JPH10105766A - 硬貨処理装置 - Google Patents
硬貨処理装置Info
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- JPH10105766A JPH10105766A JP25927096A JP25927096A JPH10105766A JP H10105766 A JPH10105766 A JP H10105766A JP 25927096 A JP25927096 A JP 25927096A JP 25927096 A JP25927096 A JP 25927096A JP H10105766 A JPH10105766 A JP H10105766A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】この発明は、上述した問題点に基づきなされた
もので、温度変化に対して安定な補正が可能であって、
しかも調整に要求される時間を短縮可能で、部品コスト
および組み立てコストを低減可能な硬貨処理装置を提供
するものである。 【解決手段】硬貨の入出金処理を行なう硬貨処理装置に
おいて、鑑査部5は、搬送部3により搬送される硬貨C
の透磁率および導電率を計測する材質検知センサ20を
含み、硬貨が搬送されている間の材質検知センサの各2
次コイルの出力と搬送路を硬貨が搬送されていない初期
状態時の材質検知センサの各2次コイルの出力と、それ
ぞれの出力を演算定数が一定の所定演算により補正して
得られる出力値により、基準温度に対する初期調整状態
に等しい補正値を得る材質特定回路により、硬貨の真偽
を判定する。
もので、温度変化に対して安定な補正が可能であって、
しかも調整に要求される時間を短縮可能で、部品コスト
および組み立てコストを低減可能な硬貨処理装置を提供
するものである。 【解決手段】硬貨の入出金処理を行なう硬貨処理装置に
おいて、鑑査部5は、搬送部3により搬送される硬貨C
の透磁率および導電率を計測する材質検知センサ20を
含み、硬貨が搬送されている間の材質検知センサの各2
次コイルの出力と搬送路を硬貨が搬送されていない初期
状態時の材質検知センサの各2次コイルの出力と、それ
ぞれの出力を演算定数が一定の所定演算により補正して
得られる出力値により、基準温度に対する初期調整状態
に等しい補正値を得る材質特定回路により、硬貨の真偽
を判定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、銀行な
どの金融機関における現金自動預出金機などに搭載さ
れ、硬貨の入金処理および出金処理 (硬貨の受入れ処理
および払出し処理)を自動的に行なう循環式の硬貨処理
装置に関する。
どの金融機関における現金自動預出金機などに搭載さ
れ、硬貨の入金処理および出金処理 (硬貨の受入れ処理
および払出し処理)を自動的に行なう循環式の硬貨処理
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば、銀行などの金融機関で
は、現金自動預出金機に硬貨の入出金処理を自動的に行
なう大形で循環式の硬貨処理装置を搭載し、硬貨の入出
金処理をも可能としたものが開発されている。
は、現金自動預出金機に硬貨の入出金処理を自動的に行
なう大形で循環式の硬貨処理装置を搭載し、硬貨の入出
金処理をも可能としたものが開発されている。
【0003】この種の硬貨処理装置は、入金時には、入
金された硬貨の真偽ならびに金種を判定し、金種毎に、
対応する金種別金庫に収納する。一方、出金時には、金
種別金庫から必要な金種の硬貨を取出し、真偽や金種を
再び判定した後、払出すものである。
金された硬貨の真偽ならびに金種を判定し、金種毎に、
対応する金種別金庫に収納する。一方、出金時には、金
種別金庫から必要な金種の硬貨を取出し、真偽や金種を
再び判定した後、払出すものである。
【0004】このような硬貨処理装置は、硬貨を搬送ベ
ルトの搬送面に押しつけながら強制的に搬送するための
強制搬送手段と、この強制搬送手段に対して搬送される
硬貨の真偽や金種を判定する鑑査部を有し、硬貨の真偽
や金種を判定する。
ルトの搬送面に押しつけながら強制的に搬送するための
強制搬送手段と、この強制搬送手段に対して搬送される
硬貨の真偽や金種を判定する鑑査部を有し、硬貨の真偽
や金種を判定する。
【0005】この種の鑑査部は、一般に、たとえば、硬
貨の材質を磁気的に検出するための磁気センサ (材質検
知センサ) を含み、透磁率の大きさに基づいて、硬貨の
材質を判定する。
貨の材質を磁気的に検出するための磁気センサ (材質検
知センサ) を含み、透磁率の大きさに基づいて、硬貨の
材質を判定する。
【0006】上述した材質検知センサは、硬貨搬送路下
方に、硬貨搬送方向と直行する方向に配置された励磁用
の1次コイルと第1の2次コイルがともに巻回された幅
広のソフトフェライト等で構成された1次コア、搬送路
を挟んで上方かつ搬送方向と直行する方向に1次コアと
対向して配置され、1次コア同様にソフトフェライト等
で構成されて第2の2次コイルが巻回された2次コア、
1次コアと2次コアを位置決め固定するコの字型の樹脂
ケース等で構成される。なお、樹脂ケースは、熱膨張の
小さい、例えば、PPS等の樹脂により作成される。
方に、硬貨搬送方向と直行する方向に配置された励磁用
の1次コイルと第1の2次コイルがともに巻回された幅
広のソフトフェライト等で構成された1次コア、搬送路
を挟んで上方かつ搬送方向と直行する方向に1次コアと
対向して配置され、1次コア同様にソフトフェライト等
で構成されて第2の2次コイルが巻回された2次コア、
1次コアと2次コアを位置決め固定するコの字型の樹脂
ケース等で構成される。なお、樹脂ケースは、熱膨張の
小さい、例えば、PPS等の樹脂により作成される。
【0007】上述した1次コイルには、例えば、ウィー
ンブリッジ正弦波発振器により所定周期および所定振幅
の励磁信号が印加される。これにより、1次コイルが励
磁され、第1および第2の2次コイルが電磁誘導され
る。
ンブリッジ正弦波発振器により所定周期および所定振幅
の励磁信号が印加される。これにより、1次コイルが励
磁され、第1および第2の2次コイルが電磁誘導され
る。
【0008】第1および第2の2次コイル出力信号は、
所定の増幅率に増幅された後、直流カット回路、全波整
流回路、積分回路およびLPF (ローパスフィルタ) を
含む整流回路を通して直流信号に変換される。この直流
信号は、2つに分岐され、一方は、A/Dコンバータの
所定のチャンネルに入力される。また、他の一方は、演
算回路により所定の演算後、所定レベルまで増幅され
て、A/Dコンバータに入力される。
所定の増幅率に増幅された後、直流カット回路、全波整
流回路、積分回路およびLPF (ローパスフィルタ) を
含む整流回路を通して直流信号に変換される。この直流
信号は、2つに分岐され、一方は、A/Dコンバータの
所定のチャンネルに入力される。また、他の一方は、演
算回路により所定の演算後、所定レベルまで増幅され
て、A/Dコンバータに入力される。
【0009】ここで、第1の2次コイルの整流出力をV
a、第2の2次コイルの整流出力をVb、センサ出力を
Ve、増幅定数をA1,A2,A3とすると、 Ve = A3× (A1×Va−A2×Vb) :通常、A1,A2は同じで「1」であり、1対1に演
算される。
a、第2の2次コイルの整流出力をVb、センサ出力を
Ve、増幅定数をA1,A2,A3とすると、 Ve = A3× (A1×Va−A2×Vb) :通常、A1,A2は同じで「1」であり、1対1に演
算される。
【0010】上述した材質検知センサを用いる場合、先
ず、第1および第2の2次コイルの整流出力レベルを、
無負荷状態で所定値、例えば、300hとなるよう、入
力段増幅回路を調整する。次に、検知部に所定の透磁率
が与えられた試験片をセットし、センサ出力が、所定
値、例えば、380hとなるよう、最終段の増幅回路を
調整する。
ず、第1および第2の2次コイルの整流出力レベルを、
無負荷状態で所定値、例えば、300hとなるよう、入
力段増幅回路を調整する。次に、検知部に所定の透磁率
が与えられた試験片をセットし、センサ出力が、所定
値、例えば、380hとなるよう、最終段の増幅回路を
調整する。
【0011】この場合、標準材としての、導電率の小さ
