JPH10101311A - 窒化ケイ素粉末の製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素粉末の製造方法

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JPH10101311A
JPH10101311A JP28134096A JP28134096A JPH10101311A JP H10101311 A JPH10101311 A JP H10101311A JP 28134096 A JP28134096 A JP 28134096A JP 28134096 A JP28134096 A JP 28134096A JP H10101311 A JPH10101311 A JP H10101311A
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reaction
powder
silicon nitride
nitriding
particle size
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JP28134096A
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English (en)
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Hirofumi Fukuoka
宏文 福岡
Yoshiharu Konya
義治 紺谷
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高α型窒化ケイ素粉末を簡便かつ効率的に製
造することができる窒化ケイ素粉末の製造方法を開発す
る。 【解決手段】 粒径20〜100μmの金属ケイ素粉末
に対して、粒径20μm未満の金属ケイ素微粉末を5〜
35重量%添加、混合した後、該混合物を窒素を含む非
酸化性ガス雰囲気中、1,150〜1,400℃の温度
範囲で窒化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α化率が90%以
上の高α型窒化ケイ素粉末を簡便かつ効率的に製造する
ことができる窒化ケイ素粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】窒化ケ
イ素焼結体は、高温における材料強度、耐熱衝撃性、耐
食性に優れていることから耐熱構造材料としての需要の
増加が期待されている。特にα型結晶相比率(以下、α
化率と記す)が90%以上の窒化ケイ素粉末は、高α型
窒化ケイ素粉末と呼ばれ、この粉末を焼結した結晶体
は、高温における材料強度が極めて高いことから、その
使用が望まれている。
【0003】従来、窒化ケイ素の工業的製造方法として
は、(1)直接窒化法、(2)還元窒化法、(3)ハロ
ゲン化イミド法が良く知られている。これらの中では、
直接窒化法が価格的にも優れ、最も一般的な方法として
広く使用され、その製品も広く使用されている。
【0004】しかし、この直接窒化法は、下記の化学式
で示されるように1mol当たり176kcal/mo
lという多量の発熱を伴う反応であり、 3Si+2N2→Si34 △HR=−176kcal/mol 直接窒化法は、この反応熱のため、高温安定型のβ型窒
化ケイ素が生成され、高α型窒化ケイ素粉末が得られ難
いという問題があった。
【0005】そこで、このような問題に対処するため、
従来から窒化反応を制御し、窒化ケイ素粉末を製造する
方法として、例えば昇温速度の制御(特開昭54−24
300号、同61−97110号、同63−17020
3号公報記載)、反応ガス分圧の制御(特公平4−54
607号公報記載)等が提案されている。しかし、これ
らのいずれの方法も炉の運転が複雑かつ緻密になり、簡
便な方法とは言えないものであり、より有効な窒化法の
開発が望まれる。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、高α型窒化ケイ素粉末を簡便かつ効率的に製造する
ことができる窒化ケイ素粉末の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、粒径20〜100μmの金属ケイ素粉末に対して、
粒径20μm未満の金属ケイ素微粉末を5〜35重量%
の範囲で添加、混合した後、該混合物を窒素を含む非酸
化性ガス雰囲気中、1,150〜1,400℃の温度範
囲で窒化することにより、簡便に反応速度を制御でき、
高α型窒化ケイ素粉末を製造し得ることを見出した。
【0008】即ち、本発明者は、高α型窒化ケイ素粉末
を効率的に製造するために種々の検討を行った結果、金
属ケイ素の融点である1,414℃、好ましくは1,4
