JPH0978982A - ボール型シールド掘進機及びシールド掘進方法 - Google Patents

ボール型シールド掘進機及びシールド掘進方法

Info

Publication number
JPH0978982A
JPH0978982A JP25943095A JP25943095A JPH0978982A JP H0978982 A JPH0978982 A JP H0978982A JP 25943095 A JP25943095 A JP 25943095A JP 25943095 A JP25943095 A JP 25943095A JP H0978982 A JPH0978982 A JP H0978982A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
excavator
excavation
shield
machine
cutter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25943095A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2824228B2 (ja
Inventor
Keiichi Tanaka
圭一 田中
Takeshi Ikeda
毅 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP7259430A priority Critical patent/JP2824228B2/ja
Publication of JPH0978982A publication Critical patent/JPH0978982A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2824228B2 publication Critical patent/JP2824228B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 急角度での所望の方向への掘進方向変換がで
きないこと、方向変換すると掘削直径が減少すること、
90度の方向変換するものでは1回の方向変換しかでき
ないこと。 【解決手段】 カッターフレーム20を掘削直径とほぼ
等しい直径の半球体的構造にして複数のカッタービット
30のカッターフェース30aが掘削直径と等直径の半
球面に位置するように複数のカッタービット30を配設
し、後胴部4を除くシールド掘進機本体が前記半球面を
含む球面内に収容可能に構成し、中心Aを回動中心とし
てシールド掘進機本体を所望の方向へ方向変換して掘進
できるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ボール型シールド
掘進機及びシールド掘進機によるシールド掘進方法に関
し、特に、掘進方向を所望の方向へ変更可能にした掘進
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】上水道管、下水道管、共同溝、地下鉄用
トンネル等の種々の地下通路を掘削する場合に、シール
ド掘進機が適用される。通常のシールド掘進機は、複数
のカッタービットを付設したカッターディスクを有する
掘進機と、その本体フレームに付設されセグメントを構
築する為のエレクタと、掘進機の本体フレームに連結さ
れた円筒状の後胴部と、掘進推力発生用の複数のシール
ドジャッキ、土砂を流動化して搬出する流体式土砂搬出
機構またはコンベア式土砂搬出機構などを備えている。
【0003】前記のシールド掘進機では、掘進方向を自
由には変更できず、掘進方向を10数度程度しか変更で
きないため、水平坑を急角度で方向変換したり、水平坑
を90度方向変換したり、立坑から水平坑に方向変換し
たりすることが不可能である。 しかし、最近では、道
路の直下に沿って地下通路を掘削する場合に、道路の交
差点において掘進方向を90度方向変換したり、構築物
の基礎等と干渉する場所において掘進方向を急角度で方
向変換したり、立坑から水平坑へ90度方向変換したり
するケースが多くなりつつある。
【0004】そこで、特開昭63−251598号公報
に記載のシールド掘進機においては、前部胴を部分球状
体に形成し、前部胴の前端部に半球面よりも小さい部分
球面をなすカッターディスクを設け、カッターディスク
の部分球面状の前端面と円筒状外周面とに複数のカッタ
ービットを設け、後部胴の前部を部分球状体に形成し、
前部胴と後部胴の間の中間胴(前部胴と球面座を介して
接続され、後部胴と球面座を介して接続される)を介し
て、中間胴に対して前部胴を約27度屈曲可能に構成す
るとともに、後部胴に対して中間胴を約17度屈曲可能
