JPH099040A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH099040A
JPH099040A JP7154556A JP15455695A JPH099040A JP H099040 A JPH099040 A JP H099040A JP 7154556 A JP7154556 A JP 7154556A JP 15455695 A JP15455695 A JP 15455695A JP H099040 A JPH099040 A JP H099040A
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JP
Japan
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data
image
block
scanning direction
histogram
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Application number
JP7154556A
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English (en)
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Shoji Imaizumi
祥二 今泉
Takamoto Nabeshima
孝元 鍋島
Hideyuki Hashimoto
英幸 橋本
Kazutomi Sakatani
一臣 坂谷
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH099040A publication Critical patent/JPH099040A/ja
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    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T9/00Image coding
    • G06T9/005Statistical coding, e.g. Huffman, run length coding
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06VIMAGE OR VIDEO RECOGNITION OR UNDERSTANDING
    • G06V10/00Arrangements for image or video recognition or understanding
    • G06V10/20Image preprocessing
    • G06V10/24Aligning, centring, orientation detection or correction of the image
    • G06V10/242Aligning, centring, orientation detection or correction of the image by image rotation, e.g. by 90 degrees

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  • Physics & Mathematics (AREA)
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  • Theoretical Computer Science (AREA)
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  • Character Input (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率よく原稿の天地認識を行う画像処理装置
を提供する。 【構成】 本発明の画像処理装置は、原稿のRGB画像
データを読み取る手段と、RGB画像データを明度成分
及び色度成分のデータに変換する処理部と、変換された
データにGBTC方式の符号化処理を施す処理部と、ブ
ロック毎の明度成分の階調幅指数の値から文字画像に属
するか否かを判別する手段と、文字画像に属すると判断
されたブロックについて、主走査方向及び副走査方向に
ついてのヒストグラムを形成する手段と、各ヒストグラ
ムの変化点の数に基づいて、原稿の文字の並ぶ方向を認
識し、当該方向に平行な走査方向のヒストグラムの変化
点に基づいて、文字の先頭方向を認識する処理部と、当
該処理結果に基づいて、記憶部より復号化処理部へ読み
出すブロックの読み出しアドレス、及び各ブロック内の
符号データを読み出す順序を変更する画像回転部とを備
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GBTC(Generalize
d Block Truncation Coding)方式を用いて、画像情報
の圧縮符号化を行う画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、原稿の画像データを圧縮伸張する
方式として、GBTC方式が提案されている。GBTC
方式では、原稿の画像データを所定の画素マトリクスの
ブロック毎に抽出し、各ブロック毎に、ブロック内のデ
ータより定められるパラメータP1以下のデータの平均
値Q1とパラメータP2(但し、P1<P2の関係を満
たす。)以上の値のデータの平均値Q4の和を2等分し
て求められる平均値情報LAと上記平均値Q4と平均値
Q1の差である階調幅指数LDとに基づいて、ブロック
内の各画素のデータを、当該ブロック内の階調分布の範
囲内において前記データよりも少ない階調レベルに量子
化して得られる符号データφijに圧縮符号化する。図
1は、一般的なGBTC方式の符号化処理の流れを説明
するための図である。GBTC方式では、(a)に示す
ように、原稿画像の画像データを4×4画素ブロック単
位で抽出する。抽出した4×4画素ブロック内の画像デ
ータには、GBTC方式の符号化処理が施される。この
GBTC方式の符号化処理により、各画素につき1バイ
ト(=8ビット)のデータ×16画素分の画像データ
(16バイト、即ち128ビット)が、(b)に示すよ
うに、1バイトの階調幅指数LDと、同じく1バイトの
平均値情報LA、各画素のデータを4段階に分類して割
り当てられる2ビット符号データ×16画素分の合計6
バイト(=48ビット)のデータに符号化される。これ
により、画像のデータ量は、3/8に圧縮される。
(c)は、符号化された画像データのデータ量が、符号
化前の画像データ6画素分に相当することを表す図であ
る。符号化されたデータの復号化は、階調幅指数LD及
び平均値情報LAに基づいて各2ビットの符号データに
対応する1バイトの画像データを算出することで実行さ
れる。
【0003】4×4画素ブロック内にある画素Xij
(但し、i及びjは、それぞれ1、2、3、4の何れか
の値である。)の画像データは、GBTC方式の符号化
処理及び復号化処理により4種類の値の256階調デー
タに置き換えられる。復号化されたデータは、原画像の
データと比較すると明らかに誤差を含む。しかし、当該
誤差は、人間の視覚特性上、目立ちにくいレベルであ
り、自然画像では、画質劣化は殆ど認められない。GB
TC方式では、符号化されたデータに含まれる階調幅指
数LD及び平均値情報LAから、パラメータQ1及びQ
4を求めることができる。即ち、パラメータP1以下の
黒色部分と、パラメータP2以上の白色部分からなる文
字画像は、符号化されたデータから再現することができ
る。画像データをDCT変換して得られるデータをハフ
マン符号化するJPEG方式では、原稿の種類によって
データの圧縮率が変化する。即ち、ある原稿に対して
は、GBTC方式よりも高いデータ圧縮を実現するが、
別の原稿では、殆ど圧縮することができない場合があ
る。このため、画像処理装置に備えるメモリの容量の設
定が難しい。しかし、GBTC方式では、一定の圧縮率
でデータの圧縮を行うことができる。このため、画像処
理装置に備えるメモリの容量の設定が容易であるといっ
た利点を備える。
【0004】JPEG方式の符号化処理を実行する画像
処理装置では、原稿の画像データを所定の画素マトリク
スよりなるブロックを単位として、DCT変換する。D
CT変換されたデータは、GBTC方式の符号化処理に
より得られる平均値情報LAや階調幅指数LD、そして
符号データφijのように、ブロックを構成する各画素
のデータの平均値や階調幅等を反映するデータではな
い。このため、DCT変換されたデータに加工を施して
も、再現される画像の濃度やカラーバランスを変更する
ことはできない。従って、画像認識処理として、原稿の
種類や天地の向き識別し、この結果に基づいて、用紙上
に再現される画像の編集/加工処理を行うには、これら
の処理を画像データの符号化前、もしくは、復号化後に
行う必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】画像処理装置の実行す
る画像認識処理の1つに天地認識がある。天地認識は、
原稿画像の天地を認識してコピー出力が適切な方向にな
るように、画像を回転するものである。例えば、特開平
