JPH0997912A - 半導体ダイオード - Google Patents

半導体ダイオード

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JPH0997912A
JPH0997912A JP21419396A JP21419396A JPH0997912A JP H0997912 A JPH0997912 A JP H0997912A JP 21419396 A JP21419396 A JP 21419396A JP 21419396 A JP21419396 A JP 21419396A JP H0997912 A JPH0997912 A JP H0997912A
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文彦 菅原
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日出男 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】順方向電圧降下の小さいMOSFET構造を用
いた2端子形の高速動作可能な半導体ダイオードを得る
こと。 【構成】本発明による半導体装置は、半導体領域ND +
と半導体領域NS との間の半導体領域PB の表面上に形
成するしきい値電圧を低減化させたMOSゲート構造を
有し、かつ半導体領域PB と半導体領域ND + の短絡構
造を持たない半導体領域ND + 及び半導体領域NS +
の縦型MOSFET構造と、一方の電極となる半導体領
域NS + の第1の電極K、及びMOSゲート電極Gと半
導体領域ND + とを短絡した一体構造の他方の電極Aの
2端子から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、小さな順方向電圧降
下をもち、スイッチング動作の速い半導体ダイオードに
関するものであり、特にMOSFET構造を用い、自己
バイアスにより2端子動作を可能にしたものである。
【従来の技術】
【0002】 VLSI回路の動作電圧低減化が進む状
況において、スイッチング電源などに使用される出力ダ
イオードの順方向電圧降下をより小さくし、低損失化を
図ろうとする要求が生じている。現状においては、この
要求を満たすダイオードとして、ショットキーバリヤダ
イオード、あるいはMOSFETを用いた同期形整流ダ
イオードが挙げられる。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】 しかしながら、ショットキバリヤダイオ
ードにおいては、順方向電圧降下の低減化のために電位
障壁を小さくすると、逆方向リーク電流が増加し、また
電位障壁の大きさは金属材料で決定されてしまうという
問題がある。
【0004】 また、MOSFETを用いて3端子動作
によりダイオード化を図った同期形整流ダイオードは、
ショットキバリヤダイオードに比べて、オン電圧がかな
り小さくできるが、整流のための同期用制御ゲート信号
が必要となり、ゲート回路の損失が増大するという問題
がある。
【0005】
【発明の目的】 したがって本発明は、ゲート信号を必
要とせずに、自己バイアスによりMOSFET構造を導
通させて、2端子動作が可能であり、かつ順方向電圧降
下の小さなMOS型のダイオードを提供することを目的
とする。
【0006】
【問題を解決するための手段】 前記課題を解決するた
め、本発明の請求項1にかかる発明においては、MOS
ゲートに自己バイアスが印加されるように、以下の手段
を用いている。従来のパワーMOSFET構造に採用さ
れている半導体領域Bと半導体領域Dの短絡構造を用い
ずに、第2の電極E2とMOSゲートGの短絡電極を採
用している。また、低オン電圧化を達成するために、M
OSゲートのしきい値電圧を低減化している。
【0007】 前記課題を解決するため、請求項2にか
かる発明においては、請求項1の発明の構造に加えて、
金属半導体合金層Fと半導体領域S2 により形成される
ショットキバリヤ領域MS を並列接続となるよう構成し
ており、請求項1の素子のオン電圧が増大した際に、シ
ョットキバリヤダイオードが導通して、低オン電圧を維
持する。
【0008】 さらに、前記課題を解決するため、請求
項3にかかる発明は、請求項2の発明の構造のショット
キバリヤ領域に代えて、PN接合となる接合J4を並列
接続となるよう構成しており、半導体領域S2 に少数キ
ャリヤを注入し、大電流下でも低オン電圧を実現できる
ようにしている。
【0009】 前記請求項1ないし請求項3の発明に関
しては、通常の2重拡散構造のMOSFETのダイオー
ド化を図ったものであるが、請求項4の発明は、通常の
横型MOSFET構造のダイオード化に関するものであ
る。
【0010】 さらに、請求項5の発明では、第2の電
極E2 およびゲート電極Gを同一金属で一体化構造にし
ている。
【0011】 さらに、ダイオードの低オン電圧化を実
現するために、請求項6ないし請求項9の発明は、請求
項1ないし請求項4の発明にかかる半導体ダイオードの
更なる低オン電圧化を実現するため、MOSゲートのし
きい値電圧の低減化を図ったものである。以下に、請求
項6ないし請求項9の発明における低オン電圧化手段に
ついて述べる。
【0012】 請求項6の発明では、MOSゲート構造
のゲート酸化膜内に固定電荷を導入することにより、し
きい値電圧が低下する効果を用いている。
【0013】 また、請求項7の発明では、シリコン
(Si)結晶面の(111)面上にMOSゲートを形成
することで、界面準位が増大することにより、しきい値
電圧が低下する効果を用いている。
【0014】 さらに、請求項8の発明では、MOSゲ
ートのゲート電極材料としてポリシリコンを用い、ポリ
シリコン内の不純物密度を増大させて、ポリシリコンゲ
ートと半導体との仕事関数差を大きくすることにより、
しきい値電圧が低下する効果を用いている。
【0015】 また、請求項9の発明では、MOSゲー
トのゲート電極材料として金属を用いる場合であり、請
求項8と同様に、金属と半導体との仕事関数差が大きく
なるような金属材料を用いることにより、しきい値電圧
が低下する効果を利用している。
【0016】 請求項6ないし請求項9の発明を、請求
項1ないし請求項4の発明のMOS形ダイオードに応用
することにより、更なる低オン電圧化が実現できる。
【0017】
【発明の特徴および動作原理】 以下に、各請求項にか
かる発明の詳細な特徴と動作について説明する。 (請求項1にかかる発明の特徴および動作原理)請求項
1の特徴点は、図1に示すように、従来のパワーMOS
FET構造に採用されている半導体領域Bと半導体領域
Dの短絡構造を用いないで、第2の電極E2 とMOSゲ
ート電極Gを短絡している点にある。また、MOSゲー
トのしきい値電圧を低減している点も特徴である。
【0018】 次に、この半導体素子の動作原理につい
て説明する。図1において、第1の電極E1 および第2
の電極E2 間に加える電圧が、接合J3 を逆バイアスす
る極性である場合を考察する。この状態においては、半
導体領域Bと半導体領域Dは短絡していないので、印加
電圧のほとんどは、これらの領域のつくる接合J3 の逆
バイアス電圧として費やされる。したがって、この接合
3 と並列接続構成にあるMOSゲート電極Gとゲート
直下の半導体領域B表面間にも、電圧が印加されること
になる。この印加電圧が小さな間は、MOSゲート直下
