JP3535608B2 - 塩化芳香族の製造方法 - Google Patents

塩化芳香族の製造方法

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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C17/00Preparation of halogenated hydrocarbons
    • C07C17/361Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving a decrease in the number of carbon atoms
    • C07C17/363Preparation of halogenated hydrocarbons by reactions involving a decrease in the number of carbon atoms by elimination of carboxyl groups

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は、クロロ蟻酸の芳香族エステルか
ら塩化芳香族を製造する液相方法に関するものである。 【0002】ルイス酸存在下の液相内でクロロ蟻酸の脂
肪族エステルを熱的に変換させて相当するクロロアルカ
ン類を生じさせることができることは知られている(ド
イツ特許出願公開第(DE−A)2 931 777
号、米国特許第4 814 524号およびドイツ特許
出願公開第(DE−C)857 350号参照)。 【0003】この反応をクロロ蟻酸の芳香族エステルに
適用する試みを行った結果、クロロ蟻酸の芳香族エステ
ルはハロゲノ蟻酸の脂肪族エステルとは異なる様式で反
応することが示された。芳香族溶媒とルイス酸の存在下
でクロロ蟻酸の芳香族エステルを加熱しても、塩化芳香
族を与える脱カルボキシル化反応が生じず、フリーデル
クラフツ反応様式で反応してフェニルベンゾエートを与
える(J.Org.Chem.22、325(195
7))。従って、この操作を芳香族溶媒を存在させない
で実施したとしても、脱カルボキシル化で生じ得るクロ
ロベンゼンが直ちに、まだ存在しているクロロ蟻酸の芳
香族エステルと反応してフェニルベンゾエートを与える
ことで、クロロベンゼンを単離することは不可能である
と予測されていたにちがいなかった。 【0004】置換されている塩化芳香族の製造を行う他
の方法も同様に欠点を有している。このように、アルキ
ル芳香族の直接的塩素化で生じるのは異性体の混合物の
みであり、これらの分離を生じさせるのは困難であり、
そしてしばしば、その望まれている異性体が含まれてい
る量は低い割合のみである(J.Org.Chem.5
5、5260から5269(1990))。 【0005】クロロ蟻酸の芳香族エステルからハロゲン
化芳香族への変換はまた、貴金属で被覆されているか或
は被覆されていない酸化アルミニウム存在下の気相内で
行われ得る(ヨーロッパ特許出願公開第188 241
号および427 603号)。 【0006】最後に、ドイツ特許出願公開第42 25
763号には、フッ化水素またはルイス酸の存在下で
加熱することによって相当するクロロ蟻酸エステルから
塩化芳香族を製造することができることが開示されてい
る。この場合の収率は20から74%であり、これはし
ばしば満足されるものでない。 【0007】式(I) 【0008】 【化3】 【0009】[式中、R1は、C1−C6−アルキルを表
し、R2は、水素またはC1−C6−アルキルを表し、そ
してR3は、水素、C1−C6−アルキル、フッ素、塩素
または臭素を表す]で表される塩化芳香族の製造方法を
ここに見い出したが、この方法は、不活性有機溶媒の存
在下、ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄およびハ
ロゲン化アンチモンから成る群から選択される1種以上
のルイス酸を触媒量で存在させて、式(II) 【0010】 【化4】 【0011】[式中、これらの使用する記号は式(I)
の下で与えた意味を有する]で表されるクロロ蟻酸エス
テルを液相内で90から240℃に加熱することを特徴
としている。 【0012】好適には、式(I)および(II)におい
て、R1は、直鎖もしくは分枝C1−C6−アルキルまた
は環状C5−C6−アルキルを表し、R2は、水素、直鎖
もしくは分枝C1−C6−アルキルまたは環状C5−C6
アルキルを表し、そしてR3は、水素、直鎖もしくは分
枝C1−C6−アルキル、環状C5−C6−アルキル、フッ
素または塩素を表す。 【0013】特に好適には、R1およびR2は、互いに独
立して、メチル、エチル、n−ブチルまたはi−プロピ
