JP3080775B2 - 原子炉用制御棒 - Google Patents
原子炉用制御棒Info
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- absorbing element
- control rod
- neutron
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
- Vibration Dampers (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子炉等に適用
される原子炉用制御棒に係り、特に中性子吸収要素をハ
フニウム金属またはハフニウム合金によって構成した原
子炉用制御棒に関する。
される原子炉用制御棒に係り、特に中性子吸収要素をハ
フニウム金属またはハフニウム合金によって構成した原
子炉用制御棒に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に原子炉用制御棒は先端構造材と末
端構造材とを結合するタイロッドと、このタイロッドか
ら放射状に突出し、その外殻部が深いU字形断面のシー
スによって構成されたブレードと、前記シースの内部に
設けられ、前記タイロッドの軸心と平行に配列された複
数の中性子吸収要素とを有する構成とされている。
端構造材とを結合するタイロッドと、このタイロッドか
ら放射状に突出し、その外殻部が深いU字形断面のシー
スによって構成されたブレードと、前記シースの内部に
設けられ、前記タイロッドの軸心と平行に配列された複
数の中性子吸収要素とを有する構成とされている。
【0003】そして従来では中性子吸収要素がボロンカ
ーバイド(B4 C)等のボロン化合物粉末を中性子吸収
材としてステンレス鋼等のチューブ内に充填した構成と
される場合が多かった。なお、ボロンにはB−10とB−
11との2種類が存在するが、中性子吸収材として適用さ
れるものはB−10である。このB−10は中性子と反応し
てヘリウム(He−4)およびリチウム(Li−7)に
変化し、その後は中性子吸収能力を失う。
ーバイド(B4 C)等のボロン化合物粉末を中性子吸収
材としてステンレス鋼等のチューブ内に充填した構成と
される場合が多かった。なお、ボロンにはB−10とB−
11との2種類が存在するが、中性子吸収材として適用さ
れるものはB−10である。このB−10は中性子と反応し
てヘリウム(He−4)およびリチウム(Li−7)に
変化し、その後は中性子吸収能力を失う。
【0004】このことはボロン化合物を中性子吸収材に
適用した場合、制御棒の中性子吸収能力が比較的早く減
衰することになり、核的寿命が短いということにつなが
っていた。
適用した場合、制御棒の中性子吸収能力が比較的早く減
衰することになり、核的寿命が短いということにつなが
っていた。
【0005】一方、最近では長寿命型の制御棒が要求さ
れるようになっており、中性子吸収要素をハフニウム金
属またはハフニウム合金によって作成することが検討さ
れている。なお、ハフニウム合金としてはハフニウム
(Hf)をジルコニウム(Zr)またはチタン(Ti)
等で希釈した合金が適用される。
れるようになっており、中性子吸収要素をハフニウム金
属またはハフニウム合金によって作成することが検討さ
れている。なお、ハフニウム合金としてはハフニウム
(Hf)をジルコニウム(Zr)またはチタン(Ti)
等で希釈した合金が適用される。
【0006】ハフニウムは多くの核種を含み、その核種
の大部分は一つの原子核で何度も中性子を吸収できる。
したがって、ハフニウム製の中性子吸収要素によると、
中性子吸収能力が減衰しにくい。しかも、ハフニウムは
炉水中に直接浸しても、化学的に極めて安定であり、被
覆材を必要としない。
の大部分は一つの原子核で何度も中性子を吸収できる。
したがって、ハフニウム製の中性子吸収要素によると、
中性子吸収能力が減衰しにくい。しかも、ハフニウムは
炉水中に直接浸しても、化学的に極めて安定であり、被
覆材を必要としない。
【0007】ただし、ハフニウムは比重が13.1g/cm3
と大きい一方で、ボロンカーバイドと同一体積のもとで
は、中性子吸収能力がボロンカーバイドのそれより劣
り、かつ高コストである。
と大きい一方で、ボロンカーバイドと同一体積のもとで
は、中性子吸収能力がボロンカーバイドのそれより劣
り、かつ高コストである。
【0008】そこで発明者らにおいてはハフニウム金属
または合金製の一対の湾曲した板体を対向接合させてチ
ューブ状に構成し、これを中性子吸収要素として金属製
シース内に収容した、いわゆるトラップ型ハフニウム制
