JPH1010779A - 重合トナー及びその製造方法 - Google Patents

重合トナー及びその製造方法

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JPH1010779A
JPH1010779A JP16415996A JP16415996A JPH1010779A JP H1010779 A JPH1010779 A JP H1010779A JP 16415996 A JP16415996 A JP 16415996A JP 16415996 A JP16415996 A JP 16415996A JP H1010779 A JPH1010779 A JP H1010779A
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JP
Japan
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polymer particles
toner
particles
solvent
control agent
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JP16415996A
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English (en)
Inventor
Tetsushi Tanabe
哲史 田部
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均一な粒度分布を持ち、且つ電子写真方式な
どで画像を形成するのに十分な帯電量を有し、カブリや
トナーの飛散のない高品質の画像を出力することができ
る重合トナー及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 単量体と重合開始剤とから合成された重
合粒子を、着色剤又は着色剤及び荷電制御剤を溶媒中に
混合した溶液により染着した重合トナーにおいて、ブロ
ーオフ帯電量測定装置により測定した帯電量の絶対値が
約5μc/g以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成用の重合
トナー及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トナーの製造は、粉砕法によって
行われることが多く、バインダー樹脂、着色剤、荷電制
御剤からなる材料を加熱混合し、冷却固化した固まりを
粉砕して微小粒子とする。混合した材料の粉砕を行うだ
けでは、広い粒度分布をもつので、粉砕法においては通
常、粒子の分級を行って粒子径を均一にしている。粉砕
法によって粒度分布を均一にする操作は、分級する装置
によるところが多く、粒度分布を均一にすることには限
界がある。
【0003】また、粒子径は粉砕法によれば、7μm程
度までが限界であり、トナーの粒子径を小さくすること
での高解像化は望めない。
【0004】これらの問題点を解決するためには、重合
法によるトナーの製造が望ましく、粒度分布を小さく、
粒子径を均一にすることが可能である。重合法によるト
ナーの製造方法には、分散重合による方法、縣濁重合に
よる方法、乳化重合した粒子の凝集体による方法があげ
られる。なかでも分散重合による方法が最も粒度分布を
狭くすることができる。
【0005】粒度分布が狭い画像形成用トナーの製造方
法としては、特開平3−121466号公報記載の分散
重合によって得られた着色剤を含まない重合粒子の表面
に染料を染着して着色する方法が知られている。また、
このような重合粒子を均一に帯電する能力を付与する方
法として、特開平4−308858号公報記載の荷電制
御剤を重合粒子に染着または吸着させる方法が知られて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の製造方法で製造
される画像形成用トナーは、溶媒中に染料または荷電制
御剤を溶解させ、この溶液中に重合粒子を分散し、得ら
れた分散液を加温、撹拌した後、染着された重合粒子を
乾燥することによってトナーを製造している。
【0007】このため、重合粒子を乾燥する際に、重合
粒子中に浸透せずに重合粒子の表面に溶液の状態で付着
している染料あるいは荷電制御剤が溶媒の蒸発とともに
析出し、染料や荷電制御剤が染着された重合粒子の表面
に、析出した染料や荷電制御剤が付着した状態となる。
この重合粒子の表面に付着した染料は、乾燥が進行する
過程において、隣接する重合粒子同士を接着させる働き
をし、乾燥終了後、重合粒子同士が凝集固着した状態と
なってしまう。
【0008】このように凝集固着してしまった重合粒子