4−229763号公報に開示される装置では、文字画
像の向きを認識し、これに基づいて、天地認識を行う。
しかしながら、この装置では、文字の認識のための処理
が複雑であり、処理に長時間を要し、しかも参照文字を
格納するために多くのメモリを必要とする。このため、
非現実的なシステムとなってしまい、実用上に問題があ
る。上記装置の他には、句読点の位置によって画像の向
きを判別する装置が提案されている。この装置は、上記
文字画像の向きを認識する装置と異なり、文字のパター
ンマッチングを必要としないため、比較的現実的ではあ
るが、句読点識別を、特別な回路やソフトウェアで行う
ため、処理時間が長くなる。また更に、原稿中の空白部
の分布によって画像の向きを判別する装置も提案されて
いる。原稿中の空白部の分布に基づく天地の識別は非常
に容易な方法ではあるが、原稿画像に文字画像と写真画
像が混在している場合や、文字画像に段組やタブが設定
されている場合等、空白部の形状が複雑化し、正確に天
地に識別ができないといった問題があった。また、JP
EG方式の符号化処理を行うデジタルフルカラー複写機
等においては、天地認識処理用に符号化前又は復号化後
の画像データを保持する大容量のメモリを必要とする。
また、天地認識処理は、上記大容量のメモリに記憶され
た画像データに対して実行されるため、多大な演算時間
を要するといった実用上の問題がある。
【0006】本発明の目的は、より簡単な構成で、原稿
画像の天地認識を正確に実行する画像処理装置を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置で
は、原稿のRGB画像データを読み取る読取手段と、読
取手段により読み取られた原稿のRGB画像データを明
度成分のデータと色度成分のデータに変換するデータ変
換処理部と、明度成分及び色度成分のデータを、それぞ
れ所定の画素マトリクスからなるブロックに分割し、各
ブロック毎に、ブロック内のデータより定められるパラ
メータP1以下の値のデータの平均値Q1とパラメータ
P2(但し、P1<P2の関係を有する)以上の値のデ
ータの平均値Q4の和を2等分して求められる平均値情
報と、上記平均値Q4と平均値Q1の差である階調幅指
数とに基づいて、ブロック内の各画素のデータを、当該
ブロック内の階調分布の範囲内において前記データより
も少ない階調レベルで量子化して得られる符号データに
符号化する符号化処理部と、符号化処理により各ブロッ
ク毎に得られる明度成分及び色度成分の平均値情報、階
調幅指数及び符号データを記憶する記憶部と、符号化処
理により各ブロック毎に得られる明度成分の階調幅指数
の値に基づいて、当該ブロックが文字画像に属するか否
かを判別する属性判別手段と、属性判別手段により文字
画像に属すると判断されたブロックについて、主走査方
向及び副走査方向についてのヒストグラムを形成するヒ
ストグラム形成手段と、ヒストグラム形成手段により形
成された主走査方向のヒストグラムの変化点の数と、副
走査方向のヒストグラムの変化点の数に基づいて、原稿
の文字の並ぶ方向を認識し、認識された原稿の文字の並
ぶ方向に平行な走査方向のヒストグラムの変化点であっ
て、値の増える変化点と値の減る変化点の数に基づい
て、文字の先頭方向を認識する天地認識処理部と、記憶
部から読み出されるブロックの平均値情報及び階調幅指
数に基づいて、当該ブロックの符号データを復号化する
復号化処理部と、復号化されたデータに基づいて、用紙
上に画像を形成する画像形成手段と、画像形成手段によ
り用紙上に形成される画像の向きが一定となるように、
天地認識処理部における処理結果に基づいて、記憶部よ
り復号化処理部へ読み出すブロックの読み出しアドレ
ス、及び各ブロック内の符号データの読み出す順序を変
更する画像回転部とを備える。
【0008】
【作用】本発明の画像処理装置では、データ変換手段が
読取手段により読み取られた原稿のRGB画像データを
明度成分及び色度成分のデータに変換する。符号化処理
部は、変換された明度成分及び色度成分のデータを、そ
れぞれ所定の画素マトリクスからなるブロックに分割
し、各ブロック毎に、ブロック内のデータより定められ
るパラメータP1以下の値のデータの平均値Q1とパラ
メータP2(但し、P1<P2の関係を有する)以上の
値のデータの平均値Q4の和を2等分して求められる平
均値情報と、上記平均値Q4と平均値Q1の差である階
調幅指数とに基づいて、ブロック内の各画素のデータ
を、当該ブロック内の階調分布の範囲内において前記デ
ータよりも少ない階調レベルで量子化して得られる符号
データに符号化する。属性判別手段は、符号化処理によ
り各ブロック毎に得られる明度成分の階調幅指数の値に
基づいて、当該ブロックが文字画像に属するか否かを判
別する。ヒストグラム形成手段は、属性判別手段により
文字画像に属すると判断されたブロックについて、主走
査方向及び副走査方向についてのヒストグラムを形成す
る。天地認識処理部は、ヒストグラム形成手段により形
成された主走査方向のヒストグラムの変化点の数と、副
走査方向のヒストグラムの変化点の数に基づいて、原稿
の文字の並ぶ方向を認識し、認識された原稿の文字の並
ぶ方向に平行な走査方向のヒストグラムの変化点であっ
て、値の増える変化点と値の減る変化点の数に基づい
て、文字の先頭方向を認識する。画像回転部では、画像
形成手段により用紙上に形成される画像の向きが一定と
なるように、天地認識処理部における処理結果に基づい
て、記憶部より復号化処理部へ読み出すブロックの読み
出しアドレス、及び各ブロック内の符号データの読み出
す順序を変更する。これにより、符号化処理の施された
データに基づいて、読み取り手段により読み取った原稿
の天地を認識し、認識した結果に基づいて、画像形成手
段により用紙上に形成される画像の向きを一定にするこ
とができる。
【0009】
【実施例】本発明の画像処理装置は、GBTC方式の符
号化処理により各ブロック毎に得られる階調幅指数LD
の主走査方向及び副走査方向のヒストグラム分布より原
稿画像の天地認識を行う。以下、添付の図面を用いて本
発明の画像処理装置に係る本実施例のデジタルフルカラ
ー複写機について以下の順で説明する。 (1)GBTC方式の符号化/復号化処理の説明 (2)デジタルフルカラー複写機 (3)天地認識処理 (3−1)天地認識処理の説明 (3−1−1)文字画像の特性 (3−1−2)天地認識処理の概略 (3−1−3)画像の回転処理 (3−2)メインルーチン (3−3)天地認識処理 (3−4)主走査方向ヒストグラム算出処理 (3−5)主走査方向エッジカウント処理 (3−6)副走査方向ヒストグラム算出処理 (3−7)副走査方向ヒストグラムエッジカウント処理 (3−8)エッジ数判定処理
【0010】(1)GBTC方式の符号化/復号化処理
の説明 GBTC方式では、原稿の画像データを所定の画素マト
リクスのブロック毎に抽出し、各ブロック毎に、ブロッ
ク内のデータより定められるパラメータP1以下のデー
タの平均値Q1とパラメータP2(但し、P1<P2の
関係を満たす。)以上の値のデータの平均値Q4の和を
2等分して求められる平均値情報LAと上記平均値Q4
と平均値Q1の差である階調幅指数LDとに基づいて、
ブロック内の各画素のデータを、当該ブロック内の階調
分布の範囲内において前記データよりも少ない階調レベ
ルに量子化して得られる符号データに圧縮符号化する。
【0011】図1は、本実施例のデジタルカラー複写機
の実行するGBTC方式の符号化処理の流れを示す図で
ある。GBTC方式では、図1(a)に示すように、原
稿画像の画像データを4×4画素ブロック単位で抽出す
る。抽出した4×4画素ブロック内の画像データは、以
下に図2を用いて説明する方式で符号化処理を行い、各
画素につき1バイト(=8ビット)のデータ×16画素
分の画像データ(16バイト、即ち128ビット)を、
図1(b)に示すように、1バイトの階調幅指数LD
と、同じく1バイトの平均値情報LA、各画素のデータ
を4段階に分類して割り当てられる2ビット符号データ
×16画素分の合計6バイト(=48ビット)のデータ
に符号化する。これにより、データ量を3/8に圧縮す
る。図1(c)は、符号化された画像データのデータ量
が、符号化前の画像データ6画素分に相当することを表
す図である。符号化されたデータの復号化は、階調幅指
数LD及び平均値情報LAに基づいて各2ビットの符号
データに対応する1バイトの画像データを算出すること
で実行される。なお、本実施例においては、原稿の画像
データを4×4画素ブロック単位で抽出するが、これに
限定されず、3×3画素ブロックや、6×6画素ブロッ
ク単位で抽出するものであってもよい。また、ブロック
内の各画素の256階調データを4階調の符号データに
符号化するものに限定されず、2階調や8階調の符号デ
ータに符号化するものであってもよい。順に説明するよ
うに、本発明の画像処理装置では、各ブロック毎に、ブ
ロック内のデータより定められるパラメータP1及びP
2から求められる階調幅指数LDを用いて、文字画像の
天地認識処理を実行することを特徴とするからである。
【0012】図2は、GBTC方式の符号化処理及び復
号化処理を示す図である。図2の(a)は、最大値Lm
ax,最小値Lminと、パラメータP1及びP2と、
階調幅指数LDとの関係を示す。4×4画素ブロック単
位で抽出した画像データから、符号化に必要な所定の特
徴量を求める。特徴量は、以下の演算により求められ
