JP2949422B2 - 接着剤用剥離剤組成物 - Google Patents

接着剤用剥離剤組成物

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JP2949422B2
JP2949422B2 JP35616696A JP35616696A JP2949422B2 JP 2949422 B2 JP2949422 B2 JP 2949422B2 JP 35616696 A JP35616696 A JP 35616696A JP 35616696 A JP35616696 A JP 35616696A JP 2949422 B2 JP2949422 B2 JP 2949422B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種接着剤用の剥離
剤組成物に関し、更に詳細には、シアノアクリレート系
接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル樹脂系接着剤
などの反応型接着剤の剥離性に優れた剥離剤組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】シアノアクリレート系接着剤、ポリウレ
タン系接着剤、アクリル樹脂系接着剤などは、モノマー
やオリゴマーを化学反応により硬化させて、接着皮膜を
形成させるタイプの接着剤であり、反応型接着剤として
分類されている。反応型接着剤は、一般民生用途を始
め、航空機、自動車、各種の輸送機、また電子・電気工
業、土木・建築分野などで広く使用されている。
【0003】電子・電気工業分野では、シリコン、ガリ
ウム・砒素、ガリウム・燐などの半導体・結晶材料、水
晶、石英、ガラスなどの電子部品関連材料、フェライ
ト、サマリウム・コバルトなどの磁性材料、磁気ヘッド
などの磁気材料、チタン酸バリウム、PZTなどの圧電
材料といった、金属、セラミックス材料などの加工工程
において、近年、歩留まり向上のために加工対象物が大
型化したり、部品の小型化により加工精度が急激に上が
ってきた。そのために反応型接着剤の使用量が増加し、
その要求接着強度も厳しくなってきている。
【0004】なかでも、チップコンデンサー、チップ抵
抗、磁気ヘッドなどの小さな部品の加工においては、一
般的には瞬間接着剤としてよく知られているシアノアク
リレート系接着剤の使用が増加してきている。シアノア
クリレート系接着剤はα−シアノアクリル酸メチル、α
−シアノアクリル酸エチル、α−シアノアクリル酸イソ
ブチルなどを主成分とするもので、短時間で高い接着強
度が得られるものとして、一般民生用途でも広く使用さ
れている。
【0005】従来、不要な反応型接着剤を剥離・除去す
る方法としては、トルエン、酢酸エチル、メチルエチル
ケトン、アセトン、ジメチルホルムアミドなどの有機溶
剤を紙や布などに含ませて必要な箇所を拭き取ったり、
滴下、注入、浸漬、刷毛塗りなどによって、接着剤を膨
潤させた後、へらなどでかき取るなどの方法が一般的で
あった。しかしながらこれらの方法では多量の有機溶剤
を使用するため、火災の危険性が大きく、蒸発飛散によ
りコスト的にも高くなり、さらに衛生上も問題が大きか
った。
【0006】一方、チップコンデンサー、チップ抵抗、
磁気ヘッドなどの小さな部品の加工などの工業用用途に
おいては、狭い隙間に形成された高い接着強度の接着剤
を短時間に多量に剥離しなければならないという困難さ
があった。
【0007】従来、この用途では、アセトンや塩化メチ
レンなどが用いられてきた。アセトンは引火点が低く、
衛生上の問題も有るために、取り扱う際に多くの制限を
受ける。塩化メチレンは、それだけでは洗浄力が不足す
るため、アルカリ洗浄剤と併用している場合もある上、
発ガン性の物質である可能性が有るため、排水、大気へ
の漏洩に対して厳しい規制が行われており、その使用の
削減・禁止が叫ばれている。
【0008】接着剤の剥離については、例えば、特開昭
60−20982号公報に、α−シアノアクリレートな
どの接着剤用のリムバー組成物として、沸点100℃以
上の溶媒にカルボキシル基含有高分子化合物とN−メチ
ルピロリドン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、プロ
ピレンカーボネートなどの高沸点化合物とを含有せしめ
てなる溶媒溶剤が示されている。しかし、このリムバー
組成物では、カルボキシル基含有高分子化合物を含むこ
とにより、組成物の粘度が高くなり、狭い隙間の中の接
着剤の剥離が困難であった。
【0009】特開平6−80940号公報には、熱や紫
外線等による硬化型接着剤による回路や電極等の接続部
の補修用に、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−
ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの窒
素元素を含む非ハロゲン系有機溶剤中に、HLBが4〜
16の非イオン性界面活性剤を含有する接着剤剥離用組
成物が示されている。しかし、この剥離剤組成物では、
接着強度の高い接着剤の剥離性が低い上に、火災の危険
性や衛生上の問題が有った。
