JPH10100221A - 4−メチル−1−ペンテン樹脂積層体の製造方法 - Google Patents

4−メチル−1−ペンテン樹脂積層体の製造方法

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JPH10100221A
JPH10100221A JP8259605A JP25960596A JPH10100221A JP H10100221 A JPH10100221 A JP H10100221A JP 8259605 A JP8259605 A JP 8259605A JP 25960596 A JP25960596 A JP 25960596A JP H10100221 A JPH10100221 A JP H10100221A
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JP
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methyl
pentene
resin
polymer
paper
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JP8259605A
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Inventor
Katsumi Noritomi
勝美 乗冨
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高速共押出ラミネーション成形が可能な4−
メチル−1−ペンテン樹脂積層体の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 4−メチル−1−ペンテン系重合体から
なる樹脂層を表層とし、4−メチル−1−ペンテン系重
合体と高圧法低密度ポリエチレンとの樹脂組成物を中間
層として基材に積層して成る積層体の製造方法におい
て、表層を構成する4−メチル−1−ペンテン系重合体
としてメルトフローレート(MFR)が1乃至400g
/10分、且つ、該重合体樹脂層として水との接触角が
102度以上のものを用い、中間層を構成する樹脂組成
物として、4−メチル−1−ペンテン系重合体とMFR
が0.1乃至100g/10分の高圧法低密度ポリエチ
レンとの70/30乃至95/5の重量組成比ものを用
い、これらを基材上に共押出ラミネーションする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層体の成形加工
速度が顕著に改善され、高速共押出ラミネーション成形
が可能な4−メチル−1−ペンテン樹脂積層体の製造方
法に関する。より詳細には、120m/分以上の高速共
押出ラミネーション成形加工が可能で、成形加工に際し
て、ネックインと耳揺れが改善され、耐ドローダウン性
が良く、且つ均質な薄膜積層成形物を得ることが可能な
4−メチル−1−ペンテン樹脂積層体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】4−メチル−1−ペンテン重合体は、溶
融粘度の温度依存性が高く、押出ラミネーション成形さ
れる温度のような高温下では溶融粘度が低く、メルトテ
ンションも低いためポリエチレンやポリプロピレンと比
較して、積層体成形時にネックインや耳揺れが大きくな
り易いという成形加工上の欠点を有する。然も、特に薄
膜に積層成形する場合に、4−メチル−1−ペンテン重
合体は、上記の欠点と共に膜切れ等が発生し易く、高速
での共押出ラミネーション成形が困難であるという問題
点を有していた。例えば、30μの厚さの4−メチル−
1−ペンテン樹脂層を紙等の基材上に共押出ラミネーシ
ョン成形する場合、加工速度を100m/分以上に上げ
ることは耳揺れ、ネックインが大きくなるため非常に困
難でり、従って、生産性良く高速成形することは困難で
あった。4−メチル−1−ペンテン重合体に低密度ポリ
エチレンをブレンドした4−メチル−1−ペンテン系重
合体組成物と4−メチル−1−ペンテン系重合体にペン
タエリストールモノステアレートを配合した組成物とを
共押出ラミネーションする試みも提案されているが、こ
の場合でも加工速度は50m/分程度であり、100m