御棒を提案した。この中性子吸収要素では内部に炉水を
導入することにより、炉水の中性子減速材としての機能
と併せて中性子吸収能力を高め、これにより前記欠点を
克服することが可能となった。なお、他にその改良案も
提案され、例えば特開平2-10299 号等において関連技術
が開示されている。
または合金製の一対の湾曲した板体を対向接合させてチ
ューブ状に構成し、これを中性子吸収要素として金属製
シース内に収容した、いわゆるトラップ型ハフニウム制
御棒を提案した。この中性子吸収要素では内部に炉水を
導入することにより、炉水の中性子減速材としての機能
と併せて中性子吸収能力を高め、これにより前記欠点を
克服することが可能となった。なお、他にその改良案も
提案され、例えば特開平2-10299 号等において関連技術
が開示されている。
【0009】図4および図5はこのようなトラップ型ハ
フニウム制御棒の概略構成を示したものである。すなわ
ち、断面十字形のタイロッド1の各突出部1aに、ブレ
ード2Aの外殻部を構成する深いU字断面形状のシース
2が固着され、これにより制御棒が全体として横断面十
字形に形成されている。そして、タイロッド1とシース
2とによって囲まれる空間に、中性子吸収要素3とし
て、ハフニウム金属または合金製の複数本の長尺な平管
が並列に配置されている。
フニウム制御棒の概略構成を示したものである。すなわ
ち、断面十字形のタイロッド1の各突出部1aに、ブレ
ード2Aの外殻部を構成する深いU字断面形状のシース
2が固着され、これにより制御棒が全体として横断面十
字形に形成されている。そして、タイロッド1とシース
2とによって囲まれる空間に、中性子吸収要素3とし
て、ハフニウム金属または合金製の複数本の長尺な平管
が並列に配置されている。
【0010】シース2の制御棒挿入先端側2aは、ハン
ドル4を有する先端構造材5に固着され、挿入末端側2
bは、スピードリミッタ6と一体化された末端構造材7
に固着されている。そして、シース2の内部には、中性
子減速材兼冷却材である炉水が多数の通水孔8を介して
流通し、中性子吸収要素3の内外で通水が行われるよう
になっている。
ドル4を有する先端構造材5に固着され、挿入末端側2
bは、スピードリミッタ6と一体化された末端構造材7
に固着されている。そして、シース2の内部には、中性
子減速材兼冷却材である炉水が多数の通水孔8を介して
流通し、中性子吸収要素3の内外で通水が行われるよう
になっている。
【0011】ところで、中性子吸収要素3は制御棒挿入
先端側2aから挿入末端側2bまでが一体となってシー
ス2内の全長にわたって一様となっているものではな
い。中性子吸収要素3を構成するハフニウム(Hf)ま
たはハフニウム合金は高価であり、またハフニウムの含
有濃度が高いほど一般には比重が大きくなり、制御棒駆
動装置に悪影響を及ぼすおそれがある。
先端側2aから挿入末端側2bまでが一体となってシー
ス2内の全長にわたって一様となっているものではな
い。中性子吸収要素3を構成するハフニウム(Hf)ま
たはハフニウム合金は高価であり、またハフニウムの含
有濃度が高いほど一般には比重が大きくなり、制御棒駆
動装置に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0012】また、中性子照射量も場所によって変化す
る。さらに、シース材(通常ステンレス鋼製)の熱膨脹
率はハフニウムあるいはハフニウム合金のそれより大き
いため、常温製造時と高温(約300℃)使用時の熱膨
脹効果も考慮しなければならない。
る。さらに、シース材(通常ステンレス鋼製)の熱膨脹
率はハフニウムあるいはハフニウム合金のそれより大き
いため、常温製造時と高温(約300℃)使用時の熱膨
脹効果も考慮しなければならない。
【0013】このような条件を配慮して、従来の制御棒
では中性子吸収要素3は制御棒挿入先端側2aと挿入末
端側2bに2分割され、挿入先端側は先端側において先
端構造材に係合されていた。係合方法の一例を本発明者
らは特開平2-236198号公報の第5図において開示した。
では中性子吸収要素3は制御棒挿入先端側2aと挿入末
端側2bに2分割され、挿入先端側は先端側において先
端構造材に係合されていた。係合方法の一例を本発明者
らは特開平2-236198号公報の第5図において開示した。
【0014】挿入末端も類似の構成により末端構造材7
に係合されている。挿入先端構造材5への係合は挿入先
端側中性子吸収要素の荷重支持を主目的としており、末
端構造材7への係合は制御棒を緊急挿入して制動する際
の荷重保持を主目的としている。制御棒挿入先端側2a
と挿入末端側2bの中性子吸収要素の長さはほぼ同じと
されている。
