JP2008058053A - 原子炉用制御棒 - Google Patents

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Abstract

【課題】健全性を確保しつつ長寿命化を実現できること。
【解決手段】横断面がU字状をなす長尺のシース7の開口部を、中央構造材6に固着して複数のウイング2を構成し、これらのウイングの炉心挿入方向先端側に先端構造材を、挿入末端側に末端構造材をそれぞれ固着すると共に、ハフニウム板10を主な中性子吸収材とする複数の一体型中性子吸収要素31を、シース7内に当該シースの長手方向に列状に収容する原子炉用制御棒30において、制御棒挿抜方向に配列された複数の一体型中性子吸収要素のうち、挿入先端から1/4乃至3/4の範囲で、前記ハフニウム板の厚さがシースの厚さよりも厚い制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素では、当該一体型中性子吸収要素のハフニウム板10におけるシース7との対向する外側面41に、制御棒挿抜方向に平行な複数本の縦溝42が形成されたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハフニウム(Hf)の金属又はその合金を中性子吸収材とする原子炉用制御棒に関する。
沸騰水型原子炉(BWR)の制御棒は、縦長の4枚の翼(ウイング)を断面十字型に組み立てて構成される。炉心は、断面方形に形成された4体の燃料集合体が制御棒の各ウイングを挟むように配列されて一つのセルとされ、このセルが多数配置されて構成される。このような原子炉用制御棒には、長寿命化の要請から、ハフニウムを主な中性子吸収材とする「ハフニウム制御棒」が知られている。この「ハフニウム制御棒」は、1〜2mm程度の厚さのハフニウム板を2枚、間隙をあけて対向させて一体型中性子吸収要素とし、この一体型中性子吸収要素を、各ウイングの外形を構成するステンレス鋼(SUS)製のシース内に収納した構成である。この制御棒を炉心中で使用している状態では、ハフニウム板の上記間隙の部分に水が満たされる。この水は、両側のハフニウム板から入ってきた高速中性子を減速させ、この減速された中性子をハフニウム板に効率良く吸収させるものである。この水が高速中性子を減速して捕獲する構成であることから、上記制御棒は「ハフニウムトラップ型制御棒」と呼ばれている。
このようなハフニウムトラップ型の原子炉用制御棒が特許文献1に記載され、更に、急速挿入などの衝撃に対する機械的特性を改良したものが特許文献2に、長寿命化に伴う腐食問題を改良したものが特許文献3に、それぞれ記載されている。
図13は、特許文献1にて開示され、実用化された原子炉用制御棒の概要を示し、(A)は一部を切り欠いて示す斜視図、(B)は図13(A)の一ウイングを示す横断面図、(C)は図13(B)における保持部材を示す斜視図である。図13に示すように、この原子炉用制御棒1は、ハンドル3を含む先端構造材4、4枚の翼(ウイング)2、及び末端構造材5が中央構造材(タイロッド)6に固着されて十字型に形成される。末端構造材5には、結合部異常分離時に制御棒1が炉心から落下する際の速度を抑制する速度制限部材(Speed limiter)が設けられているが、この図では省略されている。
各ウイング2は、深いU字状の横断面を有するステンレス鋼(SUS)製のシース7の内部に、中性子吸収材としての2枚のハフニウム板10を保持部材12でシース7と一体化した複数の一体型中性子吸収要素14が収納されて構成される。また、シース7には規則的に通水孔9が設けられている。この通水孔9は、通常、制御棒挿抜方向(つまり原子炉用制御棒1の軸方向)と直角方向に2個ずつペアとなって、制御棒挿抜方向に規則的に配列されている。
上記ハフニウム板10は、ハフニウムの金属、またはハフニウムをジルコニウムやチタン等の希釈材で希釈したハフニウム合金から成る。また、上記保持部材12は駒のような形状であり、対向する2枚のハフニウム板10の間隙を保持するスペーサ部12Aと、このスペーサ部12Aに一体成形された軸部12Bとを備えて成る。
ハフニウム板10とステンレス鋼(SUS)製のシース7とでは熱膨張係数が大幅に異なるため、その問題を解決すべく、図14に示すように、一体型中性子吸収要素14は、制御棒挿抜方向に分離して複数個配列され、それぞれの一体型中性子吸収要素14が保持部材12によってシース7に保持されている。一体型中性子吸収要素14の制御棒挿抜方向の配列数は、原子炉内における制御棒1の中性子被照射量に関する従来からの管理の習慣に従って偶数個とされており、図15に代表的な例を示す。
図15(A)では、一体型中性子吸収要素14は、制御棒挿抜方向に等間隔で8個配列され、各一体型中性子吸収要素14毎に、制御棒挿入先端側から挿入末端へ向かってハフニウム板10の厚さが順次薄くなるように構成されている。これは、原子炉用制御棒1においては、制御棒挿入先端側ほど中性子照射量が多く、この領域で反応度価値(中性子吸収能力)を高める必要があるからである。また、図15(B)では、一体型中性子吸収要素14は、制御棒挿抜方向に8個配列されているが、そのハフニウム板10は、制御棒挿入先端側から2個ずつ同じ厚さで挿入末端側へ向かって薄く形成されている。原子炉用制御棒1において、挿入先端側から中性子吸収材の全長Lの1/2ないし6/8の領域では、通常、シース7の厚さに比べてハフニウム板10の方が厚くなっている。図15(C)では、一体型中性子吸収要素14は軸方向に同じ長さで2個配列され、そのハフニウム板10は、制御棒挿入先端側でシース7よりも厚く、挿入末端側でシース7と同程度か若干薄くなっている。
尚、図14は図15(B)に相当するものの例であって、図14(A)は、図13(A)の原子炉用制御棒において前面のシースを切り欠いて示す正面図、図14(B)は、中性子吸収材であるハフニウム板の厚さ分布及び反応度価値を示す図である。
図16(A)は、図14(A)の要部拡大正面図、図16(B)は、図16(A)の一対のハフニウム板(一体型中性子吸収要素)を拡大して示す正面図、図16(C)は、図16(B)のXVI‐XVI線に沿う断面図である。前述のように、一体型中性子吸収要素14は保持部材12によってシース7に保持され、この保持部材12は、スペーサ部12A及び軸部12Bを備えてなる。軸部12Bは、一体型中性子吸収要素14の2枚のハフニウム板10に形成された貫通孔13と、シース7に形成された装着孔8に挿通され、シース7の外面から突出しないように当該外面に溶接により固着される。また、スペーサ部12Aは、一体型中性子吸収要素14の2枚のハフニウム板10間に配置されて、これらのハフニウム板10の間隙を水ギャップ11として保持する。この水ギャップ11に満たされる水が、前述の如く高速中性子を減速する。
また、ハフニウム板10とステンレス鋼製のシース7とは、熱膨張係数が3倍程度異なる。このため、ハフニウム板10の貫通孔13の直径は、保持部材12の軸部12Bの直径よりも大きく形成されて、両者間に孔間隙16が設けられている。これにより、原子炉運転に際しての熱サイクルにおける膨張と収縮によっても、ハフニウム板10とシース7との干渉が回避される。