の半導体領域Bは空乏化しているが、印加電圧がMOS
ゲートのしきい値電圧以上になると、ゲート直下の半導
体領域B表面に反転層が形成される。その結果、半導体
領域S1 の多数キャリヤがS2 を通過し、上記反転層を
経由して、逆バイアスの接合J3 に排出され、導通状態
となる。この請求項における半導体素子においては、M
OSゲートのしきい値電圧を低減化させることにより、
かなり小さなオン電圧で導通状態にすることができる。
【0019】 なお、しきい値電圧の低減化手段として
は、ゲート酸化膜を薄く形成したり、また、酸化膜半導
体界面の不純物密度を低下させる方法がある。さらに、
酸化膜半導体界面に半導体領域Bと逆の伝導形のイオン
を注入しても良い。このイオン注入は、しきい値電圧の
調整のために、一般的に行われるものであり、酸化膜半
導体界面に注入イオンのピーク密度が生じるようにして
いる。
【0020】 次に、上述の極性とは反対方向の電圧を
印加した場合の動作について考察する。この場合におい
ては、印加電圧のほとんどは、接合J2 の逆バイアス電
圧として費やされることになり、接合J3 は順バイアス
接合でほんのわずかな電圧しか印加されないことにな
る。その結果、接合J3 と並列接続構成にあるMOSゲ
ートとゲート直下の半導体領域B間にも、電圧はあまり
印加されないので、MOSゲート直下の半導体領域B表
面には、電気的な変化が生じないことになる。したがっ
て、この極性の場合は、逆バイアスの接合J2 で印加電
圧が費やされるだけで、非導通状態となる。
【0021】 以上のように、請求項1の発明の素子に
おいては、第1の電極E1 と第2の電極E2 の端子間に
整流作用を有することになる。しかも、従来の同期整流
とは異なり、自己バイアスがMOSゲートに加わるよう
にしているので、ゲート信号が不要となり、2端子動作
が可能となる。さらに、しきい値電圧の低減化により、
低オン電圧特性が期待でき、多数キャリヤデバイスであ
るので、高速スイッチングも達成できる。
【0022】(請求項2にかかる発明の特徴および動作
原理)請求項2にかかる発明の特徴点は、図2に示すよ
うに、請求項1の構造に加えて、金属半導体合金層Fと
半導体領域S2 より形成されるショットキバリヤ領域M
S が並列接続となるように構成し、かつMOSゲート構
造を半導体領域Dと金属半導体合金層Fに及ぶように形
成している点にある。さらに、しきい値電圧の低減化を
行った上で、請求項1と同様に、第2の電極E2 、第3
の電極E3 およびMOSゲート電極Gを短絡してあり、
2端子動作を可能にしている。次に、この半導体素子の
動作原理について説明する。
【0023】 図2において、請求項1の発明にかかる
素子と同様に、第1の電極E1 および第2の電極E2
に加える電圧の極性が、接合J3 が逆バイアス電圧とな
る場合を考察する。この場合は、前述の通り、順方向導
通状態となり、ショットキバリヤ領域MS も順方向とな
る。印加電圧をゲート直下の半導体領域B表面に反転層
が形成されぐらいまで増加させると、半導体領域S1
多数キャリヤがS2 を通過して、反転層を経由し、逆バ
イアス接合J3 に排出され、電流が導通していく。この
状態においては、MOSゲート直下の半導体領域S2
面には蓄積層が形成されており、MOSゲート直下のシ
ョットキバリヤ領域MS においても、蓄積層の存在によ
り、トンネル効果などにより、リーク的に多少の電流が
流れることになる。さらに印加電圧を大きくすると、M
OSゲート直下以外のショットキバリヤも導通するよう
になり、導通領域が拡大するのでオン抵抗を小さいまま
に維持することができる。
【0024】 上記の電圧極性と逆向きの電圧を印加し
た場合は、請求項1の発明と同様に、MOSゲート直下
の半導体領域B表面には、電気的な変化が生じることは
なく、かつショットキバリヤも逆方向動作となり、非導
通状態となる。また、半導体領域S2 表面上のMOSゲ
ートは、フィールドプレート構造も兼ねるので、ショッ
トキバリヤの接合端の電界を緩和し、耐圧を増大させる
ように働く。
【0025】 以上のように、請求項2の発明の素子に
おいても、第1の電極E1 と第2の電極E2 の端子間に
整流作用を有することになり、自己バイアスがMOSゲ
ートに加わるようにしているので、2端子動作が可能と
なる。さらに、しきい値電圧の低減化により、低オン電
圧特性が期待でき、多数キャリヤデバイスであるので、
高速スイッチングも達成できる。
【0026】(請求項3にかかる発明の特徴および動作
原理)請求項3の特徴点は、図3に示すように、請求項
2の発明におけるショットキバリヤ領域MS に代えて、
通常のPN接合となる接合J4 を並列接続となるように
形成した点にある。さらに、前記の請求項1および2の
発明と同様に、第2の電極E2 、第3の電極E3 および
MOSゲート電極Gを短絡してある点も特徴となり、2
端子動作を可能にしている。次に、この半導体素子の動
作原理について説明する。
【0027】 図3において、請求項1の発明の場合と
同様に、第1の電極E1および第2の電極E2 間に加え
る電圧が、接合J3 を逆バイアスする極性である場合を
考察する。この場合は前述の通り順方向導通状態とな
り、半導体領域Iと半導体領域S2 により形成される接
合J4 も順方向となる。印加電圧が接合J4の導通開始
電圧よりも小さい場合の素子の挙動に関しては、図1の
構造の素子とまったく同様となり、導通電流は主にMO
Sゲート直下の半導体領域Bの表面に形成される反転層
を通過し、これに半導体領域S2 の表面における蓄積層
と半導体領域Iとで形成される接合によるトンネル電流
が加わる。
【0028】 印加電圧が接合J4 の導通開始電圧以上
になると、この接合J4より少数キャリヤが領域S2
注入されて、この半導体領域S2 に導電率変調効果を生
じさせ、通常のPN接合の順方向電圧程度で動作する。
さらに、接合J4より注入された少数キャリヤは、半導
体領域Bにも到達しこの半導体領域に蓄積するので、半
導体領域Bと半導体領域S2 の作る接合J2 を順バイア
ス化させるように働く。したがって、この作用は、半導
体領域S2 の多数キャリヤを領域Bへ注入させ、かつ領
域Dに到達させるように働くので、それぞれエミッタを
半導体領域S2 、ベースを半導体領域B、コレクタを半
導体領域Dとする寄生バイポーラトランジスタを動作さ
せることになり、より導通領域が拡大し、大電流下にお
いても低オン抵抗特性が期待できる。
【0029】 しかしながら、上記の動作においては、
接合J4 から少数キャリヤが注入されるので、順方向か
ら逆方向にスイッチングする場合の逆回復時間の増大が
懸念される。請求項3の発明においては、この効果を抑
制する目的で、MOSゲート構造を接合J4 を形成する
半導体領域Iまで及ぶように形成し、逆回復状態のデバ
イスに逆電圧が印加される状態において、MOSゲート
直下の半導体領域S2 に反転層が形成されるようにして
いる。この作用により、逆回復状態で順方向状態に注入
されて半導体領域Bに蓄積しているキャリヤを、MOS
ゲート直下の半導体領域S2 の反転層を経由させて半導
体領域Iから引き出すことで、逆回復時間の増大を抑制
している。
【0030】 さらに、本発明のダイオードに逆電圧が
印加された場合、MOSゲート直下の半導体領域S2
形成される反転層は、半導体領域Dと半導体領域B間を
短絡するように動作するので、前述の寄生バイポーラト
ランジスタの逆方向リーク電流を減少させる効果をも
つ。したがって、本発明によれば、逆方向リーク電流の
