JPH0961575A - 原子炉用制御棒 - Google Patents

原子炉用制御棒

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JPH0961575A
JPH0961575A JP7214583A JP21458395A JPH0961575A JP H0961575 A JPH0961575 A JP H0961575A JP 7214583 A JP7214583 A JP 7214583A JP 21458395 A JP21458395 A JP 21458395A JP H0961575 A JPH0961575 A JP H0961575A
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JP
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diameter portion
sheath
rod
neutron absorbing
wing
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JP7214583A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Ueda
精 植田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】シースと中性子吸収棒との熱膨張率の差に基づ
く熱サイクルに伴う応力を防止して制御棒の健全性を保
持する。 【解決手段】長尺シース2内に複数のハフニウム棒1を
挿入してウイング3となし、シース2の一端に先端構造
材4を固設し、他端に末端構造材5を固設し、ハフニウ
ム棒1は先端構造材4側が太径部1aで末端構造材5側
が細径部1bからなる。細径部1bは長手方向に所定の
間隔を有して対面するシース2間方向および隣接するハ
フニウム棒1間の距離の太径部1aと略等しいスペーサ
8として機能する短尺の外形拡大材をシース2と摺動自
在に固着し、隣接したハフニウム棒1の相互の間隔が外
形拡大材8により太径部1aと同様に保持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子炉用制御棒に係
り、とくに沸騰水型原子炉(以下BWRと略する)に好
適な長寿命ハフニウム型の原子炉用制御棒に関する。
【0002】
【従来の技術】BWRの制御棒は、通常細長いU字状の
横断面を有する複数の長尺シース内に、複数の中性子吸
収材を挿入して4枚のウイングを構成し、これら4枚の
ウイングの挿入先端に先端構造材を接続し、挿入末端に
末端構造材を接続し、そしてウイングのU字の開口部を
十字状タイロッドにそれぞれ固設して断面十字型に構成
されている。
【0003】従来の前記BWR用制御棒はシースにステ
ンレス鋼(以下SUSと略する)を使用し、中性子吸収
材に直径5mm程度のSUS管内にB4 C粉末を充填した
中性子吸収棒が使用されている。
【0004】しかし、B4 C粉末のボロンは中性子と反
応してヘリウム(He)とリチウム(Li)となり、核
的寿命が短く、つまり、中性子吸収能力が劣化し易く、
機械的寿命が短い、つまり、Heの内圧増加等により健
全性が劣化しやすい。
【0005】そこで、長寿命が必要な制御棒に対して
は、長寿命型の中性子吸収材であるハフニウム(Hf)
を従来の中性子吸収棒の一部または全部と入れ替えて構
成した制御棒が実用されるようになった。
【0006】Hfは比重が約13で極めて大きく、従来の
4 Cを用いる中性子吸収棒と同一横断面のHf棒を用
いた場合、中性子吸収能力(反応度価値)はほぼ同じな
がら、制御棒全体の重量は約 1.5倍に増大し、稼動中の
原子炉にバックフィットすることができない。
【0007】このため、BWRで特徴的な挿入末端側の
約半分では中性子吸収能力を低下させても差支えないと
いう点に着目して、挿入末端側のHf棒の直径を挿入先
端側より細くする構造の制御棒が提案されている。
【0008】しかしながら、ウイングの厚みは挿入の全
長で一様でないと操作性に支障を来すため一様な厚さと
されており、細径化された部分では、中性子吸収棒間や
シースとの間を一定に保持する特殊なスペーサが必要と
なっている。
【0009】図12はHf棒1を中性子吸収棒として使用
した従来の長寿命ハフニウム型制御棒を例示したもので
ある。同図(a)は制御棒全体を示す斜視図、(b)は
(a)におけるHf製中性子吸収棒となるHf棒を示す
立面図、(c)は(b)のa−a線に沿って切断した横
断面図を示す。
【0010】中性子吸収棒を構成するHf棒1は横断面
が細長いU字状SUS製シース2内に平板状に配列され
てウイング3が構成され、4枚のウイング3は先端構造
材4、末端構造材5およびタイロッド6により結合さ
れ、十字状長寿命ハフニウム型制御棒7が構成される。
【0011】Hf棒1は全長 3.6mで、そのほぼ中央部
に太径部1aと細径部1bとの境界が設けられている。
この境界は隣接するHf棒1間で長さ方向と直角方向に
ほぼ一直線状になっている。
【0012】Hf棒1の細径部1bには隣接Hf棒1間
の距離およびシース2間距離を太径部1aと同じに保つ
ように細径部1bを挿入する孔が設けられたスペーサ8
が配置されている。スペーサ8はHfの細径部1bに所
定の間隔をおいて複数個設けられ、シース2に溶接など
で固着されている。なお、図中符号9は通水孔、10は落