ルを表し、そしてR3は、水素またはメチルを表す。 【0014】置換基R2が水素を表さずそして置換基R1
とR2が塩素に対して2位と6位に存在しているのが更
に好適である。これらの場合、式(I)で表される塩化
芳香族が特に高い収率で得られる。 【0015】本発明に従う方法はクロロ蟻酸2,6−ジ
メチルフェニルを用いるに特に適切である。 【0016】本発明に従う方法を実施するための出発化
合物として必要な式(II)で表されるクロロ蟻酸エス
テルは、公知であるか或は公知化合物に類似して製造可
能である。 【0017】ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄お
よびハロゲン化アンチモンから成る群から選択される有
効なルイス酸は、例えば三塩化アルミニウム、三塩化
鉄、および塩化水素で前処理した酸化アルミニウムなど
である。クロロ蟻酸エステルから塩化芳香族への変換で
は有利に三塩化アルミニウムを用いる。 【0018】式(II)で表されるクロロ蟻酸エステル
を基準にして例えば0.01から50モル%、好適には
0.1から25モル%の量でルイス酸を用いることがで
きる。 【0019】本発明に従う方法で用いるに好適な不活性
有機溶媒はポリクロロベンゼン類であり、特に好適には
トリおよびテトラクロロベンゼン類、例えば1,2,3
−トリクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼ
ンおよび1,2,4,5−テトラクロロベンゼンなどで
ある。 【0020】バッチ式操作における溶媒量は、例えば出
発材料の少なくとも25重量%の量であってもよい。こ
の溶媒量の上限はない。経済的考慮から、一般に、10
倍以下(出発材料の重量を基準)の量で溶媒を用いる。
バッチ式操作で用いる溶媒の量は好適には50から50
0重量%(出発材料を基準)である。 【0021】連続操作では適宜その溶媒の量を少なくす
ることができる。この量は、連続運転操作1サイクル過
程で導入する出発材料の全体量を基準にして例えば2か
ら300重量%であってもよい。この量は好適には5か
ら30重量%である。 【0022】例えば、該溶媒とルイス酸を反応容器の中
に入れた後、反応温度でクロロ蟻酸エステルを加えるこ
とにより、本発明に従う方法を不連続的に実施すること
ができる。また、例えば、生じる式(I)で表される塩
化芳香族を連続的に留出させるような圧力および温度条
件下で、溶媒とルイス酸の混合物に式(II)で表され
るクロロ蟻酸エステルを連続的に供給することにより、
この操作を連続的に実施することも可能である。 【0023】この反応温度に関して、それが90から2
40℃の範囲内に入ることを確保する必要があり、これ
は、少なくとも、この特別な出発材料が脱カルボキシル
化を生じ始める温度と同じほど高くなるように選択した
温度である。これの最低温度は、適宜、常規予備試験を
行うことによって容易に決定可能である。240℃まで
ならば、制限なしに温度を高くすることができる。 【0024】本発明に従う方法を実施している間の圧力
は、少なくとも、その特別な反応温度で該出発材料と溶
媒を極めて多量にその液相の中に存在させるに充分なほ
ど高くなくてはならない。圧力を高くする方向には臨界
がない。圧力は例えば20バールに及んでもよい。 【0025】連続操作の場合の処理は、例えば、ガスの
発生が終了した後その生じた塩化芳香族をその反応混合
物から留出させるようにして行うことができる。例え
ば、蒸留などで有機溶媒を回収した後、それを再使用す
ることができる。 【0026】本発明に従う方法は数多くの利点を有して
いる。これは、式(I)で表される塩化芳香族、特に
2,6−ジアルキルクロロ−ベンゼン類を簡潔な様式
(単一段階)および特に良好な収率で製造することを可
能にする。これは簡単な装置を用い比較的低い温度で実
施可能である。溶媒を再利用することができる。本発明
に従う方法では、他の方法に比べて、反応中に生じるポ
リマー類および樹脂状の副生成物の数が少ない。 【0027】本発明に従う方法ではルイス酸を存在させ
るにも拘らずフリーデルクラフツ反応が生じないか或は
生じたとしても非常に低い度合であるということは驚く
べきことである。 【0028】 【実施例】実施例1 235gの1,2,3−トリクロロベンゼンと2gのA
lCl3に50gのクロロ蟻酸2,6−ジメチルフェニ
ルを190℃で20分かけて滴下した。ガス発生が終了
した後、2,6−ジメチルクロロベンゼンをその反応混
合物から留出させた。収率94%。 【0029】実施例2 7500mLの1,2,4−トリクロロベンゼンと50
gのAlCl3に2280gのクロロ蟻酸2,6−ジメ
チルフェニルを190℃で滴下すると同時に2,6−ジ
メチルクロロベンゼンをその反応混合物から留出させ
