JPH0999311A - 圧延板材の圧延潤滑油除去装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】板材表面に付着して油膜剥離用の弾性材ワイパ
ーを、容易、かつ自動的に交換することができる圧延板
材の圧延板材潤滑油除去装置を提供する。 【解決手段】圧延ロール８から送出される長尺金属圧延
板材１の上下面にそれぞれ接触し、当該圧延板材の表面
の圧延潤滑油を除去する上側弾性材ワイパー３と下側弾
性材ワイパー２とが設置されてなる圧延板材の圧延板材
潤滑油除去装置において、上側弾性材ワイパー３と下側
弾性材ワイパー２とを、それぞれ連続的に供給し交換す
る連続供給装置を具備したことを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、圧延板材の圧延潤
滑油除去装置に係り、圧延板材の残留圧延潤滑油の清拭
用ワイパの交換が容易な圧延板材の圧延潤滑油除去装置
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、圧延工程においては、長尺金属
圧延板材の表面には圧延潤滑油が用いられるが、ロール
と圧延板材の接触面の摩擦を減少させて所望の薄い板を
低いロール圧力や少ない動力で圧延し製品の表面状態を
美しく保つと共に、冷却剤として変形および摩擦による
熱を奪い取ることであつた。

【０００３】しかしながら、前記圧延潤滑油が圧延終了
後に前記圧延板材の表面に残存していると、当該圧延板
材の巻き取り時に、いわゆる竹の子状に巻き擦れを起こ
したり、当該圧延板材の表面に圧延潤滑油の異物、例え
ば金属粉によって筋状の傷が付いたりしていた。さら
に、圧延工程の次の焼鈍工程では、前記残留圧延潤滑油
は圧延板材面の変色や炭素の沈着などを生じる原因とな
っていた。

【０００４】これらを防止するため、良好な板材表面を
必要とするときは、除去装置により清拭して油切り作業
を行なっていた。

【０００５】前記油切り装置としては、種々のものがあ
るが、その一つとして機械的に清拭する油切り装置があ
る。

【０００６】前記油切り装置には空気流型ワイパー、ロ
ーラ型ワイパー、棒型ワイパーの三種類のがある。

【０００７】まず、第一の空気流型ワイパーには、空気
吹き出しノズルを圧延板材の中央部から外方に向けて傾
斜させて配設したものがある。これに関連するものとし
て、実開昭６３ー５３３０８号公報記載の技術がある。

【０００８】第二のローラ型ワイパーには、圧延板材の
移動に伴って、当該圧延板材と自由回転し接触するロー
ルを配置したものがある。これに関連するものとして、
実開昭６２ー１６９７１０号公報記載の技術がある。

【０００９】第三の棒型ワイパーには、圧延板材の上下
面側にそれぞれ必要な長さの、弾性材、例えばゴム材ワ
イパーを配設し接触するようにしたものがある。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の油切り装置
では、第一の空気流型ワイパーは、空気流に高圧空気を
用いるため、除去対象の圧延潤滑油を飛散させたり、騒
音を発生させたりして、作業環境を悪化させるという問
題点があった。

【００１１】第二のローラ型ワイパーには、圧延潤滑油
膜の切断が不十分であり、切断効果をあげるためにはシ
リンダー等の駆動装置を用い接触圧を上げねばならず、
そのためには設備が大型となり、必要なスーペスも大と
なり、その取換えも不便であるという問題点があった。

【００１２】第三の棒型の弾性材ワイパーには、当該棒
型の弾性材ワイパーの半径が非常に小であるため、圧延
潤滑油膜の切断が十分であるが、当該弾性材ワイパーの
摩耗等による交換の頻度が多く、この交換作業に時間を
要するという問題点があった。