に構成し、円弧状のカーブに沿って掘進できるように構
成してある。
【0005】一方、特開平4−140396号公報に記
載の掘削室回転型シールド掘進機においては、外部シー
ルド掘進機の円筒体の先端部内に、円筒体よりも小径の
球状掘削室を設け、この球状掘削室に内蔵シールド掘進
機を球状掘削室とともに回転可能に設け、円筒体の側面
に内蔵シールド掘進機が通過可能な開口を形成し、外部
シールド掘進機と内蔵シールド掘進機とを同軸状に配置
した状態において、両掘進機により立坑を掘削し、立坑
の終端において、内蔵シールド掘進機を球状掘削室とと
もに90度方向変換し、その後、内蔵シールド掘進機に
より水平坑を掘削できるように構成してある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭63−25
1598号公報に記載のシールド掘進機においては、掘
進方向を円弧状のカーブに沿って方向変換できるだけで
あり、水平坑を90度方向変換したり、立坑を水平坑に
方向変換したりするように、急角度の方向変換ができな
いので掘削対象が著しく制約されること、前部胴の構造
はともかく、後部胴と中間胴の構造が複雑化すること、
その構造の複雑化と方向変換用ジャッキの数の増加等の
ため製作コスト的に不利であること、等の問題がある。
【0007】前記特開平4−140396号公報に記載
の掘削室回転型シールド掘進機は、基本的に、立坑から
水平坑に方向変換することを目的としたものであり、掘
進方向を90度方向変換できるだけであり、任意角度の
方向変換はできないこと、内蔵シールド掘進機の掘削径
は、外部シールド掘進機の掘削径よりも小径であるた
め、掘削径を維持したまま掘進方向を変換できないこ
と、掘進方向の方向変換は1回だけ可能で、複数回にわ
たる方向変換はできないこと、等の問題がある。
【0008】本発明の目的は、シールド掘進技術におい
て、急角度の掘進方向変換を可能にすること、所望の方
向への掘進方向変換を可能にすること、複数回にわたる
掘進方向変換を可能にすること、掘進方向変換の前後に
おいて掘削径を同一にすること、シールド掘進機の構造
が複雑化するのを防止すること、等である。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1のボール型シー
ルド掘進機は、掘進機と、この掘進機の後端部に連結さ
れた円筒状の後胴部とを備えたシールド掘進機におい
て、前記掘進機の複数のカッタービットのカッターフェ
ースが、掘削直径と等しい直径の半球面に位置するよう
に複数のカッタービットが配設され、前記後胴部が掘進
機の後端部に連結解除可能に連結されたものである。そ
れ故、掘進方向を変更する場合には、後胴部の連結を解
除した状態で、掘進機を前記半球面の中心を回動中心と
して回動させることで、掘進機を所望の方向へ向け、そ
の所望の方向へ掘進方向を変更して掘進することができ
る。
【0010】従って、掘進方向を緩角度にも急角度にも
自由に方向変換でき、所望の方向へ変換でき、方向変換
を実行しても掘削径は不変であり、掘進中の所望の位置
で方向変換できるため複数回にわたって方向変換でき
る。しかも、付随するエレクタやシールドジャッキ等の
機器を前記半球面を含む球面内に収容可能に配置すれ
ば、掘進機を前記半球面の中心を回動中心として回動さ
せる得るので、シールド掘進機の構造があまり複雑化す
ることもない。
【0011】請求項2のボール型シールド掘進機は、掘
進機と、この掘進機の後端部に連結された円筒状の後胴
部とを備えたシールド掘進機において、前記掘進機の複
数のカッタービットを取付けるカッターフレームが、掘
削直径とほぼ等しい直径の半球面の内側に沿う形状に構
成され、前記後胴部が掘進機の後端部に連結解除可能に
連結されたものである。それ故、前記カッターフレーム
に取付けられる複数のカッタービットのカッターフェー
スを、掘削直径と等しい直径の半球面に位置するように
配設できる。その結果請求項1と同様の作用が得られ
る。
【0012】請求項3のボール型シールド掘進機は、掘
進機と、この掘進機の後端部に連結された円筒状の後胴
部と、エレクターと、掘進推力発生用の複数のシールド
ジャッキとを備えたシールド掘進機において、前記掘進
機の複数のカッタービットのカッターフェースが、掘削
直径と等しい直径の半球面に位置するように複数のカッ
タービットが配設され、前記後胴部が掘進機の後端部に
連結解除可能に連結されたものである。それ故、掘進機
とエレクターと複数のシールドジャッキとを前記半球面
を含む球面内に収容可能に構成しておけば、請求項1と
同様に、後胴部の連結を解除した状態で、掘進機を前記
半球面の中心を回動中心として回動させることで、掘進
