JP4453221B2 - 貨幣処理機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貨幣処理機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、金融機関等にATM、大型の貨幣計算機等の貨幣処理機、例えば、硬貨処理機、紙幣処理機等が配設され、前記貨幣処理機によって、硬貨、紙幣等の貨幣が処理されるようになっている。そして、前記硬貨処理機においては、硬貨の真偽を判断し、かつ、金種を識別するために鑑査部が配設され、該鑑査部に、鑑査基板及び鑑査センサ部から成る鑑査基板・鑑査センサ部ユニットが配設される。そして、前記鑑査センサ部においては、径センサ、材質センサ等のセンサが配設され、該センサのセンサ出力の統計量が算出され、該統計量があらかじめ設定された正貨範囲に収まるかどうかに基づいて、硬貨の真偽が判断され、金種が識別される。
【0003】
そして、前記正貨範囲を設定するために、あらかじめ所定の数の基準の硬貨、すなわち、基準媒体が搬送されて前記各センサによるセンサ出力が読み込まれ、該センサ出力に基づいて正貨範囲が算出されるようになっている。該正貨範囲は、前記鑑査基板に搭載された不揮発性メモリ、例えば、EEPROMに辞書データとして記録される。
【0004】
ところで、前記各センサには感度にばらつきがあるだけでなく、検出される対象がない場合にセンサ出力、すなわち、オフセットが存在することがある。そこで、前記鑑査基板にアナログのボリューム抵抗を配設し、該ボリューム抵抗を調整することによって、各センサの感度のばらつき及びオフセットをなくし、その後、正貨範囲を設定し、該正貨範囲を辞書データとしてEEPROMに記録するようにしている。このようにして、鑑査基板及び鑑査センサ部の調整を行うことができる。
【0005】
この場合、各センサは鑑査センサ部に配設されるのに対して、ボリューム抵抗及びEEPROMは鑑査基板に配設されるので、調整が行われた後の鑑査センサ及び鑑査基板は組み合わせて貨幣処理機に搭載され、保守・管理用の部品とされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の貨幣処理機においては、調整が行われた後の鑑査センサ部と鑑査基板とが、組合せを間違えて搭載されると、前記ボリューム抵抗の調整及び正貨範囲の設定が正しく行われていないことになるので、硬貨の真偽の判断精度及び金種の識別精度が低下してしまう。
【0007】
本発明は、前記従来の貨幣処理機の問題点を解決して、貨幣の真偽の判断精度及び金種の識別精度を向上させることができる貨幣処理機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の貨幣処理機においては、所定の検出要素を検出する検出手段を備えた鑑査センサ部と、前記検出手段の出力を調整する出力調整手段を備えた鑑査基板と、該鑑査基板に配設された第1の記録手段に記録された鑑査基板についての第1のID情報と、前記鑑査センサ部に配設された第2の記録手段に記録された鑑査センサ部についての第2のID情報とを比較する比較処理手段と、前記第1、第2のID情報が一致するかどうかを判断し、第1、第2のID情報が一致しない場合にエラーを発生させるID情報不一致エラー処理手段と、前記第1の記録手段に記録された第1の辞書データと、前記第2の記録手段に記録された第2の辞書データとを比較する他の比較処理手段と、前記第1、第2の辞書データが一致するかどうかを判断し、第1、第2の辞書データが一致しない場合にエラーを発生させる辞書データ不一致エラー処理手段とを有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、貨幣を処理する貨幣処理機のうちの、硬貨を処理する硬貨処理機について説明する。
【0010】
図2は本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の概略図である。
【0011】
図において、11は硬貨を処理する硬貨処理機、12は顧客が硬貨を投入して入金したり、出金された硬貨を受け取るための入出金口(受皿)、13は該入出金口12内から放出された(落下させられた)硬貨を、1枚ずつ分離させて下流側に繰り出す遠心円盤型の上部繰出部、14は該上部繰出部13によって繰り出された硬貨の真偽を判断し、かつ、金種を識別する鑑査部である。
【0012】
また、15は、対向式の選別ゲートを備え、前記鑑査部14による鑑査結果に基づいて、硬貨を金種ごとに選別する選別搬送部、16は該選別搬送部15によって選別された硬貨を収納するための筒状の整列集積型の金種別スタッカ、17は貨幣の処理が行われている間に、前記金種別スタッカ16の投入先が満杯になった場合等に、オーバーフローした硬貨を収納するオーバーフロースタッカ、18は補充用の硬貨が収納される装填(てん)庫である。
【0013】
そして、21は、入出金口12を介して入金された硬貨を一時的に収納したり、前記上部繰出部13に硬貨を放出したりするための一次係留部、22は硬貨を1枚ずつ分離して下流側に繰り出す遠心円盤型の下部繰出部、23は硬貨を搬送する縦搬送部、24は硬貨を反転させて搬送するUターン搬送部、25は前記装填庫18から繰り出された硬貨のうちのリジェクト硬貨を収納する装填リジェクト庫、26は硬貨処理機11の電源である。
【0014】
次に、前記金種別スタッカ16について説明する。
【0015】
図3は本発明の第1の実施の形態における金種別スタッカを示す正面図、図4は本発明の第1の実施の形態における金種別スタッカを示す平面図である。
【0016】
図において、31はロータリーソレノイド、32はシャフト、33は前記ロータリーソレノイドとシャフト32との連結部、34は対向式の選別ゲート、35は前記シャフト32の軸受け、36は硬貨、37は該硬貨36を集積する硬貨集積筒である。