る。先ず、4×4画素ブロック内の各8ビットの画像デ
ータの最大値Lmaxと、最小値Lminを検出する。
次に、最小値Lminの値に最大値Lmax及び最小値
Lminの差の1/4を加算したパラメータP1と、最
小値Lminの値に上記差の3/4を加算したパラメー
タP2とを求める。なお、パラメータP1及びP2は、
次の「数1」及び「数2」の演算により求められる。
【数1】P1=(Lmax+3Lmin)/4
【数2】P2=(3Lmax+Lmin)/4 次に、各画素の画像データの内、パラメータP1以下の
画素の画像データの平均値Q1を求める。また、各画素
の画像データの内、パラメータP2以上の画素の画像デ
ータの平均値Q4を求める。求めた平均値Q1及びQ4
に基づいて、平均値情報LA=(Q1+Q4)/2と、
階調幅指数LD=Q4−Q1を求める。次に、「数3」
及び「数4」の演算を行い、基準値L1,L2を定め
る。
【数3】L1=LA−LD/4
【数4】L2=LA+LD/4 上記基準値L1,L2は、上記平均値情報LAと共に、
各画素の1バイト(8ビット)、即ち256階調の画像
データを2ビット、即ち4階調の符号データに符号化す
る際に用いる。次に符号割り当てを行う。図2の(b)
は、4×4画素ブロック内において、第i列目(但し、
i=1,2,3,4である。以下同じ)、及び第j行目
(但し、j=1,2,3,4である。以下同じ)にある
画素Xijのデータ値に応じて割り当てる符号データφ
ijの値を示す。より詳細には、画素Xijの値に応じ
て、次の「表1」に示す値の2ビットの符号データφi
jを割り当てる。
【表1】 GBTC方式で符号化されたデータは、16画素分の符
号データ(16×2ビット)と、各1バイト(8ビッ
ト)の階調幅指数LD及び平均値情報LAから構成され
る。
【0013】図2の(c)に示すように、符号化された
データを復号化する際には、上記階調幅指数LDと平均
値情報LAを用いる。即ち、第i列の第j行目にある画
素Xijに割り当てられた符号データφijの値に応じ
て、Xijのデータを次の「表2」に示す値の256階
調データに置き換える。
【表2】 GBTC方式の復号化処理では、ブロック内の各画素の
データを4種類の値の256階調データに置き換える。
このため、復号化されたデータは、原画像のデータと比
較すると明らかに誤差を含む。しかし、当該誤差は、人
間の視覚特性上、目立ちにくいレベルであり、自然画像
では、画質劣化は殆ど認められない。GBTC方式で
は、パラメータQ1及びQ4が符号化されたデータに含
まれる階調幅指数LD及び平均値LAとから完全に復元
される。このため、文字画像では、黒色部分がパラメー
タP1以下であり、白色部分がパラメータP2以上であ
れば、当該文字画像を完全に復元することができる。D
CT変換を用いて符号化を行うJPEG方式では、原稿
の種類によってデータの圧縮率が変化する。即ち、自然
画像に対しては、劣化の少ないGBTC方式よりも高い
データ圧縮を実現するが、2値画像、CG画像及び文字
画像では、殆ど圧縮することができない場合がある。こ
のため、画像処理装置に備えるメモリの容量の設定が難
しい。GBTC方式では、一定の圧縮率でデータの圧縮
を行うことができる。このため、画像処理装置に備える
メモリの容量の設定が容易であるといった利点を備え
る。
【0014】(2)デジタルフルカラー複写機 図3は、本実施例のデジタルカラー複写機の断面図であ
る。デジタルフルカラー複写機は、原稿のRGB画像デ
ータを読み取る画像読取部100と、複写部200とに
大きく分けられる。画像読取部100において、原稿台
ガラス107上に載置された原稿は、露光ランプ101
により照射される。原稿の反射光は、3枚のミラー10
3a,103b,103cによりレンズ104に導か
れ、CCDセンサ105で結像する。露光ランプ101
及びミラー103aは、スキャナモータ102により矢
印方向(副走査方向)に設定倍率に応じた速度Vで移動
する。これにより、原稿台ガラス上に載置された原稿が
全面にわたって走査される。また、ミラー103b,1
03cは、露光ランプ101とミラー103aの矢印方
向への移動に伴い、V/2の速度で、同じく矢印方向
(副走査方向)に移動する。CCDセンサ105により
得られるR,G,Bの3色の多値電気信号は、読取信号処
理部106により、シアン(C)、マゼンダ(M)、イ
エロー(Y)、ブラック(BK)の何れかの8ビットの
階調データに変換された後に、外部出力ポート108及
び複写部200に出力される。複写部200において、
画像データ補正部201は、入力される階調データに対
して感光体の階調特性に応じた階調補正(γ補正)を行
う。プリンタ露光部202は、補正後の画像データをD
/A変換してレーザダイオード駆動信号を生成し、この
駆動信号により半導体レーザを発光させる。階調データ
に対応してプリンタ露光部202から発生されるレーザ
ビームは、反射鏡203a,203bを介して回転駆動
される感光体ドラム204を露光する。感光体ドラム2
04は、1複写毎に露光を受ける前にイレーサランプ2
11で照射され、帯電チャージャ205により一様に帯
電されている。この状態で露光を受けると、感光体ドラ
ム204上に原稿の静電潜像が形成される。シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック
(BK)のトナー現像器206a〜206dのうちの何
れか1つだけが選択され、感光体ドラム204上の静電
潜像を現像する。現像されたトナー像は、転写前イレー
サ208により余分な電荷が除去された後、転写チャー
ジャ209により転写ドラム218上に巻き付けられた
複写紙に転写される。転写ドラム218は、表面に転写
フィルムが張り付けられており、感光体の回転速度と同
じ速度で反時計回りに回転する。また、複写紙の保持位
置と画像転写位置の同期をとるために基準板220aが
転写ドラム218の内側に設けられている。基準位置セ
ンサ220bは、転写ドラム218の回転に伴い、基準
板220aが当該センサを横切る毎に所定の基準信号を
発生する。複写紙は、給紙カセット群212から給紙ロ
ーラ213により搬送路へ搬送され、搬送ローラ214
によりタイミングローラ217に搬送される。複写紙が
手差しトレイ216より挿入される場合は、搬送ローラ
215によりタイミングローラ217に搬送される。タ
イミングローラ217は、上記基準信号に同期して複写
紙を転写ドラム218に供給し、複写紙を転写ドラム2
18上の所定の位置に保持する。タイミングローラ21
7から転写ドラム218に供給された複写紙は、吸着チ
ャージャ219により転写ドラム218に静電吸着され
る。上記印字過程は、シアン(C)、マゼンダ(M)、
イエロー(Y)及びブラック(BK)の4色について繰
り返し行われている。このとき、感光体ドラム204
と、転写ドラム218の動作に同期して露光ランプ10
1とミラー103a,103b,103cは、所定の動
作を繰り返す。その後、複写紙は、除電分離チャージャ
対221により静電吸着していた用紙の電荷が除去され
ることで、転写ドラム218から分離される。転写ドラ
ム218から分離した複写紙は、定着ローラ対223に
より定着処理の施された後、排紙トレイ224に排紙さ
れる。
【0015】図4は、上記読取信号処理部106の実行
する各信号処理を示すブロック図である。CCDセンサ
105により読み取られた原稿のR,G,Bの各画像デ
ータは、各複写機の備えるCCDセンサ105の個体差
によるばらつきを有する。このため、同じ色表の基準パ
ッチを読み取った場合でも、複写機毎に読み取りデータ
の値が異なる。読み取り装置色補正処理部601では、
読み取ったRGB画像データを、NTSC規格やハイビ
ジョン規格などで規格化されている標準RGB画像デー
タに補正する。読み取り装置色補正処理部601におい
て補正の施されたOR,OG,OBの各画像データは、
次の色空間変換処理部602に出力されると共に、外部
入出力ポート108に出力される。当該複写機に接続さ
れる周辺装置は、外部入出力ポート108を介して原稿
のOR,OG,OBの画像データを受け取る。また、本
実施例の複写機では、周辺装置から外部入出力ポート1
08を介して入力されるOR,OG,OBの画像データ
を用いて画像を形成することも可能であり、この場合、
複写機はプリンタとして機能することとなる。これは、
読み取り装置色補正処理部601以降の各処理部が標準
化されたRGB画像データを用いるように設定されてい
るためである。色空間変換処理部602は、標準化され
たRGB画像データ(OR,OG,OB)を、XYZ表
色系に変換した後、L*a*b*表色系の各データに変
換する。図5は、L*a*b*表色系立体を示す図であ
る。明度0(黒色)〜255(白色)はL*、色相及び
彩度は、a*,b*という単位で表される。色度成分a
*及びb*は、それぞれ色の方向を表し、色度成分a*
は、赤〜緑方向、色度成分b*は、黄〜青方向を表す。
ここで、RGB画像データをL*a*b*表色系に変換
するのは、以下の理由による。前述したように、GBT
C方式では、4×4画素ブロック内の各8ビットの画像
データXijを2ビットの符号データφijに変換す
る。復号化の際には、階調幅指数LDと平均値情報LA
とに基づいて特定される4種類の値の256階調データ
を、各画素に割り当てられた符号データφijに対応さ
せて置き換える。このように、復号化により得られる画
