JP2870651B2 - カソード析出形塗料バインダーとその製造法 - Google Patents

カソード析出形塗料バインダーとその製造法

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JP2870651B2 JP1210779A JP21077989A JP2870651B2 JP 2870651 B2 JP2870651 B2 JP 2870651B2 JP 1210779 A JP1210779 A JP 1210779A JP 21077989 A JP21077989 A JP 21077989A JP 2870651 B2 JP2870651 B2 JP 2870651B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、変性エポキシ樹脂/アミン付加物を基材と
するカソード析出形塗料バインダーならびにその製造法
に関するものである。
電着塗装法においては、本法のために開発されたバイ
ンダーに対して、塗料製造、電着、焼付の各工程で、表
面性質、均一電着性および耐腐食性のような塗膜性能を
満足させるために多くの場合全体として矛盾した性質が
求められている。有機溶剤の含有量を少なくすること
や、他の塗料成分の選択の限定のような需要家やその他
の要求も考慮に入れる必要がある。
従って、有機溶剤含有量を少量に保ちながら好ましい
希釈特性を保ち、また電着装置の補給工程や良好な顔料
着色のためにもバインダーは低粘度でなければならな
い。一方架橋塗膜が良好が抵抗品質を得るためにはバイ
ンダーが高分子であることが第一条件であるが、通常バ
インダーはこれによって高粘度となる。同じように電着
中に塗膜が高い電気抵抗を形成するために、高度の均一
電着性を達成し同時に優れた表面品質を有する肉厚の塗
膜が必要であるため、ここにも矛盾した要求が存在す
る。各種の変性ビスフェノールAまたはフェノールノボ
ラック/エポキシ樹脂/アミン付加物において、プロト
ン化バインダーの最適の溶解度または分散性と架橋塗膜
の析出特性または性質の間に妥協を見出すために多くの
試みがなされて来たことが文献から覗い知ることができ
る。
従って例えば米国特許第4,104,147号または第4,148,7
72号においては、ビスフェノールAを基材とするエポキ
シ樹脂を、アミンと反応させる前に、鎖延長剤であるポ
リテトラメチレングリコールと反応させ、これにより親
水性セグメントが組込まれる。米国特許第3,839,252号
および第4,035,275号も、アミンと反応する前に、ポリ
プロピレングリコールによる鎖延長を提案している。欧
州特許公開(A2)第0074634号によれば、ポリアルキレ
ングリコールセグメントを導入する別法として、低分子
ビスフェノールA/エポキシ樹脂をビスフェノールAエチ
レンオキシド付加物で鎖延長することによって達成して
いる。
この方法の大きな欠点は、エポキシ樹脂の自己縮合が
防止できないため鎖延長を制限することが困難なところ
である。例え初期の生成物が理論的エポキシ価を有して
いたとしても、遊離のポリグリコールの存在を防止する
ことができず、バインダーのあらゆる種類の性質に実質
的な影響を与えることになる。
米国特許第4,035,275号の実施例に記載されているよ
うに、ポリオキシアルキレングリシジルエーテルを基材
とするプロトン化エポキシド/アミン付加物は極めて容
易に水に溶解することが証明されている。しかしながら
これら生成物は安定した塗膜の形で電着することが困難
で、予想されるようにその抵抗性能上ひどい欠陥を有す
るようになる。
pH7以上の水に溶解するカチオン的に変性されたエポ
キシ樹脂は、第四級アンモニウム基を組込むことにより
得られる。すなわち酸及び/又は水の存在下でエポキシ
基と第三級アミンと反応させることにより得られる。米
国特許第4,035,275号の実施例に記載されているような
この種の生成物は、規格が余り厳密でなく、必要に応じ
て添加するだけのバインダーとして使用するには実用上
適していることが証明されている。
オーストリア特許第381,115号には、エポキシド/ア
ミン付加物とポリオキシアルキレングリシジルエーテル
を反応することによりエポキシド/アミン付加物にポリ
オキシアルキルのセグメントを組込むことを記載してい
る。部分中和重合体の溶解度および分散性を改善するこ
のような方法に付け加えて、重合体に十分柔軟性を保た
せるために相当する変性材を組込まなければならない。
可塑化が不十分な生成物は、ガラス転移温度が高く、12
0乃至180℃の焼付温度範囲において未乾燥塗膜の流れ特
性に欠陥が生ずる。この結果「流れ」にひどい欠陥が生
じ、塗膜の厚さが不十分となる。
可塑性付与の目的のために、エポキシ樹脂またはエポ
キシ官能性エポキシド/アミン付加物は、エポキシド反
応性化合物で脱官能される。これは、種々の鎖長を有す
るモノカルボン酸またはアジピン酸やより高級の同族体
および二量化脂肪酸などのような長鎖ジカルボン酸を使
用したジカルボン酸モノエステルのようなモノカルボキ
シル化合物を使用して達成することができる。少量であ
れば、マレイン化油の様なポリカルボキシル化合物また
はポリブタジエンもこの目的に使用することができる。
この脱官能は、必要があれば脂肪酸で変性したカルボキ
シル基を有するポリエステルで行うこともできる。さら
にエポキシド/アミン付加物とモノグリシジルエーテル
またはエステルとを反応させても可塑性付与が可能であ
る。
実際上は、変性度が増すにつれて、このような変性
は、未乾燥フィルムの抵抗性や電圧抵抗性の低下、これ
に伴なう均一電着性の低下,析出塗膜の焼付中の塗膜破
裂,焼付塗膜の抵抗性の低下、この塗膜に引続いて行な
う被覆に対する接着性の低下のような欠点となって現わ
れて来る。
エポキシ樹脂/アミン付加物を特別に合成したジアミ
ンブリッジで変性することにより、本技術の互に異なる
要求に最も適したバインダーが得られることを今や見出
した。
従って本発明は、変性エポキシ樹脂/アミン付加物に
対して下記の一般式で表わされる変性剤を5乃至30重量
%、好ましくは10乃至20重量%含有し、そして該変性剤
は少なくとも2モルのジエポキシ樹脂又はポリエポキシ
樹脂と、第一級−第三級ジアミンと、第一級及び/又は
第二級アルキルアミン及び/又はアルカノールアミンと
反応して、エポキシ樹脂を含有せず、酸による中和後水
希釈性となり重量平均分子量が4000乃至16000、又は数
平均分子量が1500乃至3000、ガラス転移温度が+20乃至
+40℃、アミン価が少なくとも20mg KOH/gであるエポキ
シ樹脂/アミン付加物を形成していることを特徴とする
変性エポキシ樹脂/アミン付加物を基材とするカソード
析出形塗料バインダーに関するものである。
式中、R1は式 で表わされる同一又は異なる基であり、 R2は式 −CnH2n+1又は−O−CnH2n+1 で表わされる同一又は異なる基であり、 R3は式 で表わされる基であり、 R4は水素原子又はメチル基であり、 n及びmは2乃至8の整数であるが、R2の場合にはnは
8乃至20の整数である。
本発明はさらに (A) ジ第一級脂肪族ジアミン又はポリアミンと、炭
素数が8乃至20である脂肪族基を有する脂肪族モノグリ
シジル化合物及び/又はモノエポキシ化合物とを、反応
生成物が2個の第二級アミノ基を有するような量比で、
不活性溶剤中で40乃至60℃で反応させ、 (B) 該中間生成物2モルとジグリシジル化合物1モ
ルとを40乃至80℃で反応させ、 (C) 1分子中に2個の第二級アミノ基を有し、ガラ
ス転移温度が−15℃より低い(A)と(B)工程で生成
した変性剤の5乃至30重量%、好ましくは10乃至20重量
%(変性エポキシ樹脂/アミン付加物基準で)を、ジ又
はポリエポキシ樹脂と、第一級−第三級ジアミンと、第
一級及び/又は第二級アルキルアミン及び/又はアルカ
ノールアミンと反応させて、エポキシ基を含有せず、酸
による中和後水希釈性となり、重量平均分子量が4000乃
至16000、又は数平均分子量が1500乃至3000で、ガラス
転移温度が+20乃至+40℃、アミン価が少なくとも20mg
KOH/gであるエポキシ樹脂/アミン付加物を生成するこ
とを特徴とする変性エポキシ樹脂/アミン付加物を基材
とするカソード析出形塗料バインダーの製造方法に関す
るものである。
本発明はさらに、電着塗料の配合への本発明により生
成したバインダーの使用に関するものである。
本発明によるアミン変性剤は、該変性剤自体の塩基性
度は、100%プロトン化した後でさえ最終生成物に対し
十分な水希釈性を付与するには十分ではないが、バイン
ダーの溶解度特性および分散性を明らかに改善するもの
である。さらに本変性剤は、良好な均一電着性と肉厚の
焼付塗膜に高度の柔軟性を与え、高分子としてのガラス
転移温度が率いため、欠陥のない表面が得られることに
なる。
エポキシ樹脂を鎖延長するために使用する本変性剤を
製造するために、エチレンジアミン系のジ第一級脂肪族
ジアミンとその同族体を使用する。同様に、例えば「ジ
ェファミン(JEFFAMINE)」なる商品名で市販されてい
るようなエーテル基含有ジアミンも使用することができ
る。またジ第一級ポリアミン、とくにジエチレントリア
ミンも使用することができる。
前記のジ第一級アミンは、第一段階で、炭素数が8乃
至20である脂肪族基を有する脂肪族モノグリシジル化合
物またはモノエポキシド化合物と反応させる。これら化
合物を例示すればアルキルグリシジルエーテル、酸化ド
デセンのような酸化オレフィンまたはコッホ(KOCH)酸
のグリシジルエステルのようなグリシジルエステルが挙
げられる。反応のための量比は、反応生成物が2個のNH
基を有するように選ばれる。モノグリシジル化合物また
はモノエポキシド化合物を1モル当り2乃至6重量%過
剰に使用するのが有利である。反応は不活性溶剤の存在
下で40乃至60℃の温度で行う。
つぎの段階において、前記の中間生成物2モルとジグ
リシジル化合物1モルとを40乃至80℃で反応させる。2
個の第二級アミノ基を含有する付加化合物が得られる。
この生成物のガラス転移温度は−15℃より低くする必要
があり、この変性剤成分の原料を選択する際考慮すべき
点である。
使用するジグリシジル化合物は、ビスフェノールAま
たはF型のジエポキシ樹脂、ポリオキシアルキレングリ
コールを基材とする脂肪族ジエポキシ化合物または芳香
族−脂肪族ジエポキシ化合物、例えばポリオキシプロピ
レングリコール変性ビスフェノールAを基材とするもの
である。エポキシ樹脂は180乃至500のエポキシ当量を有
するものである。このようにして得られた反応生成物は
エポキシ樹脂/アミン付加物の鎖延長変性剤として使用
される。エポキシ樹脂/アミン付加物に対して5乃至30
重量%、好ましくは10乃至20重量%の変性剤を、第一級
−第三級アルキルジアミン、第一級アルキルアミン及び
/又はアルカノールアミンならびに第二級アルキルアミ
ン及び/又はアルカノールアミンとともに段階的反応で
有利に反応させて、エポキシ基を含有しないエポキシ樹
脂/アミン付加物を得る。
使用するエポキシ化合物のエポキシ当量の10乃至50%
を変性剤と反応させるのが有利である。この段階におい
て使用するエポキシ樹脂は、エポキシ当量が180乃至500
のビスフェノールジグリシジルエーテルまたはノボラッ
クを基材とするエポキシ樹脂が好ましい。
残存するエポキシ樹脂は、最終生成物がプロトン化さ
れた後、所要の水希釈性を与えるアミンと反応させる。
同時に分子は、第一級アルキルアミンまたはアルカノー
ルアミン、またはN,N−ジアルキルアミノアルキレンア
ミンのような第一級−第三級アルキルジアミンにより大
きくなる。これらアミンは、第二級アルキルアミンおよ
びアルカノールアミンとともに使用されるが、これらの
使用比率は最終生成物が遊離のエポキシ基を含まないよ
う適当に選ばれる。
本発明により製造したエポキシ樹脂/アミン付加物
は、重量平均分子量が4000乃至16000または数平均分子
量が1500乃至3000である。ガラス転移温度は+20乃至+
40℃である。プロトン化後の溶解度が満足なものになる
ために、アミン価として少なくとも20mg KOH/gに相当す
る塩基性度が必要であって、樹脂を配合する時留意して
おく必要がある。
反応後必要があれば有機溶剤を一部真空で除去しても
よい。この段階は混合物を部分的に中和し、水で希釈し
て後必要があれば行われる。工程的にこのような変化を
持たせれば、得られた材料に含有する有機溶剤は僅かと
なり、従って厳重な環境基準(例えば低VOC基準)に対
応できるようになる。
本発明の製造方法により調製された製品の中和工程で
は電着塗装を実施するのに適した安定で沈降物のない水
溶液またはエマルジョンを得るために、バインダー(樹
脂固形分)100gに対して20乃至45ミリモルの酸が必要で
ある。本発明による製品は、アミン数が比較的高く、分
子量も大きいのにも拘らず、十分に希釈ができる浴材料
を生成させるために、固形樹脂100gに対し僅か20乃至45
ミリモルの中和剤しか必要とせず、本発明による変性剤
により分散特性は大幅に改善される。
本発明による製造方法で製造したバインダーは架橋剤
と組合せて加工する。エステル交換反応によって架橋す
る、例えば欧州特許第00 12 463号、ドイツ特許公開第3
3 15 469号またはオーストリア特許第372 099号および
第379 602号に記載されている硬化剤がこの目的に使用
することができる。架橋はまた、ブロックドイソシアナ
ートまたはアミノ樹脂により、必要があれば硬化のため
の相当する触媒を用いて行うことができる。焼付温度は
140乃至190℃で、使用する硬化系に依存する。
電着塗装のための浴材料の調製、顔料着色、中和およ
び希釈の各工程は当業者であれば既知であり、さらに説
明の必要はない。塗装工程や析出塗膜の硬化工程につい
ても同じことがいえる。
下記の実施例は本発明を説明するためのもので、本発
明の範囲を限定しようとするものではない。実施例中全
ての部および百分率は特記しない限り重量部および重量
%である。
変性剤の製造 変性剤1 ジエチレントリアミン103g(1モル)とメトキシプロ
パノール170gの溶液に、2−エチルヘキシルグリシジル
エーテル577g(3.1モル)を60℃で2時間かけて添加
し、EPA価(下記参照)が3.70、屈折率 が1.4600になるまで反応を続ける。つぎに60℃でビスフ
ェノールAエポキシ樹脂(エポキシ当量190)190g(1
エポキシ当量)およびメトキシプロパノール48gの混合
物を2時間かけて添加し、EPA価が2.70、屈折率が1.479
0になるまで反応を続ける。反応生成物80%溶液100gと
メトキシプロパノール30gの溶液の粘度(DIN 53 211/20
℃)は60乃至80秒である。EPA価は下記のようにして測
定する。
EPA価〔オキシラン基とアミン基の合計量(ミリ当量)
の測定〕 樹脂0.2乃至0.4gを精秤(ミリグラムまで)し、メト
キシプロパノール5滴中に溶解させる。冷却後、ジクロ
ロメタンおよび氷酢酸の混合物(4:1容量比)25mlを加
え、ゆっくり加熱しながら樹脂を溶解する。周囲温度
で、ヨウ化テトラブチルアンモニウム0.5gとクリスタル
バイオレット溶液3滴を加える。0.1Nの過塩素酸の氷酢
酸溶液で滴定し、指示薬が青紫色から草色(青味がな
い)になる点を終点とする。
対照価(樹脂なし)を同一の方法で決定する。
A=試料の0.1N過塩素酸滴定量(ml) B=対照の0.1N過塩素酸滴定量(ml) F=0.1N過塩素酸液のファクター フタル酸水素カリウムによるファクター(F)の決定 フタル酸水素カリウムをエルレンマイヤーフラスコ中
で約200mgを0.1mgの単位まで精秤する(各分析毎に)。
氷酢酸30mlとクリスタルバイオレット液3滴を加えた
後、約0.1Nの過塩素酸溶液により滴定し、指示薬が青紫
色から草色になった点を終点とする。
W=フタル酸水素カリウムの重量 C=約0.1Nの過塩素酸の氷酢酸溶液の滴定量(ml) 変性剤2 ヘキサメチレンジアミン116g(1モル)をメトキシプ
ロパノール212g中に溶解する。60℃で酸化ドデセン379g
(2.06モル)を添加して60℃で4時間反応し、EPA価が
2.80になるまで80℃でさらに2時間反応する。ポリオキ
シプロピレングリコールジグリシジルエーテル(エポキ
シ当量200、ダウケミカル製DER736)200g(1エポキシ
当量)およびメトキシプロパノール77gの混合物を60℃
で2時間かけて添加し、EPA価が2.30になるまで反応を
続ける。生成樹脂70%品100gおよびメトキシプロパノー
ル10gの溶液の粘度(DIN 53211/20℃)は90乃至110秒で
ある。
変性剤3 ジエチレントリアミン103g(1モル)とメトキシプロ
パノール170gに、2−エチルヘキシルグリシジルエーテ
ル577g(3.1モル)を60℃で2時間かけて添加し、EPA価
が3.53になるまで60℃混合物の反応を続ける。ついでメ
トキシプロパノール87gとポリオキシプロピレングリコ
ール変性ビスフェノールAを基材とするジエポキシ樹脂
(三洋化成製BPP 350)350g(1エポキシ当量)とを60
℃で2時間かけて添加し、EPA価が2.33になるまで反応
を続ける。
生成樹脂80%品100gとメトキシプロパノール30gの溶
液の粘度(DIN 53211/20℃)は60乃至70秒である。
変性剤4 ポリオキシプロピレンジアミン〔テキサコ ケミカル
(TEXACO CHEM.COMP.)製ジェファミン(JEFFAMIN D40
0〕400g(1モル)をメトキシプロパノール198gに溶解
した溶液に、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル39
1g(2.1モル)を60℃で2時間かけて添加し、この混合
物のEPA価が2.02になるまで反応を続ける。ついでビス
フェノールAジエポキシ樹脂(エポキシ当量475)475g
(1エポキシ当量)をメトキシプロパノール119gに溶解
した溶液を60℃で2時間かけて添加し、EPA価が1.20に
なるまで反応を続ける。生成樹脂80%品100gとメトキシ
プロパノール40gの溶液の粘度(DIN 53211/20℃)は110
秒である。
変性剤5 ジエチレントリアミン103g(1モル)とメトキシプロ
パノール165gに、2−エチルヘキシルグリシジルエーテ
ル558g(3.0モル)を60℃で2時間かけて添加し、EPA価
が3.63になるまで混合物の反応を続ける。ついでメトキ
シプロパノール50gおよびポリオキシプロピレングリコ
ールジグリシジルエーテル(ダウケミカル製DER 736)2
00(1エポキシ当量)の混合物を60℃で2時間かけて添
加し、EPA価が2.78になるまで反応を続ける。反応生成
物は樹脂固形分が80重量%で屈折率 は1.463である。
変性剤6 アミノエチルエタノールアミン104g(1モル)とメト
キシプロパノール119gの溶液に、エチルヘキシルグリシ
ジルエーテル372g(2モル)を60℃で2時間かけて添加
し、EPA価が3.36になるまで反応を続ける。最終生成物
の樹脂固形分は80重量%で屈折率 は1.4581である。
実施例1 変性剤1(NH当量0.3に相当)326g、ビスフェノール
Aジエポキシ樹脂(エポキシ当量190)570g(3.0エポキ
シ当量)、2−エチルヘキシルアミン96.8g(1.5NH当
量)およびメトキシプロパノール167gを適当な反応器
で、NH官能価が完全に転換するまで、すなわちEPA価が
2.15になるまで60℃で第一反応段階の反応を続ける。つ
いで、ビスフェノールAジエポキシ樹脂(2.1エポキシ
当量)の75%メトキシプロパノール溶液1330g(2.1エポ
キシ当量)とジエタノールアミン189g(1.8NH当量)を
添加し、NH官能価が転換するまで、すなわちEPA価が1.6
0になるまでさらに反応を続ける。第三反応段階で残存
するオキシラン基をN,N−ジエチルアミノプロピルアミ
ン78g(1.2NH当量)と60℃で2時間反応させ、90℃でさ
らに1時間、120℃でさらに3時間反応させてEPA価を1.
45とし、メトキシプロパノールで希釈して樹脂固形分を
65重量%とする。この樹脂溶液をメトキシプロパノール
で希釈して樹脂固形分を46重量%としたものの粘度(DI
N 53211/20℃)は170秒である。ゲル透過クロマトグラ
フィーで測定した重量平均分子量Mwは6800、数平均分子
量Mnは2060である。
実施例2〜8 実施例1と同様の方法で第1表に示す混合物を反応さ
せる。反応生成物の特性も第1表に掲げる。
第四反応段階においては、第3反応段階に続いて第1
表に掲げる量のメトキシプロパノールとポリオキシプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテル(ダウケミカル
製DER 736、エポキシ当量200)を120℃で添加し、第1
表に示すEPA価に達するまで120℃で3乃至5時間反応さ
せる。
架橋成分1 共沸法に適した装置と、部分エステル交換反応中に生
成するアルコール成分を分離するための気泡段塔を設え
た反応器で、マロン酸ジエチル160g(1モル)、ピペリ
ジン0.34g(0.004モル)および85%ギ酸0.22g(0.004モ
ル)の混合物に91%パラホルムアルデヒド20.97g(0.9
モル)を80℃で分けて添加し、発熱反応が開始した時反
応温度が95℃を超えないようにする。反応混合物を95℃
で撹拌しパラホルムアルデヒドを完全に溶解させる。生
成する水が留出し始めると、2時間かけて温度を110℃
に上昇する。110℃に達した後共沸剤として特殊ガソリ
ン(沸点範囲80乃至120℃)を用いて合計9gの水を留出
する。使用した共沸剤はその後真空で除去する。
1,2−プロピレングリコール22.8g(0.3モル)を添加
した後で、蒸留が開始するまで加熱する(140乃至150
℃)。温度が上昇するとエタノールが27度(0.6モル)
留出する。得られた生成物の樹脂固形分(120℃、30
分)は約92%、OH価は5mg KOH/g以下、極限粘度数は約
5.2ml/g(20℃、ジメチルホルムアミド)、屈折率 は1.4670である。
架橋成分2 マロン酸ジエチル480g(3モル)とトリメチロールプ
ロパン134g(1モル)を130℃に加熱する。温度をゆっ
くり165℃に上昇させて、屈折率をモニターしながらエ
タノールを135g留出させる。ついで真空度を上げながら
160℃で揮発性成分を留出させ、反応生成物の固形分(1
30℃、30分)を95%にする。得られた生成物のOH価は5m
g KOH/g以下、屈折率 は1.4660である。
架橋成分3 架橋成分1の調製方法に準じて、マロン酸ジエチル13
4.4g(0.84モル)、ピペリジン0.286g(0.0034モル)お
よび85%ギ酸0.185g(0.0034モル)の混合物と91%パラ
ホルムアルデヒド13.86g(0.42モル)とを反応させ、合
計9.24g(0.51モル)の水を留出除去する。反応生成物
の固形分は78%(120℃、30分)で屈折率 は1.437である。
ついでトリメチロールプロパン134g(1モル)を添加
し、反応混合物が蒸留し始めるまで加熱する(140〜150
℃)。温度が上昇するのにつれてエタノールが留出す
る。エタノールの留出量が23g(0.5モル)に達すればジ
エチレングリコールジメチルエーテル(DGDME)263gを
加えて希釈し、混合物を30℃に冷却する。トリレンジイ
ソシアナート(市販の標準異性体混合物)2.5モルとエ
チレングリコールモノヘキシルエーテル2.5モルとの反
応生成物800g(2.5モルまたは2.5NCO当量)を30℃で添
加する。さらに4時間かけて温度を100℃に上げ、反応
混合物をこの温度で反応させて、試料1g当りのNCO含有
量が0.1ミリ当量以下になるようにする。
得られた反応生成物の樹脂固形分は80%(120℃、30
分)で、屈折率 が1.507、粘度(樹脂溶液10g+DGDME4g)はE〜F(ガ
ードナーホルト)である。
実施例1〜8による製品のカソード析出形塗料試験 本発明によって製造した製品をメトキシプロパノール
で70%溶液とした架橋成分と第2表に指定した条件下で
反応する。このようなバインダー溶液により、下記の配
合に従い通常の方法で塗料ペーストを調製する。
バインダー(樹脂固形分として) 100部 二酸化チタン 36.5部 ケイ酸鉛 3部 カーボンブラック 0.5部 このような塗料ペーストを第2表に指定した酸量でプ
ロトン化し、脱イオン水で固形分を18%に希釈する。