機を所望の方向へ向け、その所望の方向へ掘進方向を変
更して掘進することができる。その他は、請求項1と同
様である。
【0013】請求項4のボール型シールド掘進機は、請
求項3の発明において、前記掘進機と、エレクターと、
複数のシールドジャッキとが、前記半球面を含む球面内
に収容可能に構成されたものである。それ故、請求項3
で説明したように、後胴部の連結を解除した状態で、掘
進機を前記半球面の中心を回動中心として回動させるこ
とで、掘進機を掘削済みの方向以外の所望の方向へ向
け、その所望の方向へ掘進することができる。その他
は、請求項3と同様である。
【0014】請求項5のボール型シールド掘進機は、請
求項3又は請求項4の発明において、前記半球面の中心
を回動中心として掘進機を回動させて掘進機を所望の方
向に向け、掘進方向を前記所望の方向へ変更可能に構成
したものである。それ故、請求項3で説明したように、
後胴部の連結を解除した状態で、掘進機を前記半球面の
中心を回動中心として回動させることで、掘進機を所望
の方向へ向け、その所望の方向へ掘進方向を変更して掘
進することができる。その他は、請求項3又は請求項4
と同様である。
【0015】請求項6のシールド掘進方法は、シールド
掘進機の複数のカッタービットのカッターフェースが、
掘削直径と等しい直径の半球面に位置するように複数の
カッタービットを予め配設しておき、任意の第1方向へ
掘進した掘進終了端において、前記半球面の中心を回動
中心として掘進機を回動させて掘進機を第1方向と異な
る第2方向に向け、掘進方向を第1方向から第2方向へ
変更することを特徴とするものである。複数のカッター
ビットを前記のように予め配設しておくので、掘進機に
付随するエレクタやシールドジャッキ等の機器を前記半
球面を含む球面内に収容可能に配置しておけば、任意の
第1方向へ掘進した掘進終了端において、前記半球面の
中心を回動中心として掘進機を回動させて掘進機を第1
方向と異なる第2方向に向けることができる。その回転
後第2方向へ掘進していくことができる。従って、掘進
方向を緩角度にも急角度にも自由に方向変換でき、所望
の方向へ変換でき、方向変換を実行しても掘削径は不変
であり、掘進中の所望の位置で方向変換できるため複数
回にわたって方向変換できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係るボール
型シールド掘進機は、掘削径2〜15mφ程度のトンネ
ル状の地下通路(上水道、下水道、共同溝、地下道、地
下鉄等の地下通路)を掘削する為の掘進機である。図1
〜図3に示すように、このボール型シールド掘進機1
は、掘進機2と、例えば20組のシールドジャッキ3
と、掘進機2の後端部にボルトで連結された円筒状の後
胴部4(これは、テールプレート4aと、テールプレー
ト4aの後端に連結された円筒状のシールプレート4b
とからなる)と、覆工用のセグメントを構築する為のエ
レクター6等を有する。前記ボール型シールド掘進機1
のうち、後胴部4以外の構成要素は、掘削直径とほぼ等
しい直径で中心Aを中心とする球面K内に収容可能に構
成されている。それ故、ボール型シールド掘進機と称す
る。
【0017】最初に、掘進機2について説明する。掘進
機2は、本体フレーム10、本体フレーム10に回転自
在に装着されたカッターフレーム20、カッターフレー
ム20に装着された複数のカッタービット30、カッタ
ーフレーム20を回転駆動する例えば7個の電動モータ
40(これらが、カッターモータに相当するが、油圧モ
ータで構成してもよい)、掘削した土砂に水を加えて流
動化した泥水を排出する泥水排出機構50等を有する。
この掘進機2は、掘削直径と等しい直径で中心Aを中心
とする半球面Sとその半球面Sに段落ち状に連なる狭幅
の環状面R内にほぼ納まるように構成されている。
【0018】本体フレーム10は回転駆動されない静止
側フレームであり、この本体フレーム10は、中央支持
部材11、この中央支持部材11から外周側まで延びる
複数の部材からなる後端側部材12、後端側部材12の
外周部をなす外周部材13、後端において後端側部材1
2に固着された円筒部材14、円筒部材14の前端の内
側に位置する前端壁部材15(バルクヘッド)、円筒部
材14の外面から外周に至る環状壁部材16等を有す
る。前端壁部材15と円筒部材14と環状壁部材16と
で前端側のチャンバー17の泥水を遮断する仕切り壁が
構成されている。
【0019】カッターフレーム20は、前記中心Aを中
心とし掘削直径とほぼ等しい直径(掘削直径よりもカッ
ター30の突出代の2倍だけ小さい直径)の半球面の内
側に沿うような半球的構造に構成してある。カッターフ
レーム20は、中央部材21、この中央部材21から放