像データは、符号化する前の画像データとに対してある
程度の誤差を有する。これら誤差を有するR,G,Bの
各画像データを用いて各画素の色を再現すると、原稿の
エッジ部分の色にずれが生じる。しかしながら、L*a
*b*表色系の各データを用いれば、復号化されるデー
タの値に誤差が生じても、明度や色度が多少変化するだ
けで、原稿のエッジ部分に色のずれが生じることはな
い。このため、本実施例の複写機では、原稿の画像デー
タを符号化及び復号化する際に、一旦、RGB画像デー
タをL*a*b*表色系のデータに変換する。本実施例
の複写機でL*a*b*表色系のデータを用いるのは、
上記理由によるもので、RGB画像データを色相、明
度、彩度のデータに変換するものであれば、L*u*v
*表色系や、YCrCb、HVC等の他の表色系のデー
タに変換するものであっても良い。色空間最適化処理部
603は、L*a*b*表色系で表される原稿の画像情
報L*,a*,b*のそれぞれのデータを符号化する前
に、復号時における画像データの劣化を低減するため、
各データに対して図6に示す(a)〜(c)のグラフに
基づく演算処理を実行して、明度成分L*の分布を各原
稿毎に0〜255の範囲に分布するように変更し、色度
a*及びb*の各成分の分布を各原稿毎に−127〜1
28の範囲に分布するように変更する。まず、原稿の画
像情報L*,a*,b*のそれぞれのデータについて、
最大値L*max,a*max,b*max、及び最小
値L*min,a*min,b*minを求める。色空
間最適化処理部603では、明度成分L*について、次
の「数5」に示す演算を実行し、明度成分L1*を求め
る。
【数5】 L1*=255/(L*max−L*min)×(L*−L*min) 当該演算処理は、図6の(a)に示すグラフに基づくも
のである。即ち、上記「数5」の演算では、L*max
〜L*minの範囲で分布する明度成分L*の値を0〜
255の範囲に分布する値に変更する。また、色度成分
a*について、次の「数6」に示す演算を実行し、色度
成分a1*を求める。なお、「数6」では、a*の値が
0の場合、最適化処理後のa1*の値も0となるように
処理する。これは、画素の色が色度成分a*及びb*の
値が共に0である無彩色である場合に、これを維持する
ためである。
【数6】 a1*=128/a*max×a* 但し、0≦a*≦a*max a1*=127/|a*min|×(a*−a*min)−127 但し,a*min≦a*≦0 当該演算処理は、図6の(b)に示すグラフに基づくも
のである。即ち、上記「数6」の演算では、0〜a*m
axの範囲に分布するa*の各値を0〜128の範囲に
分布する値に変更し、a*min〜0の範囲で分布する
色度成分a*の各値を−127〜0の範囲に分布するよ
うに変更する。更に、色度成分b*について、次の「数
7」に示す演算を実行し、色度成分b1*を求める。
「数7」では、上記「数6」と同様に、b*の値が0の
場合、最適化処理後のb1*の値も0となるように処理
する。これは、画素の色が色度成分a*及びb*の値が
共に0である無彩色である場合に、これを維持するため
である。
【数7】 b1*=128/b*max×b* 但し、0≦b*≦b*max b1*=127/|b*min|×(b*−b*min)−127 但し,b*min≦b*≦0 当該演算処理は、図6の(c)に示すグラフに基づくも
のである。即ち、上記「数7」の演算では、0〜b*m
axの範囲に分布するb*の各値を0〜128の全範囲
に分布する値に変更し、b*min〜0の範囲で分布す
る色度成分b*の各値を−127〜0の範囲に分布する
ように変更する。なお、上記「数5」〜「数7」に示す
演算で用いた原稿の画像情報L*,a*,b*のそれぞ
れのデータについて、最大値L*max,a*max,
b*max、及び最小値L*min,a*min,b*
minは、それぞれ、ハードディスク614に記憶して
おき、色空間逆変換処理を行う際に使用する。以上の演
算処理を行うのは、以下の理由による。即ち、GBTC
方式による符号化処理及び復号化処理においては、先の
「数1」〜「数4」、及び「表2」に示すように、割り
算を多用する。このため、各画素の成分データの差が小
さい場合には演算の途中でその差が無くなってしまい復
号化処理により得られる画像データの再現性が低下す
る。色空間最適化処理部603では、上記演算により、
明度成分L*の分布を各原稿毎に0〜255の範囲に分
布する値に変更し、色度a*及びb*の各成分の分布を
各原稿毎に−127〜128の範囲に分布する値に変更
する。これにより上記不都合を軽減する。符号化/復号
化処理部604では、GBTC方式の符号化処理を実行
した後、後に詳しく説明するように、各ブロック単位で
画像の属性を判別し、判別した結果に基づいて、符号化
されたデータ(階調幅指数LD,平均値情報LA,符号
データφij)を再び圧縮する。ここで、画像の属性と
は、白黒べた画像、カラーべた画像、白黒2値画像、白
黒多値画像、フルカラー画像の5つをいう。再度の圧縮
により得られる圧縮データは、圧縮画像メモリ610に
格納され、その画像の属性を示すフラグf1,f2及び
f3は、ハードディスク614に格納される。復号化処
理を行う場合、CPU611は、圧縮画像メモリ610
から各アドレスに対応する圧縮データを符号化/復号化
処理部604に読み出すと共に、ハードディスク614
から画像の属性を示すフラグf1,f2及びf3を読み
出す。符号化/復号化処理部604では、画像の属性を
示すフラグf1,f2及びf3の値に基づいて、再圧縮
されたデータを符号化されたデータ(階調幅指数LD,
平均値情報LA,符号データφij)に伸張する。続い
て、GBTC方式に従って符号化されたデータを復号化
し、画像データの明度成分L2*,色度成分a2*及び
b2*を出力する。色空間逆最適化処理部605では、
最大値L*max,a*max,b*max、及び最小
値L*min,a*min,b*minをハードディス
ク614より読み出し、読み出した値を用いて、復号化
されたL2*,a2*,b2*の各データの分布を元の
L*max〜L*min,a*max〜a*min,b
*max〜b*minに戻す。これらの処理は、図7の
(a)〜(c)に示すグラフに基づいて実行される。即
ち、明度成分L2*については、次の「数8」の演算処
理を施して、L*max〜L*minに分布する明度成
分L3*に戻す。
【数8】 L3*=(L*max−L*min)/255×L2*+L*min 色度成分a*については、次の「数9」の演算処理を実
行し、a*max〜a*minに分布する色度成分a3
*に戻す。
【数9】 a3*=a*max/128×a2* 但し、0≦a*≦128 a3*=127/|a*min|×(a*+127)+a*min 但し、−127≦a*≦0 色度成分b*については、次の「数10」の演算処理を
実行し、b*max〜b*minに分布する色度成分b
3*に戻す。
【数10】 b3*=b*max/128×b2* 但し、0≦b*≦128 b3*=127/|b*min|×(b*+127)+b*min 但し、−127≦b*≦0 色空間逆変換処理部606では、上記色空間逆最適化処
理部605において、復元されたL3*,a3*,b3
*の各データをOR1,OG1,OB1のRGB画像デ
ータに逆変換する。反射/濃度変換処理部607は、O
R1,OG1,OB1のRGB画像データに所定の反射
/濃度変換処理を施した後、DR,DG,DBの濃度デ
ータを出力する。濃度データに変換されたRGB画像デ
ータは、マスキング処理部608において、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック
(BK)の何れか1色の画像データに変換された後、画
像データ補正部201に出力される。画像データ補正部
201では、マスキング処理部608より出力された階
調データに対して、所定の階調補正(γ補正)処理を施
した後、プリンタ露光部202に、当該階調データを出
力する。
【0016】(3)天地認識処理 (3−1)天地認識処理の説明 (3−1−1)文字画像の特性 図8は、代表的な横書き文字原稿の一例を示す。図中、
黒線部分が文字画像でそれ以外は白紙であることを示
す。原稿左側及び上側には、文字についてのヒストグラ
ムを示す。この原稿画像では、センタリングされたタイ
トルとページ数と、3つの項目と、それぞれの項目につ
いて数行の文章が書かれているものを想定している。こ
の原稿内の文書は、各項目に対し、タブ指定などで数文
字の書き始めの位置が右側にシフトされている。また、
文の始めは、一文字分右側にシフトされている。また、
文は左上から書き始め、項目や文脈の区切れにより、改
行して左側から書き始め、右下方向に進むものとする。
この原稿画像について、主走査方向及び副走査方向につ
いて、文字の分布についてヒストグラムを求める。既に
説明したように、GBTC方式の符号化処理によりブロ
ック毎に求められる階調幅指数LDの値は、ブロック内
部の各画素の画像データの階調幅についての情報であ
る。文字画像は、2値画像の1種であり、文字画像に属
するブロック内の各画素の階調の幅は、中間調画像に比
べ大きくなる。そこで、本実施例の複写機では、各ブロ
ック毎に得られる階調幅指数LDの値が、所定値以上の
値であるブロックを文字画像に属するブロックであると
判断する。そして、文字画像に属すると判断されるブロ
