JP2509625B2 - 高速増殖炉の炉心構成 - Google Patents

高速増殖炉の炉心構成

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JP2509625B2 JP62155406A JP15540687A JP2509625B2 JP 2509625 B2 JP2509625 B2 JP 2509625B2 JP 62155406 A JP62155406 A JP 62155406A JP 15540687 A JP15540687 A JP 15540687A JP 2509625 B2 JP2509625 B2 JP 2509625B2
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は高速増殖炉の炉心構成に係り、特に中性子吸
収材としてボロンカーバイドを使用した制御棒集合体を
有する高速増殖炉の炉心構成に関する。
(従来の技術) 高速増殖炉は、発電しながら消費した以上の核燃料を
生成する画期的な原子炉であり、高性能の燃料および制
御システム等を開発するとともに、低コストの原子炉を
実現すべく研究・開発が進められている。
高速増殖炉の一例として、タンク型高速増殖炉の構成
図を第5図に示す。第5図において、原子炉容器1の外
周側には安全容器2が設置されている。原子炉容器1
は、支持部材3を介して原子炉建屋4に支持されてい
る。原子炉容器1の上部は、ルーフスラブ5により閉塞
されている。また原子炉容器1内には、冷却材6および
炉心7が収容されている。炉心7は図示しない複数の燃
料集合体および制御棒集合体等から構成されており、ま
た炉心支持機構8を介して原子炉容器1に支持されてい
る。また炉心支持機構8と原子炉容器1との間には隔壁
9が設置されており、この隔壁9により原子炉容器1内
を上下に2分し、上法を高温、低圧の上部プレナム10と
し、下方を低温、高圧の下部プレナム11としている。炉
心支持機構8の外周側には中間熱交換器12および主循環
ポンプ13が、ルーフスラブ5および隔壁9を貫通して周
方向に等間隔で交互に配置されている。また冷却材6の
液面6Aとルーフスラブ5の下端面との間の空間は、カバ
ーガス空間14となっており、このカバーガス空間14内に
はアルゴンガス等のカバーガス15が充填されている。ま
た炉心7の直上位置には、炉心上部機構16がルーフスラ
ブ5を貫通して設置されている。この炉心上部機構16に
は制御棒駆動機構(CRD)17が設置されている。
第6図は第5図に示す炉心7の横断面図である。炉心
7にはウラン235、プルトニウム239等の核燃料を有する
燃料集合体18と、この燃料集合体18における核燃料の核
分裂反応を制御する制御棒集合体19とが備えられる。制
御棒集合体19は多数配置されており、第6図の符号Pで
示す制御棒集合体19は、原子炉の起動、停止、出力制御
の目的に使用されている主炉停止用制御棒19aを示す。
また、符号Sで示す制御棒は冗長性を持たせて、炉心の
安全性を高めるために設置される後備停止用制御棒19b
である。
第7図は第6図に示す炉心7に装荷される燃料集合体
18の一例を示す断面図である。燃料集合体18はラッパ管
20を有し、このラッパ管20内に多数の燃料ピン21が収容
される。この燃料ピン21内にはウラン235、プルトニウ
ム239等の核分裂性物質を含む核燃料が備えられる。ま
た、ラッパ管20の上部には、燃料集合体18を炉心7へ着
脱する際、また移送する際の把持部となるハンドリング
ヘッド22が設けられ、一部下部には燃料集合体18を固定
支持するためのエントランスノズル23が設けられる。
第8図は第6図に示す炉心7に装荷される制御棒集合
体19の一例を示す断面図である。制御棒集合体は下部案
内管27を有し、この下部案内管27の上端にハンドリング
ヘッド28が、下端に小径のエントランスノズル29がそれ
ぞれ形成される。
下部案内管27内には制御棒30が昇降可能に設けられ、
この制御棒30は保護管31内に多数の制御要素32が収容さ
れて構成される。制御要素32は被覆管内に多数の中性子
吸収材が備えられる。
上記保護管31の上部には格子板押え34が設けられ、こ