小さな半導体ダイオードを提供できる。
【0031】 以上のように、請求項3の発明において
は、請求項1と同様に、2端子動作が可能であり、さら
に少数キャリヤ注入により、大電流下において低オン抵
抗化を図ったものである。
【0032】(請求項4にかかる発明の特徴及び原理)
請求項1ないし請求項3の発明は、いずれも通常の2重
拡散構造のMOSFETのダイオード化を図ったもので
あるが、請求項4の発明は、通常の横型MOSFET構
造のダイオード化に関するものである。この動作に関し
ては、請求項1の発明とまったく同様な原理となる。
【0033】(請求項5にかかる発明の特徴及び原理)
請求項1ないし請求項4における発明のダイオードの動
作においては、請求項5の発明により、第2の電極E2
及びゲート電極Gを同一金属で一体化構造とすることが
可能であり、製作の容易さとデバイスの集積化密度の向
上が実現できる。
【0034】 次に請求項6ないし請求項9にかかる発
明の特徴及び原理について述べるが、これらの手段はそ
れぞれ異なるが目的は同じであり、MOSゲートのしき
い電圧の低減化にある。
【0035】(請求項6にかかる発明の特徴及び原理)
請求項6の発明は、MOSゲートのしきい値電圧を低減
化させるために、ゲート酸化膜内に固定電荷の導入を行
うものである。この作用により、ゲート直下の半導体領
域にはキャリヤが誘起されて、反転層が容易に形成し、
しきい値電圧の低減化が図れる。一般的に採用されてい
るイオン注入によるしきい値電圧の調整方法は、酸化膜
半導体界面のドーピングを変化させて行うものであり、
注入イオンのピーク密度が酸化膜半導体界面に生じるよ
うにしている。したがって、酸化膜を通して、半導体界
面まで達するように深く、かつ比較的高いドーズ量のイ
オンが注入されるため、ゲート酸化膜の損傷が大きくな
る問題がある。
【0036】 本発明によるゲート酸化膜内への固定電
荷の導入は、同様にイオン注入法を用いるが、ゲート酸
化膜内に主として固定電荷を形成して、しきい値電圧を
低減化するものであり、浅くかつ低ドーズ量のイオン注
入を行うものである。したがって、酸化膜半導体界面へ
のドーピングはほとんどなく、酸化膜の損傷が抑制でき
る。また、本発明によるゲート酸化膜内の固定電荷の導
入によるしきい値電圧の電圧シフト分は、酸化膜内の固
定電荷量にほぼ比例するので、しきい値電圧の制御が容
易となる。
【0037】 (請求項7にかかる発明の特徴及び原
理)請求項7の発明は、請求項6の発明の目的と同様
に、MOSゲートのしきい値電圧を低減化にあり、その
手段としてMOSゲート構造をシリコン結晶面の(11
1)面上に形成するものである。
【0038】 シリコンの(100)面に比べて、(1
11)面上においては、界面準位密度が1桁大きな10
11cm-2程度になっており、この効果によりしきい値電
圧は低下する。
【0039】 (請求項8にかかる発明の特徴及び原
理)請求項8の発明の目的も同様であり、MOSゲート
のしきい値電圧の低減化にある。本請求項8はMOSゲ
ート材料として、ポリシリコンゲートを用いる場合であ
り、その手段として、ポリシリコンゲート内の不純物密
度を増大させている。この作用により、ポリシリコンゲ
ートとMOSゲート直下の半導体との仕事関数差が大き
くなり、結果的にしきい値電圧の低減化が図れる。
【0040】 本発明によるポリシリコンの高不純物密
度化は、プロセスの途中に行っても良いが、拡散プロセ
ス終了後にイオン注入と低温アニールにより、主として
ポリシリコン部分を再ドーピングする方法で行える。し
たがって、ポリシリコン部分のみにイオン注入が可能と
なり、ゲート酸化膜にはまったく損傷を与えない特徴を
もつ。さらに、拡散プロセス終了後にしきい値電圧の再
調整が簡易に行える特徴もある。
【0041】 (請求項9にかかる発明の特徴)請求項
9の発明の目的も同様に、MOSゲートのしきい値電圧
の低減化にある。本請求項9はMOSゲート材料として
金属を用いる場合であり、その手段として、MOSゲー
トにおける金属と半導体との仕事関数差が大きくなるよ
うな金属材料を用いることにより、しきい値電圧の低減
化を図るものである。
【0042】 以上、請求項6ないし請求項9の発明を
請求項1ないし請求項5における発明のダイオードに適
用することにより、ダイオードを構成するMOSゲート
のしきい値電圧が低減されて、更なる低オン電圧化が実
現できる。
【0043】
【実施例】 以下に、各請求項の発明についての具体的
な実施例について述べる。
【0044】(請求項1の発明に対応する実施例)図4
は、MOSFET構造を用いたダイオードをシリコンの
縦形構造で実現した請求項1の発明の一実施例を示す断
面構造図である。この図においては、図1における第1
の伝導形の半導体領域S1 ,半導体領域S2 および半導
体領域Dが、それぞれN伝導形の半導体領域NS + 、半
導体領域NS および半導体領域ND + に相当している。
また、図1における第2の伝導形の半導体領域である半
導体領域Bは、P伝導形の半導体領域PB に相当してい
る。なお、図1の第1の電極E1 は、図4のカソード電
極Kに相当しており、図1の第2の電極E2 およびMO
Sゲート電極Gに関しては、図4において一体構造のア
ノード電極Aとしている。ただし、図4の実施例におい
ては、セルフアラインプロセスを用いて実施した場合で
あり、アノード電極Aとゲート酸化膜SiO2の間に、ポリ
シリコン層Poly-Si が形成されている。
【0045】 次にこの実施例のMOSFET構造を用
いたダイオードの製作について説明する。本発明のデバ
イスにおいては、逆耐圧に応じて、製作に用いるシリコ
ン基板の不純物密度を選択する必要があるが、この実施
例においては、低耐圧で低オン抵抗を実現する場合の製
作を例にとり説明する。
【0046】 製作にあたっては、N/N+ のエピタキ
シャル成長基板を用いる。この基板の抵抗率は、0.0
15Ωcm以下で、厚みは約500μmであり、エピタ
キシャル成長層に関しては、約0.5Ωcm程度で、厚
みは約3μm程度である。
【0047】 製作プロセスは、先ずスチーム酸化によ
り、厚み1μmのフィールド酸化膜を形成し、デバイス
の活性領域を形成するために、選択的にフォトリソグラ
フィ技術により熱酸化膜をエッチングする。続いて、ゲ
ート酸化膜形成のために、ドライ酸化により、膜厚約2
00Å程度のゲート酸化膜SiO2を形成し、CVDにより
ポリシリコン層Poly-Si を膜厚約1μm程度形成する。
【0048】 次に、通常の縦形MOSFETと同様
に、ポリシリコンおよびゲート酸化膜を選択的に窓開け
し、セルフアラインプロセスにより、半導体領域PB
よび半導体領域ND を形成する。この場合、半導体領域
B の表面密度は約3×1018/cm3 、拡散深さは約
2μm程度であり、半導体領域ND の表面密度は約10
20/cm3 、拡散深さは約1μm程度である。本実施例
のプロセスにおいては、MOSゲートのしきい値電圧を
低減する手段として、ゲート酸化膜を200Å程度に比
較的薄く形成すると共に、酸化膜半導体界面の不純物密
度を1017cm-3程度に低下させている。また、一般的
に行われるイオン注入によるしきい値電圧の低減化手段
により、酸化膜半導体界面に領域PB とは逆伝導形のリ
ンイオンを注入する。さらにしきい値を低下させるため
には,ゲート酸化膜を100Å程度に薄くし,かつ酸化
膜半導体界面の不純物密度を1017cm-3以下にするこ
とが望まれる。
