JPH10102993A - トンネル用セグメントの組立方法 - Google Patents

トンネル用セグメントの組立方法

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JPH10102993A
JPH10102993A JP8259438A JP25943896A JPH10102993A JP H10102993 A JPH10102993 A JP H10102993A JP 8259438 A JP8259438 A JP 8259438A JP 25943896 A JP25943896 A JP 25943896A JP H10102993 A JPH10102993 A JP H10102993A
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Japan
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segment
tunnel
circumferential
segments
existing
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JP8259438A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Mukono
勝彦 向野
Kazunori Tsujimoto
和則 辻本
Toshihiro Tsuchiyama
俊博 土山
Yasusuke Onihashi
保祐 鬼橋
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第2セグメントの取付け作業を効率化し得る
トンネル用セグメントの組立て方法を提供する。 【解決手段】 トンネル長手方向Xに隣合う両セグメン
トの連結を、セグメントSの長手方向端面で移動可能な
長手方向連結具R1により行い、トンネル周方向Zに隣
接する両セグメントの連結を、セグメントの周方向端面
に設けた周方向連結具R2で行い、長手方向連結具R1
の配置位置を第2セグメントS2側ほど多く偏位させて
おき、周方向連結具R2を取付けた第1セグメントS1
を既設セグメントS3に押付けて、第1セグメントS1
を既設セグメントS3よりトンネル外方に向く状態と
し、両第1セグメントS1の間に第2セグメントS2を
挿入させつつ既設セグメントS3の側に押付けて、周方
向連結具R2が夫々の第1セグメントS1を引付け、既
設セグメントS3に対して適正な位置に摺動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル周方向に
分割した複数のセグメントを、トンネル壁として既に構
築した既設セグメントに連接して新たなトンネル壁を構
築する際に、最後の三つのセグメントの組み立て順序
が、両側の二つの第1セグメントを取り付けた後、当該
二つの第1セグメントの間に第2セグメントを取り付け
るものであるトンネル用セグメントの組立方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のトンネル用セグメントの
組立て方法としては、図9に示すごとく第1セグメント
S1を組付けた後、トンネル周方向に連続した一つのセ
グメントリングを構成する最後のセグメントである第2
セグメントS2をトンネルの長手方向に沿って押込むこ
とにより組み付けるものがある。この場合、土水圧によ
るセグメント外部からの圧力を受けた場合に、第2セグ
メントS2と第1セグメントS1との継手部接続面で滑
りが生じ難く、組立てたセグメントリングの変形が防止
できるよう、双方のセグメントどうしの分割面をトンネ
ルの径方向となるよう構成しておき、第2セグメントS
2を第1セグメントS1どうしの間に挿入し易くするた
めに、第2セグメントS2と第1セグメントS1との当
接面を、トンネルの長手方向奥側ほど狭くなったテーパ
ー状に形成して、トンネル長手方向から第2セグメント
S2を押込み挿入するいわゆる軸方向挿入閉合方式を用
いることが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来のト
ンネル用セグメントの組立て方法によれば、次のような
問題があった。即ち、所謂セグメントリングを構成する