に係合されている。挿入先端構造材5への係合は挿入先
端側中性子吸収要素の荷重支持を主目的としており、末
端構造材7への係合は制御棒を緊急挿入して制動する際
の荷重保持を主目的としている。制御棒挿入先端側2a
と挿入末端側2bの中性子吸収要素の長さはほぼ同じと
されている。
【0015】図6は図5のVI−VI線に沿って切断して示
す縦断面のうち、挿入先端側と挿入末端側の境界近傍を
拡大して示したものである。シース2の挿入先端側は中
性子照射量が多く、かつ反応度価値を高める必要がある
ため、中性子吸収要素3には厚肉のハフニウム板が用い
られている。シース2の挿入末端側は逆に中性子吸収要
素3には薄肉のハフニウム板が用いられ、軽量化ととも
に製造コストの低廉化が図られている。
す縦断面のうち、挿入先端側と挿入末端側の境界近傍を
拡大して示したものである。シース2の挿入先端側は中
性子照射量が多く、かつ反応度価値を高める必要がある
ため、中性子吸収要素3には厚肉のハフニウム板が用い
られている。シース2の挿入末端側は逆に中性子吸収要
素3には薄肉のハフニウム板が用いられ、軽量化ととも
に製造コストの低廉化が図られている。
【0016】そして、挿入先端側の中性子吸収要素3と
挿入末端側の中性子吸収要素との間には図6で示すよう
に分割位置9と同じ位置に上下境界部(5〜20mm長程
度)10が設けられ、シース2の材料と中性子吸収要素3
の材料との熱膨脹差に起因する問題を解決している。こ
の際、上下境界部10の高さが一致すると中性子が吸収を
受けることなくブレードを通過し、制御棒の反応度価値
を低下させることになるので、その低下量を抑制するた
めに上下境界部10は段違いに設けられている。
挿入末端側の中性子吸収要素との間には図6で示すよう
に分割位置9と同じ位置に上下境界部(5〜20mm長程
度)10が設けられ、シース2の材料と中性子吸収要素3
の材料との熱膨脹差に起因する問題を解決している。こ
の際、上下境界部10の高さが一致すると中性子が吸収を
受けることなくブレードを通過し、制御棒の反応度価値
を低下させることになるので、その低下量を抑制するた
めに上下境界部10は段違いに設けられている。
【0017】図7(A),(B)はこのように構成され
た従来の制御棒とその特性を中性子照射量と応力に着目
して示した模式図である。この例では単一のブレード
(ウイング)2A内には、上下(挿入先端側と末端側)
に分れた合計6本の中性子吸収要素3(cu ,du ,e
u ,cl ,dl ,el )が配列されている(図5,図6
の構成で)。上側をcu ,du ,eu ,下側をcl ,d
l ,el で示す。各中性子吸収要素の先端または末端構
造材への係合については図示していない。
た従来の制御棒とその特性を中性子照射量と応力に着目
して示した模式図である。この例では単一のブレード
(ウイング)2A内には、上下(挿入先端側と末端側)
に分れた合計6本の中性子吸収要素3(cu ,du ,e
u ,cl ,dl ,el )が配列されている(図5,図6
の構成で)。上側をcu ,du ,eu ,下側をcl ,d
l ,el で示す。各中性子吸収要素の先端または末端構
造材への係合については図示していない。
【0018】制御棒が地震等で長さ方向と直角方向に振
動する際、シースに発生する応力の大きさは破線で示す
ように長さ方向の略中央部で高く、先端と末端では低下
している。中性子吸収要素の上下境界部では局所的に応
力曲線にピークが発生している。即ち応力が高い部分で
さらにピークが発生している。この現象は地震時等にお
いて制御棒の健全性が特に中央付近のピーク発生位置で
損なわれるおそれがあることを示している。
動する際、シースに発生する応力の大きさは破線で示す
ように長さ方向の略中央部で高く、先端と末端では低下
している。中性子吸収要素の上下境界部では局所的に応
力曲線にピークが発生している。即ち応力が高い部分で
さらにピークが発生している。この現象は地震時等にお
いて制御棒の健全性が特に中央付近のピーク発生位置で
損なわれるおそれがあることを示している。
【0019】中性子照射量を示す3本の曲線c,d,e
は中性子吸収要素(cu ,cl ),(du ,dl )およ
び(eu ,el )に対応するものである。
は中性子吸収要素(cu ,cl ),(du ,dl )およ
び(eu ,el )に対応するものである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来の制御棒では、制
御棒有効長(中性子吸収物質が存在する挿入先端〜末端
方向長さ)の中央部が、地震時等において健全性に対す
る余裕が低下していることがわかる。