【0017】
また、41は前記硬貨36を繰り出す硬貨繰出ピッカ、42は該硬貨繰出ピッカ41の位置決めを行う位置決めガイド、43は前記硬貨繰出ピッカ41を駆動するロータリーソレノイド等から成るアクチュエータ、44はクランクである。
【0018】
次に、前記構成の硬貨処理機11(図2)の動作について説明する。
【0019】
図5は本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の確定前の入金動作を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の確定後の入金動作を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の出金動作を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の補充動作を示す図である。なお、図5〜8において矢印は硬貨36(図3)の流れを示す。
【0020】
図において、11は硬貨処理機、12は入出金口、13は上部繰出部、14は鑑査部、15は選別搬送部、16は金種別スタッカ、17はオーバーフロースタッカ、18は装填庫、21は一次係留部、22は下部繰出部、23は縦搬送部、24はUターン搬送部、25は装填リジェクト庫、26は電源である。
【0021】
まず、確定前の入金動作時においては、図5に示されるように、入出金口12に投入された硬貨36は、上部繰出部13に放出され、該上部繰出部13によって繰り出されて矢印方向に搬送され、鑑査部14において鑑査が行われた後、矢印方向に搬送され、選別搬送部15を素通りし、一時的に一次係留部21に収納される。そして、確定後の入金動作時においては、図6に示されるように、一次係留部21に収納された硬貨36は、上部繰出部13に放出された後、上部繰出部13によって繰り出されて矢印方向に搬送され、再び鑑査部14において鑑査が行われた後、矢印方向に搬送され、選別搬送部15に送られ、該選別搬送部15によって金種別に選別される。このように、硬貨処理機11は、確定前及び確定後に入金動作が行われる2パス構成になっている。
【0022】
また、出金動作時においては、図7に示されるように、前記硬貨繰出ピッカ41の往復運動によって、金種別スタッカ16から指定された硬貨36が1枚ずつ繰り出され、下部繰出部22によって1枚ずつ分離させられ、縦搬送部23を介して矢印方向に搬送される。なお、該縦搬送部23において、硬貨36は平ベルトによる挟込みによって掴(つか)まれて搬送される。
【0023】
続いて、硬貨36は鑑査部14に送られ、該鑑査部14によって真偽が判断され、かつ、金種が識別された後、Uターン搬送部24を介して搬送され、選別搬送部15を素通りし、入出金口12に送られる。そして、例えば、金種別スタッカ16から指定された枚数以上の硬貨36が繰り出された場合、選別搬送部15において過剰分だけが選別され、金種別スタッカ16に戻される。
【0024】
また、補充動作時においては、図8に示されるように、前記装填庫18から繰り出された硬貨36は、矢印方向に搬送され、鑑査部14によって真偽が判断され、リジェクト硬貨は装填リジェクト庫25に収納される。一方、正常な硬貨36は、矢印方向に搬送された後、選別搬送部15に送られ、該選別搬送部15によって金種別に選別され、金種別スタッカ16に投入される。なお、金種別スタッカ16の投入先が満杯になった場合、オーバーフローした硬貨36はオーバーフロースタッカ17に投入される。
【0025】
次に、前記選別搬送部15の動作について説明する。
【0026】
図9は本発明の第1の実施の形態における選別搬送部の第1の状態を示す図、図10は本発明の第1の実施の形態における選別搬送部の第2の状態を示す図、図11は本発明の第1の実施の形態における選別搬送部の第3の状態を示す図である。
【0027】
図に示されるように、硬貨36の搬送路に沿って複数の選別ゲート34が、互いにわずかなクリアランスを置いて開閉自在に配設され、前記搬送路の下側に複数の発光側センサC1が配設され、該各発光側センサC1と対向させて、前記搬送路の上側に複数の受光側センサC2が配設され、前記発光側センサC1及び受光側センサC2によってホトセンサが構成される。そして、発光側センサC1によって放射された光が前記クリアランスを通り、受光側センサC2に入射されると、ホトセンサはオンになり、硬貨36が搬送路を通過して前記光が遮られると、ホトセンサはオフになる。
【0028】
図9に示されるように、所定のクリアランスの部分を硬貨36が通過して対応するホトセンサがオフになると、前記クリアランスより下流側の二つ目の選別ゲート34が矢印A方向に開き始め、硬貨36は図10及び11に示されるように落下して、硬貨集積筒37(図3)に取り込まれる。
【0029】
次に、前記鑑査部14について説明する。
【0030】
図12は本発明の第1の実施の形態における鑑査部の斜視図、図13は本発明の第1の実施の形態における径センサを示す断面図、図14は本発明の第1の実施の形態における材質センサを示す図である。
【0031】
図12に示されるように、鑑査部14において、硬貨36は図において右方から左方に向けて搬送される。そして、光学センサから成る径センサ61が配設され、該径センサ61によって、硬貨36が遮った最大の影長が検出されると、前記鑑査部14の図示されない外径算出処理手段は、外径算出処理を行い、硬貨36の外径を算出する。
【0032】
また、前記径センサ61より下流に透過磁束量検知型の磁気センサから成る材質センサ71が配設され、該材質センサ71のセンサ出力のピーク値に基づいて、硬貨36の材質の識別が行われる。そして、鑑査部14は、総合的に各検出要素の論理積によって硬貨36の真偽を判断し、硬貨36の金種を識別する。なお、前記径センサ61及び材質センサ71によって検出手段が構成される。