【0049】 さらに、注入イオンを活性化し損傷を回
復させるため、950℃のアニール処理を行った上で、
両面に金属を蒸着し電極を形成することにより、図4に
示す請求項1の半導体ダイオードが実現する。
【0050】 次に、この半導体素子の動作について説
明する。図4において、カソード電極に対しアノード電
極に正電圧が印加された場合は、接合J3 が逆バイアス
電圧となり、この接合J3 と並列接続構成にあるMOS
ゲートにも実効的なゲート電圧が印加されることにな
る。この印加電圧が小さな間は、MOSゲート直下の半
導体領域Bは空乏化しているが、印加電圧がMOSゲー
トのしきい値電圧以上になると、反転層が形成される。
その結果、半導体領域NS + の多数キャリヤが領域NS
を通過し、上記反転層を経由して、逆バイアス接合J3
から排出され、半導体領域ND に達して導通状態とな
る。この実施例の半導体素子においては、MOSゲート
Gのしきい値電圧を低減化させることにより、かなり小
さな電圧で導通状態にすることが可能となる。
【0051】 次に、上述の極性とは反対方向の電圧を
印加した場合は、印加電圧のほとんどは、接合J2 の逆
バイアス電圧として費やされることになり、接合J3
ほんのわずかな順バイアス電圧しか印加されないことに
なる。その結果、接合J3と並列接続構成にあるMOS
ゲートには、電圧があまり印加されないので、MOSゲ
ート直下の半導体領域B表面には、電気的な変化を生じ
ないことになる。したがって、この極性の場合は、逆バ
イアスの接合J2 で印加電圧が費やされるだけであり、
この半導体ダイオードは非導通状態となる。
【0052】 以上述べたように、図4に示す実施例の
デバイスにおいては、アノード電極とカソード電極間に
整流作用を有することになる。しかも、従来の同期整流
とは異なり、自己バイアスがMOSゲートに加わるよう
にしているので、ゲート信号が不要となり、アノード電
極Aおよびカソード電極Kを用いる2端子動作が可能と
なる。さらに、しきい値電圧の低減化により、低オン電
圧特性が期待でき、多数キャリヤデバイスであるので、
高速スイッチングも達成できる。なお、後で図8に関す
る説明箇所で詳述するが、この実施例のデバイスの周縁
部では電極を半導体領域PB にオーミックコンタクトさ
せ、PN接合ダイオード部を形成しても良い。このPN
接合ダイオード部の作用により導通領域が拡大し、大電
流下においてもオン抵抗特性の低減が期待できる。
【0053】 上記実施例は、図5に示すようなトレン
チ構造のデバイスにも応用可能であり、リアクティブイ
オンエッチングを行うことで容易に実現できる。図5の
各半導体領域および、動作機構は図4と同様となる。
【0054】(請求項2の発明に対応する実施例)次に
請求項2の発明について説明する。図6は、MOSFE
T構造を用いたダイオードをシリコンの縦形構造で実施
した請求項2の発明の実施例を示す断面構造図である。
この図においては、図2における第1の伝導形の半導体
領域S1 ,半導体領域S2 および半導体領域Dが、それ
ぞれN伝導形の半導体領域NS + 、半導体領域NS およ
び半導体領域ND + に相当している。また、図2におけ
る第2の伝導形の半導体領域BはP伝導形の半導体領域
B に相当し、金属半導体合金層Fおよびショットキバ
リヤ領域MS に関しては図6においても同一となってい
る。なお、図2の第1の電極E1 は、図6のカソード電
極Kに相当しており、図2の第2の電極E2 、第3の電
極E3 およびMOSゲート電極Gに関しては、図5にお
いて一体構造のアノード電極Aとしている。図6におい
ても、図4の実施例と同様に、セルフアラインプロセス
を用いて実施した場合であり、アノード電極とゲート酸
化膜SiO2の間に、ポリシリコン層Poly-Si が形成されて
いる。
【0055】 次にこの実施例のMOSFET構造を用
いたダイオードの製作について説明する。本実施例にお
いても、製作に用いる基板とセルフアラインプロセスに
より半導体領域PB および半導体領域ND を形成し、そ
の後のMOSゲートのしきい値電圧低減化のために行う
イオン注入プロセス及びそのアニール処理までは、請求
項1にかかる実施例の場合と同様となる。本実施例にお
いては、次のショットキバリヤ領域MS 形成のための、
スルーホールのプロセスが追加される。続いて、金属を
蒸着し金属材料に応じて適当な温度で熱処理することに
より、シリコン界面内に金属半導体合金層Fに相当する
シリサイド層を形成して、ショットキバリヤ領域MS
形成する。また、この行程で各電極も同時に形成され、
図2の第2の電極E2 、第3の電極E3 およびMOSゲ
ート電極Gは、本実施例においては、短絡されて一体構
造のアノード電極Aとなる。
【0056】 次に、この半導体素子の動作原理につい
て説明する。図6において、請求項1の発明と同様に、
第1の電極E1 および第2の電極E2 間に加える電圧の
極性が、接合J3 が逆バイアス電圧となる順方向導通状
態を考える。この状態においては、ショットキバリヤ領
域MS も順方向となる。印加電圧をゲート直下の半導体
領域PB 表面に反転層が形成されぐらいまで増加させる
と、半導体領域NS + の多数キャリヤが半導体領域NS
を通過し、反転層を経由して、逆バイアスの接合J3
排出され、導通状態となる。この状態においては、MO
Sゲート直下の半導体領域NS 表面には蓄積層が形成さ
れており、MOSゲート直下のショットキバリヤ領域M
S においても、蓄積層の存在により、トンネル効果など
により、リーク的に多少の電流が流れている。さらに反
転層を通流する電流の密度が増加してその電圧降下が増
大することにより、印加電圧が大きくなると、MOSゲ
ート直下以外のショットキバリヤも導通するようにな
り、反転層と共に導通領域を形成するので低オン抵抗を
維持できる。
【0057】 上記の電圧極性と逆向きの電圧を印加し
た場合は、MOSゲート直下の半導体領域PB表面に
は、電気的な変化が生じることはなく、かつショットキ
バリヤも逆方向動作となり、非導通状態となる。また、
半導体領域NS 表面上のMOSゲートは、フィールドプ
レート構造も兼ねるので、ショットキバリヤの接合端の
電界を緩和し、耐圧を増大させるように働く。
【0058】 以上のように、本発明の請求項2の発明
を示す図6の実施例においても、アノードAとカソード
K端子間に整流作用を有し、2端子動作が可能であり、
低オン電圧特性で高速スイッチングも達成できる。請求
項2の発明においても、同様にトレンチ構造のデバイス
も実現可能であり、その構造を図7に示す。動作は図6
の構造のデバイスと同様であるので、説明を省略する。
【0059】(請求項3の発明に対応する実施例)図8
は、MOSFET構造を用いたダイオードをシリコンの
縦形構造で実現した請求項3にかかる発明の一実施例を
示す断面構造図である。この図においては、図3におけ
る第1の伝導形の半導体領域S1 ,半導体領域S2 およ
び半導体領域Dが、それぞれN伝導形の半導体領域NS
+ 、半導体領域NS および半導体領域ND + に相当して
いる。また、図3における第2の伝導形の半導体領域B
および半導体領域Iは、それぞれP伝導形の半導体領域
B および半導体領域PI に相当している。なお、図3
の第1の電極E1 は、図8のカソード電極Kに相当して
おり、図3の第2の電極E2 、第3の電極E3 およびM
OSゲート電極Gに関しては、図8において一体構造の
アノード電極Aとしている。図8においても、セルフア
