JPH0990080A - 原子炉用制御棒 - Google Patents

原子炉用制御棒

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JPH0990080A
JPH0990080A JP7249665A JP24966595A JPH0990080A JP H0990080 A JPH0990080 A JP H0990080A JP 7249665 A JP7249665 A JP 7249665A JP 24966595 A JP24966595 A JP 24966595A JP H0990080 A JPH0990080 A JP H0990080A
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JP
Japan
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reactor
control rod
neutron absorber
neutron
water
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JP7249665A
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English (en)
Inventor
Shigeru Miyashita
茂 宮下
Kiyoshi Ueda
精 植田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】原子炉運転中は自動的に反応度価値を低減し、
かつ停止時には反応度価値を自動的に増大させること。 【解決手段】中性子吸収体の少なくとも一部はハフニウ
ムを含む(n,γ)反応型中性子吸収材21で構成され
た箱状ブレード18aとし、この箱状ブレード18a
に、原子炉停止中は炉水が箱状ブレード18aに浸入
し、運転中は中性子吸収材21のγ発熱によって箱状ブ
レー18aド内の炉水が沸騰して内部から排出される程
度の大きさに設定された通水孔24を穿設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は長寿命型の沸騰水型
原子炉に用いられる制御棒に係り、特に原子炉出力を調
整制御する原子炉用制御棒に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、沸騰水型原子炉用制御棒は、中
央タイロッドに細長いU字状シースを取り付けて形成し
たウィング内にボロンカーバイド粉末を充填した中性子
吸収棒が多数装填されている。この中性子吸収棒内で
は、ボロン−10が(n,α)反応により中性子を吸収
してヘリウム−4とリチウム−7に変化するが、両者と
も中性子をほとんど吸収しない性質を有するため、制御
棒の核的寿命が短いとされている。また、(n,α)反
応により発生したヘリウムガスは、被覆管内の圧力を上
昇させるため、制御棒の機械的寿命にも制限を加えるこ
とになる。
【0003】そのため最近では、中性子吸収材にハフニ
ウム金属板を用いた長寿命型制御棒が開発されており、
ハフニウムは複数の同位体が(n,γ)反応により多段
階に亘って中性子を吸収するため核的寿命が長く、かつ
ガス圧の問題が生じないという利点がある。また、
(n,γ)反応であるため、γ線によりハフニウム金属
自体が発熱するという特徴がある。
【0004】また、ハフニウム金属は比重が重く、かつ
高価であるという問題があるため、その使用量を極力少
なくする必要がある。そこで、制御棒ブレードの構造を
ハフニウム板2枚を水ギャップを挟んで対向させたもの
が開発されている。このような構造を中性子トラップ型
と呼び、水ギャップの中性子減速効果により反応度価値
が増大するため、ハフニウム金属の使用量を減らすこと
ができるという利点を有している。この中性子トラップ
型制御棒は特開昭57−80592号公報に開示されて
いる。
【0005】沸騰水型原子炉では、制御棒が原子炉下部
から挿入されるため、制御棒上部の中性子照射量が多
く、核的寿命も上部が短くなる。そのため、ハフニウム
制御棒では、上部の方がハフニウム金属の厚みを増すな
どの工夫がなされている。
【0006】また、沸騰水型原子炉では、コントロール
セルと呼ばれる特定のセルの制御棒を出力制御用として
使用する一方、他のセルの制御棒は運転中に全引き抜き
状態で使用し、原子炉停止時のみ挿入するという運転方
法が一般的である。そのため、中性子照射量の多いコン
トロールセルには長寿命型のハフニウム制御棒を用い、
他のセルには従来型のボロンカーバイド制御棒を用いて
いる。
【0007】原子炉運転中に制御棒が挿入されているコ