【0033】
そして、前記径センサ61は、図13に示されるように、硬貨36の搬送面を構成するサファイアガラス62、硬貨36の搬送面の上方に、搬送方向に対して垂直に配設された光源としてのLEDアレイ63、前記サファイアガラス62の下方に配設され、像を結ぶためのロッドレンズアレイ等のレンズ64、及び前記サファイアガラス62の下方に配設され、光信号を電気信号に変換するラインCCD65を備える。なお、66は搬送ベルト、67はスリットである。
【0034】
また、前記材質センサ71は、図14に示されるように、搬送路の下方に、搬送方向に対して垂直に配設されたフェライト製の1次コア72、該1次コア72に巻回された励磁用の1次コイル73、該1次コイル73の上に重ね巻きされた第1の2次コイル74、搬送路の上方において前記1次コア72と対向させて配設されたフェライト製の2次コア75、及び該2次コア75に巻回された第2の2次コイル76を備える。なお、77は6〔kHz〕の正弦波を発生させるウィーンブリッジ正弦波発振器である。
【0035】
そして、81は第1の2次コイル74の出力を増幅する増幅回路、82は該増幅回路81からの出力の直流成分をカットする直流成分カット部、83は該直流成分カット部82からの出力を積分する積分回路、84は該積分回路83からの出力の高周波成分を除去し、第1の2次コイル74の整流信号V21を発生させるローパスフィルタ(LPF)である。
【0036】
また、85は第2の2次コイル76からの出力を増幅する増幅回路、86は該増幅回路85からの出力の直流成分をカットする直流成分カット部、87は該直流成分カット部86からの出力を積分する積分回路、88は該積分回路87からの出力の高周波成分を除去し、第2の2次コイル76の整流信号V22を発生させるローパスフィルタである。
【0037】
そして、91は前記整流信号V21、V22を受けて演算を行う演算回路、92は該演算回路91からの演算結果である演算出力信号VOUTを増幅する増幅回路、93は該増幅回路92からの出力を交流・直流変換するA/Dコンバータである。
【0038】
前記硬貨36が材質センサ71内に進入すると、硬貨36の表面に生じる渦電流によって1次コア72から2次コア75に透過する磁束が遮られるので、第2の2次コイル76に誘起される電圧が低くなる。一方、1次コア72に巻回された第1の2次コイル74を鎖交する磁束はほとんど変化しないので、第1の2次コイル74に誘起される電圧は、硬貨36の有無によってほとんど変化しない。
【0039】
したがって、第1、第2の2次コイル74、76の整流信号V21、V22をあらかじめボリューム抵抗によって等しくしておくと、整流信号V21から整流信号V22を減算した演算出力信号VOUTは、硬貨36がない場合は0付近であり、硬貨36が進入するのに伴って高くなる。そして、演算出力信号VOUTのピーク値を検出することによって、硬貨36の材質を検出することができる。
【0040】
なお、第1の2次コイル74の増幅回路定数をK21とし、第2の2次コイル76の増幅回路定数をK22とし、演算後の増幅回路定数をK3とすると、演算出力VOUTは、
VOUT=K3・(K21・V21−K22・V22)
になる。
【0041】
次に、鑑査部14の回路について説明する。
【0042】
図1は本発明の第1の実施の形態における鑑査部の回路ブロック図である。
【0043】
図において、100はメインコントロール基板、101はメカ制御を行うメカ制御CPUとしてのメインCPU、102は各硬貨36(図3)の位置を検出したり、硬貨36の有無を検出したりするLED−PD、フォトインタラプタ等のセンサ、103は該センサ102を駆動するセンサドライバ、104はモータ、ソレノイド等のアクチュエータ、105は該アクチュエータ104を駆動するアクチュエータドライバ、106は各I/O素子としてのアクチュエータドライバ105、センサドライバ103等との仲介を行うI/O制御ゲートアレイ(GA)である。
【0044】
また、120は鑑査センサ部141からの検出信号に基づいて硬貨36の真偽の判断及び金種の識別を行う鑑査CPU、93は材質センサ71のセンサ出力をA/D変換するA/Dコンバータ、121は径センサ61の1画素に対応したクロックと硬貨36の影信号との論理積信号の径検出用有効クロックを計数するためのカウンタICである。
【0045】
そして、前記メインCPU101と鑑査CPU120との間の通信制御において、鑑査CPU120への鑑査要求、メインCPU101へのレスポンス等のやり取りは、DP−RAM(デュアルポートラム)128を介して行われるようになっている。
【0046】
なお、110、124はLED、111、125はスイッチ、112、122、123はI/O、113、129はシリアル通信I/C、114、126はRAM、115、127はROM、116は中央管理システムである。また、130は鑑査基板・鑑査センサ部ユニット、131は鑑査基板、141は鑑査センサ部、132、138、142はI/O、133、143は第1、第2の記録手段としてのEEPROM、135はセンサ駆動回路、136は信号処理回路、137、146は製造番号、147はバーコードリーダである。
【0047】
次に、辞書データ設定処理について説明する。
【0048】
図15は本発明の第1の実施の形態における径センサの判定テーブルを示す図、図16は本発明の第1の実施の形態における材質センサの判定テーブルを示す図である。
【0049】
