JPH10106892A - 電解コンデンサ駆動用電解液及びそれを用いた電解コンデンサ - Google Patents
電解コンデンサ駆動用電解液及びそれを用いた電解コンデンサInfo
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- JPH10106892A JPH10106892A JP8258076A JP25807696A JPH10106892A JP H10106892 A JPH10106892 A JP H10106892A JP 8258076 A JP8258076 A JP 8258076A JP 25807696 A JP25807696 A JP 25807696A JP H10106892 A JPH10106892 A JP H10106892A
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Abstract
高めることができ、かつ低温時でも溶出を発生させず、
また電解コンデンサのコンデンサ素子への含浸時におい
ても発泡性を抑えることができる、電解コンデンサ駆動
用電解液及び電解コンデンサの提供。 【解決手段】 有機化合物を主体とした溶媒に無機酸,
有機酸,無機酸塩,有機酸塩の1種以上を溶質として溶
解し、さらに下記式で示される共重合体のいずれか一方
を1種以上、もしくは下記式で示される共重合体の両方
を同時に1種以上添加するとともに、多価アルコール、
リン系化合物のいずれか一方、もしくは両方を添加して
溶解する。
Description
用電解液及びそれを用いた電解コンデンサに関するもの
である。
用電解液は、通常γ−ブチロラクトンやエチレングリコ
ール等の有機化合物を主溶媒とし、これに硼酸等の無機
酸やアジピン酸、アゼライン酸、ブチルオクタン二酸
(特公昭60−13293号公報)、5,6−デカンジ
カルボン酸(特公昭63−15738号公報)、側鎖を
有する二塩基酸(特開平2−224217号公報)等の
二塩基酸及びそれらの塩を溶質とした駆動用電解液が知
られている。
及び化成性が十分でないため、電解コンデンサに使用し
た際、エージングによるショートパンク等の不具合が発
生する。そこでこれらを補うために、ポリエチレングリ
コール(特公平3−76776号公報)、ポリグリセリ
ン(特公平7−70443号公報)、アルキレンブロッ
クポリマー(特開平3−257810号公報,特公平8
−17147号公報)等の化合物を添加することにより
火花発生電圧を向上させて上記欠点を補う施策が施され
ている。
の化合物は、添加量及び分子量が大きくなるにつれて火
花発生電圧を上昇させる効果が大きくなるという長所を
有するが、逆に有機溶媒中への溶解性が特に低温時に低
くなったり、電導度が低下するために添加量もしくは分
子量の選択に制限が発生する。したがって、これらの化
合物の分子量は、約2000以下で用いる方が低温時の
溶解性に対して良好である。しかしながら、この分子量
の範囲では火花発生電圧を十分に向上させることができ
ず、製品のエージングまたは高温負荷においてショート
パンクを引き起こす可能性がある。逆に、これらの化合
物の添加量及び分子量を増大させた場合には、水分を十
分に添加することにより、駆動用電解液における化合物
の析出を防ぐことができる。しかし、その場合、駆動用
電解液では水の影響によりアルミ電解コンデンサ内の蒸
気圧が高くなるために100℃以上での使用が困難であ
るという問題点を有していた。
るにしたがって結晶化するが、蝋状固体化した場合には
量産時の作業性に著しい支障が生じていた。
加した駆動用電解液では、コンデンサ素子にこの駆動用
電解液を含浸させるために減圧する際、駆動用電解液が
発泡してその作業性に著しい支障を引き起こすという問
題点を有していた。
て、高温無負荷状態では、アルミの酸化皮膜が溶解し、
漏れ電流(LC)が大きくなるという欠点を有してい
る。
ためになされたもので、火花発生電圧及び化成皮膜の化
成性を十分高めることができ、かつ低温時でも化合物の
析出が発生することはなく、また電解コンデンサのコン
デンサ素子への含浸時においても発泡性を抑えることが
でき、さらには高温でも安定した特性を有する信頼性の
高い電解コンデンサ駆動用電解液及びそれを用いた電解
コンデンサを提供することを目的とするものである。
に本発明の電解コンデンサ駆動用電解液は、有機化合物
を主体とした溶媒に無機酸,有機酸,無機酸塩,有機酸