ントロールセルでは、出力が抑えられているため、ウラ
ンの燃焼度が低い上、制御棒によって減速材が排除され
ているため、プルトニウムの蓄積が多くなっている。そ
のため、挿入されていた制御棒が引き抜かれた場合、こ
の引き抜かれた部分の燃料の出力が大幅に大きくなる現
象が発生する。これをブレードヒストリ効果と呼び、燃
料の健全性上好ましくないとされている。上記ブレード
ヒストリ効果を緩和するために、コントロールセルには
燃焼が進んで反応度が低くなった燃料集合体または濃縮
度の低い集合体を設置しているが、そのために炉心設計
の自由度は減少することになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、コントロー
ルセルのブレードヒストリ効果を緩和するためには、前
述のように反応度価値の低い制御棒を用いればよいが、
その場合炉停止余裕が減少し臨界安全上不利になる場合
がある。また、コントロールセル用制御棒は、運転中に
3分の2以上挿入された状態で使用されるか、または全
引き抜き状態で使用される場合がほとんどである。
【0009】そして、先端部の反応度価値を高めると、
スクラム時に原子炉への負の反応度を即座に加えること
ができ、非常時の原子炉停止を直ちに行うことができる
ため、安全性を向上させることができる本発明は上述し
た事情を考慮してなされたもので、第1の目的とすると
ころは原子炉運転中は自動的に反応度価値を低減し、か
つ停止時には反応度価値を自動的に増大させることによ
り、臨界安全上不利になることはなく、ブレードヒスト
リ効果を緩和した原子炉用制御棒を提供することにあ
る。
【0010】また、本発明の第2の目的とするところ
は、先端部の限られた範囲を大反応度とすることによ
り、スクラム特性を向上させた原子炉用制御棒を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1は、先端構造体と末端構造体
との間に長寿命型中性子吸収体を挿入してウィングを形
成した原子炉用制御棒において、上記中性子吸収体の少
なくとも一部はハフニウムを含む(n,γ)反応型中性
子吸収材で構成された箱状ブレードとし、この上記箱状
ブレードに、原子炉停止中は炉水が上記箱状ブレードに
浸入し、運転中は中性子吸収材のγ発熱によって上記箱
状ブレード内の炉水が沸騰して内部から排出される程度
の大きさに設定された通水孔を穿設したことを特徴とす
る。
【0012】請求項2は、先端構造体と末端構造体との
間に長寿命型中性子吸収体を挿入してウィングを形成し
た原子炉用制御棒において、上記中性子吸収体はハフニ
ウムを含む(n,γ)反応型中性子吸収材で構成された
板状ブレードとし、この板状ブレードの幅方向に、原子
炉停止中は炉水が上記板状ブレードに浸入し、運転中は
中性子吸収材のγ発熱によって上記板状ブレード内の炉
水が沸騰して内部から排出される程度の大きさに設定さ
れた横孔を穿設したことを特徴とする。
【0013】請求項3は、請求項2記載の横孔が制御棒
の挿入・引き抜き方向に対して傾斜して設けられたこと
を特徴とする。
【0014】請求項4は、先端構造体と末端構造体との
間に長寿命型中性子吸収体を挿入してウィングを形成し
た原子炉用制御棒において、上記中性子吸収体はハフニ
ウムを含む(n,γ)反応型中性子吸収材で構成された
板状ブレードとし、この板状ブレードに制御棒挿入方向
の下部から縦孔を穿設し、この縦孔上部に、原子炉停止
中は炉水が上記板状ブレードに浸入し、運転中は中性子
吸収材のγ発熱によって上記板状ブレード内の炉水が沸
騰して内部から排出される程度の大きさに設定された通
水孔を設けたことを特徴とする。
【0015】請求項5は、先端構造体と末端構造体との
間に長寿命型中性子吸収体を挿入してウィングを形成し
た原子炉用制御棒において、上記中性子吸収体は、制御
棒中心軸近傍を外側部に比べて中性子吸収材の板厚を薄
く形成したことを特徴とする。
【0016】請求項6は、先端構造体と末端構造体との
間に長寿命型中性子吸収体を挿入してウィングを形成し
た原子炉用制御棒において、上記中性子吸収体は、制御
棒中心軸近傍を外側部に比べて中性子吸収材に穿設する
孔の大きさを大きくしたことを特徴とする。
【0017】請求項7は、請求項1乃至6のいずれかに
記載の先端構造体がハフニウムを含む(n,γ)反応型
中性子吸収材で構成されたことを特徴とする。
【0018】請求項8は、請求項1乃至6のいずれかに
記載の先端構造体がハフニウムを含む(n,γ)反応型
中性子吸収材を水ギャップを挟んで対向させたことを特
徴とする。
【0019】請求項9は、請求項1乃至6のいずれかに
記載の先端構造体に孔が穿設され、この孔からユーロピ
ウムを含む(n,γ)反応型の中性子吸収物質を充填し
