JPH0982261A - 電子顕微鏡 - Google Patents

電子顕微鏡

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JPH0982261A
JPH0982261A JP7235002A JP23500295A JPH0982261A JP H0982261 A JPH0982261 A JP H0982261A JP 7235002 A JP7235002 A JP 7235002A JP 23500295 A JP23500295 A JP 23500295A JP H0982261 A JPH0982261 A JP H0982261A
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JP
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ray
sample
detector
objective lens
electron microscope
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JP7235002A
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English (en)
Inventor
Isao Ochiai
勲 落合
Katsuhiro Kuroda
勝広 黒田
Shigeto Isagozawa
成人 砂子沢
Kimio Kanda
公生 神田
Tokushichi Igarashi
得七 五十嵐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、搭載、取外し、真空中での移動が
容易で、高最大計数率、大検出立体角で、高信号雑音比
のX線検出器を安価に提供し、同時に、高い2次電子検
出感度を達成する。 【構成】 先端が馬蹄形状で開放端を有した、複数個の
X線検出素子を格納したX線検出器を設置し、その先端
の開放端の側に2次電子検出器を配置する。 【効果】 開放端を設けることにより、電子顕微鏡への
搭載、取外しが容易になり、2次電子検出器に検出され
る2次電子量が低減することなくなる。また、複数個の
X線検出素子を一つの容器内に格納することにより、検
出立体角、かつ、信号雑音比が大きく取れるX線検出器
の導入が安価に実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子線を試料に照射し
て、試料から発生する特性X線を分析する装置を備えた
走査型電子顕微鏡に係わり、特に、高い特性X線検出感
度と高い2次電子検出感度を同時に達成するのに好適な
電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】電子顕微鏡の1種である走査型電子顕微
鏡の基本構成を図2を用いて説明する。電子銃1からで
た電子線2をコンデンサレンズ3、対物レンズ4により
細く絞って試料5に照射する。電子線2を試料5に照射
すると試料5から2次電子10がでてくる。さらに、偏
向コイル6により電子線を試料上に走査させる。2次電
子検出器11で検出した試料5からの2次電子信号をブ
ラウン管41の輝度変調信号とし、電子線2の走査と同
期させて、ブラウン管41に表示させて試料面の形態像
を示す2次電子像を得る。2次電子は以下の様に検出さ
れる。2次電子検出器11の先端に前面に約10キロボ
ルトの正の電圧が印加されたシンチレ−タ101があ
り、試料5と2次電子検出器11の間には等電位面10
2で示した電界が形成されている。試料からの2次電子
10はこの電界により加速されながら2次電子検出器1
1に引き込まれる。加速された2次電子10はシンチレ
−タ101をたたき、光を出す。この光を光電子増倍管
103で検出するようになっている。対物レンズ4と試
料5の間の距離(ワ−キングディスタンス)は5ミリメ
−トルから35ミリメ−トルである。そして、空間分解
能は電子線のビ−ム径で決まり、電子線のビ−ム径が小
さいほど空間分解能が高い。絞れるビ−ム径は対物レン
ズの収差で決まり、収差は対物レンズの焦点距離すなわ
ち、ワ−キングディスタンスが短いほど小さい。最近の
DRAMなどの半導体素子の微細化に伴い、その微細な
構造を観察するために、試料と対物レンズの間の距離は
5ミリメ−トル程度になってきている。また、対物レン
ズ4の形状は、図2に示したように、側方の空間を確保
するために、円錐状で、試料の側につきでた形状をして