御棒有効長(中性子吸収物質が存在する挿入先端〜末端
方向長さ)の中央部が、地震時等において健全性に対す
る余裕が低下していることがわかる。
【0021】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、その目的とするところは、地震時等における
健全性を向上した制御棒を提供することにある。
たもので、その目的とするところは、地震時等における
健全性を向上した制御棒を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は先端構造材と末
端構造材とを結合するタイロッドと、このタイロッドか
ら放射状に突出し、その外殻部が深いU字形の断面を有
するシースによって構成されたブレードと、前記シース
の内部に設けられ前記タイロッドの軸心と平行に配列さ
れた中性子吸収要素とを有し、前記中性子吸収要素はハ
フニウム金属またはハフニウム合金製で内部に炉水流動
空間を有するとともに、長さ方向に2分割され、前記ブ
レード内に収納される少くとも1本の前記中性子吸収要
素の分割位置は中性子吸収要素を収納するブレード内空
間の長さ方向の中央部近傍を避けた位置に選ぶことを特
徴とする。
端構造材とを結合するタイロッドと、このタイロッドか
ら放射状に突出し、その外殻部が深いU字形の断面を有
するシースによって構成されたブレードと、前記シース
の内部に設けられ前記タイロッドの軸心と平行に配列さ
れた中性子吸収要素とを有し、前記中性子吸収要素はハ
フニウム金属またはハフニウム合金製で内部に炉水流動
空間を有するとともに、長さ方向に2分割され、前記ブ
レード内に収納される少くとも1本の前記中性子吸収要
素の分割位置は中性子吸収要素を収納するブレード内空
間の長さ方向の中央部近傍を避けた位置に選ぶことを特
徴とする。
【0023】
【作用】本発明によると、挿入先端側の中性子吸収要素
と挿入末端側の中性子吸収要素とが長手方向に隣接する
上下境界部を制御棒有効長の中央部から排除したので、
その境界部に発生する応力のピーク値は境界部が中央部
に設けられている場合に比べて減少するので、地震時等
の制御棒の健全性が向上する。
と挿入末端側の中性子吸収要素とが長手方向に隣接する
上下境界部を制御棒有効長の中央部から排除したので、
その境界部に発生する応力のピーク値は境界部が中央部
に設けられている場合に比べて減少するので、地震時等
の制御棒の健全性が向上する。
【0024】
【実施例】本発明に係る原子炉用制御棒の実施例を図1
から図3を参照して説明する。なお、実施例の構成中、
挿入先端側の中性子吸収要素と挿入末端側の中性子吸収
要素との間に形成される上下境界部位置(分割位置)を
除く部分の構成については従来のものと略同様であるか
ら、図4以降の図も必要に応じて実施例の説明中に引用
する。
から図3を参照して説明する。なお、実施例の構成中、
挿入先端側の中性子吸収要素と挿入末端側の中性子吸収
要素との間に形成される上下境界部位置(分割位置)を
除く部分の構成については従来のものと略同様であるか
ら、図4以降の図も必要に応じて実施例の説明中に引用
する。
【0025】図1(A)および(B)は本発明に係る原
子炉用制御棒の第1の実施例を示している。即ち、
(A)は4枚のブレード2Aのうち1枚を縦断面で、1
枚を平面で他の2枚を省略して示し、単一のブレード
(ウイング)2A当り、幅方向に3本の中性子吸収要素
3が配置されている。中性子吸収要素3を形成するハフ
ニウムまたはハフニウム合金板の厚さは図示しないが、
原則として挿入先端側で厚肉であり、末端側で薄肉とさ
れ、挿入先端側は先端構造材に、末端側では末端構造材
に係合され、また、シース2やタイロッド1に係合する
ことも可能な場合がある。
子炉用制御棒の第1の実施例を示している。即ち、
(A)は4枚のブレード2Aのうち1枚を縦断面で、1
枚を平面で他の2枚を省略して示し、単一のブレード
(ウイング)2A当り、幅方向に3本の中性子吸収要素
3が配置されている。中性子吸収要素3を形成するハフ
ニウムまたはハフニウム合金板の厚さは図示しないが、
原則として挿入先端側で厚肉であり、末端側で薄肉とさ
れ、挿入先端側は先端構造材に、末端側では末端構造材
に係合され、また、シース2やタイロッド1に係合する
ことも可能な場合がある。
【0026】図1中(A)は単一のブレード(ウイン
グ)2Aにおいてシース2をはがし、中性子吸収要素が
見えるように図示したものであり、図7(A)の右側に
対応する図である。分割位置9はタイロッド1側で上方
(挿入先端)側であり、外側で下方(挿入末端)側とな
っている。実際には各分割位置9の上側(挿入側)で厚