は、例えばハイブリダイゼーションシステム(奈良機械
製作所社製)等を用いて機械的に力を加えることによっ
て解砕し、一次粒子とすることができるものの、凝集固
着が激しい場合には重合粒子自体が粉砕される場合があ
る。また、重合粒子表面に付着した染料や荷電制御剤が
あると、ハイブリダイゼーションシステム等の機械的な
力による凝集粒子の解砕によって剥離して微小な粒子が
できる。分散重合によって得られた重合粒子を用いるこ
との長所は、粒度分布の均一性にあるので、この長所を
減ずることになり、帯電性の均一性がなくなる。染料あ
るいは荷電制御剤のはがれた粒子の存在する重合トナー
を用いて電子写真方式によって画像を形成する場合、カ
ブリ、トナーの飛散等の画像の不良を生ずることにな
る。
【0009】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、均一な粒度分布を持ち、且つ電
子写真方式などで画像を形成するのに十分な帯電量を有
し、カブリやトナーの飛散のない高品質の画像を出力で
きる重合トナー及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の重合トナーは、単量体と
重合開始剤とから合成された重合粒子を、着色剤又は着
色剤及び荷電制御剤を溶媒中に混合した溶液により染着
したものを対象として、特に、ブローオフ帯電量測定装
置により測定した帯電量の絶対値が約5μc/g以上で
ある。従って、均一な粒度分布を持ち、かつ電子写真方
式などで画像を形成するのに十分な帯電量を有し、画像
形成装置等に使用した場合、カブリやトナーの飛散のな
い高品質の画像を出力することができる。
【0011】また、請求項2に記載の重合トナーの製造
方法は、単量体と重合開始剤とから重合粒子を合成し、
その重合粒子を着色剤又は着色剤及び荷電制御剤を溶媒
中に混合した溶液により染着するようにしたものを対象
として、特に、前記重合粒子を染着した後、余分な着色
剤及び/又は荷電制御剤を洗浄液により洗い流すもので
ある。従って、重合粒子表面に析出した染料および荷電
制御剤が除去され、且つ染着後の重合粒子同士の凝集及
び解砕時の微小な粒子の発生が防止されて、帯電能力及
び色濃度が高く、均一な粒度分布を有する重合トナーが
得られる。
【0012】また、請求項3に記載の重合トナーの製造
方法は、前記洗浄液として、前記溶媒の溶解度パラメー
ター値(以下SP値と称する)に対して約5.0以上の
差のSP値を有するものを用いている。従って、重合粒
子中に染着された染料および荷電制御剤は除去されにく
いので、重合粒子表面に析出した染料および荷電制御剤
のみが選択的に除去され、且つ染着後の重合粒子同士の
凝集及び解砕時の微小な粒子の発生が防止されて、帯電
能力及び色濃度が高く、均一な粒度分布を有する重合ト
ナーが得られる。
【0013】また、請求項4に記載の重合トナーの製造
方法は、前記洗浄液として、アルコール類と水との混合
溶液を用いている。従って、前記重合粒子のSP値との
差が大きく、重合粒子中に染着された着色剤や荷電制御
剤が非常に除去されにくく帯電能力と色濃度が高いトナ
ーを容易に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態を説明する。
【0015】本実施の形態の重合トナーは、単量体と重
合開始剤とから重合粒子を合成し、その重合粒子を着色
剤又は着色剤及び荷電制御剤を溶媒中に混合した溶液に
より染着し、その後、前記重合粒子より余分な着色剤及
び/又は荷電制御剤を洗浄液により洗い流して製造され
る。
【0016】前記重合粒子は、体積平均粒径が3〜20
μmの分散重合又は析出重合によって直接得られた樹脂
粒子であり、粒度分布が狭いものがより好ましい。ま
た、懸濁重合や、乳化重合で得られた粒子を凝集させた
もの、樹脂の塊を粉砕分級したものにも適用することが
できる。
【0017】また、樹脂としては、従来から画像形成用
トナー用樹脂として公知の種々の熱可塑性樹脂を用いる
ことができる。その具体例としては、スチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
2エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル類、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類、ビ
ニルホルメート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネ
ート等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、メタクリル
