JPH10101372A - 低温焼成誘電体材料及びグリーンシート - Google Patents

低温焼成誘電体材料及びグリーンシート

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JPH10101372A
JPH10101372A JP8279964A JP27996496A JPH10101372A JP H10101372 A JPH10101372 A JP H10101372A JP 8279964 A JP8279964 A JP 8279964A JP 27996496 A JP27996496 A JP 27996496A JP H10101372 A JPH10101372 A JP H10101372A
Authority
JP
Japan
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group
green sheet
dielectric material
borosilicate glass
ions
Prior art date
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Pending
Application number
JP8279964A
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English (en)
Inventor
Koichiro Tsujiku
浩一郎 都竹
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Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
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Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硼珪酸ガラスを用いて形成したグリーンシー
トは、空気中の水分の影響によってその表面やスルーホ
ール内に硼酸の結晶を析出し、内部電極パターンを印刷
した場合に、かすれや接続不良を生じ易い。 【解決手段】 この発明に係る低温焼成誘電体材料は、
1族元素及び/又は2族元素のイオンを含有させた硼珪
酸ガラスからなる粉末を主成分としたものからなる。ま
た、この発明に係るグリーンシートは、この低温焼成誘
電体材料を用いて形成したものからなる。ここで、1族
元素及び/又は2族元素のイオンは硼珪酸ガラス中の硼
素イオンのモル比(mol%)の10%以上が好まし
い。1族元素及び/又は2族元素としては、Mg,C
a,Sr,Ba,Li,Na及びKから選択された1種
又は2種以上の元素を挙げることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水分によって硼
酸が溶出しない硼珪酸ガラス系の低温焼成誘電体材料と
この誘電体材料を用いて形成したグリーンシートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】低温焼成誘電体材料の一つとして硼珪酸
ガラスを主成分としたガラス系材料が知られている。こ
のガラス系材料は硼珪酸ガラスをベースとし、焼成後の
素体強度の改善のためにアルミナ粉末などを重量比で2
0から50%程度混合したものからなり、低温焼成多層
基板の材料として使用されている。ここで使用されてい
る硼珪酸ガラスは、低温で焼成できるように硼素(B)
が重量比で10から20%程度含まれているものが一般
的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、硼珪酸ガラ
ス中に含まれている硼素(B)は水分に対して不安定
で、ガラス化した後でも空気中の水分によってガラス中
から溶出する。このため硼珪酸ガラスを含む材料を用い
て形成したグリーンシートは、空気中の水分の影響によ
ってその表面やスルーホール内に硼酸の結晶が析出し易
い。
【0004】そして、このように硼酸の結晶を析出した
グリーンシートに導電性ペーストからなる内部電極パタ
ーンを印刷した場合、析出した硼酸の結晶のために内部
電極パターンにかすれを生じたり、スルーホール内に導
電性ペーストが充填されず、内部電極パターン間で接続
不良を生ずることがあった。
【0005】このため、硼珪酸ガラスを含む材料で形成
したグリーンシートの保管は低湿度の環境で行う必要が
あった。しかし、一般に湿度の管理は温度の管理よりも
費用がかかることから、その管理費用が最終製品のコス
トの上昇につながってしまうという問題があった。
【0006】そこで、このような硼酸の結晶の析出を防
ぐ方法として、グリーンシートから溶出するであろう硼
酸とアモルファスの塩を生成するような、有機或いは無
機の塩をグリーンシート作製の際に添加する方法が特開
平7−45958号公報において提案されている。
【0007】しかし、この方法は、硼酸の溶出量が既に
正確にわかっている場合には有効かもしれないが、溶出
量がはっきり判らない場合には、その有効性に疑問が残
る。現にこの公報では、塩の最低限必要な添加量は、溶
出した硼酸を中和するために必要な量以上であるとして
いるだけで、具体的には説明されていない。
【0008】しかも、グリーンシートからの硼酸の溶出
量は、一般的に工程条件のみならず、材料粉体の粒子形
状などにも強く影響されることが知られている。そのた
めこの方法を厳密に実行するためには、材料からの溶出
量を毎回正確に知ることが要求されるが、現実のことと
してそれを実行することは容易ではなく、この点でこの
方法は改善の余地があるものと考えられる。
【0009】また、グリーンシートを形成するためのス
ラリーは、通常の状態では、バインダー間に相互作用が
ほとんどなく、良好な流動性を示す。しかし、硼珪酸ガ
ラス粉末からの硼酸の溶出によりバインダー間に比較的
強い相互作用が生じてスラリーがゲル化すると、見かけ
上、バインダーの分子量が大きくなったようになって、
スラリーの流動性が極端に低下する。一方、このバイン
ダー間の相互作用は、外部からの応力で切断される程度
の強さなので、強い剪断応力などがかかるとたちまち流
動性が見られるようになる。
【0010】この様に、スラリーがゲル化すると、外部
からの応力の有無によってスラリーの粘度が大きく変化
するため、グリーンシートを作製するときの条件によっ
て、でき上がったグリーンシートの物性が変化してしま
い、ゲル化がひどい場合は、グリーンシートが作製でき
なくなる。
【0011】本発明は、水分によって硼素を溶出しない
硼珪酸ガラス系の低温焼成誘電体材料とこの材料を用い
て形成した、空気中の水分に対して安定なグリーンシー
トを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る低温焼成
誘電体材料は、1族元素及び/又は2族元素のイオンを
含有させた硼珪酸ガラスからなる粉末を主成分としてい
る。また、この発明に係るグリーンシートはこの低温焼
成誘電体材料を用いて形成されている。ここで、1族元
素及び/又は2族元素のイオンは硼珪酸ガラスに含有さ
れている硼素イオンのモル比(mol%)の10%以上
が好ましい。1族元素及び/又は2族元素のイオンが1
0%未満の場合、スラリーがゲル化し易いからである。
1族元素及び/又は2族元素としては、Mg,Ca,S
r,Ba,Li,Na及びKから選択された1種又は2
種以上の元素を挙げることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、SiO2 −B23 系のガ
ラスに、Rイオン(Mg,Ca,Sr,Ba,Li,N
a及びKから選択された1種又は2種以上のイオン)を
含む化合物を表1、表1に示す割合で混合して混合
原料を調製した。
【0014】ここで、混合原料の成分はB23 とRイ
オンを含む化合物以外はSiO2 だけからなり、従っ
て、全体からB23 の割合とRイオンを含む化合物の
割合を引いた残りはSiO2 の割合である。
【0015】次に、これを組成によって1200℃〜1
600℃で1時間加熱して溶融混合させ、その後急冷し
てガラス化させ、これを乾式で44μm以下まで粉砕し
てガラス粉末を得た。
【0016】次に、このガラス粉末に水及び有機バイン
ダーを加えてスラリーを作成し、そのゲル化の有無を観
察した。結果は、表1及び表1に示す通りとなっ
た。
【0017】また、このスラリーを用いてグリーンシー
トを作成し、このグリーンシートを湿度60%の環境に
おいて、40℃で1000時間放置し、硼酸の析出の有
無を調べた。結果は、表1及び表1に示す通りとな
った。
【0018】
【表1】
【0019】
【表1】
【0020】表1及び表1の結果から、添加する元
素のイオンは、Rイオンの種類の欄に示すように、M
g,Ca,Sr,Ba,Li,Na又はKのいずれかの
元素のイオンでもよいし、これらから選択された2種以
上の元素のイオンでも効果があることがわかる。
【0021】また、添加する元素の化合物の割合は、含
まれているB23 に対して10%ではスラリーのゲル
化や硼酸の析出が見られないが、5%ではスラリーのゲ
ル化がやや見られ、硼酸の析出が見られるので、添加量
は10%以上が好ましいことがわかる。
【0022】また、硼珪酸ガラス中のB23 の量が2
0mol%の場合だけでなく、40〜50mol%と多
くなっても、Mg,Ca,Sr,Ba,Li,Na及び
Kから選択された1種又は2種以上の元素のイオンの添
加による効果があることがわかる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、硼珪酸ガラス中に含有
している硼素が、ガラス中に添加したMg,Ca,S
r,Ba,Li,Na,Kのいずれかのイオンと結合し
て溶出できなくなるので、このガラスを用いて作られた
グリーンシートの表面には空気中の水分と結合してでき
る硼酸が析出せず、従って、このグリーンシートに内部
電極のパターンを印刷する場合、析出した硼酸に起因す
るパターンのかすれやスルーホールにおける断線等を防
止することができるという効果がある。
【0024】また、本発明によれば、硼珪酸ガラスその
ものが硼素イオンを溶出させない組成であることから、
硼珪酸ガラス粉末の粒子形状やスラリーの作製条件に対
して影響を受けず、あらかじめ硼酸の溶出量を調べた上
で、溶出防止のための添加剤を加えるような面倒な手間
がかからないという効果がある。
【0025】また、本発明によれば、硼珪酸ガラス粉末
から硼素イオンの溶出が生じないので、硼素イオンの溶
出に起因するスラリーのゲル化がなくなり、グリーンシ
ートを作製するときの条件によって、でき上がったグリ
ーンシートの物性が変化するとか、グリーンシートが作
製できなくなるというような不都合がなくなるという効
果がある。
【0026】また、本発明によれば、スラリーを形成す
る際に、硼素イオンの溶出防止のための添加剤を加える
必要がないので、スラリーの物性が添加剤によって影響
されず、従って、グリーンシートを安定した状態で製造
することができるという効果がある。
【表1○1】
【表1○2】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1族元素及び/又は2族元素のイオンを
    含有させた硼珪酸ガラスからなる粉末を主成分とした低
    温焼成誘電体材料。
  2. 【請求項2】 1族元素及び/又は2族元素のイオンを
    前記硼珪酸ガラス中の硼素イオンのモル比(mol%)
    の10%以上含有させたことを特徴とする請求項1に記
    載の低温焼成誘電体材料。
  3. 【請求項3】 前記1族元素及び/又は2族元素が、M
    g,Ca,Sr,Ba,Li,Na及びKから選択され
    た1種又は2種以上の元素であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の低温焼成誘電体材料。
  4. 【請求項4】 1族元素及び/又は2族元素のイオンを
    含有させた硼珪酸ガラスからなる粉末を主成分とした低
    温焼成誘電体材料を用いて形成したグリーンシート。
  5. 【請求項5】 1族元素及び/又は2族元素のイオンを
    前記硼珪酸ガラス中の硼素イオンのモル比(mol%)
    の10%以上含有させたことを特徴とする請求項4に記
    載のグリーンシート。
  6. 【請求項6】 前記1族元素及び/又は2族元素が、M
    g,Ca,Sr,Ba,Li,Na及びKから選択され
    た1種又は2種以上の元素であることを特徴とする請求
    項4又は5に記載のグリーンシート。
JP8279964A 1996-09-30 1996-09-30 低温焼成誘電体材料及びグリーンシート Pending JPH10101372A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017095341A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 信昌電子陶瓷股▲分▼有限公司 マイクロ波誘電体セラミックの低温同時焼成セラミックおよびその製造法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017095341A (ja) * 2015-11-18 2017-06-01 信昌電子陶瓷股▲分▼有限公司 マイクロ波誘電体セラミックの低温同時焼成セラミックおよびその製造法

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Effective date: 20020108