塩の1種以上を溶質として溶解し、さらに(化5)(化
6)で示される共重合体のいずれか一方を1種以上、も
しくは(化5)(化6)で示される共重合体の両方を同
時に1種以上添加するとともに、多価アルコール、リン
系化合物のいずれか一方、もしくは両方を添加して溶解
したもので、この構成によれば、火花発生電圧及び化成
皮膜の化成性を十分に高めることができ、かつ低温時で
も化合物の析出が発生することはなく、また電解コンデ
ンサのコンデンサ素子への含浸時においても発泡性を抑
えることができ、さらには高温でも安定した特性を有す
る信頼性の高いものが得られるものである。
は、有機化合物を主体とした溶媒に無機酸,有機酸,無
機酸塩,有機酸塩の1種以上を溶質として溶解し、さら
に(化7)(化8)で示される共重合体のいずれか一方
を1種以上、もしくは(化7)(化8)で示される共重
合体の両方を同時に1種以上添加するとともに、多価ア
ルコール、リン系化合物のいずれか一方、もしくは両方
を添加して溶解したもので、(化7)の共重合体は、結
晶性が高いという欠点を有するポリエチレングリコール
と有機溶媒への溶解性は低いが結晶性が低いポリプロピ
レングリコールとを共重合させており、また、(化8)
の共重合体はアルキノールを起点に結晶性の高いC 2H4
Oモノマーと、有機溶媒への溶解性は低いが結晶化度が
低いC3H6O、C4H9O、C2H4(CH3)O、C3H5
(CH3)O、C2H4(CH3)2Oのいずれかを共重合
させているため、両共重合体とも互いの欠点を補完しあ
うことになり、これにより、低温時における溶解性の課
題を解決できるとともに、化成皮膜の安定性を高めて火
花発生電圧を高めることができるものである。
と、その配列は、規則性を持ち気液界面において分子の
配向が密となるため、物性上表面張力は低下することに
なり、これにより、コンデンサ素子への含浸時に発泡を
引き起こすものである。これに対し、モノマーの配列を
ランダムにすると、気液界面においてブロック共重合体
より分子の配向が相対的に疎となるため、表面張力の低
下を抑えることができ、この要因によりコンデンサ素子
への含浸時の発泡性を抑えることができるものである。
媒であるエチレングリコールやγ−ブチロラクトン等に
比べて非常に低いため、この共重合体を添加することに
より駆動用電解液が高温環境下でもドライアップし難く
なり、これにより、長期の信頼性を高めることができる
ものである。
ば、電解コンデンサ駆動用電解液の電導度を極端に下げ
ることなく化成性を十分に高めることができるものであ
る。
アルミ箔の化成皮膜の耐水性を向上させることができる
ため、無負荷高温時でも漏れ電流(LC)を低減させる
ことができるものである。
の添加量を、0.5〜50wt%の範囲に設定したもの
で、多価アルコールの添加量が0.5wt%より少ない
と、火花発生電圧及び化成性の向上の効果に乏しく、一
方、50wt%より多いと、今度は電導度を低下させる
結果となるもので、したがって、多価アルコールの添加
量は0.5〜50wt%の範囲に設定することにより、
安定した化成皮膜を形成することができるため、さらな
る高温安定性を有する電解コンデンサ駆動用電解液を得
ることができるものである。
添加量を0.01〜10wt%の範囲に設定したもの
で、この範囲外では、少なくても多くても化成皮膜の安
定性に寄与しないものであり、したがって、リン系化合
物の添加量は0.01〜10wt%の範囲に設定するこ
とにより、アルミ箔の化成皮膜の耐水性を向上させるこ
とができるとともに、無負荷高温時でも漏れ電流(L
C)を低減させることができるものである。
体とした溶媒に無機酸,有機酸,無機酸塩,有機酸塩の
1種以上を溶質として溶解し、さらに(化9)(化1
0)で示される共重合体のいずれか一方を1種以上、も
しくは(化9)(化10)で示される共重合体の両方を
同時に1種以上添加するとともに、多価アルコール、リ
ン系化合物のいずれか一方もしくは両方を添加して溶解
した電解コンデンサ駆動用電解液を用いたもので、この
電解コンデンサ駆動用電解液を用いた電解コンデンサ
は、エージング中及び寿命試験中でもショート発生がな
く、寿命特性の安定したものが得られるものである。
て説明する。 (表1)は本発明の実施の形態1における電解コンデン
サ駆動用電解液と、従来例1における電解コンデンサ駆
動用電解液について、低温時(−10℃3時間後)の溶
解性の測定結果を示したものである。
