JPH10103439A - 水田作業車の伝動構造 - Google Patents

水田作業車の伝動構造

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JPH10103439A
JPH10103439A JP26302397A JP26302397A JPH10103439A JP H10103439 A JPH10103439 A JP H10103439A JP 26302397 A JP26302397 A JP 26302397A JP 26302397 A JP26302397 A JP 26302397A JP H10103439 A JPH10103439 A JP H10103439A
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transmission
case
pulley
belt
continuously variable
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機体の前部にエンジンを備え、機体の後部に
作業装置を備えた水田作業車の伝動構造において、ベル
ト式無段変速装置をケースで覆う場合、エンジンの振動
や熱等の影響を受けることなくケースを支持できるよう
に、ケース内の冷却も適切に行われるようにする。 【構成】 ベルト式無段変速装置18の第1及び第2割
プーリー22,23における両方の移動側のプーリー部
分22a,23aを、同じ低速側及び高速側に移動操作
する変速機構30,30a,30bを備えて、機体の後
部に備えられた伝動ケース9の近傍の伝動系にベルト式
無段変速装置18を配置し、ベルト式無段変速装置18
を覆うケース17を備える。ケース17に開口部17a
を形成し、ケース17とは別の外壁部によって覆われた
空間と、ケース17の開口部17aとを接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベルト式の無段変速装置
における変速操作系の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ベルト式の無段変速装置においては、例
えば実開昭64‐55129号公報に開示されているよ
うなものがある。つまり、互いに対向して伝動ベルト
(前記公報の図4の10)に接触する一対のプーリー部
分により構成した割プーリー(前記公報の図4の6)を
備えて、この割プーリーにおける移動側のプーリー部分
(前記公報の図4の6a)を、操作アーム(前記公報の
図4の7)により、固定側のプーリー部分に対して強制
的に近接及び離間操作し伝動ベルトの巻回半径を変えて
変速操作する型式である。そして、この無断変速装置に
おいては伝動下手側(ミッション側)に、操作アームに
よって強制的に操作される前述のような割プーリーを備
えており、伝動上手側(エンジン側)には、伝動ベルト
の張力により巻回半径を変える割プーリー(前記公報の
図4の5)を備えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年においては伝動ベ
ルトの張力ではなく、機械的に移動側のプーリー部分を
スライド操作する型式の割プーリーを、伝動上手側及び
伝動下手側の両方に備えることが考えられている。この
場合、伝動上手側及び下手側の両割プーリーの各々に前
述のような操作アームを配置することになるのである
が、限られたスペース内にて両操作アームをうまく配置
し、且つ、連動させるように構成することが課題となっ
て来る。本発明は前述のようなベルト式の無段変速装置
において、機械的に移動側のプーリー部分をスライド操
作する型式の割プーリーを伝動上手側及び伝動下手側の
両方に備えた場合に、両割プーリーの移動側のプーリー
部分をスライド操作する構造をコンパクトに、且つ、効
率良く配置することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は以上のよ
うなベルト式の無段変速装置において、次のように構成
することにある。つまり、互いに対向して伝動ベルトに
接触する一対のプーリー部分を近接及び離間操作可能な
第1割プーリー及び第2割プーリーを、伝動上手側及び
伝動下手側に配置し、この第1及び第2割プーリーに亘
り巻回される伝動ベルトに対して一方側に、第1割プー
リーの移動側のプーリー部分を配置し、他方側に第2割
プーリーの移動側のプーリー部分を配置すると共に、第
1及び第2割プーリーの間で伝動ベルトのループ内を通
るように、且つ、第1及び第2割プーリーの軸芯方向に