【0010】特開平6−150229号公報には、セラ
ミックスを加工治具に接着するために用いるシアノアク
リレート系瞬間接着剤を洗浄する際に、昇温したN−メ
チルピロリドン中で接着剤を溶解して、超音波洗浄して
ブロックを加工治具より剥離した後、残存したN−メチ
ルピロリドンをイソプロピルアルコールで超音波洗浄を
行い、更に、フロロカーボンで蒸気洗浄を行う方法が示
されている。しかし、この洗浄方法の場合、接着強度の
高い接着剤の剥離性が低いこと、使用溶剤の引火性、環
境への影響の問題などの不都合が有った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
ようにこれまでに解決されたことのない課題を解決する
ことにある。即ち、従来の剥離剤および剥離方法の持つ
欠点を改良し、剥離性に優れ、剥離時間を短縮でき、さ
らには作業環境の改善ができる、安全性の高い剥離剤組
成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、分子構造の中に芳香
環構造を持ち、且つ酸素原子を有する有機溶剤と、特定
のアルキレンオキサイド化合物を組み合わせた剥離剤組
成物が剥離性に優れ、しかも安全性が高いことを見出
し、本発明を完成させた。
【0013】即ち、本発明の要旨は、 〔1〕 (a)分子構造の中に芳香環構造を持ち、且
つ酸素原子を有する有機溶剤、及び (b)一般式(1)及び(2
【0014】
【化3】
【0015】(式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキ
ル基又はアリル基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ炭素
原子数2〜4のアルキレン基を示す。R4 は水素原子又
は炭素原子数1〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4
のアシル基を示す。mは1〜7、nは0〜7の整数を示
す。)で示される化合物からなる群より選ばれる1種類
以上のアルキレンオキサイド化合物、を含有してなる
成物であって、成分(a)/成分(b)が重量比で50
/50〜99/1である接着剤用剥離剤組成物、 〔2〕 有機溶剤が一般式(4)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R5 は水素原子又は炭素原子数1
〜4の炭化水素基を示し、WはC=O、O、又はCH2
Oを示し、XはH、OH、OCH3 、CH3 、又は(R
6 O)k Hを示し、R6 は炭素原子数2〜3のアルキレ
ン基を示し、k は1〜3の整数を示す。)で示される芳
香族化合物である前記〔1〕記載の剥離剤組成物、〔3〕 接着剤がシアノアクリレート系接着剤である
前記〔1〕又は〔2〕記載の剥離剤組成物、に関するも
のである。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の接着剤用剥離剤組成物
は、(a)分子構造の中に芳香環構造を持ち、且つ酸素
原子を有する有機溶剤、及び(b)一般式(1)及び
(2
【0019】
【化5】
【0020】(式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキ
ル基又はアリル基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ炭素
原子数2〜4のアルキレン基を示す。R4 は水素原子又
は炭素原子数1〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4
のアシル基を示す。mは1〜7、nは0〜7の整数を示
す。)で示される化合物からなる群より選ばれる1種類
以上のアルキレンオキサイド化合物、を含有してなるも
のである。本発明の剥離剤組成物において、かかる有機
溶剤は単独で用いても良く、2種以上を併用して用いて
も良い。
【0021】本発明の剥離剤組成物で用いられる成分の
うち、(a)成分は、分子構造の中に芳香環構造を持
ち、且つ酸素原子を有する有機溶剤である。ここで、酸
素原子は極性基を構成する場合がある。
【0022】かかる極性基としては、例えば水酸基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニル基、カルボ
キシル基、アシル基、アロイル基、アセチル基、アルカ
ノイル基、アセトキシ基、グリコールエーテル基などが
挙げられる。
【0023】上記の条件を満たす有機溶剤の具体例とし
ては、以下に示す化合物が挙げられる。 (1)アルコール類として、ベンジルアルコール、4−
エチルベンジルアルコール、4−イソプロピルベンジル
アルコール、4−ブチルベンジルアルコール、4−t−
ブチルベンジルアルコール、3,5−ジメチルベンジル
アルコール、2−メトキシベンジルアルコール、3−メ
トキシベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアル
コール、2,4−ジメトキシベンジルアルコール、3,
4−ジメトキシベンジルアルコール、2,5−ジメトキ
シベンジルアルコール、3,5−ジメトキシベンジルア
ルコール、2−エトキシベンジルアルコール、4−エト