酸、アクリル酸、無水マレイン酸およびこれらの金属
塩、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジ
エチルアミノエチル等の官能基を有する単量体、メタク
リル酸トリフロロエチル、メタクリル酸テトラフロロプ
ロピル等のフッ素含有の単量体などを重合させた重合体
やこれらの単量体を2種以上共重合させた共重合体、あ
るいはそれらの混合物が挙げられる。
【0018】前記重合粒子は、画像形成用トナーとして
用いる場合、OHPへの適用のために透明性が高いこと
が望ましく、良好な現像画像を得るためには絶縁性が高
いことが望ましい。また、常温では力学的強度が高い必
要があり、且つ、多大のエネルギーを使用せずに軟化し
て、被描画物に定着されることが望ましい。以上より、
画像形成用トナーとして用いる場合には、スチレンと、
アクリル酸エステル類またはメタクリル酸エステル類の
うちの1種または複数種を単量体とする共重合体である
ことが特に望ましい。
【0019】前記単量体を溶解する有機溶媒は、例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノー
ル、n−アミルアルコール、s−アミルアルコール、t
−アミルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルブ
タノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノー
ル、n−オクタノール、n−デカノール、シクロヘキサ
ノール、n−ヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘ
プタノール、3−ペンタノール、メチルシクロヘキサノ
ール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−
ブタノール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、4
−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−1−ペンチ
ン−3−オール等のアルコール類を1種または2種類以
上を混合して使用することができる。さらに、これらの
アルコール類と併用して使用する有機溶媒としては、例
えば、ヘキサン、トルエン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、キシレン等の炭化水素溶媒、エチルベンジルエーテ
ル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジベンジ
レエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のエー
テル類、アセトアルデヒド、アセトン、アセトフェノ
ン、ジイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類、ギ酸エチル、酢酸エチル、
酢酸メチル、ステアリン酸エチル、サリチル酸メチル等
のエステル類と水があげられる。これらの溶媒は、アル
コールのSP値を調整するために用いられる。
【0020】前記単量体とともに溶媒中に混合する重合
開始剤の例としては、アゾビスイソブチロニトリル、過
酸化ベンゾイル等があげられる。
【0021】また、架橋剤として、ジビニルベンゼン、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパ
ン(トリ)メタクリレート、ペンタエリスリトールトリ
(メタ)アクレート等を加えても良い。
【0022】次に、前記重合粒子への染料の染着方法
は、特開平3−121466号公報に記載のように、重
合粒子が溶解しない有機溶媒に染料を分散、溶解させ、
その後重合粒子を分散させて、ガラス転移点温度以下に
保ちながら加熱し、撹拌する方法が挙げられる(以下、
染着に使用される溶媒を染着用溶媒と称する。)。ま
た、特開平3−179365号公報に記載のように染着
を行う際に超音波を用いても良い。重合粒子の染着に使
用する染料は、洗浄に使用される溶媒に溶解する必要が
あるが、一般に前記染着用溶媒に溶解する染料は本実施
の形態の洗浄用に使用される溶媒に対しても溶解性を有
するため、洗浄の可否によって染料の種類が制限される
ことはない。尚、染料は本発明の着色剤を構成するもの
である。
【0023】荷電制御剤についても、重合粒子への染着
は染料と同様の方法で染着することができる。有機溶媒
中に染料と荷電制御剤の双方を分散、溶解させておき、
同時に染着することもできる。また、染料と同様の理由
により、洗浄の可否によって染料の種類が制限されるこ
とはない。
【0024】次に、前記染着した重合粒子を洗浄する洗