の格子板押え34は連結棒35により前記制御棒駆動機構17
に連結される。このように構成される制御棒集合体19
は、制御棒30を制御棒駆動機構17により炉心7に挿入し
たり、引抜いたりして炉心出力、炉心反応度を制御する
ようになっている。
前記制御要素32内に備えられる中性子吸収材は中性子
吸収断面積が大きい元素を含む物質から構成される。通
常は、中性子吸収断面積が大きい元素としてボロン10
(質量数10のボロン)が用いられ、中性子吸収材として
はボロン10の含有率を天然ボロンにおけるボロン10の含
有率以上に高めたボロン(以下濃縮ボロンという)を含
むボロンカーバイド(B4C)がペレット状に成形され
て用いられる。
天然ボロンの場合にはボロン10の含有率は20%程度で
あり、他の80%はボロン11(質量数11のボロン)であ
る。ちなみに、典型的な高速増殖炉の炉心部中性子スペ
クトルで求めた実行断面積は、ボロン10の中性子吸収断
面積については約2.5バーンであり、ボロン11の中性子
吸収断面積については約0.00004バーンとなっている。
上記濃縮ボロンはボロン10の含有率が20%以上に濃縮さ
れており、中性子吸収能力が高められている。
(発明が解決しようとする問題点) 上述したように、濃縮ボロンを製造するには、ボロン
10を濃縮する必要があるから、その廃棄物として必然的
にボロン10の含有率が天然ボロンにおけるボロン10の含
有率よりも低いボロン(以下減損ボロンという)が生成
する。減損ボロンのボロン10含有率は天然ボロンにおけ
る含有率(20%)より低く、中性子吸収能力が低いこと
から、従来は廃棄処分にされることが多く、経済性、ボ
ロン資源有効利用の点で好ましくなかった。
一方、ボロン10は中性子吸収能力が高く、中性子吸収
材として好適である一方、(n,α)反応によるヘリウム
発生量が多く、ボロンカーバイドペレットのスエリング
の原因となる。スエリングとはボロンカーバイドペレッ
ト内にヘリウムが発生し、このヘリウムの作用によりボ
ロンカーバイドペレットが膨れる現象である。このスエ
リングはボロンカーバイドペレットと被覆管とが接触し
て応力が発生することにより、制御棒30の機械的寿命を
縮める原因となる。したがって、制御棒長寿命化の観点
からは、ボロン10の含有率が低い方が好ましい。
また、近年注目されている金属燃料を有する炉心に使
用される中性子吸収材として前記減損ボロンを活用でき
れば、金属燃料を有する炉心の特徴を生かした安価な炉
心を構成することができる。
本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、ボロ
ン資源の有効利用を図るとともに、制御棒のスエリング
を制御して制御棒の長寿命化を図り、また金属燃料を有
する炉心の特徴を生かした安価な炉心を構成することが
できる高速増殖炉の炉心構成を提供することを目的とす
る。
〔発明の構成〕
(問題点を解決するための手段) 本発明は、ウラン等の核燃料が備えられた多数の燃料
集合体と、ボロンカーバイドからなる中性子吸収材が備
えられた多数の制御棒集合体とを有する高速増殖炉の炉
心構成において、前記多数の制御棒集合体の少なくとも
一部の制御棒集合体に備えられる中性子吸収材はボロン
10の含有率が天然ボロンにおけるボロン10の含有率より
も低いボロンカーバイドを有するものである。
(作用) この高速増殖炉の炉心構成は、制御棒集合体に中性子
吸収材を備え、この中性子吸収材は、ボロン10の含有率
が天然ボロンにおけるボロン10の含有率よりも低いボロ
ンカーバイドを有するから、従来原子炉用としての使用
が困難であった減損ボロンを原子炉制御に有効に活用す
ることが可能となり、ボロン資源を有効に利用すること
ができる。
また、上記中性子吸収材は、ボロン10の含有率が天然
ボロンにおけるボロン10の含有率よりも低いボロンカー
バイドを有するから、ボロン10の(n,α)反応によりヘ
リウム発生量が減少し、スエリングの発生が抑制され
る。このため、制御棒の長寿命化を図ることが可能とな
る。
さらに、多数の燃料集合体の少なくとも一部の燃料集
合体に備えられる核燃料として金属燃料を使用した場合
