JP3873308B2 - フッ化炭化水素化合物の製造法 - Google Patents

フッ化炭化水素化合物の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ化炭化水素化合物の製造法に関する。さらに詳しくは、塩素原子を有するハロゲン化炭化水素化合物をフッ素化して、フッ化炭化水素化合物を製造する方法に関し、この方法により製造されるフッ化炭化水素化合物は代替フロンおよびその製造中間体として、また医薬、農薬、液晶、ポリマーなどの合成原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
ビニル炭素にフッ素原子を有するフルオロアルケン化合物は、フルオロアルカン化合物の中間原料に使用されたり、フッ素化ポリマーの単量体として使用されている。これらのフルオロアルケン化合物の製造方法としては、ビニル炭素にフッ素原子以外のハロゲン原子を有するハロアルケン化合物をフッ素化する方法が知られている。その代表的な例としては、1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン(以下、CFCPEと略す。)にフッ化カリウム(以下、KFと略す。)を反応させて1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンテン(以下、OFCPEと略す。)を合成する方法が知られている。
【0003】
そのようなCFCPEのフッ素化方法の具体例としては、米国特許第3024290号には、閉鎖系で、CFCPE1モル当り640mlのジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)中で、CFCPE基質の塩素原子1つに対して2当量のKFを用いて、CFCPEとKFとを90〜140℃の温度で5時間反応してOFCPEが得られることが報告されている。しかしながら、この反応では収率が59%と低い。
【0004】
また、米国特許第3567788号では、冷却トラップを連結したコンデンサーを付属させた開放系の反応容器に、CFCPEと基質1モル当り400mlのDMF、および基質の塩素原子1つに対して1.6当量のKFとを一度に仕込み、DMF還流下で8.75時間反応させている。しかしながら、この反応では、一度に反応が進行してしまうため、生成する低沸点の目的化合物とともに中間生成物までが41%も反応系外に排出されてしまい、目的化合物であるOFCPEの収率は48%と低い。
【0005】
ハロアルケン化合物をフッ素化する方法の別の例として、J.Org.Chem.,28,112(1963)には、幾つかの反応が紹介されている。例えば、開放系において(i)基質としてヘキサクロロブタジエンを用い、基質に対し大過剰量(1600ml)のN−メチルピロリドン(以下、NMPと略す。)中で、基質の塩素原子1つに対して1.5当量のKFを190〜200℃で反応させヘプタフルオロ−2−ブテンを65%の収率で得ることが報告されている。また、同様にして(ii)CFCPEからOPCPEが76%の収率で得られることが報告されている。しかしながら、これらの方法では、反応溶媒を多量に使用するうえに、反応収率も十分に高くないことから、反応容器単位当りの生産効率が極端に劣る欠点を有しており、また、190℃以下では反応が進行しないと記載されることから窺えるように、製造プロセスに難があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記のような事情に鑑み、塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物からフッ化炭化水素化合物を高収率で且つ工業的に有利なプロセスによって製造することができる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記式(1)で表されるハロゲン化炭化水素化合物から下記式(2)で表されるフッ化炭化水素化合物を製造する方法において、式(1)で表されるハロゲン化炭化水素化合物からなる基質の塩素原子に対し1〜3当量のアルカリ金属フルオリドを分散させた鎖状アミド化合物中へ、該基質の供給速度(mol/hr)が目的反応生成物の抜き出し速度(mol/hr)の3倍以下となるように該基質を供給しつつ、且つ、目的反応生成物を抜き出しつつ、開放系において該基質とアルカリ金属フルオリドとを反応せしめることを特徴とするフッ化炭化水素化合物の製造法が提供される。
一般式(1):
Figure 0003873308
(式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立してアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、または互いに結合して環を形成してなるアルキレン基もしくはハロゲン化アルキレン基を示す。)
一般式(2):
Figure 0003873308
(式中、R 3 およびR 4 は、それぞれ独立してアルキル基、フッ素原子、フルオロアルキル基、または互いに結合して環を形成してなるアルキレン基もしくはフルオロアルキレン基を示す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
基質として用いる塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物は、一分子中に少なくともつのフッ素置換可能な塩素原子を有する炭化水素であって、その他のハロゲン原子、例えばフッ素原子、臭素原子、ヨウ素原子を含有してもよい。また、塩素原子からフッ素原子への置換反応を阻害しないものであれば置換基を有していても構わない。塩素原子を有するハロゲン化炭化水素化合物は、炭素−炭素不飽和結合を有していてもよく、本発明のフッ素化方法においては、特に炭素−炭素二重結合に結合した塩素原子を有するハロゲン化炭化水素化合物を用いるため、発明の効果が顕著に発現する。