まず、前記径センサ61(図1)、材質センサ71等には感度にばらつきがあるだけでなく、検出される対象がない場合にオフセットが存在することがある。そこで、前記鑑査基板131に径センサ61、材質センサ71等のセンサ出力を調整する出力調整手段としてのアナログの図示されないボリューム抵抗が配設され、該ボリューム抵抗を調整することによって、径センサ61、材質センサ71等の感度のばらつき及びオフセットをなくす。そして、各金種ごとに特別に選別された所定の枚数、例えば、100枚の硬貨36から成る基準媒体が、鑑査センサ部141の所定の位置にセット又は搬送され、前記径センサ61、材質センサ71等によって外径、材質等の各検出要素が検出され、鑑査CPU120の図示されない辞書データ設定処理手段は、辞書データ設定処理を行い、検出結果である検出データに基づいて各金種ごとの正貨範囲を表す辞書データ(基準データ)を作成し、該辞書データを、EEPROM133、143に記録することによって設定する。前記辞書データは、外径、材質等の各検出要素についての、所定の枚数の平均値、標準偏差、最大値、最小値等の統計量によって構成される。
【0050】
そして、例えば、外径についての正貨範囲は、正貨の外径の平均値±nに正貨の外径の標準偏差を乗算することによって得られる値であり、材質についての正貨範囲は、正貨の材質の平均値±nに正貨の材質の標準偏差を乗算することによって得られる値である。ここで、nは定数である。
【0051】
図15において、径センサ61の出力を表すセンサ出力の範囲が、金種ごとに各矩(く)形によって表され、矩形の上辺は正貨の外径の上限に、矩形の下辺は正貨の外径の下限になる。例えば、M1は500円の正貨におけるセンサ出力の範囲、M2は10円の正貨におけるセンサ出力の範囲、M3は100円の正貨におけるセンサ出力の範囲、M5は5円の正貨におけるセンサ出力の範囲、M6は50円の正貨におけるセンサ出力の範囲、M7は1円の正貨におけるセンサ出力の範囲である。
【0052】
また、図16において、材質センサ71の出力を表すセンサ出力の範囲が、金種ごとに各矩形によって表される。例えば、K1は10円の正貨におけるセンサ出力の範囲、K2は1円の正貨におけるセンサ出力の範囲、K3は5円の正貨におけるセンサ出力の範囲、K4は500円の正貨におけるセンサ出力の範囲、K5は100円の正貨におけるセンサ出力の範囲、K6は50円の正貨におけるセンサ出力の範囲である。
【0053】
次に、辞書データ設定処理の動作について説明する。
【0054】
図17は本発明の第1の実施の形態における辞書データ設定処理の動作を示すメインフローチャート、図18は本発明の第1の実施の形態における辞書データ設定フラグの例を示す図、図19は本発明の第1の実施の形態における鑑査基板のEEPROMのメモリマップを示す図、図20は本発明の第1の実施の形態における鑑査センサ部のEEPROMのメモリマップを示す図である。
【0055】
図19に示されるように、鑑査基板131(図1)のEEPROM133には、鑑査センサ部ID情報160、鑑査基板ID情報161、辞書データ設定フラグ162、1円辞書データ163、5円辞書データ164、10円辞書データ165、50円辞書データ166、100円辞書データ167、旧500円辞書データ168、及び新500円辞書データ169が記録される。前記辞書データ設定フラグ162には、1円〜新500円の各金種ごとにビットBIT0〜BIT6が割り当てられ、各ビットBIT0〜BIT6は、各金種の辞書データが設定済みである場合に1にされ、未設定である場合に0にされる。そして、図18に示されるように、辞書データ設定状態がパターンA〜Cである場合、辞書データ設定フラグ162は、それぞれ、3Fh、7Fh及び5Fhになる。なお、前記辞書データ設定フラグ162によって第1の辞書データ設定フラグが、1円辞書データ163、5円辞書データ164、10円辞書データ165、50円辞書データ166、100円辞書データ167、旧500円辞書データ168、及び新500円辞書データ169によって第1の辞書データが構成される。
【0056】
また、図20に示されるように、鑑査センサ部141のEEPROM143には、鑑査センサ部ID情報170、鑑査基板ID情報171、辞書データ設定フラグ172、1円辞書データ173、5円辞書データ174、10円辞書データ175、50円辞書データ176、100円辞書データ177、旧500円辞書データ178、及び新500円辞書データ179が記録される。そして、辞書データ設定フラグ172によって第2の辞書データフラグが、1円辞書データ173、5円辞書データ174、10円辞書データ175、50円辞書データ176、100円辞書データ177、旧500円辞書データ178、及び新500円辞書データ179によって第2の辞書データが構成される。
【0057】
ところで、前記第1、第2の辞書データを設定する場合、鑑査CPU120の図示されないメモリクリア処理手段は、メモリクリア処理を行い、EEPROM133、143をクリアする。続いて、前記鑑査CPU120の図示されないIDライト処理手段は、IDライト処理を行う。次に、前記辞書データ設定処理手段は、辞書データ設定処理を行い、辞書データ設定ループを開始し、各金種について基準媒体搬送ループを開始する。前記辞書データ設定ループは、1円〜新500円について行われ、基準媒体搬送ループは各金種ごとに100枚の基準媒体を搬送するまで行われる。
【0058】
このとき、前記鑑査CPU120は、1円〜新500円の各金種について、径センサ61、材質センサ71等の各センサのセンサ出力の統計量を順次算出し、該統計量を辞書データとして作成する。また、前記鑑査CPU120は、一つの金種の辞書データが作成されるたびに、該辞書データを第1、第2の辞書データとしてEEPROM133、143に記録することによって設定するとともに、辞書データ設定フラグ162、172を更新し、EEPROM133、143に記録する。
【0059】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 メモリクリア処理を行う。
ステップS2 IDライト処理を行う。