には、酸化物燃料のみから構成される炉心に比較してサ
イクル運転中における余剰反応度が少なくてもく、制御
棒集合体にボロン10の含有率が天然ボロンにおけるボロ
ン10の含有率よりも低いボロンカーバイドを有する中性
子吸収材が備えられた場合でも、充分な制御効果が得ら
れる。したがって、金属燃料を有する炉心の有用な特徴
を生かした安価な炉心を構成することができる。
(実施例) 本発明に係る高速増殖炉の炉心構成の第1実施例を図
面を参照して説明する。
第1図に示す炉心7は多数の燃料集合体18と多数の制
御棒集合体19とを有する。
上記炉心7に装荷される多数の燃料集合体18の少なく
とも一部の燃料集合体18内には金属燃料が収容される。
金属燃料は、ウラン(U)、プルトニウム(Pu)等の金
属あるいはこれらの合金を、酸化させることなく金属状
態のまま核燃料として使用するものである。金属燃料と
しては、金属ウラン、ウラン−プルトニウム合金、ウラ
ン−トリウム(Th)合金、プルトニウム−トリウム合金
等が考えられる。
金属燃料はスエリング率が非常に高く燃焼度が1〜2a
tom%しかとれないこと、また燃料と被覆管との共晶温
度が低く燃料の健全性の面で問題があることなどの理由
によって、従来あまり使用されていなかったが、これら
の問題点が解決される見通しが得られたことから、その
有用な特徴が注目されている。
金属燃料の有用な特徴としては、まず増殖性が高いと
いう点が掲げられる。金属燃料は、二酸化ウラン(U
O2)、二酸化プルトニウム(PUO2)等の酸化物燃料と比
較して核分裂性原子の密度が高く、また中性子スペクト
ルが硬いことから容易に増殖率の高い炉心を構成するこ
とができる。また、金属燃料は酸化物燃料の6倍以上の
高い熱伝導度を持っており、さらにナトリウムとの共存
性に優れていることから被覆管と燃料の間にナトリウム
を充填することによって、この間の熱伝達を高めること
ができる。その他、金属燃料を使用した炉心は固有の安
全性が高い、金属燃料の再処理・成型加工が容易である
といった優れた特徴を持っている。
金属燃料は上述したように核分裂性原子の密度が高
く、中性子スペクトルが硬いころから内部転換比が高く
(増殖性が高く)、燃焼反応度が小さくなる。したがっ
て、金属燃料を有する炉心は酸化物燃料のみからなる炉
心に比較して、余剰反応度を低く設定することが可能と
なり、出力運転時に制御すべき余剰反応度が小さくな
る。そのため、金属燃料を有する炉心に使用される中性
子吸収材は、酸化物燃料のみからなる炉心に使用される
中性子吸収材よりも中性子吸収能力が低くてもよい。
一方、第1図の炉心7に装荷される多数の制御棒集合
体19のうち後備停止用制御棒19bに備えられる中性子吸
収材は、天然ボロンあるいは濃縮ボロンを含むボロンカ
ーバイドからなっている。これは、後備停止用制御棒19
bが炉心の安全性を高める目的で設置されることから、
ある程度の中性子吸収能力を確保しておく必要があるか
らである。
また、主炉停止用制御棒19aに備えらえる中性子吸収
材は第2図に示すように構成される。第2図においてl
1は中性子吸収材の全長を示し、l2は例えば炉心高さの
約半分の長さである。そして、l3は全長l1とl2との
差である。上記中性子吸収材のうちl2の範囲にはボロ
ン10(10B)の含有率が天然ボロンにおけるボロン10の
含有率よりも低いボロンカーバイド(B4C)が配設さ
れ、l3の範囲には上記ボロンカーバイドよりもボロン1
0の含有率が高いボロンカーバイドが配設される。ただ
し、第2図において下方側が炉心挿入方向であるとす
る。
2の範囲に配設されるボロンカーバイドはボロン10
の含有率が0の場合も含み、l3の範囲に配設されるボ
ロンカーバイドは天然ボロン、濃縮ボロン、減損ボロン
のいずれの場合も含む。これらのボロンカーバイドは例
えばペレット状に成形されたものが使用される。上記l
2の範囲を炉心高さの約半分としたのは、主炉停止用制
御棒19aの場合、運転中においては炉心高さの約半分の
部分のみに挿入される場合が多いからである。また、l
3の範囲に比較的ボロン10の含有率が高いボロンカーバ
イドを配設したのは、この範囲のボロンカーバイドが原
子炉停止時に炉心7に挿入され、原子炉を停止させる機