/分以上の高速成形は困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、成形時にネックイン、耳揺れが回避され、然も高速
共押出ラミネーション成形が可能な4−メチル−1−ペ
ンテン樹脂積層体の製造方法を提供するにある。更に、
本願発明の目的は、特に、薄層の4−メチル−1−ペン
テン樹脂層よりなる積層体を高速で共押出ラミネーショ
ンするに適した積層体製造方法を提供するにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、4−メ
チル−1−ペンテン系重合体からなる樹脂層を表層と
し、4−メチル−1−ペンテン系重合体と高圧法低密度
ポリエチレンとの樹脂組成物を中間層として基材に積層
して成る積層体の製造方法において、表層を構成する4
−メチル−1−ペンテン系重合体として、荷重:5.0
kg,温度:260℃で測定したメルトフローレート
(MFR)が1乃至400g/10分、且つ、該重合体
樹脂層として水との接触角が102度以上のものを用
い、中間層を構成する樹脂組成物として、MFRが1乃
至400g/10分の4−メチル−1−ペンテン系重合
体とMFR(荷重:2.16kg,温度:190℃)が
0.1乃至100g/10分の高圧法低密度ポリエチレ
ンとの70/30乃至95/5の重量組成比ものを用
い、これらを基材上に共押出ラミネーションすることを
特徴とする4−メチル−1−ペンテン樹脂積層体の製造
方法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の方法で得られる4−メチ
ル−1−ペンテン樹脂積層体は、層構成として、典型的
には、4−メチル−1−ペンテン系重合体表層/4−メ
チル−1−ペンテン系重合体・高圧法低密度ポリエチレ
ン樹脂組成物中間層/紙、プラスチック、金属等の基材
層よりなるが、積層体の表層を構成する樹脂成分である
4−メチル−1−ペンテン系重合体としては、4−メチ
ル−1−ペンテンの単独重合体、もしくは4−メチル−
1−ペンテンと他のα−オレフィンとの共重合体が用い
られる。
【0006】共重合体を用いる場合、共重合成分である
他のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセ
ン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素数が2
乃至20のα−オレフィンを例示できる。好ましい共重
合成分は、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセン或いは1−エイコセンであ
る。該共重合体として、上記αーオレフィンを2種以上
組み合わせて共重合させた3元系以上の共重合体を用い
ても良い。特に、4−メチル−1−ペンテンを80重量
%以上の量で含有する4−メチル−1−ペンテンを主体
とした共重合体の使用が好ましい。共重合成分(他のα
−オレフィン)の含有量が20重量%を越えると4−メ
チル−1−ペンテン系重合体の融点が低下し、耐熱性か
低下する傾向を有する。
【0007】本発明で表層構成樹脂として用いる4−メ
チル−1−ペンテン系重合体は、ASTM D1238
に準じて荷重5.0kg,温度260℃の条件で測定し
たメルトフローレート(MFR)が1乃至400g/1
0分範囲にあることが必要で、特に、10乃至300g
/10分の範囲にあることが好ましい。MFRが1未満
になると、高速下でのラミネーション成形時に表層樹脂
の延展性が不足して厚みの均一なラミネーション積層体
を製造することが難しくなってくる。一方、MFRが4
00を越えると、樹脂の分子量が小さすぎるため、ラミ
ネーション成形時に耳揺れや樹脂/紙(基材)間の剥離
強度も低下して、積層体(ラミネーション紙)としての
実用価値が低下する。
【0008】又本発明の4−メチル−1−ペンテン系重
合体からなる樹脂層は、水と接触させた場合に於ける水
との接触角が102度以上であることが必要で、該接触
角が102度未満のもの、例えばある種のポリマー、添
加剤等を配合して接触角が102度未満となったもの
等、を用いた場合は積層体成形加工時に、ラミネーショ
ン成形加工性が悪化し、良質な積層体を高速で製造する
ことが困難となる。
【0009】本発明の積層体の表層樹脂には、シランカ