射方向へ延びる例えば6本の放射状部材22、環状部材
23、放射状部材22同士間の位置において環状部材2
3から放射方向へ延びる例えば6本の外側放射状部材2
4、外周部の環状部材25、環状部材23から後方へ一
体的に延びる支持用環状部材であるカッタードラム26
等からなる。
【0020】カッターフレーム20の放射状部材22と
外側放射状部材24の両面には、所定間隔おきとなるよ
うに複数のカッタービット30がボルトや溶接により固
定されており、複数のカッタービット30のカッターフ
ェース30aは、掘削直径を直径とし中心Aを中心とす
る半球面Sに位置している。
【0021】カッタードラム26の外周面と内周面とは
シール材27a,27bでシールされ、カッタードラム
26の後端面には、内歯を有するリングギヤ28が固着
され、リングギヤ28は、ベアリング29aと環状のベ
アリング支持体29bとこのベアリング支持体29bが
固定されたウェブ29cを介して円筒部材14に支持さ
れている。7個の電動モータ40は、円周7等分位置に
前後向きに配置され、各電動モータ40の出力軸に固定
されたピニオンギヤ41がリングギヤ28に噛合されて
いる。それ故、7個の電動モータ40を正方向又は逆方
向へ回転駆動すると、カッターフレーム20が正方向又
は逆方向へ回転駆動され、多数のカッタービット30に
より半球面Sの全面にわたる掘削がなされる。
【0022】泥水排出機構50について説明すると、図
示外の圧送ポンプから加圧水を供給する送水管51が軸
心近傍部に沿って配設され、送水管51には、バルブ5
2が介設され、送水管51の前端がチャンバー17に開
放されている。チャンバー17の泥水を排出する排出管
53が設けられ、排出管53には、バルブ54が介設さ
れ、排出管54は軸心近傍部に沿って前方へ延び、外部
の排出系統に接続されている。送水管51と排出管54
のうちエレクター6より後方の部分は可撓性のホースか
らなる。多数のカッタービット30で掘削された土砂
は、送水管51から供給される水と攪拌混合されて泥水
となり、排出管53から外部へ排出される。
【0023】次に、シールドジャッキ3について説明す
る。20組のシールドジャッキ3は、円筒部材14と環
状壁部材16間に円周20等分位置に配設されている。
シールドジャッキ3は、掘進の推力を発生させる為の複
動型油圧シリンダであり、各シールドジャッキ3は油圧
ホースを介して図示外の油圧供給ユニットに接続され、
各シールドジャッキ3を独立に駆動可能に構成してあ
る。
【0024】各シールドジャッキ3は、ピン結合部60
とトラニオン支持部61とを介して揺動自在に装着さ
れ、そのロッドの先端部には、テールプレート4aの内
面に軸方向摺動自在のシュー部材62がボール継手にて
連結されている。シールドジャッキ3は、そのロッドを
伸長させ、シュー部材62を介して既設のセグメント6
4の前端を蹴ることで、掘進推力を発生させる。各シー
ルドジャッキ3を揺動駆動する揺動用油圧シリンダ63
が半径方向向きに配置されて円筒部材14に固定され、
そのロッドはトラニオン支持部61を介してシールドジ
ャッキ3を支持している。
【0025】次に、後胴部4について説明すると、テー
ルプレート4aは、掘削直径よりも幾分小さい直径の円
筒体であり、軸方向に所定の長さを有する。テールプレ
ート4aの前端部は、複数個所において本体フレーム1
0の外周部材13にボルト・ナットにより連結解除可能
に連結されている。テールプレート4aは、その内面に
セグメントを構築することで、セグメント構築の基準を
なすものであり、同時に、シールプレート4bと協働し
て、掘削面から湧きだす水を遮断するものである。シー
ルプレート4bはテールプレート4aと同径の円筒体で
あり、テールプレート4aの後端部に固定され、シール
プレート4bの内面側にはセグメント64の外面に当接
して水を遮断する為の複数のシール部材が装着されてい
る。
【0026】次に、セグメント64を構築する為のエレ
クター6は一般的なものであるので簡単に説明する。エ
レクター6は、中央支持部材11の筒状部材11aに軸
受けを介して回転自在に支持された支持体65、ガイド
用筒体66、ガイド用筒体66でガイドされて半径方向
へ移動自在のガイドロッド67、ガイドロッド67の先
端に付設されたエレクター本体68、エレクター本体6
8を半径方向へ昇降駆動する油圧シリンダ69、支持体
65を回転駆動する油圧または電動の駆動モータ(図示
略)等を有する。
【0027】次に、以上説明したボール型シールド掘進
機1の作用について、図4〜図11を参照して説明す
る。図4に示すように、掘進機2を作動させ、掘削した
地下通路の内面をエレクター6によりセグメント64で
覆工しつつ、地下通路を掘進し覆工していく。この場合