スライド操作可能に操作軸を配置し、各移動側のプーリ
ー部分をスライド操作可能な第1操作アーム及び第2操
作アームを、操作軸の一端側及び他端側に固定して、こ
の操作軸のスライド操作により、各移動側のプーリー部
分を同方向に移動操作して変速操作可能に構成してい
る。
【0005】
【作用】第1及び第2割プーリーの間で伝動ベルトのル
ープ内は、従来特に何も配置されていない空間となって
いた。そこで、例えば図1及び図2に示す本発明のよう
に、伝動ベルト24の一方側に第1割プーリー22の移
動側のプーリー部分22aを配置し、伝動ベルト24の
他方側に第2割プーリー23の移動側のプーリー部分2
3aを配置してやる。このようにすると、前述の第1及
び第2割プーリー22,23の間で伝動ベルト24のル
ープ内に操作軸30を配置して、この操作軸30に両移
動側のプーリー部分22a,23a用の第1及び第2操
作アーム30a,30bを設けることができるのであ
る。
【0006】以上の構造により、伝動ベルト24の張力
によってプーリー部分22aが紙面右方に、プーリー部
分23aが紙面左方に付勢されているので、図1におい
て第1操作アーム30aが紙面右方向に付勢され、第2
操作アーム30bが紙面左方向に付勢される。この場
合、第1及び第2操作アーム30a,30bが操作軸3
0に固定されているので、第1及び第2操作アーム30
a,30bが動くことはない。そして、操作軸30をス
ライド操作すると第1及び第2操作アーム30a,30
bも一体でスライド操作され、これに連動してプーリー
部分22a及びプーリー部分23aが同方向にスライド
操作されて変速操作が行える。この場合、第1及び第2
操作アーム30a,30b、操作軸30が一体であるの
で、両移動側のプーリー部分22a,23aのスライド
操作が同時に正確に行われるのであり、その両操作量も
互いに差が生じるようなこともない。
【0007】
【発明の効果】以上のように、一対の変速操作用の第1
及び第2操作アームを配置する場合において、従来何も
配置されていなかった空間に第1及び第2操作アーム支
持用の操作軸を配置することができるようになった。こ
れにより、何も配置されていない無駄な空間を極力少な
くして、ベルト式の無断変速装置及びその変速操作系の
全体をコンパクトにまとめることができた。そして、第
1及び第2操作アーム、操作軸を一体構造としているの
で、両移動側のプーリー部分のスライド操作が互いに狂
いなく正確に行えるようになって、変速性能も向上す
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図4及び図3は乗用型田植機を示しており、前輪
1及び後輪2で支持された機体の後部に、苗植付装置3
がリンク機構4及び油圧シリンダ5により昇降操作自在
に連結されている。機体前部にエンジン6が配置され、
機体後部に後述するベベルギヤケース7、変速ユニット
8及びミッションケース9が配置されている。エンジン
6からの動力は伝動軸10からベベルギヤケース7、変
速ユニット8及びミッションケース9を介して後輪2
に、並びにミッションケース9からPTO軸29を介し
て苗植付装置3に伝達されると共に、後輪2の直前から
分岐した動力が伝動軸11を介して前輪1に伝達されて
いる。
【0009】次に、ベベルギヤケース7について説明す
る。図3に示すように、エンジン6からの伝動軸10に
連結されている入力軸12、及び機体左右方向に向く出
力軸13がベベルギヤケース7に支持されており、入力
軸12からの動力がベベルギヤ14,15を介して出力
軸13に伝達される。そして、図4の油圧シリンダ5及
び前輪1のパワーステアリング機構(図示せず)用の油
圧ポンプ16が出力軸13の図3の右側に連結されてお
り、変速ユニット8が出力軸13の図3の左側に連結さ
れている。又、作動油として後述するミッションケース
9内の潤滑油を使用しており、この潤滑油を油圧ポンプ
16から油圧シリンダ5及びパワーステアリング機構に
供給している。
【0010】次に変速ユニット8について説明する。図
1及び図2に示すように、この変速ユニット8は一対の
支持ケース17に内に、ベルト式の無段変速装置18及
び多板式の主クラッチ19を内装して構成されている。
そして、支持ケース17内に入力軸20及び出力軸21
が支持されており、入力軸20に支持された第1割プー
リー22と、出力軸21に相対回転自在に外嵌された第
2割プーリー23とに亘り伝動ベルト24が巻回されて
いる。又、図2に示すように、伝動ベルト24用のテン
ションプーリー25と、このテンションプーリー25の
付勢用のバネ26が備えられている。以上の構造により
ベベルギヤケース7の出力軸13からの動力が、ベルト