図17(A)は図13(A)の原子炉用制御棒の一ウイングを拡大して示す正面図であり、図17(B)、図17(C)、図17(D)は、図17(A)のXVIIB‐XVIIB線、XVIIC‐XVIIC線、XVIID‐XVIID線にそれぞれ沿う断面図である。保持部材12は、図13にも示すように、一つの一体型中性子吸収要素14における挿入先端側と挿入末端側に一対ずつ設けられている。シース通水孔9Aは、図17(D)に示すように、シース7にのみ形成されたものである。また、重複通水孔9Bは、図17(C)に示すように、シース7及びハフニウム板10に同軸状態で重複して設けられたものである。これらのシース通水孔9A及び重複通水孔9Bが、前記通水孔9を構成する。更に、シース7を中央構造材6に溶接する溶接点15は、中央構造材6における制御挿抜方向に等間隔に設けられている。
図18は、図13に示す原子炉用制御棒と考え方を若干異にする設計で実用化されたハフニウムトラップ型の原子炉用制御棒の例である。この原子炉用制御棒21では、深いU字状のシース7の内部に、一体型中性子吸収要素24を構成する中性子吸収材である「平板化されたハフニウム管20」(フラットチューブ、平管と呼ばれることがある)がウイング2の幅方向に2個、制御棒挿抜方向に2個、分離して収納されている。制御棒挿抜方向の分離位置は、おおよそ中性子吸収材の全長Lの1/2付近である。この種の設計では、図18(C)に示すように、ウイング2の厚さ方向におけるハフニウム管20の間隔は、このハフニウム管20を構成する各ハフニウム板20A、20Bが側端で曲げられて固着されているため、図13(C)のような駒形状の保持部材12を用いる必要はなく、この保持部材12の軸部12Bのみからなる保持部材(スティフナ)22を用いればよい。
このスティフナ22は、一体型中性子吸収要素24のハフニウム管20に形成された貫通孔23に挿通されて、両端がシース7に固着され、このシース7の対向する間隔を保持する。この一体型中性子吸収要素24においても、上記貫通孔23とスティフナ22との間には孔間隙(不図示)が設けられて、ハフニウム管20とステンレス鋼製のシース7との熱膨張差を吸収できるようになっている。また、一体型中性子吸収要素24は、挿入先端側では先端構造材4に、挿入末端側では末端構造材5に、それぞれの固定部27を用いて固定される。更に、一体型中性子吸収要素24及びシース7には、前記原子炉用制御棒1と同様な通水孔9が形成されている。このうち、符合9Xは、シース7とハフニウム管20に重複して設けられた重複通水孔であり、符合9X2は、この重複通水孔9Xのうちのハフニウム管20に形成されたハフニウム孔を示す。
特開昭62−235595号公報 特開平10−104382号公報 特開平11−118972号公報
ところが、上述のようなハフニウムトラップ型の原子炉用制御棒1、21にあっては、シース7等の構造材と、ハフニウムを主な中性子吸収材とする一体型中性子吸収要素14、24との中性子照射による照射成長、並びに運転開始から停止までの運転サイクルにおける制御棒各部位、特に上記シース7、一体型中性子吸収要素14、24の機械的な挙動や通水性などを考慮したとき、長寿命化に伴う健全性の確保についてさらなる改良の余地があることが判明した。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、健全性を確保しつつ長寿命化を実現できる原子炉用制御棒を提供することにある。
本発明は、横断面がU字状をなす長尺のシースの開口部を、中央構造材に固着して複数のウイングを構成し、このウイングの炉心挿入方向先端側に先端構造材を、挿入末端側に末端構造材をそれぞれ固着すると共に、板状のハフニウムを主な中性子吸収材とする複数の一体型中性子吸収要素を、前記シース内に当該シースの長手方向に列状に収容する原子炉用制御棒において、制御棒挿抜方向に配列された複数の前記一体型中性子吸収要素のうち、挿入先端から1/4乃至3/4の範囲で、前記中性子吸収材の厚さが前記シースの厚さよりも厚い制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素では、当該一体型中性子吸収要素の前記中性子吸収材における前記シースと対向する面に、制御棒挿抜方向に略平行な縦溝が形成されたことを特徴とするものである。
本発明によれば、制御棒挿抜方向に配列された複数の一体型中性子吸収要素のうち、挿入先端から1/4乃至3/4の範囲で、中性子吸収材の厚さがシースの厚さよりも厚い制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素では、当該一体型中性子吸収要素の中性子吸収材におけるシースと対向する面に、制御棒挿抜方向に略平行な縦溝が形成されている。このため、中性子吸収材とシースとの間の通水性が良好となり、これらの中性子吸収材とシースとの冷却性が高まると共に、これら両者間に隙間腐食が発生することを防止できる。また、中性子吸収材に上記縦溝が形成されたことで、中性子吸収材とシースとが接触する場合の接触面積を減少でき、これらの中性子吸収材とシースとの相対移動が容易化される。更に、中性子吸収材に上記縦溝が形成されることで、この中性子吸収材における制御棒挿抜方向に対し直角方向の柔軟性を向上させることができる。これらのことから、健全性を確保しつつ、原子炉用制御棒の長寿命化を実現できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。また、各実施の形態において、前記背景技術(従来技術)と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
[A]第1の実施の形態(図1〜図3)
図1は、本発明に係る原子炉用制御棒の第1の実施の形態における主要部であり、前面のシースを切り欠いて一体型中性子吸収要素を示す正面図である。図2(A)、(B)、(C)、(D)は、図1のIIA‐IIA線、IIB‐IIB線、IIC‐IIC線、IID‐IID線にそれぞれ沿う断面図である。
本実施の形態の原子炉用制御棒30は、横断面が深いU字形状をなす長尺のシース7の開口部を中央構造材6に固着して複数のウイング2を構成し、このウイング2の炉心挿入方向先端側に先端構造材4を、挿入末端側に末端構造材5をそれぞれ固着すると共に、中性子吸収材としての2枚のハフニウム板10を備えてなる一体型中性子吸収要素31が、シース7の長尺方向に複数個配列して収容されて構成されたものである。この一体型中性子吸収要素31は、原子炉用制御棒30の挿抜方向に同一長さ(例えば45cm程度)で、シース7の長尺方向に例えば8個配列されている。
各一体型中性子吸収要素31は、挿入先端側、挿入末端側に各一対設けられた保持部材32によってシース7に荷重が保持される。つまり、保持部材32は、図2(B)に示すように、スペーサ部12Aと同一形状のスペーサ部32Aと、軸部12Bとは異なる形状の軸部32Bとを有してなる。スペーサ部32Aは、一体型中性子吸収要素31の2枚のハフニウム板10間に配置されて、これらのハフニウム板10の間隙を水ギャップ11として保持する。また、軸部32Bは、一体型中性子吸収要素31における2枚のハフニウム板10の挿入先端側に設けられた貫通孔33、または挿入末端側に設けられた貫通孔34に挿通され、更にシース7の装着孔8に挿通されて、先端がこのシース7の外面から突出しないようにして当該外面に溶接等により固着される。このようにして、軸部32Bは、対向するシース7の間隔を保持すると共に、ハフニウム板10の荷重をシース7に保持させる。