たことを特徴とする。
【0020】請求項10は、請求項1乃至6のいずれか
に記載の先端構造体と末端構造体とを中央タイロッドに
より一体的に結合し、この中央タイロッドにシースを固
設したことを特徴とする。
【0021】請求項11は、請求項10記載の原子炉用
制御棒において、シースを用いずに中央タイロッドに中
性子吸収材を直接固設したことを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0023】図1は本発明を適用する原子炉用制御棒の
全体構成を示す斜視図である。図1に示すように、原子
炉用制御棒10はハンドル11を備えた先端構造体12
と、スピードリミッタ13と一体化させた末端構造体1
4とが横断面十字状の中央タイロッド15で一体的に結
合されている。この中央タイロッド15には深いU字状
の断面を有するシース16が固設されてウィング17が
形成されている。シース16内には、ハフニウム金属を
含む(n,γ)反応型中性子吸収材を材料とするブレー
ド18が挿入されている。また、シース16には減速材
である炉水がシース16内に流入または流出するための
通水孔19が多数穿設されている。
【0024】図2は本発明に係る原子炉用制御棒の第1
実施形態における制御棒ブレードを示す斜視図である。
図2に示すように、ブレード18aは箱状に形成され、
ハフニウム金属を含む(n,γ)反応型の中性子吸収材
21と支持スペーサ22とで水ギャップ23を挟んだ中
空箱状ブレードを構成し、その上部には通水孔24が穿
設されている。
【0025】この通水孔24は、原子炉停止時、水ギャ
ップ23に自動的に炉水を注入する一方、運転時には水
ギャップ23内において中性子吸収材21のγ発熱によ
って炉水が沸騰した際、その蒸気をブレード18内部に
保持しながら内圧が高まらないように外部に放出する程
度の大きさ(例えば直径3〜5mm)に設定されてい
る。
【0026】このように本実施形態によれば、原子炉運
転中は制御棒の中性子吸収材21が(n,γ)反応の発
熱によりブレード18a内の炉水を沸騰させて蒸気と
し、そのため中性子トラップ効果を失い、制御棒の反応
度価値を減少させる一方、原子炉出力が低下すると、中
性子吸収材21のγ発熱量が低下してブレード18a内
の蒸気が凝結するとともに、ブレード18aの上部に穿
設した通水孔24から炉水が浸入するため、中性子トラ
ップ効果により反応度価値を増大させることが可能とな
る。その結果、臨界安全上不利になることはなく、ブレ
ードヒストリ効果を緩和することができる。
【0027】図3は本発明に係る原子炉用制御棒の第2
実施形態における制御棒ブレードを示す斜視図である。
図3に示すように、ブレード18bは板状に形成される
とともに、ハフニウム金属を含む(n,γ)反応型の中
性子吸収材21で構成され、その幅方向に横孔25が多
数穿設されている。
【0028】これらの横孔25は、原子炉停止中は炉水
がブレード18b内に浸入し、運転中は中性子吸収材2
1のγ発熱によってブレード18b内の炉水を沸騰させ
て内部から排出される程度の大きさに設定されている。
すなわち、横孔25の大きさは、原子炉運転時に横孔2
5内部の沸騰した蒸気の圧力で炉水の浸入を阻止する程
度の大きさ、例えば直径3〜5mmに設定されている。
【0029】このように本実施形態によれば、原子炉運
転中は制御棒の中性子吸収材21が(n,γ)反応の発
熱によりブレード18bの横孔25内の炉水を沸騰させ
て蒸気とし、そのため中性子トラップ効果を失い、制御
棒の反応度価値を減少させる一方、原子炉出力が低下す
ると、中性子吸収材21のγ発熱量が低下して横孔25
内の蒸気が凝結するとともに、炉水が浸入するため、中
性子トラップ効果により反応度価値を増大させることが
可能となる。
【0030】また、本実施形態では、横孔25の出口側
が上になるように制御棒の挿入・引き抜き方向に対して
傾斜させることによって、横孔25内部の蒸気の排出や
炉水の浸入を円滑にすることができる結果、反応度の急
激な変化を防止することが可能となる。
【0031】図4は本発明に係る原子炉用制御棒の第3
実施形態における制御棒ブレードを示す斜視図である。
図4に示すように、ブレード18cは板状に形成される
とともに、ハフニウム金属を含む(n,γ)反応型の中
性子吸収材21で構成され、ブレード18cに制御棒挿
入方向の下部から縦孔26が穿設されている。
【0032】この縦孔26の上部には通水孔27が穿設
され、この通水孔27は、原子炉停止中は炉水がブレー
ド18c内に浸入し、運転中は中性子吸収材21のγ発
熱によってブレード18b内の炉水が沸騰して内部から
排出される程度の大きさに設定されている。すなわち、