最後の第2セグメントS2をトンネル長手方向から挿入
すると、当該挿入のための作業空間が余分に必要とな
る。このため、トンネルシールドに設けたエレクターア
ームのトンネル長手方向への揺動量を長く確保したり、
シールドテール部を長くする必要があり、さらにはセグ
メントを既設のセグメントリングに押圧するためにトン
ネルシールドのジャッキストロークを長くしなければな
らないなど、セグメントの連結作業が煩雑になるうえ、
トンネルシールドも大がかりなものとなる等の欠点があ
った。また、第2セグメントS2は、その取付けに際し
てトンネル長手方向に押込まれるので、地下水の侵入を
防止するために第1セグメントS1あるいは第2セグメ
ントS2の周囲に貼ってあるシール材がこすれて剥がれ
る場合もあるなど、未だ改善の余地があった。
【0004】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、第2セグメントの取付け作業を効率化し得
るトンネル用セグメントの組立て方法を提供する点にあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(特徴手段)本発明のトンネル用セグメントの組立て方
法は、請求項1に記載したごとく、トンネルの長手方向
に隣接するセグメントどうしの連結を、セグメントの端
面のうちトンネルの長手方向に略直角な長手方向端面の
複数の位置に、トンネルの径方向に移動可能に取付けた
長手方向連結具を用いて行い、トンネル周方向に隣接す
るセグメントどうしの連結を、セグメントの端面のうち
トンネルの長手方向に略平行な周方向端面に配置した周
方向連結具を用いて行うと共に、第1セグメントを前記
既設セグメントに取り付ける際に、長手方向連結具の配
置位置を第2セグメントに近いものほど多く偏位させて
おき、予め周方向連結具を第1セグメントの周方向端面
のうち第2セグメント側の周方向端面に取付けた当該第
1セグメントを既設セグメントに押付けることで、周方
向連結具を取付けた周方向端面が既設セグメントに対し
てトンネル外方に向く状態とし、トンネル外方に拡径す
る状態に取付けられた二つの第1セグメントの間に、第
2セグメントを挿入させつつ、当該第2セグメントを既
設セグメントの側に押しつけて、周方向連結具が夫々の
第1セグメントを第2セグメントの側に引付けると共
に、夫々の第1セグメントを既設セグメントに対する適
正な位置に摺動させてトンネル壁を構築する点に特徴を
有する。 (作用・効果)本手段によれば、既設のセグメントリン
グに対して第1セグメントを押付けるだけで、第1セグ
メントの周方向端面のうち第2セグメント側の周方向端
面をトンネル外方に拡径した状態で第1セグメントを取
り付けることができる。なぜなら、既設セグメントと第
1セグメントとに亘って取り付けてある長手方向連結具
は長手方向端面に沿って摺動可能であるが、第1セグメ
ントの自重程度によっては位置ずれすることがないから
である。この結果、双方の第1セグメントどうしの間に
は第2セグメントが挿入されるべき十分な空間が確保で
き、この部分への第2セグメントの挿入、および、その
後の押込み操作が円滑に行われるばかりでなく、第2セ
グメントの押込み時に前記周方向端面等に設けてあるシ
ール部材が破損するおそれも軽減される。そして、その
後第2セグメントを押し込む際には、第2セグメントと
第1セグメントとの間に亘って挿入される周方向連結具
の引付け力によって前記第1セグメントは第2セグメン
トの側に摺動されるから、トンネル壁が構築された後の
状態においては、前記第1セグメントは適正な位置に矯
正されている。以上のごとく、本手段によれば既設セグ
メントに単に第1セグメント本体を押付けるだけで、第
1セグメントをトンネルの外方に拡径した状態に取り付
けることができ、第2セグメントを押しつけると前記拡
径した状態の第1セグメントを適切な位置に矯正しなが
らセグメントリングを構築することができるから、第2
セグメントの組付作業を極めて効率化し得るトンネル用
セグメントの組立て方法を提供することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0007】本発明のトンネル用セグメントの組立て方
法は、例えば図1に示すごとく、一つのセグメントリン
グRを構築するための最後の三つのセグメントである第
2セグメントS2と二つの第1セグメントS1とを組み
付ける際の方法に関する。図1(イ)に示すごとく、第
2セグメントS2の両側に位置する第1セグメントS1
を組付ける際に、第1セグメントS1をトンネル長手方
向Xに隣接する既設セグメントS3に対して偏位させた
状態で取り付ける。これにより、前記第1セグメントS
1間隔を広く確保できるから、後の第2セグメントS2
の挿入操作が容易になる。尚、図1(ロ)は、連結終了
後の第1セグメントS1および第2セグメントS2を示
している。
【0008】本発明の方法においては、トンネル長手方
向Xに隣接するセグメントSどうしは、互いに挿入嵌合
自在なオス部1とメス部2とからなり、押し込むだけで
自動的に連結できる長手方向連結具R1を用いる。本発
明に用いる長手方向連結具R1の詳細を図2に示す。こ
こでは、例えば、既設セグメントS3にオス部1を設
け、当該既設セグメントS3に押付ける第1セグメント
S1にメス部2を設けた例を示す。第1セグメントS1
と既設セグメントS3とを連結する際には、両者を押し
付けて前記オス部1を前記メス部2の内部に挿入させ、
前記オス部1の先端部に設けた拡径可能部3を拡径変形
させることにより前記メス部2と係合させる。図2に示
すごとく、前記オス部1を取り囲む状態の第1凹部4を
既設セグメントS3に形成し、一方、前記第1凹部4に
挿入自在であって、その内部に前記オス部1を挿入させ
ることが可能な前記メス部2を第1セグメントS1に設
けている。即ち、前記オス部1を前記第1凹部4で取囲
む構成にして前記オス部1を有効に保護し、前記第1セ
グメントS1等の運搬性・作業性を向上させている。ま
た、図2に示すごとく、前記メス部2は第1セグメント
S1に対してトンネル径方向Yに移動可能に構成してあ
る。これにより、例えば、図3(イ)(図3は、既設セ
グメントS3の側から第1セグメントS1を見た図)に
示すごとく、メス部2を予め第1セグメントS1の厚み
方向においてトンネル内方に偏位させておけば、第1セ
グメントS1を押しつけた際に当該第1セグメントS1
を既設セグメントS3に対して広げた状態に取り付ける
ことができる。この結果、二つの第1セグメントS1間
の幅が広がって、最後の第2セグメントS2を双方の第
1セグメントS1の間に挿入することが容易となり、セ
グメントの組付作業が容易となる。さらに、通常、セグ
メントSの周囲の端面には地下水などの漏水を防止すべ
くシール材を取り付けてあるが、本方法であれば第2セ
グメントS2を取り付ける際に前記シール材が擦れて破
損するおそれも低減することができる。
【0009】(オス部)前記オス部1は図2に示すごと
く構成する。即ち、前記オス部1は、前記第1凹部4の
最奥部から突出するように設け、前記第1凹部4の深さ
を前記オス部1の突出長さよりも深く形成してある。こ
れにより、前記オス部1の先端が前記第1凹部4内に引
退するから、前記オス部1の保護が確実となる。前記オ
ス部1の全体形状は略円筒状を呈する。その一端は、前
記メス部2に挿入して拡径される拡径可能部3をなし、
他端は、前記既設セグメントS3に取付けるためのオス
側胴部5をなす。前記オス側胴部5の外周面にはオス側
ネジ部6が形成してあり、第1凹部の底部7に挿入した
のち、オス側ナット部材8により取付けてある。
【0010】前記拡径可能部3には、図2に示すごと
く、前記オス部1の長手方向に沿った複数条のスリット
9を形成し、前記オス部1をその周方向に分割した状態
に形成してある。これにより、前記拡径可能部3の拡径
が容易となる。また、前記オス部1の外周面すなわち前
記拡径可能部3の外周面3Aは、後述するメス部2の内
周面2Aとの摩擦力を高めるために粗面状に形成してあ
る。前記拡径可能部3の先端部外周には、前記メス部2
の内部への挿入を容易にすべく先細状のオス部先端傾斜
面10を形成してある。
【0011】(メス部)一方、前記メス部2は、図2に
示すごとく、第1セグメントS1に形成した第2凹部1
1に設けてある。前記メス部2を前記第2凹部11に設
けるのは、第1セグメントS1と既設セグメントS3と
の間に作用する剪断力に対する許容耐力を高めるためで
ある。つまり、連結部に何らかの剪断力が作用しても、
前記メス部2は、長手方向端面12と略平行な方向に所
定距離だけ移動し、その後、前記メス部2の外周面が前