ップリング剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ剤、
核剤、顔料、染料等、通常ポリオレフィンに添加して使
用される各種配合剤を本発明の目的を損なわない範囲で
添加しても良い。
【0010】本発明の方法で製造される積層体の中間層
として用いられる4−メチル−1−ペンテン系重合体と
高圧法低密度ポリエチレンとの樹脂組成物に於いて、組
成物の一方の樹脂成分である高圧法低密度ポリエチレン
としては、ASTM D1238に準じて荷重2.16
kg,温度190℃の条件で測定したMFRが0.1乃
至100g/10分、好ましくは1乃至50g/10分
のものを用いる。更に、密度が0.910乃至0.93
0g/cm3 の範囲、DSCで測定した融点が100乃
至110℃の範囲にあるものを用いることが好ましい。
【0011】もう一方の樹脂成分である4−メチル−1
−ペンテン系重合体としては、ASTM D1238に
準じて荷重5.0kg,温度260℃の条件で測定した
MFRが1乃至400g/10分、好ましくは10乃至
300g/10分のものを用いる。該成分に用いる4−
メチル−1−ペンテン系重合体として前記積層体表層に
用いる4−メチル−1−ペンテン系重合体と同じものを
用いても良い。
【0012】該中間層樹脂組成物の4−メチル−1−ペ
ンテン系重合体と高圧法低密度ポリエチレンとの配合割
合は、重量比で70/30乃至95/5、好ましくは7
5/25乃至90/10の範囲である。高圧法低密度ポ
リエチレンの配合割合が5未満の場合は、ラミネーショ
ン加工性が悪く、ネックインや耳揺れが大きい。一方、
30を越えると耐熱性の低下が大きくなる。
【0013】上記中間層構成樹脂組成物のMFRは1乃
至400g/10分、特に100乃至250の範囲にあ
ることが好ましく、この中間層樹脂組成物のMFRが1
未満の場合には、ラミネーション成形時に組成物の延展
性が低くなり膜厚の均一なラミネーション紙等の積層体
を製造することが難しい。一方、MFRが400を越え
ると、樹脂の分子量が小さすぎるため、耳揺れが大きく
なって生産性が低下すると共に、層中にひびや割れが発
生したり、樹脂層/表面平滑特殊紙(基材)間の剥離強
度も著しく低下してラミネート紙としての実用価値が低
下する傾向が大となる。
【0014】本発明に於いては中間層樹脂組成物とし
て、上記した4−メチル−1−ペンテン系重合体と高圧
法低密度ポリエチレンとのブレンド物のみからなる組成
物を使用して充分にその目的を達成できるが、該組成物
に更にグラフト変性ポリオレフィンを全体量の30重量
%以下の範囲で配合してもよく、このグラフト変性ポリ
オレフィン配合組成物は、紙を基材とした積層体の場合
に、紙との接着性を更に向上させることが出来るため、
特に積層紙の製造に有用である。配合されるグラフト変
性ポリオレフィンとしては、特に限定されるものではな
いが、不飽和カルボン酸又はその誘導体を用いてグラフ
ト量0.01乃至10重量%の範囲でグラフト変性され
た、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
(4−メチル−1−ペンテン)等のグラフト変性ポリオ
レフィンが好適に用いられる。特に、グラフト変性ポリ
(4−メチル−1−ペンテン)、グラフト変性ポリプロ
ピレンの使用が好ましい。
【0015】本発明の中間層樹脂組成物を得るには、前
記4−メチル−1−ペンテン系重合体及び高圧法低密度
ポリエチレン、所望によりグラフト変性ポリオレフィン
を、種々公知の方法、例えばV型ブレンダー、リボンブ
レンダー、ヘンシェルミキサー、タンブラーブレンダー
でドライブレンドするか、或いはニーダー、バンバリー
ミキサー等で溶融混練し、造粒或いは粉砕する方法によ
るのが好ましい。
【0016】本発明に於いて、積層体形成に用いる基材
としては、特に限定されるものではなく4−メチル−1
−ペンテン系樹脂に接着可能な紙、プラスチック、金
属、無機系物質等の層状物形成可能材料はいずれも用い
ることが出来るが、紙、プラスチック及びアルミ箔が好
適に使用され、特に紙が好適である。
【0017】紙基材としては、特に種類は限定されない
が、例えば、積層体が剥離紙、工程紙等の場合はクラフ
ト紙、上質紙、模造紙、アート紙、コート紙等が用いら
れる。この場合、紙基材の坪量は通常80乃至200g