キシベンジルアルコール、4−ブトキシベンジルアルコ
ール、3−エトキシ−4−メトキシベンジルアルコー
ル、4−エトキシ−3−メトキシベンジルアルコール、
2−メトキシ−α−メチルベンジルアルコール、1,2
−ベンゼンジメタノール、1,3−ベンゼンジメタノー
ル、1,4−ベンゼンジメタノール、s−フェネチルア
ルコール、2−フェニル−2−プロパノール、1,2−
ジフェニル−2−プロパノール、1−フェニル−1−プ
ロパノール、2−メチル−1−フェニル−1−プロパノ
ール、2,2−ジメチル−1−フェニル−1−プロパノ
ール、1−フェニル−1−ブタノール、フェネチルアル
コール、1−フェニル−2−プロパノール、2−フェニ
ル−1−プロパノール、2−メチル−1−フェニル−2
−プロパノール、α−エチルフェネチルアルコール、β
−エチルフェネチルアルコール、2−メトキシ−2−フ
ェニルエタノール、1−フェニル−2−ペンタノール、
3−フェニル−1−プロパノール、2,2−ジメチル−
3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−
ブタノール、3−フェニル−1−ブタノール、2−フェ
ニル−2−ブタノール、5−フェニル−1−ペンタノー
ル、6−フェニル−1−ヘキサノール、1−フェニル−
1,2−エタンジオール、3−フェノキシ−1,2−プ
ロパンジオール、2−ベンジルオキシ−1,3−プロパ
ンジオール、2−メチルフェネチルアルコール、2−メ
トキシフェネチルアルコール、1−(2−メトキシフェ
ニル)−2−プロパノール、3−メトキシフェネチルア
ルコール、4−メチルフェネチルアルコール、4−メト
キシフェネチルアルコール等。
【0024】(2)エーテル類として、アニソール、2
−メチルアニソール、3−メチルアニソール、4−メチ
ルアニソール、2−エトキシアニソール、フェネトー
ル、4−メチルフェネトール、イソプロピルフェニルエ
ーテル、ブチルフェニルエーテル、シクロヘキシルフェ
ニルエーテル、ベンジルメチルエーテル、ベンジルエチ
ルエーテル、ベンジルイソプロピルエーテル、ベンジル
ブチルエーテル、ベンジルシクロヘキシルエーテル、ベ
ンジルフェニルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジ
フェニルエーテル、ジベンジルエーテル、ジ(α−メチ
ルベンジル)エーテル、ベラトロール、1,3−ジメト
キシベンゼン、1,4−ジメトキシベンゼン等。
【0025】(3)アルデヒド類として、ベンズアルデ
ヒド、2−エトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメト
キシベンズアルデヒド、2,5−ジメトキシベンズアル
デヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド、3,5
−ジメトキシベンズアルデヒド、2,4,6−トリメト
キシベンズアルデヒド、3,4,5−トリメトキシベン
ズアルデヒド、2,4,5−トリメトキシベンズアルデ
ヒド、3−エトキシ−4−メトキシベンズアルデヒド、
サリチルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、2−
フェニルプロピオンアルデヒド、3−フェニルブチルア
ルデヒド等。
【0026】(4)ケトン類として、p−メチルアセト
フェノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロ
フェノン、イソブチロフェノン、バレロフェノン、2,
2−ジメチルプロピオフェノン、ヘキサノフェノン、ヘ
プタノフェノン、シクロヘキシルフェニルケトン、2−
メトキシフェニルアセトン、3−メトキシフェニルアセ
トン、4−メトキシフェニルアセトン、3,4−ジメト
キシフェニルアセトン、ベンジルメチルケトン、ベンジ
ルエチルケトン、ベンジルイソプロピルケトン、ベンジ
ルブチルケトン、ベンジルシクロヘキシルケトン、ベン
ジルフェニルケトン、ジフェニルケトン、ジベンジルケ
トン、ジ(α−メチルベンジル)ケトン、4−(4−メ
トキシフェニル)−2−ブタノン、ベンジルアセトン
等。
【0027】(5)有機酸類として、安息香酸、1,
2,3,6−テトラヒドロ安息香酸等。 (6)フェノール類として、ノニルフェノール等。 (7)エステル類として、フェニル酢酸エチル、酢酸ベ
ンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、安息
香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸イソプロピ
ル、安息香酸ブチル、サリチル酸メチル、サリチル酸イ
ソアミル、サリチル酸ベンジル、フタル酸ジメチル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、フタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジアミル、フタル酸ジ−n−ヘキシル、ギ
酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、ケイ皮酸エチル
等。