【0009】
本発明で用いる塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物は、上記一般式(1)で表わされるハロゲン化炭化水素化合物であり、このハロゲン化炭化水素化合物から得られる生成物は上記一般式(2)で表わされるフッ化炭化水素化合物である。
【0011】
式(1)および(2)中のR1、R2、R3およびR4に相当するアルキル基、ハロゲン化アルキル、アルキレン基、ハロゲン化アルキレン基、フルオロアルキル基およびアルオロアルキレン基の炭素数は、特に制限はないが、通常1〜15、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6である。
【0012】
式(1)で表わされるハロゲン化炭化水素化合物の具体例としては、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロ−2−ブテン、1,2,3−トリクロロ−1,1,4,4,4−ペンタフルオロ−2−ブテン、1,1,2,3−テトラクロロ−1,4,4,4−テトラフルオロ−2−ブテン、2,3−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロ−2−ブテン、2,3−ジクロロ−1,1,1,4,4,5,5,5−オクタフルオロ−2−ペンテンなどの直鎖状ハロゲン化炭化水素化合物;ならびに1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン、1,2,4−トリクロロ−3,3,4,5,5−ペンタフルオロシクロペンテン、1,2,4,4−テトラクロロ−3,3,5,5−テトラフルオロシクロペンテンなどの脂環式ハロゲン化炭化水素化合物などが挙げられる。これらの中でも脂環式ハロゲン化炭化水素化合物が特に好ましい。
【0013】
上記のような式(1)で表わされる化合物は、例えば、独国特許第39355493号、米国特許第2459783号、米国特許第2449233号に記載される方法によって製造される。
使用されるアルカリ金属フルオリドは、特に制限されることはなく、例えば、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、フッ化ルビジウムなどが挙げられる。これらの中でも、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウムが好ましく、フッ化カリウムが特に好ましい。これらのアルカリ金属フルオリドは、それぞれ単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。
【0014】
アルカリ金属フルオリドの使用量は、塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物中の塩素原子に対して、1〜3当量、好ましくは1.1〜2当量、より好ましくは1.2〜1.5当量の範囲である。アルカリ金属フルオリドの使用量が過度に少ないと、完全なフッ素原子置換が行えず生成中間体が多くなり好ましくない。逆に、使用量が多い場合は、特に制限はないが、置換反応の効果が飽和に達しているので過度に使用することは経済的でない。
【0015】
本発明のフッ素化反応は反応溶媒として、鎖状アミド化合物を用いて行われる。鎖状アミド化合物は特に限定されないが、炭素数が通常20以下、好ましくは3〜15、より好ましくは3〜10のものが用いられる。鎖状アミド化合物の具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−N−フェニルホルムアミド、N,N−ジフェニルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−N−フェニルアセトアミド、N,N−ジフェニルアセトアミドなどが挙げられる。反応溶媒として、例えば、N−メチルピロリドンのような環状アミド化合物を用いても本発明のように高い収率でフッ化炭化水素化合物を得ることはできない(後記比較例1参照)。
【0016】
鎖状アミド化合物の使用量は、塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物1モル当り通常100〜1,000ml、好ましくは150〜800ml、より好ましくは200〜600mlの範囲である。溶媒の使用量が、過度に少ないと中間生成物が多く生成し、逆に、過度に多いと副反応生成物が生成し、いずれも目的化合物の収率を低下させるため好ましくない。
【0017】
本発明の方法において採用される反応温度は、50〜250℃、好ましくは80〜180℃、より好ましくは100〜160℃の範囲である。反応温度が、過度に低いと反応が十分に進行せず、逆に、過度に高いと、中間生成物の反応系外への放出が早く、また副反応が起こるために、いずれも目的生成物の収率を低下させ好ましくない。
反応時間は、反応条件により適宜選択されるが、通常15時間以内、好ましくは9時間以内である。反応圧力は、特に制限はなく、場合によって、加圧でも減圧でもよい。
【0018】
本発明の方法は、開放系で行われる。例えば、米国特許第3024290号に記載されるように閉鎖系でCFCPEをKFと反応させると、一回の反応における生産性が悪いうえに極端に低い収率でしかフッ化炭化水素化合物を得ることはできない。これは反応系中においてフッ化炭化水素化合物が分解または重合するためと考えられる。本発明のように反応を開放系で行って、生成したフッ化炭化水素化合物を系外へ除外することによって目的生成物を高収率で得ることができる。
【0019】
フッ素化反応の手法としては、精留塔を装備した反応容器を用い、アルカリ金属フルオリドを分散させた鎖状アミド溶媒中へ塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物を供給しつつ反応せしめる。この際、精留塔頂部より目的生成物のみを濃縮して純度良く単離すると同時に、原料および反応中間体を系外へ逃すことなく還流により反応容器内に戻しつつ反応を行うことが好ましい。
【0020】
生成物であるフルオロアルケンのようなフッ化炭化水素化合物の沸点が原料および反応中間体よりも低いことを利用して、反応容器に直接精留塔を装備しておくことにより、原料の逐次滴下供給と同時に目的生成物を精留塔塔頂部より逐次抜き出すという手法を用いることによって、収率の向上を図りながらも溶媒量を従来より大幅に削減可能となること、原料および反応中間体を反応容器中につねに戻すため、低い温度でもアルカリ金属フルオリドの量を従来より大幅に減らせることが可能となる。
【0021】
反応系への塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物の供給速度は目的生成物の流出に合わせて設定すればよいが、過剰であると系内に反応生成物が長時間滞留し、収率低下を招くので好ましくない。反応系への原料の供給速度(mol/hr)は目的反応生成物の抜き出し速度(mol/hr)の3倍以下、好ましくは0.1〜2倍、より好ましくは0.5〜1.5倍である。反応生成物は、精留塔塔頂部の温度を管理することにより得ることが可能である。塔頂部の温度は精留塔部の能力に見合った還流比を設定することにより生成物の沸点(圧力により固有に決まる)付近に設定できる。目的物の回収は常法に従って行うことができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例について本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(1)窒素気流下、滴下ロート、精留塔、温度計、攪拌装置を備えた500ミリリットルの四口フラスコにフッ化カリウム30.00g(0.516mol)、N,N−ジメチルホルムアミド50ミリリットルを仕込み、精留塔塔部に備え付けられたジムロート冷却器に−20℃の冷媒を流し、留分トラップを−70℃に冷却した。滴下ロートに1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン50.20g(0.205mol)を仕込んだ。0.5時間かけてフラスコ内の温度が135℃になるまで昇温した。昇温開始後0.07mol/hrの速度で原料を逐次滴下した。塔頂部の温度が生成物の沸点(27℃)に安定した後0.7時間(昇温開始より1.5時間)経過した時に留分の抜き出しを開始した。留分の抜き出し開始から3時間は時間当り0.07mol(1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンテン換算)の速度で抜き出しを行い、その後、塔頂部の温度が上昇を始めるまで(昇温開始より7.0時間)残部の留分の抜き出しを行ったところ、1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンテン38.24g(0.18mol、収率87.8%、純度99.8%:GPC分析)を得た。
【0023】
実施例2
窒素気流下、滴下ロート、精留塔、温度計、攪拌装置を備えた500ミリリットルの四口フラスコにフッ化カリウム45.3g(0.779mol)、N,N−ジメチルホルムアミド100ミリリットルを仕込み、精留塔塔部に備え付けられたジムロート冷却器に−10℃の冷媒を流し、留分トラップを−70℃に冷却した。滴下ロートに1,2,4−トリクロロ−3,3,4,5,5ペンタフルオロシクロペンテン23.95g(0.0916mol)、1,2,4,4−テトラクロロ−3,3,5,5テトラフルオロシクロペンテン26.00g(0.0936mol)を仕込み、混合した。0.4時間かけてフラスコ内の温度が140℃になるまで昇温した。昇温開始後0.07mol/hrの速度で原料を逐次滴下した。塔頂部の温度が生成物の沸点(26℃)に安定した後1.6時間(昇温開始より2.2時間)経過した時に留分の抜き出しを開始した。抜き出し開始から2.5時間まで時間当り1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンテン換算で0.07molの留分を抜き出し、その後、塔頂部の温度が上昇を始めるまで(昇温開始より6.4時間)残部の留分の抜き出しを行ったところ、1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンテン53.76g(0.169mol、収率91.0%、純度99.98%)を得た。
【0024】
比較例1
窒素気流下、滴下ロート、精留塔、温度計、攪拌装置を備えた500ミリリットルの四口フラスコにフッ化カリウム28.42g(0.489mol)、N−メチルピロリドン100ミリリットルを仕込み、精留塔塔部に備え付けられたジムロート冷却器に−20℃の冷媒を流し、留分トラップを−70℃に冷却した。滴下ロートに1,2−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−ヘキサフルオロシクロペンテン49.97g(0.204mol)を仕込んだ。0.5時間かけてフラスコ内の温度が135℃になるまで昇温した。昇温開始後0.07mol/hrの速度で原料を逐次滴下した。塔頂部の温度が生成物の沸点(26℃)に安定した後0.8時間(昇温開始より1.8時間)経過した時に留分の抜き出しを開始した。実施例1と同様にして留分を抜き出したところ、1,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロシクロペンテン31.20g(0.147mol、収率72.1%、純度99.8%)を得た。
