JPH0989763A - 原子吸光分光光度計 - Google Patents

原子吸光分光光度計

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JPH0989763A
JPH0989763A JP7241375A JP24137595A JPH0989763A JP H0989763 A JPH0989763 A JP H0989763A JP 7241375 A JP7241375 A JP 7241375A JP 24137595 A JP24137595 A JP 24137595A JP H0989763 A JPH0989763 A JP H0989763A
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JP
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electric heating
heating furnace
atomic absorption
atomization device
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JP7241375A
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Yoshisada Ehata
佳定 江畠
Kazuo Moriya
一夫 森谷
Hisashi Kimoto
尚志 木元
Hayato Tobe
早人 戸辺
Yasushi Terui
康 照井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/71Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light thermally excited
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/25Colour; Spectral properties, i.e. comparison of effect of material on the light at two or more different wavelengths or wavelength bands
    • G01N21/31Investigating relative effect of material at wavelengths characteristic of specific elements or molecules, e.g. atomic absorption spectrometry
    • G01N21/3103Atomic absorption analysis

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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、電気加熱炉試料原子化装置を
使用して従来より高感度分析の可能な原子吸光光度計を
提供するにある。 【構成】ホロカソードランプ1から発せられた光線は、
凹面鏡2により電気加熱炉試料原子化装置3の中央に集
光される。電気加熱炉試料原子化装置3の中央に集光さ
れた光は、さらに、レンズ4により、バーナー試料原子
化装置5のフレーム部中央に集光される。バーナー試料
原子化装置5を通過した光は、凹面鏡6により集光さ
れ、さらに、平面鏡7により反射されて、分光器の入口
スリット8に結像される。分光器の出射スリット12か
ら出射された光は、光検知器13によって検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子吸光分光光度計に
係り、特に、高感度分析を行うに好適な原子吸光分光光
度計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の原子吸光光度計は、例えば、特公
昭60−29893号公報に記載のように、光源から光
検知器に至る光路上に、直列的に2種類以上の試料原子
化装置を配置するものが知られている。
【0003】かかる原子吸光光度計においては、フレー
ム内に分析試料を霧状にして導入し、分析試料を原子化
するバーナー試料原子化装置が、光源に近い側に配置さ
れ、また、グラファイト製のキュベット内に分析試料を
導入して、このキュベットを高温に加熱することによ