式の無段変速装置18の入力軸20及び主クラッチ19
を介して、出力軸21からミッションケース9内の伝動
系に伝達されるのである。
【0011】次に変速ユニット8における無段変速装置
18の操作構造について説明する。図1に示すように、
第1割プーリー22においては紙面左のプーリー部分が
入力軸20に固定であり、紙面右のプーリー部分22a
が入力軸20に対してスプライン構造にてスライド自在
に支持されている。そして、第2割プーリー23におい
ては紙面右のプーリー部分がカラー27(出力軸21に
対して相対回転自在)に固定であり、紙面左のプーリー
部分23aがカラー27に対してスプライン構造にてス
ライド自在に支持されており、伝動ベルト24の張力に
よって第1割プーリー22の紙面右のプーリー部分22
aが紙面右方に、第2割プーリー23の紙面左のプーリ
ー部分23aが紙面左方に移動するように付勢されてい
る。
【0012】図1及び図2に示すように、第1及び第2
割プーリー22,23の間で伝動ベルト24のループ内
を通るように支持軸28が、左右の支持ケース17に亘
り第1及び第2割プーリー22,23に軸芯方向に平行
に架設固定されている。この支持軸28に円筒状の操作
軸30がスライド自在に外嵌されており、図1に示すよ
うに、操作軸30の紙面右端側に第1操作アーム30a
が固定され、紙面左端側に第2操作アーム30bが固定
されている。
【0013】これに対して、第1及び第2割プーリー2
2,23の移動側のプーリー部分22a,23aにおい
て、伝動ベルト24とは反対側の部分にベアリング36
が外嵌されており、このベアリング36のアウターレー
ス36aの端部に第1及び第2操作アーム30a,30
bの先端が接当している。そして、図1の紙面左側の支
持ケース17に操作アーム31が揺動操作自在に支持さ
れ、この操作アーム31の先端が操作軸30に係合連結
されている。
【0014】以上の構造により、伝動ベルト24の張力
によってプーリー部分22aが紙面右方に、プーリー部
分23aが紙面左方に付勢されているので、図1におい
て第1操作アーム30aが紙面右方向に付勢され、第2
操作アーム30bが紙面左方向に付勢される。この場
合、第1及び第2操作アーム30a,30bが操作軸3
0に固定されているので、第1及び第2操作アーム30
a,30bが動くことはない。
【0015】そして、操作アーム31を外部から揺動操
作すると第1及び第2操作アーム30a,30bが操作
軸30と一体で紙面左右方向にスライド操作され、これ
に連動してプーリー部分22a及びプーリー部分23a
が同方向にスライド操作されて変速操作が行える。図1
に示す状態はプーリー部分22a及びプーリー部分23
aが最も紙面右方に操作された状態であり、最低速状態
である。
【0016】次に変速ユニット8における主クラッチ1
9の操作構造について説明する。図1に示すように、こ
の主クラッチ19はバネ19aにより入り操作側に付勢
されており、操作アーム34aにより操作板19bを紙
面左方に押し操作することによって切り操作する。操作
アーム34aは、紙面右側の支持ケース17に支持され
た操作軸34に固定されており、この操作軸34が支持
ケース17から外面に突出している。そして、機体の操
縦部に備えられているクラッチペダル(図示せず)と操
作軸34の突出部とが、連係ロッド(図示せず)により
機械的に連動連結されており、このクラッチペダルを踏
み操作することにより主クラッチ19を切り操作でき
る。
【0017】〔別実施例〕前述の実施例においては固定
の支持軸28に対して円筒状の操作軸30をスライド操
作自在に外嵌しているが、図5に示すように支持軸28
に操作軸30を固定すると共に、この支持軸28を支持
ケース17から突出させることにより、外部のベルクラ
ンク32及び操作ロッド33によって支持軸28をスラ
イド操作するように構成してもよい。
【0018】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】変速ユニットの縦断正面図
【図2】変速ユニットの縦断側面図
【図3】乗用型田植機における伝動系の概略を示す平面
【図4】乗用型田植機の全体側面図
【図5】別実施例における操作軸、第1及び第2操作ア
ーム付近の縦断正面図
【符号の説明】
22 第1割プーリー 22a 第1割プーリーの移動側のプーリー部分 23 第2割プーリー 23a 第2割プーリーの移動側のプーリー部分 24 伝動ベルト 30 操作軸 30a 第1操作アーム 30b 第2操作アーム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年11月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水田作業車の伝動構造
