JPH10101716A - 電子線硬化性重合組成物及び電子線硬化樹脂 - Google Patents

電子線硬化性重合組成物及び電子線硬化樹脂

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JPH10101716A
JPH10101716A JP26083296A JP26083296A JPH10101716A JP H10101716 A JPH10101716 A JP H10101716A JP 26083296 A JP26083296 A JP 26083296A JP 26083296 A JP26083296 A JP 26083296A JP H10101716 A JPH10101716 A JP H10101716A
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JP
Japan
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electron beam
film
curable
coating
meth
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JP26083296A
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English (en)
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Shusuke Takushima
秀典 宅島
Kensaku Ueki
権咲 植木
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性、耐熱性、耐水性、耐湿性、密着性な
どの諸性能に優れた電子線硬化性重合組成物及び電子線
硬化樹脂を提供すること。 【解決手段】 (A)エチレン性二重結合を2個以上有
する化合物と、(B)一般式(I) R−(SH)n ・・・(I) 〔式中、Rは多価の有機基を表し、nは2〜4の整数を
表す〕で示されるポリチオールを3:1〜1:3の当量
比で含有することを特徴とする電子線硬化性重合組成物
及びこの組成物に電子線を照射することにより得られた
電子線硬化樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子線硬化性重合
組成物及び電子線硬化樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線により塗膜を硬化させる方法は、
1950年代にポリエチレンの架橋に用いられたのが始
まりで、その後世界中で実用化が進められてきた。初期
の頃は電子線加速電圧が300kV以上のものが多かっ
たが、最近は300kV以下の低エネルギータイプが開
発され、それに伴って使用するモノマー、プレポリマー
の開発も進み、応用展開が進んできた。しかし、電子
線加速器の開発の遅れ、電子線硬化に適当な原材料樹
脂の開発の不足という原因のため、急速な普及には至っ
ていない。上記の原因に関しては、最近になって小型
化・低エネルギー化がすすみ、比較的入手しやすくなっ
た。それでもまだ価格は数千万円から数億円単位であ
り、紫外線照射装置に比べてかなり高価で、イニシアル
コストがかかるという印象が強い。しかし、用途によっ
てはエネルギー効率が高い、常温硬化が可能、運転管理
が容易、塗料の光透過度に依存しない等の特長を有利に
活用し、現在では米国での紙やフィルムのコーティン
グ、欧州での自動車のホイール塗装、合板、ハードボー
ド等の木工製品の塗装に工業的に利用されている。
【0003】一方、上記の原因に関しては、電子線硬
化の技術は、これまで主として紫外線硬化の技術の延長
線上と考えられてきた。電子線硬化の主な利用分野とし
ては、塗装、コーティングがあるが、この分野では近年
環境問題への対応から、無溶剤化が強く望まれてきてお
り、それに伴って紫外線・電子線硬化技術が注目される
ようになった。中でも、電子線硬化の技術は、無溶剤型
であること、光重合開始剤が不要なことから、その期待
は大きい。さらに、硬化時間が短いこと、厚膜硬化が可
能なことも相まって、その技術開発は目ざましい発展を
遂げることが予想された。
【0004】しかしながら、前述したように電子線硬化
の技術は、紫外線硬化の技術の後追いとも言えるもので
あり、紫外線硬化において使用していた成分と同様な樹
脂を使用している。異なる点は、紫外線硬化では重合ス
ピードの遅いメタクリル系の樹脂も使用可能なこと程度
である。よって、重合組成物は、モノマーとプレポリマ
ーが主成分であり、これ以外にタレ防止剤、表面調製剤
などを添加し、溶液の粘度や塗装後の表面の平滑性を管