ステップS3S 辞書データ設定ループを開始する。
ステップS3−1S 基準媒体搬送ループを開始する。
ステップS3−1−1 基準媒体を搬送する。
ステップS3−1E 基準媒体搬送ループを終了する。
ステップS3−2 各センサのセンサ出力の統計量を算出する。
ステップS3−3 辞書データ設定フラグ162、172を更新する。
ステップS3−4 辞書データ設定フラグ162、172及び辞書データを記録する。
ステップS3E 辞書データ設定ループを終了し、処理を終了する。
【0060】
次に、図17のステップS1におけるメモリクリア処理のサブルーチンについて説明する。
【0061】
図21は本発明の第1の実施の形態におけるメモリクリア処理のサブルーチンを示す図、図22は本発明の第1の実施の形態におけるスイッチ部の構成を示す図である。
【0062】
図22において、124は表示用7セグメントから成る二つのLED、125はスイッチであり、該スイッチ125は、二つのロータリースイッチ152、Bit1〜Bit8から成るディップスイッチ153及びプッシュスイッチ154から成る。
【0063】
まず、前記メモリクリア処理手段のスイッチ読込・確定処理手段は、スイッチ読込・確定処理を行い、ディップスイッチ153のオン・オフ及びプッシュスイッチ154の押下状態を読み込む。そして、前記メモリクリア処理手段は、ディップスイッチ153のBit1及びBit2がオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下されたかどうかを判断する。Bit1及びBit2がオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下された場合、前記メモリクリア処理手段の鑑査基板メモリクリア処理手段は、鑑査基板メモリクリア処理を行い、鑑査基板131(図1)のEEPROM133のクリア処理を行う。その後、前記メモリクリア処理手段の鑑査センサ部メモリクリア処理手段は、鑑査センサ部メモリクリア処理を行い、鑑査センサ部141のEEPROM143のクリア処理を行う。
【0064】
また、Bit1だけがオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下された場合、前記鑑査基板メモリクリア処理手段は、鑑査基板メモリクリア処理を行い、鑑査基板131のEEPROM133のクリア処理を行う。
【0065】
そして、Bit2だけがオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下された場合、前記鑑査センサ部メモリクリア処理手段は、鑑査センサ部メモリクリア処理を行い、鑑査センサ部141のEEPROM143のクリア処理を行う。
【0066】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1−1 スイッチ読込・確定処理を行う。
ステップS1−2 Bit1及びBit2がオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下されたかどうかを判断する。Bit1及びBit2がオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下された場合はステップS1−3に、Bit1及びBit2がオンにされず、又はプッシュスイッチ154が押下されない場合はステップS1−5に進む。
ステップS1−3 鑑査基板メモリクリア処理を行う。
ステップS1−4 鑑査センサ部メモリクリア処理を行い、リターンする。
ステップS1−5 Bit1だけがオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下されたかどうかを判断する。Bit1だけがオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下された場合はステップS1−6に、Bit1がオンにされず、又はプッシュスイッチ154が押下されない場合はステップS1−7に進む。
ステップS1−6 鑑査基板メモリクリア処理を行い、リターンする。
ステップS1−7 Bit2だけがオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下されたかどうかを判断する。Bit2だけがオンにされ、かつ、プッシュスイッチ154が押下された場合はステップS1−8に進み、Bit2がオンにされず、又はプッシュスイッチ154が押下されない場合はリターンする。
ステップS1−8 鑑査センサ部メモリクリア処理を行い、リターンする。
【0067】
次に、図17のステップS2におけるIDライト処理のサブルーチンについて説明する。
【0068】
図23は本発明の第1の実施の形態におけるIDライト処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0069】
この場合、前記IDライト処理手段は、IDライト処理を行い、メインコントロール基板100(図1)のシリアル通信I/C129を介してバーコードリーダ147を作動させ、製造番号137として記録された第1のID情報、及び製造番号146として記録された第2のID情報を読み込み、前記第1のID情報を鑑査基板131のEEPROM133に、第2のID情報を鑑査センサ部141のEEPROM143にそれぞれ書き込む。
【0070】
なお、本実施の形態における硬貨処理機11(図2)は、バーコードリーダ147とアクセスするための図示されないアクセス回路、コネクタ、ハーネス等を備えていて、バーコードリーダ147自体は、第1、第2のID情報を書き込むときだけ硬貨処理機11と接続されるようになっている。
【0071】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS2−1 第1、第2のID情報を読み込む。