いるものが普通である。
【0003】図2では、試料の上側に対物レンズのある
走査型電子顕微鏡を示したが、図8に示したように、さ
らに高い空間分解能を得るために、試料5を対物レンズ
4の磁極間に挿入し、いわゆる、インレンズとし、電子
線2を細く絞って試料に照射できるようにした走査型電
子顕微鏡が知られている。この場合には、試料5からの
2次電子を、対物レンズの上側に配置した2次電子検出
器11により検出する。試料と対物レンズの間の距離は
5ミリメ−トル程度である。
【0004】以上、走査型電子顕微鏡についてのべてき
たが、厚さが数10ナノメ−トルと薄い試料を用い、こ
の試料を対物レンズの磁極間(5ミリメ−トル程度)に
配置し、細く絞った電子線を照射し、試料を透過した電
子線を測定することによりさらに高い空間分解能で試料
の構造を調べることのできる透過型電子顕微鏡が知られ
ている。 次に、図2を用いて、X線検出法について述
べる。電子線2を試料5に照射すると試料5から試料5
を構成する元素に対応した特性X線20が発生するの
で、この特性X線20を検出し、試料の元素分布分析を
行なうものがある。試料5からの特性X線20を検出す
る方法として、シリコンやゲルマニウムなどの半導体か
らなるX線検出素子33を挿入する方法がある。X線検
出素子33にX線が入射すると、試料5からの特性X線
20のエネルギーに比例した個数の電子と正孔が発生す
る。この荷電粒子を集めて、その個数に対応した高さを
持つ電圧パルスに変換して、試料からのX線のエネルギ
ーを知ることができる。このようなX線検出法は、エネ
ルギ−分散型X線検出法とよばれており、広く用いられ
ている。厚さが3ミリメ−トルで、面積が約10平方ミ
リメートルの検出面をもったシリコン半導体結晶から作
られたX線検出素子を1個備えたX線検出器が通常用い
られている。熱雑音を低減するために、X線検出素子3
3は、X線検出素子33からの信号を増幅するための回
路の一部である電界効果トランジスタを主とする部分3
8とともに液体窒素槽8に入れた液体窒素により冷却棒
34を介して冷却している。試料5の交換時に試料室1
6は大気になり、冷却されたX線検出素子33にガスが
吸着すると、性能が劣化するため、X線透過窓36によ
りX線検出器31と試料室16を分離している。さら
に、検出素子33に反射電子が入射すると素子の内部に
欠陥が発生し検出素子の性能が劣化する、試料5以外の
部分に散乱した電子線が当たることにより発生する制動
輻射X線や、該X線による蛍光X線がX線検出素子に入
ると雑音となるため、タンタルなどの重金属を材質とし
たコリメ−タ−37をX線検出器31の先端に配置して
いる。さらに、試料5で入射電子が弾性散乱して反射し
てくる反射電子がX線検出素子33に入射して、雑音を
発生したり、素子特性を劣化させるため、永久磁石をコ
リメータ内に挿入し、磁界により反射電子を曲げて、反
射電子がX線検出素子33に入射しないようにしたもの
もある。検出面の面積を広くするとX線検出素子33の
電気容量が大きくなって、雑音が大きくなり、検出でき
るX線のエネルギー分解能が悪くなるため、検出面積と
しては上記の値が限界と考えられている。また、上記X
線検出装置が単位時間当たりに計数できるX線の数には
上記の信号処理回路の時定数による限界があり、この個
数を最大計数率と呼んでいるが、この個数は、1秒間に
約1000個である。試料からの特性X線は等方的に発
生し、X線の強さ(光子数)は照射電子線の電流に比例
する。
【0005】集積回路などの半導体素子の製造の評価、
検査工程で、回路パターンの寸法を測定するのに広く使
われている測長走査型顕微鏡による検査では、異物が観
測され、この異物が、半導体素子の性能劣化、製造の歩
留まり低下の原因になると言われており、短時間で異物
の種類を調べる必要があるが、従来のX線検出器では、
検出感度が低く、時間がかかるため、実用的には使われ
ていなかった。また、試料の2次元元素分布分析では、
電子線を試料の上に走査し、元素分布を求めるため、時
間がかかる。特に、最近の半導体素子の製造に用いられ
るウエハの大きさが8インチから12インチと大きくな
ってくると、必要な計測時間はさらに長くなる。一方、
生物試料など電子線の照射による試料の損傷が問題とな
る試料を観察する場合や、高い空間分解能で試料の2次
電子像を観察する場合では、低い電流の電子線照射で観
察することが好ましい。このため、高感度でX線を検出
することが望まれていた。
【0006】走査型電子顕微鏡では、試料としては厚い
ものが用いられるため、数10ナノメ−トルの空間分解