【0025】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物からフッ化炭化水素化合物を高純度で収率よく、且つ工業的有利な方法で得ることができる。
本発明の方法により得られるフルオロアルケンのようなフッ化炭化水素は、さらに常法に従って水素化することにより容易にフルオロアルカンを製造することができる。
本発明の方法により得られるフルオロアルケンおよびそれを水素化してなるフルオロアルカンなどのフッ化炭化水素化合物は代替フロンおよびその中間体として、また、医薬、農薬、液晶、ポリマーなどの合成原料としても有用である。
【0026】
【好ましい実施態様】
前記式(1)で表されるハロゲン化炭化水素化合物から前記式(2)で表されるフッ化炭化水素化合物を製造する方法において、式(1)で表されるハロゲン化炭化水素化合物からなる基質の塩素原子に対し1〜3当量のアルカリ金属フルオリドを分散させた鎖状アミド化合物中へ、該基質の供給速度(mol/hr)が目的反応生成物の抜き出し速度(mol/hr)の3倍以下となるように該基質を供給しつつ、且つ、目的反応生成物を抜き出しつつ、開放系において該基質とアルカリ金属フルオリドとを反応せしめることを特徴とする、本発明のフッ化炭化水素化合物の製造法の好ましい実施の態様をまとめると以下のとおりである。
【0027】
(1)基質の供給速度(mol/hr)を目的反応生成物の抜き出し速度(mol/hr)の好ましくは0.1〜2倍、より好ましくは0.5〜1.5倍とする。
【0029】
(2)上記一般式(1)中のR1およびR2に相当するアルキル基、ハロゲン化アルキル基およびハロゲン化アルキル基は、炭素数1〜15、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜6を有する。
(3)塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物が脂環式化合物である。
【0030】
(4)アルカリ金属フルオリドは、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウムおよびフッ化ルビジウムの中から選ばれ、より好ましくはフッ化カリウム、フッ化ナトリウムまたはフッ化セシウムであり、最も好ましくはフッ化カリウムである。
(5)アルカリ金属フルオリドの使用量は、塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物中の塩素原子に対して、1〜3当量、より好ましくは1.1〜2当量、最も好ましくは1.2〜1.5当量の範囲である。
【0031】
(6)鎖状アミド化合物が20以下、より好ましくは3〜15、最も好ましくは3〜10の炭素数を有する。
(7)鎖状アミド化合物の使用量は、塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物1モル当り100〜1,000ml、より好ましくは150〜800ml、最も好ましくは200〜600mlの範囲である。
(8)反応温度は、50〜250℃、より好ましくは80〜180℃、最も好ましくは100〜160℃の範囲である。
【0032】
(9)精留塔を装備した反応容器を用い、アルカリ金属フルオリドを分散させた鎖状アミド化合物中へ塩素原子含有ハロゲン化炭化水素化合物を供給しつつ反応せしめる。この際、精留塔頂部より目的生成物のみを濃縮して純度良く単離すると同時に、原料および反応中間体を系外へ逃すことなく還流により反応容器内に戻しつつ反応を行う。
【0033】
(10)上記一般式(2)中のR3およびR4に相当するアルキル基、アルキレン基、フルオロアルキル基およびアルオロアルキレン基は、炭素数1〜15、より好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜6を有す。

Claims (1)

  1. 下記式(1)で表されるハロゲン化炭化水素化合物から下記式(2)で表されるフッ化炭化水素化合物を製造する方法において、式(1)で表されるハロゲン化炭化水素化合物からなる基質の塩素原子に対し1〜3当量のアルカリ金属フルオリドを分散させた鎖状アミド化合物中へ、該基質の供給速度(mol/hr)が目的反応生成物の抜き出し速度(mol/hr)の3倍以下となるように該基質を供給しつつ、且つ、目的反応生成物を抜き出しつつ、開放系において該基質とアルカリ金属フルオリドとを反応せしめることを特徴とするフッ化炭化水素化合物の製造法。
    一般式(1):
    Figure 0003873308
    (式中、R 1 およびR 2 は、それぞれ独立してアルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、または互いに結合して環を形成してなるアルキレン基もしくはハロゲン化アルキレン基を示す。)
    一般式(2):
    Figure 0003873308
    (式中、R 3 およびR 4 は、それぞれ独立してアルキル基、フッ素原子、フルオロアルキル基、または互いに結合して環を形成してなるアルキレン基もしくはフルオロアルキレン基を示す。)
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