い白銅レベルに相当する材料が存在しないため、また、
調整片による調整を一点とする場合には、高い出力レベ
ルでの調整する方が、 a) 調整片自身の性能バラツキ b) 調整片のセット位置バラツキ c) 調整値を表示するA/Dコンバータの分解能の影響 等に起因する調整誤差が生じた場合にも、センサの感度
バラツキを比較的小さくできる。なお、仮に、出力レベ
ルの小さい調整片で調整した場合に、a) 〜c)に示し
た誤差は、出力レベルの大きい材質に対して大きくなっ
てしまう。また、当然のことながら、2点での調整は困
難である。
い白銅レベルに相当する材料が存在しないため、また、
調整片による調整を一点とする場合には、高い出力レベ
ルでの調整する方が、 a) 調整片自身の性能バラツキ b) 調整片のセット位置バラツキ c) 調整値を表示するA/Dコンバータの分解能の影響 等に起因する調整誤差が生じた場合にも、センサの感度
バラツキを比較的小さくできる。なお、仮に、出力レベ
ルの小さい調整片で調整した場合に、a) 〜c)に示し
た誤差は、出力レベルの大きい材質に対して大きくなっ
てしまう。また、当然のことながら、2点での調整は困
難である。
【0012】このようにして、出力された材質検知セン
サの出力に基づいて、基準テーブルが作成される。上述
した調整完了後、常温において基準となる貨幣を所定
量、例えば、500枚、通過させ、平均、標準偏差、最
大、最小等の統計量から基準テーブルを作成する。この
場合、例えば、テーブルの上限値および下限値は、 d) テーブル上限値:平均+5×標準偏差 e) テーブル下限値:平均−5×標準偏差 に、それぞれ、設定される。
サの出力に基づいて、基準テーブルが作成される。上述
した調整完了後、常温において基準となる貨幣を所定
量、例えば、500枚、通過させ、平均、標準偏差、最
大、最小等の統計量から基準テーブルを作成する。この
場合、例えば、テーブルの上限値および下限値は、 d) テーブル上限値:平均+5×標準偏差 e) テーブル下限値:平均−5×標準偏差 に、それぞれ、設定される。
【0013】センサ出力は、被検出物の物理量、例え
ば、体積、導電率および透磁率の積分値であるから、な
だらかな山形カーブとなり、そのピークは容易に検出さ
れる。この場合、ピーク検出誤差は小さい。また、上述
した初期調整においては、無負荷 (試験片が存在しない
状態) 時、第1および第2の2次コイルの整流出力は、
概ね等しいレベルに調整されることから、演算出力は零
となる。
ば、体積、導電率および透磁率の積分値であるから、な
だらかな山形カーブとなり、そのピークは容易に検出さ
れる。この場合、ピーク検出誤差は小さい。また、上述
した初期調整においては、無負荷 (試験片が存在しない
状態) 時、第1および第2の2次コイルの整流出力は、
概ね等しいレベルに調整されることから、演算出力は零
となる。
【0014】ここで、硬貨搬送路に硬貨 (試験片) が進
入すると、透過すべき磁束が硬貨の表面に発生する渦電
流により妨げられることから、2次コアで捕捉される磁
束の大きさが低下する。この結果、第2の2次コイルの
整流出力が低下し、演算出力として正方向へと立ち上が
る。なお、渦電流は、導電率の大きな材料ほど大きくな
ることから、2次でコイルに捕捉される磁束は、低減さ
れる。この場合、単位体積当たりの渦電流量は、 アルミ (1円) >青銅 (10円) >黄銅 (5円) >白銅
(その他) となる。
入すると、透過すべき磁束が硬貨の表面に発生する渦電
流により妨げられることから、2次コアで捕捉される磁
束の大きさが低下する。この結果、第2の2次コイルの
整流出力が低下し、演算出力として正方向へと立ち上が
る。なお、渦電流は、導電率の大きな材料ほど大きくな
ることから、2次でコイルに捕捉される磁束は、低減さ
れる。この場合、単位体積当たりの渦電流量は、 アルミ (1円) >青銅 (10円) >黄銅 (5円) >白銅
(その他) となる。
【0015】このようにして得られたセンサ出力は、周
囲の温度の変動により変化することから、通常、上述し
た基準テーブルは、温度の変化に合わせて温度補正され
る。例えば、信号処理基板あるいはセンサ内部に配置さ
れたサーミスタなどの温度センサにより周囲の温度の変
動が常時検知され、各温度毎に設定された温度補正テー
ブルに基づいて、周囲温度の変化に対して基準テーブル
が補正される。この場合、温度センサにより検知された
温度に基づいて、基準テーブルを演算により補正しても
よい。
囲の温度の変動により変化することから、通常、上述し
た基準テーブルは、温度の変化に合わせて温度補正され
る。例えば、信号処理基板あるいはセンサ内部に配置さ
れたサーミスタなどの温度センサにより周囲の温度の変
動が常時検知され、各温度毎に設定された温度補正テー
ブルに基づいて、周囲温度の変化に対して基準テーブル
が補正される。この場合、温度センサにより検知された
温度に基づいて、基準テーブルを演算により補正しても
よい。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た温度補正は、温度センサの温度特性が、非線形である
ことにより、誤差を生じる問題がある。また、基準テー
ブルは、試験片により各センサ毎に設定されるが、温度
補正については、温度特性に対しては、各センサについ
て温度テーブルを作成することは (組み立て調整作業に
かけることのできる時間から見て) 実質的に困難である
から、同一の温度テーブルが利用される。
た温度補正は、温度センサの温度特性が、非線形である
ことにより、誤差を生じる問題がある。また、基準テー
ブルは、試験片により各センサ毎に設定されるが、温度
補正については、温度特性に対しては、各センサについ
て温度テーブルを作成することは (組み立て調整作業に
かけることのできる時間から見て) 実質的に困難である
から、同一の温度テーブルが利用される。
【0017】この結果、高温あるいは低温環境下におい
て、温度により補正されたテーブルと搭載されたセンサ
の温度特性の差に対応する誤差が増大される問題があ
る。一方、温度センサにより検知された温度に基づい
て、演算により基準テーブルを補正する方法では、温度
特性がリニアに近似できる温度センサが必要となり、温
度センサのコストあるいは硬貨処理装置に搭載されるC
PUの演算能力が増大する問題がある。
て、温度により補正されたテーブルと搭載されたセンサ
の温度特性の差に対応する誤差が増大される問題があ
る。一方、温度センサにより検知された温度に基づい
て、演算により基準テーブルを補正する方法では、温度
特性がリニアに近似できる温度センサが必要となり、温
度センサのコストあるいは硬貨処理装置に搭載されるC
PUの演算能力が増大する問題がある。
【0018】これとは別に、調整片による感度調整は、
調整片の特性の範囲、調整片の管理方法あるいはセンサ
に対するセット方法等に代表される課題が多く、調整過
程において誤差が増大される問題がある。なお、各調整
過程における調整値の管理幅を不所望に狭くすると、調
整過程に要求される時間が増大されるとともに、調整不
能に陥り易くなる問題がある。
調整片の特性の範囲、調整片の管理方法あるいはセンサ
に対するセット方法等に代表される課題が多く、調整過
程において誤差が増大される問題がある。なお、各調整
過程における調整値の管理幅を不所望に狭くすると、調
整過程に要求される時間が増大されるとともに、調整不
能に陥り易くなる問題がある。
【0019】この発明は、上述した問題点に基づきなさ
れたもので、温度変化に対して安定な補正が可能であっ
て、しかも調整に要求される時間を短縮可能で、部品コ
ストおよび組み立てコストを低減可能な硬貨処理装置を
提供することを目的とする。
れたもので、温度変化に対して安定な補正が可能であっ
て、しかも調整に要求される時間を短縮可能で、部品コ
ストおよび組み立てコストを低減可能な硬貨処理装置を
提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明は、搬送路を挟
んで一方に配置された励磁用の1次コイルとこの1次コ
イルにより電磁誘導される第1の2次コイルの巻回され
た幅広の1次コアと、搬送路を挟んで他方に配置され、
前記1次コイルにより電磁誘導される第2の2次コイル