制御棒挿抜方向に複数個(例えば8個)配列された一体型中性子吸収要素31のうち、挿入先端から1/4乃至3/4程度の範囲に位置する一体型中性子吸収要素(以下、「制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素」と称する)31では、ハフニウム板10の板厚がシース7の板厚よりも厚く形成されている。これは、この制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31の反応度価値、つまり原子炉の反応度を制御する中性子吸収能力を高め、且つ高い中性子照射を受けても上記反応度価値を良好に維持できるようにするためである。
このような制御棒挿入先端側に位置する各一体型中性子吸収要素31では、図1及び図2(A)に示すように、この一体型中性子吸収要素31を構成するハフニウム板10のシース7と対向する外側面41に、制御棒挿抜方向に平行に延びる1本または複数本(本実施の形態では複数本)の縦溝42が形成されている。この縦溝42の深さは、当該縦溝42の底から、ハフニウム板10の縦溝42が形成されていない内側面43までの肉厚M1が、シース7の肉厚N以上となる範囲で設定される。
例えば、縦溝42は、ハフニウム板10の厚さが仮に1.6mmであるとき、ハフニウム板10の外側面41に溝ピッチpが10mmで、溝幅wが3mm、溝深さhが0.8mmとなるような断面円弧形状の溝である。この場合、縦溝42のないハフニウム板に比べ、当該ハフニウム板10の横断面積は約8%程度減少し、モンテカルロ法による統計精度の高い計算を行ったところ、当該原子炉用制御棒30の反応度価値は1.3%程度低下した。また、縦溝42は、ハフニウム板10の厚さが同程度であるとき、ハフニウム板10の外側面41に溝ピッチpが5mmで、溝幅wが3mm、溝深さhが0.4mmとなるような断面円弧形状の溝としてもよい。この場合には、縦溝42のないハフニウム板に比べ、当該ハフニウム板10の横断面積は約7%程度減少し、原子炉用制御棒30の反応度価値は、同様の計算によって1.2%程度低下した。
ハフニウム板10におけるシース7に対向した外側面41に上述の縦溝42を設けることによって、ハフニウム板10のシース7との間の通水性が良好となり、これらのハフニウム板9とシース7との通水に伴う冷却性が高まると共に、ハフニウム板10とシース7との間に隙間腐食が生ずることが防止される。また、ハフニウム板10の外側面41に縦溝42が形成されたことで、ハフニウム板10とシース7とが接触した場合の接触面積が低下し、これらのハフニウム板10とシース7との相対移動が容易化される。更に、ハフニウム板10の外側面41に縦溝42が形成されることで、このハフニウム板10における制御棒挿抜方向に対し直角方向の柔軟性が高まり、またハフニウム板10とシース7との機械的強度が同程度となる。このハフニウム板10の機械的強度は、ハフニウム板10において縦溝42の底からの肉厚M1がシース7の肉厚N以上に設定されていることからも担保され、ハフニウム板10の機械的な強度低下が回避される。
また、図1及び図2(B)に示すように、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31では、この一体型中性子吸収要素31における挿入先端側の貫通孔33と挿入末端側の貫通孔34のうちのいずれか一方、本実施の形態では貫通孔34が制御棒挿抜方向に延びる長孔に形成されている。これにより、貫通孔34に挿通される保持部材32の軸部32Bと当該貫通孔34との間に、軸部32Bが制御棒挿抜方向に移動可能な孔隙間37が形成されることになる。また、上記貫通孔33に挿通される保持部材32の軸部32Bは、実際には、貫通孔34に挿通される軸部32Bよりも大径に形成されて強度が増大されている。従って、この貫通孔33は、当該軸部32Bよりも若干大きな直径の真円形状に形成されている。この貫通孔33を挿通する保持部材32の軸部32Bによって、一体型中性子吸収要素31の荷重がシース7に保持される。
シース7を構成するステンレス鋼(SUS)もハフニウム板10も中性子照射によって照射成長する。原子炉用制御棒30の照射成長は、当該原子炉用制御棒30において挿入先端から1/4乃至3/4の範囲の制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31において著しい。このシース7とハフニウム板10との照射特性は、照射が非常に進んだ段階では実測データが不足している。しかし、このような場合でも、ハフニウム板10の貫通孔34に挿通される保持部材32の軸部32Bと当該貫通孔34との間で、保持部材32の軸部32Bが制御棒挿抜方向に移動可能な孔隙間37が形成されることで、この保持部材32を介してハフニウム板10とシース7とが制御棒挿抜方向に移動可能となる。これにより、中性子照射成長が非常に進んだ段階でも、ハフニウム板10とシース7との熱膨張・熱収縮などに伴い発生する機械的応力の発生を防止でき、原子炉用制御棒30の機械的な健全性が確保される。
また、保持部材32の軸部32Bとの間で孔間隙37を形成するハフニウム板10の貫通孔34が長孔に形成されたので、ハフニウム板10とシース7との必要な相対移動量を確保しつつ、貫通孔34の孔面積の増大が防止される。このため、この貫通孔34の形成によっても、ハフニウム板10の反応度価値の低下が抑制される。
制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31では、これらのすべての一体型中性子吸収要素31において、上述のように、孔間隙37が挿入末端側に統一して形成されて、挿入先端側の保持部材32がハフニウム板10とシース7との制御棒挿抜方向の相対移動を規制して、一体型中性子吸収要素31の荷重をシース7に保持させ、挿入末端側の保持部材32がハフニウム板10とシース7との制御棒挿抜方向の相対移動を許容するよう構成されている。これにより、制御棒挿抜方向に隣接する各一体型中性子吸収要素31は、境界において衝突することが防止され、または衝突を回避するために、隣接する一体型中性子吸収要素31の間隔を過大に設定する必要がない。
或いは、制御棒挿入先端側に位置するすべての一体型中性子吸収要素31では、孔間隙37が挿入先端側に統一して形成されて、挿入末端側の保持部材32がハフニウム板10とシース7の制御棒挿抜方向の相対移動を規制して、一体型中性子吸収要素31の荷重をシース7に保持させ、挿入先端側の保持部材32がハフニウム板10とシース7との制御棒挿抜方向の相対移動を許容するよう構成されている。
ここで、上記保持部材32の軸部32Bは、図3に示すように、一体型中性子吸収要素31の2枚のハフニウム板10の貫通孔33、34を挿通する大径部38と、シース7の装着孔8を挿通する小径部39とを備えて構成される。大径部38は、小径部39よりも若干大径に形成されて、両者の境界に段差部40が設けられる。小径部39は、シース7の厚さとほぼ等しい長さに設定されて、その先端がシース7の外面に溶接等により固着される。また、大径部38は、スペーサ部32Aから上記段差部40に至る長さの領域であり、その長さは、ハフニウム板10の厚さtよりも所定寸法δだけ長く設定されている。この所定寸法δの値は、例えば0.2〜0.6mmである。