ステップS2−2 第1のID情報を鑑査基板131のEEPROM133に書き込む。
ステップS2−3 第2のID情報を鑑査センサ部141のEEPROM143に書き込み、リターンする。
【0072】
次に、辞書データ設定処理が終了した後に、硬貨処理機11が起動されたときの硬貨処理機11の動作について説明する。
【0073】
図24は本発明の第1の実施の形態における辞書データ設定処理が終了した後の硬貨処理機の動作を示す第1のフローチャート、図25は本発明の第1の実施の形態における辞書データ設定処理が終了した後の硬貨処理機の動作を示す第2のフローチャートである。
【0074】
まず、鑑査CPU120(図1)の前記スイッチ読込・確定処理手段は、スイッチ読込・確定処理を行い、ディップスイッチ153(図22)のオン・オフ及びプッシュスイッチ154の押下状態を読み込む。そして、前記鑑査CPU120は、ディップスイッチ153の設定状態に基づいて、調整モードであるかどうかを判断し、例えば、Bit1〜Bit8のうちのいずれかがオンである場合、調整モードであると判断する。そして、調整モードでない場合、鑑査CPU120の図示されない第1の比較処理手段は、第1の比較処理を行い、EEPROM133、143から第1、第2のID情報を読み込み、第1、第2のID情報が一致するかどうかを判断する。第1、第2のID情報が一致する場合、前記鑑査CPU120は、辞書データ設定フラグ162(図19)及び第1の辞書データを読み込むとともに、辞書データ設定フラグ172及び第2の辞書データを読み込む。
【0075】
また、第1、第2のID情報が一致していない場合、前記鑑査CPU120の図示されない第1のエラー処理手段としてのID情報不一致エラー処理手段は、ID情報不一致エラー処理を行い、ID情報が一致していない旨のエラーを発生させ、それ以降の鑑査動作を禁止する。
【0076】
そして、前記鑑査CPU120の図示されない第2の比較処理手段は、第2の比較処理を行い、辞書データ設定フラグ162、172が一致するかどうかを判断し、鑑査CPU120の図示されない第3の比較処理手段は、第3の比較処理を行い、第1、第2の辞書データが一致するかどうかを判断する。辞書データ設定フラグ162、172が一致していない場合、鑑査CPU120の図示されない第2のエラー処理手段としての辞書データ設定フラグ不一致エラー処理手段は、辞書データ設定フラグ不一致エラー処理を行い、辞書データ設定フラグ162、172が一致していない旨のエラーを発生させ、第1、第2の辞書データが一致していない場合、鑑査CPU120の図示されない第3のエラー処理手段としての辞書データ不一致エラー処理手段は、辞書データ不一致エラー処理を行い、第1、第2の辞書データが一致していない旨のエラーを発生させる。
【0077】
ところで、辞書データ設定状態がパターンB(図18)であり、辞書データ設定フラグ162が7Fhである場合、CPU120の図示されない第1の正貨範囲設定処理手段は、第1の正貨範囲設定処理を行い、すべての金種ごとに前記第1の辞書データに基づいて正貨範囲を設定する。
【0078】
なお、新500円辞書データ169がなく、辞書データ設定状態がパターンAになり、辞書データ設定フラグ162が3Fhになると、前記第1の正貨範囲設定処理手段は、第1の辞書データに基づいて設定された旧500円の正貨範囲をスライドして新500円の正貨範囲とし、旧500円辞書データ168がなく、辞書データ設定状態がパターンCになり、辞書データ設定フラグ162が5Fhになると、前記第1の正貨範囲設定処理手段は、第1の辞書データに基づいて設定された新500円の正貨範囲をスライドして旧500円の正貨範囲とする。そして、第1の辞書データがない場合にスライドされる正貨範囲は、センサ、硬貨処理機の機体のばらつきを考慮して、第1の辞書データがある場合に第1の辞書データに基づいて設定される正貨範囲より広めに設定される。
【0079】
一方、調整モードである場合、鑑査CPU120は、前記第1〜第3の比較処理手段による比較処理を行わず、第1の辞書データ設定フラグ及び第1の辞書データを読み込み、第1の辞書データ設定フラグに基づいて、第1の辞書データが設定済みであるかどうかを判断する。そして、辞書データ設定フラグ162が3Fh以上であって、第1の辞書データが設定済みである場合、前記第1の正貨範囲設定処理手段は、すべての金種ごとに前記第1の辞書データに基づいて正貨範囲を設定する。また、辞書データ設定フラグ162が3Fhより小さく、第1の辞書データが設定されていない場合、鑑査CPU120の図示されない第2の正貨範囲設定処理手段は、第2の正貨範囲設定処理を行い、あらかじめ記録されている固定テーブルに基づいて、正貨範囲を設定する。
【0080】
このように、本実施の形態においては、調整が行われた後の鑑査基板131と鑑査センサ部141とが組合せを間違えて搭載されると、ID情報が一致していない旨のエラーが発生させられ、それ以降の鑑査動作が禁止されるので、硬貨36の真偽の判断精度及び金種の識別精度を向上させることができる。
【0081】
また、辞書データ設定フラグ162、172が比較され、辞書データ設定フラグ162、172が一致していない場合、辞書データ設定フラグ162、172が一致していない旨のエラーが発生させられ、第1、第2の辞書データが比較され、第1、第2の辞書データが一致していない場合、第1、第2の辞書データが一致していない旨のエラーが発生させられるので、第1、第2の辞書データの信頼性を高くすることができる。そして、例えば、第1、第2の辞書データの一部が破壊された場合、そのことを知ることができるので、硬貨処理機11の信頼性を向上させることができるだけでなく、破壊された第1、第2の辞書データを容易に特定することができる。
【0082】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 スイッチ読込・確定処理を行う。
ステップS12 調整モードであるかどうかを判断する。調整モードである場合はステップS13に、調整モードでない場合はステップS15に進む。
ステップS13 第1の辞書データ設定フラグを読み込む。
ステップS14 第1の辞書データを読み込む。
ステップS15 第1のID情報を読み込む。
ステップS16 第2のID情報を読み込む。
ステップS17 第1、第2のID情報が一致するかどうかを判断する。第1、第2のID情報が一致する場合はステップS19に、一致しない場合はステップS18に進む。
ステップS18 ID情報不一致エラー処理を行い、処理を終了する。
ステップS19 第1の辞書データ設定フラグを読み込む。
ステップS20 第1の辞書データを読み込む。
ステップS21 第2の辞書データ設定フラグを読み込む。
ステップS22 第2の辞書データを読み込む。
ステップS23 第1のID情報が0であり、第1のID情報がFFFFhであり、第1、第2の辞書データ設定フラグが一致し、かつ、第1、第2の辞書データが一致するかどうかを判断する。すべてが一致する場合はステップS27に、いずれか一つが一致しない場合はステップS24に進む。
ステップS24 第1、第2の辞書データが一致するかどうかを判断する。第1、第2の辞書データが一致する場合はステップS26に、一致しない場合はステップS25に進む。
ステップS25 辞書データ不一致エラー処理を行い、処理を終了する。
ステップS26 辞書データ設定フラグ不一致エラー処理を行い、処理を終了する。
ステップS27 第1の辞書データ設定フラグが3Fh以上であるかどうかを判断する。第1の辞書データ設定フラグが3Fh以上である場合はステップS28に、第1の辞書データ設定フラグが3Fhより小さい場合はステップS29に進む。
ステップS28 第1の正貨範囲設定処理を行い、処理を終了する。
ステップS29 第2の正貨範囲設定処理を行い、処理を終了する。
【0083】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0084】
図26は本発明の第2の実施の形態における貨幣処理管理システムを示す図である。
【0085】
図において、116は中央管理システム、201〜204は硬貨処理機、205はCPU、206はメモリである。
【0086】
この場合、中央管理システム116は複数の貨幣処理機としての硬貨処理機201〜204とオンラインで接続され、各硬貨処理機201〜204において、第1、第2のID情報はDP−RAM128(図1)に記録され、メインCPU101は、DP−RAM128から第1、第2のID情報を読み出し、該第1、第2のID情報をシリアル通信I/C113を介して中央管理システム116に送る。そして、該中央管理システム116はCPU205に第1、第2のID情報を送り、CPU205は、各硬貨処理機201〜204の第1、第2のID情報を収集し、収集結果をメモリ206に記録したり、図示されない表示手段に表示したりする。
【0087】
したがって、各硬貨処理機201〜204に搭載された鑑査基板131及び鑑査センサ部141の製造番号137、146を中央管理システム116においてまとめて認識することができるので、特定の製造番号137、146の鑑査基板131又は鑑査センサ部141に異常が発生した場合、迅速に対応することができる。
【0088】
また、操作者が、鑑査CPU120の周辺に配設されたロータリースイッチ152(図22)を操作して所定の値に設定すると、鑑査関係ID情報表示モードが設定され、鑑査CPU120が管理するLED151に第1、第2のID情報が表示される。例えば、ロータリースイッチ152の設定が10hである場合、鑑査基板131の第1のID情報が表示され、ロータリースイッチ152の設定が11hである場合、鑑査センサ部141の第2のID情報が表示される。
【0089】
したがって、各硬貨処理機201〜204における第1、第2のID情報を容易に確認することができるので、各硬貨処理機201〜204の保守・管理を効率化することができる。
【0090】
前記各実施の形態においては、貨幣処理機としての硬貨処理機11、201〜204について説明しているが、貨幣処理機としての紙幣処理機、自動販売機、両替機等に本発明を適用することもできる。
【0091】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0092】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、貨幣処理機においては、所定の検出要素を検出する検出手段を備えた鑑査センサ部と、前記検出手段の出力を調整する出力調整手段を備えた鑑査基板と、該鑑査基板に配設された第1の記録手段に記録された鑑査基板についての第1のID情報と、前記鑑査センサ部に配設された第2の記録手段に記録された鑑査センサ部についての第2のID情報とを比較する比較処理手段と、前記第1、第2のID情報が一致するかどうかを判断し、第1、第2のID情報が一致しない場合にエラーを発生させるID情報不一致エラー処理手段と、前記第1の記録手段に記録された第1の辞書データと、前記第2の記録手段に記録された第2の辞書データとを比較する他の比較処理手段と、前記第1、第2の辞書データが一致するかどうかを判断し、第1、第2の辞書データが一致しない場合にエラーを発生させる辞書データ不一致エラー処理手段とを有する。
【0093】