の巻回された幅広の2次コアと、前記1次、2次コアを
位置決め固定するケースなどのコア位置決め部材から構
成された透過磁束量検知型の材質センサと、前記各2次
コイルの出力を増幅する増幅率の調整が可能な増幅手段
と、前記各増幅手段の増幅出力を整流する整流手段と、
前記各整流手段の整流出力を演算する演算定数が一定で
ある演算手段と、前記各整流手段の出力および前記演算
手段の出力をディジタル量に変換するアナログ−ディジ
タル変換手段と、硬貨搬送前に前記各2次コイルの整流
出力を検出するオフセット検知手段と、このオフセット
検知手段により検知されたオフセットおよび初期調整値
を記憶する記憶手段と、前記演算手段の出力から材質を
検知する材質検知手段と、この材質検知手段の材質検出
値を、前記オフセットと前記オフセットの初期調整値と
前記一定である演算定数に基づいて補正する材質検出値
補正手段と、この材質検出値補正手段の出力を予め用意
された判定テーブルと比較して材質を特定する材質特定
手段と、を有することを特徴とする硬貨処理装置を提供
するものである。
んで一方に配置された励磁用の1次コイルとこの1次コ
イルにより電磁誘導される第1の2次コイルの巻回され
た幅広の1次コアと、搬送路を挟んで他方に配置され、
前記1次コイルにより電磁誘導される第2の2次コイル
の巻回された幅広の2次コアと、前記1次、2次コアを
位置決め固定するケースなどのコア位置決め部材から構
成された透過磁束量検知型の材質センサと、前記各2次
コイルの出力を増幅する増幅率の調整が可能な増幅手段
と、前記各増幅手段の増幅出力を整流する整流手段と、
前記各整流手段の整流出力を演算する演算定数が一定で
ある演算手段と、前記各整流手段の出力および前記演算
手段の出力をディジタル量に変換するアナログ−ディジ
タル変換手段と、硬貨搬送前に前記各2次コイルの整流
出力を検出するオフセット検知手段と、このオフセット
検知手段により検知されたオフセットおよび初期調整値
を記憶する記憶手段と、前記演算手段の出力から材質を
検知する材質検知手段と、この材質検知手段の材質検出
値を、前記オフセットと前記オフセットの初期調整値と
前記一定である演算定数に基づいて補正する材質検出値
補正手段と、この材質検出値補正手段の出力を予め用意
された判定テーブルと比較して材質を特定する材質特定
手段と、を有することを特徴とする硬貨処理装置を提供
するものである。
【0021】また、この発明の硬貨処理装置は、材質検
出値補正手段が、各2次コイルの初期調整値と現在の各
2次コイルの整流出力と一定である各2次コイルの整流
出力の演算定数から得られた材質検出値を、基準温度に
おける初期調整状態に戻した検出値に補正することを特
徴とする。
出値補正手段が、各2次コイルの初期調整値と現在の各
2次コイルの整流出力と一定である各2次コイルの整流
出力の演算定数から得られた材質検出値を、基準温度に
おける初期調整状態に戻した検出値に補正することを特
徴とする。
【0022】さらに、この発明の硬貨処理装置は、入出
金等のコマンドが上位から送られて硬貨の搬送許可が問
われた時に、前記各2次コイルの整流出力を求めてメモ
リに記憶させ、硬貨が実際に搬送された時点で前記材質
センサの出力のピークを検出してピーク値を確定し、こ
の確定されたピーク値を、基準温度における初期調整状
態に戻した検出値に補正し、予め用意された判定テーブ
ルと比較して材質を特定して、金種を判定することを特
徴とする。
金等のコマンドが上位から送られて硬貨の搬送許可が問
われた時に、前記各2次コイルの整流出力を求めてメモ
リに記憶させ、硬貨が実際に搬送された時点で前記材質
センサの出力のピークを検出してピーク値を確定し、こ
の確定されたピーク値を、基準温度における初期調整状
態に戻した検出値に補正し、予め用意された判定テーブ
ルと比較して材質を特定して、金種を判定することを特
徴とする。
【0023】またさらに、この発明の硬貨処理装置は、
材質検出値補正手段が、第1の2次コイルの整流出力を
V-1、第2の2次コイルの整流出力をV-2、演算定数を const × (V-1−V-2) すなわちV-1とV-2の1対1の
減算処理、第1の2次コイルのオフセットをV-1ofs 、
第2の2次コイルのオフセットをV-2ofs 、第1の2次
コイルの初期調整値をV-1init、第2の2次コイルの初
期調整値をV-2init、材質検出値すなわち材質センサの
出力をVout 、とするとき、 Vhosei = V-2init/V-2ofs ×[Vout −co
nst ×{(V-1ofs −V-1init) − (V-2ofs −V-1ini
t)}] により、基準温度における初期調整状態に戻した検出値
に補正し、予め用意された判定テーブルと比較して材質
を特定して、金種を判定することを特徴とする。
材質検出値補正手段が、第1の2次コイルの整流出力を
V-1、第2の2次コイルの整流出力をV-2、演算定数を const × (V-1−V-2) すなわちV-1とV-2の1対1の
減算処理、第1の2次コイルのオフセットをV-1ofs 、
第2の2次コイルのオフセットをV-2ofs 、第1の2次
コイルの初期調整値をV-1init、第2の2次コイルの初
期調整値をV-2init、材質検出値すなわち材質センサの
出力をVout 、とするとき、 Vhosei = V-2init/V-2ofs ×[Vout −co
nst ×{(V-1ofs −V-1init) − (V-2ofs −V-1ini
t)}] により、基準温度における初期調整状態に戻した検出値
に補正し、予め用意された判定テーブルと比較して材質
を特定して、金種を判定することを特徴とする。
【0024】またさらに、この発明の硬貨処理装置は、
硬貨搬送前に検出された各2次コイルのオフセットが所
定範囲から外れた場合に、材質センサ異常と判定するこ
とを特徴とする。さらにまた、この発明の硬貨処理装置
は、硬貨搬送前に検出された各2次コイルのオフセット
のレベルからセンサの異常を検知することを特徴とす
る。
硬貨搬送前に検出された各2次コイルのオフセットが所
定範囲から外れた場合に、材質センサ異常と判定するこ
とを特徴とする。さらにまた、この発明の硬貨処理装置
は、硬貨搬送前に検出された各2次コイルのオフセット
のレベルからセンサの異常を検知することを特徴とす
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施の形
態にである硬貨処理装置を概略的に示す概略断面図であ
る。なお、この硬貨処理装置は、たとえば、銀行などの
金融機関における現金自動預出金機などに搭載され、硬
貨C‥‥‥の入金処理および出金処理を行なう循環式の
硬貨処理装置である。
の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施の形
態にである硬貨処理装置を概略的に示す概略断面図であ
る。なお、この硬貨処理装置は、たとえば、銀行などの
金融機関における現金自動預出金機などに搭載され、硬
貨C‥‥‥の入金処理および出金処理を行なう循環式の
硬貨処理装置である。
【0026】図1に示されるように、硬貨処理装置は、
入出金口としての回転可能な受皿1を有する。受皿1
は、入金時には、装置外部から処理すべき各種混合した
複数金種の硬貨C‥‥‥が投入可能で、出金時には、装
置外部へ払出す各種混合した複数金種の硬貨C‥‥‥
を、利用者が取り出し可能に保持する。受皿1は、硬貨
C‥‥‥が投入されると、回転することにより、受入れ
た硬貨C‥‥‥を、鉛直下方に配設された遠心円盤構造
の上部繰出部2に落下させる。
入出金口としての回転可能な受皿1を有する。受皿1
は、入金時には、装置外部から処理すべき各種混合した
複数金種の硬貨C‥‥‥が投入可能で、出金時には、装
置外部へ払出す各種混合した複数金種の硬貨C‥‥‥
を、利用者が取り出し可能に保持する。受皿1は、硬貨
C‥‥‥が投入されると、回転することにより、受入れ
た硬貨C‥‥‥を、鉛直下方に配設された遠心円盤構造
の上部繰出部2に落下させる。
【0027】上部繰出部2は、受皿1からの硬貨C‥‥
‥を、遠心力で分離するとともに、円盤2aの出口に設
けられた高さ規制ガイド (図示しない) で規制して1枚
ずつ送出する。
‥を、遠心力で分離するとともに、円盤2aの出口に設
けられた高さ規制ガイド (図示しない) で規制して1枚