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は機体の前部にエンジンを
備え、機体の後部に作業装置を備えた水田作業車の伝動
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】前述のような水田作業車の伝動構造とし
て、例えば実開昭64−55129号公報に開示されて
いるように、機体の前部に備えられたエンジンの出力軸
に、ベルト式無段変速装置を直接に連結したものがあ
る。このベルト式無段変速装置は、互いに対向する一対
のプーリー部分(固定側のプーリー部分及び移動側のプ
ーリー部分)が、近接及び離間自在な2組の割プーリ
ー、2組の割プーリーに亘り巻回される伝動ベルトを備
えて構成されており、一方の割プーリーの移動側のプー
リー部分を移動操作する変速機構、並びに、他方の割プ
ーリーの移動側のプーリー部分を近接側に付勢するバネ
機構が設けられている。これにより、変速機構によって
一方の割プーリーの移動側のプーリー部分を低速側及び
高速側に移動操作すると、これに伴って伝動ベルトの張
力と前述のバネ機構の付勢力とが均衡するように、他方
の割プーリーの移動側のプーリー部分が移動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のようなベルト式
無段変速装置において、一方の割プーリーの固定側のプ
ーリー部分に対し、移動側のプーリー部分を変速機構に
より移動操作すると、一方の割プーリーの伝動ベルトの
巻回半径が変化して変速が行われるのと同時に、移動側
のプーリー部分の移動に伴って、伝動ベルト自身も割プ
ーリーの回転軸芯方向に少し移動する。この場合、〔従
来の技術〕に記載のように、他方の割プーリーの移動側
のプーリー部分を、バネ機構により近接側に付勢するよ
うに構成していると、前述のような変速を行った際に、
伝動ベルトの張力と前述のバネ機構の付勢力とが均衡す
るのに少し時間が掛かり、他方の割プーリーの移動側の
プーリー部分(バネ機構側)が、素早く追従することが
できずに少し遅れて移動する状態になることが多い。
【0004】前述のように、一方の割プーリーの移動側
のプーリー部分(変速機構側)の移動に対し、他方の割
プーリーの移動側のプーリー部分(バネ機構側)の移動
が遅れると、一方及び他方の割プーリーの両方の移動側
のプーリー部分の位置関係のズレによって、伝動ベルト
が少し曲がった状態が生じる(伝動ベルトにおいて一方
の割プーリーに巻回される部分と他方の割プーリーに巻
回される部分とが、割プーリーの回転軸芯に直交する同
一の平面上に位置していない状態)。従って、このよう
に伝動ベルトが少し曲がった状態が変速の度に発生する
と、伝動ベルトの耐久性の低下を招くおそれがある。
【0005】又、〔従来の技術〕に記載の水田作業車で
は、ベルト式無段変速装置が露出しているので、水田内
での走行時に泥水等がベルト式無段変速装置に付着する
ことが考えられる。このようにベルト式無段変速装置に
泥水等が付着すると、伝動ベルトと割プーリーとの接触
面での滑りや、この接触面の磨耗等が発生するおそれが
あり、ベルト式無段変速装置の耐久性の低下を招くおそ
れがある。本発明は水田作業車の伝動構造において、ベ
ルト式無段変速装置を備えた場合に、ベルト式無段変速
装置の全体の耐久性の低下を防止することを目的として
おり、さらにベルト式無段変速装置の冷却(熱の放出)
も適切に行われるように構成することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は機体の前
部にエンジンを備え、機体の後部に作業装置を備えた水
田作業車の伝動構造において、次のように構成すること
にある。互いに対向する一対のプーリー部分が近接及び
離間自在な第1割プーリー及び第2割プーリーと、第1
及び第2割プーリーに亘り巻回される伝動ベルトとを備
えて、ベルト式無段変速装置を構成し、第1及び第2割
プーリーの両方の移動側のプーリー部分を、同じ低速側
及び高速側に移動操作する変速機構を備えて、機体の後
部に備えられた伝動ケースの近傍の伝動系に、ベルト式
無段変速装置を配置し、ベルト式無段変速装置を覆うケ
ースを備えると共に、ケースの開口部を形成して、ケー
スとは別の外壁部によって覆われた空間と、ケースの開
口部とを接続してある。
【0007】
【作用】 〔I〕請求項1の特徴によると、互いに対向する一対の
プーリー部分が近接及び離間自在な第1割プーリー及び