下速度リミッタ、11はソケット、12は通水溝である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】細長いU字状の横断面
を有するSUS製シース2内で、シース2内部の厚み方
向の幅より直径の小さいHf棒1を正しく保持するに
は、その制御棒7が実機原子炉内でどのような状態にさ
らされるかを正しく理解しなければならない。BWR炉
心の環境は、原子炉定格運転中の水温は 290℃であり、
冷態停止中は20〜30℃である。
【0014】SUSの熱膨張係数(17.8×10-6/deg-C)
はHfのそれ(5.9 ×10-6/deg-C)に比べて3倍程度に
大きいことが例えば『原子炉材料ハンドブック』(日刊
工業新聞社)などに開示されている。制御棒7は室温で
製造されるため、運転中は相対的にシース2が伸び、H
f棒1が縮むことになる。
【0015】したがって、仮にHf棒1の細径部1bに
SUS製スペーサ8を強固に取り付け、これをSUS製
シース2に溶接などで固着した構成を想定すると、温度
上昇に伴い、Hf棒1はSUS製シース2の伸びを抑制
することになり、逆に運転中に正常な状態であったとす
ると、運転停止に伴う水温度の低下により、SUS製シ
ース2は収縮しようとするが、Hf棒1がそれを妨げ
る。
【0016】これらの熱サイクルの場合に発生する応力
はSUS製スペーサ8とSUS製シース2との固着点に
集中することになる。Hfは重いため、少しでも制御棒
の重量増加を抑制するために、シースは薄めに設定する
必要がある。すなわち、シース2には健全性を損なう可
能性のあることが予想される。
【0017】BWR環境でもう一つ考慮しなければなら
ない点として、Hfは 290℃付近では表面が酸化され、
内部を保護する皮膜が形成されることである。この際、
皮膜の形成によりHfの直径は大きくなり、SUS製ス
ペーサとの間の小さな間隙を埋めてしまう可能性が考え
られることである。SUSはこの程度の温度では酸化し
ない。
【0018】したがって、Hf棒1を包み込むように構
成されたスペーサ8では、Hf棒1との間に十分な間隙
を設けないとスペーサ8とHf棒1とは固着し、熱サイ
クルに伴い、前述の応力が発生し、シースの健全性を損
なう課題がある。
【0019】シース2とHf棒1とが辛うじて摺動でき
る状態を想定すると、熱サイクルでHf棒1の皮膜は機
械的に剥ぎ取られ、一部は炉水中に浮遊し、炉水の放射
能濃度上昇の原因となり、一部はシース2とHf棒1と
の隙間に詰まり、固着の原因を増大させる。Hf表面で
は皮膜が削り取られた後には新しく酸化皮膜が形成され
る。
【0020】熱サイクルとHf表面の酸化皮膜とは、ス
ペーサがシースに固着されているかぎり、いつかはシー
スに応力を発生させ、シースの健全性に支障を来す恐れ
があること、そして制御棒の炉内滞在期間が長くなるに
つれてその恐れは高まる課題がある。
【0021】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、シース材と中性子吸収材との熱膨張率の差に
基づくサイクルに伴う応力を防止して健全性を保持でき
る原子炉用制御棒を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、細長いU字状の横断面を有する複数の長尺シース内
に、ハフニウムまたはハフニウム合金からなる複数の中
性子吸収棒を挿入してウイングを構成し、前記シースの
長手方向の一端に先端構造材を固設し、この先端構造材
と対向する他端に末端構造材を固設し、前記中性子吸収
棒は長手方向に前記先端構造材側に太径部を有し、末端
構造材側に細径部を有するように構成した原子炉用制御
棒において、前記細径部は長手方向に所定の間隔を有
し、前記シース内の上下方向および隣接する前記中性子
吸収棒間の長さの前記太径部と略等しいスペーサを前記
シースと摺動自在に固着し、前記隣接する中性子吸収棒
相互間を前記スペーサにより保持してなることを特徴と
する。
【0023】請求項2に記載の発明は、前記スペーサは
ハフニウム、ハフニウム合金、またはジルコニウム合金
からなることを特徴とする。請求項3に記載の発明は、
前記中性子吸収棒の細径部に切り込みを設け、この切り
込み位置を覆うように前記スペーサを配置してなること
を特徴とする。
【0024】請求項4に記載の発明は、前記スペーサの
内面と前記中性子吸収棒の細径部との間に通水間隙を設
けてなることを特徴とする。請求項5に記載の発明は、
前記ウイング幅方向の略中央部で少なくとも中性子吸収
棒の細径部に、軸方向に所定の間隔をおいて対面するシ
ース板間にスペーサの機能を有する短尺のスティフナを
固着してなることを特徴とする。
【0025】請求項6に記載の発明は、前記中性子吸収
棒の太径部と細径部の境界を前記ウイング長さ方向の中
心の位置から分散させてなることを特徴とする。請求項
7に記載の発明は、前記ウイング1枚あたりの大部分の
中性子吸収棒の前記境界部を前記隣接する中性子吸収棒
間で段違いに配置するか、または略ランダムに配置して
なることを特徴とする。
【0026】請求項8に記載の発明は、前記ウイングの
外縁部の2cm以内で前記太径部を前記中性子吸収棒全長
の 1/2より長く、その他の部分を短くしてなることを特
徴とする。
【0027】請求項9に記載の発明は、前記ウイング1
枚内の多数の中性子吸収材のうち、一部の中性子吸収材
は全長にわたって太径部のものを配置し、その太径部に
細径部を形成してその細径部にスペーサを保持してなる
ことを特徴とする。