ずつ送出する。
【0028】上部繰出部2の円盤2aの出口の下流側に
は、ピックアップローラ3aおよび搬送ベルト3bから
なる搬送部3が形成されている。ピックアップローラ3
aは、上部繰出部2の円盤2aから1枚ずつ送出された
硬貨C‥‥‥を搬送ベルト3bに、順に送出する。搬送
ベルト3bは、所定の速度で回転されるピックアップロ
ーラ3aとの回転速度比により、硬貨C‥‥‥を所定の
ピッチだけ離して1枚ずつ搬送する。なお、通常、上部
繰出部2の硬貨C‥‥‥の繰出し能力が搬送部3に比較
して高く設定されることから、ピックアップローラ3a
の手前には、硬貨C‥‥‥が連続して繋がることとな
る。
は、ピックアップローラ3aおよび搬送ベルト3bから
なる搬送部3が形成されている。ピックアップローラ3
aは、上部繰出部2の円盤2aから1枚ずつ送出された
硬貨C‥‥‥を搬送ベルト3bに、順に送出する。搬送
ベルト3bは、所定の速度で回転されるピックアップロ
ーラ3aとの回転速度比により、硬貨C‥‥‥を所定の
ピッチだけ離して1枚ずつ搬送する。なお、通常、上部
繰出部2の硬貨C‥‥‥の繰出し能力が搬送部3に比較
して高く設定されることから、ピックアップローラ3a
の手前には、硬貨C‥‥‥が連続して繋がることとな
る。
【0029】ここで、上流駆動回転数 (ピックアップロ
ーラ3aの回転数) をV1、下流駆動回転数 (搬送ベル
ト3bの回転数) をV2、搬送される硬貨C‥‥‥のそ
れぞれの直径をDiaとすると、ピックアップローラ3
aの回転によりある硬貨Cが自身の径だけ進む時間、先
行する硬貨C-1は、搬送ベルト3bの搬送速度で移動さ
れることから、Xint で示される搬送ピッチは、 Xint = (V2×Dia) /V1 … (1) となる。
ーラ3aの回転数) をV1、下流駆動回転数 (搬送ベル
ト3bの回転数) をV2、搬送される硬貨C‥‥‥のそ
れぞれの直径をDiaとすると、ピックアップローラ3
aの回転によりある硬貨Cが自身の径だけ進む時間、先
行する硬貨C-1は、搬送ベルト3bの搬送速度で移動さ
れることから、Xint で示される搬送ピッチは、 Xint = (V2×Dia) /V1 … (1) となる。
【0030】搬送ベルト3bは、ピックアップローラ3
aにより送出される硬貨C‥‥‥を搬送面4に向けて押
しつけることにより搬送ベルト3bの移動速度と等しい
速度で搬送面4上の硬貨C‥‥‥を強制的に搬送し、鑑
査部5へ案内する。
aにより送出される硬貨C‥‥‥を搬送面4に向けて押
しつけることにより搬送ベルト3bの移動速度と等しい
速度で搬送面4上の硬貨C‥‥‥を強制的に搬送し、鑑
査部5へ案内する。
【0031】鑑査部5は、後述する検出、判定処理によ
り、搬送されてくる硬貨C‥‥‥の真偽、種類、正損な
どを識別する。鑑査部5を通過した硬貨C‥‥‥は、搬
送ベルト3bにより更に下流へ搬送され、下流に選別部
6に案内される。
り、搬送されてくる硬貨C‥‥‥の真偽、種類、正損な
どを識別する。鑑査部5を通過した硬貨C‥‥‥は、搬
送ベルト3bにより更に下流へ搬送され、下流に選別部
6に案内される。
【0032】選別部6は、搬送ベルト3bによって搬送
される硬貨 (正貨) C‥‥‥を鑑査部5の識別結果に基
づき金種別 (種類別) に選別する。選別部6は、たとえ
ば、周知の対向式ゲート6a,6b‥‥‥6fを含み、
それぞれのゲート6a,6b‥‥‥6fを選択的に開閉
駆動することにより、硬貨C‥‥‥を、金種別に選別す
る。
される硬貨 (正貨) C‥‥‥を鑑査部5の識別結果に基
づき金種別 (種類別) に選別する。選別部6は、たとえ
ば、周知の対向式ゲート6a,6b‥‥‥6fを含み、
それぞれのゲート6a,6b‥‥‥6fを選択的に開閉
駆動することにより、硬貨C‥‥‥を、金種別に選別す
る。
【0033】選別部6によって選別された硬貨C‥‥‥
は、その下方に配置されている正貨収納手段としての金
種別金庫7の金種別集積筒7a,7b‥‥‥7fに、金
種別に、整列されて収納される。
は、その下方に配置されている正貨収納手段としての金
種別金庫7の金種別集積筒7a,7b‥‥‥7fに、金
種別に、整列されて収納される。
【0034】鑑査部5によりリジェクトされた硬貨 (偽
貨など) C‥‥‥は、金種別金庫7よりも下流に配設さ
れたUターン搬送路8を通って下流搬送路9に導かれ、
下流搬送路9によって、受皿1に返却される。
貨など) C‥‥‥は、金種別金庫7よりも下流に配設さ
れたUターン搬送路8を通って下流搬送路9に導かれ、
下流搬送路9によって、受皿1に返却される。
【0035】鑑査部5と選別部6すなわち金種別金庫7
との間には、金種別金庫7が満杯のとき過剰硬貨C‥‥
‥を収納するためのオーバーフローボックス10が配置
されており、周知の対向式ゲート11により、硬貨C‥
‥‥が落下される。
との間には、金種別金庫7が満杯のとき過剰硬貨C‥‥
‥を収納するためのオーバーフローボックス10が配置
されており、周知の対向式ゲート11により、硬貨C‥
‥‥が落下される。
【0036】選別部6の下流には、また、オーバーフロ
ーボックス10も満杯となった場合等に、全ての過剰硬
貨C‥‥‥を回収する金庫12が配置されている。金庫
12には、周知の対向式ゲート13により、硬貨C‥‥
‥が落下される。なお、装置外部から硬貨C‥‥‥を補
充する場合にも、金庫12に補充硬貨C‥‥‥が投入さ
れる。また、金種別金庫7に所定数量の硬貨C‥‥‥が
収納されていない場合には、金庫12から金種別金庫7
に硬貨C‥‥‥が補充される。すなわち、金庫12の下
部に設けられた往復ピッカなどで構成される硬貨投出部
(図示しない)により、金庫12から指定数量の硬貨C
‥‥‥を取出し、金種別金庫7の下方に配設された下部
繰出部14に投出する。
ーボックス10も満杯となった場合等に、全ての過剰硬
貨C‥‥‥を回収する金庫12が配置されている。金庫
12には、周知の対向式ゲート13により、硬貨C‥‥
‥が落下される。なお、装置外部から硬貨C‥‥‥を補
充する場合にも、金庫12に補充硬貨C‥‥‥が投入さ
れる。また、金種別金庫7に所定数量の硬貨C‥‥‥が
収納されていない場合には、金庫12から金種別金庫7
に硬貨C‥‥‥が補充される。すなわち、金庫12の下
部に設けられた往復ピッカなどで構成される硬貨投出部
(図示しない)により、金庫12から指定数量の硬貨C
‥‥‥を取出し、金種別金庫7の下方に配設された下部
繰出部14に投出する。
【0037】下部繰出部14は、実質的に上部繰出部2
と同様の遠心円盤構造である。下部繰出部14は、金庫
12から投出された硬貨C‥‥‥を1枚ずつ繰り出し
て、平ベルトなどで構成された挟み込み搬送式の縦コン
ベア15へ送出する。縦コンベア15に案内された硬貨
C‥‥‥は、縦コンベア15により上部繰出部2へ搬送
される。
と同様の遠心円盤構造である。下部繰出部14は、金庫
12から投出された硬貨C‥‥‥を1枚ずつ繰り出し
て、平ベルトなどで構成された挟み込み搬送式の縦コン
ベア15へ送出する。縦コンベア15に案内された硬貨
C‥‥‥は、縦コンベア15により上部繰出部2へ搬送
される。
【0038】このようにして上部繰出部2に搬送された
硬貨C‥‥‥は、既に説明した入金時の動作に準じて上
部繰出部2から搬送部3に1枚ずつ繰出され、搬送部3
のベルト3bにより1枚ずつ搬送される間に、鑑査部5
にて種類、真偽、正損が識別されて、選別部6を経由し
て、金種別金庫7の金種別集積筒7a,7b‥‥‥7f
に収納される。
硬貨C‥‥‥は、既に説明した入金時の動作に準じて上
部繰出部2から搬送部3に1枚ずつ繰出され、搬送部3
のベルト3bにより1枚ずつ搬送される間に、鑑査部5
にて種類、真偽、正損が識別されて、選別部6を経由し
て、金種別金庫7の金種別集積筒7a,7b‥‥‥7f
に収納される。
【0039】次に、硬貨の出金処理について説明する。
図示しない操作パネルあるいは入力部から所定の金額の
出金が指示されると、金種別金庫7から、対応する金種
の硬貨C‥‥‥が受皿1へ送出される。
図示しない操作パネルあるいは入力部から所定の金額の
出金が指示されると、金種別金庫7から、対応する金種
の硬貨C‥‥‥が受皿1へ送出される。
【0040】詳細には、金種別金庫7の金種別集積筒7
a,7b‥‥‥7fの下部に、個々の金種別集積筒毎に
配置された往復ピッカ16a,16b‥‥‥16fから
なる硬貨投出部16により、金種別金庫7の金種別集積
筒7a,7b‥‥‥7fのそれぞれから、指定数量の硬
貨C‥‥‥が下部繰出部14に投出される。
a,7b‥‥‥7fの下部に、個々の金種別集積筒毎に
配置された往復ピッカ16a,16b‥‥‥16fから
なる硬貨投出部16により、金種別金庫7の金種別集積
筒7a,7b‥‥‥7fのそれぞれから、指定数量の硬
貨C‥‥‥が下部繰出部14に投出される。
【0041】下部繰出部14は、金種別金庫7の金種別
集積筒7a,7b‥‥‥7fのいづれかまたは全部から
所定量投出された硬貨C‥‥‥を1枚ずつ繰り出して縦
コンベア15へ送出する。以下、縦コンベア15に案内
された硬貨C‥‥‥は、縦コンベア15により上部繰出
部2へ搬送される。上部繰出部2に案内された硬貨C‥
‥‥は、搬送部3により鑑査部5を通過され、鑑査部5
において種類や数量が確認された後、搬送ベルト3bに
より最下流まで搬送され、Uターン搬送路8および下流
搬送路9により、受皿1に送出される。
集積筒7a,7b‥‥‥7fのいづれかまたは全部から
所定量投出された硬貨C‥‥‥を1枚ずつ繰り出して縦
コンベア15へ送出する。以下、縦コンベア15に案内
された硬貨C‥‥‥は、縦コンベア15により上部繰出
部2へ搬送される。上部繰出部2に案内された硬貨C‥
‥‥は、搬送部3により鑑査部5を通過され、鑑査部5
において種類や数量が確認された後、搬送ベルト3bに
より最下流まで搬送され、Uターン搬送路8および下流
搬送路9により、受皿1に送出される。
【0042】図2は、鑑査部5の材質検知センサを示す
概略図である。鑑査部5に組み込まれる材質検知センサ
20は、硬貨C‥‥‥を搬送する搬送ベルト3bを挟ん
で搬送方向と直交する幅方向に、幅方向の一方に搬送ベ
ルト3bを通過可能とする開放部21aが形成された概
ねコの字形の1次コア21および対向する2次コア22
並びにそれぞれのコアに巻きつけられた複数のコイルに
より形成されている。
概略図である。鑑査部5に組み込まれる材質検知センサ
20は、硬貨C‥‥‥を搬送する搬送ベルト3bを挟ん
で搬送方向と直交する幅方向に、幅方向の一方に搬送ベ
ルト3bを通過可能とする開放部21aが形成された概
ねコの字形の1次コア21および対向する2次コア22
並びにそれぞれのコアに巻きつけられた複数のコイルに
より形成されている。
【0043】材質検知センサ20は、搬送部3の搬送ベ
ルト3bを挟むとともに、幅方向の一方に開放部21a
を有し、搬送部3の下方部と上方部とをコの字形に囲む
形状に形成されている。また、材質検知センサ20の開
放部21aの概ね中央には、搬送面4および搬送ベルト
3bが貫通されている。
ルト3bを挟むとともに、幅方向の一方に開放部21a
を有し、搬送部3の下方部と上方部とをコの字形に囲む
形状に形成されている。また、材質検知センサ20の開
放部21aの概ね中央には、搬送面4および搬送ベルト
3bが貫通されている。
【0044】材質検知センサ20は、詳細には、図3に
示すように構成されている。すなわち、材質検知センサ
20は、搬送部3の下方の幅方向に配置された幅広の1
次コア21、1次コア21に巻きつけられた励磁用の1
次コイル32、1次コア21に対して1次コイル32と
ともに巻きつけられ、1次コイル32から電磁誘導され
る第1の2次コイル33、搬送部3の搬送ベルト3bお
よび搬送面4を挟んで1次コア21と相対向して配置さ
れる幅広の2次コア22および2次コア22に巻きつけ
られて、第1の2次コイル33から発生され、1次コア
21と2次コア22との間の間隔20aを通って2次コ
ア22側に向けられた磁束を捕捉する第2の2次コイル
35によって構成されている。
示すように構成されている。すなわち、材質検知センサ
20は、搬送部3の下方の幅方向に配置された幅広の1
次コア21、1次コア21に巻きつけられた励磁用の1
次コイル32、1次コア21に対して1次コイル32と
ともに巻きつけられ、1次コイル32から電磁誘導され
る第1の2次コイル33、搬送部3の搬送ベルト3bお
よび搬送面4を挟んで1次コア21と相対向して配置さ
れる幅広の2次コア22および2次コア22に巻きつけ
られて、第1の2次コイル33から発生され、1次コア
21と2次コア22との間の間隔20aを通って2次コ
ア22側に向けられた磁束を捕捉する第2の2次コイル
35によって構成されている。
【0045】なお、1次コイル32は、たとえば、ウィ
ーンブリッジ正弦波発振器37からの正弦波信号によっ
て励磁される。次に、図4を参照して、材質検知センサ
20により硬貨の材質を検知する方法およびセンサ20
の出力を温度変化に対して補正する方法について説明す
る。
ーンブリッジ正弦波発振器37からの正弦波信号によっ
て励磁される。次に、図4を参照して、材質検知センサ
20により硬貨の材質を検知する方法およびセンサ20
の出力を温度変化に対して補正する方法について説明す
る。
【0046】図4は、鑑査部5を詳細に示すブロック図
である。材質検知センサ20の2次コイル33,35の
各出力は、それぞれ増幅回路41,42で増幅された
後、コンデンサなどからなる直流成分カット回路43,
44で直流成分がカットされ、積分回路45,46で積
分され、ローパスフィルタ(LPF) 47,48で平滑
され、演算回路49に入力される。
である。材質検知センサ20の2次コイル33,35の
各出力は、それぞれ増幅回路41,42で増幅された
後、コンデンサなどからなる直流成分カット回路43,
44で直流成分がカットされ、積分回路45,46で積
分され、ローパスフィルタ(LPF) 47,48で平滑
され、演算回路49に入力される。
【0047】演算回路49は、たとえば、 Vout = const × (V47−×V48) … (2) V47は、ローパスフィルタ47の出力、V48は、ローパ
スフィルタ48の出力、const は、演算定数、で示され
る演算により、センサ出力Vout を求める。
スフィルタ48の出力、const は、演算定数、で示され
る演算により、センサ出力Vout を求める。
【0048】この場合、演算回路49の演算定数が固定
となり、最終段の増幅回路が不要となる。なお、演算定
数は,例えば、1対1で、第1の2次コイル33の整流
出力から第2の2次コイル35の整流出力を減算し、減
算結果に一定の増幅定数、例えば、3.0を掛けること
で容易に設定される。
となり、最終段の増幅回路が不要となる。なお、演算定
数は,例えば、1対1で、第1の2次コイル33の整流
出力から第2の2次コイル35の整流出力を減算し、減
算結果に一定の増幅定数、例えば、3.0を掛けること
で容易に設定される。
【0049】これにより、硬貨処理装置における実際の
調整としては、各2次コイル33,35の整流出力V4
7,V48が無負荷状態で、例えば、「300h」となる
よう、増幅回路41,42 (2次コイル33,35の生
出力の入力段) を調整することにより、従来利用されて
いた調整片による感度調整が不要となる。
調整としては、各2次コイル33,35の整流出力V4
7,V48が無負荷状態で、例えば、「300h」となる
よう、増幅回路41,42 (2次コイル33,35の生
出力の入力段) を調整することにより、従来利用されて
いた調整片による感度調整が不要となる。
【0050】演算回路49により求められたセンサ出力
Vout は、A/Dコンバータ50の2チャンネルに入力
される。また、ローパスフィルタ47,48の各出力
は、それぞれ、A/Dコンバータ50に、直接入力され
る。すなわち、ローパスフィルタ47の出力は、A/D
コンバータ50の0チャンネルに、ローパスフィルタ4
8の出力は、A/Dコンバータ80の1チャンネル1
に、それぞれ、入力される。
Vout は、A/Dコンバータ50の2チャンネルに入力
される。また、ローパスフィルタ47,48の各出力
は、それぞれ、A/Dコンバータ50に、直接入力され
る。すなわち、ローパスフィルタ47の出力は、A/D
コンバータ50の0チャンネルに、ローパスフィルタ4
8の出力は、A/Dコンバータ80の1チャンネル1
に、それぞれ、入力される。
【0051】A/Dコンバータ50は、後述、CPU5
2により制御されるマルチプレクサ51により、0,
1,2のチャンネルが切換られることから、ローパスフ