大径部38がハフニウム板10の厚さtよりも所定寸法δだけ長く設定されたことで、ハフニウム板10とシース7との間、及びハフニウム板10と保持部材32のスペーサ部32Aとの間に微小な隙間が形成され、ハフニウム板10は厚さ方向に微小移動可能に設けられる。これにより、ハフニウム板10とシース7とが制御棒挿抜方向に相対移動可能に構成され、この相対移動は、ハフニウム板10の外側面41に形成された縦溝42の存在によるハフニウム板10とシース7との接触面積の減少により更に促進される。また、このようなハフニウム板10とシース7との相対移動により、これらのハフニウム板10とシース7との間の通水性も高まり、これらのハフニウム板10とシース7との通水による冷却性が向上すると共に、これらのハフニウム板10とシース7との間に腐食生成物が付着することが防止される。
なお、保持部材32の小径部39の先端をシース7の外面に溶接する際に、シース7の内面を保持部材32の段差部40に当接することで、保持部材32のスペーサ部32Aとシース7との距離を大径部38の長さに一致させることが可能となり、ハフニウム板10がシース7、スペーサ部32Aに押し付けられて、これらの間に摩擦力が生ずることが防止される。また、上記大径部38及び小径部39を備えてなる軸部32Bを有する保持部材32は、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31に限らず、制御棒挿入末端側に位置する一体型中性子吸収要素31に適用されてもよい。
また、図1に示すように、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31において、挿入先端側と挿入末端側にそれぞれ一対設けられた保持部材32は、制御棒挿抜方向に段違いに配置されている。保持部材32は、シース7に溶接により固着されている。このシース7の保持部材32溶接箇所では、発生した残留応力を完全に除去することは容易でなく、中性子照射量が高くなった場合に応力腐食割れが発生する恐れがある。しかし、保持部材32が制御棒挿抜方向に段違いに配置されたことで、シース7において制御棒挿抜方向に直角な方向の同一断面で残留応力が低減されるので、応力腐食割れの発生が抑制される。
このような挿入先端側と挿入末端側での一対の保持部材32の段違い配置は、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31に限らず、制御棒挿入末端側に位置する一体型中性子吸収要素31にも適用可能である。
図1、図2(C)及び(D)に示すように、原子炉用制御棒30の一体型中性子吸収要素31及びシース7には、シース通水孔9A、重複通水孔9Bが通水孔9として設けられている。図1中では、シース7に形成された通水用の孔は破線で示している。シース通水孔9Aからの水の導入によって、シース7及びハフニウム板10が冷却される。また、重複通水孔9Bから一体型中性子吸収要素31のハフニウム板10間の水ギャップ11へ水が導入され、この水が高速中性子の減速用、及びハフニウム板10の冷却用に利用される。
上記シース通水孔9A、重複通水孔9Bのうち、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31に対応してシース7に形成されるシース通水孔9A、重複通水孔9Bは、制御棒挿抜方向に対し直角な方向に2個並設されず、制御棒挿抜方向に段違いに設けられる。シース7にシース通水孔9A等が上述のように2個並設されると、シース通水孔9A等を含むシース7の横断面ではせん断応力が約30%程度増大するが、シース通水孔9Aなどの通水孔9を制御棒挿抜方向に段違いに配置することで、上記せん断応力の増大が抑制されて、シース7の強度が向上する。
制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31では、上記重複通水孔9Bは、シース7に形成されたシース孔9B1と、ハフニウム板10に形成されたハフニウム孔9B2とが重複して設けられた通水孔であり、このうちハフニウム孔9B2が、制御棒挿抜方向に延びる長孔に形成される。制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31においては、ハフニウム板10とシース7との照射成長が著しい。従って、重複通水孔9Bを構成するハフニウム孔9B2を制御棒挿抜方向に延びる長孔に形成することで、中性子照射が非常に進み、ハフニウム板10とシース7との間に熱膨張・熱収縮に伴う制御棒挿抜方向の相対的な位置ずれが発生しても、シース孔9B1とハフニウム孔9B2とが一致した状態に維持される。これにより、一体型中性子吸収要素31の水ギャップ11とシース7外部との間で重複通水孔9Bを通した水の出入が確保され、このため、ハフニウム板12の冷却性が良好に確保される。
以上のように構成されたことから、上記実施の形態によれば、次の効果(1)〜(6)を奏する。
(1)制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31では、当該一体型中性子吸収要素31のハフニウム板10におけるシース7との対向する外側面41に、制御棒挿抜方向に略平行な複数本の縦溝42が形成されている。このため、ハフニウム板10とシース7との間の通水性が良好となり、これらのハフニウム板10とシース7との通水による冷却性が高まると共に、これらの両者間に隙間腐食が発生することを防止できる。また、ハフニウム板10に上記縦溝42が形成されたことで、ハフニウム板10とシース7とが接触する場合の接触面積を減少でき、これらのハフニウム板10とシース7との相対移動が容易化する。更に、ハフニウム板10に上記縦溝42が形成されることで、このハフニウム板10における制御棒挿抜方向に対し直角方向の柔軟性を向上させることができる。これらのことから、健全性を確保しつつ、原子炉用制御棒30の長寿命化を実現できる。
(2)ハフニウム板10において縦溝42の底からの肉厚M1が、シース7の肉厚N以上に設定されたことから、ハフニウム板10の機械的な強度の低下を防止できる。
(3)制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31では、挿入末端側または挿入先端側のいずれか一方における一対の保持部材32が挿入する貫通孔34(または貫通孔33)が、制御棒挿抜方向に延びる長孔に形成されたので、保持部材32を介してハフニウム板10とシース7とが制御棒挿抜方向に移動可能となる。この結果、中性子照射が非常に進み、ハフニウム板10とシース7とに熱膨張・熱収縮が生じた場合にも、原子炉用制御棒30の健全性を確保できる。また、上記貫通孔34(または貫通孔33)が長孔に形成されたので、ハフニウム板10の反応度価値の低下を抑制できる。
(4)保持部材32の軸部32Bが、ハフニウム板10の厚さtよりも所定寸法δだけ長い大径部38と、シース7の厚さと同一長さの小径部39とを備えて構成されたので、ハフニウム板10とシース7との制御棒挿抜方向の相対移動を確保できる。この結果、ハフニウム板10とシース7との間の通水性、冷却性を向上させ、腐食生成物の発生を防止できる。
(5)制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素31では、重複通水孔9Bを構成するハフニウム孔9B2が制御棒挿抜方向に延びる長孔に形成されたので、原子炉用制御棒30に中性子照射が非常に進み、ハフニウム板10とシース7との間に熱膨張・熱収縮が生じた場合にも、シース孔9B1とハフニウム孔9B2とを一致した状態に維持することができる。このため、重複通水孔9Bを通して水の出入が確保され、ハフニウム板10の冷却性を向上させることができる。