理する必要があった。また、アクリル系を用いている限
り、屋外曝露等の過酷な使用条件下においては、黄色変
化する傾向を免れない。また、アクリル系モノマーは、
皮膚刺激性の強いものが多いため、取り扱いには厳重に
注意する必要がある。さらに致命的なことは、重合組成
物の低粘度化のためにメチルメタクリレート、エチルア
クリレート、酢酸ビニル等の汎用モノマーを使用した場
合、これらの多くは蒸気圧が高く、硬化時に揮散して大
気汚染を引き起こす恐れがあることである。さらにま
た、電子線硬化の場合、これらのモノマーは、一方的に
増加させてゆくわけにはいかず、特にビニル系のモノマ
ーはある濃度以上では100%硬化しなくなることが判
っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を解消し、特に原材料の面から電子線硬化技
術の発展を促すもので、透明性、耐熱性、耐水性、耐湿
性、帯電防止性、密着性などの諸性能に優れた電子線硬
化性重合組成物及び電子線硬化樹脂を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の電子線硬化性重
合組成物は、(A)エチレン性二重結合を2個以上有す
る化合物と、(B)一般式(I) R−(SH)n ・・・(I) 〔式中、Rは多価の有機基を表し、nは2〜4の整数を
表す〕で示されるポリチオールとを3:1〜1:3の当
量比で含有することを特徴とする。また、本発明の電子
線硬化樹脂は、上記電子線硬化性重合組成物に、電子線
を照射することにより得られたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の電子線硬化性重合組成物
は、上記のように(A)成分であるエチレン性二重結合
を2個以上有する化合物と、(B)成分である一般式
(I)のポリチオールとを3:1〜1:3の当量比で含
有するものである。(A)成分であるエチレン性二重結
合を2個以上有する化合物としては、エチレン性二重結
合を2個以上有するカルボン酸エステル、炭酸エステル
などが好ましく、例えば、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート〔(メタ)アクリレートはメタクリレ
ート又はアクリレートを意味する。以下同様〕、ジエチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、キシリレンジ
オールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔4−
(メタ)アクリロキシフェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル〕プロ
パン、ジ(メタ)アクリロキシエチレンフタレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラキス(メタ)アクリレートなどの
(メタ)アクリレート及びジエチレングリコールビス
(メタ)アリルカーボネート〔(メタ)アリルはメタリ
ル又はアリルを意味する。以下同様〕、1,4−ベンゼ
ンビス(メタ)アリルカーボネート、4,4’−ジフェ
ニルプロパンビス(メタ)アリルカーボネート、4,
4’−ジフェニルスルホンビス(メタ)アリルカーボネ
ート、4,4’−ビス(ヒドロキシエトキシ)ジフェニ
ルプロパンビス(メタ)アリルカーボネート、フタル酸
ビス(メタ)アリルエステル、イソフタル酸ビス(メ
タ)アリルエステル、テレフタル酸ビス(メタ)アリル
エステル、テレフタル酸ビス〔(メタ)アリロキシエチ
ル〕エステル、フマル酸ビス(メタ)アリルエステル、
トリメリット酸トリ(メタ)アリルエステル、ジビニル
ベンゼンなどが挙げられる。
【0008】また、(B)成分としては一般式(I)で
示されるポリチオールを用いるが、これらのうち、一般
式(II)
【0009】
【化1】
【0010】〔式中、R1 は2価の有機基を表し、R2
は多価の有機基を表し、mは2〜4の整数を表す〕で示
される化合物が、重合物の耐衝撃性、染色性などの点で
好ましい。この化合物は、ポリチオールのエステルであ
り、その具体例としては、エチレングリコールビス(チ
オグリコレート)、エチレングリコールビス(3−メル
カプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ
ス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリ
ス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリ
トールテトラキス(メルカプトアセテート)、ペンタエ
リスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタ
エリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネ
ート)などが挙げられる。
【0011】本発明の電子線硬化性重合組成物において
は、上記のように(A)成分と(B)成分とを、当量比
で3:1〜1:3、好ましくは2:1〜1:2の割合で
配合する。この当量比範囲外では重合が完結しない。な
お、本発明の電子線硬化性重合組成物は、本発明の目的
を損なわない範囲で上記の(A)成分及び(B)成分以
外の単量体を含んでいてもよい。含有しうる単量体とし
ては、アクリル系化合物、スチレン系化合物、エポキシ
化合物などが挙げられる。
【0012】また、本発明の電子線硬化性重合組成物に
上記の(A)成分及び(B)成分の他に、必要に応じて
紫外線吸収剤、顔料、充填剤、レベリング剤などを添加
してもよい。紫外線吸収剤としては、モノマーの一方又
は両方に溶解するものであれば、特に制限はなく、各種
のものを使用することができ、例えば、2−ヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,4−ヒドロキシベンゾフェノン等
のベンゾフェノン系、フェニルサリチレート等のサリチ
レート系、(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−
(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H
−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕等のベ
ンゾトリアゾール系、エチル2−シアノ−3,3−ジフ
ェニルアクリレート等のシアノアクリレート系の紫外線
吸収剤が挙げられ、これらを単独で又は2種類以上を組
み合わせて用いることができる。
【0013】顔料としては、例えば、チタン白(R
型)、カーボンブラック、ベンガラ、キナクリドン、ア
ントラキノン、モリブデートオレンジ、ペリノン、黄
鉛、オーカー、フラバンスロン、イソインドリン、チオ
インジゴ、ジオキサジン、アルミ粉、マイカ粉、フタロ
シアニンなどが挙げられる。また、充填剤としては、例
えば、沈降炭酸カルシウム、粘土、木粉、アスベスト、
雲母、パルプ粉などが挙げられる。レベリング剤として
は、一般に滑剤と称されているものが平滑性、密着性、
アンチブロッキング性、透明性付与のために使用され
る。具体例としては、流動パラフィン、天然パラフィ
ン、合成パラフィン、ポリオレフィンワックス等の脂肪
族炭化水素系滑剤、高級脂肪族系アルコール、ステアリ
ン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸
亜鉛などの金属石けん系滑剤、脂肪族エステル系滑剤な
どが挙げられる。
【0014】本発明の電子線硬化樹脂は、上記のような
本発明の電子線硬化性重合組成物に電子線を照射するこ
とによって得られる。電子線硬化樹脂の製造方法を、フ
ィルムの片面に電子線硬化性重合組成物を積層して積層
フィルムを製造する場合を例にとって説明する。積層方
法としては、現在様々な分野で利用されているプラスチ
ックフィルムへのコーティング技術を応用することがで
きる。コーティング方法としては、溶液法、エマルジョ
ン法、ホットメルト法などがあるが、電子線硬化樹脂の
性能から溶液法が好ましい。溶液コーティングは、例え
ば、グラビヤロール法、マイヤーバー法、ドクターブレ
ード法、リバースロール法、キス(2本ロール)法、ス
キーズ(3本ロール)法、カレンダー(4本ロール)
法、エアーナイフ法、ファンデン法、ダイ法、マイクロ
グラビヤ法などの方法で行うことができる。
【0015】上記コーティング加工時に用いられるプラ
スチックフィルムとしては、特に制限はなく、種々のも
のが用いられるが、例えば、ポリエチレンフィルム、ポ
リプロピレンフィルム、セルロースアセテートフィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィルム
(ポリエチレンテレフタレートフィルム)、ポリカーボ
ネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルア
ルコールフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフ
ィルム、ポリ四フッ化エチレンフィルム、ポリフッ化ビ
ニルフィルムなどが挙げられる。フィルムは、通常、5
0〜400μm、好ましくは75〜200μmの厚さを
有するものとする。フィルムの厚さが50μm未満であ
ると、電子線によりフィルムが劣化してしまい、400