能の観察での照射電子線の電流値に対して、上記の半導
体素子を用いたX線検出装置の最大計数率に近いX線の
発生が容易に得られる。このため、検出感度は最大計数
率で決まる。X線検出装置の最大計数率を上げる方法と
しては、複数個のX線検出素子を配置し、各素子ごとに
信号を処理する回路を設ける方法がある。この場合、全
体としての最大計数率は配置したX線検出素子の個数倍
だけ大きくできる。また、数ナノメ−トルの空間分解能
での観察や、薄い試料に細い電子線を照射する透過型電
子顕微鏡での観察では、電子線を直径1ナノメ−トル程
度に細く絞るために電流値がとれないことと、電子線が
相互作用する試料の領域が小さいために、発生するX線
の光子数が少ない。この場合には、なるべく、効率的に
X線を検出することが望ましい。すなわち、検出立体角
の大きいX線検出器が望まれていた。検出立体角を大き
くするためには、検出素子をなるべく試料に近接させて
配置させるか、検出面積の大きい検出素子を配置する方
法が考えられる。上記したように、1個の検出素子の検
出面積を大きくするとエネルギ−分解能が劣化するの
で、実際には複数個の検出素子を配置することになるこ
の種の装置としては、特開昭55−3129に述べられ
ているように(図3)、環状のX線検出素子33を備え
たX線検出器31を用い、環状の中心にあけた穴の内側
に電子線2を通過させて、試料5の近傍に配置する方法
がある。この方法では、X線検出器31を試料5と対物
レンズ4の間に挿入し、環状のX線検出素子33を試料
5に近接させているため、特性X線を検出する立体角が
大きくできる。また、特開平3−246862に述べら
れているように、複数台の従来のX線検出器を電子顕微
鏡に搭載し、特性X線を検出する立体角を大きくする方
法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の最初の方法で
は、2次電子検出に関してはなんら考慮がなされておら
ず、図3に示したように、2次電子検出器11を配置し
た場合、2次電子検出器11と試料5の間に、X線検出
器31が配置されているため、2次電子の大部分が遮蔽
され、2次電子検出器11に入る2次電子の量が大幅に
減少するという問題があった。また、雑音を低減するた
めにX線検出器の先端に配置すべき信号増幅回路の一部
である電界効果トランジスタを主とする部分と、X線検
出素子の性能劣化防止用のX線検出器と電子顕微鏡の試
料室を分離するX線透過窓、および、信号雑音となる制
動輻射X線や、該X線による蛍光X線、反射電子の入射
を制限するためのコリメ−タ−等のエネルギ−分散型検
出装置に不可欠な構成要素については全く記載されてお
らず、対物レンズと試料の間に挿入し立体角を稼いでい
るものの、雑音成分が多く、検出感度としては改善され
ず、また、検出素子の性能の劣化が激しく、長期の使用
に関して問題があった。また、X線透過窓とコリメ−タ
−を考慮した場合には、X線検出素子の厚さが3ミリメ
−トル、X線透過窓の支持枠が最低で1ミリメ−トル、
コリメ−タ−の厚さが最低で5ミリメ−トル必要である
ことから、X線検出器の全体の厚さが試料と対物レンズ
の間の距離より大きくなり、電子線経路の近傍に配置で
きなくなるという問題があった。この問題は、試料と対
物レンズの間が狭い、高空間分解能を持つ電子顕微鏡の
場合、顕著となる。さらに、対物レンズを取り囲むよう
に配置された環状のX線検出器の場合には、X線検出器
を移動することができなくなり、X線検出が不要なとき
に、X線検出器を回避したり、修理の際に電子顕微鏡か
ら取り外すことが容易にできなくなるという問題があっ
た。
【0008】従来の技術の項で述べた2番目の方法は、
複数台のX線検出器を搭載する方法であるが、液体窒素
槽をはじめとして、全て台数分必要とするので、高価で
あり、設置できるX線検出器の台数に限界があり、実装
密度が低いという問題があった。
【0009】本発明の目的は、X線検出の最大計数率が
高く、X線検出立体角が大きく、かつ、信号雑音比の高
いX線検出装置を有し、2次電子検出が良好に行なえ、
さらに、X線検出器の移動が容易な電子顕微鏡を安価に
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、環状のX線検出器のかわりに、先端が
馬蹄形又は、円環の一部を欠いた形状のように、開放端
のある容器からなるX線検出器を用い、電子顕微鏡の鏡
体の側面に設けた挿入口から設置すべき位置まで移動で
きるようにし、その容器内に複数個のX線検出素子を内
蔵してX線検出立体角を大きくとり、さらに、その開放