(6)一体型中性子吸収要素31において、一対の保持部材32が制御棒挿抜方向に段違いに配置されたので、シース7における制御棒挿抜方向に直角な方向の同一断面で、保持部材32の溶接位置に生ずる残留応力を低減でき、応力腐食割れの発生を抑制できる。
[B]第2の実施の形態(図4、図5)
図4は、本発明に係る原子炉用制御棒の第2の実施の形態の主要部を示し、(A)が図4(B)のIVA‐IVA線に沿う断面図、(B)が図4(A)のIVB‐IVB線に沿う断面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明棒省略する。
この第2の実施の形態の原子炉用制御棒50が前記第1の実施の形態の原子炉用制御棒30と異なる点は、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素51のハフニウム板10におけるシース7と対向する外側面41に、制御棒挿抜方向と平行で、溝ピッチと溝深さが縦溝42と異なる縦溝52が形成された点である。
つまり、この縦溝52は、図5に示すように、ハフニウム板10の厚さが仮に1.6mmであるときに、ハフニウム板10の外側面41に溝ピッチpが20mmで、溝深さhが0.2mm、溝幅w10mmの棒断面略四角形状の溝である。この場合、縦溝52のないハフニウム板と比べると、当該ハフニウム板10の横断面積は約6%程度減少し、実施例1と同様な計算方法を用いて算出したところ、原子炉用制御棒50の反応度価値は1%程度低下した。
本実施の形態においても、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素51において、当該一体型中性子吸収要素51のハフニウム板10の外側面41に、制御棒挿抜方向に平行な縦溝52が形成されたこと等から、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(6)と同様な効果を奏する。
[C]第3の実施の形態(図6)
図6は、本発明に係る原子炉用制御棒の第3の実施の形態の主要部を示し、(A)が図6(B)のVIA‐VIA線に沿う断面図、(B)が図6(A)のVIB‐VIB線に沿う断面図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この第3の実施の形態の原子炉用制御棒60が、前記第1、第2の実施の形態の原子炉用制御棒30、50と異なる点は、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素61のハフニウム板10における外側面41に形成される縦溝62の方向である。つまり、この縦溝62は、制御棒挿入先端方向において中央構造体6からウイング2の側端63方向へ向かって若干傾斜し、しかも、この縦溝62の方向が一体型中性子吸収要素61の対向する2枚のハフニウム板10相互間において略平行に設けられている。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(6)と同様な効果を奏する他、次の効果(7)及び(8)を奏する。
(7)縦溝62が中央構造体6からウイング2の側端63方向へ向かって若干傾斜して設けられたことから、中央構造体6側の比較的冷たい水が発熱率の高いウイング2の側端63側へ導かれるので、ハフニウム板10、ひいては一体型中性子吸収要素の61の冷却効率を向上させることができる。
(8)一体型中性子吸収要素61の2枚のハフニウム板10のそれぞれに形成された縦溝62が略平行に設けられたので、一体型中性子吸収要素61の制御棒挿抜方向に対する直角方向の柔軟性を向上させることができる。
[D]第4の実施の形態(図7)
図7は、本発明に係る原子炉用制御棒の第4の実施の形態の主要部であり、前面のシースを切り欠いて一体型中性子吸収要素を示す正面図である。この第4の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この第4の実施の形態の原子炉用制御棒70が、前記第1の実施の形態と異なる点は、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素71のハフニウム板10におけるシース7と対向する外側面41に、制御棒挿抜方向に対し直角な方向に延びる1本または複数本(本実施の形態では3本)の横溝72が形成された点である。この横溝72の深さは、縦溝42、52、62の場合と同様に、当該横溝72の底から、ハフニウム板10の横溝72が形成されていない内側面43までの肉厚M1、M2が、シース7の肉厚N以上の範囲に設定される(図2(A)、図5参照)。
上記横溝72は、上記一体型中性子吸収要素71におけるハフニウム板10の外側面41において、挿入先端側と挿入末端側の各保持部材32を含む、これらの保持部材32間の領域Aに設けられる。尚、本実施の形態では、横溝72が縦溝42、52または62と共に、ハフニウム板10の外側面41に形成されるものを述べたが、横溝72のみがハフニウム板10の外側面41に形成されてもよい。
本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(6)と同様な効果を奏する他、次の効果(9)〜(11)を奏する。
(9)一体型中性子吸収要素71を構成するステンレス鋼(SUS)製のシース7とハフニウム板10とは熱膨張率が異なると共に、中性子照射による照射成長の特性も異なる。原子炉用制御棒70の照射成長は、原子炉用制御棒70において、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素71において著しい。このシース7とハフニウム板10との照射特性は、照射が非常に進んだ段階では実測データが不足している。このような一体型中性子吸収要素71においては、挿入先端側の保持部材32と挿入末端側の保持部材32との間で中性子照射が著しく進み、シース7とハフニウム板10との中性子照射特性が不明確となった場合、シース7がハフニウム板10よりも熱膨張率が3倍程度大きいことから、特に熱収縮時に、シース7はハフニウム板10から、制御棒挿抜方向に引きちぎられるようなせん断力を受けることがある。
しかし、上記一体型中性子吸収要素71のハフニウム板10の外側面41に横溝72が形成されたことで、一体型中性子吸収要素71のハフニウム板10は、制御棒挿抜方向に柔軟性が高まり、制御棒挿抜方向の圧縮強度が低下してシース7の引っ張り強度と同程度となる。このことから、シース7に亀裂等が生ずることを防止でき、一体型中性子吸収要素71、ひいては原子炉用制御棒70の健全性を確保できる。
(10)上記横溝72は、交差して配置された複数の縦溝42内を流れる水を均一化する機能を果たすので、一体型中性子吸収要素71の冷却特性を向上させることができる。
(11)上記横溝72の深さは、当該横溝72の底からハフニウム板10の内側面43までの肉厚M1、M2が、シース7の肉厚N以上となる範囲で設定されるので、一体型中性子吸収要素71におけるハフニウム板10の強度を良好に確保できる。
[E]第5の実施の形態(図8)