浄液として使用し得る溶媒(以下洗浄用溶媒と称する)
は、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノー
ル、n−アミルアルコール、s−アミルアルコール、t
−アミルアルコール、イソアミルアルコール、イソブチ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、2−エチルブ
タノール、2−エチルヘキサノール、2−オクタノー
ル、n−オクタノール、n−デカノール、シクロヘキサ
ノール、n−ヘキサノール、2−ヘプタノール、3−ヘ
プタノール、3−ペンタノール、メチルシクロヘキサノ
ール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−
ブタノール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、4
−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−1−ペンチ
ン−3−オール、エチレングリーコール、グリセリン、
ジエチレングリコール等のアルコール類、メチルセロソ
ルブ、セロソルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ、エチレングリコールモノエチルエーテル、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル等のエーテルアルコール類、ヘキサン、
トルエン、シクロヘキサン、ベンゼン、キシレン等の炭
化水素溶媒、アセトン、アセトフェノン、ジイソブチル
ケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノンアセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチルベンジ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジプロピルエーテル、
ジベンジレエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル
等のエーテル類、ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸メチ
ル、ステアリン酸エチル、サリチル酸メチル等のエステ
ル類、アセトアルデヒド等のアルデヒド類などの有機溶
媒や水等があげられる。
【0025】そして、これらの1種類を単独で、又は2
種類以上を混合しすることにより、洗浄用溶媒のSP値
が、前記染着用溶媒のSP値と約5.0以上の差を有す
る溶媒として使用することができる。染着用溶媒のSP
値との差が約5.0以上異なる溶媒とする必要があるの
は、染着用溶媒に近似するSP値の溶媒を洗浄に用いる
と、着色剤や荷電制御剤が必要以上に洗浄剤に溶解しや
すく、さらに重合粒子を膨潤させる傾向があるため、重
合粒子中に染着された着色剤又は着色剤及び荷電制御剤
までもが洗浄剤中に溶解して、トナーとして十分な色濃
度や帯電量が得られない場合があるためである。
【0026】このため、重合粒子を膨潤させることな
く、重合粒子表面に付着した染料や荷電制御剤を溶解さ
せて除去する。よって、重合粒子中に染着された染料や
荷電制御剤は重合粒子に保持され、染着後に重合粒子表
面に付着している染料と荷電制御剤は除去される。よっ
て、キャリヤーと混合撹拌し、ブローオフ帯電量測定装
置によって測定した帯電量は、正帯電性の染料または荷
電制御剤を用いた場合は正に、負帯電性の染料または荷
電制御剤を用いた場合には負に約5μc/g以上のトナ
ーとなる。このような帯電能力を持っている場合、電子
写真方式あるいは特開平6−155798号公報記載の
トナー吐出方式などの方法でトナーとして使用して画像
を形成することができる。なお、本発明で使用する溶媒
SP値は、蒸発潜熱法によりBurrellの求めた値
を文献値から引用して適用しており、混合溶媒のSP値
は重量比とSP値の比より求めた。
【0027】ここで、ブローオフ帯電量測定装置とは、
鉄あるいはフェライトから構成された金属粒子と帯電量
を測定するための試料重合粒子の比率が1〜20重量%
になるように混合し、撹拌混合した後にケージ内から吹
き出した試料粒子の帯電量を測定する装置である。ケー
ジは、一方から圧縮空気が供給され、金属粒子は吹き飛
ばされないが、試料重合粒子は吹き飛ばされるようなメ
ッシュを配置してある。金属粒子と試料重合粒子は、接
触、摩擦帯電しており、ケージから試料重合粒子が吹き
飛ばされることで、ケージ内に残った金属粒子上の電荷
がケージ枠に誘起される。ケージは導電性材質でできて