通水孔27は、原子炉運転中に沸騰した蒸気を縦孔26
内部に保持しながら蒸気をブレード18上部へ排出する
機能を有するように孔の大きさが決定されている。
【0033】また、ブレード18cは、挿入方向(図4
の上方向)の一定の長さ(15〜200cm程度)で、
原子炉の高出力運転中は縦孔26内の炉水が排除される
ものの、末端部(図4の上方向)ではブレードヒストリ
効果の関係上、必ずしも排除する必要はなく、原子炉停
止時に注水が容易になるように側面通水孔28が穿設さ
れている。
【0034】なお、ブレード18cは、製造時に長い縦
孔を穿設するのは一般的に困難であるとされているた
め、ブレード18cを軸方向に多数分割して縦孔を穿設
した後、積み重ねたり、あるいは溶接により固定するよ
うにしてもよい。
【0035】このように本実施形態によれば、原子炉運
転中は制御棒の中性子吸収材21が(n,γ)反応の発
熱によりブレード18cの縦孔26内の炉水を沸騰させ
て蒸気とし、そのため中性子トラップ効果を失い、制御
棒の反応度価値を減少させる一方、原子炉出力が低下す
ると、中性子吸収材21のγ発熱量が低下して縦孔26
内の蒸気が凝結するとともに、炉水が浸入するため、中
性子トラップ効果により反応度価値を増大させることが
可能となる。
【0036】図5は本発明に係る原子炉用制御棒の第4
実施形態における制御棒ブレードを示す横断面図であ
る。なお、図1と同一の部分には同一の符号を付して説
明する。以下の実施形態についても同様である。
【0037】図5に示すように、本実施形態におけるブ
レード18dの中性子吸収材21は、少なくとも一部で
制御棒中心軸近傍の板厚が薄く形成され、外側方向に従
って段階的に厚く形成されている。
【0038】コントロールセルの燃料集合体内の径方向
出力分布は、通常制御棒挿入側コーナーが最も低く、こ
のコーナーから離間するほど高くなる。そのため、制御
棒中心軸近傍の反応度価値を低減してもスクラム特性に
悪影響はない。
【0039】そこで、上記のように制御棒外側部から中
心軸に向かって中性子吸収材21の板厚を段階的に薄く
することにより、外側部に比べて中性子照射量の少ない
中心軸近傍の反応度価値を低減させることができる。こ
れにより、スクラム特性を悪化させることなく、ブレー
ドヒストリ効果を低減させることができる。
【0040】この場合、制御棒中心軸近傍は外側部に比
べて中性子吸収材21に穿設する孔の大きさを大きくす
ることによって、同様に中性子吸収効果を低減させるこ
とができる。
【0041】図6は本発明に係る原子炉用制御棒の第5
実施形態における制御棒先端構造体を示す斜視図であ
る。図6に示すように、本実施形態では先端構造体12
の制御棒挿入方向の長さ、例えば10〜30mmをハフ
ニウム金属を用い、このハフニウム金属板を水ギャップ
23を挟んで対向させた構造としている。
【0042】また、ハフニウム金属板の間には、構造上
強固にするため支持スペーサ29が介挿され、そしてハ
ンドル11は中央タイロッド15に固設または一体構造
として強度の保持を図っている。
【0043】このように本実施形態によれば、先端構造
体12をハフニウムを含む(n,γ)反応型の中性子吸
収材で構成したことにより、原子炉スクラム時に負の反
応度を一段と速く付加することができる。また、先端構
造体12はハフニウムを含む(n,γ)反応型の中性子
吸収材を水ギャップ23を挟んで対向させたことによ
り、同様に原子炉スクラム時に負の反応度を一段と速く
付加することができる。ここで、先端構造体12に孔を
穿設し、この孔からユーロピウムを含む(n,γ)反応
型の中性子吸収物質を充填しても、同様の効果が得られ
る。
【0044】ところで、本実施形態では、図1に示すよ
うに先端構造体12と末端構造体14とを中央タイロッ
ド15により一体的に結合し、この中央タイロッド15
にシース16を固設したので、従来型の制御棒と同様に
シースを用いることにより、既設プラントの炉心への導
入が容易になる。
【0045】なお、本発明は上記各実施形態に限定され
ることなく、種々の変更が可能である。例えば、シース
16を用いずに、中央タイロッド15に中性子吸収材2
1を直接固設することにより、制御棒全体の重量を増加
させることなく、シース16の重量分だけ中性子吸収材
21の使用量を増加させることができるため、制御棒の
寿命を延長させることが可能となる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
によれば、中性子吸収体の少なくとも一部はハフニウム
を含む(n,γ)反応型中性子吸収材で構成された箱状
ブレードとし、この上記箱状ブレードに、原子炉停止中
は炉水が箱状ブレードに浸入し、運転中は中性子吸収材