ラインプロセスを用いて実施した場合であり、アノード
電極とゲート酸化膜SiO2の間に、ポリシリコン層Poly-S
i が形成されている。
【0060】 次にこの実施例のMOSFET構造を用
いたダイオードの製作について説明する。本デバイスに
おいては、高耐圧ダイオードに好適であるので、高耐圧
デバイスの実施例の場合について説明する。
【0061】 製作にあたっては、N/N+ のエピタキ
シャル成長基板を用いる。この基板の抵抗率は、0.0
15Ωcm以下で、厚みは約500μmであり、エピタ
キシャル成長層に関しては、抵抗率は数Ωcm程度で、
厚みは数10μm程度である。
【0062】 製作プロセスは、先ずスチーム酸化によ
り酸化膜を形成し、領域PI を選択的に形成するため、
フォトリソグラフィ技術により熱酸化膜をエッチングす
る。これに続くプロセスは、請求項1の発明と同様とな
るが、半導体領域PB の拡散深さは、高耐圧化のため
に、耐圧に応じて深さを調整し、数μm程度に形成する
必要がある。さらに、高電圧が印加する素子の逆方向に
おいて、ゲート酸化膜に高電圧が印加されないように、
半導体領域PB と半導体領域PI の間隔を調整する必要
が生じる。また、デバイスの末端の接合においては、フ
ィールドプレート構造およびガードリング構造などの高
耐圧化対策を施す必要がある。
【0063】 その他のプロセスは、請求項1の発明と
ほぼ同様であり、電極形成後、図8に示す請求項3にお
ける実施例が実現できる。図8の実施例においても、図
3の第2の電極E2 、第3の電極E3 およびMOSゲー
ト電極Gに関しては、一体構造のアノード電極Aとして
いる。次に、この半導体ダイオードの動作について説明
する。
【0064】 図8において、カソード電極に対しアノ
ード電極に正の極性で、かつ印加電圧の大きさが接合J
4 の導通開始電圧よりも小さい場合の素子の挙動に関し
ては、前述の請求項1の図4の実施例と全く同様とな
り、導通電流は主にMOSゲート直下の半導体領域PB
の表面に形成される反転層を通過し、これに半導体領域
S の表面に形成された蓄積層と半導体領域PI の作る
接合によるトンネル電流が加わる。その反転層を通流す
る電流の密度の大幅な増加などによる電圧降下の増大
で、印加電圧が接合J4 の導通開始電圧以上になると、
この接合J4 より少数キャリヤの正孔が半導体領域NS
に注入されて、この半導体領域に導電率変調効果を生じ
させる。さらに、接合J4 より注入された正孔は、半導
体領域PB にも到達しこの半導体領域に蓄積するので、
半導体領域PB と半導体領域NS の作る接合J2 を順バ
イアス化させるように働く。
【0065】 したがって、この作用は、半導体領域N
S の多数キャリヤを半導体領域PB へ注入させ、かつ半
導体領域ND + に到達させるように働くので、それぞれ
エミッタを半導体領域NS 、ベースを半導体領域PB
コレクタを半導体領域ND + とする寄生NPNトランジ
スタを動作させることになり、より導通領域が拡大し、
大電流下においてもオン抵抗特性の低減が期待できる。
【0066】 また、前述した通り順方向から逆方向に
スイッチングする場合の逆回復時間の増大を抑制する目
的で、MOSゲート構造は接合J4 を形成する半導体領
域PI まで及ぶように形成され、逆回復状態でデバイス
に逆電圧が印加される状態において、MOSゲート直下
の半導体領域NS にP形反転層が形成されるようにして
いる。この作用により、逆回復状態で順方向状態に注入
されて半導体領域PB に蓄積しているキャリヤを、MO
Sゲート直下のP形反転層を経由させて半導体領域PI
から引き出すことで、逆回復時間の増大を抑制できる。
【0067】 さらに、本発明のダイオードに逆電圧が
印加される場合に形成されるMOSゲート直下の半導体
領域NS 表面のP形反転層は、前述の寄生NPNトラン
ジスタの半導体領域ND + と半導体領域PB で構成され
る接合を短絡するように動作して、キャリアの注入を阻
止するので、逆方向リーク電流を低減化する作用もあ
る。
【0068】 逆方向の高電圧印加状態においては、接
合J2 およびJ4 からのびる空乏層がゲート酸化膜に高
電圧が印加されないように振る舞うことになる。以上の
ように、図8に示した実施例の素子においては、前述の
実施例と同様に、アノード電極Aおよびカソード電極K
を用いる2端子動作でかつ低オン電圧特性を有する整流
作用が期待でき、PN接合からの半導体領域NS への正
孔注入より、高電流状態においても低オン電圧が期待で
きる。上記の実施例は、図9および図10の様な実施例
のトレンチ構造のデバイスにも応用可能であり、リアク
ティブイオンエッチングを行うことで容易に実現でき
る。図9および図10の各半導体領域および動作機構
は、図8と同様となるので、説明を省略する。
【0069】 以上の実施例におけるダイオード構造
は、いずれも縦形構造の場合について述べているが、図
11に示すように、集積回路などに容易に応用可能な横
形デバイスも実現できる。この横形ダイオード構造にお
いては、半導体領域Dも半導体領域S1 も半導体基板領
域Bの一部分を挟んで半導体基板領域Bの一方の面側に
存在し、第1の電極E1 、第2の電極E2 及びMOSゲ
ート電極Gも半導体基板の一方の面側に存在する。
【0070】 図12、図13及び図14は、それぞれ
請求項1ないし請求項3における発明の2重拡散MOS
FET構造を用いたダイオードを、シリコンの横形構造
で実現した実施例であり、それぞれ縦形構造で実施した
図4、図6及び図8の横形化に相当する。これらの原理
及び特徴については、それぞれの縦形構造のものとまっ
たく同様であるので、説明は省略する。なお、図12な
いし図14の実施例においては、それぞれ図4、図6及
び図8で用いた記号と同一の記号については相当する部
材を示す。さらに、図12ないし図14の実施例は、そ
れぞれ図5、図7及び図9の実施例と同様に、トレンチ
ゲート構造の採用も可能である。
【0071】(請求項4の発明に対応する実施例)次に
図15により請求項4の発明にかかる一実施例について
述べる。同図は、通常の横形MOSFET構造を用いた
ダイオードをシリコンで実現した断面構造図である。こ
の図においては、図11における半導体基板領域Bが半
導体領域PB 、これとは逆の伝導形の半導体領域S1
び半導体領域Dが、それぞれ半導体領域NS 及び半導体
領域ND に相当している。この実施例においてはNB +
を基板領域とするP/N+ エピタキシャル成長基板を用
いているが、P基板及びN基板上に拡散させたPウエル
層上に形成しても良い。
【0072】 図11の電極E1 は図15のカソード電
極Kに相当し、図11の電極E2 及びMOSゲート電極
Gに関しては、図15においても一体構造のアノード電
極Aとしている。また、このMOSゲートはポリシリコ
ンゲートとなっている。
【0073】 この実施例のMOSFET構造を用いた
ダイオードの製作について説明する。最初の工程とし
て、基板を熱酸化し、フィールド酸化膜を形成する。次
に、フォトリソグラフィにより、ゲート酸化部に相当す
るフィールド酸化膜を除去し、ドライ酸化により数10
0Å程度のゲート酸化膜を形成する。続いて、低圧CV
Dによりポリシリコンを堆積する。さらに、セルフアラ
インプロセスにより、MOSFETのソース及びドレイ
ン領域に相当する領域のポリシリコン及びゲート酸化膜
を除去し、イオン注入プロセス及びアニール拡散により
N形領域を形成する。次に、プラズマCVDにより酸化