能を備えているため、ある程度の中性子吸収能力を確保
する必要があるからである。
次に上記実施例の作用について説明する。
第3図は金属燃料を有する炉心7(以下金属燃料炉心
という)および二酸化ウラン(UO2)等の酸化物燃料の
みからなる炉心7(以下MOX炉心という)におけるボロ
ンカーバイドの反応度価値を比較して示す図である。こ
の図においては、MOX炉心において天然ボロンを含むボ
ロンカーバイドを使用した場合の反応度価値を1とした
場合の相対値が示されている。すなわち、縦軸は相対値
であり、横軸はボロン10の含有率(%)である。
この図から明確なように、ボロン10の含有率が同じボ
ロンカーバイドを使用しても、MOX炉心に使用した場合
と金属燃料炉心に使用した場合とで反応度価値が異なっ
ており、金属燃料炉心に使用した場合の方が若干反応度
価値が高くなっている。特にボロン10の含有率が0%の
場合にその差が大きく、MOX炉心における相対値が0.095
であるのに対し、金属燃料炉心における相対値は0.171
となっている。このような傾向は、図示しないがボロン
10の含有率が20%以上の場合にも若干ある。
このように、金属燃料炉心におけるボロンカーバイド
の反応度価値がMOX炉心のボロンカーバイドの反応度価
値より高いこと(特にボロン10の含有率が20%以下の場
合)は、ボロン10の含有率が同じボロンカーバイドを使
用しても、MOX炉心に使用した場合よりも金属燃料炉心
に使用した場合の方が炉心出力・炉心反応度制御効果が
高いことを意味する。
このように、金属燃料炉心においてボロンカーバイド
の反応度価値が高いのは、次の作用による。
ボロンカーバイドのボロン10含有率が同一の場合、中
性子吸収能力の点のみについて比較すれば金属燃料炉心
における場合も、MOX炉心における場合も反応度価値は
同じである。第3図に示す反応度価値の差は、ボロン10
の含有率よりもむしろボロン11(11B)の含有率に起因
するものである。
すなわち、MOX炉心の場合は、酸化物燃料が酸素(軽
い元素)を含んでいるため、中性子スペクトルが軟化
(中性子エネルギの分布が低い方へ偏っている)してい
るが、金属燃料炉心の場合は、金属燃料が酸素のような
軽い元素を含まないため本質的に中性子スペクトルが硬
い(中性子エネルギの分布が高い方へ偏っている)。
一方、ボロン11には減速作用があり、この減速作用に
より中性子スペクトルが軟い方へシフト(以下スペクト
ルシフト効果という)される。このスペクトルシフト効
果はMOX炉心の場合でも、金属燃料炉心の場合でも同様
に生じる。
一般に中性子エネルギと、核分裂性物質が中性子を吸
収して中性子を発生させる割合との関係は第4図に示す
ようになっている。この図において、横軸に核分裂性物
質(例えばプルトニウム239、ウラン235)に吸収される
中性子のエネルギを示し、縦軸に核分裂性物質が中性子
を吸収する数と中性子を発生させる数との比ν(σf
σa)を示す。
この図に示すように、中性子エネルギが高い領域(特
に10keV以上の領域)において、νの中性子エネルギ依
存性が高くなっている。この関係によればエネルギが高
い領域の中性子が減速された場合(中性子のエネルギが
低くなった場合)νの値が低くなり、すなわち核分裂性
物質が中性子を発生させる割合が低くなり、炉心反応度
が低下する。
つまり、金属燃料炉心はMOX炉心よりも中性子スペク
トルが硬い(エネルギが高い中性子の割合が高い)か
ら、中性子スペクトルが軟い方へシフトした場合に、中
性子エネルギが高い領域においてνの中性子エネルギ依
存性が高いという特性の影響を強く受けて、MOX炉心以
上に炉心反応度が低下する現象が生じる。したがって、
結果的にボロンカーバイドの反応度価値は、MOX炉心に
使用した場合よりも金属燃料炉心に使用した場合の方が
若干高くなる。
なお、ボロン10の含有率が0のボロンカーバイドの場
合には中性子吸収能力が非常に小さく、スペクトルシフ
ト効果により炉心反応度が低下する。この場合には、制
御棒30の周辺燃料部におけるスペクトル効果による炉心
反応度の低下をもたらす。
この実施例においては、主炉停止用制御棒19aに備え
られる中性子吸収材として、ボロン10の含有率が天然ボ