【0028】請求項10に記載の発明は、前記ウイング
幅方向の略中央部で全長にわたってシース板間にスペー
サとしての機能とシース強度確保と制御棒の荷重を支え
ることができる局所ステフィナを配置固着してなること
を特徴とする。
【0029】請求項11に記載の発明は、前記ウイング
幅方向の略中央部で全長にわたって、孔を開けた細長い
板状のハフニウムまたはハフニウム合金を配置し、前記
ハフニウムまたはハフニウム合金の孔に、熱膨張率の差
に基づく移動を許容できる程度のシースと溶接できる孔
より細いシース固着用の金属を挿入し、この金属をシー
スに溶接して構成してなることを特徴とする。
【0030】請求項12に記載の発明は、細長いU字状
の横断面を有する複数の長尺シース内に、このシースと
異なる材質の異なるハフニウムまたはハフニウム合金か
らなる複数の中性子吸収棒を挿入してウイングを構成
し、前記シースの長手方向の一端に先端構造材を対向す
る他の一端に末端構造材を固設し、前記中性子吸収棒は
長手方向に沿って先端構造材側に太径部を有し、末端構
造材側に細径部を有するように構成した原子炉用制御棒
において、前記中性子吸収棒の細径部に長手方向に所定
の間隔を有し隣接する中性子吸収棒を太径部と同じ間隔
でかつウイング厚さ方向の厚みを太径部と同じ厚みに保
持するスペーサを装着し、前記ウイング幅方向の略中央
部に前記ウイングの軸方向に所定の範囲で可動自在にス
ティフナの機能を有する固着材に固着材係合スペーサを
係合してなることを特徴とする。
【0031】請求項13に記載の発明は、細長いU字状
の横断面を有する複数の長尺のシース内に、ハフニウム
またはハフニウム合金からなる複数の中性子吸収棒を挿
入してウイングを構成し、前記シース内の長手方向の一
端に先端構造材を固設し、前記先端構造材と対向する他
端に末端構造材を固設し、前記中性子吸収棒は長手方向
に前記先端構造材側に太径部を有し、末端構造材側に細
径部を有するように構成した原子炉用制御棒において、
前記中性子吸収材の細径部には、長手方向に所定の間隔
をおいて、隣接する中性子吸収棒を太径部と同じ間隔で
かつウイング厚さ方向の厚みを太径部と同じ厚みに保持
し、前記中性子吸収棒が軸方向に摺動自在となるスペー
サを装着し、このスペーサの一部にパッドを固着し、前
記パッドを前記シースに設けた孔に挿入して固着して局
所スティフナの機能を持たせてなることを特徴とする。
【0032】請求項14に記載の発明は、前記中性子吸
収棒は前記シースの材質との熱膨張の差を吸収できる程
度の軸方向間隙を確保できるように軸方向に複数個に分
割され、前記先端構造材に隣接する部分は先端構造材に
吊り下げてなることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明に係る請求項1は、細長い
U字状の横断面を有する複数の長尺シース内に、シース
材と材料の異なるハフニウムまたはハフニウム合金から
なる複数の棒状ハフニウム型中性子吸収棒を挿入してウ
イングとなし、前記シースの長手方向の一端に先端構造
材を固設し、この先端構造材と対向する他の一端に末端
構造材を固設し、前記中性子吸収材は長手方向に先端構
造材側が太径で、末端構造材側が先端構造材側より細径
となるように構成された原子炉用制御棒において、前記
中性子吸収棒の細径部には長手方向に所定の間隔をおい
て、対面するシース間方向および隣接中性子吸収棒間の
距離が太径部と略等しいスペーサとして機能する短尺の
スペーサを前記シースと摺動可能に固着し、隣接した中
性子吸収棒相互間の間隔が前記スペーサにより太径部と
同様に保持している。シースと中性子吸収材との熱膨張
差に基づく相対的な伸び縮みに伴う応力が発生すること
はなく、しかも細径部もシース内に正しく保持される。
【0034】本発明に係る請求項2は、スペーサは中性
子吸収棒と同じまたは実質的に同じ材料であるハフニウ
ム、ハフニウム合金、またはジルコニウム合金で構成し
たので、溶接が満足にできるなどの製造上のメリットが
あり、電気化学的な腐食問題がほとんどなくなる。
【0035】本発明に係る請求項3は、外形拡大材を固
着する中性子吸収材の細径部に切り込みを設け、その切
り込み位置を覆うようにスペーサを配置し、スペーサを
前記切り込み部においてディンプリングしてスペーサの
移動を防止するように構成したので、中性子吸収棒とス
ペーサとの溶接による固着をする必要がなく、隣接中性
子吸収棒相互間の間隔を正しく保持することができる。
【0036】本発明に係る請求項4は、スペーサ内面と
中性子吸収棒細径部表面との間の少なくとも一部に通水
間隙を設けたので、両者の間の炉水の滞留が防止され、
電気化学的な腐食や隙間腐食が防止される。
【0037】本発明に係る請求項5は、ウイング幅方向
の略中央部で少なくとも中性子吸収棒の細径部に、軸方
向に所定の間隔をおいて対面するシース板間にスペーサ
の機能を有する短尺のスティフナを固着したので、シー
スの強度が向上し、原子炉用制御棒の機械的健全性が向
上する。
【0038】本発明に係る請求項6は、ウイングの幅方
向に配置された複数の中性子吸収棒の太径部と細径部の
境界をウイング長さ方向の中心の位置から分散させたの
で、地震時等における横揺れの際にウイング長さ方向の
中央部に現れ、かつ該境界部に集中しがちな最大応力を
分散でき、かつシースと中性子吸収棒とでその応力を分
担できることになり、シースおよびウイング全体の健全
性が向上する。
【0039】本発明に係る請求項7と8は請求項6と類
似の作用を有している。しかし、請求項8では中性子吸