【００１３】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、圧延板材表面に付着して圧延
潤滑油膜を切断剥離用のワイパーを、容易、かつ自動的
に交換することができる圧延板材の圧延板材潤滑油除去
装置を提供することをその目的とするものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る圧延板材の圧延板材潤滑油除去装置の
構成は、圧延ロールから送出される長尺金属圧延板材の
上下面にそれぞれ接触し、当該圧延板材の表面の圧延潤
滑油を除去する上側弾性材ワイパーーと下側弾性材ワイ
パーとが設置されてなる圧延板材の圧延板材潤滑油除去
装置において、前記上側弾性材ワイパーと前記下側弾性
材ワイパーとを、それぞれ連続的に供給し交換する連続
供給装置を具備したことを特徴とするものである。

【００１５】上記目的を達成するために、本発明に係る
圧延板材の圧延板材潤滑油除去装置の他の構成は、圧延
ロールから送出される長尺金属圧延板材の上下面にそれ
ぞれ接触し、当該圧延板材の表面の圧延潤滑油を除去す
る上側弾性材ワイパーと下側弾性材ワイパーとが設置さ
れてなる圧延板材の圧延板材潤滑油除去装置において、
前記上側弾性材ワイパーと前記下側弾性材ワイパーとを
それぞれ内有した上側および下側のカセットと、前記両
カセットを多数収納し、順次送り出す共に、前記圧延板
材に接触中の両カセットを交換する連続供給装置とを具
備したことを特徴とするものである。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図１
および図２を参照して説明する。

【００１７】〔実施の形態１〕図１は、本発明の一実施
の形態に係る圧延板材の圧延潤滑油除去装置の模式図で
ある。図１において、１は図示矢印の方向に走行する圧
延板材、２は下側ゴムワイパー、３は上側ゴムワイパ
ー、４は下側ゴムワイパー巻き取り装置、４ａは下側ゴ
ムワイパー巻き取り装置用駆動機構、５は上側ゴムワイ
パー巻き取り装置、５ａは上側ゴムワイパー巻き取り装
置用駆動機構、６は、下側ゴムワイパー送り出し装置、
７は上側ゴムワイパー送り出し装置、８は圧延ロール、
９はゴムワイパー押圧装置、１０は下側ゴムワイパー
台、１１は上側ゴムワイパー台、１２はワイパー架台で
ある。

【００１８】図示するごとく、圧延板材１の上、下の両
面で、かつその幅方向に直交する方向（図示紙面では
左、右方向）に、上側ゴムワイパー３、下側ゴムワイパ
ー２をそれぞれ配設し、当該上側ゴムワイパー３、下側
ゴムワイパー２は、それぞれ上側ゴムワイパー台１１、
下側ゴムワイパー台１０により固定されている。

【００１９】そして、下側ゴムワイパー２と上側ゴムワ
イパー３とは対となって機能するようになっている。

【００２０】圧延板材１の幅方向の両側下部には、前記
下側ゴムワイパー２の下側ゴムワイパー送り出し装置６
と下側ゴムワイパー巻き取り装置４とが配設されてい
る。

【００２１】前記下側ゴムワイパー送り出し装置６から
送り出された下側ゴムワイパー２は、圧延板材１に下方
から当接しながら、駆動機構４ａで駆動される下側ゴム
ワイパー巻き取り装置４で巻き取られるようになってい
る。

【００２２】同様にして、圧延板材１の幅方向の両側上
部には、前記上側ゴムワイパー３の上側ゴムワイパー送
り出し装置７と上側ゴムワイパー巻き取り装置５とが配
設され、前記上側ゴムワイパー３は、圧延板材１に上方
から当接しながら、駆動機構５ａで駆動される上側ゴム
ワイパー巻き取り装置５で巻き取られるようになってい
る。

【００２３】さらに、上側ゴムワイパー台１１、下側ゴ
ムワイパー台１０は、ワイパー架台１２内を上下方向に
動くようになっている。前記ワイパー架台１２の上面に
は、ゴムワイパー押圧装置９が配設され、下側ゴムワイ
パー送り出し装置６と下側ゴムワイパー巻き取り装置４
および上側ゴムワイパー送り出し装置７と上側ゴムワイ
パー巻き取り装置５とに連動し、上側ゴムワイパー台１
１、下側ゴムワイパー台１０をそれぞれ介して、前記上
側ゴムワイパー３、下側ゴムワイパー２の圧延板材１へ
の当接圧力が調整できるようになっている。