おける電解コンデンサ駆動用電解液では、低温時の化合
物の析出が認められたが、本発明の実施の形態1におけ
る電解コンデンサ駆動用電解液では−10℃で放置して
も全く化合物の析出は認められなかった。なお、本発明
の実施の形態1では、溶質として安息香酸アンモニウム
のみを用いているが、これ以外の他の無機酸,有機酸,
無機酸塩,有機酸塩の1種以上を用いても同様の結果が
得られるもので、したがって本発明の低温時の溶解性
は、選択した溶質の種類に関係なく良好なものが得られ
るものである。
における電解コンデンサ駆動用電解液と、本発明の実施
の形態2〜20における電解コンデンサ駆動用電解液の
組成と特性(電導度,火花発生電圧)を示したものであ
る。
発明の実施の形態2〜20における電解コンデンサ駆動
用電解液に使用した共重合体の材料リストを掲載したも
のである。
発明の実施の形態2〜20における電解コンデンサ駆動
用電解液に使用した多価アルコールの材料リストを掲載
したものである。
ける電解コンデンサ駆動用電解液と、(表4)に示した
本発明の実施の形態18における電解コンデンサ駆動用
電解液の化成性を示したものである。
分は、(表2)(表3)(表4)に示した本発明の実施
の形態2〜20と、従来例3〜9はいずれも2%に調整
し、そして従来例2は硼酸アンモニウムを使用している
ため、15%に調整した。
うに、本発明の実施の形態は、従来例に比べて同じ溶質
を用いた場合は、火花発生電圧を飛躍的に向上させるこ
とができ、これにより、工程のエージング時のショート
パンク発生率及び寿命試験時のショートパンクを低減で
きるものである。さらに本発明の共重合体を用いた本発
明の実施の形態18における電解コンデンサ駆動用電解
液は、図1からも明らかなように、従来例7,8におけ
る電解コンデンサ駆動用電解液に比べて火花発生電圧だ
けでなく、短時間で火花発生電圧を上昇させることがで
きるため、化成効率も飛躍的に向上させることができる
ものである。
態15〜17のように溶質の配合比率や本発明の共重合
体、多価アルコール、リン系化合物の添加量を調整すれ
ば、電導度と、火花発生電圧を自由にコントロールする
ことができるため、電解コンデンサの抵抗を上げること
なく耐圧の安定化を図ることができるものである。
実施の形態4の駆動用電解液を用い、そしてこれらの駆
動用電解液をアルミ電解コンデンサのコンデンサ素子に
含浸させた時の発泡性を確認した。この場合、前記アル
ミ電解コンデンサのコンデンサ素子は、450WV27
0μFであり、各20個ずつ同じ容器に入れ、そしてこ
の容器内に従来例9の駆動用電解液と本発明の実施の形
態4の駆動用電解液を別個に定量だけ入れ、その後、減
圧してコンデンサ素子に含浸させた時のそれぞれの発泡
の高さを測定した。今回の検討では、最終7mmHgまで
減圧したが、その結果によると従来例9では発泡が激し
く容器から駆動用電解液が20cm以上溢れたため、7mm
Hgまで減圧を達成できなかったが、本発明の実施の形
態4では、発泡の高さは液面より3cm程度であり、容易
に含浸作業を施すことができた。
素子部分の構成を示したもので、この図2に示すよう
に、アルミニウムよりなる陽極電極としての陽極箔1と
同じくアルミニウムよりなる陰極電極としての陰極箔2
とを、その間にセパレータ3を介在させて対向するよう
に巻き取ることによりコンデンサ素子を構成している。
またこのコンデンサ素子の陽極箔1及び陰極箔2のそれ
ぞれには、引き出しリード4が接続されている。
電解液を含浸させ、アルミニウムケースなどの金属ケー
ス内にコンデンサ素子を封入することにより、アルミ電
解コンデンサが構成される。
解コンデンサ駆動用電解液を用いたアルミ電解コンデン
サと、(表2)(表3)に示した本発明の実施の形態
2,3,4,11の電解コンデンサ駆動用電解液を用い
たアルミ電解コンデンサをそれぞれ20個ずつ用意し、
これらのアルミ電解コンデンサについて寿命試験を行っ
た結果を示したものである。ここで使用したアルミ電解
コンデンサの定格は、いずれも250WV470μFで
あり、無負荷試験温度は110℃で行った。
コンデンサ駆動用電解液を用いたアルミ電解コンデンサ
は、エージング中に20個のうち3個のショートパンク
が発生した。また、(表7)から明らかなように、従来
例3,4,5の電解コンデンサ駆動用電解液を用いたア
ルミ電解コンデンサは、110℃無負荷2000時間後
の漏れ電流(LC)値が大きな値を示した。これに対
し、本発明の実施の形態2,3,4,11の電解コンデ
ンサ駆動用電解液を用いたアルミ電解コンデンサは、エ
ージング中でもショートパンクの発生がなく、110℃
無負荷2000時間後における特性も初期特性に対し
て、静電容量変化率(ΔC)も小さく、かつ損失角の正
接(tanδ)の増加も小さく、また漏れ電流(LC)
も大幅に低減した数値を示している。これは、本発明の
ランダム共重合体が酸化皮膜に吸着し、皮膜保護の働き
をすることに加え、多価アルコール、リン系化合物の添
加により、さらなる化成性の向上と皮膜の安定性が得ら
れたためであると考えられる。
解コンデンサを得ることができるものである。
8)に示す。この(表8)は(表2)に示した従来例
6,7の電解コンデンサ駆動用電解液を用いたアルミ電
解コンデンサと、(表4)に示した本発明の実施の形態
17の電解コンデンサ駆動用電解液を用いたアルミ電解
コンデンサをそれぞれ20個ずつ用意し、これらのアル
ミ電解コンデンサについて寿命試験を行った結果を示し
たものである。ここで使用したアルミ電解コンデンサの
定格は、いずれも450WV150μFであり、その試
験温度は110℃で行った。
7の電解コンデンサ駆動用電解液を用いたアルミ電解コ
ンデンサは、エージング中及び寿命試験中にショートパ
ンクが発生して試験を継続できなかった。これに対し、
本発明の実施の形態17の電解コンデンサ駆動用電解液
を用いたアルミ電解コンデンサは、エージング中及び寿
命試験中でもショート発生がなく、寿命試験110℃で
2000時間後における特性も初期特性に対して、静電
容量変化率(ΔC)も小さく、かつ損失角の正接(ta
nδ)の増加も小さく、また漏れ電流(LC)も安定し
た数値を示しているもので、これにより、寿命特性の安
定したアルミ電解コンデンサを得ることができるもので
ある。
は、すべてエチレングリコールとなっているが、これ以
外の溶媒としては、アミド類,ラクトン類,グリコール
類,硫黄化合物類,炭酸塩類を単独、または混合しても
使用できる。この中でも、好ましい溶媒例としては、炭
酸プロピル,ジメチルホルムアミド,N−メチルホルム
アミド,γ−ブチロラクトン,N−メチルピロリドン,
ジメチルスルホキシド,エチレンシアノヒドリン,エチ
レングリコール,エチレングリコールモノまたはジアル
キルエーテル等が挙げられる。
選択すれば、上記した本発明の実施の形態と同様の効果
が得られることを確認できた。(表9)はその一例とし
てγ−ブチロラクトンを溶媒として用いた従来例10と
本発明の実施の形態21を示したものである。
明らかなように、γ−ブチロラクトンを溶媒として用い
た場合でも、エチレングリコールを溶媒として用いたも
のと同様に火花発生電圧を十分高めることができるもの
である。
ける溶質は、無機酸,有機酸,無機酸塩,有機酸塩の1
種以上であるが、その中で好ましいものとしては、硼
酸,アゼライン酸,アジピン酸,グルタル酸,フタル
酸,マレイン酸,安息香酸,5,6−デカンジカルボン
酸,1,7−オクタンジカルボン酸,1,6−デカンジ
カルボン酸等の二塩基酸またはその塩が挙げられる。ま
た、上記の塩としては、アンモニウム塩,アミン塩,四
級アンモニウム塩,アミジン系塩等が使用できる。
ん、使用用途に応じて有機酸及び/または無機酸、ある
いはそれらの塩の2種類以上の混合でも問題なく使用で
きるものである。
された共重合体は、本発明の実施の形態12に記載して
いるように、用途に応じて2種以上添加して溶解しても
良好な特性を示すものである。
共重合体は、ランダム共重合体であって、従来例で示す
ブロック共重合体とは異なる配列としたため、アルミ電
解コンデンサのコンデンサ素子に駆動用電解液を減圧し
て含浸する際、発泡性の抑制も良好となって量産作業に
も十分対応できるものである。
は、200〜20000が望ましく、かつその添加量
は、0.1〜20wt%が望ましい。
加した場合は、(表2)の本発明の実施の形態に記載さ
れているように、全般的に火花発生電圧を向上させるこ
とができ、そして安定した皮膜形成がなされるため、さ
らなる高温安定性を有する電解コンデンサ駆動用電解液
及び電解コンデンサを得ることができるものである。
ン,ポリグリセリン,マンニット,ソルビット,イディ
ット,タリット,ダルシット,アリット,D,L−アラ
ビット,アドニット,キシリット,D,L−エリスリッ
ト,メゾエリスリット,ポリエチレングリコール,ポリ
プロピレングリコール等が挙げられるもので、本発明の
実施の形態に挙げた多価アルコールだけでなく、他の多
価アルコールを用いても同様の効果が期待できるもので
ある。また、その添加量は、0.5〜50wt%の範囲
に設定した。この設定理由としては、多価アルコールの
添加量が0.5wt%より少ないと、火花発生電圧及び
化成性の向上の効果に乏しく、一方、50wt%より多
いと、今度は電導度を低下させる結果となるからであ
る。
たリン系化合物の種類としては、リン酸,次亜リン酸,
ポリリン酸,リン酸の縮重合体,リン酸エステル類が挙
げられ、この場合、いずれのリン系化合物を用いても同
様の効果が期待できるものである。また、その添加量は
0.01〜10wt%の範囲に設定しているもので、こ
の設定理由としては、この範囲外では、少なくても多く
ても化成皮膜の安定性に寄与しないと考えられるからで
ある。
動用電解液は、有機化合物を主体とした溶媒に無機酸,
無機酸塩,有機酸塩の1種以上を溶質として溶解し、さ
らに(化13)(化14)で示される共重合体のいずれ
か一方を1種以上、もしくは(化13)(化14)で示
される共重合体の両方を同時に1種以上添加するととも
に、多価アルコール、リン系化合物のいずれか一方、も
しくは両方を添加して溶解したもので、(化13)の共
重合体は、結晶性が高いという欠点を有するポリエチレ
ングリコールと有機溶媒への溶解性は低いが結晶性が低
いポリプロピレングリコールとを共重合させており、ま
た、(化14)の共重合体はアルキノールを起点に結晶
性の高いC2H4Oモノマーと、有機溶媒への溶解性は低
いが結晶化度が低いC3H6O、C4H9O、C2H4(CH
3)O、C3H5(CH3)O、C2H4(CH3)2Oのいず
れかを共重合させているため、両共重合体とも互いの欠
点を補完しあうことになり、これにより、低温時におけ
る溶解性の課題を解決できるとともに、化成皮膜の安定
性を高めて火花発生電圧を高めることができるものであ
る。
と、その配列は、規則性を持ち気液界面において分子の
配向が密となるため、物性上表面張力は低下することに
なり、これにより、コンデンサ素子への含浸時に発泡を
引き起こすものである。これに対し、モノマーの配列を
ランダムにすると、気液界面においてブロック共重合体
より分子の配向が相対的に疎となるため、表面張力の低
下を抑えることができ、この要因によりコンデンサ素子
への含浸時の発泡性を抑えることができるものである。
媒であるエチレングリコールやγ−ブチロラクトン等に
比べて非常に低いため、この共重合体を添加することに
より駆動用電解液が高温環境下でもドライアップし難く
なり、これにより、長期の信頼性を高めることができる
ものである。
ば、電解コンデンサ駆動用電解液の電導度を極端に下げ
ることなく化成性を十分に高めることができるものであ
る。
アルミ箔の化成皮膜の耐水性を向上させることができる
ため、無負荷高温時でも漏れ電流(LC)を低減させる
ことができるものである。
サ駆動用電解液と、従来例7,8における電解コンデン
サ駆動用電解液の化成性を示す特性図
構成図
Claims (4)
- 【請求項1】 有機化合物を主体とした溶媒に無機酸,
有機酸,無機酸塩,有機酸塩の1種以上を溶質として溶
解し、さらに(化1)(化2)で示される共重合体のい
ずれか一方を1種以上、もしくは(化1)(化2)で示
される共重合体の両方を同時に1種以上添加するととも
に、多価アルコール、リン系化合物のいずれか一方、も
しくは両方を添加して溶解した電解コンデンサ駆動用電
解液。 【化1】 【化2】 - 【請求項2】 多価アルコールの添加量は0.5〜50
wt%の範囲に設定した請求項1記載の電解コンデンサ
駆動用電解液。 - 【請求項3】 リン系化合物の添加量は0.01〜10
wt%の範囲に設定した請求項1記載の電解コンデンサ
駆動用電解液。 - 【請求項4】 有機化合物を主体とした溶媒に無機酸,
有機酸,無機酸塩,有機酸塩の1種以上を溶質として溶
解し、さらに(化3)(化4)で示される共重合体のい
ずれか一方を1種以上、もしくは(化3)(化4)で示
される共重合体の両方を同時に1種以上添加するととも
に、多価アルコール、リン系化合物のいずれか一方、も
しくは両方を添加して溶解した電解コンデンサ駆動用電
解液を用いてなる電解コンデンサ。 【化3】 【化4】
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