収割合の高い部分の中性子吸収棒を長めに設定すること
により制御棒の反応度効果が向上し、さらに制御棒の核
的寿命が増大する。また、他の部分を短めに構成するこ
とによって有効的に制御棒全体の重量を低減するのに活
用できる。
【0040】本発明に係る請求項9は、1ウイング内の
多数の中性子吸収材のうち、一部の中性子吸収棒は全長
にわたって太径部と、それに中性子吸収棒に細径部を設
け、この細径部にスペーサを保持させたので、隣接細径
部の中性子吸収棒相互間の間隔を正しく保持することが
できる。
【0041】本発明に係る請求項10は、ウイング幅方向
の略中央部で全長にわたってシース板間にスペーサとし
ての機能とシース強度確保と制御棒の荷重を支えること
ができる強度保持構造材を配置固着し、その上端を先端
構造材に固着し、下端を末端構造材に固着したので、シ
ース板間が正しく保持され、シース強度が増大し、しか
も制御棒の荷重を支持することができる。
【0042】本発明に係る請求項11は、ウイング幅方向
の略中央部で全長にわたって、孔を開けた細長い板状の
ハフニウム、またはハフニウム合金を配置し、このハフ
ニウムまたはハフニウム合金の孔に、熱膨張の差に基づ
く移動を許容できる程度のシースと溶接できる前記孔か
ら細いシース固着用の金属を挿入する。この金属をシー
スに溶接することによってシース板間の間隔が正しく保
持でき、シースの強度が向上し、熱膨張差による応力の
発生が防止される。
【0043】本発明に係る請求項12は、細長いU字状の
横断面を有する複数の長尺シース内に、このシースと異
なる材質のハフニウムまたはハフニウム合金からなる複
数の中性子吸収棒を挿入してウイングとなし、前記シー
スの長手方向の一端に先端構造材を対向する他の一端に
末端構造材を固設する。
【0044】前記中性子吸収棒は長手方向に先端構造材
側に太径部を有し、末端構造材側に先端構造材側より細
径部を有するように構成される。中性子吸収棒の細径部
には長手方向に所定の間隔をおいて、隣接する中性子吸
収棒を太径部と同じ間隔で、かつウイング厚さ方向を太
径部と同じ厚みに保持するスペーサを装着する。
【0045】さらに固着材係合スペーサがウイング幅方
向の略中央部においてウイングの軸方向に所定の範囲で
可動自在にスティフナの機能を有する固着材に係合され
ているので、シース強度が向上し、中性子吸収棒の細径
部相互間が正しく保持され、しかも熱膨張差に基づく応
力の発生が防止される。
【0046】本発明に係る請求項13によれば、細長いU
字状の横断面を有する複数の長尺シース内に、シースと
材料の異なるハフニウムまたはハフニウム合金からなる
複数の中性子吸収棒を挿入してウイングとなし、前記シ
ース内の長手方向の一端に先端構造材を固設し、この先
端構造材と対向する他の一端に末端構造材を固設し、前
記中性子吸収棒は長手方向に先端構造材側に太径部を有
し、末端構造材側に先端構造材側より細径部を有するよ
うに構成された原子炉用制御棒において、前記中性子吸
収棒の細径部には長手方向に所定の間隔をおいて、隣接
する中性子吸収棒を太径部と同じ間隔、かつウイング厚
さ方向の厚みを太径部と同じ厚みに保持する。
【0047】中性子吸収棒が軸方向に摺動自在となるス
ペーサを装着して、前記スペーサにの一部にパッドを固
着し、そのパッドをシースに設けた孔に挿入して固着し
て局所スティフナの機能を持たせる。これにより、シー
ス強度が向上し、中性子吸収棒の細径部相互間が正しく
保持され、しかも熱膨張差に基づく応力の発生を防止す
ることができる。
【0048】本発明に係る請求項14は、少なくとも大部
分の中性子吸収棒はシースとの熱膨張の差を吸収できる
程度の軸方向間隔を確保できるように軸方向に複数個に
分割され、先端構造材に隣接する部分は先端構造材に吊
り下げた構成としたので、シースに加わる中性子吸収棒
の重量の大部分は解放され、シースの健全性が向上す
る。
【0049】
【実施例】本発明に係る第1から第8の実施例を図1か
ら図11を参照しながら順次説明する。本発明は主として
シース内部を主体としているため、図12に示した制御棒
の4枚のウイング3のうち一枚のみ重点的に説明する
が、他の三枚についても同様の構成となっている。図
中、図12と同一部分には同一符号を付している。
【0050】図1は本発明に係る制御棒の第1の実施例
を説明するためのものであり、図1(a)は挿入方向先
端部、図1(b)は(a)の下方につながり中央部と末
端部を一枚のウイングの手前側のシースを取り外した状
態で示す側面図である。図2(a)〜(d)は図1
(a),(b)のa−a線,b−b線,c−c線,d−
d線に沿って切断して拡大した横断面図を示している。
【0051】図1中、シース2内の中性子吸収棒、つま
りHf棒1の本数は一枚あたりのウイング3について実
際には15−21本程度であるが、図1(a)では図面の都
合で10本、図2(a)で17本が示している。図2(e)
は(c)のe部を拡大した断面図である。制御棒全体の
概念は従来例[図12(a)参照]ととくに変わるところ
はない。
【0052】本実施例においては、図1(a),(b)
に示したようにウイング3の幅方向略中央部に局所ステ
ィフナ13がウイング3の軸方向全長にわたって、所定の
間隔をおいて局所的に多数個配置され、シース2内部で
溶接などにより固着されている。溶接性を考慮して局所
スティフナ13にはシース2と基本的に同じ材料が用いら
れている。
【0053】中性子吸収棒はHf(またはHf合金)製
のHf棒1で、ウイング3内部の全長で挿入方向から約