の作動は、通常の掘進機と同様である。
【0028】ここで、所定の第1方向へ直進的に掘進し
て来た第1方向地下通路の終端部において、掘進方向を
第1方向とは異なる所望の第2方向へ方向変換する場合
には図5に示すように後胴部4の連結を解除して掘進を
継続し、図6に示すように、最前端の1リング分のセグ
メント64の前側に、反力支持用の細長のブロック75
をリング状に配置し、20組のシールドジャッキ3のロ
ッドでブロック75の前端を蹴ることにより、図7に示
すように、球面Kの後端が後胴部4の前端よりも所定距
離前方に来るまで掘進して前進させる。
【0029】尚、この方向変換する終端部の全域に対し
て、予め地上からボーリングを介してノズルを多数回挿
入し、そのノズルから止水用の地盤改良剤を注入して地
盤を硬化させて止水処理しておく。図中のクロスハッチ
ング領域が止水処理された領域である。但し、掘進機2
に、前記地盤改良剤を注入する為のノズルや配管系を含
む注入機構を予め組み込んでおき、その注入機構により
止水処理してもよい。次に、左方向へ水平に90度方向
変換する場合を例として説明すると、掘進機2のカッタ
ーフレーム20の回転を停止し、右半部分に位置する例
えば8組のシールドジャッキ3を用いて、次のようにし
て、ボール型シールド掘進機1のうちの後胴部4を除く
部分(これを、シールド掘進機本体という)を、前記中
心Aを回動中心として所望の方向へ回動させてシールド
掘進機本体を所望の掘進方向へ向ける。
【0030】この場合、左半分のブロック75は撤去
し、右半分の8組のシールドジャッキ3に対応する8列
のブロック75を、既設のセグメント64の前端に当接
させたまま、ブロック75を掘削壁面に仮アンカーボル
ト等で固定する。これら8列のブロック75を8組のシ
ールドジャッキ3のシュー部材62で夫々蹴ることによ
り、シールド掘進機本体を所定角度回動させ、その後8
列のブロック75を追加的に設けて固定し、シールド掘
進機本体を所定角度回動させるのを繰り返していく(図
8、図9参照)。尚、前記各列のブロック75は、各シ
ールドジャッキ3毎に独立の構造でもよいし、複数のシ
ールドジャッキ3用のものを連結した構造でもよい。
【0031】次に、図10に示すように、シールド掘進
機本体の、第1方向に対して90度左方へ方向変換した
第2方向への方向変換が終了した時点において、後胴部
4の前端の位置に、掘削坑の下半分を塞ぐ半円形板から
なる堤板76を横断状に配設し、この堤板76の前側に
土砂77を埋め戻す。そして、図10に示す状態から第
2方向に向かって掘進を開始し、所定の小距離掘進した
時点において、8列のブロック75の下端に当接し且つ
堤板76の上端に当接するように、反力支持用の分割型
のリング部材78をリング状に組立てて固定する。
【0032】次に、リング部材78を20組のシールド
ジャッキ3で蹴ることで所定距離掘進し、その後20組
のシールドジャッキ3に対応する掘進用ブロック(図示
略)であってブロック75と同様の掘進用ブロックを介
して反力を支持しつつ、掘削坑の直径にほぼ等しい距離
だけ掘進した位置において、掘進用ブロックを撤去し、
図11に示すように、前記テールプレート4aとシール
プレート4bとは別の分解可能の組立型テールプレート
4cとシールプレート4dとからなる後胴部4Aを組立
ててセットし、これら後胴部4Aの内面側に例えば3リ
ング分のセグメント64を覆工し、その後、第1方向へ
の掘進と同様に第2方向へ掘進し、エレクター6を介し
てセグメント64で覆工していく。
【0033】以上のボール型シールド掘進機1において
は、カッターフレーム20が、掘削直径とほぼ等しい直
径の半球面の内側に沿う半球的構造に構成され、複数の
カッタービット30のカッターフェース30aが、掘削
直径と等しい直径の半球面Sに位置するように構成さ
れ、更に、シールド掘進機本体が半球面Sを含む球面内
に収容可能に構成してあるので、次のような効果を奏す
る。前記のように半球面Sの中心Aを回動中心として、
掘進方向を所望の方向へ方向変換することができ、緩角
度でも急角度でも方向変換できる。
【0034】前記の例では、水平地下通路から水平地下
通路への90度の方向変換を例として説明したが、縦地
下通路から水平地下通路への90度または所望の方向変
換、、その反対の水平地下通路から縦地下通路への90
度または所望の方向変換、水平地下通路から水平地下通
路への90度または所望の方向への方向変換等の方向変
換が可能である。更に、掘進方向を変換しても、掘削直
径が変化することがないし、また、何回でも方向変換す
ることができる。更に、カッターフレーム20を半球的
構造に構成して、そのカッターフレーム20に複数のカ
ッタービット30を装着し、シールド掘進機本体を球面