ィルタ47,48および演算回路49の各出力は、順
に、デジタル信号に変換される。なお、A/Dコンバー
タ50の0チャンネル,1チャンネルの各入力信号レベ
ルは、増幅回路41,42の各増幅率がそれぞれ調整可
能 (可変) となっているため、あらかじめ所定値に設定
されている。また、A/Dコンバータ50の2チャンネ
ルの入力信号レベルは、材質検知センサ20に硬貨がな
い状態で「0」となるよう、演算回路49の出力レベル
により調整されている。
2により制御されるマルチプレクサ51により、0,
1,2のチャンネルが切換られることから、ローパスフ
ィルタ47,48および演算回路49の各出力は、順
に、デジタル信号に変換される。なお、A/Dコンバー
タ50の0チャンネル,1チャンネルの各入力信号レベ
ルは、増幅回路41,42の各増幅率がそれぞれ調整可
能 (可変) となっているため、あらかじめ所定値に設定
されている。また、A/Dコンバータ50の2チャンネ
ルの入力信号レベルは、材質検知センサ20に硬貨がな
い状態で「0」となるよう、演算回路49の出力レベル
により調整されている。
【0052】A/Dコンバータ50の出力は、材質検知
センサ20の出力データとして、CPU (セントラル・
プロセッシング・ユニットすなわち中央処理回路) 52
に入力される。CPU52は、マルチプレクサ51を制
御してA/Dコンバータ50の2チャンネルを選択する
ことにより材質検知センサ20の出力を読込み (サンプ
リングし) 、RAM (ランダム・アクセス・メモリ) 5
3に順次記憶する。
センサ20の出力データとして、CPU (セントラル・
プロセッシング・ユニットすなわち中央処理回路) 52
に入力される。CPU52は、マルチプレクサ51を制
御してA/Dコンバータ50の2チャンネルを選択する
ことにより材質検知センサ20の出力を読込み (サンプ
リングし) 、RAM (ランダム・アクセス・メモリ) 5
3に順次記憶する。
【0053】また、CPU52は、増幅回路41,42
の各増幅率を調整する際に、マルチプレクサ51を制御
してA/Dコンバータ50の0チャンネル,1チャンネ
ルを順次切換えることにより、材質検知センサ20の2
次コイル33,35の各出力を順次、読込み、増幅率を
調整する。
の各増幅率を調整する際に、マルチプレクサ51を制御
してA/Dコンバータ50の0チャンネル,1チャンネ
ルを順次切換えることにより、材質検知センサ20の2
次コイル33,35の各出力を順次、読込み、増幅率を
調整する。
【0054】なお、CPU52には、CPU52の制御
プログラム、および、硬貨の金種ごとに磁気的材質など
の判定基準値データを、テーブルの形で記憶しているR
OM(リード・オンリ・メモリ) 54が接続されてい
る。また、CPU52は、硬貨の種類や真偽の判定処
理、硬貨の正損の判定処理、増幅回路の増幅率調整制御
の外、その判定結果に基づく硬貨処理装置の各種アクチ
ュエータの制御処理など、制御系全体を制御する。
プログラム、および、硬貨の金種ごとに磁気的材質など
の判定基準値データを、テーブルの形で記憶しているR
OM(リード・オンリ・メモリ) 54が接続されてい
る。また、CPU52は、硬貨の種類や真偽の判定処
理、硬貨の正損の判定処理、増幅回路の増幅率調整制御
の外、その判定結果に基づく硬貨処理装置の各種アクチ
ュエータの制御処理など、制御系全体を制御する。
【0055】一方、CPU52は、材質検知センサ20
の硬貨搬送前の各2次コイル33,35のオフセットが
所定の範囲から外れた場合には、材質検知センサ20が
異常であると判定して、硬貨処理装置を停止させる。ま
た、これに関連して、CPU52は、硬貨搬送前に、材
質検知センサ20の各2次コイル33,35のオフセッ
トにより、例えば、ROM54に記憶されている異常検
知ルーチンに従って材質検知センサ20の動作をチェッ
クする。
の硬貨搬送前の各2次コイル33,35のオフセットが
所定の範囲から外れた場合には、材質検知センサ20が
異常であると判定して、硬貨処理装置を停止させる。ま
た、これに関連して、CPU52は、硬貨搬送前に、材
質検知センサ20の各2次コイル33,35のオフセッ
トにより、例えば、ROM54に記憶されている異常検
知ルーチンに従って材質検知センサ20の動作をチェッ
クする。
【0056】図4に示した材質検知回路によれば、ま
ず、材質検知センサ20の出力に基づいて硬貨C‥‥‥
の材質が検知される。材質検知センサ20の2次コイル
33,35の各出力は、それぞれ増幅回路41,42で
増幅され、直流成分カット回路43,44で直流成分が
カットされ、積分回路45,46で積分され、さらに、
ローパスフィルタ47,48で平滑されて演算回路49
に入力され、前述した (2) 式により、Vout ととし
て、算出される。
ず、材質検知センサ20の出力に基づいて硬貨C‥‥‥
の材質が検知される。材質検知センサ20の2次コイル
33,35の各出力は、それぞれ増幅回路41,42で
増幅され、直流成分カット回路43,44で直流成分が
カットされ、積分回路45,46で積分され、さらに、
ローパスフィルタ47,48で平滑されて演算回路49
に入力され、前述した (2) 式により、Vout ととし
て、算出される。
【0057】(2) 式で求められた出力Vout は、A/
Dコンバータ50によりデジタル値に変換され、CPU
52に入力される。CPU52は、A/Dコンバータ5
0の出力を所定間隔でサンプリングして逐次比較するこ
とによりピーク値を検出し、RAM53に記憶する。
Dコンバータ50によりデジタル値に変換され、CPU
52に入力される。CPU52は、A/Dコンバータ5
0の出力を所定間隔でサンプリングして逐次比較するこ
とによりピーク値を検出し、RAM53に記憶する。
【0058】上述した材質検知センサ20の出力は、磁
束の積分値であるため、なだらかな山形状となり、ピー
ク値は容易に検出される。周知のように、検出原理は、
交番磁界に対して硬貨の表面に生じる渦電流量を比較す
るものであり、渦電流量は硬貨の材料の導電率で決定さ
れ、導電率の小さい白銅硬貨 (50円,100円,50
0円) は小さく、導電率の大きいアルミニューム硬貨
(1円) および青銅硬貨(10円) は大きくなる。すなわ
ち、導電率の大きい硬貨ほど材質検知センサ20の出力
が大きくなり、図5に示すように、 アルミ (1円) >青銅 (10円) >黄銅 (5円) >白銅
(その他) が設定される。
束の積分値であるため、なだらかな山形状となり、ピー
ク値は容易に検出される。周知のように、検出原理は、
交番磁界に対して硬貨の表面に生じる渦電流量を比較す
るものであり、渦電流量は硬貨の材料の導電率で決定さ
れ、導電率の小さい白銅硬貨 (50円,100円,50
0円) は小さく、導電率の大きいアルミニューム硬貨
(1円) および青銅硬貨(10円) は大きくなる。すなわ
ち、導電率の大きい硬貨ほど材質検知センサ20の出力
が大きくなり、図5に示すように、 アルミ (1円) >青銅 (10円) >黄銅 (5円) >白銅
(その他) が設定される。
【0059】こうして、材質検知センサ20の出力Vou
t の最大値が検出されてRAM53に記憶され、CPU
52により、ROM54に記憶されている図示しない材
質判定基準値テーブルとRAM53に記憶された最大値
とが比較され、その比較結果に基づいて、硬貨Cの種類
および真偽が判定される。
t の最大値が検出されてRAM53に記憶され、CPU
52により、ROM54に記憶されている図示しない材
質判定基準値テーブルとRAM53に記憶された最大値
とが比較され、その比較結果に基づいて、硬貨Cの種類
および真偽が判定される。
【0060】ところで、既に説明したように、材質検知
センサ20の出力は、硬貨処理装置が置かれる環境条件
すなわち周囲温度の変化に応じて変動することが知られ
ている。すなわち、材質検知センサの出力に対応する基
準テーブルは、サーミスタ等の温度センサにより検知さ
れた温度の変化に合わせて温度補正される。
センサ20の出力は、硬貨処理装置が置かれる環境条件
すなわち周囲温度の変化に応じて変動することが知られ
ている。すなわち、材質検知センサの出力に対応する基
準テーブルは、サーミスタ等の温度センサにより検知さ
れた温度の変化に合わせて温度補正される。
【0061】しかしながら、既に説明したように、各温