た。2,6−ジメチルクロロベンゼンの収量1690g
(理論値の97%)。 【0030】実施例3 433gの1,2,4,5−テトラクロロベンゼンと2
gのAlCl3に40gのクロロ蟻酸2,6−ジメチル
フェニルを195℃で20分かけて滴下した。ガス発生
が終了した後、2,6−ジメチルクロロベンゼンをその
反応混合物から留出させた。収率95%。 【0031】本発明の特徴および態様は以下のとおりで
ある。 【0032】1. 式(I) 【0033】 【化5】 【0034】[式中、R1は、C1−C6−アルキルを表
し、R2は、水素またはC1−C6−アルキルを表し、そ
してR3は、水素、C1−C6−アルキル、フッ素、塩素
または臭素を表す]で表される塩化芳香族の製造方法に
おいて、不活性有機溶媒の存在下、ハロゲン化アルミニ
ウム、ハロゲン化鉄およびハロゲン化アンチモンから成
る群から選択される1種以上のルイス酸を触媒量で存在
させて、式(II) 【0035】 【化6】 【0036】[式中、これらの使用する記号は式(I)
の下で与えた意味を有する]で表されるクロロ蟻酸エス
テルを液相内で90から240℃に加熱することを特徴
とする方法。 【0037】2. 式(I)および(II)において、
1が直鎖もしくは分枝C1−C6−アルキルまたは環状
5−C6−アルキルを表し、R2が水素、直鎖もしくは
分枝C1−C6−アルキルまたは環状C5−C6−アルキル
を表し、そしてR3が水素、直鎖もしくは分枝C1−C6
−アルキル、環状C5−C6−アルキル、フッ素または塩
素を表す、ことを特徴とする第1項記載の方法。 【0038】3. 式(I)および(II)において、
置換基R2が水素を表さずそして置換基R1とR2が塩素
に対して2位と6位に存在していることを特徴とする第
1項および2項記載の方法。 【0039】4. ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン
化鉄およびハロゲン化アンチモンから成る群から選択さ
れるルイス酸を、式(II)で表されるクロロ蟻酸エス
テル1モルに対して0.01から50モル%の量で用い
ることを特徴とする第1項から3項記載の方法。 【0040】5. 該反応温度が、少なくとも、その特
別な出発材料が脱カルボキシル化を生じ始める温度と同
じほど高いことを特徴とする第1項から4項記載の方
法。 【0041】6. 該圧力が、少なくとも、その特別な
反応温度で該出発材料と溶媒を極めて多量にその液相の
中に存在させるに充分なほど高いことを特徴とする第1
項から5項記載の方法。 【0042】7. その使用する溶媒がポリクロロベン
ゼン類であることを特徴とする第1項から6項記載の方
法。 【0043】8. 該反応が終了した後、その生じた式
(I)で表される塩化芳香族を蒸留でその反応混合物か
ら分離することを特徴とする第1項から7項記載の方
法。 【0044】9. 該式(II)で表される特別なクロ
ロ蟻酸エステルを溶媒とルイス酸の混合物の中に連続的
に供給し、そしてその生じた式(I)で表される塩化芳
香族を連続的に留出させることを特徴とする第1項から
7項記載の方法。 【0045】10. クロロ蟻酸2,6−ジメチルフェ
ニルを用いることを特徴とする第1項から9項記載の方
法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 独国特許出願公開4225763(DE,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 25/02 C07C 17/363 C07B 61/00 300

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 式(I) 【化1】 [式中、Rは、C−C−アルキルを表し、 Rは、水素またはC−C−アルキルを表し、そし
    てRは、水素、C−C−アルキル、フッ素、塩素
    または臭素を表す]で表される塩化芳香族の製造方法
    おいて、溶媒としてのポリクロロベンゼンの存在下、 ハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化鉄およびハロゲン
    化アンチモンから成る群から選択される1種以上のルイ
    ス酸を触媒量で存在させて、式(II) 【化2】 [式中、 これらの使用する記号は式(I)の下で与えた意味を有
    する]で表されるクロロ蟻酸エステルを液相内で90か
    ら240℃に加熱することを特徴とする方法。
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DE4415777A1 (de) 1995-11-09
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