内に収容可能に構成するという簡単な構成であるので、
製作コスト的にも有利である。
【0035】尚、前記実施の形態を以下のように部分的
に変更することもできる。 1〕前記掘進方向変換の際、掘進機2の作動を停止した
が、方向変換時の抵抗低減のため、掘進機2のカッター
フレーム20を低速回転させつつ方向変換してもよい。
尚、この場合、泥水排出機構50を作動させてもよい
し、作動停止してもよい。 2〕前記掘進方向変換の際、反力支持の為のブロック7
5を適用したが、油圧シリンダ63でシールドジャッキ
3の方向を規制しつつ、シールドジャッキ3のロッドの
先端のシュー部材62で掘削壁面を蹴りつつ方向変換し
てもよい。
【0036】3〕前記掘進方向変換の際、右半部側のシ
ールドジャッキ3の作動と並行して、シールド掘進機本
体の左半部側をウインチ等で後方へ引っ張ってもよい。 4〕前記泥水排出機構50の代わりに、ベルトコンベア
等で土砂を排出する土砂排出機構を設けてもよい。
【0037】
【発明の効果】請求項1のボール型シールド掘進機にお
いては、掘進機の複数のカッタービットのカッターフェ
ースが、掘削直径と等しい直径の半球面に位置するよう
に複数のカッタービットが配設され、前記後胴部が掘進
機の後端部に連結解除可能に連結されている。それ故、
掘進方向を変更する場合には、後胴部の連結を解除した
状態で、掘進機を前記半球面の中心を回動中心として回
動させることで、掘進機を所望の方向へ向け、その所望
の方向へ掘進方向を変更して掘進することができる。
【0038】従って、掘進方向を緩角度にも急角度にも
方向変換でき、所望の方向へ変換でき、方向変換を実行
しても掘削径は不変であり、掘進中の所望の位置で方向
変換できるため複数回にわたって方向変換できる。しか
も、付随するエレクタやシールドジャッキ等の機器を前
記半球面を含む球面内に収容可能に配置すれば、掘進機
を前記半球面の中心を回動中心として回動させる得るの
で、シールド掘進機の構造があまり複雑化することもな
い。
【0039】請求項2のボール型シールド掘進機におい
ては、掘進機の複数のカッタービットを取付けるカッタ
ーフレームが、掘削直径とほぼ等しい直径の半球面の内
側に沿う形状に構成され、後胴部が掘進機の後端部に連
結解除可能に連結されている。それ故、前記カッターフ
レームに取付けられる複数のカッタービットのカッター
フェースを、掘削直径と等しい直径の半球面に位置する
ように配設できる。その結果請求項1と同様の効果が得
られる。
【0040】請求項3のボール型シールド掘進機は、掘
進機と後胴部とエレクターと複数のシールドジャッキと
を備えたシールド掘進機において、掘進機の複数のカッ
タービットのカッターフェースが、掘削直径と等しい直
径の半球面に位置するように複数のカッタービットが配
設され、後胴部が掘進機の後端部に連結解除可能に連結
されたものである。それ故、掘進機とエレクターと複数
のシールドジャッキとを前記半球面を含む球面内に収容
可能に構成しておけば、請求項1と同様に、後胴部の連
結を解除した状態で、掘進機を前記半球面の中心を回動
中心として回動させることで、掘進機を所望の方向へ向
け、その所望の方向へ掘進方向を変更して掘進すること
ができる。その他は、請求項1と同様である。
【0041】請求項4のボール型シールド掘進機におい
ては、請求項3と同様の効果を奏するが、掘進機と、エ
レクターと、複数のシールドジャッキとが、前記半球面
を含む球面内に収容可能に構成されている。それ故、請
求項3で説明したように、後胴部の連結を解除した状態
で、掘進機を前記半球面の中心を回動中心として回動さ
せることで、掘進機を掘削済みの方向以外の所望の方向
へ向け、その所望の方向へ掘進することができる。その
他は、請求項3と同様である。
【0042】請求項5のボール型シールド掘進機におい
ては、請求項3又は請求項4と同様の効果を奏するが、
前記半球面の中心を回動中心として掘進機を回動させて
掘進機を所望の方向に向け、掘進方向を前記所望の方向
へ変更可能に構成してある。それ故、請求項3で説明し
たように、後胴部の連結を解除した状態で、掘進機を前
記半球面の中心を回動中心として回動させることで、掘
進機を所望の方向へ向け、その所望の方向へ掘進方向を
変更して掘進することができる。その他は、請求項3又
は請求項4と同様である。
【0043】請求項6のシールド掘進方法においては、
シールド掘進機の複数のカッタービットのカッターフェ
ースが、掘削直径と等しい直径の半球面に位置するよう
に複数のカッタービットを予め配設しておき、任意の第
1方向へ掘進した掘進終了端において、前記半球面の中
心を回動中心として掘進機を回動させて掘進機を第1方
向と異なる第2方向に向け、掘進方向を第1方向から第