度毎に設定された温度補正テーブルに基づいて、周囲温
度の変化に対して基準テーブルを補正する方法では、周
囲の温度変化の特性に対しては、センサのバラツキが有
るにもかかわらず同一の温度テーブルが利用されること
から、高温あるいは低温環境下において、温度により補
正されたテーブルと搭載されたセンサとの温度特性の差
に対応する誤差が増大される。また、温度センサにより
検知された温度に基づいて基準テーブルを演算により補
正する方法では、温度特性が線形に近い温度センサが必
要となり、温度センサのコストアップまたは硬貨処理装
置に搭載されるCPUの演算能力の増強が要求されるこ
とになる。
度毎に設定された温度補正テーブルに基づいて、周囲温
度の変化に対して基準テーブルを補正する方法では、周
囲の温度変化の特性に対しては、センサのバラツキが有
るにもかかわらず同一の温度テーブルが利用されること
から、高温あるいは低温環境下において、温度により補
正されたテーブルと搭載されたセンサとの温度特性の差
に対応する誤差が増大される。また、温度センサにより
検知された温度に基づいて基準テーブルを演算により補
正する方法では、温度特性が線形に近い温度センサが必
要となり、温度センサのコストアップまたは硬貨処理装
置に搭載されるCPUの演算能力の増強が要求されるこ
とになる。
【0062】次に、センサ出力Vout を温度変化に対し
て補正する方法を説明する。(2) 式により得られたセ
ンサ出力Vout は、第1の2次コイル33の整流出力を
V33、第2の2次コイル35の整流出力をV35、演算定
数をconst × (V33−V35) すなわちV33とV35の1対
1の減算、第1の2次コイル33のオフセットをV33of
s 、第2の2次コイル35のオフセットをV35ofs 、第
1の2次コイル33の初期調整値をV33init、第2の2
次コイル35の初期調整値をV35init、材質検出値 (セ
ンサ20の出力) をVout 、とすると、補正検出値Vh
oseiは、 により温度補正される。なお、オフセットとは、センサ
20に硬貨が存在しない状態すなわち無負荷時の各セン
サの出力値を示している。
て補正する方法を説明する。(2) 式により得られたセ
ンサ出力Vout は、第1の2次コイル33の整流出力を
V33、第2の2次コイル35の整流出力をV35、演算定
数をconst × (V33−V35) すなわちV33とV35の1対
1の減算、第1の2次コイル33のオフセットをV33of
s 、第2の2次コイル35のオフセットをV35ofs 、第
1の2次コイル33の初期調整値をV33init、第2の2
次コイル35の初期調整値をV35init、材質検出値 (セ
ンサ20の出力) をVout 、とすると、補正検出値Vh
oseiは、 により温度補正される。なお、オフセットとは、センサ
20に硬貨が存在しない状態すなわち無負荷時の各セン
サの出力値を示している。
【0063】(3) 式において、[Vout −const×{(V
33ofs −V33init) − (V35ofs −V35init)}]は、各
2次コイルの整流出力の相互間のアンバラスを補正する
(各コイルを透過する磁束量を初期調整状態に戻す) も
ので、V35init/V35ofs は、感度すなわち透過磁束量
の変動を初期調整状態に戻すために利用される。
33ofs −V33init) − (V35ofs −V35init)}]は、各
2次コイルの整流出力の相互間のアンバラスを補正する
(各コイルを透過する磁束量を初期調整状態に戻す) も
ので、V35init/V35ofs は、感度すなわち透過磁束量
の変動を初期調整状態に戻すために利用される。
【0064】(3) 式に於いて、V33init、V35init
は、それぞれ「300h」と同じ値をとるから (3) 式
は、 Vhosei = V35init/V35offs×[Vout−const ×{V33offs−V35offs}] … (4) と変形される。
は、それぞれ「300h」と同じ値をとるから (3) 式
は、 Vhosei = V35init/V35offs×[Vout−const ×{V33offs−V35offs}] … (4) と変形される。
【0065】次に、図6を用いて、上述した補正のフロ
ーを説明する。入出金などの処理コマンドがCPU52
により受信されると、鑑査部5の図示しない鑑査部CP
Uに対して搬送許可確認コマンドが出力される。また、
CPU52により上述した材質検知センサ20の異常が
検知された場合には、搬送許可確認コマンドに換えて搬
送不可が報知される。
ーを説明する。入出金などの処理コマンドがCPU52
により受信されると、鑑査部5の図示しない鑑査部CP
Uに対して搬送許可確認コマンドが出力される。また、
CPU52により上述した材質検知センサ20の異常が
検知された場合には、搬送許可確認コマンドに換えて搬
送不可が報知される。
【0066】鑑査部CPUは、搬送許可確認コマンドを
受信したのち、硬貨搬送前の各2次コイル33および3
5の整流出力 (オフセット:無負荷時出力) すなわちV
47,V48を、A/Dコンバータ50の所定のチャンネル
から読取り記憶する。なお、実際に硬貨が搬送されてい
る時には、材質検知センサ20の演算出力のピークを検
出する。
受信したのち、硬貨搬送前の各2次コイル33および3
5の整流出力 (オフセット:無負荷時出力) すなわちV
47,V48を、A/Dコンバータ50の所定のチャンネル
から読取り記憶する。なお、実際に硬貨が搬送されてい
る時には、材質検知センサ20の演算出力のピークを検
出する。
【0067】ピークが得られたら、 (3) 式によりピー
クを補正 (ピーク補正) し、予め設けられた判定テーブ
ルで金種を判定する。なお、硬貨繰り出し部などに残留
がある場合、上述したピーク検出、ピーク補正および判
定が繰り返えされる。また、オフセットは、瞬間的に大
きく変動することはないので、搬送開始毎に検知すれば
よい。
クを補正 (ピーク補正) し、予め設けられた判定テーブ
ルで金種を判定する。なお、硬貨繰り出し部などに残留
がある場合、上述したピーク検出、ピーク補正および判
定が繰り返えされる。また、オフセットは、瞬間的に大
きく変動することはないので、搬送開始毎に検知すれば
よい。
【0068】図7は、各2次コイル33,35の整流出
力をボリュームにより強制的に変動させた場合の例えば
10円貨 (青銅貨) の材質検出値の変化を示す試験デー
タである。
力をボリュームにより強制的に変動させた場合の例えば
10円貨 (青銅貨) の材質検出値の変化を示す試験デー
タである。
【0069】図7から明らかなように、上述したこの発
明の実施の形態としての補正方法を用いない場合、2次
コイル33,35の整流出力の差に固定演算定数を掛け
た値だけ検出値がずれるが、上述した補正により、微妙
なずれしか発生しないことが認められる。
明の実施の形態としての補正方法を用いない場合、2次
コイル33,35の整流出力の差に固定演算定数を掛け
た値だけ検出値がずれるが、上述した補正により、微妙
なずれしか発生しないことが認められる。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の硬貨処理装
置によれば、各2次コイル整流出力の初期調整、硬貨検
出直前 (搬送直前) の前記各2次コイル整流出力レベル
(オフセットレベル) 、前記2次コイル間の演算定数に
より、検出値 (材質検知センサのピーク値) を、基準温
度 (常温:20〜25°C) での補正して、初期調整完
了時の状態に検出値を変換するため、周囲の温度の変
動、経時変動、例えば、コア位置決め部材 (ケース) 等
の経時変化によるコア間のギャップ変動であって成形時
のストレスが温度変動の繰り返しにより開放されて変形
する等に無関係に、安定した検出精度が維持される。
置によれば、各2次コイル整流出力の初期調整、硬貨検
出直前 (搬送直前) の前記各2次コイル整流出力レベル
(オフセットレベル) 、前記2次コイル間の演算定数に
より、検出値 (材質検知センサのピーク値) を、基準温
度 (常温:20〜25°C) での補正して、初期調整完
了時の状態に検出値を変換するため、周囲の温度の変
動、経時変動、例えば、コア位置決め部材 (ケース) 等