膜を堆積し、さらに、ポリシリコンゲートとアノード電
極のみが短絡されるように、フォトリソグラフィによ
り、堆積させた酸化膜を選択エッチングする。次に、電
極を形成することにより、図15の実施例が実現され
る。図15の実施例の半導体ダイオードにおいては、2
重拡散することなく、一度の拡散工程でデバイスが実現
できるのが特徴である。この半導体ダイオードの動作原
理は、請求項1に含まれる図4に示した実施例と同様で
あるので、説明を省略する。
【0074】 以上の各請求項1ないし請求項4の発明
に関しては、請求項5の発明による第2電極E2 とゲー
ト電極Gとの一体化構造も適用した実施例となってい
る。
【0075】 次に請求項6ないし請求項9の発明に対
応する実施例について述べる。前述のとおり、請求項6
ないし請求項9の発明の目的は、請求項1ないし請求項
4の発明による半導体ダイオードの更なる低オン電圧化
を実現するため、MOSゲートのしきい値電圧の低減化
を図ったものである。これらの発明については、請求項
1ないし請求項4の発明のいずれにもそれぞれ適用でき
る。
【0076】 (請求項6の発明に対応する実施例)請
求項6の発明によるMOSゲートのしきい値電圧の低減
化方法は、ゲート酸化膜内に固定電荷の導入を行うもの
である。この作用により、ゲート直下の半導体領域には
キャリヤが誘起されて、反転層が容易に形成され、しき
い値電圧の低減化が図れる。この具体的な方法として
は、制御性の点からイオン注入法が好適である。
【0077】 次に、請求項6の発明に対応する一実施
例について説明する。この請求項6の発明は、請求項1
ないし請求項4の発明のいずれにも適用させることがで
きるが、この実施例においては、請求項1の発明に適用
する場合について説明する。
【0078】 固定電荷導入前のプロセスは、請求項1
の発明と同様に、ポリシリコン及びゲート酸化膜を選択
的に窓開けし、次にセルファラインプロセスにより半導
体領域PB 及び半導体領域ND を形成し、さらにコンタ
クトホール形成まで行う。
【0079】 請求項1の発明においては、ゲート直下
にキャリヤを電子とする反転層を形成するので、しきい
値電圧の低減化には固定電荷として正電荷が必要とな
り、本実施例においては、正電荷の例としてリンイオン
(P+ )を導入する場合について説明する。さらに、容
易にゲート酸化膜内に固定電荷が形成できるように、ポ
リシリコンゲート層の厚みを約0.3μm程度と比較的
薄く形成した場合を例にとり説明する。なお、他のプロ
セス条件については、実施例1と同様になる。この構造
にリンイオンを注入する場合は、酸化膜のイオン注入よ
る損傷を避け、かつ酸化膜半導体界面へのドーピングを
抑制するため、主としてポリシリコンと酸化膜領域にイ
オンが停止するように注入する。しかも、しきい値電圧
の低減化の可能なイオン注入条件(加速電圧、ドーズ
量)で行う必要がある。
【0080】 したがって、本実施例においては、ポリ
シリコン及びゲート酸化膜領域におけるガウス分布で表
現されるリンイオンの注入分布において、そのピーク密
度NPEAKを与える位置がポリシリコンの表面から約0.
1μmであり、その密度が約2×1020cm-3となるよ
うに、加速電圧EA を80keV、ドーズ量STを2×
1015cm-2程度となるように設定する。このイオン注
入条件においては、そのピーク密度はポリシリコン内に
存在し、かつ酸化膜内のリンイオンのドーズ量は約10
11cm-2程度と比較的小さくなるので、酸化膜の劣化が
抑制できる。また、酸化膜半導体界面のイオン注入密度
は、半導体領域PB の不純物密度よりも一桁程度低くな
るので、ドーピング効果は小さい。さらに、このイオン
注入条件によるしきい値電圧の電圧シフト分は、ゲート
酸化膜内のイオン量でほぼ決定され、結果的にしきい値
電圧は0.1V程度が期待できる。
【0081】 しきい値電圧低減化のためのイオン注入
後、比較的低温の950℃程度で約30分間熱処理する
ことにより、イオンの拡散を抑制しながら、注入イオン
の活性化とイオン注入による酸化膜の損傷の回復を行
う。このプロセスに続いて、電極形成を行えば、請求項
5の発明を適用した非常にオン電圧の低いダイオードが
実現できる。
【0082】 本実施例においては、主として酸化膜内
に固定電荷を導入するしきい値電圧の低減化の方法につ
いて述べたが、勿論、一般的に行われている酸化膜半導
体界面に注入イオンのピーク密度が生じるように行うイ
オン注入法と併用しても良い。また、本実施例において
は、ポリシリコンの厚みを0.3μm及び酸化膜を0.
05μmの場合について示したが、勿論、これらの厚み
を変えても、さらにポリシリコンを除去し酸化膜に直接
イオン注入を行っても、最適なイオン注入条件を適宜選
択すことにより実現可能となる。
【0083】 なお、本実施例においては、正電荷の例
としてリンイオンの場合について説明したが、他の正イ
オンを用いても良い。ただし、デバイスの信頼性の点か
ら、しきい値電圧の変動を少なくするために、質量が大
きくかつ拡散係数の小さなイオンが望ましい。なお、上
記実施例のダイオードにおける各領域の伝導形を逆にし
たデバイスも実現できるが、その場合は、しきい値電圧
の低減化のために必要な固定電荷は負電荷となる。
【0084】 (請求項7の発明に対応する実施例)請
求項7の発明によるMOSゲートのしきい値電圧の低減
化方法は、MOSゲート構造を界面準位の大きいシリコ
ン結晶表面の(111)面に形成することであり、界面
準位密度が大きいほど、しきい値電圧が低下する効果を
用いる。シリコンの(100)面の界面準位密度は5×
1010cm-2程度であり、(111)面においては、1
桁大きい5×1011cm-2程度となる。
【0085】 本請求項7の発明の実施に当たっては、
MOSゲート構造を形成する結晶面が(111)面にな
るように、基板の結晶面を指定することが重要となり、
請求項1ないし請求項4のいずれの発明に対しても応用
可能となる。本発明における実施例を示す図4のよう
に、基板表面にMOSゲート構造を形成する場合には、
基板表面は(111)面となる。また、本発明における
実施例を示す図5のトレンチゲートのような基板表面に
対して垂直な面を(111)面として、MOSゲート構
造を形成する場合は、基板表面は(110)面になるよ
うに指定する必要がある。
【0086】 請求項1の実施例における図4のデバイ
スのプロセスを(100)面及び(111)面に行った
場合に関して、それぞれしきい値電圧の理論値を比較す
ると、(100)面においては約0.65V、(11
1)面においては0.23Vとなり、しきい値電圧の低
減化には(111)面が有効となる。
【0087】 本実施例においては、MOSゲートを
(111)面に形成したが、勿論(100)面に形成
し、薄いゲート酸化膜などの手段の採用によって、他の
しきい値電圧の低減化対策を施しても良い。
【0088】 (請求項8の発明に対応する実施例)請
求項8の発明によるMOSゲートのしきい値電圧の低減
化方法は、MOSゲートのゲート電極材料としてポリシ
リコンを用いる場合であり、ポリシリコン内の不純物密
度を増大させることにより、ポリシリコンゲートと半導
体との仕事関数差を大きくして、しきい値電圧の低下を
図るものである。この発明も請求項1ないし請求項4の
いずれの発明に対しても適用可能である。
【0089】 最初に、請求項1の発明の実施例におけ
る図4のダイオードに請求項8の発明を適用した場合に
ついて述べる。本発明によるポリシリコンの高不純物密