第2割プーリーを備えたベルト式無段変速装置におい
て、第1及び第2割プーリーの両方の移動側のプーリー
部分を、同じ低速側及び高速側に移動操作する変速機構
を備えている。
【0008】以上のように第1及び第2割プーリーの両
方の移動側のプーリー部分を移動操作するように構成す
ると、第1及び第2割プーリーの両方の移動側のプーリ
ー部分を同時に移動操作することができるので、一方の
移動側のプーリー部分をバネ機構により近接側に付勢す
る構成に比べて、一方の移動側のプーリー部分の移動に
対し、他方の移動側のプーリー部分の移動が遅れると言
うような状態は生じない。
【0009】〔II〕請求項1の特徴によると、ベルト
式無段変速装置を覆うケースを備えており、これによっ
てベルト式無段変速装置への泥水等の付着が防止される
のであり、ベルト式無段変速装置から発生する騒音を抑
えることも期待できる。
【0010】水田作業車では一般に、機体の前部に備え
られるエンジンを防振ゴム等により支持して、エンジン
の振動が機体を介して運転部に伝わらないようにする構
造が多く採用されており、この構造を別の視点から見る
と、機体に対してエンジンは振動するのが許された構造
となる。従って、このような構造を備えた水田作業車に
おいて、ケースで覆われたベルト式無段変速装置をエン
ジンの出力軸に直接に連結することは、ケースの支持構
造等の面で困難なことが多い。
【0011】請求項1の特徴では、ケースで覆われたベ
ルト式無段変速装置を、機体の前部のエンジンから離し
て、機体の後部に備えられた伝動ケースの近傍の伝動系
に配置している。これにより、エンジンの振動や熱等の
影響を受けることなく、ケースで覆われたベルト式無段
変速装置を、固定部に無理なく容易に支持することがで
きる。又、エンジンの振動や熱等がベルト式無段変速装
置に直接には伝わり難いものとなるので、エンジンの振
動や熱等によるベルト式無段変速装置の耐久性の低下も
防止できる。
【0012】〔III〕前項〔II〕に記載のようにベ
ルト式無段変速装置をケースで覆った場合、ベルト式無
段変速装置及びケース内の熱の放出が必要になる。請求
項1の特徴によると、ベルト式無段変速装置を覆うケー
スに開口部を形成して、ケースとは別の外壁部によって
覆われた空間と、ケースの開口部とを接続している。こ
れにより、ベルト式無段変速装置を覆うケースと別の外
壁部によって覆われた空間とにおいて、空気が入れ換わ
るようになるので、この空気の入れ換わりによってベル
ト式無段変速装置及びケース内の熱が放出される。
【0013】ベルト式無段変速装置を覆うケースに開口
部を設けた場合、このケースの開口部をそのまま外気に
開放するように構成していると、水田での走行時に泥水
等がケースの開口部からケースに入り込み、ベルト式無
段変速装置に付着することが考えられるので、ベルト式
無段変速装置の損傷及び耐久性の低下を招くおそれがあ
る。請求項1の特徴によると、別の外壁部によって覆わ
れた空間にケースの開口部が接続されており、ケースの
開口部がそのまま外気に開放される状態ではないので、
水田での走行時に泥水等が開口部から直接にケースに入
り込むと言うようなことがない。
【0014】
【発明の効果】請求項1の特徴によると、ベルト式無段
変速装置を備えた水田作業車の伝動構造において、第1
及び第2割プーリーの両方の移動側のプーリー部分を同
時に移動操作することができるように構成することによ
り、変速時に一方の移動側のプーリー部分の移動に対し
他方の移動側のプーリー部分の移動が遅れて、伝動ベル
トが少し曲がると言う状態を避けることができるように
なって、ベルト式無段変速装置の耐久性(特に伝動ベル
トの耐久性)を向上させることができた。
【0015】請求項1の特徴のようにベルト式無段変速
装置を覆うケースを備えることにより、ベルト式無段変
速装置への泥水等の付着を防止することができ、ベルト
式無段変速装置から発生する騒音を抑えることができる
ので、ベルト式無段変速装置の耐久性をさらに向上させ
ることができ、運転者にとっての快適性も向上させるこ
とができた。この場合に、請求項1の特徴のようにケー
スで覆われたベルト式無段変速装置を、機体の前部のエ
ンジンから離して、機体の後部に備えられた伝動ケース
の近傍の伝動系に配置することにより、ケースで覆われ
たベルト式無段変速装置を、固定部に無理なく容易に支
持することができるようになるので、支持構造の簡素化
及び信頼性の向上を図ることができた。エンジンの振動
や熱等がベルト式無段変速装置に直接には伝わり難いも
のとなるので、この点においてもベルト式無段変速装置
の耐久性をさらに向上させることができた。
【0016】ベルト式無段変速装置をケースで覆った場