おり、残った電荷量を電荷測定器で測定することで単位
重量あたりの試料重合粒子の帯電量を測定するものであ
る。金属粒子に残った電荷は、試料重合粒子と反対電荷
であるので測定された値が負であれば、試料重合粒子は
正の帯電をしている事になる。
【0028】本実施の形態のトナーの製造方法は、上述
のように染料および荷電制御剤が染着された重合粒子を
溶媒によって洗浄することを特徴とする。この際、重合
粒子の表面に付着している染料などによって凝集固着す
ることを防止するために、染着に用いた溶媒が乾燥する
前に洗浄を行うことが望ましい。
【0029】尚、前記重合粒子を、分散重合、即ち単量
体は溶解するが重合した重合体は溶解しない溶媒中で重
合を進行させる方法により製造する場合、本実施の形態
における分散重合で重合される重合体がスチレンアクリ
ル系の樹脂であるので、SP値が約8以下あるいは約1
0以上の溶媒を使用することが望ましい。
【0030】一方、洗浄用溶媒もSP値が約8以下ある
いは約10以上であることが望ましく、中でも、アルコ
ール類と水の混合洗浄液は好適に使用することができ
る。
【0031】SP値が約8以下の洗浄用溶媒としては、
ヘキサン、ヘプタン、ノルマルデカン等が使用可能であ
る。
【0032】さらに、アルコール類のSP値が11以上
であるとき最大にその効果は発揮される。SP値が11
以上のアルコール類としては、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコ
ール、ノルマルブチルアルコールなどが挙げられる。こ
れらのアルコール類はSP値が高く、樹脂とのSP値の
差が大きい。また、水素結合力が強いために、これらの
アルコール類を水と混合してSP値を約19以上とした
場合、重合粒子を膨潤させる作用は小さく、重合粒子中
に染着された染料および荷電制御剤はこれらの溶媒に溶
解、除去されにくい。さらに、SP値が約19以上のア
ルコール類と水との混合溶媒は、重合粒子中に染着され
た染料および荷電制御剤を抽出してしまうほどの溶解力
はないが、重合粒子表面に付着した染料および荷電制御
剤は溶解し、除去される。SP値が約11未満のアルコ
ール類やその他の有機溶媒を使用した場合、その有機溶
媒の性質として、重合粒子を膨潤させる傾向が強いの
で、水と混合してSP値を約19以上としても重合粒子
中に染着された染料や荷電制御剤を溶解して除去した
り、重合粒子同士を融着させてしまうおそれがある。
【0033】また、SP値が11以上のアルコール類の
中でもメタノールまたはエタノールを使用することが特
に好ましい。これは、SP値が高いために、洗浄用溶媒
中のアルコール類の濃度を高くすることができ、重合粒
子表面に付着した染料や荷電制御剤を除去しやすいこ
と。水素結合力が強く、また、SP値が高いため、重合
粒子を特に膨潤させにくいため、重合粒子同士を融着さ
せたり、重合粒子中に染着された染料などを除去してし
まう可能性が特に低いためである。
【0034】本実施の形態で用いる洗浄用溶媒のアルコ
ール類の濃度は、SP値が19以下になるように適宜決
定すればよいが、染着操作後の重合粒子を洗浄用溶媒に
分散させ、重合粒子表面に付着した染料および荷電制御
剤を十分に洗浄するためにはアルコール類の濃度を、好
ましくは重量比で約5%以上さらに好ましくは重量比で
約10%以上とすることが望ましい。
【0035】
【実施例】次に、前記実施の形態に基づく実施例及びそ
の比較例について説明する。
【0036】先ず、本実施の形態の重合トナーの製造方
法の実施例を以下に示す。
【0037】実施例1 重合粒子の製造方法を示す。撹拌機、コンデンサー、温
度計、ガス導入管を付した反応容器に、 メタノール 465重量部 2−プロパノール 19重量部 ポリビニルピロリドンK−30 20重量部 1−ヘキサデカノール 5重量部 スチレン 128重量部 アクリル酸エチル 38重量部 α、α’−アゾビスイソブチロニトリル 10重量部 を入れて撹拌して溶解させ、100rpmで撹拌しなが
ら、またガス導入管より窒素ガスをパージしながら60
℃に加熱する。尚、スチレン及びアクリル酸n−ブチル
は単量体であり、ポリビニルピロリドンK−30と1−
ヘキサデカノールは分散剤であり、メタノールと2−プ
ロパノールは溶媒である。
【0038】10時間重合を行い、前記溶解させたスチ
レン及びアクリル酸n−ブチルのほぼ全量を重合させた
後、氷水浴により5分のうちに20℃まで冷却し、得ら
れた重合粒子を濾別回収し、メタノールで洗浄し、室温
で48時間放置して乾燥した。このようにして得られた
重合粒子を走査電子顕微鏡により観察したところ球状に
形成されており、コールターカウンター(コールター社
製マルチサイザー2)で粒子径を測定したところ、体積