端の側に、2次電子検出器を配置した。
【0011】
【作用】本発明の作用を図4と図5で説明する。図4は
走査型電子顕微鏡の1部の垂直断面図で、図5は本発明
の特徴を表すX線検出器と2次電子検出器の位置関係を
示す走査型電子顕微鏡の水平断面図である。図4におい
て試料5に対物レンズ4により細く絞られた電子線2が
照射される。対物レンズ4と試料5の間に、横方向から
X線検出器と2次電子検出器が配置されている。本発明
の特徴であるX線検出器31の先端は図5に示すように
開放端を有した馬蹄形の形をしており(請求項1)、そ
の開放端の側に2次電子検出器11が配置されている
(請求項2)。試料5から発生した2次電子は、X線検
出器の開放端の空間15を通過し2次電子検出器11の
前面に印加された電界により2次電子検出器11に引き
込まれる。X線検出器31の先端にはX線検出素子の性
能劣化防止用のX線検出器と電子顕微鏡の試料室を分離
するX線透過窓36、および、信号雑音となる制動輻射
X線や、該X線による蛍光X線の入射を制限するための
コリメ−タ−37が取り付けられている。
【0012】上記のように、開放端を持ったX線検出器
31の開放端の側に2次電子検出器11を配置すること
により、2次電子が、遮蔽されることなく2次電子検出
器11により検出されるようになるので、2次電子の検
出効率が低下することがない。さらに、対物レンズ4の
先端が突起していて、高い空間分解能を得るために対物
レンズ4と試料5の間が狭い電子顕微鏡でも、X線検出
器31に開放端を設けることにより対物レンズ4の先端
部にくぐらせ、また、鏡体60に設けた一つの開口61
から、X線検出器31を挿入することが可能になる(請
求項5)。さらに、対物レンズ4の突起の形状にあわせ
て、X線検出器31の馬蹄形の内側の部分に傾斜をつけ
ることにより、X線検出素子33を試料5に近接して配
置することが可能になり、また、X線検出素子33の有
感面を有効に使えるように試料からX線の入射方向に対
して、垂直に配置できる。また、X線検出が不要なとき
に、X線検出器を回避したり、修理の際に電子顕微鏡か
ら取り外すことが容易にできる。さらに、本発明の特徴
である、馬蹄形の形状においては、周方向に複数個のX
線検出素子を配置することが可能となり、これにより、
最大計数率を高くすること、または、X線検出立体角を
大きくすること、すなわち、X線検出感度を上げること
が実現できる(請求項3、4)。さらに、複数個のX線
検出素子を一つの容器内に格納することにより、X線を
冷却するための液体窒素を入れる容器等が一つですむた
め、複数個のX線検出素子を搭載しても軽量にかつ安価
に構成することが可能になる。本作用の説明では、馬蹄
形の開放端の作用について説明したが、円環の一部を欠
いた形状など開放端を有するものについても開放端が、
対物レンズと試料の間等を通過できるようになっていれ
ば、この作用が働くことは自明である。
【0013】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明による実施例を図1、図6、
図7を用いて説明する。図1は本発明を実現する走査電
子顕微鏡の垂直断面図で、集束レンズ2と対物レンズ3
により電子線2は、試料5に照射されるようになってい
る。走査コイル3により、上記試料5の表面に電子線2
を走査し、試料5から発生する2次電子を2次電子検出
器11で検出することにより、2次電子像を得ることが
できる。対物レンズ3と試料5の間に配置されたX線検
出器31により、元素分析が可能となっている。図6は
本発明を実現する電子顕微鏡を電子線の入射する方向す
なわち図1で上方から、X線検出器31と2次電子検出
器11を見た図で、図7はX線検出器の内部の構造を示
す断面図である。X線検出器31は、図6に示すように
馬蹄形の開口を持つ容器を有し、開口の側に2次電子検
出器が位置されるようになっている。試料5から発生す
る2次電子は、作用の項で説明したように、上記開口の
空間を通過して、2次電子検出器11の前面に印加され
た電界により2次電子検出器11に引き込まれて検出さ
れる。又、図7に示すように、本実施例におけるX線検
出器では、馬蹄形の容器内に合計12個のシリコン結晶
からなるX線検出素子33を設置してある。各X線検出
素子は、反対の端面が液体窒素に接している冷却棒34
に取付けた熱伝導率の良い窒化シリコンを材質とするセ
ラミック板35の上に支持されて、低温に冷却されるよ
うになっている。X線検出素子33は、試料5から発生
するX線に対してその検出面が垂直になるように設置し
てある。これにより、各X線検出素子33について、最
大の検出立体角でX線を検出できるようになっている。
試料5と検出素子33の間には、X線検出素子33に特
性X線20を導入し、試料5の交換時冷却されているX
線検出素子33にガスが吸着するのを防止するためにX
線検出器内を真空に保持する、X線透過窓36と、雑音
の原因となる不要な制動X線、反射電子を制限するため
のタンタル製のコリメーター37が設置してある。
【0014】本発明の特徴である馬蹄形の開口を持つこ
とにより、X線検出素子を試料に近接させるために、X
線検出器31を対物レンズと試料の間の空間に容易に移
動できるようになり、また、X線検出をしないときに、
X線検出器を回避したり、修理時に取り外すことが容易
にできるようになった。また、2次電子検出について
も、X線検出器を設置する前と同様に、高感度で、実施
することが可能となった。
【0015】12個の検出素子33からの信号は、12
個の前置増幅器により、電圧信号に変換され、さらに、
信号処理装置40により12個独立に波高分析されて処
理されるために、一つの検出素子の最大計数率は変わら
ないが、12個全体の最大計数率は1個の場合と比較し
て12倍になっている。
【0016】本実施例では、1個のX線検出素子からな
る従来の装置と比較して1桁短い時間で、従来と同じ検
出感度の2次元分布を得ることができ、試料に与える損
傷についても、1桁低い損傷で、従来の感度で元素分析
が可能となった。また、2次電子検出器11で検出され
る信号量は、X線検出器を挿入する前とほとんど変化が
無かった。さらに、本実施例によるX線検出器を集積回
路などの半導体素子の製造の評価、検査工程で、回路パ
タ−ンの寸法を測定するのに広く使われている測長走査
型顕微鏡に適用した結果、異物検査に必要な時間が1桁
短縮でき、実用的に用いられるようになった。
【0017】(実施例2)次に、本発明による別の実施
例を図8を用いて説明する。図8は、高い空間分解能を
得るために、試料を対物レンズの間に挿入し、電子線を
細く絞って試料に照射できるようにした走査型電子顕微
鏡に本発明を実施した図である。この型の電子顕微鏡の
場合、試料5からの2次電子を、対物レンズ3の上側に
配置した2次電子検出器11により検出する。先端が馬
蹄形の開放端の形状になっているX線検出器31を対物
レンズ4と走査コイル6のあいだの空間に鏡体60の側
壁に設けた開口61から挿入している。X線検出器31
の開放端の側に2次電子検出器11が配置されている。
X線検出素子33は試料5から発生する特性X線20の
方向に対して検出面が垂直になるように支持板35に固
定されている。他端が液体窒素に接している冷却棒34
により検出素子33と支持板35は低温に冷却されてい
る。実施例1の項で述べたのと同様に、本実施例でも1
2個の検出素子を馬蹄形空間内に周状に配置した。本実
施例においても、X線検出器21に開放端を設けること
により、2次電子検出器にはいる2次電子が遮られるこ
とがないので、X線検出器を挿入する前と2次電子の検
出量は変化がなかった。又、対物レンズ4と走査コイル
6のあいだの狭い空間に挿入することが可能となった。
又、X線検出素子を12個配置しているため、検出効率
が改善され、従来と比較して、1桁の測定時間の短縮、
1桁の試料5に及ぼす損傷の低減が実現できた。
【0018】なお、実施例2で述べた走査型電子顕微鏡
の構造は、透過型の電子顕微鏡と類似の構造を有してお
り、本発明を透過型の電子顕微鏡にあっても実施するこ
とができる。
【0019】(実施例3)次に、本発明による第三の実
施例を図9を用いて説明する。図9は、高い空間分解能
を得るために、試料を対物レンズの間に挿入し、電子線
を細く絞って試料に照射できるようにした透過型電子顕
微鏡に本発明を実施した断面図である。本実施例におけ
る透過型電子顕微鏡では2次電子検出器はなく、そのの
対物レンズ4の磁極間の距離は4ミリメ−トルであり、
その間に試料台9により試料5が挿入されるようになっ
ている。先端が馬蹄形の開放端の形状になっているX線
検出器31を対物レンズ4の側方の空間に鏡体60の側
壁に設けた開口61から挿入している。X線検出器31
の馬蹄形の開放端側に、試料台9が配置されるようにな
っており、互いに干渉しないようになっている。X線検
出素子33は試料5から発生する特性X線20の方向に
対して検出面が垂直になるように固定されている。他端
が液体窒素に接している冷却棒34により検出素子33
と信号増幅回路の一部38は低温に冷却されている。本