2方向へ変更する。複数のカッタービットを前記のよう
に予め配設しておくので、掘進機に付随するエレクタや
シールドジャッキ等の機器を前記半球面を含む球面内に
収容可能に配置しておけば、任意の第1方向へ掘進した
掘進終了端において、前記半球面の中心を回動中心とし
て掘進機を回動させて掘進機を第1方向と異なる第2方
向に向け、第2方向へ掘進していくことができる。従っ
て、掘進方向を緩角度にも急角度にも方向変換でき、所
望の方向へ変換でき、方向変換を実行しても掘削径は不
変であり、掘進中の所望の位置で方向変換できるため複
数回にわたって方向変換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るボール型シールド掘進
機の断面図である。
【図2】図1のシールド掘進機の概略正面図である。
【図3】図1のシールド掘進機の要部背面図である。
【図4】第1方向へ掘進中の作動説明図である。
【図5】第1方向へ掘進中で後胴部の連結解除状態の作
動説明図である。
【図6】第1方向へ掘進中の作動説明図である。
【図7】第1方向から第2方向へ方向変換する方向変換
直前状態の作動説明図である。
【図8】第2方向へ方向変換開始状態の作動説明図であ
る。
【図9】方向変換中の状態を示す作動説明図である。
【図10】方向変換完了状態を示す作動説明図である。
【図11】第2方向へ掘進中の状態を示す作動説明図で
ある。
【符号の説明】
1 ボール型シールド掘進機 2 掘進機 3 シールドジャッキ 4 後胴部 6 エレクター 10 本体フレーム 20 カッターフレーム 30 カッタービット 30a カッターフェース

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘進機と、この掘進機の後端部に連結さ
    れた円筒状の後胴部とを備えたシールド掘進機におい
    て、 前記掘進機の複数のカッタービットのカッターフェース
    が、掘削直径と等しい直径の半球面に位置するように複
    数のカッタービットが配設され、前記後胴部が掘進機の
    後端部に連結解除可能に連結されたことを特徴とするボ
    ール型シールド掘進機。
  2. 【請求項2】 掘進機と、この掘進機の後端部に連結さ
    れた円筒状の後胴部とを備えたシールド掘進機におい
    て、 前記掘進機の複数のカッタービットを取付けるカッター
    フレームが、掘削直径とほぼ等しい直径の半球面の内側
    に沿う形状に構成され、前記後胴部が掘進機の後端部に
    連結解除可能に連結されたことを特徴とするボール型シ
    ールド掘進機。
  3. 【請求項3】 掘進機と、この掘進機の後端部に連結さ
    れた円筒状の後胴部と、エレクターと、掘進推力発生用
    の複数のシールドジャッキとを備えたシールド掘進機に
    おいて、 前記掘進機の複数のカッタービットのカッターフェース
    が、掘削直径と等しい直径の半球面に位置するように複
    数のカッタービットが配設され、前記後胴部が掘進機の
    後端部に連結解除可能に連結されたことを特徴とするボ
    ール型シールド掘進機。
  4. 【請求項4】 前記掘進機と、エレクターと、複数のシ
    ールドジャッキとが、前記半球面を含む球面内に収容可
    能に構成されたことを特徴とする請求項3に記載のボー
    ル型シールド掘進機。
  5. 【請求項5】 前記半球面の中心を回動中心として掘進
    機を回動させて掘進機を所望の方向に向け、掘進方向を
    前記所望の方向へ変更可能に構成したことを特徴とする
    請求項3又は請求項4に記載のボール型シールド掘進
    機。
  6. 【請求項6】 シールド掘進機の複数のカッタービット
    のカッターフェースが、掘削直径と等しい直径の半球面
    に位置するように、複数のカッタービットを予め配設し
    ておき、 任意の第1方向へ掘進した掘進終了端において、前記半
    球面の中心を回動中心として掘進機を回動させて掘進機
    を第1方向と異なる第2方向に向け、掘進方向を第1方
    向から第2方向へ変更することを特徴とするシールド掘
    進方法。
JP7259430A 1995-09-11 1995-09-11 ボール型シールド掘進機 Expired - Fee Related JP2824228B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7259430A JP2824228B2 (ja) 1995-09-11 1995-09-11 ボール型シールド掘進機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7259430A JP2824228B2 (ja) 1995-09-11 1995-09-11 ボール型シールド掘進機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0978982A true JPH0978982A (ja) 1997-03-25