【0028】(8)グリコールエーテル化合物類とし
て、(POE)13 モノフェニルエーテル、(PO
E)13 モノベンジルエーテル、(POP)13
ノフェニルエーテル、(POP)13 モノベンジルエ
ーテル、(POE)13 モノフェニルエーテルアセテ
ート等。
【0029】有機溶剤としては、一般式(4)
【0030】
【化6】
【0031】(式中、R5 は水素原子又は炭素原子数1
〜4の炭化水素基を示し、WはC=O、O、又はCH2
Oを示し、XはH、OH、OCH3 、CH3 、又は(R
6 O)k Hを示し、R6 は炭素原子数2〜3のアルキレ
ン基を示し、k は1〜3の整数を示す。)で示される芳
香族化合物が、剥離性の観点からより好ましい。
【0032】一般式(4)で示される芳香族化合物の具
体例としては、ベンジルアルコール、4−エチルベンジ
ルアルコール、アニソール、ベンジルメチルエーテル、
ベンズアルデヒド、アセトフェノン、安息香酸、安息香
酸メチル、(POE)13モノフェニルエーテル、
(POE)13 モノベンジルエーテル、(POP)1
3 モノフェニルエーテル、(POP)13 モノベン
ジルエーテルが挙げられる。
【0033】又、上記の有機溶剤の引火点は特に限定さ
れるものではないが、安全性を確保する観点から通常の
使用温度より高いことが好ましい。具体的には80℃以
上が好ましく、より好ましくは90℃以上、特に好まし
くは100℃以上である。
【0034】本発明の剥離剤組成物で用いられる成分の
うち、(b)成分としては、前記一般式(1)及び
(2で示される化合物からなる群より選ばれる1種類
以上のアルキレンオキサイド化合物である。
【0035】
【化7】
【0036】(式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキ
ル基又はアリル基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ炭素
原子数2〜4のアルキレン基を示す。R4 は水素原子又
は炭素原子数1〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4
のアシル基を示す。mは1〜7、nは0〜7の整数を示
す。)
【0037】一般式(1)及び(2中、R1 は炭素原
子数1〜8のアルキル基又はアリル基であるが、リンス
時の水に対する溶解性の点から炭素原子数2〜6のアル
キル基又はアリル基であることが好ましい。R1 が炭
水素基でない場合、水などの他の成分を配合する際の相
溶性が低下する場合がある。R2 、R3 は製造上の容易
性の点から、それぞれ炭素原子数2〜4のアルキレン基
であることが好ましい。炭素原子数が2未満のものは製
造が非常に困難である。また炭素原子数が4を越えるも
のは剥離後のリンス性が低下する場合があるばかりでは
なく、非常に高価で入手が困難でもある。R4 は水素原
子、炭素原子数1〜4のアルキル基、又は炭素原子数1
〜4のアシル基を示すが、炭素原子数が4を越えるもの
は、剥離後のリンス性が低下する場合がある。
【0038】また、mは1〜7、nは0〜7の整数であ
る。ここで、m+nは1〜14の範囲となるが、水に対
する溶解性の点、他の成分との相溶性の点からm+nは
2〜4の範囲が好ましい。かかるアルキレンオキサイド
化合物は1種を単独で用いても良く、2種類以上を併用
してもよい。
【0039】かかるアルキレンオキサイド化合物の具体
例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノ
ール等の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルコー
ル類;フェノール、クレゾール等のフェノール類;シク
ロヘキサノール等の脂環族のアルコール類;酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、ヘキサン酸、イソオクチル酸等の直鎖
又は分岐鎖のアルキル基を有する脂肪酸;メタクリル
酸、安息香酸等の有機カルボン酸;エチルアミン、ジエ
チルアミン、ヘキシルアミン、ジブチルアミン、オクチ
ルアミン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン等の
直鎖、分岐鎖、芳香族又は脂環族の炭化水素基を有する
アミン系化合物などに、アルキレン(エチレン、プロピ
レン、ブチレン)オキサイドを単独又は配合付加させた
ものが挙げられ、更に、これらのアルキレンオキサイド
付加物の末端水酸基をアルキルクロライド等によりメチ
ル化、エチル化又はブチル化したり、酢酸やプロピオン
酸等でエステル化した化合物が挙げられる。
【0040】一般式(1)で表されるアルキレンオキサ
イド化合物の具体例としては、以下に示す化合物が挙げ
られる。エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ペンタエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノメチル
エーテル、ヘプタエチレングリコールモノメチルエーテ
ル(上記の化合物をそれぞれ(POE)1 モノメチルエ
ーテル、(POE)2 モノメチルエーテル、(POE)