肉となっているが、図1(B)の(a),(b),
(c)では特に明示していない。
グ)2Aにおいてシース2をはがし、中性子吸収要素が
見えるように図示したものであり、図7(A)の右側に
対応する図である。分割位置9はタイロッド1側で上方
(挿入先端)側であり、外側で下方(挿入末端)側とな
っている。実際には各分割位置9の上側(挿入側)で厚
肉となっているが、図1(B)の(a),(b),
(c)では特に明示していない。
【0027】挿入先端側および外側では中性子照射量が
多くなるのは図7(B)の曲線c,d,eが示すとおり
であり、この点とここに示さない中性子吸収効果の分布
(おおよそ曲線c〜eに似ているが、挿入先端ではこれ
らの曲線の形と必ずしも一致させる必要はない)を考慮
して板(Hf)厚と分割位置が決められる。
多くなるのは図7(B)の曲線c,d,eが示すとおり
であり、この点とここに示さない中性子吸収効果の分布
(おおよそ曲線c〜eに似ているが、挿入先端ではこれ
らの曲線の形と必ずしも一致させる必要はない)を考慮
して板(Hf)厚と分割位置が決められる。
【0028】分割位置9付近では局所的にシース2に発
生する応力分布曲線にピークが生じるが、分割位置9が
有効長中央部から上下にずらしてあるため、ピーク値は
低減する。この結果地震時にシース2に発生する応力の
最大値が減少し、健全性が向上する。
生する応力分布曲線にピークが生じるが、分割位置9が
有効長中央部から上下にずらしてあるため、ピーク値は
低減する。この結果地震時にシース2に発生する応力の
最大値が減少し、健全性が向上する。
【0029】図2(A)および(B)は本発明に係る原
子炉用制御棒の第2の実施例を示している。単一のブレ
ード(ウイング)2A当り幅方向に2本の中性子吸収要
素3が配置されており、それぞれの中性子吸収要素3の
分割位置9は中央付近を避けるように構成されている。
その作用効果は第1実施例の場合と同様であるため、説
明を省略する。
子炉用制御棒の第2の実施例を示している。単一のブレ
ード(ウイング)2A当り幅方向に2本の中性子吸収要
素3が配置されており、それぞれの中性子吸収要素3の
分割位置9は中央付近を避けるように構成されている。
その作用効果は第1実施例の場合と同様であるため、説
明を省略する。
【0030】図3(A)および(B)は本発明に係る原
子炉制御棒の第3の実施例を示している。単一のブレー
ド(ウイング)2A当り1本の中性子吸収要素3が配置
されているのみであるため、複数本の組合せにより分割
位置を変更することはできない。
子炉制御棒の第3の実施例を示している。単一のブレー
ド(ウイング)2A当り1本の中性子吸収要素3が配置
されているのみであるため、複数本の組合せにより分割
位置を変更することはできない。
【0031】したがって、この実施例では、図6に示す
2つの上下境界部10(分割位置9)を大幅にずらして制
御棒有効部の中央に分割位置9が存在しないように構成
されている。これによって第1および第2実施例と同様
な作用効果が得られる。
2つの上下境界部10(分割位置9)を大幅にずらして制
御棒有効部の中央に分割位置9が存在しないように構成
されている。これによって第1および第2実施例と同様
な作用効果が得られる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、挿入先端側の中性子吸
収要素と挿入末端側の中性子吸収要素との長さ方向の分
割位置が有効長の中央部に存在しないように構成されて
いるため、地震時にシースに発生する応力の最高値が低
減する。この結果、シースの応力による変形がなくな
り、健全性が向上し、非常時でも安全に原子炉を停止で
きるようになる。
収要素と挿入末端側の中性子吸収要素との長さ方向の分
割位置が有効長の中央部に存在しないように構成されて
いるため、地震時にシースに発生する応力の最高値が低
減する。この結果、シースの応力による変形がなくな
り、健全性が向上し、非常時でも安全に原子炉を停止で
きるようになる。
【図1】(A)は本発明に係る原子炉用制御棒の第1の
実施例の要部を一部断面で示す正面図、(B)は(A)
におけるブレード内の中性子吸収要素の配列状態を示す
側面図。
実施例の要部を一部断面で示す正面図、(B)は(A)
におけるブレード内の中性子吸収要素の配列状態を示す
側面図。
【図2】(A)は本発明に係る原子炉用制御棒の第2の
実施例の要部を一部断面で示す正面図、(B)は(A)
におけるブレード内の中性子吸収要素の配列状態を示す
側面図。
実施例の要部を一部断面で示す正面図、(B)は(A)
におけるブレード内の中性子吸収要素の配列状態を示す
側面図。
【図3】(A)は本発明に係る原子炉用制御棒の第3の