の経時変化によるコア間のギャップ変動であって成形時
のストレスが温度変動の繰り返しにより開放されて変形
する等に無関係に、安定した検出精度が維持される。
【0071】また、判定テーブルは、基準硬貨を流して
得られた統計データ (平均、標準偏差等) から作成する
ため、出力処理回路を含むセンサ間の性能のばらつきに
起因して検出精度が影響を受けることがなく、安価なセ
ンサにより短時間の調整で、安定した材質検知装置が得
られる。
得られた統計データ (平均、標準偏差等) から作成する
ため、出力処理回路を含むセンサ間の性能のばらつきに
起因して検出精度が影響を受けることがなく、安価なセ
ンサにより短時間の調整で、安定した材質検知装置が得
られる。
【図1】この発明の実施の形態である硬貨処理装置を示
す概略図。
す概略図。
【図2】図1に示した硬貨処理装置に組み込まれる材質
検知センサの一例を示す概略図。
検知センサの一例を示す概略図。
【図3】図2に示した材質検知センサの概略断面図。
【図4】図3に示した材質検知センサに接続される材質
検知回路の一例を示すブロック図。
検知回路の一例を示すブロック図。
【図5】材質検知センサの検知出力の一例を示すグラ
フ。
フ。
【図6】この発明の実施の形態である補正の例を示すフ
ローチャート。
ローチャート。
【図7】材質検知センサの出力の変化の例を示す概略
図。
図。
C・・・硬貨、 2・・・上部繰出部、 3・・・搬送部 3a・・ピックアップローラ、 3b・・搬送ベルト、 4・・・搬送面、 5・・・鑑査部、 6・・・選別部、 7・・・金種別金庫、 8・・・Uターン搬送路、 9・・・下流搬送路、 10・・・オーバーフローボックス、 12・・・金庫、 14・・・下部繰出部、 15・・・縦コンベア、 16・・・硬貨投出部、 20・・・材質検知センサ、 21・・・1次コア、 22・・・2次コア、 32・・・1次コイル、 33・・・第1の2次コイル、 35・・・第2の2次コイル、 37・・・ウィーンブリッジ正弦波発振器、 41・・・増幅回路、 42・・・増幅回路、 45・・・積分回路、 46・・・積分回路、 47・・・ローパスフィルタ、 48・・・ローパスフィルタ、 49・・・演算回路、 50・・・A/Dコンバータ、 52・・・CPU、 53・・・RAM、 54・・・ROM。
Claims (7)
- 【請求項1】搬送路を挟んで一方に配置された励磁用の
1次コイルとこの1次コイルにより電磁誘導される第1
の2次コイルの巻回された幅広の1次コアと、搬送路を
挟んで他方に配置され、前記1次コイルにより電磁誘導
される第2の2次コイルの巻回された幅広の2次コア
と、前記1次、2次コアを位置決め固定するケースなど
のコア位置決め部材から構成された透過磁束量検知型の
材質センサと、 前記各2次コイルの出力を増幅する増幅率の調整が可能
な増幅手段と、 前記各増幅手段の増幅出力を整流する整流手段と、 前記各整流手段の整流出力を演算する演算定数が一定で
ある演算手段と、 前記各整流手段の出力および前記演算手段の出力をディ
ジタル量に変換するアナログ−ディジタル変換手段と、 硬貨搬送前に前記各2次コイルの整流出力を検出するオ
フセット検知手段と、 このオフセット検知手段により検知されたオフセットお
よび初期調整値を記憶する記憶手段と、 前記演算手段の出力から材質を検知する材質検知手段
と、 この材質検知手段の材質検出値を、前記オフセットと前
記オフセットの初期調整値と前記一定である演算定数に
基づいて補正する材質検出値補正手段と、 この材質検出値補正手段の出力を予め用意された判定テ
ーブルと比較して材質を特定する材質特定手段と、を有
することを特徴とする硬貨処理装置。 - 【請求項2】前記材質検出値補正手段は、前記各2次コ
イルの初期調整値と現在の各2次コイルの整流出力と一
定である前記各2次コイルの整流出力の演算定数から得
られた材質検出値を、基準温度における初期調整状態に
戻した検出値に補正することを特徴とする請求項1記載
の硬貨処理装置。 - 【請求項3】前記鑑査手段は、入出金等のコマンドが上
位から送られて硬貨の搬送許可が問われた時に、前記各
2次コイルの整流出力を求めてメモリに記憶させ、硬貨
が実際に搬送された時点で前記材質センサの出力のピー
クを検出してピーク値を確定し、この確定されたピーク
値を、基準温度における初期調整状態に戻した検出値に
補正し、予め用意された判定テーブルと比較して材質を
特定して、金種を判定することを特徴とする請求項1記
載の硬貨処理装置。 - 【請求項4】前記材質検出値補正手段は、 第1の2次コイルの整流出力をV-1、 第2の2次コイルの整流出力をV-2、 演算定数をconst × (V-1−V-2) すなわちV-1とV-2
の1対1の減算処理、 第1の2次コイルのオフセットをV-1ofs 、 第2の2次コイルのオフセットをV-2ofs 、 第1の2次コイルの初期調整値をV-1init、 第2の2次コイルの初期調整値をV-2init、 材質検出値すなわち材質センサの出力をVout 、とする
とき、 Vhosei = V-2init/V-2ofs ×[Vout −co
nst ×{(V-1ofs −V-1init) − (V-2ofs −V-1ini
t)}] により、基準温度における初期調整状態に戻した検出値
に補正し、予め用意された判定テーブルと比較して材質
を特定して、金種を判定することを特徴とする請求項1
記載の硬貨処理装置。 - 【請求項5】硬貨搬送前に検出された各2次コイルのオ
フセットが所定範囲から外れた場合に、材質センサ異常
と判定することを特徴とする請求項1ないし4のいづれ
かに記載の硬貨処理装置。 - 【請求項6】硬貨搬送前に検出された各2次コイルのオ
フセットのレベルからセンサの異常を検知することを特
徴とする請求項1ないし4のいづれかに記載の硬貨処理
装置。 - 【請求項7】入出金等のコマンドが上位から送られて硬
貨の搬送許可が問われた時に、前記各2次コイルの整流
出力のレベルを検知し、この検知したレベルが初期調整
値に対して所定レベル以上はずれた場合に、センサ異常
として、前記搬送許可を問うコマンドに対し、センサ異
常または搬送不可をレスポンスすることを特徴とする請
求項5または6のいづれかに記載の硬貨処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25927096A JPH10105766A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 硬貨処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25927096A JPH10105766A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 硬貨処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10105766A true JPH10105766A (ja) | 1998-04-24 |
Family
ID=17331770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25927096A Pending JPH10105766A (ja) | 1996-09-30 | 1996-09-30 | 硬貨処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10105766A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020204831A (ja) * | 2019-06-14 | 2020-12-24 | ローレルバンクマシン株式会社 | 硬貨処理装置及び硬貨処理方法 |
-
1996
- 1996-09-30 JP JP25927096A patent/JPH10105766A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020204831A (ja) * | 2019-06-14 | 2020-12-24 | ローレルバンクマシン株式会社 | 硬貨処理装置及び硬貨処理方法 |
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