り、分析試料を原子化する電気加熱炉試料原子化装置
が、バーナー試料原子化装置と分光器の間に配置されて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】原子吸光光度計は、p
pbオーダーの高感度分析が可能であることから、臨床
医学や環境分析の分野において、有害元素の微量測定等
に利用されている。近年、各種の水質基準が改正され、
例えば、飲料水における基準では、従来は、ひ素(A
s)やセレン(Se)が飲料水に検出されなければ飲料
水基準を満たしていたものが、改正後は、それぞれ、飲
料水中に含まれる量が10ppb以下であれば飲料水基
準を満たすようになった。
【0005】飲料水基準において、10ppb以下の定
量分析を行うには、濃度が1ppbのひ素(As)やセ
レン(Se)の標準試料を複数回測定した時、相対標準
偏差(標準偏差/平均値)が10%以下であることが要
求されている。さらに、原子吸光光度計装置本体の検出
限界としては、0.3ppbの高精度が要求される。
【0006】しかしながら、従来の通常の原子吸光光度
計では、このような検出限界の低い測定は不可能であっ
た。一般に、電気加熱炉試料原子化装置は、ppbオー
ダーの高感度分析が可能であるが、それでも、0.3p
pbの検出限界を得ることは困難であった。なお、特殊
な分析方法として、原子吸光光度計の付属装置である水
素化物発生付属装置を用いて、ひ素(As)やセレン
(Se)の水素化物を生成し、加熱石英セルを用いてバ
ーナー試料原子化装置を使用することにより、定量が可
能であるが、測定に時間を要するという問題があった。
また、この付属装置を使用する場合には、測定に必要な
試料は5mlであり、一般に電気加熱炉試料原子化装置
における試料量の数μlに比べて、100倍程度の試料
量が必要であった。測定試料が飲料水である場合には、
この試料量はさほど問題とならないが、食物中のひ素
(As)やセレン(Se)の分析においては、実質的に
測定ができないという場合もある。
【0007】本発明の目的は、電気加熱炉試料原子化装
置を使用して従来より高感度分析の可能な原子吸光光度
計を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、光源から光検知器に至る光路上に直列的
に2種類以上の試料原子化装置を配置し、この2種類以
上の試料原子化装置を選択的に使用するように構成され
た原子吸光分光光度計において、上記光源に近接して電
気加熱炉試料原子化装置を配置し、 この電気加熱炉試
料原子化装置と上記光検知器の間に、バーナー試料原子
化装置を配置するようにしたものである。
【0009】上記原子吸光光度計において、好ましく
は、さらに、上記光源に直流電流に低周波のパルス電流
を重畳した点灯用電流を供給するランプ点灯手段と、上
記光検知器の出力信号を低周波増幅する低周波増幅手段
を備え、上記低周波増幅手段は、上記ランプ点灯手段が
上記光源に供給する点灯電流に同期して増幅するように
したものである。
【0010】上記原子吸光光度計において、好ましく
は、上記光源から発せられた光を上記電気加熱炉試料原
子化装置の中央部に集光する結像素子として凹面鏡を使
用するようにしたものである。
【0011】上記原子吸光光度計において、好ましく
は、上記電気加熱炉試料原子化装置に集光された光を、
さらに、上記バーナー試料原子化装置に集光する結像素
子として凹面鏡を使用するようにしたものである。
【0012】
【作用】本発明では、光源に近接して電気加熱炉試料原
子化装置を配置し、 この電気加熱炉試料原子化装置と
光検知器の間に、バーナー試料原子化装置を配置するこ
とにより、電気加熱炉試料原子化装置からの白色光の影
響を低減し得るものとなる。
【0013】また、光源に直流電流に低周波のパルス電
流を重畳した点灯用電流を供給するランプ点灯手段と、
光検知器の出力信号を低周波増幅する低周波増幅手段を
備え、低周波増幅手段は、ランプ点灯手段が上記光源に
供給する点灯電流に同期して増幅することにより、さら
に、電気加熱炉試料原子化装置からの白色光の影響を低
減し得るものとなる。
【0014】また、さらに、光源から発せられた光を電
気加熱炉試料原子化装置の中央部に集光する結像素子と
して凹面鏡を使用することにより、波長を変えて測定し
た場合にも色収差の発生がなく、常に、電気加熱炉試料
原子化装置の最適位置に結像でき、感度を向上し得るも
のとなる。
【0015】また、電気加熱炉試料原子化装置に集光さ
れた光を、さらに、バーナー試料原子化装置に集光する
結像素子として凹面鏡を使用することにより、波長を変
えて測定した場合にも色収差の発生がなく、常に、バー
ナー試料原子化装置の最適位置に結像でき、感度を向上
し得るものとなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図1を用
いて説明する。図1は、本発明の一実施例による原子吸
光光度計の全体構成図である。
【0017】光源であるホロカソードランプ1は、分析
目的原子の吸収スペクトルと同じ波長の発光スペクトル
を有する原子の共鳴線の光線を放射する。ホロカソード
ランプ1は、ランプ点灯装置20から100Hzの直流
分にパルス信号の重畳されてパルス変調された電流を供
給されており、この電流に同期して、点灯・消灯を繰り
返している。
【0018】ホロカソードランプ1から発せられた光線
は、凹面鏡2により電気加熱炉試料原子化装置3の中央
に集光される。電気加熱炉試料原子化装置3は、グラフ
ァイト製の円筒形のキュベットから構成され、このキュ
ベットに通電することにより、キュベットを高温に加熱
できる。キュベットの温度を、乾燥,灰化,原子化の各
段階に応じて順次高温化することにより、キュベット内
に導入された分析試料を原子化できる。
【0019】電気加熱炉試料原子化装置3の中央に集光
された光は、さらに、レンズ4により、バーナー試料原
子化装置5のフレーム部中央に集光される。バーナー試
料原子化装置5は、アセチレン等の可燃性のガスによっ
てフレームを形成し、このフレーム内に霧化された分析
試料を導入することによって加熱原子化する。ここで、
結像素子として、レンズ4を使用しているため、このレ
ンズ4の色収差の影響によって、バーナー試料原子化装
置5のフレーム部における集光位置は、波長によって異
なることになる。しかながら、フレーム部の光軸方向の
長さは、約100mm程度あるため、このフレーム部に
おいて、結像位置が10数mmズレたとしても、その影
響は小さいものである。また、バーナー試料原子化装置
5自体が、その原子化効率やフレームの安定性の点で、
電気加熱炉試料原子化装置3に比べて感度が落ちるた
め、かかる点からもレンズ光学系を使用する影響は少な
い。
【0020】バーナー試料原子化装置5を通過した光
は、凹面鏡6により集光され、さらに、平面鏡7により
反射されて、分光器の入口スリット8に結像される。分
光器は、入射スリット8,コリメータ鏡9,回折格子1
0,カメラ鏡11及び出射スリット12によって構成さ
れている。入口スリット8を通過した光線は、コリメー
タ鏡9で平行光束にされ、回折格子10により分散され
る。分散された分析目的原子と同じ原子の共鳴吸収線
が、カメラ鏡11で、出口スリット12に集光され、ホ
トマルチプライヤー等の光検知器13に到達する。
【0021】光検知器13によって検出された信号は、
直流増幅器14によって増幅される。直流増幅器14
は、ランプ点灯装置20に同期して増幅するものであ
り、ランプ点灯装置20からホローカソードランプ1に
供給される電流が、パルス信号の重畳されていないタイ
ミングにおける光検知器13の出力をホールドして、パ
ルス信号が重畳されているタイミングにおける光検知器
13の出力の差分をとるように機能することによって、
電気加熱炉試料原子化装置3から発せられる白色光の影
響を低減できる。また、直流増幅器であることから高周
波ノイズ成分が増幅されることもなく、S/Nが改善さ
れ、微弱信号がノイズに埋もれることによる感度の低下
を防止できる。直流増幅器の14の出力は、データ処理
装置によって処理され、吸光度の表示や、予め求められ
ていた検量線に基づいて、分析試料の濃度を求めること
ができる。
【0022】バーナー試料原子化装置5を使用する場合
には、電気加熱炉試料原子化装置3を使用しない。ま
た、電気加熱炉試料原子化装置3を使用する場合には、
バーナー試料原子化装置5を使用しない。
【0023】従来の原子吸光光度計においては、ホロー
カソードランプからの発光を、1800Hzで変調して
いた。この変調は、ホローカソードランプに、電源から
直流に1800Hzのパルス電流を重畳した電流を供給
するものであり、ホローカソードランプを直流重畳高速
点灯していた。これは、電気加熱炉試料原子化装置自体
が約3000℃まで加熱されるため、この電気加熱炉試
料原子化装置のキュベットから発せられる白色光の影響
を除去するためであった。
【0024】光検知器であるホトマルチプライヤーに
は、ホローカソードランプからの発光スペクトルとキュ
ベットから発せられる白色光が同時に入射し、それぞ
れ、電気信号に変換されるが、ホローカソードランプか
らの発光は、1800Hzの交流成分を有し、一方、キ
ュベットから発せられる白色光は直流的な成分であるた
め、光検知器の出力を増幅する増幅器に交流増幅器を使
用することにより、キュベットから発せられる白色光は
除去されていた。
【0025】しかしながら、ホトマルチプライヤーの出
力信号のレベルは低いため、複数段の増幅器で増幅する
と、交流増幅器の発生するノイズ成分も増幅する結果と
なっていた。
【0026】ここで、分析試料の濃度が高濃度である時
には、増幅器で増幅される信号レベルは、ノイズ成分に
比べて十分大きいため、このノイズ成分も分析の妨げと
はならなかったが、検出限界が、例えば、0.3ppb
というように低くなると、増幅器で増幅される信号レベ
ルも低下して、ノイズ成分の中に隠れてしまう。その結
果として、従来の原子吸光光度計では、0.3ppbと
いうような低濃度の分析はできないものであった。
【0027】かかる問題を解決するには、交流増幅器を
使用せず、低周波若しくは直流増幅器を使用して、直流
的に信号を扱えばいいが、キュベットから発せられる白
色光の影響を除去するのが難しくなる。特に、ひ素(A
s)やセレン(Se)の測定において、この白色光の影
響が顕著となる。即ち、ひ素(As)の吸収スペクトル
は、193nmであり、セレン(Se)の吸収スペクト
ルは、196nmである。一方、白色光の発光スペクト
ルは、色温度によって異なるが、色温度が2000°K
の場合には、その発光スペクトルのピークは、1400
nm付近にあり、しかも、ひ素(As)やセレン(S
e)の吸収スペクトルに相当する紫外域の光は殆ど発し
ていない。それに対して、色温度が3000°Kになる
と、190nm以上の紫外域の発光が大きくなってくる
ので、この影響が顕著となる。
【0028】そこで、本実施例では、電気加熱炉試料原
子化装置の位置を、光源であるホローカソードランプ側
に配置し、バーナー試料原子化装置を電気加熱炉試料原
子化装置と分光器の間に配置した。これによって、従来
は、分光器の入射スリットから凹面鏡6までの距離が約
220mmであり、凹面鏡6から従来電気加熱炉試料原
子化装置が配置された位置までの距離が170mmであ
ったのに対して、本実施例では、凹面鏡6から電気加熱
炉試料原子化装置3までの距離が470mmとなった。
分光器の入射スリット側から見た場合、距離を従来の約
3倍遠くできたので、入射スリットから見込む角度内に
おいて、電気加熱炉試料原子化装置3からの発せられる
白色光の影響は、約1/9に低減できた。
【0029】また、電気回路的にも、光源であるホロー
カソードランプを100Hzの低周波パルス点灯し、増
幅器に直流増幅器を使用し、さらに、光源の変調周波数
に対して同期して直流分をキャンセルするように増幅す
ることにより、電気加熱炉試料原子化装置からの白色光
の影響を除去できるものである。
【0030】また、従来は、光源から発せられた光を第
1の試料原子化装置でバーナー試料原子化装置に集光す
るために、レンズを使用し、さらに、第2の試料原子化
装置である電気加熱炉試料原子化装置に集光するために
も、レンズを使用していた。従って、光源と電気加熱炉
試料原子化装置の間には、2枚のレンズを使用していた
ため、このレンズの色収差の影響による電気加熱炉試料
原子化装置における結像位置のズレの影響があった。電
気加熱炉試料原子化装置に用いるグラファイト製のキュ
ベットは、全長が30mm程度の円筒形であり、この中
心の内部に分析試料を載置して高温に加熱して、原子化
するとともに、円筒形のキュベットの両側からキャリア
ガスを流入させることによって、発生した原子蒸気をキ
ュベットの中央部の数mmの範囲内に封じ込めることに
よって、高感度分析を可能にしていた。そして、光学設
計上、500nmの時に、光源の結像位置が、電気加熱
炉試料原子化装置のキュベットの中央になるように設計
されている。そして、ひ素(As)やセレン(Se)の
ように、190nmで測定する際には、レンズの色収差
によって、その結像位置は、キュベットの中央から光源
側に15mm程度ズレることになる。その結果、原子蒸
気の一番濃いキュベット中央部に結像しないため、高感
度分析を阻害する要因となっていた。
【0031】それに対して、本実施例では、結像光学系
として、レンズではなく、凹面鏡を使用したため、色収
差の問題は発生しない。従って、ひ素(As)やセレン
(Se)のような紫外域の測定に際しても、電気加熱炉
試料原子化装置のキュベットの中心の原子蒸気の濃度の
高い位置に結像することができるため、高感度分析が可
能となる。
【0032】さらに、従来の原子吸光光度計のように、
2枚のレンズを用いるものにあっては、分光器の入射ス
リットの位置における光源の結像位置も、レンズの色収
差の影響でズレるものである。結像位置がズレると、入
射スリットから入射する光の一部がケラレるため、光検
知器に到達する光量が低下し、S/N比が低下する。し
かしながら、本実施例のように、結像素子として凹面鏡
を使用することにより、分光器の入射スリット位置にお
ける光源の結像位置のズレも発生しなくなるため、S/
N比を向上できるものである。
【0033】本実施例によれば、試料測定時に白色光を
放射する電気加熱炉試料原子化装置3が、分光器から離
れたところに配置されているために、白色光の中で検知
器に到達する成分を除去し、正しい吸収信号を得ること
が可能である。
【0034】また、ホロカソードランプ1からの光線
を、色収差のない凹面鏡2により電気加熱炉試料原子化
装置3の中央に集光するので、電気加熱炉試料原子化装
置を用いた測定において測定元素によらず常に、キュベ
ット中央の所定の位置に光線が集光され、正しい吸収信
号を得ることができる。
【0035】さらに、電気加熱炉試料原子化装置3を通
過した光は、レンズ4により集光されるため、色収差の
影響を受けるが、従来技術のレンズを2枚組み合わせる
装置よりも、影響が少なく、ホロカソードランプ1から
の光線が、効率よく光検知器13に入射するので良好な
S/N比で測定を行うことが可能である。
【0036】また、電気加熱炉試料原子化装置3を色収
差のない凹面鏡2の次に配置したのは、電気加熱炉試料
原子化装置3の方がバーナー試料原子化装置5に比べて
光線の通る断面積が小さく色収差の影響を受けやすいか
らである。
【0037】次に、図2を用いて、本発明の他の実施例
について説明する。図2は、本発明の他の実施例による
原子吸光光度計の全体構成図である。
【0038】光源であるホロカソードランプ1は、分析
目的原子の吸収スペクトルと同じ波長の発光スペクトル
を有する原子の共鳴線の光線を放射する。ホロカソード
ランプ1は、ランプ点灯装置20から100Hzの直流
分にパルス信号の重畳されてパルス変調された電流を供
給されており、この電流に同期して、点灯・消灯を繰り
返している。
【0039】ホロカソードランプ1から発せられた光線
は、凹面鏡2により電気加熱炉試料原子化装置3の中央
に集光される。電気加熱炉試料原子化装置3は、グラフ
ァイト製の円筒形のキュベットから構成され、このキュ
ベットに通電することにより、キュベットを高温に加熱
できる。キュベットの温度を、乾燥,灰化,原子化の各
段階に応じて順次高温化することにより、キュベット内
に導入された分析試料を原子化できる。
【0040】電気加熱炉試料原子化装置3の中央に集光
された光は、第2の凹面鏡15により、バーナー試料原
子化装置5のフレーム部中央に集光される。バーナー試
料原子化装置5は、アセチレン等の可燃性のガスによっ
てフレームを形成し、このフレーム内に霧化された分析
試料を導入することによって加熱原子化する。
【0041】バーナー試料原子化装置5を通過した光
は、凹面鏡6により集光され、さらに、平面鏡7により
反射されて、分光器の入口スリット8に結像される。分
光器は、入射スリット8,コリメータ鏡9,回折格子1
0,カメラ鏡11及び出射スリット12によって構成さ
れている。入口スリット8を通過した光線は、コリメー
タ鏡9で平行光束にされ、回折格子10により分散され
る。分散された分析目的原子と同じ原子の共鳴吸収線
が、カメラ鏡11で、出口スリット12に集光され、ホ
トマルチプライヤー等の光検知器13に到達する。
【0042】光検知器13によって検出された信号は、
直流増幅器14によって増幅される。直流増幅器14
は、ランプ点灯装置20に同期して増幅するものであ
り、ランプ点灯装置20からホローカソードランプ1に
供給される電流が、パルス信号の重畳されていないタイ
ミングにおける光検知器13の出力をホールドして、パ
ルス信号が重畳されているタイミングにおける光検知器
13の出力の差分をとるように機能することによって、
電気加熱炉試料原子化装置3から発せられる白色光の影
響を低減できる。また、直流増幅器であることから高周
波ノイズ成分が増幅されることもなく、S/Nが改善さ
れ、微弱信号がノイズに埋もれることによる感度の低下
を防止できる。直流増幅器の14の出力は、データ処理
装置によって処理され、吸光度の表示や、予め求められ
ていた検量線に基づいて、分析試料の濃度を求めること
ができる。
【0043】バーナー試料原子化装置5を使用する場合
には、電気加熱炉試料原子化装置3を使用しない。ま
た、電気加熱炉試料原子化装置3を使用する場合には、
バーナー試料原子化装置5を使用しない。
【0044】本実施例によれば、試料測定時に白色光を
放射する電気加熱炉試料原子化装置3が、分光器から離
れたところに配置されているために、白色光の中で検知
器に到達する成分を除去し、正しい吸収信号を得ること
が可能である。
【0045】また、ホロカソードランプ1からの光線
を、色収差のない第1の凹面鏡2により電気加熱炉試料
原子化装置3の中央に、色収差のない第2の凹面鏡15
によりバーナー試料原子化装置5のフレーム部中央にそ
れぞれ集光するので、電気加熱炉試料原子化装置を用い
た測定、バーナー試料原子化装置を用いた測定、いずれ
の場合も測定元素によらず、常に所定の位置に光線が集
光されるため、正しい吸収信号を得ることができる。
【0046】さらに、色収差を持つレンズを使用してい
ないために、測定元素によらず、常に分光器の入口スリ
ット8にホロカソードランプ1からの光線が結像するの
で、良好なS/N比で測定を行うことが可能である。
【0047】次に、図3を用いて、本発明のその他の実
施例について説明する。図3は、本発明のその他の実施
例による原子吸光光度計の全体構成図である。
【0048】光源であるホロカソードランプ1は、分析
目的原子の吸収スペクトルと同じ波長の発光スペクトル
を有する原子の共鳴線の光線を放射する。ホロカソード
ランプ1は、ランプ点灯装置20から100Hzの直流
分にパルス信号の重畳されてパルス変調された電流を供
給されており、この電流に同期して、点灯・消灯を繰り
返している。
【0049】ホロカソードランプ1から発せられた光線
は、凹面鏡2により電気加熱炉試料原子化装置3の中央
に集光される。電気加熱炉試料原子化装置3は、グラフ
ァイト製の円筒形のキュベットから構成され、このキュ
ベットに通電することにより、キュベットを高温に加熱
できる。キュベットの温度を、乾燥,灰化,原子化の各
段階に応じて順次高温化することにより、キュベット内
に導入された分析試料を原子化できる。
【0050】電気加熱炉試料原子化装置3の中央に集光
された光は、バーナー試料原子化装置5のフレーム部を
通過する。バーナー試料原子化装置5は、アセチレン等
の可燃性のガスによってフレームを形成し、このフレー
ム内に霧化された分析試料を導入することによって加熱
原子化する。
【0051】バーナー試料原子化装置5を通過した光
は、凹面鏡6により集光され、さらに、平面鏡7により
反射されて、分光器の入口スリット8に結像される。分
光器は、入射スリット8,コリメータ鏡9,回折格子1
0,カメラ鏡11及び出射スリット12によって構成さ
れている。入口スリット8を通過した光線は、コリメー
タ鏡9で平行光束にされ、回折格子10により分散され
る。分散された分析目的原子と同じ原子の共鳴吸収線
が、カメラ鏡11で、出口スリット12に集光され、ホ
トマルチプライヤー等の光検知器13に到達する。
【0052】光検知器13によって検出された信号は、
直流増幅器14によって増幅される。直流増幅器14
は、ランプ点灯装置20に同期して増幅するものであ
り、ランプ点灯装置20からホローカソードランプ1に
供給される電流が、パルス信号の重畳されていないタイ
ミングにおける光検知器13の出力をホールドして、パ
ルス信号が重畳されているタイミングにおける光検知器
13の出力の差分をとるように機能することによって、
電気加熱炉試料原子化装置3から発せられる白色光の影
響を低減できる。また、直流増幅器であることから高周
波ノイズ成分が増幅されることもなく、S/Nが改善さ
れ、微弱信号がノイズに埋もれることによる感度の低下
を防止できる。直流増幅器の14の出力は、データ処理
装置によって処理され、吸光度の表示や、予め求められ
ていた検量線に基づいて、分析試料の濃度を求めること
ができる。
【0053】バーナー試料原子化装置5を使用する場合
には、電気加熱炉試料原子化装置3を使用しない。ま
た、電気加熱炉試料原子化装置3を使用する場合には、
バーナー試料原子化装置5を使用しない。
【0054】本実施例によれば、試料測定時に白色光を
放射する電気加熱炉試料原子化装置3が、分光器から離
れたところに配置されているために、白色光の中で検知
器に到達する成分を除去し、正しい吸収信号を得ること
が可能である。
【0055】また、ホロカソードランプ1からの光線
を、色収差のない凹面鏡2により電気加熱炉試料原子化
装置3の中央に集光し、バーナー試料原子化装置5のフ
レーム部中央を通過させるので、電気加熱炉試料原子化
装置を用いた測定、バーナー試料原子化装置を用いた測
定、いずれの場合も測定元素によらず、常に所定の位置
に光線が集光されるため、正しい吸収信号を得ることが
できる。
【0056】さらに、色収差を持つレンズを使用してい
ないために、測定元素によらず、常に分光器の入口スリ
ット8にホロカソードランプ1からの光線が結像するの
で、良好なS/N比で測定を行うことが可能である。
【0057】また、凹面鏡は、1枚のみであるため、光
学系が簡単になる。バーナー試料原子化装置において
は、結像されていないが、フレームは、長さは、100
mm程度あるため、ppmオーダーの低感度分析は可能
である。特に、本実施例は、電気加熱炉試料原子化装置
やバーナー試料原子化装置にゼーマン効果によるバック
グラウンド補正のための、磁石を用いない原子吸光光度
計においては、電気加熱炉試料原子化装置とバーナー試
料原子化装置との距離を短くできるため、適用可能なも
のである。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、原子吸光光度計におけ
る分析をより高感度に行えるものとなる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の原子吸光光度計のブロック
構成図である。
【図2】本発明の他の実施例の原子吸光光度計のブロッ
ク構成図である。
【図3】本発明のその他の実施例の原子吸光光度計のブ
ロック構成図である。
【符号の説明】
1…ホロカソードランプ 2…凹面鏡 3…電気加熱炉試料原子化装置 4…レンズ 5…バーナー試料原子化装置 6…凹面鏡 7…平面鏡 8…入口スリット 9…コリメータ鏡 10…回折格子 11…カメラ鏡 12…出口スリット 13…光検知器 14…直流増幅器 15…データ処理装置 16…凹面鏡 20…ランプ点灯装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸辺 早人 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 照井 康 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源から光検知器に至る光路上に直列的
    に2種類以上の試料原子化装置を配置し、この2種類以
    上の試料原子化装置を選択的に使用するように構成され
    た原子吸光分光光度計において、 上記光源に近接して電気加熱炉試料原子化装置を配置
    し、 この電気加熱炉試料原子化装置と上記光検知器の間に、
    バーナー試料原子化装置を配置したことを特徴とする原
    子吸光光度計。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の原子吸光光度計におい
    て、さらに、 上記光源に直流電流に低周波のパルス電流を重畳した点
    灯用電流を供給するランプ点灯手段と、 上記光検知器の出力信号を低周波増幅する低周波増幅手
    段を備え、 上記低周波増幅手段は、上記ランプ点灯手段が上記光源
    に供給する点灯電流に同期して増幅することを特徴とす
    る原子吸光光度計。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の原子吸光光度計におい
    て、 上記光源から発せられた光を上記電気加熱炉試料原子化
    装置の中央部に集光する結像素子として凹面鏡を使用し
    たことを特徴とする原子吸光光度計。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の原子吸光光度計におい
    て、 上記電気加熱炉試料原子化装置に集光された光を、さら
    に、上記バーナー試料原子化装置に集光する結像素子と
    して凹面鏡を使用したことを特徴とする原子吸光光度
    計。
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