/m2 程度のものを用いることが好ましい。紙シート中
にクレー、カオリンなどの充填材、サイズ材などが含有
されていても良い。このような紙を基材とした本発明の
積層体は、例えば、各種離型紙、合成皮革製造用の工程
紙として好適に使用され、工程紙の場合、積層体にエン
ボス加工が施されていても良い。
【0018】又、本発明に於いては、ミルクカートン
紙、クレーコート紙等を基材紙として用いることもで
き、この種の積層紙は、主として、食品の容器、包装体
等の用途に好適に用いられる。電子レンジ等による食品
調理用のカートンとして使用する積層紙の場合は、基材
紙に、クレーコート紙を使用するのが、外部からの衝撃
等により樹脂層にピンホール、微細なクラック等が発生
した場合や又積層シート端面より油脂成分等が浸透した
場合にも、油脂成分の浸透速度が極めて緩慢であるとい
う利点があるため好ましい。この場合、充分な接着強度
を持たせるために、紙にコロナ処理を施したものを基材
紙として用いてもよく、又基材紙のコロナ処理と溶融樹
脂層のオゾン処理とを併用して積層させても良い。又紙
の表面に予め、有機チタン系、ポリエチレンイミン系、
イソシヤネート系等のアンカーコート剤を塗布した後に
積層しても良い。
【0019】プラスチック基材としては、各種の熱可塑
性プラスチックフィルム又はシートを用いることが出
来、例えば、セルロイド、酢酸セルロース、酢酸ブチル
セルロース、エチルセルロース、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセ
タール、ポリイソブチレン、ポリアミド(ナイロン)、
ポリエーテル、ポリカーボネート、飽和ポリエステル樹
脂等のフィルム又はシートを例示できる。このようなプ
ラスチックフィルム又はシートを基材とした本発明の積
層体は種々の用途に用いることが出来るが、例えばフレ
キシブルプリント基板製造用の離型フイルム等の用途に
好適に用いられる。
【0020】金属基材としては、例えばアルミ、スチー
ル、錫、亜鉛、銅、銀、金、等のシート、フィルム、箔
等を例示できるが、基材として、これらの金属箔乃至フ
イルムを紙、プラスチック等のフィルム乃至シート上に
積層するか又は、紙、プラスチック等のフィルム乃至シ
ート上にこれらの金属を蒸着したものがより一般的に用
いられる。
【0021】本発明の方法で得られる積層体のコート層
(表層と中間層)の厚みは、必ずしもこれに限定される
ものではないが、通常8乃至150μであり、表層と中
間層の厚み比は1/3乃至2/1、好ましくは1/2乃
至3/2である。
【0022】本発明の方法に於いては、上記4−メチル
−1−ペンテン系重合体樹脂と4−メチル−1−ペンテ
ン系重合体と高圧法低密度ポリエチレンとの樹脂ブレン
ド組成物とを、4−メチル−1−ペンテン系重合体層が
表層、組成物層が中間層となるように基材上に共押出ラ
ミネーション成形する。
【0023】共押出ラミネーションは、前記重合体と組
成物を各々溶融し、Tダイからこれらを同時に押出して
紙等の基材上にラミネーションする方法等を用いること
が出来る。共押し出しラミネーションの成形温度条件
は、用いる基材の種類、表層及び中間層樹脂のMFR等
の物性、成形加工速度等の諸条件に応じて適宜設定され
るが、通常押出機シリンダー温度で300乃至350℃
の温度範囲が用いられる。
【0024】本発明の4−メチル−1−ペンテン樹脂積
層体の製造方法は、ラミネーションの成形加工速度を高
速にすることが出来る点が顕著な特徴で、このため積層
体製造の生産性が顕著に向上する。従来、4−メチル−
1−ペンテン樹脂積層体の製造に於いては、ラミネーシ
ョン加工速度を高速にして、コート厚さの薄い積層体を
生産することは非常に困難とされ、例えばコート厚み3
0μの積層体の場合、加工速度を100m/分まで上げ
るとネックイン、耳揺れが激しく起こり、安定な加工が
困難であった。これに対し、本発明の方法では、コート
厚み30μ以下、例えば20μのコート厚みの積層体を
耳揺れやネックインを低いレベルに抑えてラミネーショ
ン加工速度で容易に得ることが出来る。ラミネーション
加工速度は、経済性の面から120m/分以上であるこ
とが好ましい。以下実施例に基き本発明を更に具体的に
述べる。
【0025】
【実施例】以下の実施例で示した評価項目は、下記の方