記第2凹部11と当接するから、前記メス部2は、その
最大外径部分で前記剪断力に対抗できるのである。
【0012】前記メス部2はメス部底部13を有する略
筒状であり、当該メス部底部13には、融通穴14が形
成されている。前記メス部2は、前記融通穴14を貫通
する取付ボルト15によって、前記第1セグメントS1
に取付けられる。つまり、前記取付ボルト15を、前記
融通穴14と、第1セグメントS1に形成されたメス側
取付穴16とを貫通させ、前記第1セグメントS1の裏
面側で、前記取付ボルト15の外周面に形成した取付ボ
ルトネジ部17にメス側ナット部材18を螺着する。前
記融通穴14の内径は、前記取付ボルト15の胴部19
の外径より大きく設定する。この両者の差の範囲内で、
前記メス部2は前記取付ボルト15の周りに融通移動可
能である。また、前記メス側取付穴16は、第1セグメ
ントS1のトンネル径方向Yに沿った長穴に形成してあ
り、前記取付ボルト15は当該メス側取付穴16に沿っ
て所定距離だけ移動自在となる。本構成により、前記第
1セグメントS1に対する前記メス部2の偏位量を大き
く確保することができる。
【0013】ヘッド部20の先端には、前記拡径可能部
3を拡径させる拡径機構を設けてある。当該拡径機構
は、芯部材21と変形部材22とからなる。前記芯部材
21は、前記オス部3を前記メス部4の内部に挿入する
に際し、前記拡径可能部3の内部に進入して前記拡径可
能部3を拡径させるものである。前記芯部材21の外周
面は、前記芯部材21の押込み方向に窄まった円錐状に
構成してある。これにより、前記芯部材21が前記拡径
可能部3の内部に押込まれる際に、前記拡径可能部3の
拡径が容易になる。一方、前記変形部材22は、例えば
金属等を用いて形成した片側に底部を有する筒状体であ
り、その開口端部を前記芯部材21の底部に嵌入固定し
てある。前記変形部材22の有底側端部は、前記ヘッド
部20の先端に対して接着剤あるいは粘着テープ等を用
いて固定してある。これら拡径機構を有するメス部2に
対して前記オス部1が挿入されると、オス部1先端の拡
径可能部3が拡径され、当該拡径可能部3の外周面3A
が、前記メスの内周面2Aに形成した抜止部23、即
ち、前記メス部2の奥部に向かって拡径した円錐状の面
と当接して前記オス部1が前記メス部2から抜出るのを
阻止する。連結後の状態を図4に示す。
【0014】この際、前記オス部1と前記メス部2との
連結状態を確実なものにするために、本発明の連結装置
は、連結前の状態においては前記芯部材21の外周面2
1Aと前記抜止部23との間隔を、前記拡径可能部3の
厚みよりもやや小さく設定してあり、前記変形部材22
の変形機構によりオス部1とメス部2との連結状態を確
実なものとしている。即ち、前記拡径可能部3が、前記
芯部材21の外周面21Aと前記抜止部23との間に割
り込む結果、前記変形部材22の変形を伴いながら前記
芯部材21が後退するが、前記拡径可能部3は、前記変
形部材22の抵抗力に起因して前記外周面21Aと前記
抜止部23とによって所定の押圧力をもって挟持される
こととなるからである。
【0015】(セグメントに対する長手方向連結具の取
付け)上記の長手方向連結具R1を用い、例えば、図3
(イ)に示すごとく、前記第1セグメントS1に取付け
るメス部2を第2セグメントS2に近い側ほどトンネル
内方に偏位させて取付けるが、その際には次のような方
法を用いるとよい。例えば、前記第2凹部11の底面に
同芯円上のマークを設けておくと良い。つまり、メス部
2の突出方向から見て、前記マークとメス部2との位置
ずれの大小を目安にメス部2を固定すれば、複数のメス
部2を第2セグメントS2に近い側程トンネル内方に偏
位させることは容易である。また、前記長手方向端面1
2と同寸法・同形状であって、所定の位置にメス部2の
取付け位置を開口させたゲージ板を用意しておき、当該
ゲージ板を長手方向端面12に当接させながらメス部2
を取り付けておくものでもよい。
【0016】また、メス部2の位置を偏位させるのは第
1セグメントS1に係る長手方向連結具R1のみであっ
てもよいが、第1セグメントS1の外方側への偏位をよ
り容易にするためには、前記第1セグメントS1に対し
てさらにトンネルの下方側に隣接する例えば図1におけ
る第4セグメントS4から次第に外方側に偏位させるも
のであってもよい。これにより、前記第1セグメントS
1と第4セグメントS4との連結部に無理なこじり等が
生じるのを防止できるからである。
【0017】第1セグメントS1に前記メス部2を締結
する際にはトルクレンチ等を用いて締め付けトルクを調
節しておく必要がある。つまり、第1セグメントS1の
連結に際しては、その押し込み力程度によっては、ある
いは、第1セグメントS1を連結した際の第1セグメン
トS1の自重程度によっては前記メス部2が第1セグメ
ントS1に対して移動してはならず、一方、最後に第2
セグメントS2を押し込む際には、第2セグメントS2
によって両側の第1セグメントS1が引き込まれ、この
引き込み力によって前記メス部2が第1セグメントS1
に対して摺動する必要があるからである。尚、図3
(ロ)には、所定の位置に引き付けられた状態の第1セ
グメントS1を示している。又、上記においてはメス部
2を移動可能な例を示したが、オス部1を移動可能に構
成してもよい。
【0018】(トンネル周方向の連結具)本発明におい
て、トンネル周方向Zに隣接するセグメントSどうし
は、例えば、トンネル長手方向Xに沿って押し込み可能
な周方向連結具R2を用いる。当該周方向連結具R2を
用いれば、例えば、前記第2セグメントS2を単に既設
セグメントS3に押付けるだけで、第2セグメントS2
と第1セグメントS1とを引付け連結することができ
る。以下、当該周方向連結具R2について説明する。
【0019】(周方向連結具およびアリ溝部)図5に示
すごとく、周方向連結具R2は略矩形状であって、周方
向連結具R2の挿入方向に沿った両縁部には拡大縁部2
4が形成されていると共に、双方の拡大縁部24は平板
状の胴部25で連接されている。二つの前記拡大縁部2
4どうしは、夫々第1セグメントS1および第2セグメ
ントS2の周方向端面27に夫々設けた第1アリ溝部M
1および第2アリ溝部M2に挿入されて第1セグメント
S1と第2セグメントS2とを引付け連結できるよう周
方向連結具R2の挿入方向奥側ほど広げたテーパー状に
形成してある。
【0020】前記周方向連結具R2は、既設セグメント
S3に接当可能な突出部材26をその嵌入方向後端に備
えている。前記突出部材26は、前記周方向連結具R2
が所定の押圧力で既設セグメントS3に押し付けられる
際に圧縮変形可能である。つまり、当該突出部材26が
圧縮変形することで周方向連結具R2は既設セグメント
S3の側に移動し、後述するごとく、前記第1セグメン
トS1と第2セグメントS2とを略一定力で引付け連結
する。
【0021】(周方向の連結操作)既設セグメントS3
に対して第1セグメントS1および第2セグメントS2
を取り付ける際には、周方向連結具R2を予め第1セグ
メントS1に取り付けておく先付方式を用いる。第1セ
グメントS1に周方向連結具R2を取付ける際には、図
5に示すごとく一方の拡大縁部24を前記第1セグメン
トS1の第1アリ溝部M1に挿入し、一方の突出部材2
6は露出させておく。
【0022】前記周方向連結具R2を用いた第1セグメ
ントS1と第2セグメントS2との連結過程を図6
(イ)〜(ニ)に示す。図6(イ)は、既に構築が終了
した第1セグメントS1と、第1セグメントS1の第1
アリ溝部M1に挿入されている周方向連結具R2とに対
し、第2セグメントS2を近接させる過程を示してい
る。この過程においては、周方向連結具R2と第2セグ
メントS2とは未だ当接していない。第2セグメントS
2の押付けが進み、第2アリ溝部M2が、周方向連結具
R2の拡大縁部24に当接した状態を示したのが図6
(ロ)である。さらに第2セグメントS2を既設セグメ
ントS3の側に押込むと、第1アリ溝部M1と拡大縁部
24との間で滑りが生じ、周方向連結具R2は突出部材
26の先端部が既設セグメントS3に当接するまで第1
アリ溝部M1に沿って摺動する。図6(ハ)は、摺動し
てきた周方向連結具R2の突出部材26の先端が既設セ
グメントS3に当接した状態である。引続き第2セグメ
ントS2を押込むと、第2セグメントS2はさらに侵入
し、第1セグメントS1と第2セグメントS2との当接
力が高まる。ただし、この段階においては、突出部材2
6に圧縮変形は生じない。つまり、双方の拡大縁部24
がテーパー状に構成してあるから、第2セグメントS2
を既設セグメントS3の側に押付ける力の大部分は、第