ロンにおける含有率よりも低いボロンカーバイドを使用
したから、従来原子炉用としては使用される範囲が非常
に限られていた減損ボロンを原子炉の制御に有効に活用
することが可能となり、ボロン資源を有効に利用するこ
とができる。
また、上記中性子吸収材として、ボロン10の含有率が
天然ボロンにおける含有率よりも低いボロンカーバイド
を使用したから、ボロン10の(n,α)反応によるヘリウ
ム発生量が減少し、スエリングの発生が抑制される。こ
のため、制御棒30の長寿命化を図ることが可能となる。
さらに、この実施例においては多数の燃料集合体18の
うち全部または一部の燃料集合体18に金属燃料が備えら
れたから、酸化物燃料のみから構成される炉心7に比較
してサイクル運転中における余剰反応度が少なくてもよ
く、したがって主炉停止用制御棒19aに備えられる中性
子吸収材としてボロン10の含有率が天然ボロンにおける
含有率よりも低いボロンカーバイドを用いた場合でも充
分な制御効果が得られる。したがって、金属燃料を有す
る炉心の有用な特徴を生かした安価な炉心7を構成する
ことができる。
この実施例においては、主炉停止用制御棒19aに備え
られる中性子吸収材のうち、制御棒挿入側l2の範囲に
ボロン10の含有率が天然ボロンにおける含有率よりも低
いボロンカーバイドが配設される。そのため、原子炉運
転中に主炉停止用制御棒19aを挿入・引抜操作しても、
炉心7の出力分布への影響が少なく、原子炉の安定的な
運転を確保することができる。また、原子炉運転中に地
震等により主炉停止用制御棒19aが上下動した場合にお
いても、同様に原子炉の安定的な運転を確保することが
できる。
上述したように、上記実施例においてはボロン資源の
有効利用を図るとともに、制御棒30の長寿命化を図るこ
とができる一方、金属燃料を有する炉心7の特徴を生か
した安価な炉心7を構成することができ、さらに原子炉
の安定的な運転を確保することができるという効果があ
る。
次に本発明の第2実施例について説明する。
この実施例において、多数の制御棒集合体19のうち少
なくとも一部の制御棒集合体19は、制御棒30内に収容さ
れる多数本の制御要素32のうち、その外周部に備えられ
る制御要素32にボロン10の含有率が天然ボロンにおける
ボロン10の含有率よりも低いボロンカーバイドからなる
中性子吸収材が備えられる一方、その中央部に備えられ
る制御要素32に上記ボロンカーバイドよりもボロン10の
含有率が高いボロンカーバイドからなる中性子吸収材が
備えられる。この実施例においても、第1実施例と同様
の効果がある。
次に本発明の第3実施例について説明する。
一般に主炉停止用制御棒19aは、原子炉起動時に順次
引き抜かれ、原子炉定格運転時には完全に引き抜く制御
棒(以下起動棒という)と、原子炉定格運転時にもある
程度炉心7に挿入されており、原子炉定格運転時の出力
調整、反応度調整を行なう制御棒(以下運転棒という)
とに分けられる。この実施例においては、運転棒に備え
られる中性子吸収材としてボロン10の含有率が天然ボロ
ンにおける含有率よりも低いボロンカーバイドを使用す
る。この場合も、上記中性子吸収材はボロン10の含有率
が天然ボロンにおける含有率よりも低いボロンカーバイ
ドのみからなる。
この実施例においては、原子炉定格運転中に運転棒を
挿入・引抜操作しても炉心出力分布への影響が少なく、
安定的な原子炉定格運転を確保することができる。ま
た、原子炉定格運転中に地震等により運転棒が上下動し
た場合でも同様に安定的な原子炉定格運転を維持するこ
とができる。その他、第1実施例と同様の効果がある。
上述した実施例においては、多数の制御棒集合体19の
うち一部の制御棒集合体19が備えられる中性子吸収材と
してボロン10の含有率が天然ボロンにおける含有率より
も低いボロンカーバイドを使用した場合について説明し
たが、金属燃料の特徴を生かした炉心余剰反応度の小さ
な炉心体系においては、全部の制御棒集合体19にボロン
10の含有率が天然ボロンにおける含有率よりも低いボロ
ンカーバイドを備えてもよい。さらに、制御棒集合体19
内のボロンカーバイドを収納した多数本の制御要素32の
一部に減損ボロンを含む中性子吸収材を配置し、減損ボ
