JPH10101886A - ゲル状組成物および電池 - Google Patents

ゲル状組成物および電池

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JPH10101886A
JPH10101886A JP9206865A JP20686597A JPH10101886A JP H10101886 A JPH10101886 A JP H10101886A JP 9206865 A JP9206865 A JP 9206865A JP 20686597 A JP20686597 A JP 20686597A JP H10101886 A JPH10101886 A JP H10101886A
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Japan
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organic solvent
electrolyte
gel composition
gel
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JP9206865A
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English (en)
Inventor
Koji Miyake
浩司 三宅
Nobuyuki Harada
信幸 原田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒の吸液性や保持性に優れるゲル状組
成物および電池を提供する。 【解決手段】 環状N−ビニルラクタムを含む単量体成
分を重合してなる架橋重合体に有機溶媒として電解質含
有有機溶媒を吸液させることによりゲル状組成物1を得
る。上記環状N−ビニルラクタムとしてはN−ビニル−
2−ピロリドンが好ましく、電解質含有有機溶媒の電解
質としてはリチウムイオンの塩が好ましく、上記電解質
を溶解し得る有機溶媒としては、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、γ
−ブチロラクトン、1,4 −ジオキサン、テトラヒドロフ
ランからなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶媒
が好ましい。そして、上記ゲル状組成物1を高分子固体
電解質として負極2と正極3との間に介在させること
で、電解質含有有機溶媒の保持量が多く、しかも液漏の
ない信頼性に優れる電池を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶媒に対する
吸液性や保持性に優れるゲル状組成物および該ゲル状組
成物を高分子固体電解質として備える電池に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やノート型パソコン等の
普及に伴って、薄型で大容量の電池が嘱望されている。
しかしながら、電解液を用いた電池は、電解液の液モレ
を防ぐために金属缶等を用いて完全に密封する必要があ
り、また、金属缶の薄型加工が難しいため、薄型化が困
難である。このため、電解液の代わりに高分子固体電解
質を用いた電池の研究がなされている。
【0003】このような電池に用いられる高分子固体電
解質としては、例えば、ウレタン結合を有するアクリロ
イル系化合物を反応させてなる架橋重合体が電解質を溶
解した有機溶媒(電解質含有有機溶媒)を含む高分子固
体電解質(特開平3-84807 号公報)や、ポリプロピレン
グリコールのジアクリル酸エステルおよび/またはジメ
タクリル酸エステルと、ポリエーテルのモノアクリル酸
および/またはモノメタクリル酸エステルとの混合物を
反応させてなる架橋重合体が電解質を含んでなる高分子
固体電解質(特公平8-32755 号公報)等が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来公
報に記載の高分子固体電解質は、何れも、電解質を溶解
した有機溶媒、或いは、電界質を溶解し得る有機溶媒の
保持量が充分であるとは言い難く(プロピレンカーボネ
ートで架橋重合体の等倍〜2倍未満)、電池特性を向上
させるためには、これら有機溶媒の吸液性や保持性のさ
らなる向上が望まれる。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、有機溶媒の吸液性や保持性
に優れ、電池をはじめとする種々の用途に好適に用いら
れるゲル状組成物、並びに、有機溶媒の吸液性や保持性
に優れる電池を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく鋭意検討した結果、環状N−ビニルラク
タムを含む単量体成分を重合してなる架橋重合体が有機
溶媒を吸液してゲル化すると共に、該ゲル化した架橋重
合体を含むゲル状組成物が、有機溶媒、特に、電解質含
有有機溶媒の吸液性や保持性に優れ、電池をはじめとす
る種々の用途に好適に用いることができることを見いだ
して本発明を完成させるに至った。
【0007】尚、環状N−ビニルラクタムを含む単量体
成分を重合してなる架橋重合体が有機溶媒の吸液性や保
持性に優れ、有機溶媒をゲル状で保持できることは未だ
知られていない。
【0008】請求項1記載の発明のゲル状組成物は、上
記の課題を解決するために、環状N−ビニルラクタムを