ックについて、主走査方向及び副走査方向のヒストグラ
ムを求める。これにより、天地認識処理に用いるデータ
の量を1/16に減少する。なお、文字画像に属するか
否かの判断は、上記方法に限られず、各ブロックに割り
当てられた階調幅指数LDの値が所定値以上であり、か
つ、各画素に割り当てられた符号データφijが”1
1””01”の何れかのみで構成されている場合に、当
該ブロックを文字画像に属すると判断しても良い。本発
明は、GBTC方式の符号化処理により各ブロック毎に
得られたデータ(平均値情報LA、階調幅指数LD、符
号データφij)を用いて、文字画像に属するブロック
を判別し、文字画像に属すると判別されたブロックにつ
いての主走査方向及び副走査方向のヒストグラムを求
め、求めたヒストグラムに基づいて、原稿の天地認識を
行うことを特徴とするものであるからである。文字画像
に属すると判断されたブロックについて求められたヒス
トグラムの変化点について、その変化の方向を考慮にい
れてカウントする。この結果、文字の並びと垂直方向
(図では縦方向)では、文字の並び方向(図では横方
向)に比べて、エッジの立ち上がる(以下、これをプラ
スエッジという)数と、エッジの立ち下がる(以下、こ
れをマイナスエッジという)数との合計が、非常に多い
ことが解る。本実施例の複写機では、この文字画像の特
性を利用することで、文字の並びと、原稿の向きとを識
別する。図8に示す原稿において、文字の並びの方向
(図では横方向)のヒストグラムから、マイナスエッジ
の数がプラスエッジの数よりも多いことが解る。これ
は、文の先頭箇所、即ち文字の書き始めの位置は、項目
の設定やタブの指定により様々であるが、これらは一カ
所に集中する傾向があるのに対し、文の終わる箇所はま
ちまちであり、その変化点は分散する傾向にあるからで
ある。このように、文の先頭側よりヒストグラムのエッ
ジを見た場合、プラスエッジより、マイナスエッジの方
が多くなる傾向がある。この文字画像の特性を利用し
て、プラスエッジとマイナスエッジの数の関係より文字
の先頭方向を認識することができる。また、図8に示す
原稿中、センタリングされている文字については、文字
の先頭位置の終了位置もまちまちであるが、プラスエッ
ジとマイナスエッジがそれぞれ一つづつであるため、天
地認識処理の結果には影響を与えない。
【0017】図9は、段組みされた横書きの文書からな
る原稿を示す。図中、黒線部分は文字で、それ以外は白
紙であることを意味する。本図においても、図8と同
様、原稿の左側及び上側に文字についてのヒストグラム
を示す。この原稿画像では、段組みされてること以外で
は図8に示す原稿と同じ設定である。この原稿において
も、図8に示す原稿と同様に、主走査方向と副走査方向
のヒストグラムのプラスエッジとマイナスエッジの合計
から、文字の並ぶ方向を認識することができると共に、
文字の並ぶ方向のヒストグラムにおけるプラスエッジと
マイナスエッジの関係から文字の先頭方向を認識するこ
とができる。本図に示す原稿と図8に示す原稿との違い
は、段組みがなされているか否かであるが、ヒストグラ
ム上では、中央部に段差が発生するだけであり、この段
差についてもプラスエッジとマイナスエッジがそれぞれ
一つづつであるため、天地認識処理の結果には影響を与
えない。
【0018】図10は、写真などの中間調画像を含む文
字原稿を示す。図中、黒線部分が文字画像であり、黒枠
内は、中間調画像である。そして、それ以外は白紙であ
ることを意味する。本図においても、図8と同様、原稿
の左側及び上側に文字についてのヒストグラムを示す。
本図に示す原稿は、中間調画像を含むこと以外は、図8
に示す原稿と同じである。この原稿においても、図8に
示す原稿と同様に、主走査方向及び副走査方向のヒスト
グラムにおけるプラスエッジとマイナスエッジの数の合
計より文字の並ぶ方向を認識することができ、この文字
の並ぶ方向のプラスエッジとマイナスエッジの関係より
文字の先頭方向を認識することができる。本図に示す原
稿と図8に示す原稿との違いは、原稿中に中間調画像を
含んでいるか否かである。一般的な中間調画像には、エ
ッジ部分が少ない。このため、ヒストグラムには、ほと
んど影響を与えない。従って、原稿中に中間調画像を含
む部分でヒストグラムのレベルがやや下がるが、プラス
エッジとマイナスエッジの数はさほど変化せず、天地認
識処理の結果には影響を与えない。
【0019】(3−1−2)天地認識処理の概略 図11は、原稿台107上への原稿の置かれ方と用紙上
への画像の出力形態を示す。原稿台107上に図11の
(a1)に示す方向に原稿が載置された場合、CCDセ
ンサ104により読み取られる原稿の画像データは、符
号化処理部においてGBTC方式の符号化処理の施され
た後に、圧縮画像メモリ610に(a2)に示す向きに
格納される。使用者側より見て天地が正常な状態のコピ
ー出力を行うには、圧縮画像メモリ610から読み出し
たデータをRGB画像データに復号化してプリンタ露光
部202に出力する前に、180度回転すればよい。図
11の(a1)に示すように、原稿台107上に載置さ
れた原稿の文字の並ぶ方向が副走査方向である場合、ヒ
ストグラムは、主走査方向のエッジの数が副走査方向の
エッジの数よりも多くなる。また、本図のように、文字
の先頭方向が図中、右側にあるときには、文字の並ぶ方
向、即ち、副走査方向のヒストグラムのプラスエッジの
数がマイナスエッジの数よりも多くなる。そこで、本実
施例の複写機では、読み取った原稿の画像データのヒス
トグラムが、当該条件を満たす場合には、圧縮画像メモ
リ610から読み出したデータをRGB画像データに復
号化してプリンタ露光部202に出力する前に、180
度回転する。また、原稿台107上に図11の(b1)
に示す方向に原稿が載置された場合、CCDセンサ10
4により読み取られる原稿の画像データは、符号化処理
部においてGBTC方式の符号化処理の施された後に、
圧縮画像メモリ610に(b2)に示す向きに格納され
る。使用者側より見て天地が正常な状態のコピー出力を
行うには、圧縮画像メモリ610から読み出したデータ
をRGB画像データに復号化して、そのままの状態でプ
リンタ露光部202に出力すればよい。図11の(b
1)に示すように、原稿台107上に載置された原稿の
文字の並ぶ方向が副走査方向である場合、ヒストグラム
は、主走査方向のエッジの数が副走査方向のエッジの数
よりも多くなる。また、本図のように、文字の先頭方向
が図中、左側にあるときには、文字の並ぶ方向、即ち、
副走査方向のヒストグラムのプラスエッジの数がマイナ
スエッジの数よりも少なくなる。そこで、本実施例の複
写機では、読み取った原稿の画像データのヒストグラム
が、当該条件を満たす場合には、圧縮画像メモリ610
から読み出したデータをRGB画像データに復号化し
て、そのままの状態でプリンタ露光部202に出力す
る。また、原稿台107上に図11の(c1)に示す方
向に原稿が載置された場合、CCDセンサ104により
読み取られる原稿の画像データは、符号化処理部におい
てGBTC方式の符号化処理の施された後に、圧縮画像
メモリ610に(c2)に示す向きに格納される。使用
者側より見て天地が正常な状態のコピー出力を行うに
は、圧縮画像メモリ610から読み出したデータをRG
B画像データに復号化してプリンタ露光部202に出力
する前に、270度回転すればよい。図11の(c1)
に示すように、原稿台107上に載置された原稿の文字
の並ぶ方向が主走査方向である場合、ヒストグラムは、
主走査方向のエッジの数が副走査方向のエッジの数より
も少くなる。また、本図のように、文字の先頭方向が図
中、上側にあるときには、文字の並ぶ方向、即ち、主走
査方向のヒストグラムのプラスエッジの数がマイナスエ
ッジの数よりも多くなる。そこで、本実施例の複写機で
は、読み取った原稿の画像データのヒストグラムが、当
該条件を満たす場合には、圧縮画像メモリ610から読
み出したデータをRGB画像データに復号化してプリン
タ露光部202に出力する前に、270度回転する。ま
た、原稿台107上に図11の(d1)に示す方向に原
稿が載置された場合、CCDセンサ104により読み取
られる原稿の画像データは、符号化処理部においてGB
TC方式の符号化処理の施された後に、圧縮画像メモリ
610に(d2)に示す向きに格納される。使用者側よ
り見て天地が正常な状態のコピー出力を行うには、圧縮
画像メモリ610から読み出したデータをRGB画像デ
ータに復号化してプリンタ露光部202に出力する前
に、90度回転すればよい。図11の(d1)に示すよ
うに、原稿台107上に載置された原稿の文字の並ぶ方
向が主走査方向である場合、ヒストグラムは、主走査方
向のエッジの数が副走査方向のエッジの数よりも少なく
なる。また、本図のように、文字の先頭方向が図中、下
側にあるときには、文字の並ぶ方向、即ち、主走査方向
のヒストグラムのプラスエッジの数がマイナスエッジの
数よりも少なくなる。そこで、本実施例の複写機では、
読み取った原稿の画像データのヒストグラムが、当該条
件を満たす場合には、圧縮画像メモリ610から読み出
したデータをRGB画像データに復号化してプリンタ露
光部202に出力する前に、90度回転する。
【0020】(3−1−3)画像の回転処理 図12は、符号化/復号化処理部604及び圧縮画像メ
モリ610の回路図である。色空間最適化処理部603
より入力される明度成分L1*、色度成分a1*及びb
1*は、符号化/復号化処理部604において、それぞ
れ別個に処理される。従って、図12に示す回路は、実
際には、明度成分L1*用、色度成分a1*用、そして
色度成分b*用と、3つ備えられる。しかし、明度成分
L1*、色度成分a1*及びb1*に施される処理の内
容は、同じである。本実施例においては、説明の重複を
避けるため、明度成分L1*に施す処理について、図1
2を用いて説明する。入力される明度成分L1*のシリ
アルデータは、入力ラインメモリ621において、4×
4画素マトリクスを1単位とするブロック毎のデータと
される。符号化部620は、入力されるブロック毎のデ
ータに対しGBTC方式の符号化処理を施す。符号化部
620より出力される符号化されたデータは、1バイト
の平均値情報LA、1バイトの階調幅指数LD、4バイ
トの符号データφijである。平均値情報LAは、圧縮
画像メモリ610内のLAメモリ630に格納される。
階調幅指数LDは、圧縮画像メモリ610内のLDメモ
リ631に格納される。符号データφ11〜φ14は、
data1メモリ632に格納される。符号データφ2
1〜φ24は、data2メモリ633に格納される。
符号データφ31〜φ34は、data3メモリ634
に格納される。符号データφ41〜φ44は、data
4メモリ635に格納される。このデータの書き込みの
際のアドレスは、アドレス生成部622により生成され
る。画像データを復号化する場合、CPU611は、後
にフローチャートを用いて説明する天地認識処理におい
て設定される画像の回転角度の情報(0度、90度、1
80度、270度)を、アドレス生成部622及び符号
データ回転部623に出力する。アドレス生成部622
では、CPU611より入力される回転角度の情報に基
づいて、所定の読み出しアドレスを形成し、圧縮画像メ
モリ610に出力する。圧縮画像メモリ610は、アド
レス生成部622より入力される読み出しアドレスに対
応するアドレスのブロックについての符号化されたデー
タを出力する。符号データ回転部623では、CPU6
11より入力される回転角度に応じて、圧縮画像メモリ
610より入力される符号データφijの並び替えを行
い、並べ替えた符号データを復号化部624に出力す
る。復号化部624では、ブロック単位で入力される符
号化されたデータ(平均値情報LA、階調幅指数LD、
符号データφij)に対してGBTC方式の復号化処理
を施し、明度成分L2*を出力する。出力ラインメモリ
625は、ブロック単位で復号化される明度成分L2*
のデータを元のシリアルデータに変換し、色空間逆最適
化処理部605に出力する。
【0021】以下に、アドレス生成部622における、
読み出しアドレスの生成について説明する。プリンタ露
光部202は、入力される画像データに基づいて、レー
ザビームを発光し、感光体ドラム204上に静電線像を
形成する。上記レーザビームの感光体ドラム204上へ
の照射は、主走査方向と逆の方向から開始され、順に副
走査方向へと進む。図11の左端の(d)に示す原稿に
付した矢印は、感光体ドラム204上に静電線像の形成
される方向を示す。CPU611より入力される回転角
度の情報が180度の場合、アドレス生成部622は、
圧縮画像メモリ610に格納されている各ブロック毎の
符号化されたデータを、図11の(a2)に示す矢印の
方向に読み出す読み出しアドレスを生成する。ここで、
圧縮画像メモリ610内における各ブロックの位置を特
定するアドレスをx,yで表現する。主走査方向に並ぶ
ブロックの数をWX、副走査方向に並ぶブロックの数を
WYとする。アドレス生成部622は、読み出しアドレ
スX,Yを、次の「数11」の演算により生成する。
【数11】X=(WX−1)−x Y=(WY−1)−y CPU611より入力される回転角度の情報が、0度の
場合には、アドレス生成部622は、圧縮画像メモリ6
10に格納されている各ブロック毎の符号化されたデー
タを図11の(b2)に示す矢印の方向に読み出す読み
出しアドレスを次の「数12」の演算により生成する。
【数12】X=x Y=y CPU611より入力される回転角度の情報が、270
度の場合には、アドレス生成部622は、圧縮画像メモ
リ610に格納されている各ブロック毎の符号化された
データを図11の(c2)に示す矢印の方向に読み出す
読み出しアドレスを次の「数13」の演算により生成す
る。
【数13】X=(WY−1)−y Y=x CPU611より入力される回転角度の情報が、90度
の場合には、アドレス生成部622は、圧縮画像メモリ
610に格納されている各ブロック毎の符号化されたデ
ータを図11の(d2)に示す矢印の方向に読み出す読
み出しアドレスを次の「数14」の演算により生成す
る。
【数14】X=y Y=(WX−1)−x
【0022】図13は、符号データ回転部623が、C
PU611より入力される回転角度の情報に基づいて出
力する符号データの内容を、圧縮画像メモリ610内の
data1メモリ632、data2メモリ633、d
ata3メモリ634及びdta4メモリ635から出
力される符号データとの関係において説明する図であ
る。data1メモリ632からは、符号データφ11
〜φ14が順に出力される。data2メモリ633か
らは、符号データφ21〜φ24が順に出力される。d
ata3メモリ634からは、符号データφ31〜φ3
4が順に出力される。data4メモリ635からは、
符号データφ41〜φ44が順に出力される。CPU6
11より入力された回転角度の情報が180度である場
合、符号データ回転部623は、図13の(a)に示す
ように、data1としてφ44、φ43、φ42、φ
41を順に出力し、data2としてφ34、φ33、
φ32、φ31を順に出力し、data3としてφ2
4、φ23、φ22、φ21を順に出力し、data4
としてφ14、φ13、φ12、φ11を順に出力す
る。また、CPU611より入力された回転角度の情報
が0度である場合、符号データ回転部623は、図13
の(b)に示すように、data1としてφ11、φ1
2、φ13、φ14を順に出力し、data2としてφ
21、φ22、φ23、φ24を順に出力し、data
3としてφ31、φ32、φ33、φ34を順に出力
し、data4としてφ41、φ42、φ43、φ44
を順に出力する。また、CPU611より入力された回
転角度の情報が270度である場合、符号データ回転部
623は、図13の(c)に示すように、data1と
してφ14、φ24、φ34、φ44を順に出力し、d
ata2としてφ13、φ23、φ33、φ43を順に
出力し、data3としてφ12、φ22、φ32、φ
42を順に出力し、data4としてφ11、φ21、
φ31、φ41を順に出力する。また、CPU611よ
り入力された回転角度の情報が270度である場合、符
号データ回転部623は、図13の(d)に示すよう
に、data1としてφ41、φ31、φ21、φ11
を順に出力し、data2としてφ42、φ32、φ2
2、φ12を順に出力し、data3としてφ43、φ
33、φ23、φ13を順に出力し、data4として
φ44、φ34、φ24、φ14を順に出力する。
【0023】(3−2)メインルーチン 図14は、電源が投入されてからの複写機全体の制御処
理のフローチャートを示す図である。まず、装置を制御
するのに必要な内部変数の初期化や、各エレメントの初
期化を行う(ステップS1)。次に使用者の所望する操
作モードを設定する(ステップS2)。設定されたモー
ドに基づいて、原稿の画像読み取りのためのシェーディ
ング処理や画像形成のための各エレメントの準備などの
前処理を行う(ステップS3)。設定されたモードに基
づいて、スキャナや画像処理回路を制御する画像読み取
り処理を実行する(ステップS4)。読み取ったRGB
画像データに対し、色空間変換処理及び色空間逆変換処
理を行った後、GBTC方式の符号化処理を施す(ステ
ップS5)。符号化処理により各ブロック毎に得られる
符号化されたデータ(平均値情報LA、階調幅指数L
D、符号データφij)の内、明度成分についての階調
幅指数LDの値に基づいて、文字画像の濃度ヒストグラ
ムを求め、求めた濃度ヒストグラムに基づいて、原稿の
天地認識処理を実行する(ステップS6)。天地認識処
理については後に説明する。天地認識処理により設定さ
れる画像の回転角度に関する情報に基づいて、圧縮画像
メモリ610内に各ブロック毎に格納されている符号化
されたデータを所定の順序で読み出す画像回転処理を実
行する(ステップS7)。回転角度の情報に基づく画像
の回転処理については、先に説明したとおりである。回
転処理の施された結果、得られる符号化されたデータを
ブロック単位で復号化する(ステップS8)。復号化処
理により復号化されたデータに対し、色空間逆最適化処
理及び色空間逆変換処理を実行した後、所定の反射/濃
度変換処理及びマスキング処理等を施して得られる階調
データに基づいて、用紙上に画像を形成する画像形成処
理を実行する(ステップS9)。画像形成処理の後、感
光体ドラム204の清掃等、作像動作とは直接関係品
が、装置のコンディションを維持するために必要な処理
を実行する(ステップS10)。最後に、上記制御とは
直接関係しないが定着期の温度制御や通信制御などのそ
の他の処理を実行する(ステップS11)。上記処理を
装置の電源が切られるまで繰り返し実行する。
【0024】(3−3)天地認識処理 図15は、天地認識処理(図14のステップS6)のフ