【００２４】このように構成された圧延板材の圧延潤滑
油除去装置は、ゴムワイパー押圧装置９と、下側ゴムワ
イパー送り出し装置６と下側ゴムワイパー巻き取り装置
４および上側ゴムワイパー送り出し装置７と上側ゴムワ
イパー巻き取り装置５とがそれぞれ連動し、圧延ロール
８の間から走行する圧延板材１に上下から当接する上側
ゴムワイパー３と下側ゴムワイパー２とを常に当該圧延
板材１の表面の圧延潤滑油膜を切断、剥離できるような
状態に連続して供給し、これらワイパーの交換によるロ
スタイムをなくすることができる。

【００２５】さらに、下側ゴムワイパー巻き取り装置４
および上側ゴムワイパー巻き取り装置５の巻き取り速度
をゴムワイパー２、３の疲労、摩耗に合わせて調整する
ことが好ましい。

【００２６】本実施の形態によれば、前記上側弾性材ワ
イパーと前記下側弾性材ワイパーとを、それぞれ連続的
に供給することができるので、つねに、新しい性能のよ
い弾性材ワイパーを圧延板材に接触させ、その表面に付
着している潤滑油を剥離、除去することができる。

【００２７】〔実施の形態２〕図２は、本発明の他の一
実施の形態に係る圧延板材の圧延潤滑油除去装置の模式
図である。図２において、図１と同一符号は、同等部分
であるので再度の説明は省略し、新たな符号のみ説明す
る。１３は使用中カセットワイパー押出し装置、１
４′、１４″は取換え用カセットワイパー、１５は取換
え用カセットワイパー挿入装置、１６は取換え用カセッ
トワイパー収納架台、１７′、１７″は上側、下側でそ
れぞれ使用中カセットワイパーである。また、〔実施の
形態１〕と共通部分は、説明を省略し、特徴部分を説明
する。

【００２８】図示する如く、取換え用カセットワイパー
収納架台１６は、上、下の部分に分割されている。前記
収納架台１６の上方部分には、カセットに上側ゴムワイ
パー３を含むものを内有する取換え用カセットワイパー
１４′が収納され、その重さにより順次一個ずつ下方に
送られる。前記収納架台１６の下方部分には、カセット
に下側ゴムワイパー２を含む取換え用カセットワイパー
１４″を内有するものが収納され、図示しない送り機構
により順次一個ずつ上方に送られるようになっている。

【００２９】そして、取換え用カセットワイパー収納架
台１６は、圧延板材１の幅方向に、上下方向から挾むよ
うに配設されている。前記下側ゴムワイパー２、上側ゴ
ムワイパー３は、カセットに組み込まれる際に、それぞ
れ圧延板材１の幅方向の長さに合わせて切断、調整され
ている。

【００３０】使用中カセットワイパー押出し装置１３
は、シリンダ等の駆動装置で圧延板材１の幅方向に操作
杆を操作し、前記操作杆の先端は二つに分岐し、前記分
岐杆がは上、下の使用中カセットワイパー１７′、１
７″の短手方向の一点と押接し、ワイパー架台１２の外
側に押出し排除する。

【００３１】使用中カセットワイパー押出し装置１３と
連動して、使用中カセットワイパーが押出されたことを
確認後に、取換え用カセットワイパー挿入装置１５が動
作する。前記取換え用カセットワイパー挿入装置１５も
シリンダ等の駆動装置で操作杆を操作し、前記操作杆の
先端は二つの分岐杆に分岐している。

【００３２】前記取換え用カセットワイパー押出し装置
１５は、その設置位置が、前記圧延板材１の幅方向の外
側であるが、連杆と支点の組合せにより、その操作杆の
操作方向を、当該圧延板材１の走行方向と同じになるよ
うになっている。