実施例の要部を一部断面で示す正面図、(B)は(A)
におけるブレード内の中性子吸収要素の配列状態を示す
側面図。
実施例の要部を一部断面で示す正面図、(B)は(A)
におけるブレード内の中性子吸収要素の配列状態を示す
側面図。
【図4】従来の原子炉用制御棒を一部切欠いて示す斜視
図。
図。
【図5】図4におけるブレードを拡大して示す横断面
図。
図。
【図6】図5におけるVI−VI線に沿って切断し拡大して
示す断面図。
示す断面図。
【図7】(A)は図4における制御棒を一部断面で示す
正面図、(B)は(A)に対応する制御棒の応力および
中性子照射量分布を示す特性図。
正面図、(B)は(A)に対応する制御棒の応力および
中性子照射量分布を示す特性図。
1…タイロッド、1a…突出部、2…シース、2A…ブ
レード、2a…制御棒挿入先端側、2b…挿入末端側、
3(cu ,du ,eu ,cl ,dl ,el )…中性子吸
収要素、4…ハンドル、5…先端構造材、6…スピード
リミッタ、7…末端構造材、8…通水孔、9…分割位
置、10…境界部。
レード、2a…制御棒挿入先端側、2b…挿入末端側、
3(cu ,du ,eu ,cl ,dl ,el )…中性子吸
収要素、4…ハンドル、5…先端構造材、6…スピード
リミッタ、7…末端構造材、8…通水孔、9…分割位
置、10…境界部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21C 7/10 G21C 7/24 G21C 7/02
Claims (1)
- 【請求項1】 先端構造材と末端構造材とを結合するタ
イロッドと、このタイロッドから放射状に突出し、その
外殻部が深いU字形の断面を有するシースによって構成
されたブレードと、前記シースの内部に設けられ前記タ
イロッドの軸心と平行に配列された中性子吸収要素とを
有し、前記中性子吸収要素はハフニウム金属またはハフ
ニウム合金製で内部に炉水流動空間を有するとともに、
長さ方向に2分割され、前記ブレード内に収納される少
くとも1本の前記中性子吸収要素の分割位置は中性子吸
収要素を収納するブレード内空間の長さ方向の中央部近
傍を避けた位置に選ぶことを特徴とする原子炉用制御
棒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04133655A JP3080775B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 原子炉用制御棒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04133655A JP3080775B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 原子炉用制御棒 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05323080A JPH05323080A (ja) | 1993-12-07 |
JP3080775B2 true JP3080775B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=15109854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04133655A Expired - Lifetime JP3080775B2 (ja) | 1992-05-26 | 1992-05-26 | 原子炉用制御棒 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3080775B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5997639B2 (ja) * | 2012-03-28 | 2016-09-28 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 原子炉用制御棒およびその製造方法 |
-
1992
- 1992-05-26 JP JP04133655A patent/JP3080775B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05323080A (ja) | 1993-12-07 |
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Legal Events
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