ローチャートを示す図である。階調幅指数LDの値が所
定値を越えるブロックの頻度を主走査方向について調
べ、ヒストグラムを算出する(ステップS100)。主
走査方向についてのヒストグラムの算出処理について
は、後に説明する。算出されたヒストグラムについて、
局所的な増減による天地認識結果への影響を低減するた
め、平滑化処理を実行する(ステップS200)。平滑
化処理の具体的内容としては、まず、注目ブロックを中
心として、所定の範囲内にある周辺ブロックの階調幅指
数LDの最小値を注目ブロックの階調幅指数LDの値と
する。この後、注目ブロックを中心として所定の範囲内
にある周辺ブロックの階調幅指数LDの最大値を注目ブ
ロックの階調幅指数LDとする。図16は、ある文字画
像について算出されたヒストグラムを示す。グラフの横
軸はブロックナンバー、縦軸は、文字と判断されたブロ
ックの頻度を示す。以下、図17及び図18に同じであ
る。ライン注目ブロックを中心に左右1ブロックの周辺
ブロックの階調幅指数LDの値を調べ、その最小値を注
目ブロックの階調幅指数LDとする。図17は、前記処
理により求められるヒストグラムを示す。この後、注目
ブロックを中心とする左右1ブロックの周辺ブロックの
階調幅指数LDの値を調べ、その最大値を注目ブロック
の階調幅指数LDの値とする。前記処理により図18に
示すヒストグラムが求められる。平滑化処理の実行後、
その頻度値が大きく変化する箇所(以下、エッジ部分と
いう)の数をカウントする(ステップS300)。主走
査方向についてのエッジカウント処理については後に説
明する。主走査方向についてのヒストグラムの算出と同
様に、副走査方向についてのヒストグラムの算出を行う
(ステップS400)。副走査方向についてのヒストグ
ラムの算出については後に説明する。算出された副走査
方向のヒストグラムについて、平滑化処理を行う(ステ
ップS500)。平滑化処理の実行後、エッジ部分の数
をカウントする(ステップS600)。副走査方向につ
いてのエッジカウント処理については後に説明する。主
走査方向及び副走査方向のそれぞれについて求められた
エッジの数に基づいてエッジ数判定処理を実行し、天地
の認識を行い、画像の回転角度を設定する(ステップS
700)。エッジ数判定処理については後に説明する。
【0025】(3−4)主走査方向ヒストグラム算出処
理 図19は、主走査方向ヒストグラム算出処理(図15の
ステップS100)のフローチャートである。初期設定
としてn=1を設定する(ステップS101)。圧縮画
像メモリ610より、主走査方向に第n番目(但し、n
は、1≦n≦WXの値である。)に、主走査方向に垂直
に並ぶ各ブロックの階調幅指数LDの値を読み出すため
の読み出しアドレスの計算を行う(ステップS10
2)。読み出しアドレスに基づいて、主走査方向に第n
番目に、主走査方向に垂直に並ぶ各ブロックの階調幅指
数LDの値を読み出す(ステップS103)。読み出し
たブロックの階調幅指数LDの値が所定のしきい値(=
100)以上である場合(ステップS104でYE
S)、当該n番目のブロックのヒストグラムデータの値
をカウントアップする(ステップS105)。主走査方
向に第n番目に並ぶ全ブロックについての判断が終了す
るまで、上記ステップS104の判断を繰り返し実行す
る(ステップS106)。これにより、主走査方向に第
n番目に並ぶブロックについてのヒストグラムデータが
求められる。全ブロックについての処理が未だの場合
(ステップS107でNO)、nの値に1を加算した後
(ステップS108)、上記ステップS102に戻る。
全ブロックについての処理終了後(ステップS107で
YES)、リターンする。
【0026】(3−5)主走査方向エッジカウント処理 図20は、主走査方向のエッジカウント処理(図15の
ステップS300)のフローチャートである。まず、前
回エッジと判定されたデータを一時的の保存するための
比較対象データを初期化する(ステップS301)。対
象とするヒストグラムデータを読み込み(ステップS3
02)、ヒストグラムデータと比較対象データとの差が
+8以上(文字画像の1文字分に相当するサイズ)であ
る場合については(ステップS303でYES)、プラ
スエッジであると判断して、プラスエッジの数をカウン
トアップする(ステップS304)。現在のヒストグラ
ムデータを次回の比較対象データとするために比較対象
データの書き換えを行う(ステップS305)。ヒスト
グラムデータと比較対象データとの差が−8以下(文字
画像の1文字分に相当するサイズ)であるものについて
は(ステップS306でYES)、マイナスエッジであ
ると判断して、マイナスエッジの数をカウントアップす
る(ステップS307)。現在のヒストグラムデータを
次回の比較対象データとするために、比較対象データの
書き換えを行う(ステップS308)。全てのヒストグ
ラムデータについて、上記ステップS302〜S308
の処理を実行する(ステップS309)。主走査方向に
並ぶ各ブロックについて求められた全ヒストグラムデー
タについて上記処理を行うことで、主走査方向における
プラスエッジの数とマイナスエッジの数を得ることがで
きる。
【0027】(3−6)副走査方向ヒストグラム算出処
理 図21は、副走査方向のヒストグラムの算出処理(図1
5のステップS400)のフローチャートである。初期
設定としてn=1を設定する(ステップS401)。圧
縮画像メモリ610より、副走査方向に第n番目(但
し、nは、1≦n≦WYの値である。)に、副走査方向
に垂直に並ぶ各ブロックの階調幅指数LDの値を読み出
すための読み出しアドレスの計算を行う(ステップS4
02)。読み出しアドレスに基づいて、副走査方向に第
n番目に、副走査方向に垂直に並ぶ各ブロックの階調幅
指数LDの値を読み出す(ステップS403)。読み出
したブロックの階調幅指数LDの値が所定のしきい値
(=100)以上である場合(ステップS404でYE
S)、当該n番目のブロックのヒストグラムデータの値
をカウントアップする(ステップS405)。副走査方
向に第n番目に並ぶ全ブロックについての判断が終了す
るまで、上記ステップS404の判断を繰り返し実行す
る(ステップS406)。これにより、副走査方向に第
n番目に並ぶブロックについてのヒストグラムデータが
求められる。全ブロックについての処理が未だの場合
(ステップS407でNO)、nの値に1を加算した後
(ステップS408)、上記ステップS402に戻る。
全ブロックについての処理終了後(ステップS407で
YES)、リターンする。
【0028】(3−7)副走査方向ヒストグラムエッジ
カウント処理 図22は、副走査方向のヒストグラムのエッジカウント
処理(図15のステップS600)のフローチャートで
ある。まず、前回エッジと判定されたデータを一時的の
保存するための比較対象データを初期化する(ステップ
S601)。対象とするヒストグラムデータを読み込み
(ステップS602)、ヒストグラムデータと比較対象
データとの差が+8以上(文字画像の1文字分に相当す
るサイズ)である場合については(ステップS603で
YES)、プラスエッジであると判断して、プラスエッ
ジの数をカウントアップする(ステップS604)。現
在のヒストグラムデータを次回の比較対象データとする
ために比較対象データの書き換えを行う(ステップS6
05)。ヒストグラムデータと比較対象データとの差が
−8以下(文字画像の1文字分に相当するサイズ)であ
るものについては(ステップS606でYES)、マイ
ナスエッジであると判断して、マイナスエッジの数をカ
ウントアップする(ステップS607)。現在のヒスト
グラムデータを次回の比較対象データとするために、比
較対象データの書き換えを行う(ステップS608)。
全てのヒストグラムデータについて、上記ステップS6
02〜S608の処理を実行する(ステップS60
9)。副走査方向に並ぶ各ブロックについて求められた
全ヒストグラムデータについて上記処理を行うことで、
副走査方向におけるプラスエッジの数とマイナスエッジ
の数を得ることができる。
【0029】(3−8)エッジ数判定処理 図23は、エッジ数判定処理(図15のステップS70
0)のフローチャートである。まず、原稿画像の文字の
並び及び方向を判別するため、主走査方向と副走査方向
のエッジの数、即ちプラスエッジの数とマイナスエッジ
の数の合計の大小を比較する(ステップS701)。横
書きの原稿の場合、文字の並びの垂直方向でエッジの有
無を見た場合、文字画像と空白部分が交互に現れる。こ
のためプラスエッジとマイナスエッジとは、ほぼ同じ数
であり、かつ文字の並びの水平方向に比べて数多く存在
することから、主走査方向と副走査方向のエッジの数の
大小により文字の並び及び方向を判別する。主走査方向
のエッジの数が副走査方向のエッジの数より少ない場合
(ステップS701でYES)、エッジの数の少ない主
走査方向のプラスエッジの数とマイナスエッジの数の差
を求める(ステップS702)。ここで、差が2以上の
場合(ステップS703でYES)、文字の先頭が主走
査方向の原点とは逆方向であると判断することができ
る。この場合、原稿台107上には、原稿が図11の
(d1)に示す状態で載置されていることとなる。そこ
で、使用者側より見て用紙上に形成される画像の天地が
正常になるように、画像の回転角度を270度に設定す
る(ステップS704)。また、主走査方向のプラスエ
