JPH0995458A - フッ化炭化水素化合物の製造法 - Google Patents

フッ化炭化水素化合物の製造法

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JPH0995458A
JPH0995458A JP27629095A JP27629095A JPH0995458A JP H0995458 A JPH0995458 A JP H0995458A JP 27629095 A JP27629095 A JP 27629095A JP 27629095 A JP27629095 A JP 27629095A JP H0995458 A JPH0995458 A JP H0995458A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩素原子を含有するハロゲン化炭化水素化合
物からフッ化炭化水素化合物を高収率、高純度で且つ工
業的に有利なプロセスによって製造する。 【解決手段】 基質として少くとも塩素原子を含有する
ハロゲン化炭化水素化合物を用い、該基質の塩素原子に
対し1〜3当量のアルカリ金属フルオリドを分散させた
鎖状アミド化合物中へ該基質を供給しつつ、且つ目的反
応生成物を抜き出しつつ、開放系において該基質とアル
カリ金属フルオリドとを反応せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、フッ化炭化水素
化合物の製造法に関する。さらに詳しくは、塩素原子を
有するハロゲン化炭化水素化合物をフッ素化して、フッ
化炭化水素化合物を製造する方法に関し、この方法によ
り製造されるフッ化炭化水素化合物は代替フロンおよび
その製造中間体として、また医薬、農薬、液晶、ポリマ
ーなどの合成原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】ビニル炭素にフッ素原子を有するフルオ
ロアルケン化合物は、フルオロアルカン化合物の中間原
料に使用されたり、フッ素化ポリマーの単量体として使
用されている。これらのフルオロアルケン化合物の製造
方法としては、ビニル炭素にフッ素原子以外のハロゲン
原子を有するハロアルケン化合物をフッ素化する方法が
知られている。その代表的な例としては、1,2−ジク
ロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロ
ペンテン(以下、CFCPEと略す。)にフッ化カリウ
ム(以下、KFと略す。)を反応させて1,2,3,
3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンテン
(以下、OFCPEと略す。)を合成する方法が知られ
ている。
【0003】そのようなCFCPEのフッ素化方法の具
体例としては、米国特許第3024290号には、閉鎖
系で、CFCPE1モル当り640mlのジメチルホル
ムアミド(以下、DMFと略す。)中で、CFCPE基
質の塩素原子1つに対して2当量のKFを用いて、CF
CPEとKFとを90〜140℃の温度で5時間反応し
てOFCPEが得られることが報告されている。しかし
ながら、この反応では収率が59%と低い。
【0004】また、米国特許第3567788号では、
冷却トラップを連結したコンデンサーを付属させた開放
系の反応容器に、CFCPEと基質1モル当り400m
lのDMF、および基質の塩素原子1つに対して1.6
当量のKFとを一度に仕込み、DMF還流下で8.75
時間反応させている。しかしながら、この反応では、一
度に反応が進行してしまうため、生成する低沸点の目的
化合物とともに中間生成物までが41%も反応系外に排
出されてしまい、目的化合物であるOFCPEの収率は
48%と低い。
【0005】ハロアルケン化合物をフッ素化する方法の
別の例として、J.Org.Chem.,28,112
(1963)には、幾つかの反応が紹介されている。例
えば、開放系において(i)基質としてヘキサクロロブ
タジエンを用い、基質に対し大過剰量(1600ml)
のN−メチルピロリドン(以下、NMPと略す。)中
で、基質の塩素原子1つに対して1.5当量のKFを1
90〜200℃で反応させヘプタフルオロ−2−ブテン
を65%の収率で得ることが報告されている。また、同
様にして(ii)CFCPEからOPCPEが76%の収
率で得られることが報告されている。しかしながら、こ
れらの方法では、反応溶媒を多量に使用するうえに、反
応収率も十分に高くないことから、反応容器単位当りの
生産効率が極端に劣る欠点を有しており、また、190
℃以下では反応が進行しないと記載されることから窺え
るように、製造プロセスに難があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような事情に鑑み、塩素原子含有ハロゲン化炭化水素
化合物からフッ化炭化水素化合物を高収率で且つ工業的
に有利なプロセスによって製造することができる方法を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、基質と