のγ発熱によって箱状ブレード内の炉水が沸騰して内部
から排出される程度の大きさに設定された通水孔を穿設
したことにより、原子炉運転時には自動的に反応度価値
を低減し、かつ停止時には反応度価値を自動的に増大さ
せることができ、臨界安全上不利になることはなく、ブ
レードヒストリ効果を緩和することができる。
【0047】請求項2によれば、中性子吸収体はハフニ
ウムを含む(n,γ)反応型中性子吸収材で構成された
板状ブレードとし、この板状ブレードの幅方向に、原子
炉停止中は炉水が板状ブレードに浸入し、運転中は中性
子吸収材のγ発熱によって板状ブレード内の炉水が沸騰
して内部から排出される程度の大きさに設定された横孔
を穿設したことにより、請求項1と同様の効果が得られ
る。
【0048】請求項3によれば、請求項2記載の横孔が
制御棒の挿入・引き抜き方向に対して傾斜して設けられ
たことにより、横孔内部の蒸気の排出や炉水の浸入を円
滑にすることができ、反応度の急激な変化を防止するこ
とが可能となる。
【0049】請求項4によれば、中性子吸収体はハフニ
ウムを含む(n,γ)反応型中性子吸収材で構成された
板状ブレードとし、この板状ブレードに制御棒挿入方向
の下部から縦孔を穿設し、この縦孔上部に、原子炉停止
中は炉水が板状ブレードに浸入し、運転中は中性子吸収
材のγ発熱によって板状ブレード内の炉水が沸騰して内
部から排出される程度の大きさに設定された通水孔を設
けたことにより、請求項1と同様の効果が得られる。
【0050】請求項5によれば、中性子吸収体は、制御
棒中心軸近傍を外側部に比べて中性子吸収材の板厚を薄
く形成したことにより、外側部に比べて中性子照射量の
少ない中心軸近傍の反応度価値を低減させることができ
る。これにより、スクラム特性を悪化させることなく、
ブレードヒストリ効果を低減させることができる。
【0051】請求項6によれば、中性子吸収体は、制御
棒中心軸近傍を外側部に比べて中性子吸収材に穿設する
孔の大きさを大きくしたことにより、外側部に比べて中
性子照射量の少ない中心軸近傍の反応度価値を低減させ
ることができ、請求項5と同様の効果が得られる。
【0052】請求項7によれば、請求項1乃至6のいず
れかに記載の先端構造体がハフニウムを含む(n,γ)
反応型中性子吸収材で構成されたことにより、原子炉ス
クラム時に負の反応度を一段と速く付加することができ
る。
【0053】請求項8によれば、請求項1乃至6のいず
れかに記載の先端構造体がハフニウムを含む(n,γ)
反応型中性子吸収材を水ギャップを挟んで対向させたこ
とにより、請求項7と同様の効果が得られる。
【0054】請求項9によれば、請求項1乃至6のいず
れかに記載の先端構造体に孔が穿設され、この孔からユ
ーロピウムを含む(n,γ)反応型の中性子吸収物質を
充填したことにより、請求項7と同様の効果が得られ
る。
【0055】請求項10によれば、請求項1乃至6のい
ずれかに記載の先端構造体と末端構造体とを中央タイロ
ッドにより一体的に結合し、この中央タイロッドにシー
スを固設したことにより、既設プラント炉心への導入が
容易になる。
【0056】請求項11によれば、請求項10記載の原
子炉用制御棒において、シースを用いずに中央タイロッ
ドに中性子吸収材を直接固設したことにより、制御棒全
体の重量を増加させることなく、シースの重量分だけ中
性子吸収材の使用量を増加させることができるため、制
御棒の寿命を延長させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する原子炉用制御棒の全体構成を
示す斜視図。
【図2】本発明に係る原子炉用制御棒の第1実施形態に
おける制御棒ブレードを示す斜視図。
【図3】本発明に係る原子炉用制御棒の第2実施形態に
おける制御棒ブレードを示す斜視図。
【図4】本発明に係る原子炉用制御棒の第3実施形態に
おける制御棒ブレードを示す斜視図。
【図5】本発明に係る原子炉用制御棒の第4実施形態に
おける制御棒ブレードを示す横断面図。
【図6】本発明に係る原子炉用制御棒の第5実施形態に
おける制御棒先端構造体を示す斜視図。
【符号の説明】
10 原子炉用制御棒 11 ハンドル 12 先端構造体 13 スピードリミッタ 14 末端構造体 15 中央タイロッド 16 シース 17 ウィング 18,18a,18b,18c,18d ブレード 19 通水孔 21 中性子吸収材 22 支持スペーサ 23 水ギャップ 24 通水孔 25 横孔 26 縦孔 27 通水孔 28 側面通水孔 29 支持スペーサ

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端構造体と末端構造体との間に長寿命
    型中性子吸収体を挿入してウィングを形成した原子炉用