法、条件で実施したものである。
【0026】(1) ラミネーション成形性 下記の成形条件で得られたラミネート紙のコート幅を、
1mの長さ方向間隔毎に、20点測定し、次の項目を計
算により求めた。
【0027】[ラミネート紙の成形条件] 使用押出ラミ機: 住友重機製 65mmφ押出ラミネーター 加工条件: 温度 C1/C2/C3/C4/XH/FB/D1〜D
5:300/350/320/320/320/320
/320〜320℃ 冷却ロール セミマットロール コート幅:500mm 基材:クラフト紙 ラミ構成:クラフト紙/4−メチル−1−ペンテン系重
合体・高圧法低密度ポリエチレン樹脂組成物/4−メチ
ル−1−ペンテン系重合体 厚み比:クラフト紙/10〜15μ/10〜15μ ドローダウン性の測定:加工速度80m/分、幅500
mmで、膜厚が20μ(積層の場合は10μ/10μ)
となるように加工条件を初期設定し、加工速度80m/
分からラミネーション成形を開始し、樹脂押出速度等を
初期条件に維持したまま加工速度を徐々に上げていき、
コート層の膜切れ、又は激しい耳揺れ、目視での厚みム
ラが観測された時点の加工速度を、ドローダウン性の指
標(m/分)として採用した。この速度が大きいほど、
ドローダウン性が良く、高速延展性に優れている。
【0028】[ラミネーション成形性の評価項目] (1)加工の実験 所定の膜厚、設定コート幅500mm,所定の加工速度
でラミネーション成形を行った。 ネックイン:500ーコート幅平均値(mm) 耳揺れ:20個のコート幅の測定値のσ(偏差値m
m) (2)水に対する接触角の測定 積層紙表層に用いる4−メチル−1−ペンテン系重合体
樹脂の試料シートを用い、接触角測定装置(共和界面科
学(株)製、CA−SミクロII型)で、23℃に於ける
水に対する接触角を測定した。 (3)MFRの測定 4−メチル−1−ペンテン系重合体のMFRはASTM
D1238に準拠し、荷重5kg,温度260℃で、
高圧法低密度ポリエチレンは荷重2.16kg、温度1
90℃で、それぞれ測定した。
【0029】[実施例1]4−メチル−1−ペンテン・
1−デセン共重合体(1ーデセン含有量2.2重量%、
MFR:180g/10分)90重量部に対して高圧法
低密度ポリエチレン(MFR:7.2g/10分、密
度:0.917g/cm3 )10重量部を押出機に供給
して260℃で溶融ブレンドして樹脂組成物を調製し
た。得られた組成物を中間層に、4−メチル−1−ペン
テン・1−デセン共重合体(1−デセン含有量2.2重
量%、MFR:180g/10分、水との接触角:10
2度)を最外層(表層)としてクラフト紙(基材)上に
共押出ラミネーション成形を行い、その際のラミネーシ
ョン成形性を評価した。結果を表1に示す。
【0030】[実施例2]実施例1で用いた樹脂組成物
と同じ組成物を中間層とし、4−メチル−1−ペンテン
・1−デセン共重合体(1−デセン含有量3.0重量
%、MFR100g/10分、水との接触角102度)
を最外層として共押出ラミネーション成形を行い、その
際のラミネーション成形を評価した。結果を表1に示
す。
【0031】[比較例1]4−メチル−1−ペンテン・
1−デセン共重合体(1−デセン含有量2.2重量%、
MFR:180g/10分)を基材紙上にラミネーショ
ン成形して、その際のラミネーション成形性を評価し
た。結果を表2に示す。
【0032】[比較例2]4−メチル−1−ペンテン・
1−デセン共重合体(1ーデセン含有量:3.0重量
%、MFR:100g/10分、)を基材紙上にラミネ
ーション成形して、その際のラミネーション成形性を評
価した。結果を表2に示す。
【0033】[比較例3]4−メチル−1−ペンテン・
1−デセン共重合体(1−デセン含有量2.2重量%、
MFR:180g/10分)90重量部、高圧法低密度
ポリエチレン(三井化学工業(株)製、商品名:ミラソ
ン11P、MFR:7.2g/10分、密度:0.91
7g/cm3 )10重量部を混合し260℃で押出機で
溶融混練して4−メチル−1−ペンテン系樹脂組成物を
調製した。この組成物を中間層とし、4−メチル−1−
ペンテン・1ーデセン共重合体100重量部にペンタエ
リスリトールジステアレートを主成分とするペンタエリ
スリトールのステアレート混合物(日本油脂(株)製、
商品名:ユニスターH−476D)1.0重量部を混合