JP2824228B2 JP2824228B2 (ja) 1998-11-11

Family

ID=17333987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7259430A Expired - Fee Related JP2824228B2 (ja) 1995-09-11 1995-09-11 ボール型シールド掘進機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2824228B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110424976A (zh) * 2019-07-30 2019-11-08 中国地质大学(北京) 多段曲面盾构刀盘

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0781495A (ja) * 1993-09-09 1995-03-28 Nissan Motor Co Ltd モール構造

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0781495A (ja) * 1993-09-09 1995-03-28 Nissan Motor Co Ltd モール構造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110424976A (zh) * 2019-07-30 2019-11-08 中国地质大学(北京) 多段曲面盾构刀盘
CN110424976B (zh) * 2019-07-30 2024-04-16 中国地质大学(北京) 多段曲面盾构刀盘

Also Published As

Publication number Publication date
JP2824228B2 (ja) 1998-11-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5221160A (en) Subterranean connecting method for construction of shield tunnel and connecting apparatus therefor
JP2007327246A (ja) トンネル掘削機及びトンネル掘削工法
EP0316747B1 (en) Method and apparatus for building pipeline
JPH07107359B2 (ja) 地下空洞施工法及びトンネル掘削機
JP2824228B2 (ja) ボール型シールド掘進機
JP3667717B2 (ja) シールド掘進機
JP3039921B2 (ja) 2段式シールド掘進機
JP3396026B2 (ja) シールド掘進機のカッターディスク
JP2898966B1 (ja) 矩形トンネル用シールド掘進機
JP2711300B2 (ja) 複断面シールド機の変向方法
EP0393187A1 (en) Method and apparatus for connecting halves of shield tunnel under ground
JPH01230892A (ja) シールド掘進機
KR920004490B1 (ko) 지중갱의 굴삭공법과 그 장치
JP2599073B2 (ja) 計画トンネルの外周リング状覆工装置
JP2585365B2 (ja) シールド工法
JP3245033B2 (ja) トンネル掘削機及び掘削方法
JP2712685B2 (ja) シールド掘進機
JP3408723B2 (ja) 異径トンネルの掘削工法
JP3347312B2 (ja) 地中接合型シールド掘進機及びその地中接合方法
JP3231291B2 (ja) 地中接合型シールド掘進機
JP3226862B2 (ja) 地中接合型シールド掘進機
JPH07269281A (ja) シールド掘進機
JPH01203593A (ja) シールド掘進機
JP2000257369A (ja) シールド掘進機
JPH04238997A (ja) 計画トンネルの外周リング状覆工装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees