定性が求められる車載用コンデンサなど、各種用途に実用上極めて有用である。
(a)式(1)で示される化合物
式(1)において、Xは2〜6価のアルコールから水酸基を除いた残基を表し、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール、ジペンタエリスリトール、キシロース、アルキルグルコシド、キシリトール、ガラクトース、グルコース、ソルビトール、ソルビタン等が挙げられる。
そのうち、2〜4価のアルコールの水酸基を除いた残基が好ましく、より好ましくは2〜3価のアルコールの水酸基を除いた残基であり、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。アルコールの水酸基の価数が2より小さいと、親油基−親水基のジブロック型界面活性剤となるために、電解液の泡立ちが高くなる。
式(1)において、Rは水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基であり、炭素数1〜4の炭化水素基である場合は直鎖であっても分岐であってもよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。Rは好ましくは水素原子である。Rの炭素数が4より大きくなると溶媒への溶解性が低下する。
式(1)において、a及びdはオキシエチレン基の平均付加モル数を表し、0〜40である。(a+d)は2〜40であり、好ましくは3〜30、より好ましくは3〜25である。(a+d)が2より小さいと溶媒への溶解性が低下し、40より大きくなると低温で電解液に結晶が析出しやすくなる。
式(1)において、b及びeはオキシプロピレン基の平均付加モル数を表し、0〜20である。(b+e)は1〜20であり、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10である。(b+e)が1より小さいと低温で電解液に結晶が析出し、20より大きくなると溶媒への溶解性が低下する傾向がある。
式(1)において、cはオキシブチレン基の平均付加モル数を表し、1〜12であり、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8である。
式(1)において、(a+d)/(a+b+d+e)は、0.6〜0.95であり、好ましくは0.6〜0.9、より好ましくは0.6〜0.85である。(a+d)/(a+b+d+e)が0.6より小さいと溶媒への溶解性が低下し、0.95より大きくなると低温で電解液に結晶が析出しやすくなる。
式(1)において、c/(a+b+c+d+e)は0.1〜0.35であり、好ましくは0.1〜0.3である。c/(a+b+c+d+e)が0.1より小さいと低温で電解液に結晶が析出し、0.35より大きい場合は溶媒への溶解性が低下する傾向がある。
式(1)において、kは2〜6であり、好ましくは2〜4、より好ましくは2〜3である。
式(1)において、EO及びPOの付加形態はランダム状である。ブロック状の場合は低温で電解液に結晶が析出する。
式(1)で示される化合物の分子量は、好ましくは500〜10,000であり、より好ましくは800〜5,000である。分子量が500より小さいと火花発生電圧の向上に十分な効果が得られず、分子量が10,000より大きくなると電解液の粘度が高くなり、泡立ちが強くなりやすい。
式(1)で示される化合物は、公知の方法で製造することができる。例えば、アルカリ触媒の存在下、2〜6価のアルコールにブチレンオキシド、炭素数2及び3のアルキレンオキシドを順に付加重合させることにより多価アルコールのブチレンオキシド−炭素数2及び3のアルキレンオキシド−ブロック付加物が得られる。さらに、この多価アルコールのブチレンオキシド−炭素数2及び3のアルキレンオキシド−ブロック付加物をアルカリ触媒の存在下においてハロゲン化アルキルと反応させることにより、末端アルキルエーテル化物が得られる。
また、アルカリ触媒の存在下、2〜6価のアルコールに 炭素数2及び3のアルキレンオキシド、ブチレンオキシドを順に付加重合させることにより多価アルコールのアルキレンオキシド−ブチレンオキシド−ブロック付加物が得られる。さらに、この多価アルコールのアルキレンオキシド−ブチレンオキシド−ブロック付加物をアルカリ触媒の存在下において炭素数2及び3のアルキレンオキシドと反応させることにより、多価アルコールのアルキレンオキシド−ブチレンオキシド−アルキレンオキシド−ブロック付加物が得られる。さらに、この多価アルコールのアルキレンオキシド−ブチレンオキシド−アルキレンオキシド−ブロック付加物をアルカリ触媒の存在下においてハロゲン化アルキルと反応させることにより、末端アルキルエーテル化物が得られる。
上記のとおり、式(1)で示される化合物において、多価アルコールへのオキシブチレン基と(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)の付加順序はいずれが先でもよく、また(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)−オキシブチレン基−(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)のように付加してもよい。付加順序がオキシブチレン基−(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)である場合及び(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)−オキシブチレン基−(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)である場合は、極性溶媒への溶解性が向上する。また、付加順序が(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)−オキシブチレン基である場合は、電解液の泡立ちが低減する。
(b)極性溶媒
本発明における極性溶媒としては、エタノール、プロパノール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、γ−ブチロラクトン等のラクトン系溶媒、N−メチルホルムアミド等のアミド系溶媒、水等が挙げられ、単独で使用してもよく2種類以上を混合して使用してもよく、好ましくはエチレングリコール及びγ−ブチロラクトンである。
(c)有機酸、無機酸又はそれらの塩からなる群から選択される1種以上の電解質
本発明における無機酸としては、ホウ酸等が挙げられ、有機酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブチルオクタン二酸、5,6−デカンジカルボン酸、マレイン酸等の脂肪族カルボン酸、安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。これらは1種でも2種以上を混合して使用してもよく、塩基性化合物との中和塩として使用してもよい。塩基性化合物としては、アンモニア、アンモニア水、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等のポリアルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミンのアルキレンオキシド付加物等が挙げられる。好ましくはアンモニア及びアンモニア水である。
式(1)で示される化合物は、オキシブチレン基を含有しているため、アルミ電解コンデンサの陽極上の保護皮膜としては、オキシエチレン基やオキシプロピレン基のみからなる化合物と比べて電気絶縁性が高く、さらにオキシブチレン基の分岐のエチル基により嵩高い立体構造を形成することから、酸化皮膜の化成性を向上させることができる。これにより、オキシブチレン基を含有する化合物は火花発生電圧の向上に優れた効果を有する。
式(1)で示される化合物において、オキシブチレン基と(オキシエチレン基/オキシプロピレン基)の付加形態はブロック型であり、親油基であるポリオキシブチレン鎖と酸化皮膜を形成する酸との親和性により、酸化皮膜の化成性が向上して優れた火花発生電圧向上効果が得られる。
また、式(1)で示される化合物は、オキシブチレン基の分岐のエチル基を有し、さらにオキシエチレン基とオキシプロピレン基のランダム状の共重合体を有することにより、結晶性が低下し、低温における式(1)で示される化合物自体の結晶の析出を抑制することができる。これにより、低温においても性能を低下させることがなく、幅広い温度領域で安定にコンデンサを使用することができる。
本発明の電解液において、式(1)で示される化合物の添加量は、0.1〜50質量%である。添加量が0.1質量%より少ないと火花発生電圧の向上効果が不十分であり、50質量%より多いと、電解液の粘度が上昇する傾向にあるため適切でない。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
<合成例1>
プロピレングリコール76.1g(1.0モル)と触媒として水酸化カリウム4.5gを5L容量オートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内の空気を窒素で置換した後、撹拌しながら120℃にて触媒を完全に溶解させた。次に滴下装置よりブチレンオキシド288.4g(4.0モル)を滴下し、4時間撹拌した。その後、さらに滴下装置よりエチレンオキシド882.0g(20.0モル)とプロピレンオキシド232.4g(4.0モル)の混合物を滴下し、4時間撹拌した。その後、オートクレーブより生成物を取り出し、塩酸で中和してpH6〜7とし、含有する水分を除去するために、減圧−0.095Mpa(ゲージ圧、50mmHg)、100℃で1時間処理した。さらに処理後生成した塩を除去するためにろ過を行い、表1の化合物Aを得た。
<電解液の調製>
表2に示す組成で混合し、60℃で均一になるまで撹拌して電解液を得た。
<分離の有無の評価>
電解液50gをガラス瓶に入れ、25℃の恒温槽で1時間静置したときの分離の有無を以下の基準で評価した。
○:分離することなく均一である
×:分離している
結果を表2に示す。
<結晶の析出の有無の評価>
電解液50gをガラス瓶に入れ、25℃及び−40℃の恒温槽で1時間静置したときの結晶の析出の有無を以下の基準で評価した。
○:結晶が析出せず均一である
×:結晶が析出している
結果を表2に示す。
<比抵抗の測定>
電気伝導度計(東亜電波工業(株)製CM−60S)により、電解液の30℃での比抵抗を測定した。結果を表2に示す。
<火花発生電圧の測定>
1L容量ステンレス製容器に電解液700gを入れ、60mm×10mmに切断した純度99.99%以上のアルミ箔を浸漬し、直流電源を繋げて25℃における電解液の火花発生電圧を測定した。火花発生電圧向上効果を次式にしたがって算出し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。