平均粒子径が5.9μmであった。
【0039】次に、重合粒子のトナー化方法を以下に示
す。
【0040】染料Kayalon Polyester
Black S200(日本化薬社製)と荷電制御剤
BONTRON E−84(オリエント化学社製)をメ
タノール(SP値14.5)に過剰に投入して撹拌した
後に、溶解しなかった染料と荷電制御剤を、濾別して分
離して得られた飽和溶液5重量部に、前記の方法で作製
した球状重合粒子1重量部を撹拌しながら投入して、分
散させ、温度を30℃として1時間撹拌を続け、染着さ
れた重合粒子を濾別回収した。
【0041】この濾別して得られた染着済みの重合粒子
を速やかに、メタノールと水を重量比で1:3(SP値
21.2・SP値は重量比より求めた)に混合した洗浄
用溶媒に投入し、1分間超音波をかけて重合粒子を洗浄
用溶媒中に分散させ、重合粒子を濾別回収することによ
って洗浄を行った。
【0042】洗浄後の重合粒子を、風乾したが激しい凝
集は見られず、ハイブリダイゼーションシステム(奈良
機械製作所社製NSH−0)に9700rpmで1分間
かけて解砕して1次粒子となった。この粒子の体積平均
粒子径は、重合後と同じ5.9μmであり、3μm以下
の小粒子が個数分布で6%であり、粒子径の変化はみら
れなかった。また、この粒子の帯電量をキャリヤー(関
東電化社製CM−100)と30分間撹拌混合した後
に、ブローオフ式帯電量測定装置(東芝化学社製)によ
って測定したところ−19.4μc/gであった。解砕
された染色球状重合粒子100重量部に疎水シリカ(ワ
ッカー社製 HDK H2000)3重量部を撹拌混合
して外添し、黒色トナーを得た。このトナーを市販のレ
ーザープリンター(沖電気工業社製マイクロライン40
0)のトナーカートリッジに充填して印字を試みたとこ
ろ、濃度で十分でカブリやトナーの飛散のない良好な画
像が得られた。
【0043】実施例2 撹拌機、コンデンサー、温度計、ガス導入管を付した反
応容器に、 メタノール 388重量部 2−プロパノール 97重量部 ポリビニルピロリドンK−30 20重量部 1−ヘキサデカノール 5重量部 スチレン 128重量部 アクリル酸エチル 38重量部 α、α’−アゾビスイソブチロニトリル 10重量部 を入れ 実施例1と同様の方法で重合反応を行って重合
粒子を得た。
【0044】この重合粒子を走査電子顕微鏡により観察
したところ球状に形成されており、コールターカウンタ
ー(コールター社製マルチサイザー2)で粒子径を測定
したところ、体積平均粒子径が9.4μmであった。染
料OIL YELLOW GG−S(オリエント化学社
製)をメタノール(SP値14.5)に過剰に投入して
撹拌した後に、溶解しなかった染料を、濾別して分離し
て得られた飽和溶液5重量部に、前記の方法で作製した
球状重合粒子1重量部を撹拌しながら投入して、分散さ
せ、温度を30℃として1時間撹拌を続け、染着された
重合粒子を濾別回収した。
【0045】この濾別して得られた染着済みの重合粒子
を速やかに、メタノールと水を重量比で1:3(SP値
21.2・SP値は重量比より求めた)に混合した洗浄
用溶媒に投入し、1分間超音波をかけて重合粒子を洗浄
用溶媒中に分散させ、重合粒子を濾別回収することによ
って洗浄を行った。
【0046】洗浄後の重合粒子を、風乾したが激しい凝
集は見られず、ハイブリダイゼーションシステム(奈良
機械製作所社製NSH−0)に9700rpmで1分間
かけて解砕して1次粒子となった。この粒子の体積平均
粒子径は、重合後と同じ9.4μmであり、3μm以下
の小粒子が個数分布で6%であり、粒子径の変化はみら
れなかった。また、この粒子の帯電量をキャリヤー(関
東電化社製CM−100)と30分間撹拌混合した後
に、ブローオフ式帯電量測定装置(東芝化学社製)によ
って測定したところ22.9μc/gであった。解砕さ
れた染色球状重合粒子100重量部に疎水シリカ(ワッ
カー社製 HVK 2150)3重量部を撹拌混合して
外添し、黄色トナーを得た。このトナーを社内試作中の
のレーザープリンターのトナーカートリッジに充填して
印字を試みたところ、濃度で十分でカブリやトナーの飛
散のない良好な画像が得られた。
【0047】比較例 以下に、前記実施例1に対する比較例を示す。
【0048】前記実施例1で用いたのと同一の重合粒子
を同一の方法で染料と荷電制御剤を染着した粒子を、メ
タノールにて洗浄を行った。この着色粒子は実施例のも
のよりも色が青みがかっていた。解砕はハイブリダイゼ
ーションシステムの条件を9700rpmとしては一次
粒子にして体積平均粒子径は5.9μmとすることがで
きたが、この粒子の帯電量をキャリヤー(関東電化社製
CM−100)と30分間撹拌混合した後に、ブローオ
フ式帯電量測定装置(東芝化学社製)によって測定した