μmを超えると、加工時の巻き取りが困難になる。
【0016】上記のコーティング加工において、フィル
ム状に塗工される電子線硬化性重合組成物の膜厚は、通
常、1〜1000μm、好ましくは10〜100μmの
厚さとする。この膜厚が1μm未満であると、充分な接
着強度が得られず、1000μmを超えると、エネルギ
ー量の大きな電子線を照射した場合、塗膜中で起こる発
熱により内部歪が目立つようになる。
【0017】電子線照射では、帯電防止、滅菌作用
という、紫外線照射には無い効果が得られることが知ら
れている。帯電防止効果については、特に何の処理をす
る必要もなく、単に電子線を照射することによって得ら
れる。従来は、樹脂内に帯電防止剤を練り込んだり、硬
化後に後処理として帯電防止用のコーティングを行って
いたが、それらの処理は必要ない。また、滅菌作用につ
いても、特に処理することもなく電子線照射のみで得ら
れる。この硬化は、低エネルギー量の電子線照射装置で
も得られる。また、滅菌のレベルも従来から行われてい
る抗菌処理よりも、はるかに高いレベルで細菌類の増殖
を抑制する効果がある。また、かびについても同様の防
かび効果を持つ。
【0018】こうして得られた積層フィルム上には、反
射防止膜を設けることができる。反射防止膜の形成材料
としては、高屈折率材料としてZnO、TiO2 、Ce
2、Sb2 5 、SnO2 、ZrO2 、Al2 3
低屈折率材料としてMgF2、SiOx (xは1.50
≦x≦2.00)、LiF、3NaF・AlF3 、Al
3 、Na3 AlF6 などが挙げられる。反射防止膜
は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法、イオンビームアシスト法など、任意の方法で形
成することができる。本発明において、反射防止膜は、
高屈折率材料を用いた層をλ/2、低屈折率材料を用い
た層をλ/4の厚さで設計するのが好ましい(ここで、
λは550nm)。
【0019】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれによって制限されるものではな
い。
【0020】実施例1 ジアリルイソフタレート58.73重量部とペンタエリ
スリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)5
8.27重量部を混合し、得られた重合組成物を、送り
速度2m/分で送られている厚さ125μm、幅320
mmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、ダイ法
により幅300mmで塗工し、7Mrad(メガラッ
ド)のエネルギー量で電子線を照射して電子線硬化さ
せ、厚さ75μmの電子線硬化樹脂層を有するフィルム
を得た。得られたフィルムは、高い透明性を有し、ゴミ
やほこりが付きにくい特徴を有していた。得られたフィ
ルムの可視光透過率、加熱安定性、吸水性及び密着性を
それぞれ下記の方法で測定し、結果を表1に示す。
【0021】実施例2 ジエチレングリコールビスアリルカーボネート61.4
3重量部とペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプ
トプロピオネート)55.57重量部を混合して重合組
成物とした以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作
製し、その特性を調べ、結果を表1に示す。
【0022】実施例3 ジアリルイソフタレート62.24重量部とペンタエリ
スリトールテトラ(メルカプトアセテート)54.76
重量部を混合して重合組成物とした以外は、実施例と同
様にしてフィルムを作製し、その特性を調べ、結果を表
1に示す。
【0023】実施例4 (A)成分と(B)成分の当量比が1.5:1になるよ
うにジアリルイソフタレート70.43重量部とペンタ
エリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネー
ト)46.57重量部を混合して重合組成物とした以外
は、実施例1と同様にしてフィルムを作製し、その特性
を調べ、結果を表1に示す。
【0024】比較例1 紫外線吸収剤として2−メチル−1−〔4−(メチルチ
オ)フェニル〕−2−モルホリノプロパノン−1(製品
名イルガキュア907、日本チバガイギー株式会社製)
1.17重量部を添加した以外は、実施例1と同様の重
合組成物を作製した。この重合組成物を送り速度2m/
分で送られている厚さ125μm、幅320mmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムに、ダイ法により幅3