1セグメントS1と第2セグメントS2とを引付けるた
めの分力となる。このため、周方向連結具R2を既設セ
グメントS3の側に押付ける分力が、突出部材26を圧
縮変形させるのに必要な力にまで未だ高まっていないの
である。第2セグメントS2をさらに押込み、周方向連
結具R2を既設セグメントS3の側に押付ける分力が、
突出部材26を圧縮変形させ得るまでに高まると、突出
部材26は圧縮変形を生じさせ、やがて面外変形を生じ
させて、周方向連結具R2が既設セグメントS3の側に
移動する。この結果、周方向連結具R2は、第2セグメ
ントS2の側に迫り出すから、第2セグメントS2がさ
らに侵入可能となる。この状態においては、第1セグメ
ントS1と第2セグメントS2との引付力は略一定に保
たれる。図6(ニ)は、その後、さらに既設セグメント
S3の側に押込まれた第2セグメントS2が、既設セグ
メントS3に当接した状態を示す。つまり、通常の連結
過程が終了した状態である。
【0023】以上のごとく、周方向連結具R2は第1セ
グメントS1と第2セグメントとを引付ける機能を有し
ており、しかも、第1セグメントS1のアリ溝部M1と
第2セグメントのアリ溝部M2との間に多少の段差ある
いは距離があっても、双方の拡大縁部24が双方のアリ
溝部M1,M2に挿入できるだけの範囲であれば、第1
セグメントS1と第2セグメントS2との連結は確実に
行われる。よって、周方向連結具R2をトンネル外方に
偏位さてある場合でも、その偏位量が一定の範囲にあれ
ば、第2セグメントS2を単に押付けるだけで第1セグ
メントS1を引付けることができる。この場合、双方の
拡大縁部24は、テーパー状に角度を持たせて構成され
ており、極めて大きな引付力を発揮させることができ
る。尚、第1セグメントS1に前記長手方向連結具R1
を取り付ける際の締結力が、第1セグメントS1の自重
に抵抗できるものであっても、第2セグメントS2を既
設セグメントS3に押しつける際の引付け力を上回るも
のではない。このため、第2セグメントS2を押しつけ
る際には、第1セグメントは所定の取付位置に矯正され
る。
【0024】(セグメントの搬入方法)第1セグメント
S1あるいは第2セグメントS2は、例えば、トンネル
シールドに備えてある取付けアームを用いて所定の位置
に位置決めする。本発明の方法においては、押し込むセ
グメントSの位置誤差を吸収し得る周方向連結具R2等
を用いて行うから、後から取付けるセグメントSの位置
決めはそれ程正確に行う必要はない。よって、前記アー
ムの動作についても一定範囲の精度を有していれば十分
である。そのため、本発明における前記アームの動作制
御は次のように行うことができる。
【0025】本発明においては、図7に示すごとく、例
えば、連接すべき第1セグメントS1について三箇所に
センサTを設ける。当該センサTは、例えば超音波式の
距離センサを用い、連接する第1セグメントS1と既設
セグメントS3との高さの差、および、第1セグメント
S1と第4セグメントS4との高さの差を検知する三つ
のセンサT1,T2,T3で構成する。夫々のセンサT
1,T2,T3は、これから取り付ける第1セグメント
S1の面高さにつき、Low,Mid,Highの三種
類の高さ認識が可能である。これらのセンサT1,T
2,T3を用いた場合には、夫々の組み合わせは図8に
示すごとく全部で27種類となる。これらの組合せの夫
々について予めアームのアクチュエータの動作シーケン
スを決定しておき、第1セグメントS1を把持している
例えば四つの姿勢制御シリンダUを、センシングの結果
に基づいて一義的に上昇・下降等させて動作させる。第
1セグメントS1の位置が決定されるとアクチュエータ
の動きを終了させ、当該第1セグメントS1を既設セグ
メントS3の側に押しつけて連結を終了する。
【0026】本方法によれば、前記アームの構成を簡単
なものとしながら、セグメントSの位置決め作業を極め
て迅速に行うことができる。尚、このようなシーケンス
制御が行えるのは、トンネル周方向Zに隣接するセグメ
ントどうしの連結を周方向連結具R2で行うことにした
ことに基づく。つまり、従来のごとく、周方向端面に設
けたボルト孔に連結ボルトを挿通してナットで締結する
方式では、セグメント本体どうしの位置決めを正確に行
う必要があったが、前記周方向連結具R2を用いれば双
方のセグメントSの位置決めはそれ程正確である必要は
ないからである。また、上記の実施形態においては検知
センサーとして超音波を用いたものを開示したが、当該
構成に限定されるものではなく、例えば、レーザー光線
を連結部に照射すると共に、当該照射部分をテレビカメ
ラで視認して画像処理によって高さの差を検知するもの
等であってもよい。
【0027】以上のごとく、本発明のトンネル用セグメ
ントの組立て方法によれば、第2セグメントの取付け作
業を効率化しながら、強固なトンネル壁を構築すること
ができる。
【0028】尚、上記特許請求の範囲の説明中、図面を
参照し、図面との対照を便利にするために符号を記す
が、当該記入により本発明が添付図面の構成に限定され
るものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセグメントの組立て要領を示す説
明図
【図2】長手方向連結具を示す縦断面図
【図3】第2セグメントの組立て要領を示す説明図
【図4】連結後の長手方向連結具を示す縦断面図
【図5】周方向連結具の取付け状況を示す説明図
【図6】周方向連結具の締結要領を示す説明図
【図7】セグメントの搬入要領を示す説明図
【図8】セグメントの位置決めに際する動作シーケンス
の一例を示す説明図
【図9】従来のセグメント組立て方法を示す説明図
【符号の説明】
S セグメント S1 第1セグメント S2 第2セグメント S3 既設セグメント 12 長手方向端面 27 周方向端面 R1 長手方向連結具 R2 周方向連結具 X トンネル長手方向 Y トンネル径方向 Z トンネル周方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鬼橋 保祐 東京都中央区日本橋室町3丁目1番3号 株式会社クボタ東京本社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トンネル周方向に分割した複数のセグメ
    ント(S)を、トンネル壁として既に構築した既設セグ
    メント(S3)に連接して新たなトンネル壁を構築する
    際に、最後の三つのセグメント(S)の組み立て順序
    が、両側の二つの第1セグメント(S1)を取り付けた
    後、当該二つの第1セグメント(S1)の間に第2セグ
    メント(S2)を取り付けるものであるトンネル用セグ
    メントの組立方法において、 トンネルの長手方向(X)に隣接するセグメント(S)
    どうしの連結を、セグメント(S)の端面のうちトンネ
    ルの長手方向(X)に略直角な長手方向端面(12)の
    複数の位置に、トンネルの径方向(Y)に移動可能に取
    付けた長手方向連結具(R1)を用いて行い、 トンネル周方向(Z)に隣接するセグメント(S)どう
    しの連結を、セグメント(S)の端面のうちトンネルの
    長手方向(X)に略平行な周方向端面(27)に配置し
    た周方向連結具(R2)を用いて行うと共に、 前記第1セグメント(S1)を前記既設セグメント(S
    3)に取り付ける際に、前記長手方向連結具(R1)の
    配置位置を前記第2セグメント(S2)に近いものほど
    多く偏位させておき、予め前記周方向連結具(R2)を
    第1セグメント(S1)の周方向端面(27)のうち前
    記第2セグメント(S2)側の周方向端面(27)に取
    付けた当該第1セグメント(S1)を前記既設セグメン
    ト(S3)に押付けることで、前記周方向連結具(R
    2)を取付けた周方向端面(27)が前記既設セグメン
    ト(S3)に対してトンネル外方に向く状態とし、 トンネル外方に拡径する状態に取付けられた二つの第1
    セグメント(S1)の間に、第2セグメント(S2)を
    挿入させつつ、当該第2セグメント(S2)を既設セグ
    メント(S3)の側に押しつけて、前記周方向連結具
    (R2)が夫々の第1セグメント(S1)を第2セグメ
    ント(S2)の側に引付けると共に、夫々の第1セグメ
    ント(S1)を既設セグメント(S3)に対する適正な
    位置に摺動させてトンネル壁を構築するトンネル用セグ
    メントの組立て方法。
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