ロンと天然ボロンや濃縮ボロンとの組み合せにより構成
される中性子吸収材を用いることができる。
なお、上記実施例においては金属燃料炉心について説
明したが本発明はこれに限定されず、MOX炉心であって
も運転サイクル期間中における燃焼反応度の減少が比較
的小さい炉心については適用可能である。
また、本発明はタンク型高速増殖炉に限定されず、ル
ープ型高速増殖炉等の高速増殖炉の炉心構成に広く適用
することができる。
〔発明の効果〕
本発明に係る高速増殖炉の炉心構成は、多数の制御棒
集合体の少なくとも一部の制御棒集合体に備えられる中
性子吸収材がボロン10の含有率が天然ボロンにおけるボ
ロン10の含有率よりも低いボロンカーバイドを有するか
ら、ボロン10の含有率が低いボロンカーバイドを原子炉
の制御に有効に活用し、ボロン資源を有効に利用するこ
とができる。
また、本発明はボロン10の含有率が低いボロンカーバ
イドを使用することにより、制御棒のスエリングを抑制
して制御棒の長寿命化を図ることができ、さらに金属燃
料を有する炉心の特徴を生かした安価な炉心を構成する
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る高速増殖炉の炉心構成の一実施例
を示す図、第2図は上記実施例に備えられる中性子吸収
材の構成図、第3図は金属燃料を有する炉心および酸化
物燃料のみからなる炉心におけるボロンカーバイドの反
応度価値を比較して示す図、第4図は中性子エネルギと
核分裂性物質が中性子を吸収して中性子を発生させる割
合との関係を示す図、第5図はタンク型高速増殖炉の構
成図、第6図は第5図に示す高速増殖炉に備えられる炉
心の横断面図、第7図は第6図に示す炉心に装荷される
燃料集合体を示す断面図、第8図は第6図に示す炉心に
装荷される制御棒集合体を示す断面図である。 7……炉心、18……燃料集合体、19……制御棒集合体。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ウラン等の核燃料が備えられた多数の燃料
    集合体と、ボロンカーバイドからなる中性子吸収材が備
    えられた多数の制御棒集合体とを有する高速増殖炉の炉
    心構成において、前記多数の制御棒集合体の少なくとも
    一部の制御棒集合体に備えられる中性子吸収材はボロン
    10の含有率が天然ボロンにおけるボロン10の含有率より
    も低いボロンカーバイドを有することを特徴とする高速
    増殖炉の炉心構成。
  2. 【請求項2】前記多数の制御棒集合体の少なくとも一部
    の制御棒集合体に備えられる中性子吸収材は、制御棒挿
    入先端側にボロン10の含有率が天然ボロンにおけるボロ
    ン10の含有率よりも低いボロンカーバイドが配設され、
    制御棒挿入末端側に上記ボロンカーバイドよりもボロン
    10の含有率が高いボロンカーバイドが配設された特許請
    求の範囲第1項記載の高速増殖炉の炉心構成。
  3. 【請求項3】前記多数の制御棒集合体のうち少なくとも
    一部の制御棒集合体は、その外周部に備えられる中性子
    吸収材が、ボロン10の含有率が天然ボロンにおけるボロ
    ン10の含有率よりも低いボロンカーバイドからなり、そ
    の中央部に備えられる中性子吸収材が、上記ボロンカー
    バイドよりもボロン10の含有率が高いボロンカーバイド
    からなる特許請求の範囲第1項記載の高速増殖炉の炉心
    構成。
  4. 【請求項4】前記多数の制御棒集合体のうち一部の制御
    棒集合体に備えられる中性子吸収材は、ボロン10の含有
    率が天然ボロンにおけるボロン10の含有率よりも低いボ
    ロンカーバイドのみからなる特許請求の範囲第1項記載
    の高速増殖炉の炉心構成。
  5. 【請求項5】前記多数の燃料集合体の少なくとも一部の
    燃料集合体に備えられる核燃料は、金属ウラン等の金属
    燃料からなる特許請求の範囲第1項記載の高速増殖炉の
    炉心構成。
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