して少くとも塩素原子を有するハロゲン化炭化水素化合
物を用い、該基質の塩素原子に対し1〜3当量のアルカ
リ金属フルオリドを分散させた鎖状アミド化合物中へ該
基質を供給しつつ、且つ目的反応生成物を抜き出しつ
つ、開放系において該基質とアルカリ金属フルオリドと
を反応せしめることを特徴とするフッ化炭化水素化合物
の製造法が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】基質として用いる塩素原子含有ハ
ロゲン化炭化水素化合物は、一分子中に少なくとも一つ
のフッ素置換可能な塩素原子を有する炭化水素であれ
ば、特に制限されることはなく、その他のハロゲン原
子、例えばフッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子を含有し
てもよい。また、塩素原子からフッ素原子への置換反応
を阻害しないものであれば置換基を有していても構わな
い。塩素原子を有するハロゲン化炭化水素化合物は、炭
素−炭素不飽和結合を有していてもよく、本発明のフッ
素化方法においては、特に炭素−炭素二重結合に結合し
た塩素原子を有するハロゲン化炭化水素化合物を用いた
時に、その効果が顕著に発現する。
【0009】炭素−炭素二重結合に結合した塩素原子を
有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、一
般式(1)
【化1】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立してアルキル
基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、または互い
に結合して環を形成してなるアルキレン基もしくはハロ
ゲン化アルキレン基を示す。)で表わされるハロゲン化
炭化水素化合物が挙げられ、このハロゲン化炭化水素化
合物から得られる生成物は一般式(2)
【0010】
【化2】 (式中、R3およびR4は、それぞれ独立してアルキル
基、フッ素原子、フルオロアルキル基、または互いに結
合して環を形成してなるアルキレン基もしくはフルオロ
アルキレン基を示す。)で表わされるフッ化炭化水素化
合物である。
【0011】式(1)および(2)中のR1、R2、R3
およびR4に相当するアルキル基、ハロゲン化アルキ
ル、アルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、フルオロ
アルキル基およびアルオロアルキレン基の炭素数は、特
に制限はないが、通常1〜15、好ましくは2〜10、
より好ましくは2〜6である。
【0012】式(1)で表わされるハロゲン化炭化水素
化合物の具体例としては、2,3−ジクロロ−1,1,
1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,
2,3−トリクロロ−1,1,4,4,4−ペンタフル
オロ−2−ブテン、1,1,2,3−テトラクロロ−
1,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブテン、2,3
−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロ−2−ブテン、
2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−
オクタフルオロ−2−ペンテンなどの直鎖状ハロゲン化
炭化水素化合物;ならびに1,2−ジクロロ−3,3,
4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1,
2,4−トリクロロ−3,3,4,5,5−ペンタフル
オロシクロペンテン、1,2,4,4−テトラクロロ−
3,3,5,5−テトラフルオロシクロペンテンなどの
脂環式ハロゲン化炭化水素化合物などが挙げられる。こ
れらの中でも脂環式ハロゲン化炭化水素化合物が特に好
ましい。
【0013】上記のような式(1)で表わされる化合物
は、例えば、独国特許第39355493号、米国特許
第2459783号、米国特許第2449233号に記
載される方法によって製造される。使用されるアルカリ
金属フルオリドは、特に制限されることはなく、例え
ば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウ
ム、フッ化セシウム、フッ化ルビジウムなどが挙げられ
る。これらの中でも、フッ化カリウム、フッ化ナトリウ
ム、フッ化セシウムが好ましく、フッ化カリウムが特に
好ましい。これらのアルカリ金属フルオリドは、それぞ
れ単独で、または2種以上を組合せて用いることができ
る。
【0014】アルカリ金属フルオリドの使用量は、塩素
原子含有ハロゲン化炭化水素化合物中の塩素原子に対し
て、1〜3当量、好ましくは1.1〜2当量、より好ま
しくは1.2〜1.5当量の範囲である。アルカリ金属
フルオリドの使用量が過度に少ないと、完全なフッ素原
子置換が行えず生成中間体が多くなり好ましくない。逆
に、使用量が多い場合は、特に制限はないが、置換反応
の効果が飽和に達しているので過度に使用することは経
済的でない。
【0015】本発明のフッ素化反応は反応溶媒として、
鎖状アミド化合物を用いて行われる。鎖状アミド化合物
は特に限定されないが、炭素数が通常20以下、好まし
くは3〜15、より好ましくは3〜10のものが用いら
れる。鎖状アミド化合物の具体例としては、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N−メチル−N−フェニルホルム
アミド、N,N−ジフェニルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチル−N−フェニルアセト
アミド、N,N−ジフェニルアセトアミドなどが挙げら
れる。反応溶媒として、例えば、N−メチルピロリドン
のような環状アミド化合物を用いても本発明のように高
い収率でフッ化炭化水素化合物を得ることはできない
(後記比較例1参照)。
【0016】鎖状アミド化合物の使用量は、塩素原子含
有ハロゲン化炭化水素化合物1モル当り通常100〜
1,000ml、好ましくは150〜800ml、より
好ましくは200〜600mlの範囲である。溶媒の使
用量が、過度に少ないと中間生成物が多く生成し、逆
に、過度に多いと副反応生成物が生成し、いずれも目的
化合物の収率を低下させるため好ましくない。
【0017】本発明の方法において採用される反応温度
は、50〜250℃、好ましくは80〜180℃、より
好ましくは100〜160℃の範囲である。反応温度
が、過度に低いと反応が十分に進行せず、逆に、過度に
高いと、中間生成物の反応系外への放出が早く、また副
反応が起こるために、いずれも目的生成物の収率を低下
させ好ましくない。反応時間は、反応条件により適宜選
択されるが、通常15時間以内、好ましくは9時間以内
である。反応圧力は、特に制限はなく、場合によって、
加圧でも減圧でもよい。
【0018】本発明の方法は、開放系で行われる。例え
ば、米国特許第3024290号に記載されるように閉
鎖系でCFCPEをKFと反応させると、一回の反応に
おける生産性が悪いうえに極端に低い収率でしかフッ化
炭化水素化合物を得ることはできない。これは反応系中
においてフッ化炭化水素化合物が分解または重合するた
めと考えられる。本発明のように反応を開放系で行っ
て、生成したフッ化炭化水素化合物を系外へ除外するこ
とによって目的生成物を高収率で得ることができる。
【0019】フッ素化反応の手法としては、精留塔を装
備した反応容器を用い、アルカリ金属フルオリドを分散
させた鎖状アミド溶媒中へ塩素原子含有ハロゲン化炭化
水素化合物を供給しつつ反応せしめる。この際、精留塔
頂部より目的生成物のみを濃縮して純度良く単離すると
同時に、原料および反応中間体を系外へ逃すことなく還
流により反応容器内に戻しつつ反応を行うことが好まし
い。
【0020】生成物であるフルオロアルケンのようなフ
ッ化炭化水素化合物の沸点が原料および反応中間体より
も低いことを利用して、反応容器に直接精留塔を装備し
ておくことにより、原料の逐次滴下供給と同時に目的生
成物を精留塔塔頂部より逐次抜き出すという手法を用い
ることによって、収率の向上を図りながらも溶媒量を従
来より大幅に削減可能となること、原料および反応中間
体を反応容器中につねに戻すため、低い温度でもアルカ
リ金属フルオリドの量を従来より大幅に減らせることが
可能となる。
【0021】反応系への塩素原子含有ハロゲン化炭化水
素化合物の供給速度は目的生成物の流出に合わせて設定
すればよいが、過剰であると系内に反応生成物が長時間
滞留し、収率低下を招くので好ましくない。反応系への
原料の供給速度(mol/hr)は目的反応生成物の抜
き出し速度(mol/hr)の通常3倍以下、好ましく
は0.1〜2倍、より好ましくは0.5〜1.5倍であ
る。反応生成物は、精留塔塔頂部の温度を管理すること
により得ることが可能である。塔頂部の温度は精留塔部
の能力に見合った還流比を設定することにより生成物の
沸点(圧力により固有に決まる)付近に設定できる。目
的物の回収は常法に従って行うことができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例について本発明を詳細に説明す
るが、本発明は実施例によって限定されるものではな
い。実施例1 (1)窒素気流下、滴下ロート、精留塔、温度計、攪拌
装置を備えた500ミリリットルの四口フラスコにフッ
化カリウム30.00g(0.516mol)、N,N
−ジメチルホルムアミド50ミリリットルを仕込み、精
留塔塔部に備え付けられたジムロート冷却器に−20℃
の冷媒を流し、留分トラップを−70℃に冷却した。滴
下ロートに1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5
−ヘキサフルオロシクロペンテン50.20g(0.2
05mol)を仕込んだ。0.5時間かけてフラスコ内
の温度が135℃になるまで昇温した。昇温開始後0.
07mol/hrの速度で原料を逐次滴下した。塔頂部
の温度が生成物の沸点(27℃)に安定した後0.7時
間(昇温開始より1.5時間)経過した時に留分の抜き
出しを開始した。留分の抜き出し開始から3時間は時間
当り0.07mol(1,2,3,3,4,4,5,5
−オクタフルオロシクロペンテン換算)の速度で抜き出
しを行い、その後、塔頂部の温度が上昇を始めるまで
(昇温開始より7.0時間)残部の留分の抜き出しを行
ったところ、1,2,3,3,4,4,5,5−オクタ
フルオロシクロペンテン38.24g(0.18mo
l、収率87.8%、純度99.8%:GPC分析)を
得た。
【0023】実施例2 窒素気流下、滴下ロート、精留塔、温度計、攪拌装置を
備えた500ミリリットルの四口フラスコにフッ化カリ
ウム45.3g(0.779mol)、N,N−ジメチ
ルホルムアミド100ミリリットルを仕込み、精留塔塔
部に備え付けられたジムロート冷却器に−10℃の冷媒
を流し、留分トラップを−70℃に冷却した。滴下ロー
トに1,2,4−トリクロロ−3,3,4,5,5ペン
タフルオロシクロペンテン23.95g(0.0916
mol)、1,2,4,4−テトラクロロ−3,3,
5,5テトラフルオロシクロペンテン26.00g
(0.0936mol)を仕込み、混合した。0.4時
間かけてフラスコ内の温度が140℃になるまで昇温し
た。昇温開始後0.07mol/hrの速度で原料を逐
次滴下した。塔頂部の温度が生成物の沸点(26℃)に
安定した後1.6時間(昇温開始より2.2時間)経過
した時に留分の抜き出しを開始した。抜き出し開始から
2.5時間まで時間当り1,2,3,3,4,4,5,
5−オクタフルオロシクロペンテン換算で0.07mo
lの留分を抜き出し、その後、塔頂部の温度が上昇を始
めるまで(昇温開始より6.4時間)残部の留分の抜き
出しを行ったところ、1,2,3,3,4,4,5,5
−オクタフルオロシクロペンテン53.76g(0.1
69mol、収率91.0%、純度99.98%)を得
た。
【0024】比較例1 窒素気流下、滴下ロート、精留塔、温度計、攪拌装置を
備えた500ミリリットルの四口フラスコにフッ化カリ
ウム28.42g(0.489mol)、N−メチルピ
ロリドン100ミリリットルを仕込み、精留塔塔部に備
え付けられたジムロート冷却器に−20℃の冷媒を流
し、留分トラップを−70℃に冷却した。滴下ロートに
1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフ
ルオロシクロペンテン49.97g(0.204mo
l)を仕込んだ。0.5時間かけてフラスコ内の温度が
135℃になるまで昇温した。昇温開始後0.07mo
l/hrの速度で原料を逐次滴下した。塔頂部の温度が
生成物の沸点(26℃)に安定した後0.8時間(昇温
開始より1.8時間)経過した時に留分の抜き出しを開
始した。実施例1と同様にして留分を抜き出したとこ
ろ、1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ
シクロペンテン31.20g(0.147mol、収率
72.1%、純度99.8%)を得た。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法によれば、塩素原子含有ハ
ロゲン化炭化水素化合物からフッ化炭化水素化合物を高
純度で収率よく、且つ工業的有利な方法で得ることがで
きる。本発明の方法により得られるフルオロアルケンの
ようなフッ化炭化水素は、さらに常法に従って水素化す
ることにより容易にフルオロアルカンを製造することが
できる。本発明の方法により得られるフルオロアルケン
およびそれを水素化してなるフルオロアルカンなどのフ
ッ化炭化水素化合物は代替フロンおよびその中間体とし
て、また、医薬、農薬、液晶、ポリマーなどの合成原料
としても有用である。
【0026】
【好ましい実施態様】基質として少くとも塩素原子を含
有するハロゲン化炭化水素化合物を用い、該基質の塩素
原子に対し1〜3当量のアルカリ金属フルオリドを分散
させた鎖状アミド化合物中へ該基質を供給しつつ、且つ
目的反応生成物を抜き出しつつ、開放系において該基質
とアルカリ金属フルオリドとを反応せしめることを特徴
とする本発明のフッ化炭化水素化合物の製造法の好まし
い実施の態様をまとめると以下のとおりである。
【0027】(1)基質の供給速度(mol/hr)を
目的反応生成物の抜き出し速度(mol/hr)の3倍
以下、より好ましくは0.1〜2倍、最も好ましくは
0.5〜1.5倍とする。 (2)塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物は炭素−
炭素二重結合に結合した塩素原子を有する。 (3)上記(2)の炭素−炭素二重結合に結合した塩素
原子を有するハロゲン化炭化水素化合物は次式(1)で
表わされる。
【0028】
【化3】 (式中、R1およびR2は、それぞれ独立してアルキル
基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、または互い
に結合して環を形成してなるアルキレン基もしくはハロ
ゲン化アルキレン基を示す。)
【0029】(4)上記(3)の式(1)中のR1およ
びR2に相当するアルキル基、ハロゲン化アルキル基お
よびハロゲン化アルキル基は、炭素数1〜15、より好
ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜6を有する。 (5)塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物が脂環式
化合物である。
【0030】(6)アルカリ金属フルオリドは、フッ化
リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化
セシウムおよびフッ化ルビジウムの中から選ばれ、より
好ましくはフッ化カリウム、フッ化ナトリウムまたはフ
ッ化セシウムであり、最も好ましくはフッ化カリウムで
ある。 (7)アルカリ金属フルオリドの使用量は、塩素原子含
有ハロゲン化炭化水素化合物中の塩素原子に対して、1
〜3当量、より好ましくは1.1〜2当量、最も好まし
くは1.2〜1.5当量の範囲である。
【0031】(8)鎖状アミド化合物が20以下、より
好ましくは3〜15、最も好ましくは3〜10の炭素数
を有する。 (9)鎖状アミド化合物の使用量は、塩素原子含有ハロ
ゲン化炭化水素化合物1モル当り100〜1,000m
l、より好ましくは150〜800ml、最も好ましく
は200〜600mlの範囲である。 (10)反応温度は、50〜250℃、より好ましくは
80〜180℃、最も好ましくは100〜160℃の範
囲である。
【0032】(11)精留塔を装備した反応容器を用
い、アルカリ金属フルオリドを分散させた鎖状アミド化
合物中へ塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物を供給
しつつ反応せしめる。この際、精留塔頂部より目的生成
物のみを濃縮して純度良く単離すると同時に、原料およ
び反応中間体を系外へ逃すことなく還流により反応容器
内に戻しつつ反応を行う。
【0033】(12)フッ化炭化水素化合物が次式
(2)で表わされる。
【化4】 (式中、R3およびR4は、それぞれ独立してアルキル
基、フッ素原子、フルオロアルキル基、または互いに結
合して環を形成してなるアルキレン基もしくはフルオロ
アルキレン基を示す。) (13)上記(12)の式(2)中のR3およびR4に相
当するアルキル基、アルキレン基、フルオロアルキル基
およびアルオロアルキレン基は、炭素数1〜15、より
好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜6を有す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基質として少くとも塩素原子を有するハ
    ロゲン化炭化水素化合物を用い、該基質の塩素原子に対
    し1〜3当量のアルカリ金属フルオリドを分散させた鎖
    状アミド化合物中へ該基質を供給しつつ、且つ目的反応
    生成物を抜き出しつつ、開放系において該基質とアルカ
    リ金属フルオリドとを反応せしめることを特徴とするフ
    ッ化炭化水素化合物の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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