合、請求項1の特徴のようにベルト式無段変速装置を覆
うケースの開口部と、別の外壁部によって覆われた空間
とを接続することにより、ベルト式無段変速装置を覆う
ケースの空気が入れ換わり、ベルト式無段変速装置及び
ケース内の熱が適切に放出されるようになって、過熱に
よるベルト式無段変速装置の耐久性の低下を未然に防止
することができた。この場合、ベルト式無段変速装置を
覆うケースに開口部を設けても、ケースに開口部から泥
水等が直接に入り込むと言うようなことがないので、ベ
ルト式無段変速装置への泥水等の付着を防止すると言う
ケースの機能が損なわれるものではない。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図4及び図3は乗用型田植機を示しており、前輪
1及び後輪2で支持された機体の後部に、苗植付装置3
(作業装置に相当)がリンク機構4及び油圧シリンダ5
により昇降操作自在に連結されている。機体の前部にエ
ンジン6が配置され、機体の後部にベベルギヤケース
7、変速ユニット8及びミッションケース9(伝動ケー
スに相当)が配置されている。エンジン6からの動力が
伝動軸10からベベルギヤケース7、変速ユニット8及
びミッションケース9を介して後輪2に伝達され、ミッ
ションケース9からPTO軸29を介して苗植付装置3
に伝達されており、後輪2の直前から分岐した動力が伝
動軸11を介して前輪1に伝達されている。
【0018】次に、ベベルギヤケース7について説明す
る。図3に示すように、エンジン6からの伝動軸10に
連結される入力軸12、及び機体左右方向に向く出力軸
13がベベルギヤケース7に支持されており、入力軸1
2からの動力がベベルギヤ14,15を介して出力軸1
3に伝達される。図4に示す油圧シリンダ5及び前輪1
のパワーステアリング機構(図示せず)用の油圧ポンプ
16が、出力軸13の機体右側に連結されており、図1
及び図3に示すように変速ユニット8(後述するベルト
式無段変速装置18の入力軸)が、出力軸13の機体左
側に連結されている。作動油としてミッションケース9
の潤滑油を使用しており、潤滑油を油圧ポンプ16から
油圧シリンダ5及びパワーステアリング機構に供給して
いる。
【0019】次に、変速ユニット8について説明する。
図1及び図2に示すように、変速ユニット8は一対のケ
ース17に、ベルト式無段変速装置18及び多板式の主
クラッチ19を内装して構成されており、ケース17の
開口部17aが形成されて、ケース17の開口部17a
の部分がミッションケース9に接続されている。ケース
17に入力軸20及び出力軸21が支持されており、入
力軸20に支持された第1割プーリー22と、出力軸2
1に相対回転自在に外嵌された第2割プーリー23とに
亘り、伝動ベルト24が巻回されている。図2に示すよ
うに、伝動ベルト24のテンションプーリー25と、テ
ンションプーリー25の付勢用のバネ26が備えられて
いる。以上の構造によりベベルギヤケース7の出力軸1
3からの動力が、ベルト式無段変速装置18の入力軸2
0及び主クラッチ19を介して、出力軸21からミッシ
ョンケース9の伝動系に伝達される。
【0020】次に、変速ユニット8におけるベルト式無
段変速装置18の操作構造について説明する。図1に示
すように、第1割プーリー22において紙面左側のプー
リー部分が入力軸20に固定されており、紙面右側のプ
ーリー部分が移動側のプーリー部分22aとして、入力
軸20に対しスプライン構造にてスライド自在に支持さ
れている。第2割プーリー23において紙面右側のプー
リー部分が、カラー27(出力軸21に対して相対回転
自在)に固定されており、紙面左側のプーリー部分が移
動側のプーリー部分23aとして、カラー27に対しス
プライン構造にてスライド自在に支持されている。これ
により図1に示すように、伝動ベルト24の張力によっ
て第1割プーリー22の移動側のプーリー部分22aが
紙面右方に、第2割プーリー23の移動側のプーリー部
分23aが紙面左方に移動するように付勢される。
【0021】図1及び図2に示すように、第1及び第2
割プーリー22,23の間で伝動ベルト24のループ内
を通るように支持軸28が、左右のケース17に亘り第
1及び第2割プーリー22,23の軸芯方向に平行に架
設固定されている。支持軸28に円筒状の操作軸30
(変速機構に相当)がスライド自在に外嵌されており、
図1に示すように、操作軸30の紙面右端に第1操作ア
ーム30a(変速機構に相当)が固定され、操作軸30
の紙面左端に第2操作アーム30b(変速機構に相当)
が固定されている。
【0022】第1及び第2割プーリー22,23の両方