図8は、本発明に係る原子炉用制御棒の第5の実施の形態の主要部であり、前面のシースを切り欠いて一体型中性子吸収要素を示す正面図である。この第5の実施の形態において、前記第1及び第4の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この第2の実施の形態の原子炉用制御棒80が前記第4の実施の形態の原子炉用制御棒70と異なる点は、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素81において、通水孔9(シース通水孔9A,重複通水孔9B)と一対の保持部材32とが、制御棒挿抜方向に対し直角な方向に配置されると共に、横溝82が挿入先端側と挿入末端側のそれぞれ一対の保持部材32を含む幅で、制御棒挿抜方向に対し直角な方向に形成され、更にこれらの横溝82間にも同様な横溝83が、横溝82に平行に形成された点である。これらの横溝82及び83は、前記横溝72と同程度の溝深さに設定される。しかも、横溝82及び83には、ハフニウム板10を貫通する溝通水孔84が形成されて、一体型中性子吸収要素81におけるハフニウム板10間の水ギャップ11とハフニウム板10の外側面41側とが連通される。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(5)、及び前記第4の実施の形態の効果(9)〜(11)を奏する他、次の効果(12)を奏する。
(12)一体型中性子吸収要素81のハフニウム板10の外側面41に、制御棒挿抜方向に対し直角な方向に延びる横溝82及び83が形成され、これらの横溝82、83間に溝通水孔84がハフニウム板10に貫通して設けられている。従って、一体型中性子吸収要素81の2枚のハフニウム板10間における水ギャップ11内の水がハフニウム板10外へ容易に出入されて、このハフニウム板10の冷却特性を向上させることができる。特に、横溝82に溝通水孔84が形成されたことで、一対の保持部材32付近に蓄積されやすい滞留物が溝通水孔84を流れる水によって蓄積されにくくなり、健全性の高い長寿命型の原子炉用制御棒80を実現できる。
尚、本実施の形態によれば、前記第4の実施の形態の原子炉用制御棒70と同様に、一体型中性子吸収要素81のハフニウム板10には、縦溝42、52または62が設けられず、横溝82及び83にのみが設けられてもよい。
[F]第6の実施の形態(図9〜図11)
図9は、本発明に係る原子炉用制御棒の第6の実施の形態を示し、(A)が左半分のシースを切り欠いて示す正面図、(B)が図9(A)の一部拡大図である。この第6の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この第6の実施の形態の原子炉用制御棒90は、図18に示す原子炉用制御棒21と基本的な構造を同一とするが、一体型中性子吸収要素91であるハフニウム管20のシース7に対向する面に前記第1、第2または第3の実施の形態のそれぞれの縦溝42、52または62が形成された点と、上記ハフニウム管20に形成されてスティフナ22が挿通される貫通孔93の大きさの点と、シース7及び上記ハフニウム管20に第1の実施の形態と同様な重複通水孔94が形成された点などが、前記原子炉用制御棒21と異なる。
つまり、原子炉用制御棒90においては、制御棒挿抜方向に形成された複数枚(例えば4枚)の一体型中性子吸収要素91のうち、挿入先端から1/4乃至3/4の範囲でハフニウム管20の厚さがシース7の厚さよりも厚い制御棒挿入先端側に位置する2枚の一体型中性子吸収要素91では、シース7に対向する面に、制御棒挿抜方向に延びる1本または複数本の縦溝42、52、62が形成されている。
また、一体型中性子吸収要素91では、スティフナ22が挿通する貫通孔93が、ウイング2の側端63側に位置する一体型中性子吸収要素91のハフニウム管20に形成されるが、このうち、上記制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素91では、ハフニウム管20に形成される貫通孔93が制御棒挿抜方向に延びる長孔に形成される。この貫通孔93の長手方向寸法は、当該一体型中性子吸収要素91を先端構造体4に固定する固定部27から離れるにしたがって順次大きく形成される。従って、この貫通孔93に挿通されるスティフナ22と当該貫通孔93との間の孔間隙95も、上記固定部27から離れるにしたがって順次大きく形成される。図9(B)では、常温の初期状態が示されており、原子炉用制御棒90の温度が上昇すると、ハフニウム管20よりもシース7の方が熱膨張率が大きいため、スティフナ22は、孔間隙95の広い方向(図9(B)における下方)へ相対的に移動する。
更に、上記スティフナ22は、前記実施の形態の保持部材32の軸部32Bにおける大径部38と同様に機能するシース非挿通部96(図11)と、小径部39と同様に機能するシース挿通部97(図11)とを有して構成される。シース非挿通部96は、一体型中性子吸収要素91におけるハフニウム管20の厚さ方向寸法Xよりも所定寸法δだけ長く形成されて、対向するシース7間の間隔を上記寸法(X+δ)に保持する。また、シース挿通部97は、シース7の厚さと略等しく形成されて、このシース7に形成された装着孔98に挿通され、先端部がシース7の外面に溶着される。
これらのシース非挿通部96、シース挿通部97は、例えば四角柱形状に形成されたものであり、断面四角形の対角線がシース挿通部97よりもシース非挿通部96の方が大きな寸法に設定されている。これにより、シース非挿通部96とシース挿通部97との間に、前記段差部40と同様な段差部99が形成される。シース挿通部97の先端部がシース7の外面に固着され、上記段差部99がシース7の内面に当接することで、対向するシース7間の間隔が、ハフニウム管20の厚さ方向寸法Xよりも所定寸法δだけ大きく設定される。これにより、シース7とハフニウム管20とが相対移動可能に設けられる。
上記制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素91では、重複通水孔94は、シース7に形成されたシース孔9B1と、ハフニウム管20に形成されたハフニウム孔9B3とが重ね合わされて貫通して構成される。このうち、ハフニウム孔9B3は、制御棒挿抜方向に延びる長孔に形成される。このハフニウム孔9B3の長手方向寸法は、上記一体型中性子吸収要素91を先端構造材4に固定する固定部27から離れるにしたがって順次大きく形成されている。原子炉用制御棒90の温度が上昇したとき、ハフニウム管20よりもシース7の方が熱膨張量が大きいため、シース孔9B1がハフニウム孔9B3に対し固定部27から離れる方向に相対移動して、重複通水孔9Bの孔面積が略一定に維持される。
尚、スティフナ22が挿通する貫通孔93と重複通水孔94のハフニウム孔9B3とは、一体型中性子吸収要素91のうち、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素91を除く、制御棒挿入末端側に位置する一体型中性子吸収要素91においても、同様に、当該一体型中性子吸収要素91を末端構造材5に固定する固定部27から離れるにしたがって順次大きく形成されてもよい。また、図9(B)には、シース孔9B1を便宜上示している。
以上のように構成されたことから、本実施の形態によれば、制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素91のハフニウム管20に縦溝42、52、62が形成され、また、上記一体型中性子吸収要素91のハフニウム管20に形成されてスティフナ22が挿通する制御棒挿抜方向に延びる貫通孔93が長孔に形成され、更に、重複通水孔9Bのハフニウム孔9B3が制御棒挿抜方向に延びる長孔に形成され、また、上記スティフナ22がシース非挿通部96とシース挿通部97とを有して構成されたことから、前記第1の実施の形態の効果(1)〜(5)と同様な効果を奏する。
[G]第7の実施の形態(図12)
図12は、本発明に係る原子炉用制御棒の第7の実施の形態の主要部を示し、左半分のシースを切り欠いて示す正面図である。この第7の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分は、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
この原子炉用制御棒100は、いわゆるハイブリッド型制御棒であり、横断面が深いU字状をなすシース7内に、中性子吸収材である板状のハフニウム板101及び102と、複数本の中性子吸収棒103とが収容されて構成される。ハフニウム板101及び102は、シース7内で、原子炉用制御棒100の少なくとも挿入先端側部分に設置されたものであり、ハフニウム板101がシース7内の上記挿入先端から一定長さ(例えば15〜30cm)の部分に設置される。ハフニウム板102は、ウイング2の側端側部分に長尺状に配置される。
上記中性子吸収棒103は、シース7内において、ハフニウム板101及び102が配置された部分を除く残りの部分に設置される。この中性子吸収棒103は、ステンレス鋼(SUS)製の被覆管内にボロンカーバイト(BC)などの中性子吸収物質が充填されて構成される。
このような原子炉用制御棒100において、上記ハフニウム板101及び102におけるシース7と対向する面に、制御棒挿抜方向と平行な方向に延びる、前記第1、第2または第3の実施の形態のそれぞれの縦溝42、52または62が形成されている。
したがって、本実施の形態においても、ハフニウム板101及び102に縦溝42、52または62が形成されたことから、原子炉運転時において、これらのハフニウム板101、102の通水性及び冷却性等が高まるなど、前記第1の実施の形態の効果(1)と同様な効果を奏する。
本発明に係る原子炉用制御棒の第1の実施の形態における主要部であり、前面のシースを切り欠いて一体型中性子吸収要素を示す正面図。 (A)、(B)、(C)、(D)は、図1のIIA‐IIA線、IIB‐IIB線、IIC‐IIC線、IID‐IID線にそれぞれ沿う断面図。 図2(B)を拡大して示す断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第2の実施の形態の主要部を示し、(A)は図4(B)のIVA‐IVA線に沿う断面図、(B)は図4(A)のIVB‐IVB線に沿う断面図。 図4(A)の一部を拡大して示す断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第3の実施の形態の主要部を示し、(A)は図6(B)のVIA‐VIA線に沿う断面図、(B)は図6(A)のVIB‐VIB線に沿う断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第4の実施の形態の主要部であり、前面のシースを切り欠いて一体型中性子吸収要素を示す正面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第5の実施の形態の主要部であり、前面のシースを切り欠いて一体型中性子吸収要素を示す正面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第6の実施の形態を示し、(A)は左半分のシースを切り欠いて示す正面図、(B)は図9(A)の一部拡大図。 図9(B)のX−X線に沿う断面図。 図9(B)のスティフナの配置箇所を拡大して示す断面図。 本発明に係る原子炉用制御棒の第7の実施の形態の主要部を示し、左半分のシースを切り欠いて示す正面図。 実用化された従来の原子炉用制御棒の概要を示し、(A)は一部を切り欠いて示す斜視図、(B)は図13(A)の一ウイングを示す横断面図、(C)は図13(B)における保持部材を示す斜視図 (A)は図13(A)の原子炉用制御棒において前面のシースを切り欠いて示す正面図、(B)は、図14(A)の中性子吸収材であるハフニウム板の厚さ分布及び反応度価値を示す図。 従来の原子炉用制御棒の中性子吸収材であるハフニウム板の厚さ分布を示す図。 (A)は、図14(A)の要部拡大正面図、(B)は、図16(A)の一対のハフニウム板(一体型中性子吸収要素)を拡大して示す正面図、(C)は、図16(B)のXVI‐XVI線に沿う断面図。 (A)は図13(A)の原子炉用制御棒の一ウイングを拡大して示す正面図であり、(B)、(C)、(D)は、図17(A)のXVIIB‐XVIIB線、XVIIC‐XVIIC線、XVIID‐XVIID線にそれぞれ沿う断面図である。 図13とは異なる従来の他の原子炉用制御棒を示し、(A)は左半分のシースを切り欠いて示す正面図、(B)は図18(A)の中性子吸収材の厚さ分布を示す図、(C)は図18(A)のXVIII‐XVIII線に沿う断面図。
符号の説明
2 ウイング
4 先端構造材
5 先端構造材
6 中央構造材
7 シース
9 通水孔
9A シース通水孔
9B 重複通水孔
9B1 シース孔
9B2、9B3 ハフニウム孔
10 ハフニウム板
20 ハフニウム管
22 スティフナ(保持部材)
27 固定部
30 原子炉用制御棒
31 一体型中性子吸収要素
32 保持部材
32A スペーサ部
32B 軸部
34 貫通孔
37 孔間隙
38 大径部
39 小径部
50 原子炉用制御棒
51 一体型中性子吸収要素
52 縦溝
60 原子炉用制御棒
61 一体型中性子吸収要素
62 縦溝
63 側端
70 原子炉用制御棒
71 一体型中性子吸収要素
72 横溝
80 原子炉用制御棒
81 一体型中性子吸収要素
82、83 横溝
84 溝通水孔
90 原子炉用制御棒
91 一体型中性子吸収要素
93 貫通孔
94 重複通水孔
96 シース非挿通部
97 シース挿通部
100 原子炉用制御棒
101、102 ハフニウム板
103 中性子吸収棒
δ 所定寸法
M1、M2、N 肉厚

Claims (15)

  1. 横断面がU字状をなす長尺のシースの開口部を、中央構造材に固着して複数のウイングを構成し、このウイングの炉心挿入方向先端側に先端構造材を、挿入末端側に末端構造材をそれぞれ固着すると共に、板状のハフニウムを主な中性子吸収材とする複数の一体型中性子吸収要素を、前記シース内に当該シースの長手方向に列状に収容する原子炉用制御棒において、
    制御棒挿抜方向に配列された複数の前記一体型中性子吸収要素のうち、挿入先端から1/4乃至3/4の範囲で、前記中性子吸収材の厚さが前記シースの厚さよりも厚い制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素では、当該一体型中性子吸収要素の前記中性子吸収材における前記シースと対向する面に、制御棒挿抜方向に略平行な縦溝が形成されたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  2. 前記縦溝の深さは、当該縦溝の底から中性子吸収材の反対側の面までの当該中性子吸収材の肉厚が、シースの肉厚以上となる範囲で設定されたことを特徴とする請求項1に記載の原子炉用制御棒。