度化は、拡散プロセスと同時に行っても良いが、耐圧及
びシャネル抵抗などの特性に悪影響を与えないために、
不純物プロファイルを変化させないように、拡散プロセ
ス終了後にイオン注入と低温アニールにより行う方が望
ましい。また、先行モニタを前記プロセスに投入して、
しきい値電圧を評価し、再度このプロセスを用いること
により、しきい電圧の再調整も可能となる。
【0090】 本実施例においても、デバイス製作に用
いる基板、及びポリシリコンを用いたセルフアラインプ
ロセスによる半導体領域PB 及びND 形成のプロセスま
では、図4に示されたダイオードの実施例と同様とな
る。ただし、ポリシリコン層全体にわたって不純物密度
を一様にするため、ポリシリコン層の厚みは比較的薄い
方が望ましい。したがって、本実施例においては、この
厚みを0.5μm程度とする。
【0091】 次に、しきい値電圧の低減化のためのプ
ロセスについて説明する。請求項1の発明にかかる図4
の実施例においては、ポリシリコンゲートとMOSゲー
ト直下の半導体領域PB の仕事関数差を大きくするため
には、ポリシリコンゲート内にN形の不純物を導入する
必要がある。本実施例においては、その不純物としてリ
ンをイオン注入で導入する。ここで、ドーズ量はデバイ
ス内部のプロファイルに応じて、ポリシリコン内の平均
密度が1020cm-3から1021cm-3程度になるように
設定し、かつ加速電圧を100keV程度とする。
【0092】 この条件では、注入イオンのピーク密度
を与える射影飛程は0.13μm程度で、分布の広がり
を与える射影分散は0.06μm程度となるので、ポリ
シリコンの表面から0.2μm程度のところまでリンイ
オンが注入されることになる。したがって、ゲート酸化
膜には注入イオンが到達せず、酸化膜の損傷はほとんど
無い。
【0093】 次に、ポリシリコン全体の不純物密度を
一様にするため、950°C程度の温度でアニール拡散
を行う。このプロセスにより、請求項1の実施例にかか
る図4のダイオードにおける半導体領域ND + の深さは
前述のとおり、1μm程度と深くなっており、チャネル
が形成される領域には及ぶことがないので、チャネル抵
抗や耐圧などの特性に悪影響を与えない。
【0094】 次に、請求項1の実施例にかかる図4の
ダイオードにおける不純物プロファイル及びゲート酸化
膜の膜厚が200Åのデバイスを例にとり、ポリシリコ
ン内部の平均不純物密度を変化させた場合のしきい値電
圧の理論値を比較する。ただし、この場合はMOSゲー
トを(111)面に形成する場合を想定し、界面準位密
度を5×1011cm-2と仮定している。計算結果は、ポ
リシリコンの平均不純物密度が1020cm-3のしきい値
電圧の理論値は、0.203V程度となり、ポリシリコ
ンの平均不純物密度が1021cm-3においては、0.1
43V程度となる。したがって、ポリシリコンの平均不
純物密度が高い程、しきい値電圧を低減できる。
【0095】 請求項8の発明は、請求項2ないし請求
項4の発明のいずれにも応用可能であるが、請求項2及
び請求項3のように、シリコン表面にショットキバリア
及びP形拡散層が露出する場合は、これらの形成される
領域をあらかじめ酸化膜などにより、マスクした上でイ
オン注入を行う必要がある。
【0096】 本実施例においては、リンを用いている
が、N形であれば他の不純物でも良い。Nチャネルを形
成する場合について述べたが、Pチャネルでも勿論良
く、この場合にはポリシリコンゲートの伝導形もP形に
する必要がある。
【0097】 (請求項9の発明に対応する実施例)請
求項9の発明によるMOSゲートのしきい値電圧の低減
化の方法は、MOSゲートの電極材料として金属を用い
る場合であり、金属と半導体との仕事関数差が大きくな
るような金属材料を選択して、しきい値電圧の低下を図
るものである。この発明も請求項1ないし請求項4のい
ずれの発明に対しても適用可能であり、最終段階の電極
形成プロセスで実施すれば良い。
【0098】 この方法の重要な点は、反転層の導電形
に合わせて、MOSゲートの金属の仕事関数の大小を決
定するということである。
【0099】 MOSゲート直下の半導体領域がP形で
N形反転層を形成する場合は、金属の仕事関数が小さな
金属、例えば、チタン(Ti)、クロム(Cr)及びア
ルミニウム(Al)などを選択することにより、半導体
との仕事関数差が大きくなり、しきい値電圧の低減が可
能となる。逆に、MOSゲート直下の半導体領域がN形
でP形反転層を形成する場合は、金属の仕事関数が大き
な金属、例えば、プラチナ(Pt)、パラジウム(P
d)及びニッケル(Ni)などを選択する必要がある。
金属材料としては、上記以外にも多数存在するが、上記
の金属のように、化学的に安定な金属が望ましい。これ
ら金属の形成には、通常のスパッタリング装置、あるい
は電子ビーム蒸着装置などが用いられる。
【0100】 本請求項9の発明を、請求項2の発明に
かかる実施例を示す図6及び図7のダイオードに応用す
る場合は、電極としてMOSゲート、オーミック電極及
びショットキバリア金属を兼ねた一つの電極材料で実現
できることは言うまでもない。
【0101】 以上のように、請求項6ないし請求項9
の発明は、いずれもMOSゲートのしきい値電圧を低減
化するものであり、これらを請求項1ないし請求項4の
発明のダイオードに適用することにより、順方向導通開
始電圧を0Vに限りなく近づけることができ、理想ダイ
オードに近い特性が期待できる。
【0102】 以上、各請求項の発明について言及した
が、これらの各実施例を組み合わせた構成からなるデバ
イスも実現可能であり、各実施例のデバイスの導電形を
逆にしたデバイスも同様にして容易に実現できる。
【0103】
【発明の効果】 以上述べたように、本発明によれば、
従来の半導体ダイオードに比べて順方向電圧降下の小さ
いMOSFET構造を用いた2端子形の高速動作可能な
半導体ダイオードを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1の発明におけるMOSFET構造を
用いた2端子形の半導体ダイオードの基本的説明を行う
ための図面である。
【図2】 請求項2の発明におけるMOSFET構造と
ショットキバリヤの並列構成の2端子形の半導体ダイオ
ードの基本的説明を行うための図面である。
【図3】 請求項3の発明におけるMOSFET構造と
PN接合の並列構成の2端子形の半導体ダイオードの基
本的説明を行うための図面である。
【図4】 請求項1の発明におけるMOSFET構造を
用いた2端子形の半導体ダイオードの一実施例を示す図
面である。
【図5】 請求項1の発明におけるMOSFET構造を
用いた2端子形の半導体ダイオードにおけるトレンチ構
造の一実施例を示す図面である。
【図6】 請求項2の発明のにおけるMOSFET構造
とショットキバリヤの並列構成の2端子形の半導体ダイ
オードの一実施例を示す図面である。
【図7】 請求項2の発明におけるMOSFET構造と
ショットキバリヤの並列構成の2端子形の半導体ダイオ
ードにおけるトレンチ構造の一実施例を示す図面であ
る。
【図8】 請求項3の発明におけるMOSFET構造と
PN接合の並列構成の2端子形の半導体ダイオードの一
実施例を示す図面である。
【図9】 請求項3の発明におけるMOSFET構造と
PN接合の並列構成の2端子形の半導体ダイオードにお
けるトレンチ構造の一実施例を示す図面である。
【図10】 請求項3の発明におけるMOSFET構造