00mmで塗工し、ランプ出力80W/cmの高圧水銀
灯で照射して紫外線硬化させ、厚さ75μmの紫外線硬
化樹脂層を有するフィルムを得た。得られたフィルムの
表面はしわ、つぶが観察された。得られたフィルムにつ
いて実施例1と同様に試験し、結果を表1に示す。
【0025】外観 塗膜の外観を拡散昼光の下で観察し、つや、むら、し
わ、へこみ、はじき、つぶ等の有無を調べる。特にこれ
らが認められなければ、「異常なし」と評価する。 可視光透過率 紫外可視分光光度計で測定した550nmにおける透過
率を示す。 加熱安定性 同時に塗工した2枚の試験片のうち一枚を80℃の温度
に保った恒温器の中に入れ、2時間置いた後取り出して
室内に1時間放置した後、目視によって塗膜を調べる。
もう一枚の試験片は評価の比較に用いる対照品とする。
塗膜に泡、割れ、剥がれを認めず、現状試験片と比較し
て変色、つやの変化、粘着の程度差が大きくないとき
は、「異常なし」と評価する。
【0026】耐水性 脱イオン水を入れた容器中に試験片をクリップとひもで
吊るし、約120mmの深さまで浸しておく。18時間
後に取り出して水を振り切り、直ちに塗膜を調べ、試験
片を更に室内に2時間置いた後、再び塗膜を調べる。た
だし、試験片の周辺及び液面から幅10mm以内の塗膜
は、観察の対象としない。試験片を取り出した直後及び
2時間放置した後の観察で試験片2枚の塗膜に、しわ、
割れ、剥がれを認めない場合は、「異常なし」と評価す
る。
【0027】耐湿性 150mm×70mmの大きさの試験片を3枚用意す
る。2枚の試験片について試験を行い、残りの1枚は対
照品として試験終了まで保管する。2枚の試験片に、カ
ッターナイフの刃先で塗膜の上から試験片の素地に達す
るように、交差する2本の対角線を引き、その試験片の
短辺を水平に、長辺を水平面に対して約85度になるよ
うに、塗膜面を斜め上向きにして立て掛け、装置内の風
向きに対して塗膜面が平行になるように恒温恒湿槽に入
れ、温度60℃、湿度95%で24時間放置する。その
後、試験片を取り出して直ちに対照品の試験片と比べて
塗膜を観察する。さらに、試験片に付着している水を振
り切り、室内に立て掛けて2時間放置した後、再び塗膜
を観察する。ただし、塗膜に付けた傷の両側それぞれ3
mm及び試験片の周辺10mm以内は観察の対象としな
い。試験後取り出した直後及び室内に2時間放置した後
の観察で、塗膜にしわ、膨れ、割れ、錆、剥がれなどが
認められず、2時間置いた後の観察でくもり、白化、変
色がないときは、「異常なし」と評価する。なお、評価
が困難なときは、対照品と比べて評価する。
【0028】付着性 試験片の中央1ヶ所に、1mmの間隔でます目の数が1
00個になるようにカッターナイフで碁盤目状の切り傷
を付ける。切り傷を付けるときのカッターナイフの刃先
は、常に新しいものを用い、塗膜面に対して35〜45
度の範囲の角度を保つようにする。切り傷は、塗膜を貫
通して素地に達するように、切り傷一本につき約0.5
秒間かけて等速で引く。碁盤目の上に接着部分の長さが
約50mmになるようにセロハン粘着テープを貼り付
け、消しゴムでこすって塗膜にテープを完全に付着させ
る。テープを付着させてから約1〜2分後に、テープの
一方の端を持って塗膜に直角に保ち、瞬間的に引き剥が
し、JIS K5400に規定されている評価点数にし
たがって評価する。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明の電子線硬化性重合組成物は、電
子線硬化の特長である無溶剤、無重合開始剤、常温硬化
などの利点を保有し、環境を汚染することなく、低コス
トで自由な形状に成形しうる。また、この重合組成物を
電子線硬化させて得られる電子線硬化樹脂は、帯電防止
性、抗菌性、防かび性、透明性、耐熱性、耐水性、耐湿
性、密着性などの諸性能に優れており、木材、プラスチ
ック、紙などへの塗装、自動車部品、電気機器などへの
塗装、印刷、各種コーティング分野、接着剤などの広範
な用途に応用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エチレン性二重結合を2個以上有
    する化合物と、(B)一般式(I) R−(SH)n ・・・(I) 〔式中、Rは多価の有機基を表し、nは2〜4の整数を
    表す〕で示されるポリチオールを3:1〜1:3の当量
    比で含有することを特徴とする電子線硬化性重合組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子線硬化性重合組成物
    に、電子線を照射することにより得られた電子線硬化樹
    脂。
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