実施例では、馬蹄形空間内に周状1列に11個配置し
た。X線検出器31の先端部には、X線透過窓36と、
雑音の原因となる不要な制動X線、反射電子を制限する
ためのタンタル製の11個のX線透過孔32のあいたコ
リメーター37が設置してある。本実施例においても、
X線検出器21に馬蹄形の開放端を設けることにより、
対物レンズ4の狭い空間に容易に挿入することが可能と
なった。又、移動も可能である。X線検出素子を11個
配置しているため、検出効率が改善され、従来と比較し
て、1桁の測定時間の短縮、1桁の試料5に及ぼす損傷
の低減が実現できた。
【0020】以上3つの実施例を述べたが、検出器の数
については限定するものではなく、複数個であれば幾つ
で構成しても、本発明の本質に関わるものではない。
【0021】
【発明の効果】以上のように、馬蹄形等の先端に開放端
を持つX線検出器を用いることにより、最大計数率を高
くする、又は、X線検出立体角を大きくするために複数
個のX線検出素子を試料に近接して設置することがで
き、X線検出が不要なときにX線検出器を回避したり、
修理の際に電子顕微鏡から取り外すことが容易にでき
る。また、2次電子検出器で検出される2次電子の検出
量を低減することがないので、良好な2次電子像と元素
分析像を同時に取ることが可能となる。さらに、複数個
の検出素子を一つの容器に格納し、一つの液体窒素槽で
冷却することにより、高最大計数率かつ大検出立体角の
X線検出器を安価に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電子顕微鏡構成図。
【図2】従来装置を示す構成図。
【図3】別の従来装置を示す構成図。
【図4】本発明の作用を説明する概念図。
【図5】本発明の作用を説明する概念図。
【図6】本発明の一実施例における検出器の位置関係を
示す水平断面図。
【図7】本発明の一実施例におけるX線検出器の構造
図。
【図8】本発明の別第二の実施例を示す電子顕微鏡構成
図。
【図9】本発明の第三の実施例を示す電子顕微鏡構成
図。
【符号の説明】
1−電子銃、2−電子線、3−集束レンズ、4−対物レ
ンズ、5−試料、6−走査コイル、7−試料台、8−液
体窒素槽、11−2次電子検出器、10−2次電子線、
15−空間、20−特性X線、31−X線検出器、32
−X線透過孔、33−X線検出素子、34−冷却棒、3
5−支持板、36−X線透過窓、37−コリメーター、
38−電界効果トランジスタなどの信号増幅回路の一
部、39−前置増幅器、40−信号処理装置、41−ブ
ラウン管、50−電子銃制御盤、51−レンズ制御盤、
52−走査コイル制御盤、54−真空排気装置、60−
鏡体、61−開口。101−シンチレ−タ、102−等
電位面、103−光電子増倍管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神田 公生 茨城県ひたちなか市市毛882番地 株式会 社日立製作所計測器事業部内 (72)発明者 五十嵐 得七 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズにより細く絞られた電子線を対
    物レンズの先に設置した試料台に固定した試料に照射
    し、該試料から発生するX線を検出する装置を備えた電
    子顕微鏡において,前記X線を検出する装置の先端部
    が、馬蹄形又は、円環の一部を欠いた形状のように開放
    端を有していることを特徴とする電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1記載のX線を検出する装置の開放
    端側に2次電子検出器を設置したことを特徴とする電子
    顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項1記載のX線を検出する装置が、複
    数個のX線検出素子を備えたことを特徴とする電子顕微
    鏡。
  4. 【請求項4】請求項3記載の複数個のX線素子の検出面
    が、試料からのX線の入射方向に対してほぼ垂直になっ
    ていることを特徴とする電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】請求項1記載のX線検出素子を格納する容
    器が対物レンズと試料の間またはまわりの空間、あるい
    は、対物レンズの上側の空間に設置されていることを特
    徴とする電子顕微鏡。
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