ッジの数とマイナスエッジの数との差が−2よりも小さ
い場合には(ステップS705でYES)、文字の先頭
が主走査方向の原点方向であると判断することができ
る。この場合、原稿台107上には、原稿が図11の
(c1)に示す状態で載置されていることとなる。そこ
で、使用者側より見て用紙上に形成される画像の天地が
正常になるように、画像の回転角度を90度に設定する
(ステップS706)。主走査方向に並ぶプラスエッジ
の数とマイナスエッジの数との差があまりない場合には
(ステップS703及びS705でNO)、文字画像を
含まないと判断して、画像の回転角度を0度に設定する
(ステップS707)。主走査方向のプラスエッジの数
とマイナスエッジの数の合計値が、副走査方向のプラス
エッジの数とマイナスエッジの数の合計値以上の値であ
る場合(ステップS701でNO)、エッジの少ない副
走査方向について、プラスエッジの数とマイナスエッジ
の数の差を求める(ステップS708)。ここで、上記
差が2以上である場合、即ちプラスエッジの数がマイナ
スエッジの数よりも2以上多い場合(ステップS709
でYES)、文字の先頭が主走査方向の逆方向であるこ
と判断することができる。この場合、原稿台107上に
は、原稿が図11の(a1)に示す状態で載置されてい
ることとなる。そこで、使用者側より見て用紙上に形成
される画像の天地が正常になるように、画像の回転角度
を180度に設定する(ステップS710)。また、エ
ッジの数の差が−2以下である場合、即ちプラスエッジ
の数がマイナスエッジの数よりも2以上少ない場合(ス
テップS711でYES)、文字の先頭が主走査方向の
原点側方向であること判断することができる。この場
合、原稿台107上には、原稿が図11の(b1)に示
す状態で載置されていることとなる。即ち、画像を何等
回転せずとも、使用者側より見て用紙上に形成される画
像の天地が正常になる。従って、画像の回転角度を0度
に設定する(ステップS712)。また、プラスエッジ
の数とマイナスエッジの数の差があまりない場合には
(ステップS709及びS711でNO)、文字画像を
含まないと判断して、画像の回転角度を0度に設定する
(ステップS713)。
【0030】以上の構成の画像処理装置では、天地認識
を行うために、特別な回路を必要とすることなく、かつ
ソフトウェアによる複雑な処理も必要としないため、コ
スト負担や時間的制約を受けることがない。また、従来
の方法に比べ複雑な濃度分布をした原稿画像においても
正確な天地認識を行うことができる。これにより、使用
者が原稿台上に載置する原稿の向きを考慮せずとも、常
に一定の方向のコピー原稿を得ることができる。また、
原稿の方向によらず、コピー出力の方向が固定されてい
れば、ステープルやソーティングなどの排紙処理機構の
構成や制御内容が簡略化される。
【0031】
【発明の効果】本発明の画像処理装置では、画像回転手
段が、天地認識処理部における認識結果に基づいて記憶
部より復号化処理部へ読み出すブロックの読み出しアド
レス、及び各ブロック内の符号データの読み出す順序を
変更し、画像形成手段により用紙上に形成される画像の
向きを一定にする。これにより、符号化前、又は、復号
化後のRGB画像データに対して回転処理を実行する場
合に比べて、処理するデータの量を大幅に減少すること
ができる。この結果、天地認識処理及び画像回転処理に
要するメモリの削減、処理時間の短縮を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例のデジタルカラー複写機の実行する
GBTC方式の符号化処理の流れを示す図である。
【図2】 GBTC方式の符号化処理及び復号化処理を
示す図である。
【図3】 本実施例のデジタルカラー複写機の断面図で
ある。
【図4】 読取信号処理部106の実行する各信号処理
を示すブロック図である。
【図5】 L*a*b*表色系立体を示す図である。
【図6】 色空間最適化処理で用いるグラフを示す図で
あり、(a)は、明度成分L*について使用するグラフ
であり、(b)及び(c)は、色度成分a*及びb*に
ついて使用するグラフである。
【図7】 色空間逆最適化処理で用いるグラフを示す図
であり、(a)は、明度成分L*について使用するグラ
フであり、(b)及び(c)は、色度成分a*及びb*
について使用するグラフである。
【図8】 代表的な横書き文字原稿の一例を示す。
【図9】 段組みされた横書きの文書からなる原稿を示
す。
【図10】 写真などの中間調画像を含む文書原稿を示
す。
【図11】 原稿台107上への原稿の置かれ方と用紙
上への画像の出力形態を示す。
【図12】 符号化/復号化処理部604及び圧縮画像
メモリ610の回路図である。
【図13】 符号データ回転部623が、CPU611
より入力される回転角度の情報に基づいて出力する符号
データの内容を、各メモリ632〜635より出力され
る符号データとの関係において説明する図である。
【図14】 複写機本体に、電源が投入されてからの全
体の制御処理のフローチャートを示す図である。
【図15】 天地認識処理(図14のステップS6)の
フローチャートを示す図である。
【図16】 ある文字画像について算出されたヒストグ
ラムを示す。
【図17】 図16に示すヒストグラムデータに対し
て、注目ブロックを中心に左右1ブロックの周辺ブロッ
クの階調幅指数LDの値を調べ、その最小値を注目ブロ
ックの階調幅指数LDとした場合のヒストグラムであ
る。
【図18】 図17に示すヒストグラムデータに対し
て、注目ブロックを中心に左右1ブロックの周辺ブロッ
クの階調幅指数LDの値を調べ、その最大値を注目ブロ
ックの階調幅指数LDとした場合のヒストグラムであ
る。
【図19】 主走査方向のエッジカウント処理(図15
のステップS300)のフローチャートである。
【図20】 主走査方向のエッジカウント処理(図15
のステップS300)のフローチャートである。
【図21】 副走査方向のヒストグラムの算出処理(図
15のステップS400)のフローチャートである。
【図22】 副走査方向のヒストグラムのエッジカウン
ト処理(図15のステップS600)のフローチャート
である。
【図23】 エッジ数判定処理(図15のステップS7
00)のフローチャートである。
【符号の説明】
105…CCDイメージセンサ 200…複写部 602…色空間変換処理部 604…符号化/復号化処理部 610…圧縮画像メモリ 611…CPU 614…ハードディスク
フロントページの続き (72)発明者 橋本 英幸 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 坂谷 一臣 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原稿のRGB画像データを読み取る読取
    手段と、 読取手段により読み取られた原稿のRGB画像データを
    明度成分のデータと色度成分のデータに変換するデータ
    変換処理部と、 明度成分及び色度成分のデータを、それぞれ所定の画素
    マトリクスからなるブロックに分割し、各ブロック毎
    に、ブロック内のデータより定められるパラメータP1
    以下の値のデータの平均値Q1とパラメータP2(但
    し、P1<P2の関係を有する)以上の値のデータの平
    均値Q4の和を2等分して求められる平均値情報と、上
    記平均値Q4と平均値Q1の差である階調幅指数とに基
    づいて、ブロック内の各画素のデータを、当該ブロック
    内の階調分布の範囲内において前記データよりも少ない
    階調レベルで量子化して得られる符号データに符号化す
    る符号化処理部と、 符号化処理により各ブロック毎に得られる明度成分及び
    色度成分の平均値情報、階調幅指数及び符号データを記
    憶する記憶部と、 符号化処理により各ブロック毎に得られる明度成分の階
    調幅指数の値に基づいて、当該ブロックが文字画像に属
    するか否かを判別する属性判別手段と、 属性判別手段により文字画像に属すると判断されたブロ
    ックについて、主走査方向及び副走査方向についてのヒ
    ストグラムを形成するヒストグラム形成手段と、 ヒストグラム形成手段により形成された主走査方向のヒ
    ストグラムの変化点の数と、副走査方向のヒストグラム
    の変化点の数に基づいて、原稿の文字の並ぶ方向を認識
    し、認識された原稿の文字の並ぶ方向に平行な走査方向
    のヒストグラムの変化点であって、値の増える変化点と
    値の減る変化点の数に基づいて、文字の先頭方向を認識
    する天地認識処理部と、 記憶部から読み出されるブロックの平均値情報及び階調
    幅指数に基づいて、当該ブロックの符号データを復号化
    する復号化処理部と、 復号化されたデータに基づいて、用紙上に画像を形成す
    る画像形成手段と、 画像形成手段により用紙上に形成される画像の向きが一
    定となるように、天地認識処理部における処理結果に基
    づいて、記憶部より復号化処理部へ読み出すブロックの
    読み出しアドレス、及び各ブロック内の符号データの読
    み出す順序を変更する画像回転部とを備えることを特徴
    とする画像処理装置。
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