3 モノメチルエーテル、(POE)4 モノメチルエーテ
ル、(POE)5 モノメチルエーテル、(POE)6
ノメチルエーテル、(POE)7 モノメチルエーテル、
と略記する場合がある。また、これらの化合物をまとめ
て(POE)17 モノメチルエーテルと略記する場合
がある。なお、同様の化合物等はそれに対応した表現で
上記と同様に略記する場合がある。)。
【0041】(POE)17 モノエチルエーテル、
(POE)17 モノプロピルエーテル、(POE)1
7 モノブチルエーテル、(POE)17 モノイソブ
チルエーテル、(POE)17 モノアリルエーテル、
(POE)17 モノヘキシルエーテル、(POE)1
7 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(POE)1
7 モノオクチルエーテル、(POE)4 7 モノフェニ
ルエーテル、(POE)4 7 モノベンジルエーテル等
のエチレングリコールモノエーテル類。
【0042】(POE)17 ジメチルエーテル、(P
OE)17 ジエチルエーテル、(POE)17 ジプ
ロピルエーテル、(POE)17 ジブチルエーテル、
(POE)17 ジイソブチルエーテル、(POE)1
7 ジアリルエーテル、(POE)17 ジヘキシルエ
ーテル、(POE)17 ジ2−エチルヘキシルエーテ
ル、(POE)17 ジオクチルエーテル、(POE)
17 ジフェニルエーテル、(POE)17 ジベンジ
ルエーテル、(POE)17 エチルメチルエーテル、
(POE)17 ブチルメチルエーテル、(POE)1
7 2−エチルヘキシルメチルエーテル、(POE)1
7 イソプロピルメチルエーテル、(POE)17
ソプロピルエチルエーテル等のエチレングリコールジエ
ーテル類。
【0043】(POP)17 モノメチルエーテル、
(POP)17 モノエチルエーテル、(POP)1
7 モノプロピルエーテル、(POP)17 モノブチル
エーテル、(POP)17 モノイソブチルエーテル、
(POP)17 モノアリルエーテル、(POP)1
7 モノヘキシルエーテル、(POP)17 モノ2−エ
チルヘキシルエーテル、(POP)17 モノオクチル
エーテル、(POP)47 モノフェニルエーテル、
(POP)4 7 モノベンジルエーテル等のプロピレン
グリコールモノエーテル類。なお、(POP)とは、エ
チレンをプロピレンとする以外は、(POE)と同様の
略号である。
【0044】(POP)17 ジメチルエーテル、(P
OP)17 ジエチルエーテル、(POP)17 ジプ
ロピルエーテル、(POP)17 ジブチルエーテル、
(POP)17 ジイソブチルエーテル、(POP)1
7 ジアリルエーテル、(POP)17 ジヘキシルエ
ーテル、(POP)17 ジ2−エチルヘキシルエーテ
ル、(POP)17 ジオクチルエーテル、(POP)
17 ジフェニルエーテル、(POP)17 ジベンジ
ルエーテル、(POP)17 エチルメチルエーテル、
(POP)17 ブチルメチルエーテル、(POP)1
7 2−エチルヘキシルメチルエーテル、(POP)1
7 イソプロピルメチルエーテル、(POP)17
ソプロピルエチルエーテル等のプロピレングリコールジ
エーテル類。
【0045】(POE)17 モノメチルエーテルアセ
テート、(POE)17 モノエチルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノプロピルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノブチルエーテルアセテート、
(POE)17 モノイソブチルエーテルアセテート、
(POE)17 モノアリルエーテルアセテート、(P
OE)17 モノヘキシルエーテルアセテート、(PO
E)17 モノ2−エチルヘキシルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノオクチルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノフェニルエーテルアセテー
ト、(POE)17 モノベンジルエーテルアセテート
等のエチレングリコールモノエーテルアセテート類。
【0046】(POP)17 モノメチルエーテルアセ
テート、(POP)17 モノエチルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノプロピルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノブチルエーテルアセテート、
(POP)17 モノイソブチルエーテルアセテート、
(POP)17 モノアリルエーテルアセテート、(P
OP)17 モノヘキシルエーテルアセテート、(PO
P)17 モノ2−エチルヘキシルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノオクチルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノフェニルエーテルアセテー
ト、(POP)17 モノベンジルエーテルアセテート
等のプロピレングリコールモノエーテルアセテート類。
【0047】プロピレングリコールジアセテート等のモ
ノプロピレングリコールジアセテート類。 上記の炭化水素基の原料である直鎖又は分岐鎖のアルキ
ル基を有するアルコール類、脂環式のアルコール類にエ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドをブロック及
びランダムに付加させた化合物、即ち、(POE)1
7 (POP)17 モノエーテル類;(POE)17
(POP)17 ジエーテル類。
【0048】一般式(2)で表されるアルキレンオキサ
イド化合物の具体例としては、上記の炭化水素基の原料
である直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するアルコール
類、脂環式のアルコール類の代わりに酢酸、プロピオン
酸、酪酸、ヘキサン酸、イソオクチル酸等の直鎖又は分
岐鎖のアルキル基を有する脂肪酸、メタクリル酸、安息
香酸等の有機カルボン酸を用いた化合物が挙げられる。
【0049】例えば、(POE)17 モノメチルエス
テル、(POE)17 モノエチルエステル、酪酸の
(POP)17 付加物((POP)17 酪酸)、メ
タクリル酸の(POE)17 付加物、安息香酸の(P
OE)17 付加物等のグリコールモノエステル類;
(POE)17 ジメチルエステル、(POE)17
ジエチルエステル等のグリコールジエステル類などが挙
げられる。
【0050】
【0051】
【0052】上記化合物の中でも、一般式(1)で表さ
れるアルキレンオキサイド化合物が入手のし易さの観点
から好ましい。さらに、以下に列挙するものが剥離性や
剥離後のすすぎ性、水などの他の成分を配合する際の相
溶性の観点から好ましく用いられる。(POE)15
モノメチルエーテル、(POE)15 モノエチルエー
テル、(POE)15 モノプロピルエーテル、(PO
E)15 モノブチルエーテル、(POE)12 モノ
イソブチルエーテル、(POE)12 モノアリルエー
テル、(POE)12 モノヘキシルエーテル、(PO
E)12 モノ2−エチルヘキシルエーテル、(PO
E)4 5 モノフェニルエーテル、(POE)4 5
ノベンジルエーテル;
【0053】(POE)14 ジメチルエーテル、(P
OE)12 ジエチルエーテル、(POE)12 ジプ
ロピルエーテル、(POE)12 ジブチルエーテル、
(POE)2 エチルメチルエーテル、(POE)2 ブチ
ルメチルエーテル、(POE)2 2−エチルヘキシルメ
チルエーテル;(POP)13 モノメチルエーテル、
(POP)13 モノエチルエーテル、(POP)1
3 モノプロピルエーテル、(POP)13 モノブチル
エーテル、(POP)4 5 モノフェニルエーテル、
(POP)4 5 モノベンジルエーテル;
【0054】(POP)13 ジメチルエーテル、(P
OP)12 ジエチルエーテル、(POP)12 ジプ
ロピルエーテル、(POP)12 ジブチルエーテル、
(POP)2 イソプロピルメチルエーテル、(POP)
2 イソプロピルエチルエーテル;(POE)12 モノ
メチルエーテルアセテート、(POE)12 モノエチ
ルエーテルアセテート、(POE)12 モノプロピル
エーテルアセテート、(POE)12 モノブチルエー
テルアセテート;(POP)1 モノメチルエーテルアセ
テート、(POP)1 モノエチルエーテルアセテート、
(POP)1 ジアセテート。
【0055】これらのアルキレンオキサイド化合物は、
例えば炭素原子数1〜8の炭化水素基を有するアルコー
ル、フェノール、脂肪酸、有機カルボン酸、アミン系化
合物に苛性ソーダ等の触媒の存在下、加熱しながら炭素
原子数2〜4のアルキレンオキサイド(エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)
を液状又は気体状で加えて反応させることにより得られ
る。また、更にこれらのアルキレンオキシド付加物の末
端水酸基を、アルキルクロライド等を用いてアルキル化
したものや、有機酸等を用いてエステル化したものを用
いることができる。アルキレンオキサイドを付加させる
場合には、2種類以上のアルキレンオキサイドを混合し
て反応させるランダム付加重合又はアルキレンオキサイ
ドを順次付加させるブロック付加重合を行ってもよい。
【0056】本発明の剥離剤組成物では、剥離性や剥離
後のすすぎ性、水などの他の成分を配合する際の相溶性
を向上させる目的で、アニオン性界面活性剤、カチオン
性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両イオン性界面
活性剤等の界面活性剤を併用することができる。
【0057】また、本発明の剥離剤組成物は非水系で用
いても良く、水で適当な濃度に希釈して用いても良い。
水で希釈して用いる場合、水の添加量としては特に限定
されるものではないが、安全性及び剥離性の観点から、
好ましくは剥離剤組成物100重量部に対して3〜19
00重量部であり、より好ましくは10〜900重量部
である。希釈に用いられる水は、本発明の剥離剤組成物
の効果を損なわないものであれば特に限定されるもので
はなく、超純水、純水、イオン交換水、蒸留水、通常の
水道水等が用いられる。
【0058】本発明の剥離剤組成物においては、本発明