[火花発生電圧向上度(V)=(a)の化合物を添加した電解液の火花発生電圧−
(a)の化合物を添加していない電解液の火花発生電圧]

○:火花発生電圧向上度が30V以上
×:火花発生電圧向上度が30V未満
また、比抵抗上昇度に対する火花発生電圧向上度を次式にしたがって算出し、以下の基準で評価した。結果を表2に示す。

[火花発生電圧向上度/比抵抗上昇度=((a)の化合物を添加した電解液の火花発生電圧−(a)の化合物を添加していない電解液の火花発生電圧)/((a)の化合物を添加した電解液の比抵抗−(a)の化合物を添加していない電解液の比抵抗)]

○:火花発生電圧向上度/比抵抗上昇度が1.20以上
×:火花発生電圧向上度/比抵抗上昇度が1.20未満
[実施例2〜9]
実施例1の方法に準じて、表1に示す化合物B〜Gを合成し、表2に示す電解液を調製して、分離の有無及び結晶析出の有無の評価を行った。また、比抵抗及び火花発生電圧を測定し、火花発生電圧向上度を算出し、火花発生電圧向上度の評価及び比抵抗上昇度に対する火花発生電圧向上度の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例1〜10]
実施例1と同様の方法で、表1に示す化合物H〜Qを合成し、表2に示す電解液を調製して、分離の有無及び結晶析出の有無の評価を行った。また、比抵抗及び火花発生電圧を測定し、火花発生電圧向上度を算出し、火花発生電圧向上度の評価及び比抵抗上昇度に対する火花発生電圧向上度の評価を行った。結果を表2に示す。なお、電解液の分離の評価において、25℃で分離が見られた場合には、結晶の析出の有無の評価、比抵抗の測定、火花発生電圧の測定は行わなかった。
表2から明らかなとおり、実施例1〜9の電解液は、分離することがなく、かつ低温において結晶が析出することもなく均一であった。また、実施例1〜9の電解液は火花発生電圧向上度が高く、さらに比抵抗上昇度に対する火花発生電圧向上度も高いことがわかった。すなわち、これらの電解液をアルミ電解コンデンサに使用した場合、高い電導度を示すとともに、高い火花発生電圧向上効果を示すことが確認された。
これに対し、比較例1の電解液はcが本発明の範囲より大きく、c/(a+b+c+d+e)が本発明の範囲より大きいために、電解液が分離する結果となった。
比較例2は、c/(a+b+c+d+e)が本発明の範囲より大きいために、電解液が分離した。
比較例3は、a及び(a+d)が本発明の範囲より大きいために、低温で電解液に結晶が析出した。また、比抵抗上昇度に対する火花発生電圧向上度が不十分であった。
比較例4は、(a+d)が本発明の範囲より小さく、(a+d)/(a+b+d+e)が本発明の範囲より小さいために、電解液が分離した。
比較例5は、e及び(b+e)が本発明の範囲より大きく、(a+d)/(a+b+d+e)が本発明の範囲より小さいために、電解液が分離した。
比較例6は、cが本発明の範囲より小さく、c/(a+b+c+d+e)が本発明の範囲より小さいために、電解液が分離した。
比較例7は、cが本発明の範囲より小さく、(b+e)が本発明の範囲より小さく、(a+d)/(a+b+d+e)が本発明の範囲より大きく、c/(a+b+c+d+e)が本発明の範囲より小さいために、低温で電解液に結晶が析出した。また、火花発生電圧向上度が不十分であり、比抵抗上昇度に対する火花発生電圧向上度が不十分であった。
比較例8は、cが本発明の範囲より小さく、d及び(a+d)が本発明の範囲より大きく、c/(a+b+c+d+e)が本発明の範囲より小さいために、電解液に低温で結晶が析出した。また、火花発生電圧向上度が不十分であり、比抵抗上昇度に対する火花発生電圧向上度が不十分であった。
比較例9は、cが本発明の範囲より小さく、c/(a+b+c+d+e)が本発明の範囲より小さいために、低温で電解液に結晶が析出した。また、火花発生電圧向上度が不十分であり、比抵抗上昇度に対する火花発生電圧向上度が不十分であった。
比較例10は、cが本発明の範囲より大きく、(b+e)が本発明の範囲より小さく、(a+d)/(a+b+d+e)が本発明の範囲より大きく、c/(a+b+c+d+e)が本発明の範囲より大きく、kが本発明の範囲より小さいことにより、電解液が分離した。
Figure 0005936095
Figure 0005936095

Claims (1)

  1. 次の(a)、(b)、及び(c)成分を含有する、電解コンデンサ用電解液。
    (a)式(1)で示される化合物
    (b)極性溶媒
    (c)有機酸、無機酸又はそれらの塩からなる群から選択される1種以上の電解質
    X−[O−(EO)/(PO)−(BO)−(EO)/(PO)−R] (1)
    (式中、Xは2〜6価アルコールの水酸基を除いた残基である。EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、BOはオキシブチレン基である。Rは水素原子である。a及びdはオキシエチレン基の平均付加モル数であって0〜30を示し、(a+d)は30である。b及びeはオキシプロピレン基の平均付加モル数であって0〜10を示し、(b+e)は10である。cはオキシブチレン基の平均付加モル数であって1〜を示す。(a+d)/(a+b+d+e)は0.6〜0.9である。c/(a+b+c+d+e)は0.1〜0.3である。kは2〜6であり、(EO)/(PO)及び(EO)/(PO)は、EOとPOのランダム状付加を表す。)
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