この場合、調整が行われた後の鑑査基板と鑑査センサ部とが組合せを間違えて搭載されると、ID情報が一致していない旨のエラーが発生させられるので、貨幣の真偽の判断精度及び金種の識別精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における鑑査部の回路ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の概略図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における金種別スタッカを示す正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における金種別スタッカを示す平面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の確定前の入金動作を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の確定後の入金動作を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の出金動作を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における硬貨処理機の補充動作を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態における選別搬送部の第1の状態を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態における選別搬送部の第2の状態を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態における選別搬送部の第3の状態を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態における鑑査部の斜視図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態における径センサを示す断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態における材質センサを示す図である。
【図15】本発明の第1の実施の形態における径センサの判定テーブルを示す図である。
【図16】本発明の第1の実施の形態における材質センサの判定テーブルを示す図である。
【図17】本発明の第1の実施の形態における辞書データ設定処理の動作を示すメインフローチャートである。
【図18】本発明の第1の実施の形態における辞書データ設定フラグの例を示す図である。
【図19】本発明の第1の実施の形態における鑑査基板のEEPROMのメモリマップを示す図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態における鑑査センサ部のEEPROMのメモリマップを示す図である。
【図21】本発明の第1の実施の形態におけるメモリクリア処理のサブルーチンを示す図である。
【図22】本発明の第1の実施の形態におけるスイッチ部の構成を示す図である。
【図23】本発明の第1の実施の形態におけるIDライト処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図24】本発明の第1の実施の形態における辞書データ設定処理が終了した後の硬貨処理機の動作を示す第1のフローチャートである。
【図25】本発明の第1の実施の形態における辞書データ設定処理が終了した後の硬貨処理機の動作を示す第2のフローチャートである。
【図26】本発明の第2の実施の形態における貨幣処理管理システムを示す図である。
【符号の説明】
11、201〜204 硬貨処理機
36 硬貨
61 径センサ
71 材質センサ
120 鑑査CPU
131 鑑査基板
133、143 EEPROM
137、146 製造番号
141 鑑査センサ部
162、172 辞書データ設定フラグ
Claims (2)
- (a)所定の検出要素を検出する検出手段を備えた鑑査センサ部と、
(b)前記検出手段の出力を調整する出力調整手段を備えた鑑査基板と、
(c)該鑑査基板に配設された第1の記録手段に記録された鑑査基板についての第1のID情報と、前記鑑査センサ部に配設された第2の記録手段に記録された鑑査センサ部についての第2のID情報とを比較する比較処理手段と、
(d)前記第1、第2のID情報が一致するかどうかを判断し、第1、第2のID情報が一致しない場合にエラーを発生させるID情報不一致エラー処理手段と、
(e)前記第1の記録手段に記録された第1の辞書データと、前記第2の記録手段に記録された第2の辞書データとを比較する他の比較処理手段と、
(f)前記第1、第2の辞書データが一致するかどうかを判断し、第1、第2の辞書データが一致しない場合にエラーを発生させる辞書データ不一致エラー処理手段とを有することを特徴とする貨幣処理機。 - (a)所定の検出要素を検出する検出手段を備えた鑑査センサ部と、
(b)前記検出手段の出力を調整する出力調整手段を備えた鑑査基板と、
(c)該鑑査基板に配設された第1の記録手段に記録された鑑査基板についての第1のID情報と、前記鑑査センサ部に配設された第2の記録手段に記録された鑑査センサ部についての第2のID情報とを比較する比較処理手段と、
(d)前記第1、第2のID情報が一致するかどうかを判断し、第1、第2のID情報が一致しない場合にエラーを発生させるID情報不一致エラー処理手段と、
(e)前記第1の記録手段に記録された第1の辞書データの設定状態を表す第1の辞書データ設定フラグと、前記第2の記録手段に記録された第2の辞書データの設定状態を表す第2の辞書データ設定フラグとを比較する他の比較処理手段と、
(f)前記第1、第2の辞書データ設定フラグが一致するかどうかを判断し、第1、第2の辞書データ設定フラグが一致しない場合にエラーを発生させる辞書データ設定フラグ不一致エラー処理手段とを有することを特徴とする貨幣処理機。
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