の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、通常剥離剤
や洗浄剤に用いられる、ヒドロキシエチルアミノ酢酸、
ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミンテト
ラ酢酸などのアミノカルボン酸又はその塩などのキレー
ト力を持つ化合物、防腐剤、防錆剤、シリコーンなどの
消泡剤、酸化防止剤、窒素原子数が1〜5であって分子
量が50〜300の範囲のアミン系化合物;アルカノー
ルアミン類、モルホリン類、環式アミン類、ポリアミン
類、直鎖、分岐鎖アルキルアミン類などのアミン系化合
物、ヤシ脂肪酸メチルや酢酸ベンジルなどのエステル、
炭化水素系溶剤あるいはアルコール類などを適宜併用す
ることができる。
【0059】本発明の剥離剤組成物は、前記成分及び任
意成分などを常法により混合することにより製造するこ
とができる。
【0060】本発明の剥離剤組成物中の上記の両成分の
配合比は特に限定されるものではないが、成分(a)/
成分(b)が重量比で50/50〜99/1の範囲が好
ましく、65/35〜95/5の範囲がより好ましく、
80/20〜90/10の範囲が特に好ましい。接着剤
の剥離性の観点から、上記配合比は50/50以上が好
ましく、水などの他の成分を配合する際の相溶性や、接
着剤剥離後の水でのすすぎ性の観点から、99/1以下
が好ましい。
【0061】また、本発明の剥離剤組成物における、成
分(a)、成分(b)の含有量の総量は5〜100重量
%が好ましく、10〜95重量%がより好ましく、20
〜90重量%が特に好ましい。
【0062】本発明の剥離剤組成物を用いる接着剤の剥
離方法としては、上記の剥離剤組成物を用いること以外
は特に限定されるものではなく、通常用いられる公知の
方法が使用できる。
【0063】本発明の剥離剤組成物又はその水溶液を加
熱して、熱による接着剤の軟化効果を併用すれば、より
短時間での剥離が可能であるため好ましい。剥離剤組成
物の水溶液を用いる場合、さらに剥離剤組成物の持ち出
し量が少なくて済み、より経済的でもある。このときの
温度は、80℃以上が好ましく、85℃以上が特に好ま
しい。
【0064】なお、剥離工程で物理力は特に必要ではな
いが、例えば、バブリング、超音波、揺動、液中噴流な
どの各種の物理力を単独又は組み合わせて行うこともで
きる。
【0065】一般民生用途での不要な接着剤を剥離・除
去する方法は特に限定されるものではない。具体的に
は、従来のトルエン、酢酸エチル、メチルエチルケト
ン、アセトン、ジメチルホルムアミドなどと同様に、紙
や布などに含ませて必要な箇所を拭き取ったり、滴下、
注入、浸漬、刷毛塗りなどによって接着剤を膨潤させた
後、へらなどでかき取るなどの通常行われる公知の方法
に準じて、即ち、従来の有機溶剤の代わりに本発明の剥
離剤組成物を用いて剥離・除去を行うことができる。
【0066】一方、チップコンデンサー、チップ抵抗、
磁気ヘッドなどの小さな部品の加工後の固定治具及び仮
止め用接着剤の剥離方法も特に限定されることはない。
具体的には、従来のアセトンや塩化メチレンなどに浸漬
するなどの通常行われる公知の方法に準じて、即ち、従
来の有機溶剤の代わりに本発明の剥離剤組成物を用いて
行うことができる。例えば、本発明の剥離剤組成物をそ
のまま利用する方法としては、所定のサイズにカッティ
ングされたチップコンデンサー、チップ抵抗など、或い
は、トラック加工された磁気ヘッドなどを洗浄治具に入
れ、本発明の剥離剤組成物に浸漬し、好ましくは60℃
以上に、より好ましくは70℃以上に加熱することによ
って、短時間に剥離することができる。
【0067】本発明の剥離剤組成物は反応型接着剤の剥
離に好適に適用されるものである。かかる反応型接着剤
としては、一般民生用途に加えて、シリコン、ガリウム
・砒素、ガリウム・燐などの半導体・結晶材料;水晶、
石英、ガラスなどの電子部品関連材料;フェライト、サ
マリウム・コバルトなどの磁性材料;磁気ヘッドなどの
磁気材料;チタン酸バリウム、PZTなどの圧電材料な
ど、金属、セラミックス材料からなる群より選ばれる1
種類以上の材料の加工工程で用いられる反応型接着剤が
例示される。また、加工工程としては、例えばかかる材
料の切断、研削、研磨などの加工工程が例示される。な
かでも、チップコンデンサー、チップ抵抗、磁気ヘッド
などの小さな部品の加工後の治具、及び仮止め用接着剤
に使用される反応型接着剤の剥離に対して特に好ましく
適用される。
【0068】本発明の剥離剤組成物は、シアノアクリレ
ート系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル樹脂系
接着剤などの反応型接着剤の剥離に適用されるものであ
る。とりわけ、α−シアノアクリル酸メチル、α−シア
ノアクリル酸エチル、α−シアノアクリル酸イソブチル
などを主成分とするシアノアクリレート系接着剤の剥離
に対して特に好ましく適用される。
【0069】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例をもって詳
細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に何ら制限