    制御棒において、上記中性子吸収体の少なくとも一部は
    ハフニウムを含む(n,γ)反応型中性子吸収材で構成
    された箱状ブレードとし、この上記箱状ブレードに、原
    子炉停止中は炉水が上記箱状ブレードに浸入し、運転中
    は中性子吸収材のγ発熱によって上記箱状ブレード内の
    炉水が沸騰して内部から排出される程度の大きさに設定
    された通水孔を穿設したことを特徴とする原子炉用制御
    棒。
  2. 【請求項2】 先端構造体と末端構造体との間に長寿命
    型中性子吸収体を挿入してウィングを形成した原子炉用
    制御棒において、上記中性子吸収体はハフニウムを含む
    (n,γ)反応型中性子吸収材で構成された板状ブレー
    ドとし、この板状ブレードの幅方向に、原子炉停止中は
    炉水が上記板状ブレードに浸入し、運転中は中性子吸収
    材のγ発熱によって上記板状ブレード内の炉水が沸騰し
    て内部から排出される程度の大きさに設定された横孔を
    穿設したことを特徴とする原子炉用制御棒。
  3. 【請求項3】 横孔は、制御棒の挿入・引き抜き方向に
    対して傾斜して設けられたことを特徴とする請求項2記
    載の原子炉用制御棒。
  4. 【請求項4】 先端構造体と末端構造体との間に長寿命
    型中性子吸収体を挿入してウィングを形成した原子炉用
    制御棒において、上記中性子吸収体はハフニウムを含む
    (n,γ)反応型中性子吸収材で構成された板状ブレー
    ドとし、この板状ブレードに制御棒挿入方向の下部から
    縦孔を穿設し、この縦孔上部に、原子炉停止中は炉水が
    上記板状ブレードに浸入し、運転中は中性子吸収材のγ
    発熱によって上記板状ブレード内の炉水が沸騰して内部
    から排出される程度の大きさに設定された通水孔を設け
    たことを特徴とする原子炉用制御棒。
  5. 【請求項5】 先端構造体と末端構造体との間に長寿命
    型中性子吸収体を挿入してウィングを形成した原子炉用
    制御棒において、上記中性子吸収体は、制御棒中心軸近
    傍を外側部に比べて中性子吸収材の板厚を薄く形成した
    ことを特徴とする原子炉用制御棒。
  6. 【請求項6】 先端構造体と末端構造体との間に長寿命
    型中性子吸収体を挿入してウィングを形成した原子炉用
    制御棒において、上記中性子吸収体は、制御棒中心軸近
    傍を外側部に比べて中性子吸収材に穿設する孔の大きさ
    を大きくしたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  7. 【請求項7】 先端構造体は、ハフニウムを含む(n,
    γ)反応型中性子吸収材で構成されたことを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載の原子炉用制御棒。
  8. 【請求項8】 先端構造体は、ハフニウムを含む(n,
    γ)反応型中性子吸収材を水ギャップを挟んで対向させ
    たことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    原子炉用制御棒。
  9. 【請求項9】 先端構造体には孔が穿設され、この孔か
    らユーロピウムを含む(n,γ)反応型の中性子吸収物
    質を充填したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれ
    かに記載の原子炉用制御棒。
  10. 【請求項10】 先端構造体と末端構造体とを中央タイ
    ロッドにより一体的に結合し、この中央タイロッドにシ
    ースを固設したことを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の原子炉用制御棒。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の原子炉用制御棒にお
    いて、シースを用いずに中央タイロッドに中性子吸収材
    を直接固設したことを特徴とする原子炉用制御棒。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008058053A (ja) * 2006-08-30 2008-03-13 Toshiba Corp 原子炉用制御棒
JP2009058447A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Toshiba Corp 原子炉用制御棒

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