ところ−3.1μc/gであった。解砕された染色球状
重合粒子100重量部に疎水シリカ(ワッカー社製 H
DK H2000)3重量部を撹拌混合して外添し、黒
色トナーを得た。このトナーを市販のレーザープリンタ
ー(沖電気工業社製マイクロライン400)のトナーカ
ートリッジに充填して印字を試みたが、鮮明な画像を得
ることはできなかった。
【0049】
【発明の効果】以上説明したことから明かなように、本
発明の請求項1に記載の重合トナーは、単量体と重合開
始剤とから合成された重合粒子を、着色剤又は着色剤及
び荷電制御剤を溶媒中に混合した溶液により染着したも
のを対象として、特に、ブローオフ帯電量測定装置によ
り測定した帯電量の絶対値が約5μc/g以上である。
従って、均一な粒度分布を持ち、かつ電子写真方式など
で画像を形成するのに十分な帯電量を有し、画像形成装
置等に使用した場合、カブリやトナーの飛散のない高品
質の画像を出力することができる。
【0050】また、請求項2に記載の重合トナーの製造
方法は、単量体と重合開始剤とから重合粒子を合成し、
その重合粒子を着色剤又は着色剤及び荷電制御剤を溶媒
中に混合した溶液により染着するようにしたものを対象
として、特に、前記重合粒子を染着した後、余分な着色
剤及び/又は荷電制御剤を洗浄液により洗い流すもので
ある。従って、重合粒子表面に析出した染料および荷電
制御剤が除去され、且つ染着後の重合粒子同士の凝集及
び解砕時の微小な粒子の発生が防止されて、帯電能力及
び色濃度が高く、均一な粒度分布を有する重合トナーが
得られる。
【0051】また、請求項3に記載の重合トナーの製造
方法は、前記洗浄液として、前記溶媒の溶解度パラメー
ター値(以下SP値と称する)に対して約5.0以上の
差のSP値を有するものを用いている。従って、重合粒
子中に染着された染料および荷電制御剤は除去されにく
いので、重合粒子表面に析出した染料および荷電制御剤
のみが選択的に除去され、且つ染着後の重合粒子同士の
凝集及び解砕時の微小な粒子の発生が防止されて、帯電
能力及び色濃度が高く、均一な粒度分布を有する重合ト
ナーが得られる。
【0052】また、請求項4に記載の重合トナーの製造
方法は、前記洗浄液として、アルコール類と水との混合
溶液を用いている。従って、前記重合粒子のSP値との
差が大きく、重合粒子中に染着された着色剤や荷電制御
剤が非常に除去されにくく帯電能力と色濃度が高いトナ
ーを容易に得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単量体と重合開始剤とから合成された重
    合粒子を、着色剤又は着色剤及び荷電制御剤を溶媒中に
    混合した溶液により染着した重合トナーにおいて、 ブローオフ帯電量測定装置により測定した帯電量の絶対
    値が約5μc/g以上であることを特徴とする重合トナ
    ー。
  2. 【請求項2】 単量体と重合開始剤とから重合粒子を合
    成し、その重合粒子を着色剤又は着色剤及び荷電制御剤
    を溶媒中に混合した溶液により染着するようにした重合
    トナーの製造方法であって、 前記重合粒子を染着した後、余分な着色剤及び/又は荷
    電制御剤を洗浄液により洗い流すことを特徴とする重合
    トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記洗浄液は、前記溶媒の溶解度パラメ
    ーター値(以下SP値と称する)に対して約5.0以上
    の差のSP値を有するものを用いたことを特徴とする請
    求項2に記載の重合トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記洗浄液は、アルコール類と水との混
    合溶液を用いたことを特徴とする請求項3に記載の重合
    トナーの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000081728A (ja) * 1998-06-25 2000-03-21 Mitsui Chemicals Inc 熱定着型電子写真用トナ―およびその製造方法
JP2007025655A (ja) * 2005-06-17 2007-02-01 Brother Ind Ltd トナーの製造方法、およびトナー
US8343704B2 (en) 2005-06-17 2013-01-01 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method of producing toner, and toner

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