半分の長さが太径部1a、残りが細径部1bとなってい
る。細径部1bとする理由は、細径としても核的に差支
えない部分に対して、Hf量削減による制御棒全体の重
量低減を図るためである。
【0054】太径部1aと細径部1bとの境界は原則と
して段違い構成とされている。段違い構成の理由として
は、地震時等における横揺れで全長の中央部付近に発生
するシースにおける最大応力を分散・低減することによ
る。
【0055】また、隣接する太径吸収棒の間に細径吸収
棒を配置した場合、反応度は両者の平均値より太径部の
値に近いため、全体として重量低減に有効であること、
および軸方向の反応度変化が段違い構成とすることによ
ってより滑らかになり、炉心の軸方向出力分布がより滑
らかになることなどによる。
【0056】ウイング3の挿入末端側の半分はHf棒1
が細径部1bとなっているため、位置決めを正しくする
ためにスペーサ8が軸方向に所定の間隔をおいて複数個
配置されている。スペーサ8は細径部1bを太径部1a
の外径との間隙を保つための外形拡大材である。外形拡
大材は外形を拡大するための部材の代表的な一種である
が、一般には断面は円形である必要はなく、後出の図2
(e)で示すように断面正方形のものは好適な一例であ
る。
【0057】これらのスペーサ8は個々に独立しておら
ず、ウイング3の幅方向に沿って複数個ずつ溶接したも
のが一体となって分割配置されているが、シース2には
固着されておらず、原則として、Hf棒1で保持され
る。保持の方法としてはつぎのとおりであるが、これら
に限定されるものではない。
【0058】例えば、スペーサ材がHf,Hf合金,
Zrなどの場合、Hf中性子吸収棒と溶接できるため、
局所的に太径部や管状体を溶接して保持する方法、短
尺Hf棒に細径棒を捩じ込む方法、少なくとも一部の
Hf棒に小さな滑り止めスペーサを取り付けたり、H
f棒1を局所的に変形させたり、Hf棒1の細径部1
bの一部を削り込んでスペーサ8にディンプリングを施
すなどの方法が考えられる。ウイング幅の中央部の局所
スティフナ13の固着部ではHf棒1はそれと干渉しない
ように短尺化されている。
【0059】スペーサ8は図1(b)および図2(e)
に示したように断面正方形のいわゆる角管構成となって
おり、横断面円形のHf棒1の細径部1bとの間に空隙
が形成され、その空隙が炉水の通路となる。このためス
ペーサ8の内面とHf棒1の細径部1bとの間には電気
化学的な反応や隙間腐食問題はほとんど生じない。
【0060】また、酸化物などの詰まりもほとんど生じ
ることがない。角管構成でなくても炉水の通路が形成で
きれは角管構成に限定する必要はないが、角管は汎用さ
れている構成であり、通常コスト上昇を抑制するのに好
都合である。スペーサ8はシース2に対して摺動自在に
構成されているので、シース2とHf棒1との熱膨張率
差に基づく応力の発生の可能性もない。
【0061】シース2の強度と間隔は局所スティフナ13
で保持されているため、シース2の健全性も確保され
る。なお、ウイング3の長さ方向では、Hf棒1,局所
スティフナ13等の間には熱膨張率差に基づく応力が発生
しないように、適切な間隙が当然設けられている。
【0062】また、図1(a),(b)と図2(a)〜
(e)から明らかなように、スペーサ8はウイング3の
幅方向に3ケ所にグループ分けされており、同一グルー
プ間では溶接などで固着されているが、後述する実施例
で示すように固着の必然性はとくにない。スペーサ8の
材質としてはSUSが代表的であるが、HfやZr合金
などを用いればHf吸収棒との溶接も可能である。
【0063】図3により本発明に係る制御棒の第2の実
施例を説明する。本実施例における制御棒の挿入先端部
は図1(a)と同様であるため、図1(b)に相当する
制御棒の中央部と末端部のみを図3に示し、図1(a)
に相当する挿入先端部の図面および説明を省略する。こ
の第2の実施例が第1の実施例と異なる点は、ウイング
3の両端に全長にわたる太径部1aを有するHf棒1を
配置し、この太径部1aに局所的に細径部を形成し、こ
の細径部にスペーサ8を保持してなることにある。
【0064】この例でスペーサ8はウイング3の幅方向
に一体化されている。ウイング3の両端に太径部1aを
有するHf棒1を用いた理由は、この部分で中性子束分
布が高くなっており、長寿命化と反応度効果向上に伴う
制御棒全体の軽量化に有利であるためである。すなわ
ち、反応度への寄与が大きい位置を太径部とし、その他
の部分で太径部を短尺化することにより軽量化を図るこ
とができる。
【0065】つぎに図4により本発明に係る制御棒の第
3の実施例を説明する。この第3の実施例も第2の実施
例と同様に制御棒の中央部と末端部とを示しており、第
2の実施例と異なる点は全体的にウイング3の外縁側の
Hf棒1の太径部1aを長く、内側を短くした点にあ
る。本実施例によれば、中性子束分布は最外部約1.5-2c
m までの範囲で高く、とくに最外縁で高く、また最内縁
でも高いが、全体的には内側ほど中性子束分布は低くな
っている点を考慮して核的寿命と反応度の向上をはか
り、制御棒全体の重量を低減できる。なお、ウイング3
の外縁から1.5-2cm までの複数本のHf棒1の太径部1
aの長さを全長の1/2 より大幅に長くしてもよい。
【0066】つぎに図5(a),(b)および図6
(a),(b)により本発明に係る制御棒の第4の実施
例を説明する。本実施例は第1の実施例と第3の実施例
とを合わせた構成となっている。なお、図1と同一部分
には同一符号で示し重複する部分の説明は省略する。本
実施例ではウイング3の両外縁で挿入末端側半分に太径
部1aを有するHf棒1を用いていない点で第1の実施
例と同様であるが、異なった点はスペーサについてであ
る。
【0067】すなわち、図6(a)に示すように角管ス
ペーサ8aを個々に独立して使用しHf棒1の細径部1
bごとに分離した状態で保持したことにある。また、図
6(b)に示したように円管スペーサ8bを使用し、こ
の円管スペーサ8bの場合には、Hf棒1の細径部1b
に通水スリット14を形成している。
【0068】この通水スリット14はHf棒1の細径部1
aの表面のほかにスペーサ8a,8bの内面にも形成す
ることができる。軸方向の太径部1aと細径部1bとの
境界の構成は図4の場合と基本的に同じとなっている。
本実施例によればシース2に応力が発生することはな
い。
【0069】つぎに図7により本発明に係る制御棒の第
5の実施例を説明する。本実施例は図7(a),(b)
に示したように一部または全部のスペーサ8をシース2
に固着し、スペーサ8の機能と図1に示す局所スティフ
ナ13の機能を同時に保持できるように構成したことにあ
る。第5の実施例における制御棒の外観についてはとく
に変わるところがないため、例えば図1および図2を援
用し、その説明を省略する。
【0070】図7(a)は図1(b)におけるシース2
を取り外してスペーサ8の部分を側面から見た拡大図で
あり、図7(b)は図7(a)におけるa−a線に沿っ
て切断したシース2も含めた横断面図である。本実施例
は図7(b)に示したように図7(a)の丸孔15に対応
する位置にシース2に丸孔15を設け、この丸孔15にパッ
ド16を挿入して溶接などで固着する。パッド16を固着す
る角管スペーサ8aは溶接などで固着されている。
【0071】パッド16とパッド16を固着する角管スペー
サ8aとは基本的に同じ材料が用いられる。Hf棒1は
シース2に対して摺動できるよう構成されている。本実
施例によれば、パッド16は角管スペーサ8aの保持とシ
ース2との間隔を保持し、かつ局所スティフナ13の機能
を有している。したがって、Hf棒1の細径部1bから
局所スティフナ13を除去することもできる。
【0072】つぎに図8により本発明に係る制御棒の第
6の実施例を説明する。本実施例では、ウイング3の幅
方向略中央部にHf棒1が2本分に相当するフラットバ
ー(Hfフラットバーという)17を軸方向の全長にわた
って配置し、このHfフラットバー17の軸方向に所定の
間隔をおいて軸方向に細長い長孔18を開け、その長孔18
にシース2と実質的に同一材料のSUSなどの固着材19
を貫通させ、シース2に溶接などで固着したことにあ
る。
【0073】本実施例によれば,長孔18は軸方向に十分
な余裕を有しており、熱サイクルの際の熱膨張率の差に
よってHf棒1とシース2とは独自に伸縮でき、応力の
発生を防止できる。Hfフラットバー17を全長にわたっ
て配置すると、重量増加で問題となる場合には、任意の
割合でHfと合金を構成することができて重量軽減も達
成できるZrなどとの合金を用いてもよい。Hfは共鳴
中性子吸収物質であるため、Zrなどに希釈しても中性
子吸収効果があまり低下しないという優れた効果があ
る。
【0074】つぎに図9により本発明に係る制御棒の第
7の実施例を説明する。本実施例が前記各々の実施例と
異なる点は、4枚のウイング3を中心軸で結合するタイ
ロッド6を設けないで、図8におけるHfフラットバー
17の部分にシース2の間隔を保持し、ウイング3の強度
を確保し、重量を支持するSUSなどの構造材としてウ
イング支持バー20を配置し、このウイング支持バー20の
上下両端部に先端構造材4および末端構造材5を溶接な
どにより固着したことにある。
【0075】ウイング3の中心軸側端部には比較的細い
構造材として内側構造材21が配置され、軸方向に所定の
間隔をおいて横断面十字型の短尺ウイング結合部材22が
取り付けられている。Hf棒1の細径部1bのスペーサ
8はシース2には固着されていない。Hf棒1ごとに独
立でも溶接などで一体化してもよい。太径部1aと細径
部1bとの境界部の構成は図4の場合とほぼ同じであ
る。このような構成の場合でも、本実施例の作用・効果
は他の実施例と同様に達成される。
【0076】次に図10及び図11により本発明に係る制御
棒の第8の実施例を説明する。図10aは挿入方向先端
部、図10(b)は中央部および末端部を一枚のウイング
の手前側のシースを取り外した状態を側面図で示したも
のである。図11(a)は図10(a)のa−a線方向を切
断した縦断面であって、Hf棒1の太径部1aを先端構
造材下端部に係合・吊り下げした状態を横にして示して
いる。図11(b)は図10(b)のb部を拡大して示す側
面図、図11(c)は図11(b)のc−c線方向を示す横
断面図である。
【0077】本実施例は第1および第2の構成要素から
なっている。第1の構成要素はHf棒1は太径部1aの
挿入側半分と、細径部1bの挿入末端側半分が図10
(b)に示したように制御棒全長の略中央部で分割さ
れ、0.5-1.5cm 程度の隙間が設けられている。そして、
図11(a)に示したようにHf棒1の太径部1aの先端
部に鳩尾状係合部23を設け、この係合部23と係合し得る
係合部24を先端構造材4の下端部に設けている。
【0078】ここで、先端構造材4の係合部24に太径部
1aの係合部23を係合させて、先端構造材の下端部にH
f棒1の太径部1aを吊り下げる。これによってHf棒
1の細径部1bは太径部1aの重量を支持する必要がな
くなり、強度が劣る細径部の機械的健全性が向上する。
【0079】前記隙間は熱サイクルにおけるSUSとH
fとの熱膨張率差に基づく伸び縮みの差を吸収するため
に設けられている。前記隙間は段違い型に配置されてい
るため、間隙形成により僅かながら生じる反応度低下の
割合を抑制する構成となっている。
【0080】第2の構成要素はシース2と実質的に同じ
材料の固着材25がシース2に溶接などで固着されてお
り、それを取り囲むように熱サイクルにおける伸び縮み
を吸収することができる間隙を有し、この間隙を介して
固着材係合スペーサ26を可動自在に設けたことにある。
【0081】固着材係合スペーサ26はスペーサ8に取り
付けられており、スペーサ8と一緒に動くようになって
いる局所スティフナの機能を有し、シース2に固着して
いる。シース2に応力が局所的に集中しないように挿入
先端側と末端側はほぼ半円形に構成され、固着材係合ス
ペーサの内側孔も半円形に形成されている。固着材係合
スペーサと中性子吸収棒細径部を取り囲むスペーサとは
溶接などで一体に固着してもよいがしなくてもよい。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、細長いU字状の横断面
を有する複数の長尺シース内に、このシースと異なる材
質のハフニウムまたはハフニウム合金からなる複数の棒
状中性子吸収棒を挿入してウイングを構成し、前記シー
スの長手方向の一端に先端構造材を固設し、この先端構
造材と対向する他の一端に末端構造材を固設し、中性子
吸収棒を長手方向に末端構造材側が先端構造材側より直
径が細くなるように構成された原子炉用制御棒におい
て、前記シースと前記中性子吸収棒との熱膨張率の差に
基づく熱サイクルに伴う応力を防止することができるの
で、制御棒の健全性を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明に係る原子炉用制御棒の第1の
実施例の挿入方向先端部を一部切欠して示す側面図、
(b)は(a)の下方につながり中央部および末端部を
一部切欠して示す側面図。
【図2】(a)は図1(a)のa−a断面図、(b)は
図1(a)のb−b断面図、(c)は図1(b)のc−
c断面図、(d)は図1(b)のd−d断面図、(e)
は(c)のe部を拡大して示す断面図。
【図3】本発明に係る原子炉用制御棒の第2の実施例の
中央部および末端部を一部切欠して示す側面図。
【図4】本発明に係る原子炉用制御棒の第3の実施例の
中央部および末端部を一部切欠して示す側面図。
【図5】(a)は本発明に係る原子炉用制御棒の第4の
実施例の挿入方向先端部を一部切欠して示す側面図、
(b)は(a)の下方につながり中央部および末端部を
一部切欠して示す側面図。
【図6】(a)は図5(b)のa−a線に沿って切断し
拡大して部分的に示す横断面図、(b)は(a)の他の
例を示す横断面図。
【図7】(a)は本発明に係る制御棒の第5の実施例の
要部を示す側面図、(b)は(a)のa−a線に沿って
切断しシースを含めた状態を示す横断面図。
【図8】(a)は本発明に係る原子炉用制御棒の第6の
実施例の挿入方向先端部を一部切欠して示す側面図、
(b)は(a)の下方につながり中央部および末端部を
一部切欠して示す側面図。
【図9】(a)は本発明に係る原子炉用制御棒の第7の
実施例の挿入方向先端部を一部切欠して示す側面図、
(b)は(a)の下方につながり中央部および末端部を
一部切欠して示す側面図。
【図10】(a)は本発明に係る原子炉用制御棒の第8
の実施例の挿入方向先端部を一部切欠して示す側面図、
(b)は(a)の下方につながり中央部および末端部を
一部切欠して示す側面図。
【図11】(a)は図10(a)のa−a線に沿って切断
した一部側面で示す縦断面図、(b)は図10(b)の
(b)部を拡大して示す側面図、(c)は(b)のc−
c方向を切断して示す横断面図。
【図12】(a)は従来の沸騰水型原子炉用制御棒を一
部切欠して示す斜視図、(b)は(a)における中性子
吸収棒の要部を拡大して示す側面図、(c)は(b)の
a−a方向を切断して示す横断面図。
【符号の説明】
1…Hf棒、1a…太径部、1b…細径部、2…シー
ス、3…ウイング、4…先端構造材、5…末端構造材、
6…タイロッド、7…十字型制御棒、8…スペーサ、8
a…角管スペーサ、8b…円管スペーサ、9…通水孔、
10…落下速度リミッタ、11…ソケット、12…通水溝、13
…局所スティフナ、14…スリット、15…丸孔、16…パッ
ド、17…Hfフラットバー、18…長孔、19…固着材、20
…ウイング支持バー、21…内側構造材、22…ウイング結
合部材、23,24…係合部、25…固着材、26…固着材係合
スペーサ。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細長いU字状の横断面を有する複数の長
    尺シース内に、ハフニウムまたはハフニウム合金からな
    る複数の中性子吸収棒を挿入してウイングを構成し、前
    記シースの長手方向の一端に先端構造材を固設し、この
    先端構造材と対向する他端に末端構造材を固設し、前記
    中性子吸収棒は長手方向に前記先端構造材側に太径部を
    有し、末端構造材側に細径部を有するように構成した原
    子炉用制御棒において、前記細径部は長手方向に所定の
    間隔を有し、前記シース内の上下方向および隣接する前
    記中性子吸収棒間の長さの前記太径部と略等しいスペー
    サを前記シースと摺動自在に固着し、前記隣接する中性
    子吸収棒相互間を前記スペーサにより保持してなること
    を特徴とする原子炉用制御棒。
  2. 【請求項2】 前記スペーサはハフニウム、ハフニウム
    合金、またはジルコニウム合金からなることを特徴とす
    る請求項1記載の原子炉用制御棒。
  3. 【請求項3】 前記中性子吸収棒の細径部に切り込みを
    設け、この切り込み位置を覆うように前記スペーサを配
    置してなることを特徴とする請求項1記載の原子炉用制
    御棒。
  4. 【請求項4】 前記スペーサの内面と前記中性子吸収棒
    の細径部との間に通水間隙を設けてなることを特徴とす
    る請求項1記載の原子炉用制御棒。
  5. 【請求項5】 前記ウイング幅方向の略中央部で少なく
    とも中性子吸収棒の細径部に、軸方向に所定の間隔をお
    いて対面するシース板間にスペーサの機能を有する短尺
    のスティフナを固着してなることを特徴とする請求項1
    記載の原子炉用制御棒。
  6. 【請求項6】 前記中性子吸収棒の太径部と細径部の境
    界を前記ウイング長さ方向の中心の位置から分散させて
    なることを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
  7. 【請求項7】 前記ウイング1枚あたりの大部分の中性
    子吸収棒の前記境界部を前記隣接する中性子吸収棒間で
    段違いに配置するか、または略ランダムに配置してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
  8. 【請求項8】 前記ウイングの外縁部の2cm以内で前記
    太径部を前記中性子吸収棒全長の 1/2より長く、その他
    の部分を短くしてなることを特徴とする請求項1記載の
    原子炉用制御棒。
  9. 【請求項9】 前記ウイング1枚内の多数の中性子吸収
    材のうち、一部の中性子吸収材は全長にわたって太径部
    のものを配置し、その太径部に細径部を形成してその細
    径部にスペーサを保持してなることを特徴とする請求項
    1記載の原子炉用制御棒。
  10. 【請求項10】 前記ウイング幅方向の略中央部で全長
    にわたってシース板間にスペーサとしての機能とシース
    強度確保と制御棒の荷重を支えることができる局所ステ
    ィフナを配置固着してなることを特徴とする請求項1記
    載の原子炉用制御棒。
  11. 【請求項11】 前記ウイング幅方向の略中央部で全長
    にわたって、孔を開けた細長い板状のハフニウムまたは
    ハフニウム合金を配置し、前記ハフニウムまたはハフニ
    ウム合金の孔に、熱膨張率の差に基づく移動を許容でき
    る程度のシースと溶接できる孔より細いシース固着用の
    金属を挿入し、この金属をシースに溶接して構成してな
    ることを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
  12. 【請求項12】 細長いU字状の横断面を有する複数の
    長尺シース内に、このシースと異なる材質の異なるハフ
    ニウムまたはハフニウム合金からなる複数の中性子吸収
    棒を挿入してウイングを構成し、前記シースの長手方向
    の一端に先端構造材を対向する他の一端に末端構造材を
    固設し、前記中性子吸収棒は長手方向に沿って先端構造
    材側に太径部を有し、末端構造材側に細径部を有するよ
    うに構成した原子炉用制御棒において、前記中性子吸収
    棒の細径部に長手方向に所定の間隔を有し隣接する中性
    子吸収棒を太径部と同じ間隔でかつウイング厚さ方向の
    厚みを太径部と同じ厚みに保持するスペーサを装着し、
    前記ウイング幅方向の略中央部に前記ウイングの軸方向
    に所定の範囲で可動自在にスティフナの機能を有する固
    着材に固着材係合スペーサを係合してなることを特徴と
    する原子炉用制御棒。
  13. 【請求項13】 細長いU字状の横断面を有する複数の
    長尺シース内に、ハフニウムまたはハフニウム合金から
    なる複数の中性子吸収棒を挿入してウイングを構成し、
    前記シース内の長手方向の一端に先端構造材を固設し、
    前記先端構造材と対向する他端に末端構造材を固設し、
    前記中性子吸収棒は長手方向に前記先端構造材側に太径
    部を有し、末端構造材側に細径部を有するように構成し
    た原子炉用制御棒において、前記中性子吸収材の細径部
    には、長手方向に所定の間隔をおいて、隣接する中性子
    吸収棒を太径部と同じ間隔でかつウイング厚さ方向の厚
    みを太径部と同じ厚みに保持し、前記中性子吸収棒が軸
    方向に摺動自在となるスペーサを装着し、このスペーサ
    の一部にパッドを固着し、前記パッドを前記シースに設
    けた孔に挿入して固着して局所スティフナの機能を持た
    せてなることを特徴とする原子炉用制御棒。
  14. 【請求項14】 前記中性子吸収棒は前記シースの材質
    との熱膨張の差を吸収できる程度の軸方向間隙を確保で
    きるように軸方向に複数個に分割され、前記先端構造材
    に隣接する部分を先端構造材に吊り下げてなることを特
    徴とする請求項1ないし13記載の原子炉用制御棒。
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