00℃以下の温度域で窒化させることが必要であるとの
結論に達した。しかし、金属ケイ素粉末の直接窒化にお
いては、その反応熱量により実際の温度は1,400℃
以上となり、その結果、高温安定型のβ型窒化ケイ素が
生成してしまい、容易には高α型窒化ケイ素粉末を製造
することはできないもので、高α型窒化ケイ素粉末を効
率的に製造するためには、実際の温度が1,400℃以
下となるように反応速度を制御する必要があり、本発明
者は、この反応速度を制御する方法について種々検討し
た結果、窒化が窒素の拡散に伴って進行しており、金属
ケイ素粉末の粒子径が小さい程、反応速度が速くなるこ
と、更に、粒度分布の異なる金属ケイ素粉末の混合比を
特定範囲で変化させることで容易に反応速度を制御する
ことが可能であることを知見し、上記のように特定粒径
の金属ケイ素微粉末を特定割合で混合することで、α化
率が90%以上の窒化ケイ素粉末を簡便かつ効率的に製
造することができることを知見し、本発明を完成するに
至った。
【0009】従って、本発明は、粒径20〜100μm
の金属ケイ素粉末に対して、粒径20μm未満の金属ケ
イ素微粉末を5〜35重量%添加、混合した後、該混合
物を窒素を含む非酸化性ガス雰囲気中、1,150〜
1,400℃の温度範囲で窒化することを特徴とする窒
化ケイ素粉末の製造方法を提供する。
【0010】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の窒化ケイ素粉末の製造方法において、原料
として使用する金属ケイ素粉末は、粒径20〜100μ
mのものに粒径20μm未満のものを添加、混合したも
のである。
【0011】ここで、主に用いられる金属ケイ素粉末
は、粒径20〜100μm、好ましくは20〜75μm
の金属ケイ素粉末であり、最大粒子径が100μmを超
えると反応性が著しく低下し、最小粒子径が20μmよ
り小さくなると、反応速度が大きくなり過ぎて反応制御
が厳密になる。
【0012】また、上記金属ケイ素粉末に添加する金属
ケイ素微粉末は、粒径20μm未満、好ましくは10μ
m以下の微粉末であり、最大粒子径が20μmを超える
と、反応速度が小さく長時間の運転が必要となる。な
お、粒径の下限は特に制限されないが、0.01μm、
特に0.1μmが好ましい。
【0013】粒径20μm未満の金属ケイ素微粉末の添
加率は、粒径20〜100μmの金属ケイ素粉末に対し
て5〜35重量%、好ましくは10〜30重量%の範囲
で添加する。添加率が5重量%未満では、反応速度が著
しく低下し、炉の稼働時間が長くなり、添加率が35重
量%を超えると、一般的に反応速度が大きくなり過ぎ、
反応が暴走してしまう。
【0014】なお、本発明において、上記粒径20μm
未満の金属ケイ素微粉末の添加率の範囲は、(1)原料
の仕込み量、(2)ガス流量、(3)反応炉からの放熱
量と予め求めた(4)各金属ケイ素添加率における最大
反応速度とから決定され、単位時間当たりの熱量が以下
の関係となるようなものの中から最適な金属ケイ素添加
率を決めることが望ましい。
【0015】 反応熱量(Si添加率)≦反応炉壁面からの放熱量+ガス顕熱量 即ち、単位時間当たりの反応炉からの放熱量:A(kcal/時間) 単位時間当たりのガス顕熱量 :B(kcal/時間) 原料の仕込み量 :W(kg) とすると、原料が100%窒化反応した際の全反応熱量
C(kcal)は、 C=〔(W×1000)/28〕×(1/3)×176 (1) となる。ここで、反応速度をX(%/時間)とすれば、
単位時間当たりの反応熱量D(kcal/時間)は、 D=(X/100)×C (2) となり、上記関係式より、 (X/100)×C≦A+B (3) X≦〔(A+B)×100〕/C (4) が導かれ、反応速度X(%/時間)が〔(A+B)×1
00〕/C以下となるように粒径20μm未満の微粉を
添加して原料とすることが好適であることがわかる。
【0016】更に、上記金属ケイ素を用いた窒化反応
は、1,150〜1,400℃、好ましくは1,200
〜1,350℃の反応温度で行う。反応温度が1,15
0℃未満では窒化が進行せず、逆に反応温度が1,40
0℃を超えると高温安定型のβ型窒化ケイ素粉末が生成
してしまう。なお、上記窒化反応の反応時間は、1〜1
00時間、特に5〜30時間が好適である。
【0017】また、窒化反応は、窒素を含む非酸化性ガ
ス雰囲気中で行うもので、窒化ガスして具体的には、窒
素あるいはアンモニア又はこれらの混合ガス等が好適に
用いられる。更に、上記窒化反応では、窒化ガスと共に
反応を制御するために水素、アルゴン、ヘリウム等の非
酸化性ガスを添加することができる。
【0018】上記窒化反応は、通常の直接窒化反応で用
いられる各種反応炉を利用して行うことができ、回分方
式、連続方式のどちらでも使用可能であり、例えば箱型
バッチ炉、トンネル炉、流動層反応炉、竪型炉、回転炉
等が使用可能で、特に望ましくは炉内温度が測定でき、
前述の熱制御が可能な炉が好ましい。
【0019】
【発明の効果】本発明の窒化ケイ素粉末の製造方法によ
れば、各種炉の性能及び窒化条件に合わせて原料の金属
ケイ素粉末に金属ケイ素微粉末を添加した原料を用いる
ことで、簡単に窒化反応を制御することができ、工業的
規模の生産においても簡便かつ安定的に高α型窒化ケイ
素粉末を製造することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0021】〔実施例1,2、比較例1〜3〕炉内容積
0.2m3、放熱量100kcal/分(A)の反応炉
を使用し、表1に示す割合で金属ケイ素微粉末を混合し
たもの、もしくは未混合物をトレイ内に25kg(W)
仕込んだ。次に、窒素ガス2m3/時間、水素ガス1m3
/時間の混合ガスを反応ガスとして炉内に流入しつつ、
図1に示す昇温パターンで昇温し、窒化を行った。この
場合、ガスの顕熱量は、ガス入口温度を900℃とする
とそのエンタルピー変化により窒素ガス327kcal
/時間、水素ガス155kcal/時間となり、計48
2kcal/時間(B)である。また、反応熱量は、1
00%反応したとすると式(1)より52,381kc
al(C)である。即ち、この系において窒化を暴走さ
せることなく高α型窒化ケイ素粉末を製造する最大反応
速度は、上記式(4)より12.3%/時間以下とな
る。
【0022】一方で表1に示す混合粉末の最大反応速度
を求めるために直径50mmの横型管状炉を用い、窒化
を行った。昇温パターンは図1に示すとおりであり、そ
の他の窒化条件は、原料仕込み量が10g、反応ガスは
窒素ガス10Nl/分、水素ガス5Nl/分の混合ガス
であり、反応熱量に比べて除熱量が十分大きい系で行っ
た。その際の反応曲線を図2に示す。
【0023】この反応曲線図より、20μm未満の微粉
の添加率が35%以下の時(実施例1,2、比較例
1)、最大反応速度は12.3%/時間以下となり、2
0μm未満の微粉の添加率が50%の混合粉末(比較例
2)、あるいは20μm未満の100%の粉末(比較例
3)では、一時的にしろ反応速度は12.3%/時間を
超えることが確認された。一方、20μm未満の微粉末
添加率が5%の混合粉末(実施例1)及び無添加のもの
(比較例1)では、反応速度は4〜6%/時間と遅いた
め、実施例1、比較例1では、1350℃保持時間を倍
以上の50時間とした。
【0024】実施例1,2、比較例1〜3で得られた窒
化ケイ素粉末の反応率、α化率を表2に示す。
【0025】表2の結果より、実施例1及び2において
は、反応速度が制御でき得るような系で行っているた
め、高反応率かつ高α型の窒化ケイ素粉末を製造するこ
とができた。但し、実施例1では、反応率を高めるた
め、1350℃で50時間の保持が必要となり、炉の稼
働時間を考慮すると、金属ケイ素微粉末添加量は、35
%のほうがより望ましいことがわかった。これに対し、
比較例1では、1350℃で50時間の保持を行って
も、反応率は56%と残存Siが多い窒化ケイ素粉末で
あった。また、比較例2及び3では、いずれも反応が暴
走を起こしてしまい、高α型の窒化ケイ素粉末を製造す
ることはできなかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例の窒化反応の昇温パターンを
示すグラフである。
【図2】実施例及び比較例の窒化反応の反応曲線を示す
グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径20〜100μmの金属ケイ素粉末
    に対して、粒径20μm未満の金属ケイ素微粉末を5〜
    35重量%添加、混合した後、該混合物を窒素を含む非
    酸化性ガス雰囲気中、1,150〜1,400℃の温度
    範囲で窒化することを特徴とする窒化ケイ素粉末の製造
    方法。
JP28134096A 1996-10-02 1996-10-02 窒化ケイ素粉末の製造方法 Pending JPH10101311A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011025117A1 (ko) * 2009-08-24 2011-03-03 한국기계연구원 규소의 입도분포 조절을 이용한 반응소결 질화규소 및 그 제조방법
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CN110256084A (zh) * 2019-07-31 2019-09-20 上海泛联科技股份有限公司 一种α相氮化硅陶瓷粉体的制备方法

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