硬化に用いた触媒は、バインダー(樹脂固形分とし
て)100部に対して鉛(金属含有量として)1部になる
ようにオクタン酸鉛の形で鉛を混入した。
リン酸亜鉛処理薄鋼板上に浴温度28℃で、析出を行
い、塗装時間は2分間とする。このように塗装された薄
鋼板を160℃で30分間焼付ける。試験結果を第3表にま
とめた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギュンター モンシャイン オーストリア国.エー ‐ 8401 カル スドルフ,グルーナッケルヴェク 4 (72)発明者 ゲルハルト メグリチ オーストリア国.エー ‐ 8053 グラ ーツ,ツェルラッヒェルヴェク 4 (56)参考文献 特開 昭61−200117(JP,A) 特開 昭61−276817(JP,A) 特開 昭53−24399(JP,A) 特開 昭51−68700(JP,A) 特開 昭56−34768(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09D 163/00 - 163/10 C09D 5/44 C08G 59/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変性エポキシ樹脂/アミン付加物を基材と
    するカソード析出形塗料バインダーに於て、該バインダ
    ーが変性エポキシ樹脂/アミン付加物に対して一般式 (式中、R1は式 で表わされる同一又は異なる基であり、 R2は式 −CnH2n+1又は−O−CnH2n+1 で表わされる同一又は異なる基であり、 R3は式 で表わされる基であり、 R4は水素原子又はメチル基であり、 n及びmは2乃至8の整数であるが、R2の場合にはnは
    8乃至20の整数である) で表わされる変性剤を5乃至30重量%、好ましくは10乃
    至20重量%含有し、そして該変性剤は少なくとも2モル
    のジエポキシ樹脂又はポリエポキシ樹脂と、第一級−第
    三級ジアミンと、第一級及び/又は第二級アルキルアミ
    ン及び/又はアルカノールアミンと反応してエポキシ樹
    脂/アミン付加物を形成しており、該エポキシ樹脂/ア
    ミン付加物はエポキシ基を含有せず、酸による中和後水
    稀釈性となり、重量平均分子量が4000乃至16000、又は
    数平均分子量が1500乃至3000、ガラス転移温度が+20乃
    至+40℃、アミン価が少なくとも20mg KOH/gであること
    を特徴とするカソード析出形塗料バインダー。
  2. 【請求項2】(A)ジ第一級脂肪族ジアミン又はポリア
    ミンと、炭素数が8乃至20である脂肪族基を有する脂肪
    族モノグリシジル化合物及び/又はモノエポキシド化合
    物とを、反応生成物が2個の第二級アミノ基を有するよ
    うな量比で、不活性溶剤中で40乃至60℃で反応させて中
    間生成物を生成し、 (B)該中間生成物2モルとジグリシジル化合物1モル
    とを40乃至80℃で反応させて変性剤を生成し、 (C)1分子中に2個の第二級アミノ基を含有し、ガラ
    ス転移温度が−15℃より低い(A)と(B)工程で生成
    した変性剤の5乃至30重量%、好ましくは10乃至20重量
    %(変性エポキシ樹脂/アミン付加物基準で)を、ジ又
    はポリエポキシ樹脂と、第一級−第三級ジアミンと、第
    一級及び/又は第二級アルキルアミン及び/又はアルカ
    ノールアミンと反応させて、エポキシ基を含有せず、酸
    による中和後水稀釈性となり、重量平均分子量が4000乃
    至16000、又は数平均分子量が1500乃至3000、ガラス転
    移温度が+20乃至+40℃、アミン価が少なくとも20mg K
    OH/gであるエポキシ樹脂/アミン付加物を生成すること
    を特徴とする変性エポキシ樹脂/アミン付加物を基材と
    するカソード析出形塗料バインダーの製造方法。
  3. 【請求項3】ジエチレントリアミンのジ第一級脂肪族ポ
    リアミンとして使用する請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】電着塗料を配合するための請求項1記載の
    塗料バインダーの使用。
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