されるものではない。
【0070】実施例1〜13及び比較例1〜10 表1〜表4に示す組成(組成比単位は重量%)の各種剥
離剤組成物を調製し、これらの剥離剤組成物を用いて、
下記3種類の接着剤の剥離性を評価した。
【0071】〔シアノアクリレート系接着剤の剥離性〕
1.1mm×76mm×26mmのスライドガラス(MI
CRO SLIDE GLASS S-1112、松浪硝子工業(株)製)に、
0.1mm×18mm×18mmのカバーガラス(MICR
O COVERGLASS TROPHY 、松浪硝子工業(株)製)3枚
を、α−シアノアクリレート接着剤:アロンアルファ2
01(東亜合成製)を用いて、4〜5mg/cm2 の塗
布量で接着し、24時間室温下で放置した。このものを
剥離試験のテストピースとした。
【0072】〔ポリウレタン系接着剤の剥離性〕1.1
mm×76mm×26mmのスライドガラス(MICRO SL
IDE GLASS S-1112、松浪硝子工業(株)製)に、0.1
mm×18mm×18mmのカバーガラス(MICRO COVE
RGLASS TROPHY 、松浪硝子工業(株)製)3枚を、ポリ
ウレタン系接着剤:スーパークリア(ヘンケル白水製)
を用いて、10〜11mg/cm2 の塗布量で接着し、
24時間室温下で放置した。このものを剥離試験のテス
トピースとした。
【0073】〔アクリル樹脂系接着剤の剥離性〕1.1
mm×76mm×26mmのスライドガラス(MICRO SL
IDE GLASS S-1112、松浪硝子工業(株)製)に、0.1
mm×18mm×18mmのカバーガラス(MICRO COVE
RGLASS TROPHY 、松浪硝子工業(株)製)3枚を、アク
リル樹脂系接着剤:ボンド コニーワン(コニシ製)を
用いて(A液:B液=2:1.5(重量比))、6〜7
mg/cm2 の塗布量で接着し、24時間室温下で放置
した。このものを剥離試験のテストピースとした。 A液=アクリル樹脂(100重量%) B液=アミン系化合物:アクリル樹脂:アセトン(8
5:10:5(重量%))
【0074】各種剥離剤組成物の中に上記テストピース
を立てて浸漬して、表1〜表4記載の剥離条件(温度、
浸漬条件)下で、3枚のカバーガラスがそれぞれ剥離落
下するまでの時間を測定し、それらの平均値を取って剥
離時間(分)とした。この場合、剥離時間の数値が小さ
いものほど、短い時間で反応型接着剤が剥離したこと、
即ち、剥離性能が良好なことを表す。なお、表1〜表4
に剥離剤組成物の組成、剥離条件、及び剥離時間を示
す。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】表1〜表4より、特定の構造を有する有機
溶剤及びアルキレンオキサイド化合物が配合された本発
明の剥離剤組成物は、良好な剥離性を示すことが分かっ
た(実施例1〜実施例13)。さらに本発明の剥離剤組
成物はアセトンや塩化メチレンを配合する必要がないた
め、安全性が高く、作業環境もより良好にできる。一
方、比較例から、有機溶剤及びアルキレンオキサイド化
合物のいずれかが、又はいずれもが本発明の範囲外の構
造の組成物は剥離性に劣ることが示された。
【0080】
【発明の効果】本発明の剥離剤組成物は、剥離性に優
れ、剥離時間を短縮でき、生産性を向上できるものであ
る。また、アセトンや塩化メチレンを用いないため、作
業環境の改善ができ、高い安全性が達成され得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C11D 7/50 C11D 7/26 C11D 7/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)分子構造の中に芳香環構造を持
    ち、且つ酸素原子を有する有機溶剤、及び (b)一般式(1)及び(2 【化1】 (式中、R1 は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアリ
    ル基を示し、R2 及びR3 はそれぞれ炭素原子数2〜4
    のアルキレン基を示す。R4 は水素原子又は炭素原子数
    1〜4のアルキル基又は炭素原子数1〜4のアシル基を
    示す。mは1〜7、nは0〜7の整数を示す。)で示さ
    れる化合物からなる群より選ばれる1種類以上のアルキ
    レンオキサイド化合物、を含有してなる組成物であっ
    て、成分(a)/成分(b)が重量比で50/50〜9
    9/1である接着剤用剥離剤組成物。
  2. 【請求項2】 有機溶剤が一般式(4) 【化2】 (式中、R5 は水素原子又は炭素原子数1〜4の炭化水
    素基を示し、WはC=O、O、又はCH2 Oを示し、X
    はH、OH、OCH3 、CH3 、又は(R6 O)k Hを
    示し、R6 は炭素原子数2〜3のアルキレン基を示し、
    k は1〜3の整数を示す。)で示される芳香族化合物で
    ある請求項1記載の剥離剤組成物。
  3. 【請求項3】 接着剤がシアノアクリレート系接着剤で
    ある請求項1又は2記載の剥離剤組成物。
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