とPN接合の並列構成の2端子形の半導体ダイオードに
おけるトレンチ構造の他の一実施例を示す図面である。
【図11】 請求項4の発明におけるMOSFET構造
を用いた2端子形の半導体ダイオードの基本的説明を行
うための図面である。
【図12】 請求項1の発明におけるMOSFET構造
を用いた2端子形の半導体ダイオードの横形構造への一
実施例を示す図面である。
【図13】 請求項2の発明のにおけるMOSFET構
造とショットキバリヤの並列構成の2端子形の半導体ダ
イオードの横形構造への一実施例を示す図面である。
【図14】 請求項3の発明におけるMOSFET構造
とPN接合の並列構成の2端子形の半導体ダイオードの
横形構造への一実施例を示す図面である。
【図15】 請求項4の発明におけるMOSFET構造
を用いた2端子形の半導体ダイオードの横形構造への一
実施例を示す図面である。
【符号の説明】
1 ,S2 ,D・・・第1の伝導形の半導体領域(図4
以降においては、順に、NS + ,NS ,ND + に相当) B,I・・・第1の伝導形とは逆の第2の伝導形の半導
体領域(図4以降においては、順にPB ,PI に相当) F・・・金属半導体合金層(図6以降は、シリサイド
層) MS ・・・ショットキバリヤ領域 E1 ・・・半導体領域S1 に設けた電極 E2 ・・・半導体領域Dに設けた電極 A ・
・・アノード電極 K ・・・カソード電極 G・・
・MOSゲートの電極 NB + ・・・P/N+ エピタキシャル成長基板の基板領

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の主面側に第1の電極E1 が形成さ
    れた第1の伝導形で高不純物密度の半導体領域S1 と、 半導体領域S1 の他方の主面側との間に接合J1 を形成
    する第1の伝導形の半導体領域S2 と、 一方の主面側が半導体領域S2 と接合J2 を形成する第
    1の伝導形とは逆の第2の伝導形の半導体領域Bと、 一方の主面側が半導体領域Bと接合J3 を形成し、かつ
    他方の主面側に第2の電極E2 が形成された第1の伝導
    形で高不純物密度の半導体領域Dと、 第2の電極E2 が形成された主面側表面の半導体領域
    D、半導体領域B及び半導体領域S2 に及ぶように形成
    されたMOSゲート構造およびゲート電極Gとを備え、 第2の電極E2 及びゲート電極Gを短絡し、かつMOS
    ゲートのしきい値電圧を低減化することにより、第1の
    電極E1 と第2の電極E2 間の端子特性が整流特性とな
    ることを特徴とする半導体ダイオード。
  2. 【請求項2】 一方の主面側に第1 の電極E1 が形成さ
    れた第1の伝導形で高不純物密度の半導体領域S1 と、 半導体領域S1 の他方の主面側との間に接合J1 を形成
    する第1の伝導形の半導体領域S2と、 一方の主面側が半導体領域S2 と接合J2 を形成する第
    1の伝導形とは逆の第2の伝導形の半導体領域Bと、 一方の主面側が半導体領域Bと接合J3 を形成し、かつ
    他方の主面側に第2の電極E2 が形成された第1の伝導
    形で高不純物密度の半導体領域Dと、 第3の電極E3 が一方の主面側に形成され、かつ他方の
    主面側と半導体領域S2 の他方の主面側との間にショッ
    トキバリヤ領域MS を形成する金属半導体合金層Fと、 第2の電極E2 を形成する主面側表面の半導体領域D、
    半導体領域B、半導体領域S2 及び金属半導体合金層F
    に及ぶように形成されたMOSゲート構造およびそのゲ
    ート電極Gとを備え、 第2の電極E2 及び第3の電極E3 かつゲート電極Gを
    短絡し、さらに、MOSゲートのしきい値電圧を低減化
    することにより、第1の電極E1 と第2の電極E2 間の
    端子特性が整流特性となることを特徴とする半導体ダイ
    オード。
  3. 【請求項3】 一方の主面側に第1の電極E1 が形成さ
    れた第1の伝導形で高不純物密度の半導体領域S1 と半
    導体領域S1 の他方の主面側との間に接合J1 を形成す
    る第1の伝導形の半導体領域S2 と、 一方の主面側が半導体領域S2 と接合J2 を形成する、
    第1の伝導形とは逆の第2の伝導形の半導体領域Bと、 一方の主面側が半導体領域Bと接合J3 を形成し、かつ
    他方の主面側に第2の電極E2 が形成された第1の伝導
    形で高不純物密度の半導体領域Dと、 第3の電極E3 が一方の主面側に形成され、かつ他方の
    主面側と半導体領域S2 の他方の主面側に接合J4 を形
    成する第2の伝導形で高不純物密度の半導体領域Iと第
    2の電極E2 を形成する主面側表面の半導体領域D、半
    導体領域B、半導体領域S2 及び半導体領域Iに及ぶよ
    うに形成されたMOSゲート構造及びそのゲート電極G
    とを備え、 第2の電極E2 及び第3の電極E3 かつゲート電極Gを
    短絡し、さらに、MOSゲートのしきい値電圧を低減化
    することにより、第1の電極E1 と第2の電極E2 間の
    端子特性が整流特性となることを特徴とする半導体ダイ
    オード。
  4. 【請求項4】 第1の伝導形の第1の電極E1 が形成さ
    れた半導体領域S1 及び第1の伝導形で第2の電極E2
    が形成された半導体領域Dを第2の伝導形の半導体基板
    領域Bの一方の主面側に形成し、 半導体基板領域Bから半導体領域S1 及び半導体領域D
    の双方に及ぶように形成されたMOSゲート構造とゲー
    ト電極Gとを備え、 第2の電極E2 とゲート電極Gとを短絡し、かつMOS
    ゲートのしきい値電圧を低減化することにより、第1の
    電極E1 と第2の電極E2 間の端子特性が整流性となる
    ことを特徴とする半導体ダイオード。
  5. 【請求項5】 第2の電極E2 及びゲート電極Gを同一
    金属で一体化構造にしたことを特徴とする請求項1ない
    し請求項4の内のいずれかに記載の半導体ダイオード。
  6. 【請求項6】 上記MOSゲート構造のゲート酸化膜内
    に固定電荷を導入することにより、しきい値電圧の低減
    化を図ることを特徴とする請求項1ないし請求項4の内
    のいずれかに記載の半導体ダイオード。
  7. 【請求項7】 上記MOSゲート構造をシリコン(S
    i)結晶面の(111)面上に形成することを特徴とす
    る請求項1ないし請求項4の内のいずれかに記載の半導
    体ダイオード。
  8. 【請求項8】 上記MOSゲートのゲート電極材料とし
    てポリシリコンを用い、該ポリシリコン内の不純物密度
    を増大させることにより、上記MOSゲートのしきい値
    電圧の低減化を図ることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4の内のいずれかに記載の半導体ダイオード。
  9. 【請求項9】 上記MOSゲートにおける金属と半導体
    の仕事関数差が大きくなる金属材料を用いることによ
    り、上記MOSゲートのしきい値電圧の低減化を図るこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4の内のいずれか
    に記載の半導体ダイオード。
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