【００３３】前記構成の取換え用カセットワイパー挿入
装置１５の先端分岐杆は、上、下の取換え用カセットワ
イパー収納架台１６のそれぞれ下端、上端に位置する二
個の取換え用カセットワイパー１４′、１４″の長手方
向の一点をそれぞれ押接し、前記使用中カセットワイパ
ー１７′、１７″が押し出されたワイパー架台１２の空
所に、当該カセットワイパー１４′、１４″を挿入す
る。このようにして、短時間に使用中カセットワイパー
１７′、１７″が取換え用カセットワイパー１４′、１
４″に交換される。このようにして、圧延板材の圧延潤
滑油除去装置は圧延板材１の表面の圧延潤滑油膜を切
断、剥離できるワイパーを具備させることができる。

【００３４】さらに、上側、下側でそれぞれ使用中カセ
ットワイパー１７′、１７″と取換え用カセットワイパ
ー１４′、１４″との取換え時間を、ゴムワイパー２、
３の疲労、摩耗に合わせて調整することが好ましい本実
施の形態によれば、前記上側弾性材ワイパーと前記下側
弾性材ワイパーとをそれぞれ内有したカセットを多数収
納させ、これを順次前記圧延板材に接触中のカセットを
短時間で交換することができるので、新しい性能のよい
弾性材ワイパーを圧延板材に接触させ、その表面に付着
している潤滑油を剥離、除去することができる。

【００３５】また、上記両実施の形態においては、ワイ
パー用弾性材にゴム材を使用したが、これに限定される
ものでなく、例えばフエルトと他の弾性材との複合部材
を用いても差し支えない。

【００３６】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
構成によれば、圧延板材表面に付着して圧延潤滑油膜を
切断剥離用の弾性材ワイパーを、容易、かつ自動的に交
換することができる圧延板材の圧延板材潤滑油除去装置
を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係る圧延板材の圧延潤
滑油除去装置の模式図である。

【図２】本発明の他の一実施の形態に係る圧延板材の圧
延潤滑油除去装置の模式図である。

【符号の説明】

１ 図示矢印の方向に走行する圧延板材 ２ 下側ゴムワイパー ３ 上側ゴムワイパー ４ 下側ゴムワイパー巻き取り装置 ４ａ 下側ゴムワイパー巻き取り装置用駆動機構 ５ 上側ゴムワイパー巻き取り装置 ５ａ 上側ゴムワイパー巻き取り装置用駆動機構 ６ 下側ゴムワイパー送り出し装置 ７ 上側ゴムワイパー送り出し装置 ８ 圧延ロール ９ ゴムワイパー押圧装置 １０ 下側ゴムワイパー台 １１ 上側ゴムワイパー台 １２ ワイパー架台 １３ 使用中カセットワイパー押出し装置 １４′、１４″ 取換え用カセットワイパー １５ 取換え用カセットワイパー挿入装置 １６ 取換え用カセットワイパー収納架台 １７′、１７″ 上側、下側でそれぞれ使用中カセット
ワイパー

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧延ロールから送出される長尺金属圧延板
   材の上下面にそれぞれ接触し、当該圧延板材の表面の圧
   延潤滑油を除去する上側弾性材ワイパーと下側弾性材ワ
   イパーとが設置されてなる圧延板材の圧延板材潤滑油除
   去装置において、前記上側弾性材ワイパーと前記下側弾
   性材ワイパーとを、それぞれ連続的に供給し交換する連
   続供給装置を具備したことを特徴とする圧延板材の圧延
   潤滑油除去装置。
2. 【請求項２】圧延ロールから送出される長尺金属圧延板
   材の上下面にそれぞれ接触し、当該圧延板材の表面の圧
   延潤滑油を除去する上側弾性材ワイパーと下側弾性材ワ
   イパーとが設置されてなる圧延板材の圧延板材潤滑油除
   去装置において、前記上側弾性材ワイパーと前記下側弾
   性材ワイパーとをそれぞれ内有した上側および下側のカ
   セットと、前記両カセットを多数収納し、順次送り出す
   共に、前記圧延板材に接触中の両カセットを交換する連
   続供給装置とを具備したことを特徴とする圧延板材の圧
   延潤滑油除去装置。