の移動側のプーリー部分22a,23aにおいて、伝動
ベルト24とは反対側の部分にベアリング36が外嵌さ
れており、ベアリング36のアウターレース36aの端
部に、第1及び第2操作アーム30a,30bの先端が
接当している。図1に示すように、紙面左側のケース1
7に操作アーム31が揺動操作自在に支持され、操作ア
ーム31の先端が操作軸30に係合連結されている。
【0023】以上の構造により図1に示すように、伝動
ベルト24の張力によって第1割プーリー22の移動側
のプーリー部分22aが紙面右方に、第2割プーリー2
3の移動側のプーリー部分23aが紙面左方に付勢され
ているので、第1操作アーム30aが紙面右方に付勢さ
れ、第2操作アーム30bが紙面左方に付勢される。こ
の場合、第1及び第2操作アーム30a,30bが操作
軸30に固定されているので、第1及び第2操作アーム
30a,30bが動くことはない。
【0024】以上の状態で操作アーム31を外部から揺
動操作すると、第1及び第2操作アーム30a,30b
が、操作軸30と一体で図1の紙面左右方向にスライド
操作され、これに連動して第1及び第2割プーリー2
2,23の両方の移動側のプーリー部分22a,23a
が、同方向にスライド操作されて変速が行われる。図1
に示す状態は、第1及び第2割プーリー22,23の両
方の移動側のプーリー部分22a,23aが、最も紙面
右方にスライド操作された最低速状態である。
【0025】次に、変速ユニット8における主クラッチ
19の操作構造について説明する。図1に示すように、
主クラッチ19はバネ19aにより入り操作側に付勢さ
れており、操作アーム34aにより操作板19bを紙面
左方に押し操作することによって、主クラッチ19を切
り操作する。操作アーム34aは紙面右側のケース17
に支持された操作軸34に固定されており、操作軸34
がケース17から外面に突出している。機体の操縦部に
備えられたクラッチペダル(図示せず)と操作軸34の
突出部とが、連係ロッド(図示せず)により機械的に連
動連結されており、クラッチペダルを踏み操作すること
により主クラッチ19を切り操作することができる。
【0026】〔別実施例〕前述の実施例においては、固
定の支持軸28に対して円筒状の操作軸30をスライド
操作自在に外嵌しているが、図5に示すように支持軸2
8に操作軸30を固定し、支持軸28をケース17から
突出させることにより、外部のベルクランク32及び操
作ロッド33によって、支持軸28をスライド操作する
ように構成してもよい。
【0027】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】変速ユニットの縦断正面図
【図2】変速ユニットの縦断側面図
【図3】乗用型田植機における伝動系の概略を示す平面
【図4】乗用型田植機の全体側面図
【図5】別実施例における操作軸、第1及び第2操作ア
ーム付近の縦断正面図
【符号の説明】 3 作業装置 6 エンジン 9 伝動ケース 17 ケース 17a ケースの開口部 18 ベルト式無段変速装置 22 第1割プーリー 22a 第1割プーリーの移動側のプー
リー部分 23 第2割プーリー 23a 第2割プーリーの移動側のプー
リー部分 24 伝動ベルト 30,30a,30b 変速機構
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機体の前部にエンジン(6)を備え、機
    体の後部に作業装置(3)を備えた水田作業車の伝動構
    造であって、 互いに対向する一対のプーリー部分が近接及び離間自在
    な第1割プーリー(22)及び第2割プーリー(23)
    と、前記第1及び第2割プーリー(22),(23)に
    亘り巻回される伝動ベルト(24)とを備えて、ベルト
    式無段変速装置(18)を構成し、 前記第1及び第2割プーリー(22),(23)の両方
    の移動側のプーリー部分(22a),(23a)を、同
    じ低速側及び高速側に移動操作する変速機構(30),
    (30a),(30b)を備えて、 機体の後部に備えられた伝動ケース(9)の近傍の伝動
    系に、前記ベルト式無段変速装置(18)を配置し、前
    記ベルト式無段変速装置(18)を覆うケース(17)
    を備えると共に、 前記ケース(17)に開口部(17a)を形成して、前
    記ケース(17)とは別の外壁部によって覆われた空間
    と、前記ケース(17)の開口部(17a)とを接続し
    てある水田作業車の伝動構造。
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