し、260℃で押出混練して得た組成物を最外層(表
層)として共押出ラミネーション加工し、ラミネーショ
ン成形性を評価した。結果を表2に示す。なお、このラ
ミネート紙の最外層(表層)に用いたペンタエリスリト
ールステアレート含有樹脂組成物の水に対する接触角は
97度であった。
【0034】
【表1】 ◎:耳がまっすぐ ○:ほんの少し不定期に揺れる △:絶えず耳揺れを起こしている X:耳が明らかに蛇行する
【0035】
【表2】 ◎:耳がまっすぐ ○:ほんの少し不定期に揺れる △:絶えず耳揺れを起こしている X:耳が明らかに蛇行する
【0036】上記実施例1と比較例1とを対比すると、
中間層/表層のラミネーションをしない場合は、高速で
の延展性が悪く、低い加工速度でも、目視でコート層厚
薄ムラ、激しい耳揺れが観察され、ドローダウン性が劣
ることが判る。又、比較例は同一膜厚において加工速度
50m/分でも実施例に比べ、ネックイン、耳揺れが大
きい。実施例では、加工速度280m/分で、20μと
いう薄膜をネックイン、耳揺れの少ない状態でラミネー
ション出来ることが判る。次に、実施例1と比較例3と
を対比すると、表層の接触角が小さい場合、高速での延
展性が悪く、比較的低い加工速度で製膜不能(フイルム
の厚薄ムラ、激しい耳揺れのため)となり、ドローダウ
ン性が劣ることが判る。実施例2と比較例2との対比で
も、中間層/表層のラミネーションをしない場合は、高
速での延展性が悪く、低い加工速度(220m/分に対
して120m/分)で製膜不能となりドローダウン性に
劣ることが判る。同一膜厚において、実施例に比べ、比
較例は加工速度(50m/分)でもネックイン、耳揺れ
が大きい。
【0037】
【発明の効果】本発明の4−メチル−1−ペンテン樹脂
積層体の製造方法は、ラミネーション成形加工時のネッ
クインを小さくし、耳揺れを無くすることが可能で、然
も、薄膜のラミネートを高速で、安定して製造すること
が出来る。又、得られるラミネート成形品は、表面平滑
性、耐熱性、離型性に優れる。従って、紙を基材として
本発明の方法で得られた積層体は、例えば、接着剤用の
剥離紙、合成皮革用工程紙、耐熱コピー紙或いは合成
紙、更に、カートン、特にベーキング・カートンとして
好適に用いることが出来、プラスチックを基材とした積
層体は、例えば、フレキシブルプリント基板製造用の離
型フイルム等の用途に好適に用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 23:00 711:12 B29L 9:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4−メチル−1−ペンテン系重合体から
    なる樹脂層を表層とし、4−メチル−1−ペンテン系重
    合体と高圧法低密度ポリエチレンとの樹脂組成物を中間
    層として基材に積層して成る積層体の製造方法におい
    て、 表層を構成する4−メチル−1−ペンテン系重合体とし
    て、荷重:5.0kg,温度:260℃で測定したメル
    トフローレート(MFR)が1乃至400g/10分、
    且つ、該重合体樹脂層として水との接触角が102度以
    上のものを用い、中間層を構成する樹脂組成物として、
    MFRが1乃至400g/10分の4−メチル−1−ペ
    ンテン系重合体とMFR(荷重:2.16kg,温度:
    190℃)が0.1乃至100g/10分の高圧法低密
    度ポリエチレンとの70/30乃至95/5の重量組成
    比ものを用い、これらを基材上に共押出ラミネーション
    することを特徴とする4−メチル−1−ペンテン樹脂積
    層体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記共押出ラミネーション成形の加工速
    度が120m/分以上である請求項1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013136151A (ja) * 2010-11-30 2013-07-11 Dainippon Printing Co Ltd 易開封性積層フィルム及びそれを用いた蓋材

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