含む単量体成分を重合してなる架橋重合体と有機溶媒と
を含み、上記架橋重合体が、その内部に上記有機溶媒を
保持していることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明のゲル状組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項1記載のゲル状組成
物において、上記有機溶媒が電解質を溶解し得る有機溶
媒であることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明のゲル状組成物は、上
記の課題を解決するために、環状N−ビニルラクタムを
含む単量体成分を重合してなる架橋重合体と、電解質を
含有した有機溶媒とを含み、上記架橋重合体が、その内
部に、上記の電解質を含有した有機溶媒を保持している
ことを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明のゲル状組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜3の何れか1項
に記載のゲル状組成物において、上記有機溶媒が溶解度
パラメータ9( cal /cm3 ) 1/2 以上の親水性有機溶媒
であることを特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明のゲル状組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜4の何れか1項
に記載のゲル状組成物において、上記単量体成分におけ
る環状N−ビニルラクタムの含有量が50モル%以上であ
ることを特徴としている。
【0013】請求項6記載の発明のゲル状組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜5の何れか1項
に記載のゲル状組成物において、上記有機溶媒がプロピ
レンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、γ−ブチロラクトン、1,4 −ジオキサン、
テトラヒドロフランからなる群より選ばれる少なくとも
一種の有機溶媒であることを特徴としている。
【0014】請求項7記載の発明のゲル状組成物は、上
記の課題を解決するために、請求項1〜6の何れか1項
に記載のゲル状組成物において、上記環状N−ビニルラ
クタムがN−ビニル−2−ピロリドンであることを特徴
としている。
【0015】請求項8記載の発明のゲル状組成物は、上
記の課題を解決するために、N−ビニル−2−ピロリド
ン架橋重合体と、リチウムイオンの塩を含むプロピレン
カーボネートとを含み、上記N−ビニル−2−ピロリド
ン架橋重合体が、その内部に、リチウムイオンの塩を含
むプロピレンカーボネートを保持していることを特徴と
している。
【0016】環状N−ビニルラクタムを含む単量体成分
を重合してなる架橋重合体は、電解質を含有した有機溶
媒や、電解質を含有し得る有機溶媒の吸液性に優れ、該
架橋重合体に有機溶媒を吸液、保持させることでゲル状
組成物を形成する。そして、該ゲル状組成物に吸液、保
持された有機溶媒は、容易には漏洩しない。
【0017】従って、上記の構成によれば、電解質含有
有機溶媒等、有機溶媒の吸液性や保持性に優れ、電池を
はじめとする種々の用途に好適に用いることができるゲ
ル状組成物を提供することができる。
【0018】請求項9記載の発明の電池は、上記の課題
を解決するために、請求項1〜8の何れか1項に記載の
ゲル状組成物を高分子固体電解質として備えていること
を特徴としている。
【0019】上記の構成によれば、本発明にかかるゲル
状組成物が電解質含有有機溶媒等、有機溶媒の吸液性や
保持性に優れることから、該ゲル状組成物を備えた電池
もまた電解質含有有機溶媒等の有機溶媒の吸液性や保持
性に優れている。従って、本発明にかかる電池は、電解
質含有有機溶媒等の有機溶媒の保持量が多く、しかもこ
れら有機溶媒の液漏を防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかるゲル状組成物は、
環状N−ビニルラクタムを含む単量体成分を重合してな
る架橋重合体と有機溶媒とを含み、上記架橋重合体が、
その内部に上記有機溶媒を保持している構成を有してい
る。
【0021】本発明において、上記のゲル状組成物は、
環状N−ビニルラクタムを含む単量体成分を重合してな
る架橋重合体に有機溶媒を吸液させるか、あるいは、環
状N−ビニルラクタムを含む単量体成分を、有機溶媒
中、架橋剤の存在下で溶液ゲル重合させることによって
容易に得ることができる。
【0022】上記環状N−ビニルラクタムとしては、N
−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−
ビニルイミダゾリン等が挙げられ、さらに好ましくはN
−ビニル−2−ピロリドンが挙げられる。これら環状N
−ビニルラクタムは、一種類のみを用いてもよいし、適
宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
【0023】上記単量体成分は、必要に応じて上記環状
N−ビニルラクタム以外のその他の単量体、即ち、上記
環状N−ビニルラクタムと共重合可能な単量体を、上記
ゲル状組成物が備えるべき性能を損なわない範囲内で含
んでいてもよい。上記その他の単量体としては、具体的
には、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、ビニ
ルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、スルホアルキル(メタ)アクリ
レート、およびそれらのアルカリ金属塩またはアンモニ
ウム塩;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートお
よびその4級化物;(メタ)アクリルアミド、メトキシ
ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレート、N−イソプロピル
(メタ)アクリルアミド等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。
【0024】これらその他の単量体は、一種類のみを用
いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよ
い。これらその他の単量体のなかでも、(メタ)アクリ
ル酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、スルホアルキル(メタ)アクリレート、
およびそれらのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートおよびその
4級化物、(メタ)アクリルアミド、メトキシポリエチ
レングリコール(メタ)アクリレートからなる群より選
択される少なくとも一種の単量体が特に好ましい。上記
単量体成分が上記例示のその他の単量体を含むことで、
得られるゲル状組成物の柔軟性を高めることができる。
【0025】上記単量体成分における環状N−ビニルラ
クタムの割合は、50モル%以上、好ましくは70モル%以
上、さらに好ましくは90モル%以上、最も好ましくは10
0 モル%である。上記単量体成分における環状N−ビニ
ルラクタムの割合が50モル%未満であれば、有機溶媒、
特に、多量の電解質を溶解した塩濃度の高い有機溶媒に
対する吸液性に乏しいものとなる。つまり、電解質を溶
解した有機溶媒である電解質含有有機溶媒の吸液性を向
上させるためには、単量体成分における環状N−ビニル
ラクタムの割合が100 モル%に近い程好ましい。そし
て、上記ゲル状組成物を電池に用いるためには、該ゲル
状組成物における上記架橋重合体の電解質含有有機溶媒
に対する吸液倍率が2倍以上であることが好ましく、こ
のために必要とされる上記環状N−ビニルラクタムの割
合は、50モル%以上である。
【0026】本発明において、上記環状N−ビニルラク
タムを含む単量体成分から直接ゲル状の架橋重合体(ゲ
ル状組成物)を得る場合には、上記環状N−ビニルラク
タムを含む単量体成分を、有機溶媒中、架橋剤の存在下
で溶液ゲル重合させればよい。上記溶液ゲル重合とは、
単量体成分と架橋剤とを、実質上、均一に溶解させた溶
液重合(後に詳述する)を行うことで、重合後は、得ら
れる架橋重合体と、重合に用いた溶液とが一体化したゲ
ル状物を形成する重合を示す。該溶液ゲル重合では、重
合反応中に生成する架橋重合体あるいはその中間体が析
出し、沈殿することなく重合が進行する。このため、重
合の制御が容易である。しかも、上記溶液ゲル重合によ
り得られる架橋重合体中間体は、上記溶液、即ち、有機
溶媒によって膨潤し、その内部に有機溶媒を保持した状
態で架橋される。このため、上記溶液ゲル重合を用いた
場合、上記架橋重合体中間体内部には、架橋剤が均一に
分散され、この結果、架橋重合体中間体表面および内部
において均一な架橋を行うことができる。また、上記の
溶媒には、予め過塩素酸リチウム等の電解質を溶解して
もよい。
【0027】一方、上記環状N−ビニルラクタムを含む
単量体成分を重合してなる架橋重合体に有機溶媒を吸液
させてゲル状組成物を得る場合には、上記単量体成分の
重合方法としては、特に限定されるものではなく、従来
公知の種々の方法を用いることができる。上記の重合方
法としては、例えば、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重
合法等が挙げられ、必要に応じて架橋剤が用いられる。
また、重合開始時には、重合開始剤、或いは、紫外線や
電子線等の活性エネルギー線等を用いることができる。
上記架橋重合体に有機溶媒を吸液させる場合には、重合
反応後、得られる重合体がゲル状であれば、該ゲル状重
合体をそのまま、或いは、必要に応じて洗浄や解砕等の
所定の操作を行なった後、乾燥させてから、有機溶媒を
吸液させる。
【0028】上記の反応において用いられる上記架橋剤
としては、重合性を示すエチレン性不飽和二重結合を分
子内に2個以上有する化合物であれば、特に限定される
ものではない。上記架橋剤としては、具体的には、例え
ば、N,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、N,N'−ジビニル−2−イミダ
ゾリジノン、N,N'−1,4 −ブチレンビス(N−ビニルア
セトアミド)、アリルメタクリレート、ジアリルアミ
ン、トリアリルアミン、テトラアリロキシエタン、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、
(ポリ)エチレングリコールジアリルエーテル、ジアリ
ルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテ
ル、アリルスルフィド、アリルジスルフィド、ジアリル
ウレア、トリメリット酸トリアリル、ジアリルジメチル
アンモニウムクロライド、ジアリルシュウ酸ナトリウ
ム、フタル酸ジアリルやコハク酸ジアリル等の多塩基酸
のジアリルエステル等が挙げられる。
【0029】また、上記単量体成分が、カルボキシル基
やスルホン酸基等の酸基を有する単量体を含む場合に
は、上記架橋剤として、酸基と反応することのできる官
能基を分子内に2個以上有する化合物を用いることがで
きる。このような化合物としては、具体的には、例え
ば、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、(ポリ)
エチレングリコール、グリセリン、アリルグリシジルエ
ーテル等が挙げられる。
【0030】上記の架橋剤は、一種類のみを用いてもよ
く、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。上記の
架橋剤のなかでも、アリル基含有化合物が、架橋効率を
向上させることができ、架橋剤の使用量を抑え、所望す
る架橋重合体を安価に製造することができると共に、吸
液倍率が高く、しかも可溶成分の少ない架橋重合体を容
易に得ることができる。
【0031】上記架橋剤の使用量、つまり、上記単量体
成分に対する架橋剤の添加量は、重合条件や単量体成分
の組成等にもよるが、一般に、単量体成分に対し、 0.0
01モル%〜5モル%の範囲内が好ましく、0.01モル%〜
2モル%の範囲内がさらに好ましい。上記架橋剤の使用
量が上記範囲外では、吸液性能に優れる架橋重合体が得
られない虞れがある。
【0032】上記反応に用いられる重合開始剤として
は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の重
合開始剤を用いることができる。上記重合開始剤のなか
でも、アゾ系開始剤、具体的には、例えば、2,2'−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2'−アゾビ
ス〔2−(N−アリルアミジノ)プロパン〕2塩酸塩、
2,2'−アゾビス{2−〔N−(2−ヒドロキシエチル)
アミジノ〕プロパン}2塩酸塩等のアゾアミジン化合
物、2,2'−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕2塩酸塩等の環状アゾアミジン化合物、
2,2'−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエ
チル)プロピオンアミド〕等のアゾアミド化合物、2,2'
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス( 2,4
−ジメチルバレロニトリル)等が好ましく、2,2'−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩、2,2'−アゾビ
ス( 2,4 −ジメチルバレロニトリル)等がより好まし
い。また、上記の重合反応を行う際に、溶媒として水を
用いる場合には、環状N−ビニルラクタムの重合性およ
び得られる吸液性樹脂の吸液性能等の観点から、2,2'−
アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩等に代表さ
れる水溶性アゾ系開始剤を用いることが特に好ましい。
さらに、上記重合開始剤として酸化性ラジカル重合開始
剤を用いる場合には、還元剤を併用してレドックス重合
を行ってもよい。
【0033】これら重合開始剤の使用量は、用いる単量
体成分の組成やその濃度および重合条件等により異なる
が、一般に、単量体成分1モルに対し0.01g〜5gの範
囲内であり、好ましくは0.05g〜1gの範囲内である。
上記重合開始剤の使用量が0.01g未満であれば、重合が
開始しなかったり、未重合の単量体成分が多くなったり
するという不都合を生じることがある。また、上記重合
開始剤が5gを越えると、重合の制御が困難となり、吸
液性能に優れた架橋重合体が得られなくなる虞れがあ
る。
【0034】上記重合方法として例えば溶液重合法を採
用する場合には、例えば、(i) ベルトやバット上、ある
いは、ビーカー等の容器中で静置重合する方法や、(ii)
双腕型ニーダー中で、必要に応じて撹拌しながら重合す
る方法、(iii) 単量体成分および架橋剤を含む溶液を、
不織布やフィルム等の基材に塗工した後、上記基材上で
単量体成分の重合を行う方法等を用いることができる。
そのなかでも、上記(iii) の方法を用いれば、重合体と
基材とが一体化した複合体を得ることができる。さらに
具体的には、例えば、上記単量体成分および架橋剤を
含む溶液を重合開始剤の存在下で静置あるいは撹拌しな
がら重合させる方法、上記単量体成分を少なくとも含
む溶液に、電子線やγ線等を照射して重合させる方法、
上記単量体成分を少なくとも含む溶液を、不織布や微
孔性のフィルム等の基材に塗工し、基材上で直接重合さ
せる方法、上記単量体成分を重合して得られた線状ポ
リマーを含む溶液に、電子線やγ線等を照射し、架橋さ
せる方法、上記単量体成分を重合して得られた線状ポ
リマーを含む溶液を、不織布や微孔性のフィルム等の基
材に塗工し、基材上で直接重合させる方法等が挙げられ
る。
【0035】上記重合方法として溶液重合を採用する場
合に用いられる溶媒としては、上記単量体成分を溶解さ
せることが可能な溶媒であれば、特に限定されるもので
はない。上記溶媒としては、具体的には、例えば、水;
アルコール、炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン等の
有機溶媒が挙げられる。また、上記の溶媒には、予め過
塩素酸リチウム等の電解質を溶解してもよい。これら溶
媒は、一種類のみを用いてもよく、適宜、二種類以上を
混合して用いてもよい。上記の重合反応により得られる
架橋重合体に有機溶媒を吸液させてゲル状組成物を得る
場合、上記の溶液のなかでも、好ましくは水と親水性有
機溶媒との混合溶媒であり、最も好ましくは水単独であ
る。上記の溶液として水を用いて水溶液重合、好ましく
は水溶液ゲル重合を行うことにより、より吸液性に優れ
る共に、より可溶成分が少ない吸液性樹脂を得ることが
できる。しかも、水溶液重合を行うことで、取り扱い性
が向上すると共に、重合熱の除去がより一層容易にな
る。
【0036】上記重合方法として溶液重合を採用する場
合の単量体成分の濃度、即ち、溶液中における単量体の
割合は、特に限定されるものではないが、25重量%〜80
重量%の範囲内であることが好ましい。上記単量体成分
の濃度が25重量%未満であれば、架橋した重合体が得ら
れず、得られた重合体が水等に溶解してしまう虞れがあ
る。また、架橋した重合体が得られた場合でも、重合後
のゲル状重合体を解砕することが困難となる。さらに、
得られたゲル状重合体の乾燥に長い時間を必要とし、乾
燥中に重合体が劣化してしまうことがある。一方、単量
体成分の濃度が80重量%を越えると、重合の制御が困難
となり、吸液性能に優れた架橋重合体が得られなくなる
虞れがある。
【0037】また、上記重合方法として懸濁重合あるい
は乳化重合を採用する場合には、単量体成分および架橋
剤を溶解させた水溶液、或いは、架橋剤を溶解させた単
量体成分を疎水性有機溶媒中に懸濁あるいは乳化させて
重合する方法を採用することができる。この場合に用い
られる疎水性有機溶媒としては、具体的には、例えば、
シクロヘキサン、シクロヘプタン等が挙げられるが、水
と均一に混合しない有機溶媒であれば、特に限定される
ものではない。尚、上記反応に際しては、必要に応じて
分散剤としてソルビタンモノステアレートやソルビタン
モノパルミテート、エチルセルロース等の界面活性剤が
用いられる。
【0038】また、上記重合方法として沈殿重合を採用
する場合には、単量体成分は溶解するが重合体は溶解さ
せない例えばベンゼン等の溶媒中で上記単量体成分と架
橋剤とを重合させればよい。
【0039】上記各重合方法における反応温度や反応時
間等の反応条件は、単量体成分の組成等に応じて適宜設
定すればよく、特に限定されるものではない。これら重
合方法のなかでも、重合反応の制御の容易さ、および、
得られる架橋重合体の性能面から、単量体成分を溶液と
して用いる溶液重合が特に好ましい。
【0040】上記各重合方法における反応温度や反応時
間等の反応条件は、単量体成分の組成等に応じて適宜設
定すればよく、特に限定されるものではない。これら重
合方法のなかでも、重合反応の制御の容易さ、および、
得られる架橋重合体の性能面から、単量体成分を溶液と
して用いる溶液重合が特に好ましい。
【0041】また、上記の重合反応により得られる架橋
重合体がゲル状であり、該ゲル状の架橋重合体(ゲル状
重合体)を乾燥させる場合に用いられる乾燥方法として
は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風乾燥、
ドラムドライヤー等を用いた薄膜乾燥、減圧乾燥、流動
床乾燥、凍結乾燥等、従来公知の種々の乾燥方法を用い
ることができる。尚、この場合の上記ゲル状重合体の乾
燥温度は、特に限定されるものではない。
【0042】また、乾燥物は、例えば、ハンマーミル、
ジェットミル等により、粉砕等の操作を行なって細粒化
した後、必要に応じてふるい分け等の分級操作を行なう
ことが望ましい。
【0043】このようにして得られた架橋重合体は、高
濃度の塩を含む有機溶媒等、各種有機溶媒の吸液性や保
持性に優れている。本発明において、上記架橋重合体が
保持し得る有機溶媒としては、上記架橋重合体に対して
親和性を有し、上記架橋重合体を膨潤させることによっ
てゲル化することができるものであれば、特に限定され
るものではない。このような有機溶媒としては、具体的
には、溶解度パラメータ9( cal /cm3 ) 1/2 以上好ま
しくは10( cal /cm3 ) 1/2 以上の親水性有機溶媒が挙
げられる。
【0044】上記の親水性有機溶媒としては、例えば、
プロピレンカーボネート(溶解度パラメータ13.3( cal
/cm3 ) 1/2 ;以下、有機溶媒の例示における括弧内の
数字は溶解度パラメータを示す)、エチレンカーボネー
ト(14.7)、ジメチルカーボネート(9.9)、γ−ブチル
ラクトン(12.6)、1,4 −ジオキサン(10.0)、テトラ
ヒドロフラン(9.1)、メタノール(14.5)、エタノール
(12.7)、エチレングリコール(14.6)、グリセリン
(16.5)等が挙げられる。
【0045】尚、上記の溶解度パラメータとは、化合物
の極性を表すファクターとして一般に用いられる値であ
る。本発明においては、上記の溶解度パラメータに対し
て、ポリマーハンドブック第3版(WILEY INTERSCIENCE
社発行)527 頁〜539 頁に記載されている溶媒の溶解度
パラメータδ( cal /cm3 ) 1/2 の値を適用することと
する。また、上記の頁に記載されていない溶媒の溶解度
パラメータに関しては、該ポリマーハンドブックの524
頁に記載されているSmallの式に、同525頁に記載
されているHoyの凝集エネルギー定数を代入して導か
れる値を適用することとする。
【0046】上記の架橋重合体に、例えば、上記有機溶
媒としてプロピレンカーボネート(炭酸プロピレン)や
γ−ブチロラクトンを吸液させる場合には、該有機溶媒
が電解質として例えばリチウムイオンの塩を含有してい
るか否かに関わらず、15倍以上もの高い吸液倍率を示
す。しかも、上記架橋重合体は良好な保液性能を有し、
通常の使用条件下においては、一度保液したものが外部
に漏出することがない。
【0047】従って、上記の架橋重合体を用いれば、電
解液として、プロピレンカーボネートやγ−ブチロラク
トン等の非プロトン性有機溶媒に電解質としてリチウム
イオンの塩を溶解してなる電解質含有有機溶媒の保持が
可能となり、負極活物質に還元力の強いリチウムを用い
ることが可能となる。このため、高分子固体電解質のゲ
ル化剤として上記架橋重合体を用いれば、高起電力の電
池を得ることができる。
【0048】このように、本発明のゲル状組成物は、各
種有機溶媒の吸液性並びに保持性に優れ、電池をはじめ
として、例えばドラックデリバリーシステムや固形燃
料、徐放性薬剤、芳香剤用ゲル化剤等、有機溶媒の吸液
性や保持性を必要とする各種用途に好適に用いることが
できる。上記ゲル状組成物を電池に用いる場合には、上
記ゲル状組成物は、有機溶媒として、電解質を溶解し得
る有機溶媒、あるいは、電解質を溶解した有機溶媒(電
解質含有有機溶媒)を含んでいることが好ましい。
【0049】本発明のゲル状組成物が有機溶媒として電
解質含有有機溶媒を含む場合に用いられる上記電解質含
有有機溶媒の溶媒としては、電解質を溶解し得る有機溶
媒であれば、特に限定されるものではないが、プロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカー
ボネート、γ−ブチロラクトン、1,4 −ジオキサン、テ
トラヒドロフランからなる群より選ばれる少なくとも一
種の有機溶媒であることが好ましく、プロピレンカーボ
ネートであることが特に好ましい。
【0050】また、上記電解質としては、例えば、リチ
ウムイオンの塩やカリウムイオンの塩等、イオン性塩で
あれば特に限定されるものではないが、高起電力の電池
を得るためには、リチウムイオンの塩を用いることが好
ましい。上記電解質としては、具体的には、例えば、Li
ClO4、LiBF4 、LiAsF6、LiCF3SO3、LiPF6 、LiI 、LiB
r、LiSCN 、Li2B10Cl10、LiCF3CO2等が挙げられる。
【0051】上記架橋重合体と電解質含有有機溶媒との
組合せのなかでも、吸液性、および、得られる電池の性
能の面から、上記架橋重合体がポリN−ビニル−2−ピ
ロリドンであり、電解質含有有機溶媒の溶媒がプロピレ
ンカーボネートであり、電解質がリチウムイオンの塩で
ある組合せが最も好ましい。
【0052】上記架橋重合体と有機溶媒との配合割合、
即ち、ゲル状組成物における架橋重合体の有機溶媒の吸
液量は、用いる架橋重合体や有機溶媒の種類、電解質の
含有の有無、電解質の種類、および用途等にもよるが、
2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが
さらに好ましく、10倍以上であることがさらに好まし
い。
【0053】このように、上記ゲル状組成物は、電解質
含有有機溶媒や電解質を溶解し得る有機溶媒等の吸液性
や保持性に優れ、電池の固体電解質として好適に用いる
ことができる。従って、上記ゲル状組成物を備えてなる
電池は、電解質含有有機溶媒や電解質を溶解し得る有機
溶媒等に対する吸液性や保液性に優れ、吸液した有機溶
媒の液漏を防止することができるので、電池の信頼性を
向上させることができる。上記ゲル状組成物は、一次電
池、二次電池等、種々の電池に好適に用いることができ
る。
【0054】次に、本発明のゲル状組成物を用いた電池
の一例を図1に示す。図1に示すように、該電池は、ゲ
ル状組成物1、負極2、正極3、負極リード4、負極端
子5、正極リード6、正極端子7、外装材としてのプラ
スチックシール8を備えている。上記電池において負極
2と正極3とはゲル状組成物1を介して積層され、それ
ぞれ負極リード4あるいは正極リード6によって、該電
池の外周を覆うプラスチックシール8外部にその一部が
露出した負極端子5あるいは正極端子7に接続された構
成である。
【0055】上記負極2を構成する負極活物質および正
極3を構成する正極活物質は、上記ゲル状組成物1の種
類や用途等に応じて適宜設定することが可能である。上
記負極活物質としては、例えばリチウムが、また、上記
正極活物質としては、例えばフッ化黒鉛や、二酸化マン
ガン、ポリ−2−ビニルピリジンヨウ素錯体等が挙げら
れるが、特に限定されるものではない。
【0056】上記電池は、電解液の代わりに高分子固体
電解質として上記ゲル状組成物1を用いているため、液
漏を防止することができ、例えば金属箔や高分子フィル
ム等の封口材(外装材)を用いて封口するだけでよく、
薄型で、しかも、液漏しない。尚、上記電池としてリチ
ウム電池を得る場合には、電池の中に水分が混入しない
ように、完全密閉することが好ましい。また、上記電池
は、金属缶を必ずしも必要とせず、自由な形状に設定す
ることができるので、図1に示す形状以外にも、用途等
に応じて、例えば、所謂コイン型、ピン型等、種々の形
状に形成することができる。つまり、本発明において、
上記ゲル状組成物1以外の電池の構成は特に限定される
ものではない。
【0057】以上のように、本発明にかかるゲル状組成
物を用いてなる電池は、電解質含有有機溶媒や電解質を
溶解し得る有機溶媒等に対する吸液性や保液性に優れ、
これら有機溶媒の液漏を防止することができるので、信
頼性を向上させることができる。また、該電池は、多量
の電解質含有有機溶媒や電解質を溶解し得る有機溶媒を
保持することができるため、イオン導電率の向上並びに
容量の増加が期待できる。また、該電池は、高分子固体
電解質としてゲル状組成物を用いていることで、電解質
中のイオンが動き易く、このことからもイオン導電率の
向上が期待できる。しかも、上記ゲル状組成物は、電解
質層であると同時に正負両極間の隔膜であるセパレータ
としても機能するため、正負両極間のしきりに要する空
間が縮小され、その分、大型化することなく電解質含有
有機溶媒、或いは、電解質を溶解し得る有機溶媒の吸液
量を増やすことができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるもの
ではない。尚、架橋重合体の吸液倍率は、以下の方法で
測定した。
【0059】(a)吸液倍率 吸水性樹脂約 0.2gを正確に秤量し、5cm四方の不織
布製のティーバッグの中に入れ、ヒートシールにより封
入した。このティーバッグを、試験溶液中に室温で浸漬
した。24時間後にティーバッグを引き上げ、遠心分離器
機を用いて1300rpmで3分間液切りを行った後、上記
ティーバッグの重量W1 (g)を測定した。別途、同様
の操作を架橋重合体を用いないで行い、そのときのティ
ーバッグの重量W0 (g)をブランクとして求めた。吸
液倍率は次式
【0060】
【数1】
【0061】に基づいて算出した。
【0062】まず、減圧蒸留により精製した環状N−ビ
ニルラクタムであるN−ビニル−2−ピロリドン(mw 1
11.1) 100部、架橋剤としてのN,N'−メチレンビスアク
リルアミド(mw 154.2)0.69部、および水 233部を互い
に混合して単量体成分の水溶液を調製した。上記単量体
成分における環状N−ビニルラクタムの含有量は 100モ
ル%であり、水溶液中における単量体成分の濃度は30重
量%、架橋剤の含有量は 0.5モル%である。
【0063】次に、上記の水溶液に窒素ガスを吹き込ん
で溶存酸素を追い出すと共に、反応系を窒素ガス置換し
た。続いて、上記水溶液に重合開始剤としての2,2'−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩0.23部を添加
し、50℃の湯浴に2時間浸して反応させた。2時間後、
透明なゲル状重合体が得られた。
【0064】その後、得られたゲル状重合体を細かく裁
断し、80℃で3時間乾燥させた。乾燥後、白色の樹脂が
得られた。次に、得られた樹脂を粉砕し、メッシュの大
きさが 850μmおよび 150μmの各ふるいでふるって、
850μmのふるいを通過し、150μmのふるい上に残る
粒径を有する吸液性樹脂としての架橋重合体を得た。
【0065】次いで、上記架橋重合体の各種有機溶媒に
対する吸液倍率を上述した方法により測定した。この結
果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】表1の結果から明らかなように、上記実施
例で得られた架橋重合体である架橋ポリビニルピロリド
ンは、電解質を溶解し得る有機溶媒、或いは、電解質含
有有機溶媒に対して高い吸液性能を示す。従って、上記
架橋重合体にこれら有機溶媒を吸収させてなるゲル状組
成物は、これら有機溶媒をゲル状で保持できるので、電
池の固体電解質等の用途に好適に用いることができる。
【0068】その上、上記架橋ポリビニルピロリドン
は、遠心分離器にて1300rpmで3分間の液切りといっ
た、大きな脱水圧力下においても、良好な保液性能を有
するものであり、通常の使用条件下においては、一度、
保液したものが外部に漏出することが防止されている。
よって、本発明のゲル状組成物は、保液した有機溶媒が
外部に漏出することによる弊害が回避されたものとなっ
ている。
【0069】従って、上記ゲル状組成物を電池の固体電
解質として用いることで、電解質含有有機溶媒や電解質
を溶解し得る有機溶媒等の吸液性および保持性が高く、
これら有機溶媒が漏液しない信頼性の高い電池を得るこ
とができることが判る。
【0070】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のゲル状組成物
は、以上のように、環状N−ビニルラクタムを含む単量
体成分を重合してなる架橋重合体と有機溶媒とを含み、
上記架橋重合体が、その内部に上記有機溶媒を保持して
いる構成である。
【0071】本発明の請求項2記載のゲル状組成物は、
以上のように、請求項1記載のゲル状組成物において、
上記有機溶媒が電解質を溶解し得る有機溶媒である構成
である。
【0072】本発明の請求項3記載のゲル状組成物は、
以上のように、環状N−ビニルラクタムを含む単量体成
分を重合してなる架橋重合体と、電解質を含有した有機
溶媒とを含み、上記架橋重合体が、その内部に、上記の
電解質を含有した有機溶媒を保持している構成である。
【0073】本発明の請求項4記載のゲル状組成物は、
以上のように、請求項1〜3の何れか1項に記載のゲル
状組成物において、上記有機溶媒が溶解度パラメータ9
( cal /cm3 ) 1/2 以上の親水性有機溶媒である構成で
ある。
【0074】本発明の請求項5記載のゲル状組成物は、
以上のように、請求項1〜4の何れか1項に記載のゲル
状組成物において、上記単量体成分における環状N−ビ
ニルラクタムの含有量が50モル%以上である構成であ
る。
【0075】本発明の請求項6記載のゲル状組成物は、
以上のように、請求項1〜5の何れか1項に記載のゲル
状組成物において、上記有機溶媒がプロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、
γ−ブチロラクトン、1,4 −ジオキサン、テトラヒドロ
フランからなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶
媒である構成である。
【0076】本発明の請求項7記載のゲル状組成物は、
以上のように、請求項1〜6の何れか1項に記載のゲル
状組成物において、上記環状N−ビニルラクタムがN−
ビニル−2−ピロリドンである構成である。
【0077】本発明の請求項8記載のゲル状組成物は、
以上のように、N−ビニル−2−ピロリドン架橋重合体
と、リチウムイオンの塩を含むプロピレンカーボネート
とを含み、上記N−ビニル−2−ピロリドン架橋重合体
が、その内部に、リチウムイオンの塩を含むプロピレン
カーボネートを保持している構成である。
【0078】以上の構成によれば、電解質含有有機溶媒
等、有機溶媒の吸液性や保持性に優れ、電池をはじめと
する種々の用途に好適に用いることができるゲル状組成
物を提供することができるという効果を奏する。
【0079】本発明の請求項9記載の電池は、以上のよ
うに、請求項1〜8の何れか1項に記載のゲル状組成物
を高分子固体電解質として備えている構成である。
【0080】以上の構成によれば、本発明にかかるゲル
状組成物が電解質含有有機溶媒等、有機溶媒の吸液性や
保持性に優れることから、該ゲル状組成物を備えた電池
もまた電解質含有有機溶媒等の有機溶媒の吸液性や保持
性に優れる。従って、本発明にかかる電池は、電解質含
有有機溶媒等の有機溶媒の保持量が多く、しかもこれら
有機溶媒の液漏を防止することができるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかるゲル状組成物を
備える電池の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 ゲル状組成物 2 負極 3 正極 4 負極リード 5 負極端子 6 正極リード 7 正極端子 8 プラスチックシール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 6/18 H01M 6/18 E 6/22 6/22 C 10/40 10/40 Z B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状N−ビニルラクタムを含む単量体成分
    を重合してなる架橋重合体と有機溶媒とを含み、 上記架橋重合体が、その内部に上記有機溶媒を保持して
    いることを特徴とするゲル状組成物。
  2. 【請求項2】上記有機溶媒が電解質を溶解し得る有機溶
    媒であることを特徴とする請求項1記載のゲル状組成
    物。
  3. 【請求項3】環状N−ビニルラクタムを含む単量体成分
    を重合してなる架橋重合体と、電解質を含有した有機溶
    媒とを含み、 上記架橋重合体が、その内部に、上記の電解質を含有し
    た有機溶媒を保持していることを特徴とするゲル状組成
    物。
  4. 【請求項4】上記有機溶媒が溶解度パラメータ9( cal
    /cm3 ) 1/2 以上の親水性有機溶媒であることを特徴と
    する請求項1〜3の何れか1項に記載のゲル状組成物。
  5. 【請求項5】上記単量体成分における環状N−ビニルラ
    クタムの含有量が50モル%以上であることを特徴とする
    請求項1〜4の何れか1項に記載のゲル状組成物。
  6. 【請求項6】上記有機溶媒がプロピレンカーボネート、
    エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブ
    チロラクトン、1,4 −ジオキサン、テトラヒドロフラン
    からなる群より選ばれる少なくとも一種の有機溶媒であ
    ることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の
    ゲル状組成物。
  7. 【請求項7】上記環状N−ビニルラクタムがN−ビニル
    −2−ピロリドンであることを特徴とする請求項1〜6
    の何れか1項に記載のゲル状組成物。
  8. 【請求項8】N−ビニル−2−ピロリドン架橋重合体
    と、リチウムイオンの塩を含むプロピレンカーボネート
    とを含み、 上記N−ビニル−2−ピロリドン架橋重合体が、その内
    部に、リチウムイオンの塩を含むプロピレンカーボネー
    トを保持していることを特徴とするゲル状組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8の何れか1項に記載のゲル状
    組成物を高分子固体電解質として備えていることを特徴
    とする電池。
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