  3. 前記縦溝は、制御棒挿入先端方向において中央構造材からウイング側端方向へ向かって傾斜し、この縦溝の方向が、一体型中性子吸収要素の対向する複数枚の中性子吸収材相互間で略平行に設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の原子炉用制御棒。
  4. 横断面がU字状をなす長尺のシースの開口部を、中央構造材に固着して複数のウイングを構成し、このウイングの炉心挿入方向先端側に先端構造材を、挿入末端側に末端構造材をそれぞれ固着すると共に、板状のハフニウムを主な中性子吸収材とする複数の一体型中性子吸収要素を、前記シース内に当該シースの長手方向に列状に収容する原子炉用制御棒において、
    制御棒挿抜方向に配列された複数の前記一体型中性子吸収要素のうち、挿入先端から1/4乃至3/4の範囲で、前記中性子吸収材の厚さが前記シースの厚さよりも厚い制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素では、当該一体型中性子吸収要素の前記中性子吸収材における前記シースと対向する面に、制御棒挿抜方向に対し直角な方向の横溝が形成されたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  5. 前記一体型中性子吸収要素は、挿入先端側と挿入末端側にそれぞれ一対設けられた保持部材により荷重が保持されると共に、中性子吸収材の間隔が保持され、
    前記横溝は、挿入先端側と挿入末端側の前記一対の保持部材を含む当該保持部材間の領域に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の原子炉用制御棒。
  6. 前記一体型中性子吸収要素の中性子吸収材に設けられた横溝には、当該中性子吸収材を貫通する通水孔が形成されたことを特徴とする請求項4または5に記載の原子炉用制御棒。
  7. 前記横溝の深さは、当該横溝の底から中性子吸収材の反対側の面までの当該中性子吸収材の肉厚が、シースの肉厚以上となる範囲で設定されたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の原子炉用制御棒。
  8. 前記一体型中性子吸収要素は、当該一体型中性子吸収要素の中性子吸収材に形成された貫通孔に挿通されてシースに固着される軸部と、当該一体型中性子吸収要素の前記中性子吸収材の間隔を保持するスペーサ部とを備えた保持部材により荷重が保持され、
    この保持部材の前記軸部は、スペーサ部側から前記中性子吸収材の厚さよりも所定寸法長く形成されて、前記中性子吸収材の厚さ方向の微妙な移動を可能とする大径部と、前記シースの厚さと略等しく形成されて当該シースに挿通される小径部とを備え、当該小径部の先端が前記シースの外面に固着されて、当該シースと前記中性子吸収材とが制御棒挿抜方向に相対移動可能に設けられたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の原子炉用制御棒。
  9. 前記一体型中性子吸収要素は、当該一体型中性子吸収要素の中性子吸収材に形成された貫通孔に挿通されてシースに固着される軸部と、当該一体型中性子吸収要素の前記中性子吸収材の間隔を保持するスペーサ部とを備えた保持部材により荷重が保持され、
    制御棒挿入先端側に位置する前記各一体型中性子吸収要素では、挿入末端側または挿入先端側のいずれか一方における一対の保持部材の軸部が挿通する貫通孔が、制御棒挿抜方向に延びる長孔であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の原子炉用制御棒。
  10. 横断面がU字状をなす長尺のシースの開口部を、中央構造材に固着して複数のウイングを構成し、このウイングの炉心挿入方向先端側に先端構造材を、挿入末端側に末端構造材をそれぞれ固着すると共に、ハフニウムを主な中性子吸収材とする複数の一体型中性子吸収要素を、前記シース内に当該シースの長手方向に列状に収容する原子炉用制御棒において、
    制御棒挿抜方向に配列された複数の前記一体型中性子吸収要素のうち、挿入先端から1/4乃至3/4の範囲で、前記中性子吸収材の厚さが前記シースの厚さよりも厚い制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素では、前記シース及び前記中性子吸収材に重複して設けられた重複通水孔を構成する前記中性子吸収材の孔が、制御棒挿抜方向に延びる長孔であることを特徴とする原子炉用制御棒。
  11. 横断面がU字状をなす長尺のシースの開口部を、中央構造材に固着して複数のウイングを構成し、このウイングの炉心挿入方向先端側に先端構造材を、挿入末端側に末端構造材をそれぞれ固着すると共に、平管状のハフニウムを主な中性子吸収材とする複数の一体型中性子吸収要素を、前記シース内に当該シースの長手方向に列状に収容する原子炉用制御棒において、
    制御棒挿抜方向に配列された複数の前記一体型中性子吸収要素のうち、挿入先端から1/4乃至3/4の範囲で、前記中性子吸収材の厚さが前記シースの厚さよりも厚い制御棒挿入先端側に位置する一体型中性子吸収要素では、当該一体型中性子吸収要素の前記中性子吸収材における前記シースと対向する面に、制御棒挿抜方向に略平行な縦溝が形成されたことを特徴とする原子炉用制御棒。
  12. 前記シースは、一体型中性子吸収要素に形成された貫通孔に挿通されて当該シースに固着される保持部材を用いてシース間隔が保持され、
    この保持部材は、前記一体型中性子吸収要素の厚さ方向寸法よりも所定寸法長く形成されて前記シース内面間の間隔を規制するシース非挿通部と、前記シースの厚さと略等しく形成されて当該シースに挿通されるシース挿通部とを備え、当該シース挿通部の先端が前記シースの外面に固着されて、当該シースと前記中性子吸収材とが制御棒挿抜方向に相対移動可能に設けられたことを特徴とする請求項11に記載の原子炉用制御棒。
  13. 前記シースは、一体型中性子吸収要素に形成された貫通孔に挿通されて当該シースに固着される保持部材を用いてシース間隔が保持され、
    この保持部材を挿通する前記貫通孔が制御棒挿抜方向に延びる長孔であり、この貫通孔の長手方向寸法が、前記一体型中性子吸収要素を先端構造材に固定する固定部から離れるにしたがって順次大きく形成されたことを特徴とする請求項11または12に記載の原子炉用制御棒。
  14. 前記シース及び前記中性子吸収材に重複して設けられた重複通水孔を構成する前記中性子吸収材の孔が制御棒挿抜方向に延びる長孔であり、この長孔の長手方向寸法が、前記一体型中性子吸収要素を先端構造材に固定する固定部から離れるにしたがって順次大きく形成されたことを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の原子炉用制御棒。
  15. 横断面がU字状をなす長尺のシースの開口部を、中央構造材に固着して複数のウイングを構成し、このウイングの炉心挿入方向先端側に先端構造材を、挿入末端側に末端構造材をそれぞれ固着すると共に、前記シース内には、少なくとも挿入先端側部分に板状のハフニウムを中性子吸収材として配置し、残りの部分にボロンカ−バイド粉末を充填した中性子吸収棒を多数配置した原子炉用制御棒において、
    前記中性子吸収材としての板状のハフニウムには、前記シースと対向する面に、制御棒挿抜方向と略平行な縦溝が形成されたことを特徴とする原子炉用制御棒。
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